事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
-
セグメント別売上構成
-
セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
不動産売買事業 | N/A | N/A | 790 | 94.1 | N/A |
不動産賃貸事業 | N/A | N/A | 34 | 4.1 | N/A |
不動産関連事業 | N/A | N/A | 17 | 2.0 | N/A |
その他 | N/A | N/A | -1 | -0.1 | N/A |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、中国地方及び九州地方において、不動産の売買、賃貸、その他不動産に関連する事業を行っております。特に、リフォームを施した戸建住宅の中古住宅等を提供しております。
その主な事業内容と当該事業に係る位置づけは、次のとおりであります。なお、次の4事業は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(注) 1.リフレッシュ・リフォームとは、住宅の内外装やキッチン、バス、トイレ等の水回り設備において経年劣化や部材の陳腐化等により修繕する箇所を改装・改良することを指します。
2.シルバー・リフォームとは、住宅の内外装や設備において住まわれている方が高齢、加齢又は身体の障害により使用困難になった箇所を改装・改良することを指します。
以上述べた事項を事業系統図で示すと次のとおりであります。
●不動産売買事業
●不動産賃貸事業
●不動産関連事業
●その他事業
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
ア)財政状態について
当事業年度末における総資産は6,291,119千円となり、棚卸資産の増加等によって前事業年度末に比べ622,497千円増加しました。
当事業年度末における負債合計は2,099,677千円となり、短期借入金及び長期借入金の増加等によって前事業年度末に比べ505,337千円増加しました。
当事業年度末における純資産合計は4,191,441千円となり、当期純利益の計上によって前事業年度末に比べ117,159千円増加しました。
イ)経営成績について
当事業年度におけるわが国経済は、自動車などの堅調な輸出がけん引役となり、国内企業の多くが好業績となったことを背景に、賃金の引上げが相次ぎ、個人消費の下支え要因となりました。また、日本銀行がイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を終えるなど、徐々に金融政策の正常化を進めていることも景気の緩やかな回復を示しております。しかしながら、中国の大手不動産企業の経営不安など、海外における不透明な要因が景気に与える影響について予測が困難であることから、先行きに対して慎重な見方もあります。
当社が属する不動産業界におきましては、国土交通省の調査「主要都市の高度利用地地価動向報告」(2024年6月公表)によれば、2024年第1四半期(2024年1月1日~2024年4月1日)の主要都市・高度利用地80地区の地価動向は、2023年第4四半期(2023年10月1日~2024年1月1日)に比べ、80地区全てが上昇(前回79地区)となり、2007年の当該統計の開始以来、初めて商業地及び住宅地の全ての地区が上昇となりました。
また、当社の主力事業である中古住宅の売買の状況については、公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)に登録されている物件情報の集計結果である「市況動向データ」の調査(2024年6月公表)によると、中国地方では、2023年6月から2024年5月までの中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて12.5%増となりました。九州地方では、同期間の中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて16.7%増となりました。
このような環境の中、当社は、2023年7月に糸島店(福岡県糸島市)を4年ぶりに出店したほか、新たな顧客管理システムを導入し、業務の効率化を図るなど主力の不動産売買事業に注力いたしました。
しかし、不動産売買事業の売上高が前事業年度を下回ったことなどにより、当事業年度の売上高は7,263,972千円(前事業年度比5.3%減)となりました。売上高が減少したことに加え、システム関連費など販売費及び一般管理費が増加したことから、営業利益は311,889千円(同43.2%減)、経常利益は309,394千円(同43.5%減)、当期純利益は212,890千円(同43.5%減)となりました。
なお、事業別の業績は、次のとおりであります。
(a)不動産売買事業
自社不動産売買事業については、自社不動産の販売件数が下期に231件と持ち直したものの、新築建売事業者の低価格施策の影響などを受けて、上期の販売件数が182件と前年同期の231件を下回ったため、通期では413件と前事業年度の459件を大幅に下回りました。また、平均販売単価は15,927千円と前事業年度に比べ716千円上回りました。
不動産売買仲介事業については、不動産売買仲介件数が減少したものの、高額物件を取り扱ったことなどから、仲介手数料は前事業年度を上回りました。
これらの結果、不動産売買事業の売上高は、6,945,840千円(前事業年度比5.5%減)となりました。営業利益は、売上高の減少に加えて、仕入価格の上昇による原価の上昇などにより、790,327千円(同19.6%減)となりました。
(b)不動産賃貸事業
不動産賃貸仲介事業については、賃貸仲介件数が減少したものの、仲介手数料の平均単価が上昇し、賃貸仲介手数料が前事業年度を上回ったことにより、売上高は前事業年度を上回りました。
不動産管理受託事業については、不動産管理の受託件数の増加により管理料が前事業年度を上回りましたが、請負工事高が前事業年度を大幅に下回ったことから、全体の売上高は前事業年度を下回りました。
自社不動産賃貸事業については、収益物件の新規獲得により売上高は前事業年度を上回りました。
これらの結果、不動産賃貸事業の売上高は202,164千円(前事業年度比0.9%減)となりました。営業利益は、売上高の減少に加え、人件費の増加などにより、34,204千円(同11.6%減)となりました。
(c)不動産関連事業
保険代理店事業については、火災保険の新規契約の獲得により付保率が改善し、契約件数も増加いたしました。しかし、保険契約期間の短縮による保険料の平均単価の低下により、売上高は前事業年度を下回りました。
これらの結果、不動産関連事業の売上高は、33,343千円(前事業年度比2.1%減)となりました。営業利益は、売上高の減少などにより、16,641千円(同6.5%減)となりました。
(d)その他事業
介護福祉事業については、物品販売が増加したものの、介護用品レンタル売上高が減少したことに加え、介護用のリフォーム工事等の請負工事が減少したことから、売上高は前事業年度を下回りました。
これらの結果、その他事業の売上高は、82,624千円(前事業年度比0.4%減)となりました。また、売上高の減少から、1,072千円の営業損失(前事業年度は268千円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、棚卸資産及び法人税等の支払が増加したものの、税引前当期純利益310,582千円(前期比 43.3%減)を計上したことに加え、短期借入金及び長期借入金の増加等により、前事業年度末に比べ19,888千円増加し、当事業年度末には767,498千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減の要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は388,814千円(前事業年度は97,690千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益310,582千円及び減価償却費37,704千円を計上したものの、棚卸資産の増加額529,521千円に加え、法人税等の支払額188,969千円の影響によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は101,459千円(前事業年度は11,486千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の獲得による支出95,412千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は510,162千円(前事業年度は98,297千円の使用)となりました。配当金の支払額100,304千円があったものの、短期借入金の借入による増加額429,960千円に加え、長期借入による増加額180,507千円(長期借入れによる収入と長期借入金の返済による支出の差引き)によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
ア) 生産実績
当社が営む不動産売買事業、不動産賃貸事業、不動産関連事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
イ) 仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.不動産売買事業の仕入高は、中古住宅等の仕入れが主な項目となります。当事業年度は中古住宅等の仕入れ件数が減少したことにより減少いたしました。
2.その他事業の仕入高は、介護福祉事業の物品販売の仕入れが主な項目となります。当事業年度は、請負工事が減少したことにより減少しました。
ウ) 受注実績
不動産売買事業のリフォーム事業、不動産賃貸事業の不動産管理受託事業及びその他事業の介護福祉事業において受注販売を行っておりますが、いずれも受注から売上高計上まで期間が短期であるため、「受注実績」は記載しておりません。
エ) 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
2.不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。当事業年度は、販売価格が上昇したものの、自社不動産販売件数が413件と前事業年度の459件を下回ったため、販売高が減少しました。
3.不動産賃貸事業の販売高は、不動産賃貸仲介手数料、不動産賃貸物件の管理料、賃貸物件の賃貸収入及びリフォーム工事等が主な項目となります。当事業年度は、賃貸仲介手数料、賃貸収入、管理料は増加しましたが、請負工事の減少により、販売高が減少しました。
4.不動産関連事業の販売高は、不動産の火災保険料の代理店手数料が主な項目となります。当事業年度は、付保率が上昇し、火災保険の新規契約件数が増加したものの、保険契約期間の短縮による保険料の平均単価の低下により、販売高が減少しました。
5.その他事業の販売高は、介護福祉事業の物品のレンタル収入及び販売並びにリフォーム工事が主な項目となります。当事業年度は、物品販売は増加したもののレンタル売上及び請負工事が減少したことにより、販売高が減少しました。
オ)不動産売買事業の地域別販売実績
当事業年度における不動産売買事業の地域別の販売実績を自社不動産売買事業と不動産売買仲介事業に分けて示すと、次のとおりであります。
(注) 1.自社不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。
2.不動産売買仲介事業の販売高は、不動産売買仲介手数料が主な項目となります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 財政状態に関する分析
ア)資産
当事業年度末における総資産は6,291,119千円となり、前事業年度末に比べ622,497千円増加しました。流動資産は5,437,449千円となり、前事業年度末に比べ557,282千円増加しました。これは主として、仕掛販売用不動産等が182,476千円減少したことによるものの、自社不動産の販売件数が想定を下回ったことにより、販売用不動産が711,637千円増加したためであります。固定資産は853,670千円となり、前事業年度末に比べて65,214千円増加となりました。これは主として、土地が70,468千円増加したことによるものであります。
イ)負債
流動負債は1,171,649千円となり、前事業年度末に比べ370,955千円増加しました。これは短期借入金の429,960千円増加によるものであります。固定負債は928,027千円となり、前事業年度末に比べ134,382千円増加いたしました。これは主として長期借入金の増加額127,570千円によるものであります。
ウ)純資産
純資産は4,191,441千円となり、前事業年度末に比べ117,159千円増加しました。これは主として、剰余金の配当 100,306千円があったものの、当期純利益の計上額212,890千円によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の71.9%から66.6%となりました。
③ 経営成績に関する分析
ア)売上高及び営業利益
売上高は、自社不動産売買事業における販売件数が413件と前事業年度の459件を下回ったことから、7,263,972千円(前事業年度比5.3%減)となりました。減少の要因としては、糸島店を出店したほか、自社保有の在庫件数が高水準を維持していたものの、新築建売事業者の低価格施策などの影響を受けたことによるものです。
不動産売買仲介事業においては、件数が減少したものの、収益物件の取り扱いなどにより1件当たりの平均手数料が上昇したことにより仲介手数料は前事業年度を上回りました。
また、不動産賃貸仲介事業及びその他事業いずれも請負工事高が減少したことにより前事業年度を下回りました。不動産関連事業については、火災保険の年限の短縮により平均単価が低下し、売上高は、前事業年度を下回りました。
売上総利益は、売上高が減少したことに加え、仕入価格の上昇などから自社不動産売買事業における売上高原価率が上昇したことにより、2,007,260千円(同8.8%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、システム関連費用の増加から設備維持費が24.6%増加したことに加え、最大のウエートを占める人件費も管理職向け譲渡制限付株式の付与に伴う費用計上から0.6%増加したことにより1,695,371千円(同2.7%増)となりました。
以上の結果、営業利益は311,889千円(同43.2%減)となりました。
イ)営業外損益及び経常利益
営業外損益(純額)は、2,494千円の損失(前事業年度は1,805千円の損失)となりました。これは、営業外収益が顧客の事情による違約金収入が増加したものの、借入金の増加により支払利息が大幅に増加したためであります。
以上の結果、経常利益は309,394千円(前事業年度比43.5%減)となりました。
ウ)特別損益及び税引前当期純利益
特別利益は、土地及び社有車の売却による固定資産売却益1,187千円(前事業年度は計上なし)を計上しました。
なお、特別損失は、計上しておりません。
以上の結果、税引前当期純利益は310,582千円(前事業年度比43.3%減)となりました。
エ)法人税等(法人税等調整額を含む)
法人税等は、法人税等調整額が△4,472千円と前事業年度に比べ3,513千円増加、及び税引前当期純利益の減少により法人税、住民税及び事業税が前年度に比べ76,686千円減少したことから、97,691千円(前事業年度比42.8%減) となりました。
オ)当期純利益
以上の結果、当期純利益は212,890千円(前事業年度比43.5%減)となり、1株当たり当期純利益金額は78.53円(同43.9%減)となりました。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社は、2024年7月11日に将来の成長に向けて取組むべき優先課題を整理し、次なる成長段階「Next Stage」に当社が向かうための「4つの経営戦略」をベースとする第3次中期経営計画を策定しました。なお、第3次中期経営計画に係る「4つの経営戦略」の詳細については「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 対処すべき課題」をご覧ください。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標と位置づけられる第3次中期経営計画において、当社は本計画の最終年度となる2026年5月期の目標値を以下のとおり、設定いたしました。
第3次中期経営計画の数値目標
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて19,888千円増加し、767,498千円となりました。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況及び増減要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当期は、税引前当期純利益310,582千円を計上したものの、棚卸資産の増加額が上回り、法人税等の支払額により営業キャッシュ・フローがマイナスとなりました。また、有形固定資産の取得により投資活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなりました。一方で、短期借入金の増加及び長期借入の収入等により、財務活動によるキャッシュ・フローはプラスとなりました。
今後も、中古住宅等の積極的な仕入れにより、営業キャッシュ・フローがマイナスとなる可能性がありますが、当社は、自社所有の中古住宅等の売買回転率の向上を図ることにより、営業キャッシュ・フローの改善に努めてまいります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社は、主力の自社不動産売買事業において中古住宅等の仕入れ及びリフォーム工事の費用の支払等の資金需要が大きいと認識しております。さらに政府が空き家対策を進めていることから、リフォームできない中古住宅への対応として更地もしくは新築住宅の建築も選択肢とする必要があるため、今後も、当社の資金ニーズはますます強くなると考えております。また、当社の収益性及び将来の転売等を視野に入れて収益物件を取得することも重要と認識しております。費用の面でも、第3次中期経営計画に沿って営業員を積極的に採用することに加え、従業員の研修にもなお一層注力していくことから、今後、人件費を中心に増える見通しであります。
営業員の充実により当社の営業力が高まることにより、第3次中期経営計画の後には、不動産売買事業の店舗の出店や移転に伴う費用の支出も予想されます。これらの資金の必要額は個別には大きくないものの、まとまると流動性の面で無視できないと考えます。
② 財源
上記の資金需要に対する財源としては、利益剰余金に加え、長期・短期の借入金を活用してまいります。当社は、資金需要の金額あるいは時期に応じて機動的な借入れができるよう、金融情勢に注意を払いつつ、金融機関と良好な関係を継続してまいります。