人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数103名(単体) 14,784名(連結)
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平均年齢45.7歳(単体)
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平均勤続年数18.0年(単体)
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平均年収6,204,157円(単体)
-
平均年収の
対前年増減率3.7%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
① 連結ベースの企業戦略と関連付けた人財戦略
「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載しています。
② 従業員給与等の決定方針
当社グループは、人財を重要な経営資源と位置づけ、役割・職務価値に応じた公正な処遇の実現を通じて、持続的な企業価値の向上を目指しています。
この考え方のもと、㈱ワコールでは年功や属性に依存した処遇からの転換を図り、役割等級制度への移行、職群の撤廃、評価と処遇の一体化を段階的に進めています。具体的には、各従業員が担う役割(ジョブ)の価値、発揮した成果及び能力を総合的に評価し、その結果を処遇に反映する仕組みを構築しています。また、経営戦略や事業環境の変化を踏まえ、職務内容や役割の変化に応じて柔軟に見直しが可能な賃金制度とすることで、環境変化への適応力を高めています。
評価制度においては、性別や年齢といった属性に左右されることなく、役割・成果・能力に基づく公平性と納得性の確保を重視しています。あわせて、外部労働市場の動向や市場賃金水準を踏まえた処遇設計を行うことで、優秀な人財の獲得及びリテンションの強化を図っています。
<人事戦略との連動>
㈱ワコールの処遇制度は、経営戦略に連動した人事戦略に基づき設計・運用しています。
人財獲得の観点では、競争力のある報酬レンジを設定し、専門性や経験を有する人財を含め、事業成長を担う人財の確保に取り組んでいます。
また、従業員一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援するため、公募制や異動、研修等のキャリア自律施策と、昇格・昇給制度を連動させています。これにより、従業員が自らの志向や能力に応じて成長機会を選択し、その成果が処遇に反映される仕組みを整備しています。
さらに、組織の成果を最大化するためにはマネジメントの質の向上が不可欠であるとの認識のもと、マネジメント強化プログラムを通じた管理職の育成と、管理職に求められる役割・責任に見合った処遇との整合を図っています。
これらの取り組みを通じて、個人の成長と組織成果が好循環する人事・処遇制度の構築を目指しています。
(2)【従業員の状況】
①連結会社の状況
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2026年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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ワコール事業(国内) |
4,928 |
[227] |
|
ワコール事業(海外) |
9,274 |
[29] |
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ピーチ・ジョン事業 |
396 |
[35] |
|
その他 |
186 |
[90] |
|
合計 |
14,784 |
[381] |
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外書きで記載しております。
2.臨時従業員にはアルバイト・パートタイマー等の3ヶ月程度の雇用者を含めております。
3.その他の従業員数が前連結会計年度末に比べ514名減少したのは、主に㈱ルシアン株式の譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。
②提出会社の状況
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2026年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
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103 |
45.7 |
18.0 |
6,204,157 |
3.7 |
(注)1.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)を記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社の従業員は、全てワコール事業(国内)に属しております。
③最大人員会社の状況
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㈱ワコール |
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2026年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
|
3,336[68] |
45.5 |
16.8 |
4,129,365 |
1.6 |
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外書きで記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.㈱ワコールの従業員は、全てワコール事業(国内)に属しております。
④労働組合の状況
提出会社の従業員は、㈱ワコールからの出向者にて構成されております。㈱ワコールには、ワコール労働組合が組織されており、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟に属しております。
また、一部の子会社においてはそれぞれ、労働組合が組織されております。
なお、労使関係は、極めて安定しており、特記すべき事項はありません。
⑤管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異
a.提出会社
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当事業年度 |
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管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注)1 |
||
|
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
|
32.0 |
- |
59.4 |
57.4 |
66.8 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、男性の育児休業取得対象者がいないため、「-」としております。
3.パート・有期労働者は、契約社員と定年後再雇用者であります。
b.連結子会社
(国内)
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当事業年度 |
補足説明 |
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名称 |
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注)1 |
|||
|
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||||
|
㈱ワコール |
41.6 |
63.6 |
49.7 |
50.0 |
58.9 |
(注)3、4 |
|
㈱ピーチ・ジョン |
87.5 |
- |
36.0 |
73.5 |
- |
|
|
㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン |
20.0 |
0.0 |
73.7 |
77.0 |
51.5 |
|
|
㈱トリーカ |
24.0 |
0.0 |
55.8 |
59.7 |
94.7 |
|
|
ワコール流通㈱ |
11.1 |
- |
49.7 |
81.9 |
71.2 |
|
|
㈱ワコールキャリアサービス |
33.3 |
0.0 |
76.2 |
82.1 |
- |
|
|
㈱ワコールアートセンター |
33.3 |
- |
56.2 |
70.6 |
- |
|
|
㈱Ai |
87.7 |
- |
55.3 |
83.2 |
40.0 |
|
|
㈱ウンナナクール |
0.0 |
- |
30.1 |
34.0 |
- |
|
|
㈱ランジェノエル |
50.0 |
- |
25.4 |
30.0 |
- |
|
|
ワコールサービス㈱ |
0.0 |
- |
58.2 |
50.7 |
76.0 |
|
|
ワコールアイネクスト㈱ |
50.0 |
- |
114.9 |
67.9 |
117.2 |
|
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、男性の育児休業取得対象者がいない会社については、「-」としております。
3.女性活躍推進法による公表数値に合わせるため、各指標について㈱ワコールに提出会社を含めた数値を開示しております。
4.㈱ワコールの正規雇用労働者のうち「管理職」、「総合職」、「販売コース」の「労働者の男女の賃金の差異」は以下のとおりであります。なお、「労働者の男女の賃金の差異」の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載しております。
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|
全正規雇用労働者 |
うち管理職 |
うち総合職 |
うち販売コース |
|
㈱ワコール |
50.0% |
90.9% |
67.2% |
- |
(海外)
|
当事業年度 |
|
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名称 |
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) |
|
WACOAL INTERNATIONAL CORP. |
33.0 |
|
WACOAL AMERICA, INC. |
58.8 |
|
WACOAL EUROPE LTD. |
67.6 |
|
華歌爾(中国)時装有限公司 |
78.7 |
|
WACOAL HONG KONG CO., LTD. |
100.0 |
|
WACOAL SINGAPORE PRIVATE LTD. |
50.0 |
|
PHILIPPINE WACOAL CORP. |
75.0 |
|
VIETNAM WACOAL CORP. |
77.8 |
|
WACOAL INDIA PRIVATE LTD. |
33.3 |
|
廣東華歌爾時装有限公司 |
50.0 |
|
大連華歌爾時装有限公司 |
60.0 |
|
WACOAL INTERNATIONAL HONG KONG CO., LTD. |
62.5 |
|
A TECH TEXTILE CO., LTD. |
35.5 |
|
G TECH MATERIAL CO., LTD. |
55.9 |
(注)1.課長以上のポジション(役員含む)、兼任者は1としてカウントしております。
2.2026年1月末時点の人員・組織体制でカウントしております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。これらの将来予測には、不確定な変動要素が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
(1)サステナビリティ共通
気候変動などの環境問題や人権問題はさらに深刻さを増しており、持続可能な社会に向けた取り組みが強く要請されています。当社グループでは、社会からの要請に応えることはもちろんのこと、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を目指す「サステナビリティ経営」を推進することで、企業価値の向上に努めていきます。
また、当社グループの企業価値向上を実現するためには、会社のあるべき姿や使命を明確にして行動できる社員を増やすことも重要な課題であります。経営理念の実践者を増やすことで、従業員一人ひとりの自己成長と企業成長を実現していきます。
①ガバナンス
当社グループでは、「サステナビリティ経営」を推進し、事業を通じた「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を実現するため、2022年4月から、「サステナビリティ委員会」を設置しています。また重要なサステナビリティ課題への対応強化を図るため、同委員会の傘下に、4つの「部会」を設置しています。
「サステナビリティ委員会」は、代表取締役社長執行役員を統括責任者兼委員長とし、業務執行取締役及び委員長が任命した執行役員により構成しています。同委員会は、原則として取締役会と同日に四半期ごとに1回開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、サステナビリティに関する基本方針及び当社グループの経営戦略との整合性を踏まえ、重要課題に対する具体的な施策の立案、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価を行っています。
取締役会は、「サステナビリティ委員会」から定期的に報告を受け、気候変動・地球環境問題、人権の尊重を含むサステナビリティ課題への対応状況について監督しています。あわせて、当該取り組みが当社グループの中長期的な価値創造及び持続的な成長に資するものとなるよう、経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略の実行状況について監督機能を発揮しています。
2026年3月期においては、「サステナビリティ委員会」を取締役会と同日に5回開催しました。同委員会では、「事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減」「資源循環型社会の実現に向けた取り組み」「責任ある調達活動の推進」「事業活動を通じた人権尊重の取り組み」を重要な審議事項と位置づけ、中期経営計画期間における目標設定並びに具体的施策の検討及び進捗状況の管理を行いました。
<サステナビリティ推進体制図>
<推進部会について>
「サステナビリティ委員会」傘下に「カーボンニュートラル部会」、「資源循環部会」、「CSR調達部会」、「人権・D&I部会」を設置しています。各部会の推進責任者はサステナビリティ委員会の委員長が任命した執行役員が務め、当社の執行役員や従業員、並びにグループ会社の取締役や執行役員及び従業員により構成しています。また、常勤監査役が各部会に出席し、当該方針に沿って社内外の利害調整、課題解決が図られているか、その審議過程が適宜取締役会に報告・答申されているかを確認しています。各部会の役割及び活動内容は以下のとおりです。
カーボンニュートラル部会:
|
目的・役割 |
当社グループの事業活動における環境影響・環境リスクを低減し、自主的かつ積極的に環境保全の活動を推進するため、気候変動対応やバックオフィスの環境負荷軽減など環境課題に関する活動方針や取り組み、環境保全に関連する戦略投資案件を審議するとともに、進捗状況のモニタリングを行います。 |
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3カ年の活動方針(2024年3月期~) |
・国内:温室効果ガス排出量削減に向けた行動計画の策定・実行 ・海外:温室効果ガス排出量の試算、削減目標の策定 |
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2026年3月期 具体的な活動 |
・国内における温室効果ガス排出量削減計画の進捗状況を取締役会に報告 ・海外主要工場における温室効果ガス排出量削減ポテンシャル及びEMS調査結果を取締役会に報告 ・将来的なサステナビリティ関連財務開示の充実を見据えたクラウドシステム導入を決議 ・VISION2030マテリアリティのKPI目標値を取締役会に提案し決議 |
資源循環部会:
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目的・役割 |
資源循環型社会の実現に向けて、サプライチェーン上の資源・資材の持続可能な利用及び省資源対策、廃棄物の削減・リサイクルを推進するため、環境配慮型資材の調達方針や品質基準を審議するとともに、生産や調達活動における廃棄物削減の進捗状況のモニタリングを行います。 |
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3カ年の活動方針(2024年3月期~) |
・環境配慮型素材の使用比率の引き上げ ・製品廃棄の削減 ・工場、仕入先における残材料の廃棄削減 |
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2026年3月期 具体的な活動 |
・完成品として仕入れている製品における環境配慮型素材使用比率の調査を開始 ・製品に関する環境負荷の低い廃棄方法の検討・実施内容を取締役会に報告 ・残材料を活用したワークショップの開催など、新たな価値を提供するエコ活動の実施 ・VISION2030マテリアリティのKPI目標値を取締役会に提案し決議 |
CSR調達部会:
|
目的・役割 |
当社グループのCSR調達に関する計画立案と進捗確認の責任を担い、「ワコールグループCSR調達ガイドライン」に定める内容の遵守状況を、製造委託先や原材料調達先の自己評価等によるモニタリングから、分析・評価フィードバック、是正・改善計画、フォローアップという一連のサイクルを機能させることによって、的確に把握するとともに、継続的に是正・改善を行う取り組みを主導します。 |
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3カ年の活動方針(2024年3月期~) |
・「人権」「労働慣行」「環境」「倫理」など、社会的要求事項の的確な状況把握と継続的な是正・改善 ・実効性、合理性を伴った活動対象工場の拡大 |
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2026年3月期 具体的な活動 |
・2年に一度実施するサプライヤーの自己評価シートを実施し、モニタリング結果を取締役会に報告 ・外部グリーバンスメカニズム(人権救済プラットフォーム)の来期導入に向けて、仕入先へ説明を実施 ・VISION2030マテリアリティのKPI目標値を取締役会に提案し決議 |
人権・D&I部会:
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目的・役割 |
人権方針に基づく人権尊重の責務が果たされ、その業務執行が適正に行われるよう、人権擁護に関わる教育啓発活動、及び人権デュー・ディリジェンスの実行への助言・提言を行います。また、多様な社員を受け入れ、個々の能力を存分に発揮できる職場環境の実現に向けて、社内セミナーの開催をはじめとした各種施策を実施していきます。 |
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3カ年の活動方針(2024年3月期~) |
・人権リスクの特定、人権デュー・ディリジェンス実施体制の構築 ・改正障害者差別解消法、LGBTQ+顧客への対応方針の策定・実行 ・DE&I推進に関するロードマップ策定・開示 |
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2026年3月期 具体的な活動 |
・外部グリーバンスメカニズム(人権救済プラットフォーム)導入を取締役会に提案し決議 ・㈱ワコールの従業員を対象とした人権教育の実施を取締役会に提案し決議 ・㈱ワコールのマネジメント層を対象とした「アンコンシャスバイアス」に関する研修の実施 ・当社及び㈱ワコールの取締役、執行役員を対象とした「カスタマーハラスメント」に関する研修の実施 ・VISION2030マテリアリティのKPI目標値を取締役会に提案し決議 |
②戦略
世界での人口増加、少子高齢化、デジタル革命の進行、グローバル化、気候変動や人権課題の深刻化など、将来の予測は難しくなっています。当社グループでは、中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」の策定にあたり、マクロトレンドや多様なステークホルダーからの要請事項を考慮に入れつつ、2030年までに想定される事業課題と社会・環境課題を洞察し、「解決すべき社会・環境課題」と「事業成長」の両評価軸からマテリアリティ分析(重要度評価)を行ったうえで、マテリアリティ(重要課題)を設定しています。(マテリアリティについては、「④指標及び目標」をご覧ください)
③リスク管理
当社グループの経営全般に関するリスクについては、代表取締役社長執行役員をリスク管理統括責任者とし、代表取締役副社長執行役員を委員長とする「企業倫理・リスク管理委員会」(事務局はリスク主管部署である経営企画部)を設置し、重要リスクへの対応と定期的なモニタリングを行っています。また「企業倫理・リスク管理委員会」は、当社グループ全体のリスク管理体制の運営状況を毎年定期的に取締役会の議長でありリスク管理統括責任者である代表取締役社長執行役員へ報告を行っています。なお、各事業部門や子会社で管理可能なリスクについては、各組織が事業活動の中で対応を行っています。詳しくは、「3 事業等のリスク (1)リスク管理体制」をご覧ください。
また、当社グループのサステナビリティ課題に係るリスク及び機会については、「サステナビリティ委員会」及び傘下の各部会にて、直接操業及び一部上流・下流までを含むサプライチェーン全体への影響を短中長期的な視点で検証するとともに、それらの結果をさらに上部機関である「取締役会」に報告し、最終的に特定・評価するプロセスとなっています。また、それらのリスク及び機会の重要度については、事業への影響度や発生可能性、事業戦略との関係性などを勘案し評価しています。同時に、リスクの管理についても「サステナビリティ委員会」及び各部会におけるモニタリングや達成状況の評価を通して実施しています。
④指標及び目標
当社グループは、「サステナビリティ経営」を推進し、事業を通じた「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を図るため、11のマテリアリティ(重要課題)を特定し、これらに対応する指標を設定しています。
なお、2030年の目標については、2027年3月期~2029年3月期 中期経営計画2029の策定に合わせて内容を整理し、今回新たに開示しています。
顧客:顧客への提供価値の最大化
|
|
マテリアリティ |
具体的な取り組み |
2030年までのKPI項目 |
2030年の目標 |
|
1 |
パーソナライゼーションの追求による顧客体験価値の向上 |
お客さまの感動を生むために、お客さまとのつながりを増やし、お客さまから学ぶ |
ワコールグループとつながりを持つ顧客数の拡大 |
・ワコールメンバーズアクティブ会員数:260万人(構成比45%) |
|
2 |
事業領域拡大への挑戦 |
お客さまをあらゆる角度でサポートするための、新領域への挑戦 |
事業成長と収益力の向上 |
・既存事業における新領域の売上高:2,220百万円 ・新規事業の売上高:2,000百万円 ・EC売上比率:日本29%、米国67%、欧州45%、中国39% |
|
世界のお客さまに感動を届けるための、グローバル成長の実現 |
海外での事業拡大 |
・海外主要国の売上高:米国396億円、欧州428億円、中国86億円 |
||
|
3 |
商品品質の深化とサービス品質の構築 |
時代の要求する品質管理体制及び、品質レベルの追求 |
商品品質の継続的な監視と改善活動の実施 |
・モノづくり関連部門の品質活動実施率100%の維持及び品質啓蒙活動の継続実施 |
従業員:従業員ひとりひとりの成長と、働きがいの高い組織の構築
|
|
マテリアリティ |
具体的な取り組み |
2030年までのKPI項目 |
2030年の目標 |
|
4 |
自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人財への成長 |
世代・役職関係なく、主体的に自己能力を高め、熱意をもってチャレンジする人財育成 |
熱意を持ってチャレンジできる人財育成と環境の整備 |
・エンゲージメント調査結果「成長の機会」のポジティブ回答率:50%以上 |
|
5 |
共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり |
多様な立場の人が協力し、ミッションを達成できる組織風土の醸成 |
多様な立場の人が協力できる労働環境の整備 |
・エンゲージメント調査結果「協力体制」のポジティブ回答率:80%以上 |
|
会社のあるべき姿や使命を明確にして行動できる従業員の増加 |
・エンゲージメント調査結果「ビジョンへの共感」のポジティブ回答率:80%以上 |
|||
|
6 |
継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上 |
従業員のこころと身体の健康増進 |
「生産性」「心身の健康」の向上 |
・疾病による総休業日数(アブセンティーズムの改善):20,000日以下 |
|
健康への理解力(リテラシー)の向上 |
・生活習慣改善に関する行動変容の意志ありの割合:80%以上 |
環境:次世代に向けた地球環境の保全
|
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マテリアリティ |
具体的な取り組み |
2030年までのKPI項目 |
2030年の目標 |
|
7 |
環境負荷を低減する事業活動の推進 |
脱炭素社会の実現 |
CO2排出量の削減 |
・自社排出量(Scope1&2):2020年3月期比30%以上削減<対象:国内事業所・工場・流通センター> ・サプライチェーン排出量(Scope3):2020年3月期比20%削減<対象:ワコール事業(国内)> |
|
廃棄物削減の推進 |
製品廃棄率の低下 |
・製品廃棄:ゼロ<対象:㈱ワコール> |
||
|
資源循環型社会の実現 |
環境配慮型素材の使用率向上 |
・環境配慮型素材の使用比率:30%以上<対象:㈱ワコール> |
※詳細については、「(2)気候変動への対応」をご覧ください。
社会:すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現
|
|
マテリアリティ |
具体的な取り組み |
2030年までのKPI項目 |
2030年の目標 |
|
8 |
社会課題を解決する共創イノベーションの推進 |
人権の尊重とCSR調達活動の推進 |
人権デュー・ディリジェンスの構築・実施、人権教育の推進 |
・人権デュー・ディリジェンスの着実な推進を目指した人権教育の受講率:100% |
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CSR調達活動の対象範囲拡大 |
・原材料メーカー及び染色工場を対象としたCSR調達現地監査の実施 |
ガバナンス:持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化
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|
マテリアリティ |
具体的な取り組み |
2030年までのKPI項目 |
2030年の目標 |
|
9 |
透明性の高い経営の実践 |
実効性の向上を実現する最適なコーポレート・ガバナンス体制の維持・構築 |
取締役会の機能発揮と多様性確保 |
・社外役員比率:50%以上 |
|
10 |
リスクマネジメント体制の強化 |
法令遵守の徹底と高い倫理観を持った組織体の構築 |
コンプライアンス意識向上のための啓発活動の実施 |
・e-ラーニング受講率:100% |
|
11 |
収益性、資本効率の継続的改善 |
経営戦略の実行と役割権限の明確化 |
成長の実現に向けた事業ポートフォリオマネジメントの実行 |
・ROICの達成:6.5%以上 ・事業利益率の達成:6.0% |
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
地球や企業活動に重大な影響を及ぼす気候変動は、当社グループの経営にとってリスクであると同時に、新たな事業機会をもたらすものと考え、健全な企業としての発展と持続可能な社会の実現を目指して、環境課題の解決に向けた取り組みを推進するとともに、環境情報に関する開示の拡充に取り組んでいます。
温室効果ガス排出量の削減に向けて:
脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進め、サプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量削減をより確実なものにするため、2021年(2020年3月期排出量)からワコール事業(国内)のサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量(Scope3)の算定を開始しました。また、2030年に向けた国内事業所における温室効果ガス排出量(Scope1&2)の削減目標を開示したほか、2022年6月には、ワコール事業(国内)のサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量(Scope3)の削減目標も開示しています。
削減プロセス:
サステナビリティ委員会傘下のカーボンニュートラル部会を中心に、温室効果ガス排出量の削減目標の達成に向けた具体的な行動計画の検討及び進捗管理を行っています。国内における自社排出量の削減に向けては、自社保有の流通センターや工場への太陽光発電システムの導入に加え、事業所においても省エネルギー機器への切り替えを進めています。また、サプライチェーンにおける排出量削減については、サプライヤーとの協働が重要であるとの認識のもと、削減に向けた行動計画やプロセスの検討を行うとともに、主要カテゴリにおいて一次データを活用した算定方法へ変更しています。
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応:
当社グループは、2021年9月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言へ賛同を表明しました。また、TCFDの提言に沿った、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目についての情報については、2022年6月末より開示しています。
①ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ共通のガバナンスに組み込まれています。詳しくは、「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」をご覧ください。
②戦略
当社グループでは、事業への影響が大きいと考えられるリスク及び機会を優先的に対象とし、現時点で入手可能なデータに基づくシナリオ分析を実施することで、気候変動問題による影響の評価に取り組んでいます。今後も、分析に資するデータの収集に努めるとともに、シナリオ分析の精緻化及び対象範囲の拡大に取り組みます。
TCFD提言に基づくシナリオ分析:
当社グループは、TCFD提言に基づき、2023年3月期に気候変動に関するシナリオ分析を実施し、公表しました。さらに、2025年3月期には、リスク及び機会の洗い出しを改めて行い、サプライチェーン上流を含めてシナリオ分析の対象範囲を拡大しました。2025年3月期のシナリオ分析では、グループ全体の売上高に占める比率が最も高いワコール事業(国内)を対象に、気温上昇が2℃及び4℃となる世界を想定し、リスクと機会の抽出及び対応策の検討を行いました。リスクと機会の種類、その具体的な内容、影響度及び対応策は以下のとおりです。
主なリスク:
当社グループの事業、戦略、財務計画等に影響を及ぼす可能性のある物理的リスクとして、暴風雨や洪水等の異常気象の激甚化による店舗、工場、物流倉庫への影響を想定しています。また、移行リスクとして、政策・法規制面として炭素税の導入の他、価格上昇等への対応が必要となる可能性を認識しています。
|
リスク・機会の種類 |
例 |
2030年時点の影響 |
対応策 |
||||
|
2℃ |
4℃ |
||||||
|
移行 |
政策・法規制 |
炭素税の導入 |
リスク |
炭素税(※1)、温室効果ガス排出の抑制のための機器導入など、対応コストの増加 |
中 |
- |
・再生可能エネルギーの導入とともに、省エネ・創エネ活動などの推進により、コスト増加を回避または軽減 (導入済みの設備) 太陽光発電システム(ワコール流通㈱守山流通センター、㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン長崎雲仙ファクトリー) ・サプライヤーと協働でCO2排出量削減を推進 ・よりエネルギー効率の良い機器への切り替えを行うことで、導入後のコストを低減 ・モーダルシフトの活用など、輸送の効率化 |
|
市場 |
規制強化による原材料コストの上昇 |
リスク |
環境配慮型素材の使用比率上昇による製品原価の上昇 |
中 |
- |
・原材料使用点数及びカラー数の集約によるコスト抑制 ・業界各社との連携や協業などによる環境配慮型素材のコスト削減 |
|
|
物理的 |
急性 |
異常気象の深刻化・増加 |
リスク |
異常気象増加に伴う店舗被害による損害、及び店舗営業日減少による売上減少 |
小 |
中 |
・国内ではEC事業拡大と強化によるビジネスモデルの変革を図り、店舗の売上減少をECでカバーできる販売体制を構築 (EC比率の目標値)(※2) 2030年:29% |
|
異常気象増加に伴う工場被災による損害、及び工場停止による販売機会の損失 |
中 |
中 |
・BCP基礎計画に基づき災害等の発生時に被害を最小限にとどめるとともに、早急なる操業回復に努めることで、事業のレジリエンスを高める ・工場停止による売上減少に対しては、工場の複数拠点化によるリスク分散を図ることで被害を最小化 |
||||
|
異常気象増加に伴う物流倉庫被災による損害及び販売機会の喪失 |
大 |
大 |
・BCP基礎計画に基づき災害等の発生時に被害を最小限にとどめるとともに、早急なる操業回復に努めることで、事業のレジリエンスを高める |
||||
|
慢性 |
降雨日の増加や平均気温の上昇 |
リスク |
豪雨や気温上昇に伴う在宅需要、酷暑に伴う外出機会の減を受け、店舗売上が縮小 |
- (※3) |
- (※3) |
・自社ECの利便性向上及び他社EC含めたEC事業の拡大と強化により、消費者の購買機会及び意欲の低下リスクを軽減 |
|
営業利益に対する影響:大(5億円以上)、中(1億円以上)、小(1億円未満)
(※1)炭素税導入によるコストについては、Scope1&2の2030年削減目標の達成を前提とした場合、当社への影響は限定的であると想定しています。
(※2)VISION 2030 マテリアリティ(重要課題)におけるEC比率目標。
(※3)慢性的な物理リスクに伴う店舗売上への影響額については一定の影響を認識していますが、将来の需要動向等に係る不確実性が大きく、現時点では合理的な定量評価は実施していません。
主な機会:
当社グループは、高い感性と品質に支えられた製品を提供し、消費者に長く愛用される製品づくりを実践することで、製品ライフサイクル全体における環境負荷の低減を図り、結果として温室効果ガス排出量の抑制につながると考えています。また、低炭素型商品や資源循環が可能な商品への志向の高まりなど、消費者や社会の環境意識の高まりは、事業機会の拡大につながる可能性があると認識しています。
|
リスク・機会の種類 |
例 |
2030年時点の影響 |
対応策 |
||||
|
2℃ |
4℃ |
||||||
|
移行 |
評判 |
環境意識の高まりによる消費者意識の変化 |
機会 |
環境配慮型製品の提供による消費需要の拡大 |
中 |
中 |
・品質の高いものづくりを推進し消費者に長く使用いただくことで、製品廃棄の削減へ貢献 ・環境配慮型製品を拡充し、環境意識の高い消費者への販売を拡大 ・マーケティング戦略と連動した環境配慮型商品の訴求やブラリサイクル活動などを通じて、サステナビリティに対する企業姿勢を発信 |
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物理的 |
慢性 |
降雨日の増加や平均気温の上昇 |
機会 |
豪雨や気温上昇に伴う在宅需要、酷暑に伴う避暑需要の増加を受け、新たな製品の需要が拡大 |
- (※1) |
- (※1) |
・酷暑や豪雨による消費者ニーズの変化を認識し、ニーズに対応する機能性製品の開発を強化 ・ノンワイヤー商品など、在宅ニーズに対応する製品開発を強化 ・災害時の備えとして、インナーウェアの重要性についての啓発活動を行う |
営業利益に対する影響:大(5億円以上)、中(1億円以上)、小(1億円未満)
(※1)慢性的な物理リスクに伴う製品・サービスに関する機会については一定の影響を認識していますが、将来の需要動向等に係る不確実性が大きく、現時点では合理的な定量評価は実施していません。
③リスク管理
気候変動に関するリスクは、サステナビリティ共通のリスクに含めて管理しています。詳しくは、「(1)サステナビリティ共通 ③リスク管理」をご覧ください。
④指標と目標
当社グループは、気候変動問題への対応及び脱炭素社会の実現に向け、2030年に向けた環境活動目標として「環境目標 2030」を設定しています。「環境目標 2030」については、これまでの取組状況や事業環境の変化等を踏まえ、サステナビリティ委員会において進捗状況の確認及び検討を行い、一部の項目について目標内容の見直しを実施しました。当該見直しは、削減施策の進捗状況、外部環境の変化及び投資の実現可能性等を総合的に勘案したものであります。なお、環境目標の達成状況及び目標内容の妥当性については、今後もサステナビリティ委員会において定期的に確認します。
環境目標 2030
1.自社排出量(Scope1&2)2020年3月期比「30%以上削減」対象:国内の事業所・工場・流通センター
温室効果ガスの自社排出量(Scope1&2)削減を目指し、順次再生可能エネルギーへの切り替えを実施
2.製品廃棄「ゼロ」対象:㈱ワコール
製品廃棄ゼロを目指すとともに、工場での残材料破棄削減に向けた取り組みを推進
3.環境配慮型素材の使用比率「30%以上」対象:㈱ワコール
再生繊維やリサイクル糸などに切り替えるなど、環境配慮型素材の使用比率を高める
4.サプライチェーン排出量(Scope3)2020年3月期比「20%削減」対象:ワコール事業(国内)
温室効果ガスのサプライチェーン排出量(Scope3)削減を目指し、サプライヤーとの取り組みを推進
温室効果ガス排出量は「GHGプロトコル」に準じて算定しており、2026年3月期までの実績は以下のとおりです。
国内 (単位:t-CO2e)
|
|
2020年3月期 基準年 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
2026年3月期 |
|
Scope1 |
1,784 |
1,578 |
1,513 |
1,439 |
|
Scope2 (マーケット基準) |
4,658 |
4,245 |
3,987 |
3,523 |
|
合計 |
6,442 |
5,823 |
5,500 |
4,962 |
|
対2020年3月期 |
- |
△10% |
△15% |
△23% |
(対象:自社保有の事業所・工場・流通センター)
海外 (単位:t-CO2e)
|
|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
2026年3月期 |
|
Scope1 |
2,719 |
3,354 |
3,539 |
3,541 |
|
Scope2 (ロケーション基準) |
13,087 |
11,696 |
10,467 |
10,767 |
|
合計 |
15,806 |
15,050 |
14,006 |
14,308 |
(対象:自社保有の工場)
当社は、温室効果ガス排出量の算定にあたり、算定の精緻化及びグループ全体での一貫性確保を目的として、当連結会計年度より排出量算定に係るデータ管理基盤として外部クラウドサービス(NTTデータ「C-Turtle」)を導入しています。これに伴い、海外拠点におけるScope2排出量については、同システムに搭載されたロケーション基準の排出係数を用いて算定しています。前連結会計年度までは、一部拠点においてマーケット基準の排出係数を用いて算定していましたが、データの網羅性及び算定手法の統一性の観点から見直しを行ったものです。なお、期間比較の有用性を確保するため、過年度のScope2排出量についても遡及的に再計算を行っています。
(3)人的資本
当社グループは、2026年6月15日に創業80年の節目を迎えました。創業の精神の一つである「社是」に謳っている「相互信頼」は、当社の人的資本経営を語るうえで欠かせない不変の原則です。この原則が確立されるきっかけとなったのは、当時の労使間対立の解決の契機となった「労使相互信頼」です。当時創業者の塚本幸一が従業員を信じ、労働組合が会社に要求する事項を100%受け入れた結果、従業員がその信頼に応えて懸命に社業の発展に尽力し、会社の成長につながった、というエピソードが語り継がれています。根底には、相互信頼というのは決して生易しいものではなく、当社の全ての人々が、社内外の人々の信頼に足る人財でなければならないという、ある意味では厳しいメッセージが込められています。時代や環境の変化と共にその形は変わっても、全ての役員、従業員が「共に働く仲間」として互いを尊重し合い、厳しくも温かく切磋琢磨する組織風土こそが当社の礎であり、またそれを追求し続け、持続的な成長につなげることが永遠のテーマでもあります。
そのようなベースを持つ当社グループは、基礎研究、商品の企画・開発から材料調達、生産、販売に至るバリューチェーンの大半をグループ内のリソースによって築いており、バリューチェーンを支える戦略的基盤であるコーポレートスタッフも含めて、その中心には「人的資本」があります。人的資本の価値を最大化することは、当然経営上の重要な取り組みとなります。当社グループの従業員が「やりがい・働きがい・生きがい」を感じながら職務を遂行できる魅力ある企業風土を実現し、ひとり一人が持つ能力を最大限に発揮し、生産性や競争力の向上といった組織の成果に結びつける、このような好循環こそが持続的な成長に欠かせない原動力です。
なお、当社グループは従業員の所属が各事業会社(本籍を当社とする従業員は0)であることから、現時点では中核事業会社(㈱ワコール)の戦略・施策・実績を中心に開示しつつ、連結全体での人的資本ガバナンス(人権・DE&I、コンプライアンス等)を強化するとともに、㈱ワコール以外の事業会社についても、一部の指標や取り組みについての開示を拡充していきます。
①ガバナンス
各事業会社が各社の事業戦略に基づき人事戦略を展開していくうえでは、個社の人事部門が主体となって、人事課題に対する具体的な取り組み施策を立案、実行し、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価検証というサイクルを回しています。一方、グループ全体の人的資本に関するガバナンスを有効に機能させるために、人権・DE&Iやコンプライアンスの観点を中心に、各社の取り組み、整備の状況について定期的にモニタリングを行い、状況に応じた指示や要請を行っています。
<コーポレート・ガバナンス体制>
Ⅰ.推進体制
取締役会の監督のもと、代表取締役社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会が全体計画の立案・モニタリングを担い、その下部に人権・D&I部会を設置し、人権方針に基づく教育・啓発、人権デュー・ディリジェンス(以下、HRDD)の実装を推進しています。
Ⅱ.人権の尊重
■ 基本方針
当社グループは、「ワコールグループ人権方針」を制定(取締役会承認)し、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進しています。本方針は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいており、すべての役員・従業員に適用されるとともに、ビジネスパートナーに対しても理解・支持を求めています。また、サプライチェーン全体の持続可能な調達に向け、2017年にCSR調達ガイドラインを制定し、児童労働・強制労働の禁止等、国際的な人権・労働基準の遵守をビジネスパートナーに求めています。
■ 主な取り組み
<人権リスクアセスメント>
2023年10月、社外専門家の知見も活用し、部門横断のワークショップ等を通じて潜在的リスクを把握しました。優先すべき重要人権テーマとして、①調達サプライチェーン上の人権課題の継続的な把握、②職場の従業員や店頭の販売員における職場環境の改善、③消費者の人権と多様性の尊重の3つを特定し、課題解決に取り組んでいます。
<人権インパクトアセスメント・是正>
外国人技能実習生等のライツホルダーへのアンケート/インタビュー、現地視察等を第三者機関により実施し、就業・生活環境における人権侵害は認められないことを確認しました。一方、表示の多言語化等の改善余地を特定し、改善を進めています。
<サプライチェーンの透明性・監査>
CSR調達ガイドラインの遵守や製造委託先への自己評価・現地確認を通じて、人権リスクの把握と改善を継続しています。製造委託先リスト公開等、透明性向上にも取り組んでいます。また、当社グループでは、従業員及びステークホルダーを対象とした複数の相談・通報窓口を設置し、グリーバンスメカニズムの整備にも取り組んでいます。2026年4月には、一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)に正会員として加盟し、同機構が提供する対話救済プラットフォームの利用を開始しました。既存の相談窓口に加え、第三者が運営する多言語対応の仕組みを活用することで、救済へのアクセス性及び透明性の向上を図っています。外部機関が運営する人権救済プラットフォームの活用等を通じ、より広範なステークホルダーに対する救済アクセスの向上と透明性の確保に努めています。人権に関する詳細は、当社ウェブサイト「人権」ページ及び人権方針本文をご参照ください。
②戦略
■ 当社グループ及び各事業会社の経営戦略と人的資本戦略
当社グループの経営戦略は、中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」において、「高い感性と品質を基盤に、世界のワコールグループとして進化・成長する」ことをベースとして、とりわけ直近年度の中期経営計画(リバイズ)においては、収益性の改善に向けた構造改革を中心に「VISION 2030」の達成に向けた成長戦略を並行して進め、併せて資本効率向上のためのアセットライト化、ROICマネジメントの導入を進めてきました。
一方、2027年3月期から始まる中期経営計画2029においては、成長戦略のための投資拡大や想定されるコストアップ要因の吸収のために、構造改革への取り組みも継続していきますが、より成長戦略の実行による新たな価値の創出に軸足を移していきます。このような経営戦略に連動し、人的資本戦略については、以下の3つの重点方針(Ⅰ.人財獲得、Ⅱ.成長支援(育成・キャリア形成)、Ⅲ.健全な組織風土・文化の醸成)を定め、取り組んでいます。
Ⅰ.人財獲得
■ 基本方針
当社グループは、中期経営計画の実現に向けた「成長領域への戦略的資源配分」という方針に基づき、採用活動においても従来の「バランス重視」から脱却し、事業戦略と連動した戦略的な人財獲得へと転換しています。特に、グローバル・EC・DX・新規事業等の成長を牽引する専門人財の獲得を最優先課題と位置づけ、採用手法の多様化と高度化を推進しています。
■ 主な取り組み(㈱ワコール)
事業戦略の実現に不可欠な専門スキルを持つ人財を計画的に獲得するため、従来の新卒一括採用に加えて、以下の取り組みを強化しています。
<専門スキル型採用の導入>
総合職採用において、新卒採用についても従来のポテンシャルを重視した「一斉採用」に加え、特定の職務(研究、IT、経理、技術開発等)で求められる専門性やスキルを明確にした「専門スキル型採用」を導入しました。また、経験者採用についても既に総合職採用の半数を超える年度もあり、今後も3~5割程度を維持する計画です。これにより、事業戦略上、特に強化が必要な領域へ、専門性の高い人財を確実に配属することを目指します。
<実務体験型インターンシップの強化>
多様な人財との早期接点を強化するため、短期インターンシッププログラム「Wacoal Career Journey」を深化させました。このプログラムでは、参加者が実際にワコール社員と交流し、リアルな働き方や価値観に触れることで、当社で働く意義や文化を肌で感じてもらうことを目的としています。さらに、学生が実際の職場で数日間の実務を経験する「実務体験型インターンシップ」を強化しています。2026年卒採用では、EC部門において10日間のインターンシップを実施し、参加者6名の中から2名が内定に至るなど、高い志望度を持つ即戦力人財の獲得に繋がりました。2027年卒採用では、この取り組みを研究開発、IT、経理、技術開発といった部門にも拡大し、優秀な人財の確保と入社後のミスマッチの解消に取り組んでいます。
<リファラル採用の推進>
2025年10月からは、自社の従業員が友人や知人を紹介し、その紹介によって採用に至る「リファラル採用」を導入。販売職については、特に人員確保が難しいエリア中心に4名の採用につながり、ワコールに親和性の高い従業員を迎え入れることにも取り組んでいます。
<人財リテイン策>
・地域限定採用の柔軟運用
人財獲得・定着施策として、2020年8月から、地域限定採用である販売コースが自己都合で転居した場合でも、一定の条件を満たせば転居先への勤務地変更を可能にし、就業継続できるしくみを整えています。(2026年3月末時点の制度利用者累計:55名)。
・若手向け住宅支援制度の対象拡大
2025年4月より若手社員を対象とした住宅支援制度の対象範囲を拡大しました。販売コースについては、新卒入社のうち約60%が利用しています。私生活の安定を通じて、安心して業務に定着できる就業環境の整備を進めています。
㈱ワコールの主たるコースの採用状況
|
職群 |
区分 |
性別 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
2026年3月期 |
|
事業開発コース (総合職) |
経験者 |
男性 |
4 |
1 |
8 |
19 |
|
女性 |
6 |
15 |
8 |
16 |
||
|
合計 |
10 |
16 |
16 |
35 |
||
|
新卒 |
男性 |
6 |
2 |
6 |
4 |
|
|
女性 |
10 |
10 |
12 |
8 |
||
|
合計 |
16 |
12 |
18 |
12 |
||
|
経験者採用比率 |
38% |
57% |
47% |
74% |
||
|
販売コース |
経験者 |
男性 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
女性 |
6 |
14 |
58 |
92 |
||
|
合計 |
6 |
14 |
58 |
92 |
||
|
新卒 |
男性 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
|
女性 |
16 |
14 |
19 |
24 |
||
|
合計 |
16 |
14 |
19 |
24 |
||
|
経験者採用比率 |
27% |
50% |
75% |
79% |
||
|
商品開発コース (クリエイター職・ 技術・研究職) |
経験者 |
男性 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
女性 |
0 |
0 |
0 |
0 |
||
|
合計 |
0 |
0 |
0 |
0 |
||
|
新卒 |
男性 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
|
女性 |
0 |
0 |
4 |
10 |
||
|
合計 |
0 |
0 |
4 |
10 |
||
|
経験者採用比率 |
0% |
0% |
0% |
0% |
||
Ⅱ.成長支援(育成・キャリア形成)
■ 基本方針
従業員一人ひとりが自らのキャリアにオーナーシップを持ち、専門性を高めながら継続的に成長できる環境を整備することが、組織全体の持続的な成長に不可欠であると考えています。この考え方のもと、㈱ワコールでは、「自律革新型人財」の育成を中核に据え、従業員の挑戦と成長を支援する多様な機会を提供しています。
また、2025年7月に導入した役割等級制度と連動させ、年功的要素を排し、役割と成果に基づく評価・処遇を徹底するとともに、教育体系「WACOAL TERAKOYA」を再設計しました。これにより、従業員が主体的にキャリアを選択し、自律的に学び続ける文化の醸成を目指しています。
さらに、「WACOAL TERAKOYA」の一部を等級認定要件、マネジメント・ライセンス審査受験の必須要件として位置づけることで、マネジメント任用に至るまでの過程においても、学び続ける姿勢を持ち、専門性を高めていくことを制度の基盤としています。
また、事業戦略に基づくリソースシフトや一人当たりの処遇水準の向上のためには、とりわけ既存事業における生産性の向上のための人財育成も重要で、一部職種において、相対的にパフォーマンスの高い人財の行動特性に基づく必要なナレッジ・ノウハウの形式知化、業務フローの仕組み化により、個と組織のケイパビリティを高める取り組みに着手しています。
■ 主な取り組み(㈱ワコール)
・キャリア自律を支援する制度と環境の整備
従業員が自らの意思でキャリアパスを形成できるよう、多様な選択肢と挑戦の機会を提供しています。
<キャリア選択の多様化>
従業員が自らの意思で希望部門への異動に挑戦できる「社内公募制度」を運用しています。また、募集のない部門に対しても自ら手を挙げて異動に挑戦する「ジョブチャレンジ制度」を運用しています。合わせて、他社へ一定期間出向し、新たなスキルや視点を獲得する「キャリア留学制度」も設けており、復帰後にその経験を活かしてマネジメントに着任する事例も生まれています。
<キャリア面談の実施>
社内のキャリア支援担当者や外部の専門キャリアコンサルタントとの面談機会を設け、従業員が自身のキャリアについて客観的な視点で棚卸し、将来の方向性を考えることを支援しています。
<主体的な学びを促進する教育体系「WACOAL TERAKOYA」>
従業員の自律的な学習を促進するため、学習管理システムを導入し、教育体系「WACOAL TERAKOYA」を再設計しました。
<研修効果の可視化>
研修の効果測定の指標の一つとして、人財育成施策の実効性向上を目的に、当期より研修受講後の行動変容を定量的に把握する「研修転移」の測定を開始しました。具体的には、研修で習得した学び(スキル・知識)を現場で実践・活用されているかを、研修実施後1~3ヶ月後にアンケートを実施し確認しています。受講者が具体的な行動事例を振り返ることで内省を促すと同時に、研修効果や定着率を数値化し、研修内容と業績成果の関連性を可視化しています。これにより、人財育成施策の改善及び投資対効果の最適化に活用しています。
人財育成プログラムの例
(内勤社員実績)
|
プログラム名 |
実施目的 |
一人当たりの 研修時間 |
年間参加人数 |
||
|
2025年3月期 |
2026年3月期 |
||||
|
階層別研修 |
役割・資格の変化に伴う、期待役割の認識及びマインドセットを目的に実施します。同時に会社の方向性と自身のキャリアビジョンを考える機会とします。 |
1~6日 (研修による) |
349名 |
729名 |
|
|
ビジネススキル |
ビジネスパーソンとして求められる必須スキルを、社内のみならず社外人財との交流を通して学ぶことで、社内外で通用する普遍的なビジネススキルを体得できます。 |
1日~半年 |
35名 |
230名 |
|
|
部門別マスタリー プログラム |
ワコールにおける社内ナレッジの共有、知識伝承、組織開発等を目的に社内外の講師による研修・セミナーを開催します。 |
7時間~ |
1,390名 |
252名 |
|
|
セルフラーニング |
Eラーニングを活用した「いつでも、どこでも」学べるコンテンツ提供と主体的な能力開発・自己研鑽を支援する制度があります。 |
自己啓発援助制度 |
- |
38名 |
24名 |
|
通信教育・Eラーニング |
- |
470名 |
737名 |
||
※2025年7月の制度変更に伴い、一部プログラムを再編成しています。
(外勤社員実績)
|
プログラム名 |
実施目的 |
一人当たり の研修時間 |
年間参加人数 |
研修転移率 |
|
|
2025年3月期 |
2026年3月期 |
||||
|
昇格時研修 |
各等級への期待値や役割行動を理解すると同時に、経営理念の浸透を図り、必要なマインドやスキルを習得することで、組織全体のパフォーマンス向上と円滑なチーム運営につなげます。また、昇格を機会に自身のキャリアについて考える機会としています。 |
6時間~ |
75名 |
79名 |
60% |
|
役割任命時研修 |
役割任用者(スーパーバイザーや店長等)としての店舗管理、人財育成に関する責任を理解し、人財育成に関わるマインドセットを行い、効率的な業務志向と組織目標の達成を支援します。 |
6時間~ |
78名 |
48名 |
65% |
|
シーズンビジネス トレーニング |
販売チャネルごとのシーズン戦略や商品知識の理解、接客シミュレーションを通して接客手法を学び、LTVの最大化を目指します。 |
6時間~ |
830名 |
1,682名 |
- |
|
スタンダード トレーニング |
接客の基本を身に付けた中堅クラスのスタッフを対象とし、ブランドイメージを体現する接客(会話力、提案力)を習得し、更なる顧客満足度向上と売上拡大を目指します。 |
6時間~ |
550名 |
727名 |
55% |
|
接客強化塾 |
タブレット端末を活用した人財育成の一つとして、事業所から離れたメンバーにもリアルタイムでお客さまへの接客販売スキルの向上や新たに取り組みの理解浸透に取り組んでいます。 |
45分 |
- |
1,142名 |
- |
Ⅲ.健全な組織風土・文化の醸成
ⅰ.マネジメント力の強化
■ 基本方針
当社グループは、経営戦略の的確かつ迅速な実行を通じて組織全体の成果を最大化するため、マネジメント力の強化を人的資本戦略における最重要課題の一つと位置づけています。変化の激しい事業環境下においては、過去の成功体験や固定化された手法に依存するのではなく、状況に応じて自らの判断軸で意思決定し、その結果に責任を持つ「自律革新型人財」の育成が不可欠です。
この考えに基づき、当社ではマネジメントを単なる役割や技術(スキル)としてではなく、個々の判断軸や組織への向き合い方といった「在り方」そのものとして捉え直すことを重視しています。ビジョンの実現と戦略の実行を牽引し、かつ従業員一人ひとりの力を組織の成果へと結びつけることのできるマネジメント人財の計画的な発掘・育成・任用を一貫して推進してまいります。
■ 主な取り組み
マネジメント力の強化に向け、以下の取り組みを体系的に実施しています。
・次世代リーダーの計画的な発掘と育成
サクセッションプランに基づき、将来の経営を担う人財を早期に発掘し、長期的な視点で育成する仕組みを構築しています。
<早期選抜と育成機会の提供>
20代後半からの経営視点の醸成を図っています。本取り組みでは、ヒューマンアセスメントを単なる「選抜の場」ではなく、強み・弱みをフィードバックし成長を促す「育成の場」と位置づけ、ポテンシャルのある人財に対して計画的な育成機会を提供しています。
・マネジメントの質を高める研修体系
マネジメント層に対し、その役割と責任に応じた体系的な研修プログラムを提供しています。
<マネジメント・ライセンス制度>
実際に担う役割と成果を重視する「マネジメント・ライセンス制度」を導入しました。論文、外部機関によるヒューマンアセスメント、役員面接といった多面的な要素に加え、財務会計やITに関する知識・資格取得を必須要件とすることで、マネジメントの質を担保しています。
・健全な組織文化の醸成
個の力を最大限に引き出し、組織の成果へとつなげるためには、心理的安全性の高い組織文化が不可欠であるとの認識のもと、以下の取り組みを推進しています。
<フィードバック文化の醸成>
経営職を対象とした360度多面観察を年1回実施し、上司・同僚・部下からの客観的なフィードバックを成長の糧とする仕組みを運用しています。また、継続的に開催し、経営層と従業員が直接対話する機会を設けることで、経営方針の浸透と現場の実態の共有を図るとともに、その場で従業員から出た意見、リクエストに対して後日フィードバックを行いフィードバック文化の醸成に取り組んでいます。
ⅱ.DE&Iの推進
当社グループは、従業員一人ひとりの働きがいを高める仕組みを追求しつつ、人的資本の量的・質的な適正化を図ることにより、健全な企業風土と強固な経営体質の構築を進めています。多様な人財や価値観を受容し相互の信頼関係を深め、従業員一人ひとりが最大限に能力を発揮できる職場環境の実現を目指しています。引き続き、多様なキャリアパスや柔軟な働き方の選択肢を拡充し、変化の激しい市場環境に適応した意思決定を可能とするため、従業員の多様性を活かす人財施策を推進してまいります。
<女性活躍の推進>
㈱ワコールでは、顧客・従業員の多くが女性であること、また多様な価値観を経営の意思決定に反映する必要があることから、女性活躍推進を重要な経営課題と位置づけています。女性特有のライフステージに応じた就労環境の整備や柔軟な働き方の実現を進めるとともに、性別や年齢に関わらず能力や成果に応じた公正な登用の仕組みを整備しています。
<女性の管理職への登用>
㈱ワコールは、重要な意思決定に関わる人財の多様性を確保するため、管理職層のジェンダーバランスを経営課題と位置づけ、2029年3月期中に部長級以上の女性比率を30%以上とすることを目標としています。2026年4月1日時点の課長級以上の女性比率は32.2%(管理職ライセンス保有者を含むと41.6%)である一方、部長級以上は依然として18.8%であるため、育成・登用施策を強化していきます。
具体的には、後継者プールにおけるジェンダーバランスを確認しながら計画的な育成を行うとともに、社内外のキャリアコンサルタントによるキャリア相談を通じたキャリア形成支援、並びに能力・成果に基づく昇格・登用制度の運用を推進しています。また、柔軟な働き方の選択肢拡大の一環としてコアタイムなしの「スーパーフレックスタイム制度」を導入し、継続的なキャリア形成を支援しています。
育成施策として、多様性が企業の価値創造に資することへの理解を促し、無意識の偏りを抑えた公正な意思決定を浸透させることを目的としたアンコンシャスバイアス研修を実施しています。今期までに経営層及び部・課長層への研修を完了しており、次期は対象を全従業員へ拡大する予定です。
これらの施策を通じ、女性を含む多様な人財が重要な意思決定に参画できる環境整備を進め、組織の多様性向上と経営判断の高度化を図ってまいります。
<男女間の賃金差異>
男女の賃金差異は当社・㈱ワコールで49.7%(正社員50.0%、パート・有期58.9%、総合職67.2%、管理職90.9%)となっています。同一役割における男女間の賃金差は設けておらず、この差異の主な要因は以下の3点です。
・管理職に占める男性比率が約70%であること。
・近年は新卒・総合職採用において女性比率が上昇し、入社10年以下では65%が女性であること。
・女性は65%が販売職、男性は86%が総合職であり、職種による賃金水準の差が影響している。
これらの構造的課題の解決に向け、特に総合職採用(新卒・経験者)においてジェンダーバランスを意識しつつ、これまで以上に能力やパフォーマンスに基づく登用、任用を行い、マネジメント・リーダー層の多様性を実現していきます。
<海外各社における管理職登用>
当社グループは、米国・欧州をはじめとした海外各法人において、代表(社長)や主要経営ポストに現地人財を積極的に登用しています。また、㈱ホンコンワコール及び㈱フィリピンワコールの代表(社長)は現地の女性が務めています。
今回より海外を含む連結グループ会社の管理職(課長級以上)の女性比率の公表を開始しました。個社別の状況には差があるものの、総じて当社グループの海外各社においては、日本国内以上に女性登用が進んでいますが、今後も多様な現地人財の採用と登用を推進し、各市場での顧客視点に基づく事業成長と競争力強化を図ります。
<障がい者雇用>
当社グループでは全員がいきいきと働き続けるために必要な研修や個別面談を通じて環境改善・就労支援を行っています。2018年に設立したワコールアイネクスト㈱では特例子会社として多様な働き方を実施し、数値目標にとどまらず、相互信頼のもとすべての人が活躍できる職場づくりを進めています。2025年7月からは新しい人事制度も導入し、個々の特性や意欲に応じた活躍機会の拡大を目指しています。
<多様なお客さまへの対応方針に基づく対応>
2026年1月には、㈱ワコールの全従業員を対象に、「ビジネスと人権」に関する動画研修を実施しました。本研修により、人権尊重の基本的な考え方への理解を促進し、より多様なお客さまへの配慮だけでなく、取引先・地域社会を含む幅広いステークホルダーに対して適切に対応するための基盤整備を進めています。
ⅲ.Well-beingの実現
中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」で掲げる「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現するためには、重要なステークホルダーである従業員の働きがいを高め、生産性向上につなげることが不可欠です。
㈱ワコールは、従業員エンゲージメント向上の観点から、心身の健康、働き方、キャリア形成、社会とのつながりといった多面的な領域でWell-beingを推進しています。
<多様な働き方推進>
㈱ワコールでは、業務特性やライフスタイルに応じた柔軟な働き方を実現するため、コアタイムなしスーパーフレックスタイム制度を導入し、時間と場所を自律的に選択できる環境整備を進めています。また、勤務地限定制度の運用や京都地区事業所の再編を通じて、ワコール版ABW(Activity Based Working)を推進し、生産性向上を目的とした働き方改革を進めています。
あわせて、長期自己啓発休暇制度など、従業員の学び直しやキャリア形成を支援する制度も拡充しています。これらの取り組みにより、実績・成果を重視しつつ、個々を尊重し、ビジネスパートナーとして互いを認め合う組織風土づくりを推進しています。
<ワークライフバランス・メンタルヘルス支援>
当社は、従業員が安心して働き続けられる職場環境の整備を目的として、ワークライフバランス施策及びメンタルヘルス支援を強化しています。ストレスチェックの実施と結果の分析を活用し、専門家によるカウンセリング支援に加えて、高ストレス組織に対する職場活性化面談を実施することで、組織課題の可視化と改善を進めています。これらの取り組みにより、従業員の心身の健康保持・増進と働きやすい職場づくりを推進しています。
<Well-being・働き方(主に㈱ワコール)>
テレワーク、自己啓発・配偶者帯同の長期休職制度、副業制度等を整備し、多様なキャリア選択を支援。
③リスク管理
人的資本に関するリスクは、サステナビリティ共通並びに経営全般のリスクに含めて管理しています。詳しくは、「(1)サステナビリティ共通 ③リスク管理」をご覧ください。
④指標と目標
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経営戦略に基づく 人的資本の課題 |
人的資本の最大化に向けた取り組み |
指標と目標(KPI) |
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指標 |
目標 |
2026年3月期実績 |
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会社の成長を担う人財の獲得・育成・登用
対応するマテリアリティ:5 |
Ⅰ.人財獲得 Ⅱ.成長支援(育成・キャリア形成) |
経験者採用の状況 (総合職) |
事業開発コース(総合職)採用数のうち、3~5割を経験者採用にする |
採用総数:47名 内、経験者採用35名(74.5%) |
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エンゲージメントスコア(成長の機会) |
ポジティブ回答率50%以上 |
29.4% |
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個の力を組織の成果に結びつけるためのマネジメント力の向上
対応するマテリアリティ:4 |
Ⅲ.ⅰ.マネジメント力の強化 |
エンゲージメントスコア(ビジョンへの共感) |
ポジティブ回答率80%以上 |
66.5% |
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エンゲージメント・心理的安全性の高い組織風土の醸成
対応するマテリアリティ:4、5 |
エンゲージメントスコア(心理的安全性) |
ポジティブ回答率70%以上 |
51.0% |
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Ⅲ.ⅱ.DE&Iの推進 Ⅲ.ⅲ.Well-beingの実現 |
女性の管理職登用 |
2028年度中に管理職(部長級以上)に占める女性割合30%以上 |
18.8%(2026年3月時点) |
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障がい者雇用 |
2025年度法定雇用率2.5% |
2.57%(2025年6月時点) |
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※マテリアリティ(重要課題)
4:自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人財への成長
5:共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり