2023年10月期有価証券報告書より

リスク

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業、経営の状況などに関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。

当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生後の対応に努めるものでありますが、当社グループの株式に関する投資判断は、本項及び本報告書中の本項以外の記載事項も慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ビジネスモデルのリスク

当社グループのビジネスモデルは、インターネットを介して商品情報を提供し販売しております。インターネットの更なる普及及び利用拡大、企業の経済活動におけるインターネット利用の増加等が事業展開の基本条件であると考えています。しかしながら、仮にインターネットの普及に伴う新たな法的規制の導入、技術革新の停滞、通信コストの改定などの予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。それらのリスクに対して当社グループは、グループ各社の事業環境及び経営状況を常に把握し、必要に応じて当社取締役会等にて検討してモニタリングを行うなど、安定した業績及び健全な財政状態の維持に努めております。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① EC市場における競争について

当社グループが属するEC分野においては、小規模な事業者まで含めるとECを行う事業者は多数存在しています。参入障壁が低いことから、EC市場のさらなる拡大に伴い、新規参入業者が増加し、利益率や品質を度外視した過当な価格競争が業界内に横行するような状況になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、カタログ等の紙媒体を主力としている大手の通信販売事業者がインターネットを本格的に活用した販売活動を強化する可能性もあります。豊富な商品群や顧客基盤、販売ノウハウを有するカタログ通販業者等がインターネットによる販売活動を強化した場合、想定していた市場シェアを確保できず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 商品の安全性について

当社グループは、安全性を確認できる商品のみ提供する方針であるため、健康等への影響が大きい化粧品や健康食品については、大手メーカーにて検査体制や品質の維持及び管理において安全性が確保されていると考えられる商品以外は取り扱わない方針であります。また、他の商品においても、製造者や卸業者が提示する機能などに関しては、可能な場合は第三者機関証明書を徴求する等、出来る限り表示内容の確認を実施し、お客様により安心して購入していただくための環境整備に努めております。しかしながら、当社グループの取扱商品について、製造者や生産者による表示の偽装や品質に関する虚偽の情報提供などが行われる可能性は否定できません。かかる事象が発生した場合、行政処分や消費者からのクレームによる損害賠償等が生じる可能性があるとともに、当社グループの対外的信用力が低下することにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ インターネットモールにかかる影響について

当社グループは、EPOというマーケティング手法により、インターネット上のECモールにおけるマーケティングの最適化を行うことを大きな武器として成長しております。そのため、日本の代表的なECモールである楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECのインフラとも言うべき企業の運営方針の影響を受けます。複数のECモールへの出店や独自サイトの運営の開始などにより、1つのECモールに依存しない運営体制の構築に努めております。しかしながら、ECモールが同一企業による複数の店舗の出店を禁止することによる既存店舗の閉鎖や、販売ロイヤリティ率の引き上げに伴いECモールへの出店に関する費用が増大する場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 季節変動について

当社グループは、夏季休暇が含まれる8月~9月は売上高・利益が減少する傾向にあり、11月~12月の贈答シーズンに売上高・利益が増加する傾向にあるため、通期の業績に占める第1四半期の比重が高くなっております。それらのリスクに対して当社グループでは、在庫状況を常に把握し、必要に応じて当社経営会議等にて検討してモニタリングを行うなど、安定した売上高・利益確保に努めております。このため、特定の四半期業績のみをもって当社グループの通期業績見通しを判断することは困難であり、第1四半期の業績如何によっては年度の経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

⑤ 物流業務の外部委託について

当社グループでは、主に静岡県磐田市並びに愛知県春日井市などに売れ筋商品を中心とした在庫を保有しており、当該商品の検品・保管・仕分・梱包といった物流関連業務を物流サービス業者に委託しております。これらのリスクに対して当社グループでは、常に当該物流サービス企業の状況を把握し、配送費用に関する他社比較を行いながら、新たな物流拠点の開拓に努めております。当該物流サービス企業の業績の悪化や在庫を保有している倉庫が自然災害又は火事などにより操業できなくなった場合、在庫の滅失、毀損や配送遅延、サービス一時停止などといった事態の発生により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 運送会社との取引関係について

当社グループからお客様への商品配送は、そのほとんどを佐川急便株式会社やヤマト運輸株式会社などの運送会社を介してお客様に商品をお届けしております。これらのリスクに対して当社グループでは、リスク分散の観点からも各社との良好な取引関係の維持に努めるとともに、代替的な配送業者との関係構築を常に模索するように努めております。しかしながら、今後、各社からの大幅な配送料の値上げ要請や取引関係の縮小などがあった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ カントリーリスクと為替変動について

当社グループがメーカーや卸業者から仕入れる商品の多くは、主に中国やベトナム等において生産されております。したがって、当該地域に関連する地政学的リスク、社会リスク、信用リスク、市場リスクは、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外で製造された商品であるが故に、為替変動におけるリスクはメーカーや卸売事業者からの仕入価額の変動を通じて当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、商品企画関連事業について、主にベトナムの業者との取引を通じて、輸入仕入に関わる外貨建取引の決済及び売上に関わる外貨建取引の決済、外貨建資産・負債の換算に際しては為替相場の影響を受けております。したがって、為替の動向によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。それらのリスクに対して当社グループは、現地に派遣している当社従業員を中心に各社の事業環境及び経営状況を常に把握し、必要に応じて当社取締役会等にて検討してモニタリングを行うなど、安定した業績及び健全な財政状態の維持に努めております。

 

⑧ システム障害について

当社グループの事業は、WEBサイトの管理を始め、受注、発注、仕入、在庫、発送、売上までのほとんどの業務が業務管理システムに依存しております。想定を超えたアクセスの急激な増加や、コンピュータウィルスの侵入、人為的な破壊行為又は構築したアプリケーション内の不具合等、様々な要因によって当社グループのシステムに障害又は問題が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して当社グループでは、それぞれ予備系統や予備データの保有機能等の二重化措置やファイヤウォール、ウィルスチェック等、外部からの攻撃を回避するための対策を講じるなど、緊急時においても事業を継続できるよう定期的なメンテナンスを実施しております。

 

⑨ 個人情報の取り扱いについて

当社グループは、EC等による商品の販売に際してお客様の氏名、住所等の申し出を受け、多くの個人情報を保有するため、2005年4月に施行された「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)に規定する個人情報取扱事業者に該当します。当社グループのお客様などの個人情報が社外に漏洩した場合には、損害賠償や社会的な信用失墜等により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して当社グループでは、個人情報にかかる取り組みとして、アクセスコントロール、情報管理規程・マニュアルを制定し、プログラム作成者の教育訓練及び全社員を対象とした社内教育を徹底しております。また、現在、プライバシーマークについての認定を更新し、情報管理体制の整備強化に努めております。

 

⑩ 技術革新への対応について

当社グループが事業を展開しているインターネット関連の業界は、新たな技術革新やサービスが次々と登場することが特徴となっております。技術革新等への対応が遅れた場合や、システム等に関連する投資額や費用が予想外に増加した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。それらのリスクに対して当社グループでは、技術革新等により開発されたサービスや機能等を当社グループ事業に活用するため、優秀な人材育成及び確保を中心に積極的な対応に努めております。

 

⑪ 法的規制等について

当社グループは、「不当景品類及び不当表示防止法(景表法)」、「特定商取引に関する法律(特商法)」及び「薬事法」等の法令による規制を受けております。これらの法令等に抵触した場合、当社グループのブランドイメージが損なわれることによるお客様からの信頼度の低下や法令等の改正又は新たな法令等の制定により法的規制が強化された場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して当社グループでは、事業担当部署を中心に該当法令等を遵守するための管理体制及び従業員教育を徹底し、必要に応じて研修や指導を行うなどコンプライアンス体制の整備に努めております。

 

⑫ 繰延税金資産の回収可能性について

繰延税金資産については、営業取引を源泉とした課税所得による回収を見込んでおります。しかし、経営成績が想定している計画を下回り、回収可能性に疑義が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑬ 固定資産の減損損失について

当社グループは、保有資産について減損の兆候が発生した場合には、将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失を計上する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 事業体制に関するリスク

①代表者への依存について

代表取締役岡本洋明は当社の設立の中心人物であり、経営方針や経営戦略等、当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしており、同氏に対する当社グループの依存度は高くなっております。

当社グループにおいては、同氏に過度に依存しない経営体制を構築すべく、他の取締役や従業員への権限委譲等を進めておりますが、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②人材の確保や育成について

当社グループでは、急激な事業拡大に伴って優秀な人材の確保とその育成が重要な課題となっており、内部での人材育成と抜擢及び外部からの人材登用に努めております。

また、特にお客様からの問い合わせ等に対応するカスタマーサービス業務については、労働集約的な側面があり、恒常的に多数の従業員を効率的に配置する必要があることから、当社グループとしてはその採用と教育に努めております。

しかしながら、当社グループの属する市場が今後拡大し、競争が激化すれば、競合他社との人材獲得競争も激化し、当社グループの人材が外部に流出することや、人材確保に支障をきたすことも想定されます。また、今後急激な受注高の増加などに伴い業務量が急増した場合、出荷関連業務やカスタマーサービス業務の人員不足により業務効率が低下するなどの事態が発生することも想定されます。このような事態が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題であると認識しており、健全な企業活動による利益の確保と拡大を目指し、安定した収益に基づき、将来の事業展開に備えた内部留保を確保しつつその一部を配当として株主の皆様に還元することを基本方針としております。配当時期につきましては、連結経常利益3億円以上を達成した場合に実施することを基本といたします。

当社の剰余金の配当は、原則として中間配当及び期末配当の年2回実施することとしております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。なお、当社は、会社法第454条第5項の規定に基づき、「取締役会決議により、毎年4月30日を基準日として中間配当を実施することができる」旨を定款に定めております。