2023年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 38,710 100.0 2,235 100.0 5.8

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社(株式会社ホットランド)及び関係会社14社(株式会社ホットランド大阪、株式会社オールウェイズ、株式会社ホットランドネクステージ、株式会社サセトレーディング、株式会社ファンインターナショナル、WAEN International Limited、台湾和園國際股份有限公司、Gindaco USA, Inc.、HERO-SARL、HERO-USA, Inc.、LH Venture Sdn. Bhd.、Japan Taste Marketing, Inc.等)により構成されております。

 主として、たこ焼「築地銀だこ」、「銀だこハイボール酒場」、「銀だこハイボール横丁」、たい焼「銀のあん」、アイスクリーム「COLD STONE CREAMERY」(国内のみ)、おでん「おでん屋たけし」、たこ焼「大釜屋」、天ぷら「日本橋からり」、お好み焼「ごっつい」、油そば「東京油組総本店」、もつやき・ホルモン・焼肉「日本再生酒場」・「もつやき処い志井」、定食「野郎めし」等のブランドを、直営、業務委託(以下、「PC」という)及びフランチャイズ(以下、「FC」という)にて、国内及び海外でチェーン展開しております。

 

(1)当社グループの事業の特徴

①「築地銀だこ」

 株式会社ホットランドは、外食産業間の競争に勝ち残るためには強い個性を打ち出すことが重要と考え、幅広い客層に愛される「たこ焼」に絞り込み、さらに商品を磨きあげることで、強い単品力を持つ「築地銀だこ」を作り上げ、ブランド化に成功いたしました。

 単品に絞り込むことで厨房を縮小でき、小スペース低コストで様々なロケーションでの出店が可能となっております。

 また、オープンキッチンでの実演販売は、できていく工程の楽しさ、シズル感(注)や安心感をお客様に伝え、できたての商品を提供することが可能となっております。さらに、シンプルなオペレーションにより、多店舗化に向け、短期間での人材育成を実現しております。

 当社グループは、上記の方針により、小規模店舗を多数出店することで、「築地銀だこ」ブランドの認知を推進するとともに、事業拡大に向けて専用機械の自社化や原料の調達・加工・物流までの一貫したマーチャンダイジングを構築し、さらに銀だこブランドの市販品の製造販売を行っております。

 このノウハウである「銀だこスタイル」を活かし、他の単品外食業態(たい焼「銀のあん」、たこ焼「大釜屋」、アイスクリーム「COLD STONE CREAMERY」等)を展開しております。

(注)シズル感とは

食欲や購買意欲を刺激するような食品の活きの良さや瑞々しさと言った「おいしそうな感じ」のこと。五感を刺激するような感覚のこと。

 

②酒場業態

 株式会社オールウェイズは、「銀だこハイボール酒場」、「銀だこ酒場」、「おでん屋たけし」、「日本再生酒場」等の酒場業態を展開・推進してまいります。

 「銀だこハイボール酒場」は、ハイボール酒場ならではのメニューを開発したことにより、客単価と来店頻度の向上につなげました。また、ドリンク比率の高まりによって利益率が向上いたしました。さらに、オフィス街及び繁華街への出店により夜の集客が可能となったと同時に、従来弱かった路面店の夏場対策に成功いたしました。銀だことハイボールの組み合わせが全国へ浸透したことによって“お酒のおつまみ”としてもたこ焼の需要が広がり、またランチ需要に対しても対応したことにより、既存店の活性化を実現いたしました。フランチャイズによる地方出店にも積極的に取り組んでおります。

 「おでん屋たけし」は、首都圏の好立地でも展開可能な収益性の高い専門店業態として独自のポジションを築いています。客層も幅広く、おでん屋を利用したことがない方や女性にも入りやすい外観・明るい内装で、店舗拡大に向け出店を加速させてまいります。

 「日本再生酒場」は、立ち飲みブームの起点となった70年の歴史を持つ“もつやき処い志井”をルーツとした老舗酒場です。当事業年度において当社グループの傘下といたしましたが、独自のノウハウから仕入れる、最高の鮮度のホルモンがメニューの主軸であり、“活力あふれる日本の酒場をもう一度”の心意気を受け継ぎ、地方都市も視野に入れた店舗展開を図ってまいります。

 

③主食業態

 株式会社ホットランドネクステージは、「油そば」、「野郎めし」等の主食業態を展開・推進してまいります。

 「油そば」の「東京油組総本店」は、“汁なし”ゆえにテイクアウト・デリバリーにも適しており、高利益体質の業態に成長してまいりました。今後は全国展開を行い、出店拡大を進めてまいります。

 「野郎めし」は、2021年11月に1号店である「太田50号バイパス店」がオープンし、好調なスタートを切りました。分かりやすいメニューで差別化された専門店業態として、テイクアウト・デリバリー対応も可能なため、ロードサイド型主食業態の柱として取り組んでまいります。

 

 

(2)当社グループの各ブランドの内容

ブランド

内容

主な運営会社

 

 

 

皮はパリッと、中はトロッと、たこはプリッと、職人が丁寧に焼き上げたたこ焼を提供しているたこ焼専門店です。

●テイクアウト/フードコード

ショッピングセンター・駅前を中心とした小スペース高効率の主力出店形態。

●銀だこハイボール酒場

首都圏や大都市のオフィス街・繁華街などでOL・サラリーマンをターゲットにたこ焼とハイボールを楽しむ酒場業態の出店形態。

●ロードサイド型店舗

再利用可能なコンテナを使用し、機動的な出退店が可能な『ドライブスルー店舗』、コンビニ跡地等を活用する『ドライブイン店舗』等。

●その他

催事、銀だこカー等の出店形態。

株式会社ホットランド

株式会社オールウェイズ

株式会社ホットランド大阪

厳選された生だこを店内に設置した大釜で茹で上げ、お客様の前でカットし、自社製自動たこ焼機で5分間焼き上げます。大きなたこから出る汁が特徴の、ショウロンポウのようなたこ焼を提供するたこ焼専門店です。

株式会社ホットランド大阪

自社工場でこだわりの製法で炊き上げた餡を自社開発の専用機械で両面から一気に焼き上げた薄皮たい焼を提供するたい焼専門店です。

「クロワッサンたい焼」

24層に仕上げたクロワッサン生地を両面からすばやく焼き上げることで独特のサクッとした食感のクロワッサンたい焼です。

株式会社ホットランド

株式会社ホットランド大阪

こだわりのエビやアナゴなど海の幸や季節野菜を、からりと揚げた天ぷらを提供している天ぷら専門店です。

株式会社ホットランドネクステージ

冷たい石の上でアイスクリームとフルーツやナッツなどをミックスして提供するエンターテイメントアイスクリームショップです。当社が日本のマスターライセンスを取得しています。

 

株式会社ホットランド

”あごだし”と”鶏だし”の2種類の出汁を使用し、食材の美味しさを生かした創作おでんと産地直送のお刺身が味わえる店舗です。また全国各地の日本酒を飲むことができ、銀だこハイボール酒場や銀だこ酒場とは違ったお客様層の来客を図ってまいります。

株式会社オールウェイズ

 

 

ブランド

内容

主な運営会社

20年以上前から地元客中心に愛されてきた「鉄板焼×お好み焼」業態。「お好み鉄板酒場」として都市部中心に展開。

味を守り続けながら、進化し続けてきた“ごっつい”。

鉄板で作り上げられる、バリエーション豊かな一品料理に舌鼓をうち、美味しく楽しい時間をすごしてもらいたい。
笑顔があふれ、元気になれる空間が、ここにあります。

株式会社オールウェイズ

日本の国民食であるカレーライスを、お値打ち価格と圧倒的なボリューム感で訴求。職人の”技能”が必要な場面を可能な限り削ぎ落とし、IH等の”技術”に変換することで、軽いオペレーションに伴う省力化の実現と共に、職人に頼らずとも安定した品質で商品をお客様にご提供可能な業態です。

WAEN International Limited

 

東京油組総本店の「油そば」は、拘りの自家製麺と秘伝のタレを使用した唯一無二の商品を提供しており、老若男女問わず幅広い層に支持されている業態で、2017年7月の「人形町組」出店からスタートし、2019年8月に商業施設と自社開発物件におけるマスターフランチャイズ契約を締結して、2023年12月末には38店舗と順調に拡大しております。“汁なし”ゆえにテイクアウト・デリバリーにも適しています。

株式会社ホットランドネクステージ

株式会社ホットランド

「日本再生酒場」は、立ち飲みブームの起点となった70年の歴史を持つもつやき処い志井をルーツとした老舗酒場です。独自のノウハウから仕入れる、最高の鮮度のホルモンがメニュ ーの主軸であり、活力あふれる日本の酒場をもう一度の心意気を受け継ぎ、地方都市も 視野に入れた店舗展開を図ってまいります。

株式会社オールウェイズ

「野郎めし」は、2021年11月に1号店である「太田50号バイパス店」がオープンした、しょうが焼定食をコアメニューとし、分かりやすいメニューで差別化された専門店業態として、テイクアウト・デリバリー対応も可能な業態です。ロードサイド型主食業態の柱として展開してまいります。

株式会社ホットランドネクステージ

 

(3)当社グループの国内における事業展開

 当社は、銀だこをはじめとするブランドを、時代のニーズやロケーションに合わせて業態開発すると同時に、様々なシーンを創出することで幅広い客層を開拓し、事業拡大を図ってまいりました。また、複数のブランドをコラボレーションさせた事業展開も行っております。

 

① 各ブランド展開

(a)「築地銀だこ」

 「築地銀だこ」展開当初は、小商圏型のGMS(総合スーパー)にテイクアウトを中心とした出店を行い、“小腹”需要を掘り起こしてまいりました。

 GMS(総合スーパー)がショッピングセンターへと移行する中で、当社は出店形態をテイクアウト型からその場で焼き立てが食べられるフードコート型やイートイン併設型へと変えることで、より多くのファミリー層を取り込み、一家だんらんの“食事”としても需要が広がりました。

 「築地銀だこ」のフラッグシップ店として東京1号店(サンモール中野店)を出店(1998年10月)し、大行列ができるなど大きな話題となり、認知度を飛躍的に向上させるとともに多店舗化を加速させました。

 2020年より展開しているロードサイド型店舗については収益性の改善に向けてよりコンパクトなモデルへの改装や出店グループ内業態との併設出店などに引き続き取り組んでおりますまたデリバリー売上比率が高く今後の新たな出店モデルと考えている住宅街の路面店舗も積極的に出店してまいります。

 

 また、在宅ワークやお持ち帰り需要の高まりに合わせ、お持ち帰り専用「だんらんパック(24個入り)」の拡充・訴求強化による客単価アップへの取り組みやウーバーイーツ等の更なる活用によるデリバリー強化の取り組みを進めてまいります。

 

「銀だこハイボール酒場」

 更なる事業拡大を目的として、新たな顧客層であるサラリーマン・OL層に向けて銀だこの新しいコンセプトを提案する「銀だこハイボール酒場」(歌舞伎町店)を出店(2009年5月)いたしました。

 銀だことサントリーのハイボールの組み合わせが大きな話題を呼び、都市部での出店を加速させました。

 この業態の特徴は、ハイボール酒場ならではのメニューを開発したことにより、客単価と来店頻度の向上につなげたことです。また、ドリンク比率の高まりによって利益率が向上いたしました。さらに、オフィス街及び繁華街への出店により夜の集客が可能となったと同時に、従来弱かった路面店の夏場対策に成功いたしました。

 銀だことハイボールの組み合わせが全国へ浸透したことによって“お酒のおつまみ”としてもたこ焼の需要が広がり、またランチ需要に対しても対応したことにより、既存店の活性化を実現いたしました。

 

(b)「銀のあん」

 築地銀だこ店舗のサイドメニューで最も人気が高かったたい焼を「銀だこスタイル」化すべく、専門店「銀のあん」(アトレ大森店)を出店(2007年11月)いたしました。

 商品力を磨き上げるために、北海道産小豆を直接仕入れて、自社工場にてこだわりの製法で炊き上げたあんを使用し、自社エンジニアリング工場が開発した専用機で両面から一気に焼き上げた薄皮たい焼を開発いたしました。

 駅近郊を中心に出店することで、“お土産”需要を取り込み、また客層も年配層まで広げることができました。

 さらに、「クロワッサンたい焼」を開発し、2013年に発売開始いたしました。この「クロワッサンたい焼」は、24層に仕上げたクロワッサン生地を両面からすばやく焼き上げたサクッとした食感と低糖あんが調和した冷めても美味しい洋風たい焼です。

 

(c)「COLD STONE CREAMERY」

 冷たい石の上でアイスクリームとフルーツやナッツなどをミックスして提供するエンターテイメントアイスクリームショップです。当社が日本のマスターライセンスを取得しています。

 

(d)「大釜屋」

 当社は、たこ焼事業の更なる拡大を目的として、「おおがまや」チェーンを運営する株式会社みんなひとつコーポレーションを2013年10月に子会社化いたしました(株式会社大釜屋に商号変更の後、2021年1月に株式会社ホットランド大阪へ吸収合併)。

 厳選された生だこを店内に設置した大釜で茹で上げ、お客様の前でカットし、自社製自動たこ焼機で焼き上げることで品質の安定を図っております。さらに焼成時間が5分と短いためにピークタイム時において高い売上を作ることが可能となっております。また、自動たこ焼機を活用した少人数ローコストオペレーションによって、高い収益力を実現しております。

 

(e)「日本橋からり」

 当社は、外食事業の更なる拡大を目的として、客層を年配層まで広げた天ぷら業態を展開しております。

 お客様の目の前で“からり”と揚げたあつあつの天ぷらを提供いたしております。

 

(f)「おでん屋たけし」

 主要駅周辺への出店を可能にした創作おでん専門店。2019年4月に池袋西口店がOPENし、2023年12月末では18店舗まで拡大しております。関西地方では夏場でもおでんを食べる文化がありますが、関東でも夏場のおでん文化の旋風を巻き起こせるよう取り組んでおります。

 

(g)「ごっつい」

 当社は、新規事業の拡大を目的として、お好み焼飲食店「ごっつい」を首都圏に展開する株式会社アイテムを2018年10月に子会社化いたしました(2021年4月に株式会社ギンダコスピリッツへ吸収合併、株式会社ギンダコスピリッツは2022年1月に株式会社オールウェイズへ商号変更)。20年以上前から地元客中心に愛されてきた「鉄板焼×お好み焼」業態であり、「お好み鉄板酒場」として都市部中心に展開しております。

 味を守り続けながら、進化し続けてきた“ごっつい”。鉄板で作り上げられる、バリエーション豊かな一品料理に舌鼓をうち、美味しく楽しい時間をすごしてもらいたい。笑顔があふれ、元気になれる空間が、ここにあります。

 

(h)「東京油組総本店」

 油そばの「東京油組総本店」を2017年7月の「人形町組」出店からスタートし、2019年8月に商業施設と自社開発物件におけるマスターフランチャイズ契約を締結して、2023年12月末には38店舗と順調に拡大しております。“汁なし”ゆえにテイクアウト・デリバリーにも適していることから、出店拡大を進めてまいります。

 

(i)「日本再生酒場・もつやき処い志井」

 「日本再生酒場」は、立ち飲みブームの起点となった70年の歴史を持つもつやき処い志井をルーツとした老舗酒場です。独自のノウハウから仕入れる、最高の鮮度のホルモンがメニュ ーの主軸であり、活力あふれる日本の酒場をもう一度の心意気を受け継ぎ、地方都市も視野に入れた店舗展開を図ってまいります。

 

(j)「野郎めし」

 「野郎めし」は、2021年11月に1号店である「太田50号バイパス店」がオープンした、しょうが焼定食をコアメニューとし、分かりやすいメニューで差別化された専門店業態として、テイクアウト・デリバリー対応も可能な業態です。ロードサイド型主食業態の柱として取り組んでまいります。

 

 

   ② 国内ブランド別店舗数(2023年12月末日現在)

ブランド

出店形態

合計

(店)

直営

(店)

PC

(店)

FC

(店)

築地銀だこ

テイクアウト・フードコート

426

170

125

131

銀だこハイボール酒場等

69

27

21

21

小計

495

197

146

152

油そば(東京油組総本店)

38

33

3

2

おでん屋たけし

18

17

1

野郎めし

16

15

1

日本再生酒場・もつやき処い志井

14

12

2

銀のあん

10

4

1

5

大釜屋

9

1

1

7

ごっつい

7

1

1

5

米福

6

6

満天

5

5

コールドストーン

5

4

1

日本橋からり

4

3

1

その他

17

15

2

合計

644

313

159

172

 

③ 製造販売事業

 製販事業においては、冷凍たこ焼の販路拡大を図り、大手コンビニエンスストア向け販売のほか、大手スーパーマーケットや量販店向けの販路を拡大し、更にアジアや北米地域への展開も進めております。また、それらの施策により工場稼働率の向上を図っております。その他、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路拡大にも取り組んでまいります。

 

 

(4)当社グループの海外における事業展開

 当社の海外戦略は、国内で培った「築地銀だこ」をはじめとする「庶民的な日本の食べ物」をコンセプトとする各種外食事業を、直営店もしくはFC方式により展開していこうとするものです。

 海外展開の第一ステージは、アジアを選択いたしました。そのための拠点として、香港にWAEN International Limitedを設立(2004年10月)し、「築地銀だこ」海外1号店をオープンいたしました。その翌年には台湾に出店、さらにその翌年の2006年12月にはASEANエリアにおいて初出店となるタイのフランチャイズ1号店を出店いたしました。

 香港においては「築地銀だこ」を2020年に3店舗、2021年に2店舗、2022年に2店舗、2023年にも4店舗出店し10店舗展開し、「築地銀だこ」以外では主に「銀カレー」を15店舗展開しております。

 「銀カレー」は、香港における市場調査を徹底的に行った結果、日本の国民食であるカレーに絞り込み、品質にこだわり、低価格・実演販売・小スペースでテイクアウトもできる等の「銀だこスタイル」が奏功し多店舗化することができました。さらに当該事業の効率化を図るため、一次加工工場を稼働(2010年)させました。

 一方、「築地銀だこ」の展開には高品質のたこ焼を焼ける職人技が必要で、時間をかけて現地の人材を育成してきましたが、その点が多店舗化の課題となっていました。しかし、次世代型振動たこ焼機の開発・導入により、海外における安定した「築地銀だこ」のオペレーションを確立し、多店舗化の基盤を築くことができました。

 タイにおいては、「築地銀だこ」に関するSiam Santa Foods Co., Ltdとのエリアフランチャイズ契約を締結し、同国において「築地銀だこ」店舗を展開し、12店舗体制となりました。また、「銀のあん(クロワッサンたい焼含む」に関するSplendid Co., Ltd.とのエリアフランチャイズ契約を締結し、同国において「銀のあん(クロワッサンたい焼含む」店舗を展開し、6店舗体制となりました。

 また、マレーシアでは、2016年1月に設立した現地合弁会社LH Venture Sdn.Bhd.が、「築地銀だこ」6店舗、「クロワッサンたい焼」1店舗の計7店舗を展開しております。

 さらに、インドネシアにおいては、2017年11月にPT Foods Beverages Indonesiaとマスターフランチャイズ契約を締結し、同国において「築地銀だこ」24店舗を展開しております。

 経済成長が続くASEANエリアにおいて、タイ、マレーシア、インドネシアに次ぐ国として、シンガポールにおける事業展開を目指して、2019年6月にピセ株式会社とマスターフランチャイズ契約を締結し、同国において「築地銀だこ」3店舗を展開しております。

 米国においては、当社グループの主力ブランド「築地銀だこ」を中心とする当社ブランドを展開する目的で2018年1月に設立したGindaco USA, Inc.において2018年8月に「築地銀だこ(GINDACO)」米国1号店をオープンし、2023年末においては3店舗体制となっております。また、日本をテーマにしたイベントの企画運営を行う目的で、Japan Taste Marketing, Inc.を2023年2月に設立いたしました。

 

 

海外ブランド別店舗数

 2023年12月末日現在、海外に直営店33店、FC店55店を展開しております。

出店エリア

ブランド

合計

(店)

直営

(店)

FC

(店)

香港

築地銀だこ

10

10

銀カレー

15

15

からやま

4

4

小計

29

29

台湾

銀だこハイボール酒場

1

1

韓国

築地銀だこ

1

1

中国

築地銀だこ

2

2

タイ

築地銀だこ

12

12

銀のあん

6

6

小計

18

18

マレーシア

築地銀だこ

6

6

銀のあん

1

1

小計

7

7

インドネシア

築地銀だこ

24

24

シンガポール

築地銀だこ

3

3

米国

築地銀だこ

1

1

その他

2

2

小計

3

3

合計

88

33

55

 

(5)当社チェーンの人材戦略

① 当社の人材教育について

 当社の企業理念は「日本一うまい食を通じて、ほっとした安らぎと笑顔いっぱいのだんらんを提供できることを最上の喜びとする。」であります。その理念を実践するために、銀だこマニュアル等当社独自の教育プログラムに従って、4週間にわたって、実践的な教育を徹底しております。

 

(注)「銀心」とは、常に向上心を持ち続ける「職人の誇り」とお客様に対する謙虚さと感謝の気持ちを持ち合わせる「商人の心」と定義しております。

 

 研修を終えたスタッフは、店舗に配属され、マイスター(当社基準技術習得者)、CEO(時間帯責任者)、副店長を経て、店長へと昇格し、複数店の店長を経験した後に、独立資格を取得することができます。独立資格を取得した後、SV(スーパーバイザー)を経てMGR(マネージャー)を目指す道と店舗オーナーとして独立を目指す道のいずれかを選択できます。当社は社員独立制度を採用しており、以前から多くの独立オーナーを輩出し、さらに独立開業の資格を有している社員が多数おります。

 独立したオーナーは、その後、2店舗目以降をFC展開するために会社を設立し、事業規模を拡大させています。オーナー自らが現場経験者であるため、理念と技術とを兼ね備えており、加盟店のスタッフにまで継承しております。

② ホットランドオーナー会を中心とするチェーンの人材育成について

 独立・開業したオーナーが中心となり、自主的に2000年に銀だこオーナー会を設立、その後、複数ブランドに対象を広げたホットランドオーナー会に発展いたしました。

 ホットランドオーナー会は、ホットランドグループ全ブランドの更なる向上を目的として、「チェーン経営向上委員会」、「総務広報委員会」の2つの委員会で現在、積極的に活動を行っております。

 また、当社と連携して、更なる技術の向上を目的とした「あつあつグランプリ(注)」を当社とともに定期的に開催し、ブランドの更なる向上を図っております。毎回全国から数千人が参加し、焼き手としての腕を競いながら、チェーンの結束を強めております。なお、5年ぶりとなる「第10回 あつあつグランプリ」を2022年10月に開催いたしました。

 

(注)当社グループ内の日本一の焼き手を競う店舗スタッフ全員参加型の定期的に開催される大会。店舗予選、地

区予選・エリア予選を勝ち抜いた者が本選に出場し、日本一を目指します。

 

 当社は、理念を共有するオーナー会と共存共栄の精神を持って、ブランド向上に向けた努力を行うのみならず、社会貢献を通じて、加盟店スタッフに対しても理念の浸透・実践を図っております。

 

③ 主力事業「築地銀だこ」の積極的展開のための人材戦略

  主力事業である「築地銀だこ」は、川上から川下まで自社で完結する当社独自のビジネスプラットフォームを

 強みとする「銀だこスタイル」で展開しております。当社は、「築地銀だこ」の一層の積極的展開のために、経

 営資源を集中させ、人材の能力開発や最適な人材配置を行ってまいります。

 

④ 人材の確保・採用について

  継続的な成長基盤を築くため人材の安定的な確保・採用を積極的に行ってまいります。多様化するライフスタ

 イルに合わせ「勤務地限定社員制度」、「時短社員制度」を導入し、働きやすい環境を創出しながら人材の確

 保・採用の強化を図ってまいります。

 

(6) 当社グループの生産体制

① 「築地銀だこ」・「大釜屋」の主原料(たこ)

 当社は、世界でも有数のたこを使用(原料ベースで年間約4,100トン)する外食企業であります。その強みを活かし、世界中の漁場から原料を調達できるルートを開拓するとともに、たこの完全養殖を目指した取り組みを行っております。

 

(a)世界中からの原料調達と加工地の分散化

 アジア・中南米・アフリカなど、世界中の漁場から原料を調達できるルートを開拓しております。また、加工地においても、中国・ベトナム・インドネシア・モーリタニア・チリなどの各地で加工することで、優位性のある原産地と加工地を組み合わせながら、相場に影響されにくいルート作りとリスクの分散を図り、仕入れ価格の低減を実現してまいります。

 

(b)真だこ養殖の研究開発・産業化

 世界初となる真だこの完全養殖を目的とし、科学技術振興機構に申請受諾(2013年3月)され、宮城大学・東北大学・東海大学・石巻養殖業者と共に上天草水産研究所を開設して共同研究に取り組んでおります。国産真だこの水揚げが多く、未稼働の養殖施設(魚介類)を多数保有する熊本県上天草市において、熊本県上天草市を立会人として、天草漁業協同組合と真だこの完全養殖を目的とした包括連携協定を締結(2015年3月)し、各研究機関で研究開発された技術を使い、上天草産真だこ養殖の産業化に向けて協働の取り組みを行っております。なお、マダコの孵化・幼生の着底に成功し、引き続き、マダコの孵化・幼生の着底率向上と幼生の稚ダコ・成ダコへの生残率向上を図る研究活動の取り組みを継続してまいります。

 

② 「銀のあん」の主原料(あんこ)

 北海道産小豆を使った「銀のあん」用あんこを、当社桐生工場において一貫生産することで、安定的な品質と仕入加工コストの低減を実現しております。

 

③ 「築地銀だこ」・「銀のあん」・「大釜屋」の自社製専用機械

 独自の品質と製法を作り出すために食品機械メーカー有限会社佐憲鉄工所を吸収合併(1999年12月)し、現在、当社エンジニアリング工場として、以下の主力厨房機器を開発し、製造販売しております。

築地銀だこ:たこ焼機製造・自動たこ焼機製造・専用厨房器材製造・メンテナンス

銀のあん :両面加熱型たい焼機(特許第4338502号)の製造・専用厨房器材製造・メンテナンス

大釜屋  :自動たこ焼機製造・専用厨房器材、メンテナンス

 当社は、上記の主力機械を自社開発製造することで、同業他社への参入障壁を築き上げるとともに、店舗オペレーションの効率化を図り、メンテナンスをエンジニアリング工場で一括して行うことで、店舗人件費の節減、品質の維持を実現しております。また、機械のリサイクル化により、出店コストの低減を実現しております。

 国内外におけるフランチャイズ加盟店等が拡大することで、機械販売やメンテナンス収入による売上増加に寄与しております。

 

[国内 事業系統図]

 

 

 

[海外 事業系統図]

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の概要

(1)経営成績

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和、さらに5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されるなど、社会経済活動の正常化・活発化に向けた動きが見られるものの、ウクライナ情勢の長期化による資源や原材料価格の高騰など、景気の動向は依然として不透明な状況が続いております。また、外食産業におきましては、行動制限のない社会生活を取り戻し、店内飲食への抵抗感も減少し、客数も順調に回復しておりますが、仕入価格の高騰や人件費・光熱費等の上昇など、引き続き厳しい経営環境が続いております。

このような状況下、当社グループは、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画を策定し、株式会社ホットランドをベースの収益基盤として、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等で安定と成長を目指してまいります。

「築地銀だこ」事業においては、第4四半期連結会計期間では、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、11月17日から“ぜったいお得”な『秋の回数券』を数量限定で販売したほか、12月6日から12月10日までの5日間、日頃からご愛顧いただいている皆様へ1年間の感謝を込めた、『年末感謝祭』を開催いたしました。12月6日から8日までの3日間は、創業以来1番人気!“ぜったいうまい!!たこ焼(ソース・8個入り)”を、税込価格より100円引きでご提供し、同月8日から10日までの3日間は、スタンプが貯まるとたこ焼が無料でもらえる“銀だこ スタンプカード”のスタンプ2倍を実施いたしました。また、11月14日から12月4日、12月18日から12月31日までの期間、株式会社MIXIが展開する人気スマホゲーム「ことば」で闘う新感覚RPG「共闘ことば RPG コトダマン」と、初のコラボレーションを実施したほか、12月12日から1月31日までの期間、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、TVアニメ「推しの子」とのコラボレーションを実施いたしました。また商品関連では、11月8日より<プレミアム明太シリーズ>『焦がし醤油 もちチーズ明太』を期間限定で販売するなど、自社キャンペーン・コラボレーション・新商品と積極的な販売促進活動を実施いたしました。デリバリーサービスについては、導入可能な店舗にはほぼ導入が完了したことから、次の施策としてサービス自体の認知拡大と併せ1店舗あたりのデリバリー売上拡大に取り組んでおります。こうした取り組みにより、当連結会計年度における既存店売上高前年比は115.1%となりました。出店については、2月に「マーサ21店」、3月に「エスコンフィールド店」、「あべのキューズモール店」、「大岡山店」、4月に「手稲店」、「アル・プラザ草津店」、「ジョイホンパーク吉岡店」、6月に「Mav行徳店」、10月に「学芸大学駅前店」及び「草加ヴァリエ店」、11月に「那覇メインプレイス店」及び「イオンモール広島府中3F店」、12月に「あまがさきキューズモール店」の13店舗をオープンしたほか、「築地銀だこ」と「コールド・ストーン・クリーマリー」の併設型店舗の「多摩境店」を3月に、「船橋店」を7月にオープンし、6月にはコールド・ストーン・クリーマリーの新たな旗艦店となる「コールド・ストーン・クリーマリー 原宿店」をオープンいたしました。なお、昨今の円安や原材料価格の高騰、人件費・物流費・光熱費の上昇等を企業努力だけで吸収することが難しい状況となったことから、3月1日より商品価格の改定をいたしましたが、売上は継続して堅調に推移しております。また、子会社のHERO-SARLのモーリタニアたこ工場は、従来の生産能力を倍増すべく、工場の近代化及び増築工事を進めております。同工場はBRC認証を取得していますが、より安定した品質を追求すべく、2024年8月完工予定の冷凍加工・保管設備を中心に近代化改装及び増築工事を進めております。

酒場事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり国内外の人流が活発になってきたことから、各業態ともに引き続き好調に推移いたしました。「銀だこハイボール酒場」については、「銀だこハイボール横丁 秋葉原店」を4月に、「門前仲町店」を9月に直営店で出店したほか、フランチャイズによる地方出店にも積極的に取り組み、3月に「春日部店」、4月に「佐賀駅店」、9月に「吉塚店」、10月に「新潟駅前店」及び「高松店」をオープンいたしました。また、「銀だこハイボール酒場」業態以外の出店も加速し、2月に「おでん屋たけし」の「新横浜店」及び「千葉駅東口店」、3月に「渋谷店」、4月に「八重仲ダイニング店」、8月に「西五反田店」、11月に「渋谷宮益坂店」をそれぞれ出店し、「もつやき処 い志井」は3月に「中目黒店」を、「日本再生酒場」は7月に「築地本店」を出店いたしました。さらに、新業態として“日常の生活の中で気軽に立ち寄れ、お酒も楽しめる街のレストラン”をコンセプトに誕生した「大衆ビストロ コタロー」の1号店(調布店)を5月に、2号店となる「五反田店」を7月に出店したほか、12月にはトビウオを使用した“あご出汁”と、濃厚な“鶏出汁”が決め手!の創作もんじゃ「古民家もんじゃ だしもん」の「池袋南口店」をオープンいたしました。

 

主食事業においては、2月に「野郎めし」の「つくば店」、3月に「本庄店」及び「高崎店」、4月に「白岡店」及び「桶川店」、8月に「松戸店」、9月に「野田店」を出店したほか、6月には初の都市型店舗として「蒲田東口店」を東京23区内に出店いたしました。また、3月に「東京油組総本店 <油そば>」の「錦糸町組」及び「相模原組」、4月に「手稲組」、6月に「天神組」及び「天台組」、7月に「宇都宮組」及び「五反田組」、8月に「大街道組」、9月に「茨木組」、10月に「つくば谷田部組」、12月に「土浦組」を出店いたしました。なお、「相模原組」・「天台組」・「つくば谷田部組」は、「築地銀だこ」のロードサイド型店舗である「相模原中央店」・「天台ドライブイン店」・「つくば谷田部ドライブイン店」を改装し、「築地銀だこ」と「東京油組総本店 <油そば>」の併設型店舗として出店した新しい出店形態となります。さらに新業態として、注文が入ってからひと釜ずつ丁寧に炊き上げた釜めしと、厳選した蕎麦を提供する「釜めしと蕎麦 かまど」の「鹿沼店」を12月に出店いたしました。

製販事業においては、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し、引き続き好調に推移いたしました。また冷凍たこ焼については、現在海外販路の開拓にも積極的に取り組んでおります。

海外事業においては、アセアンでは新型コロナウイルス感染症に関わる各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進んでおり、タイに4店舗、インドネシアに3店舗、シンガポールに1店舗のフランチャイズによる出店をいたしました。また、香港では新型コロナウイルス感染症の影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗は営業黒字を維持している店舗も多く、7店舗の出店をいたしました。引き続き商機を吟味しつつ出店してまいります。なお、米国における貿易事業も開始し、主に国産水産物の輸出が進捗しております。

観光地に店舗を多く有する株式会社ファンインターナショナルの運営店舗は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり海外からの入国制限が緩和されたことにより引き続き堅調に推移いたしました。出店については、昭和初期に建築された歴史ある京町屋の古き良き部分や和の趣を残しながら現代的なモダンさを取り入れた炉端焼きが味わえる新業態「炭炉まん(すみろまん)」京都四条烏丸を5月に、8月には地元食材をふんだんに使った群馬名物の釜めし・郷土料理のお切込み・ひもかわうどん・手間ひまかけた自慢の炭焼(串&炉端)等をご堪能いただける「草津湯畑 まんてん」を草津温泉 湯畑の目の前の絶好のロケーションに直営店でオープンいたしました。

また、炭火を使ってみんなで「つくる・食べる・楽しむ」をコンセプトに、今までのバーベキューや焼肉とは異なる新たな食体験ができると人気を博している全天候型のインドアバーベキュー施設「スミテラス」1号店の猪名川店に続き、9月に新業態のカフェ「シカモア」と併設する形で群馬県桐生市黒保根町水沼に2号店目をオープンいたしました。

この結果、当社グループの当連結会計年度末の店舗数につきましては、出店74店舗(国内58店舗・海外16店舗)、退店36店舗(国内24店舗・海外12店舗)により、732店舗(国内644店舗・海外88店舗)となりました(業態変更による出退店及び店舗集約による退店3店舗は含んでおりません)。

以上の結果当連結会計年度における売上高は38,710百万円(前期比20.4%増)、営業利益は2,235百万円(前期比28.2%増)となりましたまた為替予約の時価評価による為替差益等の計上により経常利益は2,635百万円(前期比1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、国内及び海外店舗に関する閉店店舗の固定資産除却損及び店舗整理損失並びに不採算店舗に関する固定資産の減損などの損失の計上などにより、1,021百万円(前期比24.8%減)となりました

 

 

店舗数の推移は、以下のとおりであります。

(店舗数の推移)

区分

ブランド

前連結会計年度

当連結会計年度

国内

築地銀だこ

425

426

銀だこハイボール酒場等

64

69

油そば(東京油組総本店)

27

38

おでん屋たけし

12

18

野郎めし

11

16

日本再生酒場・もつやき処い志井

15

14

銀のあん

11

10

大釜屋

10

9

ごっつい

8

7

米福

6

6

満天

4

5

コールドストーン

2

5

日本橋からり

4

4

その他

14

17

小計

613

644

海外

築地銀だこ

57

59

銀カレー

15

15

銀のあん

7

7

銀だこハイボール酒場

1

1

その他

4

6

小計

84

88

合計

697

732

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は485百万円減少し、2,729百万
円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果、増加した資金は2,938百万円(前期は2,896百万円の増加)であります。この増加は主に税金等調整前当期純利益1,651百万円、減価償却費1,408百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果、減少した資金は2,684百万円(前期は1,835百万円の減少)であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が2,179百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果、減少した資金は740百万円(前期は909百万円の減少)であります。この減少は主に長期借入れによる収入が252百万円、短期借入金の純増加額が1,802百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が1,477百万円、自己株式の取得による支出が785百万円あったことによるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

飲食事業

16,294,629

122.7

合計

16,294,629

122.7

(注)金額は仕入価格によっております。

 

(2)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を契約形態ごとに示すと、次のとおりであります。

契約形態

販売高(千円)

前年同期比(%)

国内

直営

22,853,495

124.0

FC

5,251,984

113.2

PC

7,284,133

122.9

その他

925,212

68.7

小計

36,314,827

119.7

海外

直営

1,918,740

118.8

FC

85,197

73.0

PC

その他

391,605

441.1

小計

2,395,543

131.6

合計

38,710,370

120.4

 

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りにあたりましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、財政状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針と見積りは、以下のとおりと考えております。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」記載されております。

 

① 固定資産の減損処理の測定基準

 当社グループは、店舗、工場及び賃貸物件など多くの固定資産を有しております。これら固定資産につきまして減損の認識が必要とされた場合の回収可能価額は、「固定資産の減損に係る会計基準」等に従い合理的に算定しておりますが、前提が異なることとなった場合には、将来追加で減損処理が発生する可能性があります。

 

② 繰延税金資産の計上基準

 当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、その実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上が発生する可能性があります。

 

(2) 財政状態に関する分析

 資産、負債および純資産の状況は下記のとおりであります。

(資産)
 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1,649百万円増加し23,713百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が213百万円、有形固定資産が669百万円増加したこと等によるものであります。

(負債)
 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,574百万円増加し12,957百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が1,802百万円増加したこと等によるものであります。

(純資産)
 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して75百万円増加し、10,756百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,021百万円を計上した一方、自己株式785百万円を取得したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績は、本報告書の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(1)経営成績」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。

 

①「築地銀だこ」の既存店舗における売上高の推移
 当連結会計年度においては、自社キャンペーン・コラボレーション・新商品と積極的な販売促進活動を実施いたしました。デリバリーサービスについては、導入可能な店舗にはほぼ導入が完了したことから、次の施策としてサービス自体の認知拡大と併せ1店舗あたりのデリバリー売上拡大に取り組んでおります。
 その結果、「築地銀だこ」事業の既存店舗における売上高は前年比115.1%(築地銀だこ業態:前年比114.1%、酒場業態:前年比122.1%)となりました。

②製販事業
 製販事業においては、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し、引き続き好調に推移いたしました。また冷凍たこ焼については、現在海外販路の開拓にも積極的に取り組んでおります。

 

③海外事業
 海外事業においては、アセアンでは新型コロナウイルス感染症に関わる各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進んでおります。また、香港では新型コロナウイルス感染症の影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗は営業黒字を維持している店舗も多く、引き続き商機を吟味しつつ出店してまいります。なお、米国における貿易事業も開始し、主に国産水産物の輸出が進捗しております。

 

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は下記のとおりとなりました。

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は38,710百万円となり、前連結会計年度に比べ20.4%の増加となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は2,235百万円となり、前連結会計年度に比べ28.2%の増加となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度の経常利益は2,635百万円となり、前連結会計年度に比べ1.0%の増加となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,021百万円となり、前連結会計年度に比べ24.8%の減少となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況についての分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は485百万円減少し、2,729百万
円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果、増加した資金は2,938百万円(前期は2,896百万円の増加)であります。この増加は主に税金等調整前当期純利益1,651百万円、減価償却費1,408百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果、減少した資金は2,684百万円(前期は1,835百万円の減少)であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が2,179百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果、減少した資金は740百万円(前期は909百万円の減少)であります。この減少は主に長期借入れによる収入が252百万円、短期借入金の純増加額が1,802百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が1,477百万円、自己株式の取得による支出が785百万円あったことによるものであります。

 

 

(5)キャッシュ・フローの状況についての分析に基づく資本の財源及び資金の流動性について

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。

 なお、当社グループの事業活動における運転資金の需要の主なものは、生産に必要な運転資金(原材料・人件費及び外注費)、従業員給与等の販売費及び一般管理費があります。また、設備資金需要としましては、海外子会社を含む新規店舗の出店及び既存店舗の改装およびМ&A等があります。

 これらの事業活動に必要な資金は、内部資金の活用を基本としておりますが、必要に応じて資本市場からの資金調達及び金融機関からの借入による資金調達も行っております。十分な手元流動性資金と金融機関の借入枠を有しているため、今後の運転資金及び投資資金需要にも十分対処できる状況であります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

 外食市場におきましては、消費者の低価格志向・節約志向・中食需要の拡大等により大変厳しい環境となっておりますが、今後もコンビニや中食各社を含めた企業間競争の激化などもあり、厳しい状況は続くことが想定されます。

 当社グループは、日本一のたこ焼チェーンから日本を代表する外食企業グループを目指して、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等を通じて、飛躍的な成長を目指してまいります。

 具体的には、(ア)株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業において、積極的な販売施策の実施、デリバリー強化策、ロードサイド店の出店を、(イ)株式会社オールウェイズにおける酒場事業において、銀だこハイボール酒場、おでん屋たけし、もつ焼き処い志井・日本再生酒場の各店舗の積極的な出店を、(ウ)株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業において、野郎めし、東京油組総本店の積極的な出店と、新業態の開発を、(エ)株式会社ファンインターナショナルにおける飲食事業やクリエイティブ事業において、インバウンドに伴う観光地の飲食店舗出店、アウトドア用飲食マーケットの開拓、グループ内店舗の内装強化と外販を、(オ)海外において、米国におけるフラグシップ店舗の展開、冷凍たこ焼及び水産物の卸事業の拡大、アセアンを中心としたFC事業の拡大をそれぞれ進めてまいります。

2024年12月期につきましては、原材料価格の高騰、円安の進行、人件費や光熱費等の上昇なども踏まえ、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画に基づき、株式会社ホットランドをベースの収益基盤として、5本柱で成長を目指してまいります。

 

(7)経営者の問題認識と今後の方針について

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和、さらに5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されるなど、社会経済活動の正常化・活発化に向けた動きが見られ、外食産業におきましても、行動制限のない社会生活を取り戻し、店内飲食への抵抗感も減少し、客数も順調に回復しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は日本のみならず全世界において膨大な損失を与え、また、国内外の人々の生活に甚大な影響を及ぼし、社会全体が大きく変わる可能性があります。当社はこのような時代だからこそ「企業個性」を磨き、さらに強く発揮することが最も重要であると考えております。

 当社は、創業以来、挑戦と失敗を繰り返し、その失敗から学び、成長を遂げてまいりました。その中で培った個性が「自由な発想力」、「行動力」、「スピード感」、「現場力」、そして、何よりも大切にしているものは「人を想う心」です。これらの「企業個性」には、時代や環境の変化への「対応力」があると信じております。「人を想う心」を持った人材を育て上げ、日本の良き「共食」文化を世界に広げてまいります。

 また、世界のマーケットでは、「和食」は日本の重要輸出品目であり、健康食としての和食ブームは今後もますます拡大していくことと考えております。

 当社グループの店舗へのお客様の支持を獲得し続けていくために、当社グループは本来食事の持つ「おいしさ」、「あたたかさ」、「楽しさ」を大切にし、安全で美味しい商品を提供し続けてまいります。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

 当社グループは、飲食事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品及びサービス区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高であって、連結損益計算書の売上高の10%以上を占めるものがないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品及びサービス区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高であって、連結損益計算書の売上高の10%以上を占めるものがないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 事業セグメントが単一であるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 事業セグメントが単一であるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。