2025年1月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 34,585 100.0 3,708 100.0 10.7

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社は、直営によるラーメン専門店「ラーメン山岡家」を運営するラーメン事業を主として行っており、2025年1月31日現在、188店舗(新業態を含む)を北海道、関東、東北、東海地区の主要幹線道路沿いを中心に、全店舗直営店24時間営業を基本として出店しております。当社が多店舗展開を推進するにあたり、直営店を基本としてきた理由は、一定の品質・サービス・清潔さの水準を全店ベースで維持・管理するとともに、店舗のスクラップ・アンド・ビルドを実施できることによるものであり、今後も引き続き事業の拡大に取り組む方針であります。

 

[事業系統図]


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、社会経済活動が正常化し所得や雇用環境の改善がみられ、個人消費が堅調に推移し、緩やかな景気回復が続きました。一方で、円安が長期化し原材料や資材等が高騰を続けており、米国の政権交代や地政学リスクの影響、為替の動向など不確定要素も多く、国内経済は依然として先行きが不透明な状況が続いております。

外食産業におきましては、人流の活発化により外食需要が高まり、インバウンド消費も好調に推移したため、各社売上高は軒並み回復傾向が続いております。一方で、人材不足解消のための求人費や給与水準の引き上げのための人件費、他にも食材原価や配送費、光熱費といった各コストの上昇が各社収益を圧迫しており、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような状況の中、当社は、「食を通じて、人と地域社会をつなぐ企業へ」という経営理念のもと、前期に続き「お客様に喜んで貰う」という全社スローガンを継続し、直営による出店、店内調理、年中無休かつ24時間営業を基本として、当社の経営ビジョンである300店舗、47都道府県への店舗展開の実現に向け、それにふさわしい企業体制の構築を目指しております。

当事業年度の取り組みといたしまして、第1に、売上及び利益獲得に向けて、山岡家公式アプリによるクーポン配信や来店ポイント付与、期間限定商品の情報発信などを積極的に行い、訴求効果を高め来店客数の増加へ繋げました。現会員登録者数は今年1月末時点で約110万人に達しており、数多くの山岡家ファンの方々にご利用いただいております。また、昨年11月に煮干しラーメン業態全5店舗のリブランディングが完了し、集客力向上と売上アップに繋がっております。尚、食材原価や配送費の度重なる上昇に対処するため、昨年7月と11月に一部商品の価格改定を実施いたしました。

第2に、QSC(商品の品質、サービス、清潔さ)向上に向けて、各店舗の細かいチェック及び指導体制の強化のためスーパーバイザーを増員し、商品品質や接客、店舗設備や衛生面の状況把握と改善を継続的に実施いたしました。更に、来店客数の増加に対して挨拶や商品提供の徹底、ウェイティング対応の標準化などを実施し、営業力強化を図りお客様に喜んでいただける店舗づくりに注力いたしました。

第3に、人材確保と育成に向けて、中途社員の計画的な採用、パート・アルバイトからの社員登用、特定技能外国人材の採用を継続的に実施し、併せて管理体制強化のための本部社員の拡充を行い、今後の事業規模拡大を想定した体制の基盤づくりを継続的に進めております。また、店舗スタッフの調理技術や接客スキル、モチベーションの維持・向上のため、社内キャンペーンを実施し、更に教育・育成部門のスタッフを増員し教育体制の強化を進めました。

他にも、2022年にスタートした農業事業は、生産量も増え順調に規模を拡大しております。より多くのお客様へ安心・安全な長ネギを安定して提供できるよう、今後も計画的に取り組みを進めてまいります。

当事業年度は、ラーメン山岡家を関東エリアに3店舗、関西エリアに2店舗、北陸エリアに1店舗、計6店舗を新規出店し、当期末の店舗数は188店舗となりました。また、県内初となる和歌山県へ出店し、全国31都道県への進出を達成いたしました。

これらの取り組みにより、既存店売上高は34ヶ月連続で対前年を上回り、本年1月には売上高が過去最高を記録いたしました。その結果、当事業年度の売上高は34,585,110千円(前年同期比30.5%増)、営業利益は3,708,375千円(同79.7%増)、経常利益は3,833,476千円(同79.7%増)となりました。また、特別損益において、固定資産除却損4,041千円を計上したことなどにより、当期純利益は2,832,750千円(同97.7%増)となり、前事業年度に続き通期で売上高、各利益ともに過去最高となりました。

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における資産につきましては、前事業年度末に比べ3,288,684千円増加し、14,452,262千円(前年同期比29.5%増)となりました。主な要因は、次のとおりであります。

流動資産につきましては、前事業年度に比べ2,545,637千円増加し、7,389,748千円(同52.6%増)となりました。これは現金及び預金が前事業年度末に比べ1,189,616千円増加し、3,964,611千円(同42.9%増)、店舗食材が前事業年度末に比べ985,659千円増加し、2,157,596千円(同84.1%増)となったことが大きな要因であります。

固定資産につきましては、前事業年度に比べ743,046千円増加し、7,062,514千円(同11.8%増)となりました。これは、有形固定資産が前事業年度末に比べ648,823千円増加し、5,394,506千円(同13.7%増)となったことが大きな要因であります。

 

(負債)

当事業年度末における負債につきましては、前事業年度に比べ487,300千円増加し、7,784,218千円(同6.7%増)となりました。主な要因は、次のとおりであります。

流動負債につきましては、前事業年度に比べ939,098千円増加し、6,089,318千円(同18.2%増)となりました。これは買掛金が前事業年度末に比べ312,105千円増加し、1,097,307千円(同39.7%増)、未払金が前事業年度末に比べ433,830千円増加し、2,167,284千円(同25.0%増)となったことが大きな要因であります。

固定負債につきましては、前事業年度に比べ451,798千円減少し、1,694,900千円(同21.0%減)となりました。これは社債が前事業年度末に比べ353,000千円減少し、225,000千円(同61.1%減)となったことが大きな要因であります。

 

(純資産)

純資産につきましては、前事業年度に比べ2,801,384千円増加し、6,668,044千円(同72.4%増)となりました。これは利益剰余金が前事業年度末に比べ2,782,743千円増加し、6,069,288千円(同84.7%増)が大きな要因であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較して1,153,614千円増加し、3,787,605千円となりました。当事業年度中におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

当事業年度のキャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,967,147

千円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,316,383

千円

財務活動によるキャッシュ・フロー

△497,149

千円

現金及び現金同等物の期末残高

3,787,605

千円

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動により得られた資金は、2,967,147千円(前年同期比21.5%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益が3,831,263千円、減価償却費が620,324千円に対して、棚卸資産の増加額が1,016,587千円、法人税等の支払額が1,048,387千円となったことなどによるものであります

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動により使用した資金は、1,316,383千円(同3.8%減)となりました。これは主に、店舗開設等による有形固定資産取得による支出が1,220,079千円あったことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動により使用した資金は、497,149千円(同6.5%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が652,649千円、社債の償還による支出が248,000千円に対して、新規の長期借入れによる収入が500,000千円あったことなどによるものであります

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当事業年度の生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

ラーメン事業

60,930

137.6

合計

60,930

137.6

 

(注)1.金額は、製造原価により算出しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績を都道府県別に示すと、次のとおりであります。

 

当事業年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

売上金額(千円)

前年同期比

(%)

ラーメン事業

 

 

北海道

7,937,974

120.1

茨城県

3,236,127

122.2

栃木県

1,802,319

136.7

埼玉県

2,985,951

127.8

千葉県

3,501,799

129.1

群馬県

1,467,003

124.4

東京都

487,307

187.6

宮城県

838,051

132.4

静岡県

1,375,330

128.3

福島県

736,777

133.6

神奈川県

904,910

130.4

岐阜県

150,105

137.3

山梨県

703,005

126.7

山形県

310,425

137.8

愛知県

1,503,016

140.4

三重県

551,139

129.3

長野県

593,872

131.3

岩手県

379,263

173.9

秋田県

422,656

124.9

青森県

649,221

122.9

兵庫県

673,914

220.3

福岡県

463,531

152.3

新潟県

800,996

132.6

富山県

292,418

189.6

福井県

275,084

170.5

岡山県

248,877

127.4

石川県

335,997

173.8

山口県

175,568

122.7

広島県

288,345

114.2

滋賀県

176,304

163.6

和歌山県

3,825

その他

313,987

233.4

合計

34,585,110

130.5

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

新規出店は6店舗となり当事業年度末の店舗数は188店舗になりました。

売上及び利益獲得に向け公式アプリによるクーポン配信や来店ポイントの付与、期間限定商品などの情報発信を継続して行うことで訴求効果を高め来店客数の増加へ繋げることができました。現会員登録者数は今年1月末時点で110万人となっております。

QSC(商品の品質・サービス・清潔さ)向上につきましては、各店舗の指導体制強化のためスーパーバイザーを増員し、商品の品質や接客、店舗設備や衛生面の改善を実施しております。また、来店客数増加に対して、商品提供の徹底やウェイティング対応の標準化などを実施することで営業力強化を図ることに注力してまいりました。

人材確保や育成につきましては、中途社員の積極的な採用、パート・アルバイトからの社員登用、特定技能外国人材採用などを継続的に実施いたしました。また、社内キャンペーンを実施し、調理技術や接客スキル、モチベーションの向上を進めております。更に教育・育成部門のスタッフを増員し教育体制の強化を進めました。

これらの施策を実行した結果、来店客数は年間を通じて好調を維持し、既存店売上高は34ヶ月連続で対前年を上回りました。その結果、売上高は34,585,110千円(前年同期比30.5%増)と過去最高となりました。

(売上原価、売上総利益)

当事業年度は、為替や需給バランス変動に伴う原材料価格の高騰が継続しており、引き続き厳格なロス管理を行っておりますが、前事業年度と比較し原価率が約0.7%上昇いたしました。以上の結果、売上総利益は24,345,381千円(前年同期比29.2%増)となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、人件費につきましては、引き続き適切なワークスケジュール管理を行い適正化に努めておりますが、時給単価上昇が続いていることや待遇改善のためのベースアップ、特別賞与支給、来店客数増加に伴うスタッフの増員と人員配置の見直しにより大幅に増加いたしました。エネルギーコストにつきましては、為替の上昇が一服したことや原油先物の下落もあり増加は限定的となりました。主要コストを含めその他店舗管理コストにつきましても、引き続き徹底した効率化を図っておりますが、売上高の拡大による店舗運営コストの上昇が続いていることなどもあり20,637,005千円(前年同期比23.0%増)となりましたが、売上高比では59.7%と前期と比較し約3.6%減少いたしました。なお、当事業年度の営業利益は3,708,375千円(前年同期比79.7%増)となりました。

(営業外収益、営業外費用)

営業外収益は、受取手数料が79,775千円(前年同期比15.6%増)となったことなどから、163,624千円(前年同期比50.0%増)となりました。営業外費用は、支払利息が26,069千円(前年同期比10.5%減)となったことなどから、38,522千円(前年同期比3.7%減)となりました。なお、当事業年度の経常利益は3,833,476千円(前年同期比79.7%増)となりました。

(特別利益、特別損失)

特別利益は、固定資産売却益1,828千円を計上したことにより、1,828千円(前年同期は27千円)となりました。特別損失は、固定資産除却損4,041千円を計上したことなどから、4,041千円(前年同期比89.0%減)となりました。

(当期純利益)

税引前当期純利益3,831,263千円に対し法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計998,512千円を計上し、当期純利益は2,832,750千円(前年同期比97.7%増)と過去最高となりました。

 

 

② 経営方針・経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的な指標と今後の見通しについて

国内経済は、個人所得や雇用環境の改善も見られ、個人消費は堅調に推移し緩やかな景気回復が続いております。しかしながら、円安が長期化し物価も上昇基調となり、世界各国での政権交代など地政学リスクの影響もあり、景気の先行きは依然として予測困難な状況が続いております。

外食産業におきましては、人流増加やインバウンド消費による外食需要が高まり、各社業績の回復が見られます。一方で、給与水準の引き上げやそれに伴う物価、各種コスト上昇が業績を圧迫しており、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような環境の中、当社は以下のとおり、経営戦略を掲げております。

a.QSC向上…スーパーバイザーの増員継続と店舗臨店回数増加による商品面・接客面に対する指導強化、衛生面の管理強化、スキル向上を目的とした社内コンテストの実施、お客様相談室によるクレーム対応と改善

b.採用・育成…経営理念・行動指針の浸透、新卒・中途採用の強化と社員登用の推進、特定技能外国人材の継続採用、教育・育成体制の充実、各種トレーニングツールの更新、アルバイト・パート評価制度の改定

c.労務環境 …給与水準引き上げの実施、確定拠出年金の会社拠出額拡充と資産形成フォロー、健康経営実現に向けた取り組み強化、定着率向上に向けた各種研修会の実施

d.出店・改装…ラーメン山岡家を中心とした10店舗の新規出店、売上好調なエリアへのドミナント出店強化、西日本エリアの出店候補地選定強化、店舗老朽化に伴う改装実施、売上増加店舗の設備増設

e.購買活動 …食材の安定供給に向けた仕入先との連携強化と新たな仕入先ルートの開拓

f.その他  …農業事業の拡大と品質向上

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高、営業利益及び営業利益率を中長期的な経営の重要指標としております。

次期につきましては、当事業年度と同じく「お客様に喜んで貰う」を全社スローガンとして掲げ、当社の経営ビジョンである300店舗の出店と47都道府県への店舗展開の実現に向けて、QSC(商品の品質、サービス、清潔さ)向上、人材採用と育成、労務環境整備と定着率向上、新規出店と改装、効率的な購買活動と食材の安定供給に関する各課題に対して方策を立て、計画的に取り組みを進めてまいります。

また、次期を初年度とする中期経営計画を策定いたしました。次期は新規出店を10店舗とし、売上高39,003百万円経常利益4,081百万円当期純利益2,954百万円と計画しており、計画達成に向け社内一丸となって取り組んでまいります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は営業店舗設備投資等によるものであります。

当社は、運転資金につきましては、内部資金により資金調達することとしており、設備資金につきましては、固定金利の長期借入金及び社債(銀行保証付私募債)発行で調達することを基本としております。調達コストにつきましては、過度な金利変動リスクに晒されないよう、固定金利もしくは金利スワップなどを活用しております。今後におきましても、これらの方針に大きな変更はないものと考えております。

なお、当事業年度末現在における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は2,547,199千円となっております。

 

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

当社は、固定資産の減損及び税効果会計などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。