リスク
3【事業等のリスク】
以下には、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項について、投資家に対する積極的情報開示の観点から記載しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えます。また、以下の記載は、当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日(2024年6月26日)現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる場合があります。
-当社の事業に関連するリスクについて-
① 不動産市況及び税制等の動向と当社の業績について
当社の主たる事業である中古住宅再生事業においては、一般に、景況感が悪化し不動産市況が低迷した場合には計画通りに物件の販売ができず販売価格の引下げが必要となる等のリスクが生じる一方で、中古不動産の仕入価格は下落する傾向があります。他方、不動産市況が活況である際には在庫不動産の回転が早期化することや販売価格が上昇する等のメリットが生じる一方で、中古不動産の仕入価格が高騰する可能性があります。また、消費税率の改定や金利の変動が不動産を購入する顧客層の購買動機に影響を及ぼし、当社の物件販売にも影響を及ぼす可能性があります。このように、当社の業績は景気動向や金利動向及び不動産市況の影響を受ける特徴があり、過年度の業績推移は、将来の業績を予測するうえで、必ずしも適切な指標とはならないと考えられます。
② 棚卸資産の長期在庫について
当社は、各地域での需要予測、近隣地域環境、お客様のニーズ等を慎重に分析調査を行ったうえで、物件の仕入、リフォーム、販売を行っております。しかし、不動産市況の悪化等によって物件の販売が滞った場合や、リフォーム資材の流通不安定化等により工期の遅延が発生して早期の販売活動ができなくなった場合には、物件保有期間の長期化に繋がる可能性があります。当社のビジネスモデルとして、長期在庫となった場合は販売価格等を見直しての売却処分や棚卸資産の評価損処理が必要となる場合があるほか、滞留在庫の増加により有利子負債が増加する等、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ リフォーム工事および資材の調達について
当社では、取得した中古住宅のリフォーム工事を外注することによって人件費等の増加を抑制し、経費の軽減効果を見込んでおります。しかしながら、外注先を十分に確保できなかった場合や外注先の経営状態の悪化、大工の不足等により工期の遅延が発生した場合には商品化が遅れ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、リフォームに用いる資材は外部調達により仕入れておりますが、国内外の動向により原材料・資材の価格が上昇し価格へ転嫁することが難しい場合や、国内外において物流が滞るような事態となり資材供給に遅延や不足が発生することにより商品化が遅れることとなった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合他社の参入について
中古不動産の売買自体は、継続的に業として行う場合に宅地建物取引業免許の取得が必要となるほかは新規参入に特段の制約はなく、また、競売は各地方裁判所で行なわれる公的な制度であり、競売への応札に特別な許認可や登録等は必要ありません。したがって、今後、競合他社の参入状況によっては、物件の仕入や販売において価格競争等が生じる、あるいは競売への応札者が増加し競売での落札数が減少するまたは落札価格が上昇する等の事象が生じた結果、仕入や販売の件数が減少した場合、また仕入価格の上昇や販売価格の下落によって利益率が低下した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 有利子負債への依存と資金調達について
当社では、物件の仕入資金を主として金融機関からの借入によって調達しているため、有利子負債への依存度は比較的高い水準にあります。そのため、市場金利の上昇は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社では財務状態を良好に保つために自己資本の充実に注力しておりますが、財務状態の著しい悪化等により当社の信用力が低下した場合は資金調達に制約を受けることとなり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 不動産競売における明渡しについて
当社では、不動産競売による物件仕入を行っております。当社が競売により落札取得した物件に占有者がいる場合には、当該物件の明渡し業務が発生する場合があります。民事執行法では、買受人が簡易かつ迅速に競売物件の引渡しを受けられるように引渡命令の手続きが定められておりますが、一定期間を経過した場合は明渡し訴訟の提起が必要になります。この場合には、物件の明渡し期間が長期化することによって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各地方裁判所の引渡命令や明渡し訴訟の手続きが何らかの事情により遅滞ないし延期された場合にも、物件の明渡し期間が長期化し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 固定資産の減損について
当社は、その他不動産事業として賃貸事業を営んでおります。これら保有している賃貸用不動産について、地価の下落等の影響により固定資産の減損損失を計上することとなった場合には、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
-当社事業に関連する諸制度に関するリスクについて-
⑧ 法的規制や免許・許認可事項について
当社の事業は、宅地建物取引業法をはじめ各種法令による規制を受けております。当社では法令遵守の徹底を図るとともに、法令の改廃等の情報を日頃より収集して社内に伝達しておりますが、今後これらの関係法規の改廃や、新たな法的規制が生じた場合には当社の事業活動において制限を受ける可能性があり、その場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、宅地建物取引業免許は当社の主要な事業活動に必須の免許であります。現時点において当該免許の取消事由や更新欠格事由は発生しておりませんが、将来何等かの理由により免許の取消や更新欠格による失効等があった場合は当社の事業活動に大きく支障をきたし、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 不動産登記に公信力がないことについて
日本の不動産登記には公信力(公示を信頼して取引した者には、公示どおりの権利状態があったのと同様の保護を与える力)がないことから、登記を信頼して取引した場合でも保護されない場合があります。また登記から事前に不動産に係る権利義務を知りえない場合があります。したがって、当社が取得した権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受け、あるいは第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。当社は、仕入に際して登記内容を確認する他、物件の権利関係に関する情報を可能な限り入手するようにしておりますが、現実にこのような事態が発生した場合には、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 契約不適合責任について
当社が物件を仕入れた後、当該物件に契約不適合が見つかった場合、必ずしも物件売主に対してその責任を追及できるとは限らず、重大な契約不適合があった場合には、その修復のため追加費用の負担が発生し、当社の業績に影響が生じる可能性があります。また、当社が販売した物件について重大な契約不適合があった場合には、それに起因する契約解除や損害賠償請求、契約不適合部分の修復のための費用が発生するとともに、当社の信用が失墜する事態が考えられ、その場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 訴訟等について
当社は、事業活動の中で生じる各業務について適法かつ適正な業務処理を行っており、現時点において業績に影響を及ぼす重要な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、業務手続に適法性や適正性を欠いた場合にはクレーム等を受け、それらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。このような訴訟・係争ないしは請求が生じることのないようマニュアルや業務フローを定め、社内体制の整備に努めてはおりますが、今後そうした事態が発生した場合、その内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 個人情報等の管理について
当社は、お客様や取引先等の個人情報や重要な経営情報等の内部情報管理につきましては、社内規程を定めて社員への教育・周知に努めるとともに、情報システムのセキュリティ対策の強化にも努めております。しかしながら、万が一、当社が保有する個人情報等が何等かの理由で社外に漏えいしてしまった場合には、当社の信用が失墜し、損害賠償による損失が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
-その他のリスク-
⑬ 自然災害、人為的災害及び大規模な疾病の流行等の不測の事態について
当社では、広域にわたって事業を展開することにより、特定エリアで発生する自然災害や火災、事件、暴動等(以下、「災害事故等」という。)によるリスクの分散を図っております。また、原則として、当社が保有する不動産物件については火災保険等を付保して、災害事故等に備えております。しかしながら、万が一、甚大な災害事故等が発生した際に、当社が保有している物件につき滅失、劣化または毀損等が発生し、保険でカバーできない場合や、消費者の購入マインドが著しく低下した場合には、当社の業績に影響する可能性があります。また、大規模な疾病の流行等の不測の事態が起きた場合には、被害の発生状況および行政当局の指示・要請によっては、営業活動の自粛や事業所の休業等の措置が必要となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主還元を経営の重要課題の一つと考えており、事業規模の拡大及び経営基盤の強化のために必要な内部留保を充実させるとともに、当社事業に継続して投資して頂く株主の皆様に対して、業績に応じた配当を安定的かつ継続的に実施していくことを基本方針としております。
また、株主の皆様への利益還元の機会を充実させるため、中間配当及び期末配当として年2回の配当を実施しており、配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会である旨を定款に定めております。
当事業年度におきましては、上記方針に基づき、1株当たり年間配当額80円(中間配当40円、期末配当40円)実施しております。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、事業規模の拡大及び経営基盤の強化のための財源として利用していく方針であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2023年10月31日 |
243 |
40 |
取締役会決議 |
||
2024年6月26日 |
243 |
40 |
定時株主総会決議 |