リスク
3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境並びに事業の内容に関してのリスク
① 技術革新への対応について
当社グループは、現状、最先端の技術革新の把握に支障を来したことはありませんが、仮想化ソリューション市場は技術革新のスピードが速いため、当社グループが技術革新に対応できない場合には、業界標準に対応できない或いは顧客ニーズを捉えられないことなどにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
当社グループのITインフラ事業では、事業者間の受注競争が激しい状況にあり、今後も一層の激化が想定されます。当社グループにおいては、ネット広告、セミナー開催、海外ベンダーとの関係強化、業界における導入ノウハウと技術者によるパートナー支援、きめ細かな顧客対応等により競争力を維持・向上させていく方針でありますが、競合他社との差別化が困難となった場合には、受注や採算性の確保が困難となり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 取引依存度の高い相手先について
a 販売先
当社のITインフラ事業では、顧客企業のITインフラの導入時期に応じて、特定の取引先への販売金額への依存度が高くなることがあります。株式会社ピー・ビーシステムズへの売上金額及び当該売上金額の総売上金額に対する割合は下表のとおり高い状況となっております。今後も、パートナー数の拡大により、特定の案件への依存度を低下させていく方針であります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年2月1日 至 2023年1月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年2月1日 至 2024年1月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社ピー・ビーシステムズ |
- |
- |
857,580 |
13.8 |
(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析を行っておりません。
b 仕入先
当社は受注する製品によって、特定の取引先への仕入金額への依存度が高くなることがあります。シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社、Atrust Computer Corporation、SB C&S株式会社への仕入金額及び当該仕入金額の総仕入金額に対する割合は下表のとおり高い状況にあります。
上記取引先を含む主な仕入取引先とは、良好な関係を構築しておりますが、万一、取引が解消される場合や取
引条件が大幅に変更される場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年2月1日 至 2023年1月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年2月1日 至 2024年1月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 |
- |
- |
2,186,646 |
50.9 |
Atrust Computer Corporation |
- |
- |
606,187 |
14.1 |
SB C&S株式会社 |
- |
- |
600,245 |
14.0 |
(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析を行っておりません。
④ 仕入先との代理店契約について
当社グループは、主な仕入先と「代理店契約」を締結しています。これらの契約は、独占・非独占に関わらず、仕入先側の通告により、契約期間の満了により終了することがあります。仕入先毎に、終了条件の有無、事前通告の要不要、その期間・手段等に相違があり、当社グループがその対抗策・代替手段を検討する期間にも相違が出ることが考えられるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 品質管理について
当社グループが行っているITインフラ事業について、仮想デスクトップ環境を構築するために用いられるソフトウエアは、顧客の基幹業務システムに組み込まれて用いられております。当社グループは、システムの構築に当たって、ソフトウエアを仕入れた段階で当社グループが独自に定めた品質テストを行うことに加え、客先でのシステム構築作業が完了した時点においても顧客と合意をした品質テストを行って最終確認を実施することとしており、システムの品質管理には細心の注意を払っております。
当社グループは、顧客から案件を受託する際に締結する契約に免責条項を設ける場合もありますが、顧客の基幹業務システム等に組み込まれた当社システムが不具合を起こした場合、顧客より損害賠償請求を受けることなどにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 為替リスクについて
当社グループは、海外から仕入れるソフトウエア、ハードウエアの代金を米ドル建てで仕入れております。当社グループの業績は、為替変動の影響を受ける可能性がありますので、為替変動リスクを回避し、安定的な利益の確保を目的に為替予約を行うことを基本として対応しております。今後、当社グループの事業拡大に伴って、外貨建て取引の数量割合が増加して、適切に為替変動リスクを回避することができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 法的規制について
当社グループの事業に関係する法律として、「個人情報の保護に関する法律」「労働者派遣事業の適切な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)」「電器用品安全法」等の関連法令による規制の適用を受けております。当社グループでは、これらの関連法令の遵守に努めておりますが、万が一法令違反に該当するような事態が発生した場合や、当該法令の変更や新たな法令の施行等により事業上の制約を受けるような場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)組織・体制、その他に関してのリスク
① 小規模組織であることについて
当社は本書提出日現在、監査等委員でない取締役4名(うち非常勤取締役2名)、監査等委員である取締役3名(うち非常勤取締役2名)、従業員88名と組織規模が小さく、内部管理体制や業務執行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。従って、当社の役員や従業員が病気や怪我等により業務を遂行する上で支障が生じた場合や転職等により人材が社外に流出した場合には、当社の業務に支障が生じる可能性があります。
現在、当社グループは、より組織的な社内管理体制を整備・運用するように努めておりますが、適切かつ充分に組織的な対応ができるか否かは不確実であり、当社グループの事業遂行及び拡大に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは今後とも外部からの採用と従業員の人材育成に努め、内部管理体制及び業務執行体制の強化を図る所存でありますが、急激な業務拡大が生じた場合、充分な人的・組織的対応が取れない可能性があります。また、今後の人員増加に伴い、先行して一時的に人件費負担が増加する場合も想定され、そうした場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 取締役会長及び代表取締役社長への依存について
当社は小規模であることもあって、取締役会長である佐藤直浩及び代表取締役社長である松浦崇が中心となって、経営方針や事業戦略の決定、事業計画の立案と推進を行っており、両氏は、当社グループが事業を遂行する上で、重要な役割を果たしております。また、当社グループの事業運営における両氏の知識や経験、当社グループの株主や取引先との関係についても、両氏に多くを依存している状況となっております。
このため、当社グループでは、両氏への過度な依存を改善すべく、事業体制において全社的な組織の構築や人材の育成に努めております。今後、これらの諸施策に取組むことや当社グループの実績を積み上げることにより、両氏の知識や経験に過度に依存することなく、円滑に事業を遂行することが可能となると考えております。
ただし、当面の間は、両氏への依存度が高いままの状態で推移すると見込まれます。現時点で両氏が退任する予定はありませんが、両氏が理由の如何に関わらず当社業務を継続することが困難となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材の確保について
当社グループが行う事業は、ハードウエアとソフトウエア並びにネットワークを統合するというシステム全体のインテグレーションに関わる広範な知識と経験、技術を備えた人的資本により成り立っております。そのため既存の従業員に加えて、優秀な人材を確保・育成することは、今後、当社グループが事業を拡大する上で極めて重要であると認識しております。
また、優秀な人材の確保や従業員のインセンティブのために、能力主義やストック・オプションなどを取り入れた報酬プログラムを実践しております。しかしながら、現在在職している人材が流出するような場合、または当社グループの求める人材が充分に確保できなかった場合、今後の事業展開も含めて事業拡大及び将来性に影響を及ぼす可能性があります。
また、人材の獲得が順調に行なわれた場合でも、人件費、設備コスト等固定費が増加する場合も想定され、その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 新株予約権による希薄化
当社は役員及び従業員に対して、モチベーションの向上を目的としたストック・オプションを付与しております。今後新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は487,600株であり、発行済株式総13,536,800株の3.6%に相当します。
⑤ 大株主との関係について
本書提出日現在、当社の筆頭株主である永森信一氏が所有している株式数は、3,281,600株存在し、発行済株式総数(自己株式数を除く。)の24.72%に相当します。また、永森信一氏が発行済株式の100%を所有する株式会社システム・ビットの取締役である萬歳浩一郎は、当社の取締役を兼任しております。なお、当社の取締役である萬歳浩一郎は、永森信一氏の二親等内の親族であります。
永森信一氏は現時点においては、当社株式を中長期的に保有する方針ですが、今後の株価の推移等によっては比較的短期に売却する可能性もあり、当該株式の売却が市場で行われた場合や株式市場での売却の可能性が生じた場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場での売却ではなく特定の相手先への譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元と同時に、財務体質の強化や事業拡大及び競争力の確保を経営の重要課題として位置づけております。当社の配当に関する基本方針は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題と認識しつつ、財務状況、資金需要等を総合的に勘案し、戦略的投資として活用する内部留保とのバランスをとりながら、経営成績に合わせた利益配分を基本方針としております。
当社は年1回の期末配当を行なうことを基本方針としております。
内部留保資金につきましては、持続的な成長に向けた戦略的な事業投資や、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える自社製品の開発体制を強化し、事業拡大を図るために有効投資してまいりたいと考えております。
この方針に基づき、当事業年度の業績と今後の事業展開等を総合的に勘案しました結果、配当を実施していくことを決定いたしました。2024年1月期の期末配当金につきましては、1株当たり10.0円とすることを決議いたしました。
なお、剰余金の配当の決定機関は、株主総会であります。
また、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議により、毎年7月31日基準日として中間配当を実施することができる旨を定款に定めております。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たりの配当額 (円) |
2024年4月25日 |
132,758 |
10.0 |
定時株主総会 |