2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

繊維事業 不動産事業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
繊維事業 20,004 94.3 -821 - -4.1
不動産事業 580 2.7 422 - 72.8
その他 624 2.9 60 - 9.6

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社10社及び持分法非適用の非連結子会社1社で構成され、レッグウェア及びインナーウェア等の製造、仕入、販売を主とし、他に不動産販売、賃貸及び介護用品の仕入、販売、グループホームの運営及び太陽光発電による売電等を行っております。

 当社グループの事業系統図は次のとおりであります。

 

(注)無印  連結子会社

※   持分法非適用の非連結子会社。前連結会計年度まで連結子会社であった厚木香港有限公司は、重要性が低下したため、連結の範囲から除外しております。

 

 

 提出会社及び関係会社のセグメントに係る位置付けは次のとおりであります。

セグメントの名称

主な事業内容

主な会社名

繊維事業

繊維製品の販売

アツギ㈱、㈱レナウンインクス、厚木香港有限公司、厚木(上海)時装貿易有限公司

繊維製品の製造、仕入

アツギ㈱、㈱レナウンインクス、アツギ東北㈱、煙台厚木針織有限公司、厚木靴下(煙台)有限公司、厚木(上海)時装貿易有限公司、阿姿誼(上海)国際貿易有限公司、煙台阿姿誼靴下有限公司

物流業務の請負

神奈川スタッフ㈱、アツギ佐世保㈱

不動産事業

不動産の販売、賃貸

アツギ㈱

その他

介護用品の仕入、販売

グループホームの運営

太陽光発電による売電

アツギケア㈱、アツギ㈱

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴う行動制限の解除により社会・経済活動の正常化が進み、緩やかな回復傾向が見られました。その一方で、不安定な国際情勢や、外国為替相場の円安基調等による資源・エネルギー価格の高騰、これらを背景とした物価上昇等、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

 繊維業界においては、社会・経済活動の正常化に伴い外出機会が増加したことや、入国制限緩和によりインバウンド需要が回復基調で推移したこと等により、市況の好転が見られるものの、物価上昇の長期化による消費者の生活防衛意識や節約志向は根強く、予断を許さない状況が続いております。

 このような状況の中、当社グループは、2023年3月期から2025年3月期までを実行期間とする中期経営計画『ATSUGI VISION 2024』を改訂いたしました。改訂後の計画では、「顧客視点に立脚した価値創りへのシフト」、「ブランド力強化による市場ポジションの明確化」、「企業風土改革による強い組織力の実現」、「従前発想から脱却したビジネスモデルの実現」の4つの新たな課題を掲げて、それぞれの課題に対する戦略を推進しております。あわせて、企業ブランド強化策の一環として、「肌と心がよろこぶ、今と未来へ。」をパーパスに、「肌心地から、感動を生み出す フィールウェアのアツギへ。」をビジョンに制定し、グループ一丸となってこれらを実現するための取り組みを進めております。

 当連結会計年度は、人流の回復による経済活動の正常化が進んだことにより、売上高は前連結会計年度を上回る水準で推移いたしました。利益面においては、商品価格の一部見直しを実施したことや、生産機能を中国工場へ集約し生産体制の最適化を図ったことによる製造原価の低減効果により改善傾向にありますが、円安の進行、原燃料価格や物流費の高止まりなどの要因により、営業利益の黒字回復には至りませんでした。また、改訂後の『ATSUGI VISION 2024』において掲げた政策保有株式の縮減方針に則り、政策保有株式の売却を進めたことによる投資有価証券売却益643百万円、中国の連結子会社における固定資産の譲渡等による固定資産売却益1,329百万円を特別利益に計上いたしました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は21,209百万円(前年同期比3.4%増)、営業損失は425百万円(前年同期は2,131百万円の損失)、経常損失は51百万円(前年同期は1,583百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,331百万円(前年同期は1,215百万円の損失)となりました。

 

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

[繊維事業]

 レッグウェア分野は、行動制限の緩和による人流の回復や、商品価格を適切な価格に見直したことが寄与し、同分野の売上高は11,365百万円(前年同期比3.2%増)となりました。

 インナーウェア分野は、消費者の生活防衛意識の高まりなどから全般的に厳しかったものの、紳士インナーウェアが堅調に推移したことにより、同分野の売上高は8,638百万円(前年同期比4.8%増)となりました。

 これらの結果、当事業の売上高は20,004百万円(前年同期比3.9%増)、営業損失は821百万円(前年同期は2,474百万円の損失)となりました。

 

[不動産事業]

 保有資産の有効活用を進めており、当事業の売上高は580百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益は422百万円(前年同期比8.8%増)となりました。

 

[その他]

 その他の事業につきましては、太陽光発電による売電は太陽光発電所のケーブル盗難被害により発電量が減少しましたが、現在は盗難被害から復旧しております。また、介護用品の販売も苦戦しました。これらの結果、当事業の売上高は624百万円(前年同期比10.6%減)、営業利益は60百万円(前年同期比3.5%増)となりました。

 

②財政状態の状況

 当連結会計年度末における総資産は42,014百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,325百万円増加いたしました。これは主に、棚卸資産の増加891百万円、有形固定資産の増加794百万円、流動資産のその他の増加506百万円、無形固定資産の増加331百万円、現金及び預金の減少917百万円及び投資その他の資産の減少222百万円等によるものであります。

 負債の部は8,572百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,183百万円減少いたしました。これは主に、流動負債のその他の減少661百万円、支払手形及び買掛金の減少523百万円、長期借入金の減少470百万円及び繰延税金負債の増加525百万円等によるものであります。

 純資産の部は33,441百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,508百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,331百万円の計上による利益剰余金の増加及びその他の包括利益累計額の増加1,168百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

対前年同期比(%)

繊維事業

8,036

117.2

合計

8,036

117.2

(注)1.セグメント間取引については、内部振替前の数値によっております。

2.金額は、製造原価によっております。

 

b.受注状況

 当社グループ(当社及び連結子会社)は見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

対前年同期比(%)

繊維事業

20,004

103.9

不動産事業

580

106.6

その他

624

89.4

合計

21,209

103.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱しまむら

5,509

26.9

5,941

28.0

 

 

④キャッシュ・フローの状況

科目

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

△1,356

△1,344

12

投資活動によるキャッシュ・フロー

760

456

△303

財務活動によるキャッシュ・フロー

△471

△472

△0

現金及び現金同等物に係る換算差額

316

460

144

現金及び現金同等物の増減額

△751

△899

△147

現金及び現金同等物の期末残高

4,749

3,850

△899

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,909百万円等による増加、有形固定資産売却損益939百万円、棚卸資産の増加765百万円、投資有価証券売却益643百万円、仕入債務の減少609百万円等による減少及び法人税等の支払額427百万円等により、1,344百万円の支出となりました。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入1,760百万円、有形固定資産の売却による収入586百万円、無形固定資産の売却による収入276百万円、有形固定資産の取得による支出1,280百万円、無形固定資産の取得による支出873百万円等により、456百万円の収入となりました。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出470百万円等により472百万円の支出となりました。

 

 この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ899百万円減少し、3,850百万円となりました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績等の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 当社グループの経営に影響を与える大きな要因の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、3 事業等のリスク」をご参照ください。

 当社グループにおける資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて、金融機関からの借り入れによる調達を行っております。また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、資金調達に関し、低コストかつ安定的な資金の確保を基本に、財務状況や金融環境に応じ、最適と思われる調達手段を選択しております。

 

③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2023年3月期から2025年3月期までの3年間を実行期間とする中期経営計画『ATSUGI VISION 2024』を策定し、「顧客視点に立脚した価値創りへのシフト」、「ブランド力強化による市場ポジションの明確化」、「企業風土改革による強い組織力の実現」、「従前発想から脱却したビジネスモデルの実現」の4つの新たな課題を掲げて、それぞれの課題に対する戦略を推進しております。

 しかしながら、付加価値の最大化を目的に取り組んでいるD2C事業確立・強化、中国市場販売の拡大、ヘルスケア商品の強化等において『ATSUGI VISION 2024』の最終年度である2025年3月期での計画数値の達成は困難と判断し、修正することといたしました。目標とする財務指標は以下のとおりです。

 

 

2024年度

当初目標

修正目標

連結売上高

255億円

240億円

連結営業利益

12億円

5億円

連結営業利益率

4.5%

2.1%

当期利益

13億円

16億円

ROE

4%

5%

ROIC

3%

1%

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、レッグウェアの製造販売を主要な事業として展開しており、「繊維事業」「不動産事業」を報告セグメントとしております。

 「繊維事業」は、主にレッグウェア、インナーウェアの製造及び販売を行っております。「不動産事業」は、分譲土地の購入及び販売、土地及び建物の賃貸事業を行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。報告セグメントの利益又は損失は、営業利益又は損失ベースの数値であります。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解

情報

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結財務諸表計上額

(注)3

 

繊維事業

不動産事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

レッグウェア

11,013

11,013

11,013

11,013

インナーウェア

8,246

8,246

8,246

8,246

その他

0

0

699

699

699

顧客との契約から生じる収益

19,260

0

19,260

699

19,959

19,959

その他の収益

544

544

544

544

外部顧客への売上高

19,260

544

19,804

699

20,503

20,503

セグメント間の内部売上高又は振替高

0

0

0

0

△0

19,260

544

19,804

699

20,504

△0

20,503

セグメント利益又は損失(△)

△2,474

388

△2,086

58

△2,027

△103

△2,131

セグメント資産

28,333

6,625

34,959

1,216

36,175

4,513

40,688

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費(注)4

354

20

375

65

441

7

448

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

1,782

1,782

1

1,783

12

1,795

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結財務諸表計上額

(注)3

 

繊維事業

不動産事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

レッグウェア

11,365

11,365

11,365

11,365

インナーウェア

8,638

8,638

8,638

8,638

その他

21

21

624

645

645

顧客との契約から生じる収益

20,004

21

20,025

624

20,649

20,649

その他の収益

559

559

559

559

外部顧客への売上高

20,004

580

20,584

624

21,209

21,209

セグメント間の内部売上高又は振替高

0

0

0

△0

20,004

580

20,584

624

21,209

△0

21,209

セグメント利益又は損失(△)

△821

422

△399

60

△338

△86

△425

セグメント資産

29,542

6,532

36,075

1,135

37,210

4,803

42,014

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費(注)4

354

20

374

46

421

7

429

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

1,748

16

1,765

2

1,768

3

1,772

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、介護用品の仕入、販売、グループホームの運営及び太陽光発電による売電であります。

2.調整額の内容は、以下のとおりです。

 

セグメント利益又は損失

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

全社費用

△103

△86

合計

△103

△86

※ 全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない本社等の土地・建物(転用を検討中の土地・建物を含む)に係る費用であります。

 

セグメント資産

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

全社資産

4,513

4,803

合計

4,513

4,803

※ 全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない本社等の土地・建物(転用を検討中の土地・建物を含む)及び長期投資資金(投資有価証券)であります。

3.セグメント利益又は損失は、連結財務諸表の営業損失と調整を行っております。

4.減価償却費には、長期前払費用に係る償却額が含まれております。

 

【関連情報】

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が、連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

中国

合計

13,500

2,520

16,020

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

中国

合計

13,397

3,417

16,815

 

3.主要な顧客ごとの情報

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

㈱しまむら

5,509

繊維事業

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

㈱しまむら

5,941

繊維事業

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

 

繊維事業

不動産事業

減損損失

51

51

(注) その他において、収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなったグループホームの運営にかかる事業用資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減損処理しております。これらの結果、その他において51百万円の減損損失を計上しております。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。