2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

マテリアル 繊維・製品 ヘルスケア その他 マテリアル 繊維・製品 ヘルスケア IT
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
マテリアル 349,186 39.2 118 0.3 0.0
繊維・製品 352,551 39.6 17,095 48.6 4.8
ヘルスケア 138,558 15.6 13,427 38.1 9.7
その他 49,776 5.6 4,559 13.0 9.2

3【事業の内容】

帝人グループは当社、子会社105社及び関連会社等21社で構成されています。その事業は高機能材料、複合成形材料の製造・販売等を行うマテリアル事業領域と、繊維製品等の製造・販売を行う繊維・製品事業と、医薬品と医療機器の製造・販売及び在宅医療サービス等を行うヘルスケア事業領域を中心とし、その他に電池部材及びメンブレンの製造・販売、再生医療等製品及び埋込医療機器等の開発・製造・販売等を展開しています。

 

帝人グループでは、「マテリアル」「繊維・製品」「ヘルスケア」の3つを報告セグメントとしています。

 各セグメントにおける、主要な事業内容ならびに主な会社は次のとおりであり、注記「6.事業セグメント」に記載のセグメントと一致しています。

 

セグメント

事業内容

構成会社

マテリアル

高機能材料事業

アラミド繊維、樹脂、炭素繊維等の製造・販売

当社

Teijin Aramid B.V.

Teijin Polycarbonate China Ltd.

Teijin Corporation (Thailand) Limited

等 子会社27社、関連会社等3社

複合成形材料事業

複合成形材料の製造・販売

 

当社

Teijin Automotive Technologies Portugal, S.A.

Teijin Automotive Technologies Czech, s.r.o.

等 子会社6社

繊維・製品

 繊維製品等の製造・販売、ポリエステル繊維及び織物の製造・販売等

帝人フロンティア(株)

南通帝人有限公司

Teijin Polyester (Thailand) Limited

J.H. Ziegler GmbH

等 子会社40社、関連会社等6社

ヘルスケア

医薬品及び医療機器の製造・販売、

 在宅医療サービス、その他ヘルスケア関連製品の製造・販売

当社

帝人ファーマ(株)

帝人ヘルスケア(株)

等 子会社12社、関連会社等3社

その他

 電池部材及びメンブレンの製造・販売

当社

Teijin Lielsort Korea. Co., Ltd.

子会社1社

 再生医療等製品及び埋込医療機器等の開発・製造・販売

当社

(株)ジャパン・ティッシュエンジニアリング

等 子会社3社

 その他

帝人エージェンシー(株)

等 子会社16社、関連会社等9社

(注) 関連会社等には、共同支配企業を含んでいます。

 

以上に述べた「事業の内容」を概要図で示すと次のとおりです。

 

(注)連結対象会社は、連結子会社72社と持分法適用会社が53社です。

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において帝人グループが判断したものです。

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

2025年度の世界経済は、地政学的リスクの継続や通商・産業政策を巡る不確実性が引き続き高い水準で推移する中、金融政策や需要動向の違いを背景に、地域間で景況感にばらつきが見られる状況が続きました。米国では、雇用環境の底堅さを背景に個人消費が堅調に推移した一方、欧州では高金利環境の長期化や外需の弱含みを受け、製造業を中心に回復の動きは限定的なものにとどまりました。また、中国においては、内需回復の遅れが引き続き景気の重しとなりました。こうした環境のもと、為替動向やエネルギー・原材料価格の変動、各国の政策動向が企業活動に影響を及ぼす状況が続いており、マクロ環境は依然として不透明感を残しています。

 

帝人グループは、2024年5月に「帝人グループ 中期経営計画2024–2025」を公表し、「収益性改善の完遂による基礎収益力の回復」と「事業ポートフォリオ変革」を主要課題として、各種施策を推進してきました。2025年度は、マテリアル事業領域において回復の遅れが見られたことから、抜本的なコスト構造改革を実行に移しました。また、将来の成長に向けた布石として、繊維・製品事業の中核子会社である帝人フロンティア株式会社と旭化成アドバンス株式会社との経営統合を公表し、統合に向けた準備を進めています。2026年度から始まる新中期経営計画においては、これまで進めてきた構造改革を基盤とし、「顧客起点型ビジネス」を軸とした成長戦略を実行していきます。

 

1)経営成績

帝人グループの当連結会計年度の経営成績は、売上収益8,732億円(前期比13.2%減)、営業損失707億円(前期 営業損失718億円)、事業利益258億円(同6.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期損失880億円(前期 親会社の所有者に帰属する当期利益283億円)となりました。

(単位:億円)

 

159期

(2025年3月期)

160期

(2026年3月期)

増減額

増減率

売上収益

10,055

8,732

△1,323

△13.2%

営業損失(△)

△718

△707

11

事業利益

276

258

△18

△6.6%

親会社の所有者に帰属する

当期利益(△は損失)

283

△880

△1,164

 

 

報告セグメントごとの経営成績の概況は次のとおりです。

(単位:億円)

 

159期

(2025年3月期)

160期

(2026年3月期)

増減額

増減率

マテリアル

4,593

3,386

△1,207

△26.3%

繊維・製品

3,519

3,501

△19

△0.5%

ヘルスケア

1,370

1,386

16

1.2%

その他

573

460

△113

△19.7%

合計

10,055

8,732

△1,323

△13.2%

マテリアル

60

1

△59

△98.0%

繊維・製品

178

171

△7

△4.2%

ヘルスケア

57

134

77

136.0%

その他

71

46

△25

△35.6%

消去又は全社

△90

△94

△4

合計

276

258

△18

△6.6%

 

2)財政状態

当期末の資産合計は、前期末に比べ1,412億円減少し、9,201億円となりました。帝人ナカシマメディカル株式会社(以下、帝人ナカシマメディカル)及びTeijin Automotive Technologies NA Holdings Corp.(以下、TAT)株式の譲渡により売却目的で保有する資産が減少したほか、償却ならびに多額の減損により有形固定資産や無形資産が減少しました。

負債合計は、前期末に比べて712億円減少し、5,515億円となりました。帝人ナカシマメディカル及びTAT株式の譲渡により売却目的で保有する資産に直接関連する負債が減少したほか、借入金の返済により減少しました。

資本合計(非支配持分を含む)は、多額の減損損失の計上等により、前期末に比べて699億円減少し、3,686億円となりました。

これらの結果、D/Eレシオは0.92倍、親会社所有者帰属持分比率は39.6%となりました。(前期末 D/Eレシオ0.9倍、親会社所有者帰属持分比率40.6%)

なお、当期末のBS換算レートは、160円/米ドル、183円/ユーロ、1.15米ドル/ユーロ(前期末150円/米ドル、162円/ユーロ、1.08米ドル/ユーロ)となっています。

 

② キャッシュ・フローの状況

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、減損損失や減価償却費等の非資金性費用を除いた利益等により、合計で987億円の収入(前期は698億円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資の実施等により、390億円の支出(前期は525億円の収入)となりました。

この結果、営業活動に投資活動を加えたフリー・キャッシュ・フローは597億円の収入(前期は1,224億円の収入)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加があった一方、長期借入金の返済や配当の支払により、733億円の支出(前期は1,345億円の支出)となりました。

これらの結果、現金及び現金同等物に係る換算差額等も加え、当期における最終的な現金及び現金同等物の減少額は31億円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

帝人グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 1)経営成績」における各報告セグメントの経営成績に関連付けて示しています。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

経営者の視点による帝人グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

帝人グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方針に関する記載」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

1) 経営成績等

a. 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

帝人グループの当期の経営成績は、売上収益が前期比で13.2%減の8,732億円となり、事業利益(注)は同6.6%減の258億円となりました。また、アラミド事業やヘルスケア事業での減損損失の計上等により営業損失は707億円(前期は718億円の営業損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失は880億円(前期は283億円の当期利益)となりました。セグメント毎の事業利益は、マテリアル事業領域では、競争激化やアラミド事業での大型定修の影響により減益となりました。繊維・製品事業では、概ね販売量は堅調に推移したものの、若干の減益となりました。ヘルスケア事業では、在宅医療機器のレンタル台数の増加およびライセンス対価収入等により増益となりました。

その結果、収益性を示すROEは△22.1%、ROICは2.6%となり、キャッシュ創出力を示すEBITDAは861億円となりました。

 

(注)事業利益は、営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な損益(持分法による投資損益のうち金融損益や減損損失等の非経常的な損益を含む)を除いて算出しています。

 

当期におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりです。

 

マテリアル事業領域

:[売上収益 3,386億円(前期比 26.3%減)、事業利益 1億円(同 98.0%減)、EBITDA 207億円(同 118億円減)]

複合成形材料事業の収益性の改善およびアラミド事業における減損処理に伴う償却費減少等が収益に寄与しました。一方、アラミド事業での大型定修影響や炭素繊維での販売量減少に伴う操業度悪化の他、競争環境の激化による販売価格の低下等の影響を受けました。こうした状況を踏まえ、アラミド事業および炭素繊維事業では抜本的な収益改善に向けコスト構造改革を進めています。

売上収益は3,386億円と前期比1,207億円の減収(26.3%減)、事業利益は1億円と前期比59億円の減益(98.0%減)となりました。EBITDAは前期比118億円減の207億円となり、ROICは0%となりました。

アラミド事業では、主力のパラアラミド繊維「トワロン」において、欧州の自動車市場の回復遅れや、防弾防護用途における顧客のプロジェクト遅延等が影響しました。産業用途での拡販により販売量は増加しましたが、価格競争が厳しさを増している光ファイバー向け用途の比率が高まり、販売構成が悪化しました。加えて、第1四半期の大型定修等による操業度低下もあり、第2四半期末に計上した減損による償却費減少影響が下期に発現したものの、前期比では増収・減益となりました。アラミド事業は、現在実行中の抜本的なコスト構造改革により、早期に基礎収益力を回復させることを目指しています。

樹脂事業では、主力のポリカーボネート樹脂において、中国景気の低迷や競争環境の激化が継続しましたが、販売量は堅調に推移しました。原料価格の低下に伴い、販売価格が低下しましたが、スプレッドは概ね横ばいとなりました。結果、前期比では減収となったものの、コスト改善を背景に増益となりました。

炭素繊維事業では、航空機向け用途におけるサプライチェーン上の制約の継続、産業用途では、欧州経済の低迷や競争環境の激化により、販売量が減少し、操業度が低下しました。また、汎用品を中心とした販売価格の低下が継続し、前期比減収・減益となりました。炭素繊維事業においても、収益力の改善に向け、米国工場の一時休止を含む抜本的なコスト構造改革を実行しています。

複合成形材料事業では、北米事業における収益性の改善および前年度の減損に伴う償却費減少等が収益に寄与しました(北米事業は、2025年7月1日に株式譲渡完了)。欧州では、自動車市場の減速を受け、一部車種での需要減により販売量が減少しました。結果、前期比減収・増益となりました。

 

マテリアル事業領域の事業利益の増減分析(前期比)は以下のとおりです。

 

 

繊維・製品事業

:[売上収益 3,501億円(前期比 0.5%減)、事業利益 171億円(同 4.2%減)、EBITDA 249億円(同 6億円減)]

衣料繊維分野、産業資材分野ともに堅調な販売を維持しましたが、前期比では若干の減収・減益となりました。

売上収益は3,501億円と前期比19億円の減収(0.5%減)、事業利益は171億円と前期比7億円の減益(4.2%減)となりました。EBITDAは前期比6億円減の249億円となり、ROICは8%となりました。

衣料繊維分野では、北米向けテキスタイルや国内向け衣料品の販売が好調に推移するとともに、中国における素材・製品の販売も業績に大きく貢献しました。産業資材分野では、自動車関連用途で需要回復遅れの影響がありましたが、各種フィルター向けのポリエステル短繊維やテレビ通販での生活雑貨の販売が好調を維持しました。

また、持続的な成長と企業価値の最大化を目的として、帝人フロンティア(株)と旭化成アドバンス(株)との経営統合の準備を進めています。

 

繊維・製品事業の事業利益の増減分析(前期比)は以下のとおりです。

 

 

ヘルスケア事業

:[売上収益 1,386億円(前期比 1.2%増)、事業利益 134億円(同 136.0%増)、EBITDA 392億円(同 45億円増)]

在宅医療機器分野では、レンタル台数が堅調に推移しました。一方で、医薬品分野では、ライセンス対価収入が収益貢献したものの、後発医薬品の浸透、薬価改定等の影響を受けました。

売上収益は1,386億円と前期比16億円の増収(1.2%増)、事業利益は134億円と前期比77億円の増益(136.0%増)となりました。EBITDAは前期比45億円増の392億円となり、ROICは7%となりました。

在宅医療機器分野では、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)市場において、検査数の増加に伴い新規処方件数の拡大が継続し、レンタル台数は堅調に増加しました。また、在宅酸素療法(HOT)市場もレンタル台数は堅調に推移し、2023年上市の携帯型酸素濃縮装置のレンタル台数が増加しました。

医薬品分野では、複数のライセンス対価収入が収益に貢献しました。一方、後発品の浸透加速および長期収載品を中心とした2025年4月の薬価改定が影響しました。また、2025年11月には、副甲状腺機能低下症治療剤「ヨビパス」を上市しました。

また、糖尿病治療剤の販売権減損処理に伴う償却費減、および事業構造転換の推進に伴う固定費削減効果が発現しました。

 

ヘルスケア事業の事業利益の増減分析(前期比)は以下のとおりです。

 

 

 

 

その他

:[売上収益 460億円(前期比 19.7%減)、事業利益 46億円(同 35.6%減)]

売上収益は460億円と前期比113億円の減収(19.7%減)、事業利益は46億円と前期比25億円の減益(35.6%減)となりました。

電池部材・メンブレン分野は、堅調な販売により安定的に収益を確保しました。

再生医療分野はCDMO事業の立上げが順調に進展しました。埋込医療機器分野では、帝人メディカルテクノロジー(株)が営む吸収性骨接合材等の事業が着実に伸長しました。また、人工関節等の事業を営んでいた帝人ナカシマメディカル(株)は株式売却により連結対象から外れました。

 

その他の事業利益の増減分析(前期比)は以下のとおりです。

 

b. 財政状態及びキャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の財政状態、キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 2)財政状態、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

(帝人グループの資本の財源及び資金の流動性について)

帝人グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入、製造費、販売費やサービス提供費用等の運転資金需要に加え、設備投資や研究開発活動費等の投資があります。これらに必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債発行等により資金調達を行っているほか、複数の金融機関とのコミットメントライン契約や当座貸越枠を含む十分な借入枠を有しています。このように、帝人グループの事業運営に必要な運転資金や投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しており、高水準で維持している現預金も含め、緊急時の流動性を確保しています。

また、帝人グループではグループ内余剰資金を活用するため、日米欧中の各拠点におけるキャッシュ・マネジメント・システムおよび日米欧間のグローバル・キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めています。資金調達にあたっては、D/Eレシオ0.9を目安に財務体質の健全性を維持しながら、資金需要の見通しや金融情勢に応じて最適な手段を選択しています。なお、資金調達コストの低減に努める一方、設備投資に対応する借入の大部分については長期調達するとともに、過度に金利変動リスクに晒されないよう金利スワップ等の手段を活用し、固定化しています。

 

2) 経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

3) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2025年度は、アラミド事業及び炭素繊維事業について、低調な欧州経済の継続、北米通商政策に起因するユーロ高・ドル安等の外部環境の変化、競合の生産能力拡大による需給バランス軟化及び価格下落圧力の影響を受け、抜本的なコスト構造改革を開始しました。また、薬価改定や後発品の浸透加速の影響を受けたヘルスケア事業の医薬品ビジネスについては、希少疾患・難病領域への絞り込みを進めてまいりました。

その結果、アラミド事業及びヘルスケア事業における減損損失の計上などの影響により、ROEは△22.1%、事業利益ROICは2.6%、事業利益は258億円となり、このような状況を背景とし、当社経営に対する市場評価の一つであるPBR(Price Book-value Ratio: 株価純資産倍率)が1倍割れの状況にあります。

 

また、各種指標の実績と目標は以下のとおりです。

 

第160期

(2026年3月期)

見通し

(2027年3月期)

ROE(%)

△22.1

12

ROIC(%)

2.6

3

事業利益(億円)

258

300

(注)各指標はいずれも当社連結ベースの財務数値を用いて算出しています。

・ROE:親会社の所有者に帰属する当期利益/期首・期末平均親会社の所有者に帰属する持分

・ROIC:税引後事業利益/期首・期末平均投下資本

※投下資本・・・資本+有利子負債

・事業利益:営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な損益(持分法による投資損益のうち金融損益や減損損失等の非経常的な損益を含む)を除いて算出しています。

 

2026年度は、2026年5月に公表した「帝人グループ 中期経営計画2026-2028」のとおり、①顧客起点型ビジネスでの確かな利益成長、②構造改革による質の高い収益基盤の確立、③顧客起点型ビジネスを支える経営基盤の強化を3つの主要課題として掲げ、顧客起点型ビジネスを軸とする確かな成長の実現に向けて、各種施策を進めてまいります。2026年度は、ROEは12%、事業利益ROICは3%、事業利益は300億円を予想しており、今中期経営計画の最終年度である2028年度に掲げるROE8%、事業利益600億円の達成に向けた初年度として、着実な収益の達成を目指してまいります。

 

セグメント情報

6.事業セグメント

(1) 報告セグメントの概要

 帝人グループの報告セグメントは、帝人グループの構成単位の内、分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

 帝人グループは、製品の種類、性質、サービス別に事業領域を定め、各事業領域では取り扱う製品、サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。

 したがって、帝人グループは事業領域を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「マテリアル」、「繊維・製品」、「ヘルスケア」の3つを報告セグメントとしています。

 「マテリアル」はアラミド繊維、ポリカーボネート樹脂、炭素繊維、複合成形材料等の製造・販売等を行っており、「繊維・製品」はポリエステル繊維、繊維製品等の製造・販売等を行っています。また、「ヘルスケア」は医薬品・医療機器等の製造・販売及び在宅医療サービス等を行っています。

 

(2) セグメント収益及び業績

 報告セグメントの会計方針は、注記「3.重要性がある会計方針」で記載している帝人グループの会計方針と同一です。

 なお、セグメント間の内部収益及び振替高は市場価格または原価に利益を加算した価格に基づいています。

 

 帝人グループの報告セグメントによる収益及び業績は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2,3

連結

 

マテリアル

繊維・製品

ヘルスケア

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

459,317

351,923

136,973

948,213

57,259

1,005,471

1,005,471

セグメント間収益

10,735

2,264

4

13,003

4,695

17,698

17,698

合計

470,052

354,187

136,977

961,216

61,954

1,023,169

17,698

1,005,471

事業利益(注)4

6,026

17,842

5,690

29,558

7,082

36,640

9,046

27,594

セグメント資産

467,531

223,458

198,029

889,018

130,581

1,019,599

41,673

1,061,272

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

26,506

7,635

29,006

63,147

4,738

67,885

2,751

70,636

減損損失

64,017

348

28,804

93,170

1,642

94,812

403

95,215

持分法で会計処理されている投資

563

6,627

13,653

20,843

24,758

45,602

45,602

資本的支出

23,686

7,219

17,626

48,531

8,671

57,202

2,196

59,398

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、電池部材・メンブレン分野、再生医療・埋込医療機器分野等を含んでいます。

2.事業利益の調整額△9,046百万円には、セグメント間取引消去81百万円、全社費用△9,127百万円が含まれています。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない本社管理部門に係る費用です。

3.セグメント資産の調整額41,673百万円には、セグメント間の債権の相殺消去等△49,858百万円、全社資産91,531百万円が含まれています。全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない親会社での余剰運用資金(現金及び預金ほか)、長期投資資産(投資有価証券ほか)等です。

4.事業利益は、営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な損益(持分法による投資損益のうち金融損益や減損損失等の非経常的な損益を含む)を除いて算出しています。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2,3

連結

 

マテリアル

繊維・製品

ヘルスケア

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

338,579

350,068

138,558

827,205

45,986

873,190

873,190

セグメント間収益

10,608

2,483

13,091

3,790

16,881

16,881

合計

349,186

352,551

138,558

840,295

49,776

890,071

16,881

873,190

事業利益(注)4

118

17,095

13,427

30,639

4,559

35,198

9,417

25,781

セグメント資産

374,757

230,997

158,786

764,540

129,530

894,070

26,045

920,115

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

20,570

7,771

25,724

54,065

3,893

57,958

2,357

60,315

減損損失

62,295

249

25,295

87,840

87,840

1,100

88,940

持分法で会計処理されている投資

604

6,685

12,989

20,278

17,718

37,996

37,996

資本的支出

23,178

6,985

19,108

49,271

7,846

57,118

2,488

59,605

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、電池部材・メンブレン分野、再生医療・埋込医療機器分野等を含んでいます。

2.事業利益の調整額△9,417百万円には、セグメント間取引消去67百万円、全社費用△9,484百万円が含まれています。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない本社管理部門に係る費用です。

3.セグメント資産の調整額26,045百万円には、セグメント間の債権の相殺消去等△52,612百万円、全社資産78,656百万円が含まれています。全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない親会社での余剰運用資金(現金及び預金ほか)、長期投資資産(投資有価証券ほか)等です。

4.事業利益は、営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な損益(持分法による投資損益のうち金融損益や減損損失等の非経常的な損益を含む)を除いて算出しています。

 

 事業利益から税引前利益への調整は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2025年4月 1日

  至 2026年3月31日)

事業利益

27,594

25,781

固定資産売却益

10,622

3,876

固定資産除売却損

△2,508

△1,910

減損損失

△95,215

△88,940

特別退職金(注)1

△4,665

△4,008

関係会社株式売却損益(△は損失)

△3,027

持分法による投資損益(△は利益)(注)2

△4,729

△2,704

その他

△2,926

219

営業損失(△)

△71,828

△70,714

金融収益

4,115

4,161

金融費用

△11,378

△9,468

持分法による投資利益(△は損失)

1,052

1,960

税引前損失(△)

△78,038

△74,060

(注)1.前連結会計年度における特別退職金は、主に早期退職優遇制度に係るものです。

当連結会計年度における特別退職金は、主に事業構造改革に伴うものです。

2.事業利益は、営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な損益(持分法による投資損益のうち金融損益や減損損失等の非経常的な損益を含む)を除いて算出しています。

 

(3) 製品及びサービスに関する情報

 製品及びサービスごとの外部顧客に対する売上収益は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2025年4月 1日

  至 2026年3月31日)

高機能材料(注)

270,930

268,527

複合成形材料

188,387

70,051

繊維・製品

351,923

350,068

ヘルスケア

136,973

138,558

その他

57,259

45,986

合計

1,005,471

873,190

(注) 製品及びサービスの区分としての「高機能材料」は、報告セグメントであるマテリアル事業領域内における、アラミド繊維、ポリカーボネート樹脂、炭素繊維等の高機能素材の製品群です。

 

(4) 地域別に関する情報

 売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりです。

① 外部顧客への売上収益(注)1

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2025年4月 1日

  至 2026年3月31日)

日本

409,141

395,472

中国

174,754

170,772

アメリカ

182,659

92,074

アジア

89,185

95,409

米州(注)2

37,542

8,482

欧州他(注)3

112,190

110,982

合計

1,005,471

873,190

(注)1.地域別の収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。

2.「米州」は、アメリカを除く北米・中南米諸国です。

3.「欧州他」は、中東・アフリカ・オセアニアを含んでいます。

 

② 非流動資産(金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く。)

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2025年3月31日)

当連結会計年度

(2026年3月31日)

日本

215,679

181,290

アメリカ

13,496

7,634

オランダ

78,453

37,668

中国

21,290

24,207

アジア

28,579

29,944

欧州

26,041

29,842

米州(注)

61

66

合計

383,600

310,651

(注) 「米州」は、アメリカを除く北米・中南米諸国です。

 

(5) 主要な顧客に関する情報

 連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める特定顧客への売上収益がないため、記載を省略しています。