人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数98名(単体) 17,408名(連結)
-
平均年齢46.0歳(単体)
-
平均勤続年数19.2年(単体)
-
平均年収5,762,700円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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2024年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
ワコール事業(国内) |
5,880 |
[201] |
ワコール事業(海外) |
10,176 |
[37] |
ピーチ・ジョン事業 |
402 |
[30] |
その他 |
950 |
[80] |
合計 |
17,408 |
[348] |
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含みます。)であり、臨時従業員数は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外書で記載しております。
2.臨時従業員にはアルバイト・パートタイマー等の3ヶ月程度の雇用者を含めております。
(2)提出会社の状況
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|
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2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
98 |
46.0 |
19.2 |
5,762,700 |
(注)1.従業員数は、就業人員を記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社の従業員は、全てワコール事業(国内)に属しております。
(3)労働組合の状況
提出会社の従業員は、㈱ワコールからの出向者にて構成されております。㈱ワコールには、ワコール労働組合が組織されており、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟に属しております。
また、一部の子会社においてはそれぞれ、労働組合が組織されております。
なお、労使関係は、極めて安定しており、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
27.6 |
50.0 |
59.4 |
62.1 |
61.9 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.パート・有期労働者は、契約社員と定年後再雇用者であります。
②連結子会社
当事業年度 |
補足説明 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||||
㈱ワコール |
32.2 |
66.7 |
49.2 |
50.0 |
60.2 |
(注)3、4 |
㈱ピーチ・ジョン |
68.1 |
- |
24.4 |
53.7 |
- |
|
㈱ルシアン |
10.0 |
0.0 |
75.3 |
79.1 |
- |
|
㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン |
0.0 |
2.3 |
76.9 |
74.9 |
97.9 |
|
㈱トリーカ |
20.0 |
0.0 |
60.1 |
58.2 |
91.9 |
|
㈱七彩 |
12.0 |
0.0 |
69.4 |
65.8 |
105.0 |
|
ワコール流通㈱ |
0.0 |
- |
47.3 |
81.4 |
88.7 |
|
㈱ワコールキャリアサービス |
33.3 |
0.0 |
84.6 |
88.2 |
- |
|
㈱ワコールアートセンター |
57.1 |
- |
54.1 |
54.8 |
- |
|
㈱Ai |
55.6 |
- |
52.2 |
75.1 |
67.1 |
|
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.女性活躍推進法による公表数値に合わせるため、各指標について㈱ワコールに提出会社を含めた数値を開示しております。
4.㈱ワコールの正規雇用労働者のうち「管理職」、「総合職」、「販売職」の「労働者の男女の賃金の差異」は以下のとおりであります。なお、「労働者の男女の賃金の差異」の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載しております。
|
全正規雇用労働者 |
うち管理職 |
うち総合職 |
うち販売職 |
㈱ワコール |
50.0% |
93.2% |
70.0% |
- |
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。これらの将来予測には、不確定な変動要素が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
(1)サステナビリティ戦略
気候変動などの環境問題や人権問題はさらに深刻さを増しており、持続可能な社会に向けた取り組みが強く要請されています。当社グループでは、社会からの要請に応えることはもちろんのこと、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を目指す「サステナビリティ経営」を推進することで、企業価値の向上に努めていきます。
また、当社グループの企業価値向上を実現するためには、会社のあるべき姿や使命を明確にして行動できる社員を増やすことも重要な課題であります。経営理念の実践者を増やすことで、従業員一人ひとりの自己成長と企業成長を実現してまいります。
①ガバナンス
当社グループでは、「サステナビリティ経営」を推進し、事業を通じた「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を実現するため、2022年4月より、「サステナビリティ委員会」を設置しています。また重要なサステナビリティ課題への対応強化を図るため、「サステナビリティ委員会」傘下に、4つの「部会」を設置しています。「サステナビリティ委員会」は、定期的に取締役会と同日に開催し、サステナビリティ課題に対する具体的な取り組み施策の立案、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価を行うこととしています。取締役会は、「サステナビリティ委員会」の委員長である代表取締役社長執行役員から報告を受け、当社グループのサステナビリティ課題への対応方針及び取り組みについて指示を行います(サステナビリティ推進体制図については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご覧ください)。
2024年3月期は、開催された取締役会17回の中で「サステナビリティ委員会」を合計7回開催しました。主に、「事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減」「資源循環型社会の実現に向けた取り組み」「責任ある調達活動の推進」「責任あるサプライチェーン等における人権尊重の取り組み」に対する課題共有と中期経営計画期間における目標設定ならびに具体的な活動内容について議論及び進捗管理を行いました。
推進部会について:
(カーボンニュートラル部会)
ワコールグループの事業活動における環境影響・環境リスクを低減し、自主的かつ積極的に環境保全の活動を推進するため、気候変動対応やバックオフィスの環境負荷軽減など環境課題に関する活動方針や取り組み、環境保全に関連する戦略投資案件を審議するとともに、進捗状況のモニタリングを行います。
(資源循環部会)
資源循環型社会の実現に向けて、サプライチェーン上の資源・資材の持続可能な利用及び省資源対策、廃棄物の削減・リサイクルを推進するため、環境配慮型資材の調達方針や品質基準を審議するとともに、生産や調達活動における廃棄物削減の進捗状況のモニタリングを行います。
(CSR調達部会)
ワコールグループのCSR調達に関する計画立案と進捗確認の責任を担い、「ワコールグループCSR調達ガイドライン」に定める内容の遵守状況を、製造委託先や原材料調達先の自己評価等によるモニタリングから、分析・評価フィードバック、是正・改善計画、フォローアップという一連のサイクルを機能させることによって、的確に把握するとともに、継続的に是正・改善を行う取り組みを主導します。
(人権・D&I部会)
人権方針に基づく人権尊重の責務が果たされ、その業務執行が適正に行われるよう、人権擁護に関わる教育啓発活動、及び人権デュー・ディリジェンスの実行への助言・提言を行います。また、多様な社員を受け入れ、個々の能力を存分に発揮できる職場環境の実現に向けて、社内セミナーの開催をはじめとした各種施策を実施していきます。
②戦略
世界での人口増加、少子高齢化、デジタル革命の進行、グローバル化、気候変動や人権課題の深刻化など、将来の予測は難しくなっています。当社グループでは、中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」の策定にあたり、マクロトレンドや多様なステークホルダーからの要請事項を考慮に入れつつ、2030年までに想定される事業課題と社会・環境課題を洞察し、「解決すべき社会・環境課題」と「事業成長」の両評価軸からマテリアリティ分析(重要度評価)を行ったうえで、以下のマテリアリティ(重要課題)を設定しています。
マテリアリティ(重要課題):
対象 |
目的 |
マテリアリティ(重要課題) |
顧客 |
顧客への提供価値の最大化 |
・パーソナライゼーションの追求による顧客体験価値の向上 ・事業領域拡大への挑戦 ・商品品質の深化とサービス品質の構築 |
従業員 |
従業員ひとりひとりの成長と、 働きがいの高い組織の構築 |
・自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人材への成長 ・共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり ・継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上 |
環境 |
次世代に向けた地球環境の保全 |
・環境負荷を低減する事業活動の推進 |
社会 |
すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現 |
・社会課題を解決する共創イノベーションの推進 |
ガバナンス |
持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化 |
・透明性の高い経営の実践 ・リスクマネジメント体制の強化 ・収益性、資本効率の継続的改善 |
③リスク管理
当社グループの経営全般に関するリスクについては、代表取締役社長執行役員をリスク管理統括責任者とし、代表取締役副社長執行役員グループ管理統括担当を委員長とする「企業倫理・リスク管理委員会」(事務局はリスク主管部署である経営企画部)を設置し、重要リスクへの対応と定期的なモニタリングを行っています。また「企業倫理・リスク管理委員会」は、当社グループ全体のリスク管理体制の運営状況を毎年定期的に取締役会の議長でありリスク管理統括責任者である代表取締役社長執行役員へ報告を行っています。なお各事業部門や子会社で管理可能なリスクについては、各組織が事業活動の中で対応を行っています。詳しくは、「3 事業等のリスク (1)リスク管理体制」をご覧ください。
また、当社グループのサステナビリティ課題に係るリスクについては、「サステナビリティ委員会」及び傘下の各部会にて、直接操業及び一部上流・下流までを含むサプライチェーン全体への影響を短中長期的な視点で検証するとともに、それらの結果をさらに上部機関である「取締役会」に報告し、最終的に特定・評価するプロセスとなっています。また、それらのリスクの重要度については、事業への影響度や発生可能性、事業戦略との関係性などを勘案し評価しています。同時に、リスクの管理についても「サステナビリティ委員会」及び各部会におけるモニタリングや達成状況の評価を通して実施しています。
(参考)人権デュー・ディリジェンスの取り組みについて
人権デュー・ディリジェンスの運用開始に向けて、当社グループのサプライチェーンにおける潜在的な人権リスクの把握を行うため、社外専門家の知見を活用し、「人権リスクアセスメント」を2023年10月に実施しました。「人権リスクアセスメント」では、デスクトップ調査に加え、取締役、執行役員、マネジメント層が参加する部門横断型のワークショップを開催し、調達過程から販売、消費に至るまでの過程における人権リスクに関して、ディスカッションを行っています。その後、第三者機関との協議を経て、当社グループが優先的に取り組むべき人権テーマを特定しています。当社グループが今後取り組むべき人権テーマは、以下の3点です。
人権テーマ1 「調達サプライチェーン上の人権課題の継続的な把握」
人権テーマ2 「職場の従業員や店頭の販売員における職場環境の改善」
人権テーマ3 「消費者の人権と多様性の尊重」
2025年3月期は、人権方針で定める人権デュー・ディリジェンスの運用開始に向けて「CSR調達部会」「人権・D&I部会」が連携し、調達活動におけるライツホルダーの実態調査と対話(インパクトアセスメント)を実施する計画です。また、人権方針で定める人権教育の実施を進めると同時に、継続して消費者の人権と多様性の尊重に向けた取り組みを推進してまいります。
④指標及び目標
当社グループは、「サステナビリティ経営」を推進し、事業を通じた「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を実現するため、11のマテリアリティ(重要課題)に対応する指標を設定しております。なお当社グループでは、2023年3月期の実績が大幅な計画未達となったことを受け、中期経営計画の見直しを行い、2023年11月に公表しました。これに伴ってマテリアリティ(重要課題)の目標数値についても再検討を行っています。目標数値については、2025年3月期中に開示する予定です。
顧客:顧客への提供価値の最大化
|
マテリアリティ (重要課題) |
具体的な取り組み |
2030年までの非財務目標 |
1 |
パーソナライゼーションの追求による顧客体験価値の向上 |
お客さまの感動を生むために、お客さまとのつながりを増やし、お客さまから学ぶ |
ワコールグループとつながりを持つ顧客数の拡大 |
顧客体験を向上させるワコールならではのサービスの体験人数の拡大 |
|||
期待を超える商品と愛される商品をつくる |
顧客データを活用した新製品やサービス開発の推進によるインナーウェア事業の再成長 |
||
2 |
事業領域拡大への挑戦 |
お客さまをあらゆる角度でサポートするための、新領域への挑戦 |
レディースインナー以外の事業成長と収益力の向上 |
Well-being実現に向けた新規事業の創出 |
|||
社内リソースの新領域への展開 |
|||
世界のお客さまに感動を届けるための、グローバル成長の実現 |
海外での事業拡大 |
||
3 |
商品品質の深化とサービス品質の構築 |
時代の要求する品質管理体制及び、品質レベルの追求 |
商品品質の継続的な監視と改善活動の実施 |
店頭・デジタルサービス品質の維持・向上 |
従業員:従業員ひとりひとりの成長と、働きがいの高い組織の構築
|
マテリアリティ (重要課題) |
具体的な取り組み |
2030年までの非財務目標 |
4 |
自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人材への成長 |
世代・役職関係なく、主体的に自己能力を高め、熱意をもってチャレンジする人材育成 |
自発的なキャリアデザイン、スキルアップの取り組みの強化 |
熱意を持ってチャレンジできる人材育成と環境の整備 |
|||
5 |
共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり |
多様な立場の人が協力し、ミッションを達成できる組織風土の醸成 |
多様な立場の人が協力できる労働環境の整備 |
会社のあるべき姿や使命を明確にして行動できる従業員の増加 |
|||
6 |
継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上 |
従業員のこころと身体の健康増進 |
「生産性」「心身の健康」の向上 |
健康への理解力(リテラシー)の向上 |
環境:次世代に向けた地球環境の保全
|
マテリアリティ (重要課題) |
具体的な取り組み |
2030年までの非財務目標 |
7 |
環境負荷を低減する事業活動の推進 |
従業員・消費者双方における環境意識の醸成 |
事業活動におけるエコ活動の可視化 |
脱炭素社会の実現 |
CO2排出量の削減 |
||
廃棄物削減の推進 |
製品廃棄率の低下 |
||
資源循環型社会の実現 |
環境配慮型素材の使用率向上 |
※詳細については、「(2)気候変動への対応」をご覧ください。
社会:すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現
|
マテリアリティ (重要課題) |
具体的な取り組み |
2030年までの非財務目標 |
8 |
社会課題を解決する共創イノベーションの推進 |
女性のQOL(Quality of Life)向上への貢献 |
ブレストケア活動の推進 |
女性のQOL向上に貢献するニーズ(商品・サービス)対応とシーズ開発 |
|||
ステークホルダーとの継続的な対話を通した女性のQOL向上への貢献 |
|||
ダイバーシティ&インクルージョンの推進 |
ダイバーシティ課題(ジェンダーなど)の理解に向けた社内啓発活動の推進 |
||
ダイバーシティ課題(ジェンダーなど)の解決に向けた外部ステークホルダーとの対話、共創活動の推進 |
|||
人権の尊重とCSR調達活動の推進 |
人権デュー・ディリジェンスの構築・実施、人権教育の推進 |
||
CSR調達活動の対象範囲拡大 |
ガバナンス:持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化
|
マテリアリティ (重要課題) |
具体的な取り組み |
2030年までの非財務目標 |
9 |
透明性の高い経営の実践 |
実効性の向上を実現する最適なコーポレート・ガバナンス体制の維持・構築 |
コーポレートガバナンス・コードの実践 |
取締役会の機能発揮と多様性確保 |
|||
企業価値を向上させる役員報酬制度の継続的改善 |
|||
公正かつモチベーション向上につながる評価・報酬制度の構築 |
|||
10 |
リスクマネジメント体制の強化 |
法令遵守の徹底と高い倫理観を持った組織体の構築 |
企業活動における不適切な行動の防止、役員・従業員一人ひとりのコンプライアンス意識の向上 |
事業リスクへの着実な対応による組織レジリエンスの強化 |
重要リスクの選定方法や対応方針の見直し、DXや情報通信技術の運用に伴う情報セキュリティ対策の推進、事業継続体制(BCP)強化 |
||
11 |
収益性、資本効率の継続的改善 |
経営戦略の実行と役割権限の明確化 |
中長期戦略の実効性向上に向けた重要業績評価指標の管理強化と費用対効果の検証 |
成長の実現に向けた事業ポートフォリオマネジメントの実行 |
|||
適時適切な意思決定を行う執行体制の構築 |
(参考)サステナビリティ委員会(推進部会)の具体的な活動について
CSR調達部会:
目的・役割 |
CSR調達活動の推進(責任のある調達活動の推進) |
3カ年の活動方針(2024年3月期~) |
・「人権」「労働慣行」「環境」「倫理」など、社会的要求事項の的確な状況把握と継続的な是正・改善 ・実効性、合理性を伴った活動対象工場の拡大 |
2024年3月期 具体的な活動 |
・CSR調達活動の対象範囲の拡大 (原材料・染色工場に対するモニタリングに向けた活動を開始) ・CSR調達活動の実効性向上に向けたモニタリングの強化 |
人権・D&I部会:
目的・役割 |
人権尊重・D&Iの推進 |
3カ年の活動方針(2024年3月期~) |
・人権リスクの特定、人権デュー・ディリジェンスの実施体制の構築 ・改正障害者差別解消法、LGBTQ+顧客への対応方針の策定・実行 ・D&I推進に関するロードマップ策定・開示 |
2024年3月期 具体的な活動 |
・人権リスクアセスメントを通じた重要リスクの特定 ・インクルーシブな売場環境の実現に向けた検討の開始 |
※カーボンニュートラル部会、資源循環部会の活動については、「(2)気候変動への対応」をご覧ください。
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
地球や企業活動に重大な影響を及ぼす気候変動は、当社グループの経営にとってリスクであると同時に、新たな事業機会をもたらすものと考え、健全な企業としての発展と持続可能な社会の実現を目指して、環境課題の解決に向けた取り組みを推進するとともに、環境情報に関する開示の拡充に取り組んでいます。
温室効果ガス排出量の削減に向けて:
脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進め、サプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量削減をより確実なものにするため、2021年よりワコール事業(国内)のサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量(Scope3)の算定を開始しました。また、2030年に向けた国内事業所における温室効果ガス排出量(Scope1&2)の削減目標を開示したほか、2022年6月には、ワコール事業(国内)のサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量(Scope3)の削減目標も開示しています。
削減プロセス:
現在、サステナビリティ委員会傘下のカーボンニュートラル部会が中心となり、温室効果ガス排出量の削減目標の達成に向けた具体的な行動計画を検討しています。目標として掲げる国内事業所の温室効果ガスの排出量実質ゼロに向けては、流通センターに新たな太陽光発電システムを導入するほか、既存事業所においても順次再生可能エネルギーへの切り替えを進める方針です。一方、サプライチェーンにおける排出量の削減に向けてはサプライヤーとの協働が不可欠となります。削減に向けた行動計画やプロセスを検討するとともに、サプライヤーへの温室効果ガス排出量削減の働きかけを行う予定です。
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応:
当社グループは、2021年9月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言へ賛同を表明しました。また、TCFDの提言に沿った、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目についての情報については、2022年6月末に開示しています。
①ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ戦略のガバナンスに組み込まれています。詳しくは、「(1)サステナビリティ戦略 ①ガバナンス」をご覧ください。
②戦略
当社グループでは、分析可能なデータが揃った事業より順次シナリオ分析を実施し、気候変動問題のリスク及び機会の影響評価を行っています。
リスク:
当社グループの事業・戦略・財務計画などに影響の大きいリスクとしては、暴風雨、洪水など異常気象の激甚化や、炭素価格の上昇などがあると考えています。
機会:
当社グループは、製品廃棄の少ない製造・販売体制を構築するなど、環境に配慮した活動を推進しています。今後も「環境目標 2030」の達成を目指し、環境負荷の少ない事業活動を推進していきます。消費者や社会の環境に対する意識は高まっているため、当社グループのこのような事業活動は、売上拡大の機会になると考えています。
TCFD提言に基づくシナリオ分析:
当社グループは、TCFDの提言に従い、2023年3月期に気候変動に対するシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析ではグループ全体に対する売上高の比率が最も高い㈱ワコールを対象に、2℃及び4℃の気温上昇時の世界を想定し、リスク・機会の抽出と対応策を検討しました。シナリオ分析の結果、2℃上昇時は環境意識の高い消費者からの支持の獲得などポジティブな影響がある一方で、炭素税の導入などの移行リスクが事業にネガティブな影響を及ぼす可能性があることがわかりました。また、4℃上昇時は暴風雨、洪水をはじめとする異常気象の激甚化などの物理的リスクが事業にネガティブな影響を及ぼす可能性があることがわかりました。今後も順次シナリオ分析の範囲を拡大し、グループ全体として詳細なリスク分析を行えるよう取り組みを進める予定です。
リスク・機会の種類 |
例 |
影響※ |
対応策 |
||||
2℃ |
4℃ |
||||||
移行 |
政策・法規制 |
炭素税の 導入 |
リスク |
環境税導入により諸費用が増加 |
中 |
- |
・再生可能エネルギーの導入とともに、省エネ・創エネ活動などの推進により、コスト増加を回避または軽減 ・サプライヤーと協働でCO2排出量削減を推進 |
電力小売価格の上昇 |
リスク |
再生可能エネルギー導入などに伴う電力価格の上昇 |
小 |
小 |
・省エネ・創エネ活動などの推進により電力調達量を削減し、コスト増加を回避または軽減 |
||
評判 |
消費者意識の変化 |
機会 |
環境配慮型の当社製品への消費者需要の拡大 |
中 |
小 |
・再生繊維などの環境配慮型素材の使用比率を高めるなど、地球環境にやさしい事業活動を推進 ・品質の高いものづくりを推進し消費者に長く使用いただくことで、消費者の衣料廃棄量の削減へ貢献 |
|
物理的 |
急性 |
異常気象の深刻化・増加 |
リスク |
異常気象増加に伴う店舗営業日の減少 |
中 |
大 |
・CX戦略の推進によりビジネスモデルを変革 店舗の売上減少をECでカバーできる販売体制を構築 |
慢性 |
降雨日の増加や平均気温の上昇 |
リスク |
気象パターンの変化に伴う在宅機会の増加、外出機会の減少 |
中 |
中 |
・ノンワイヤー商品など、在宅ニーズに対応する製品開発を強化 ・自社ECの利便性を高めることにより、消費者の購買機会及び意欲の低下リスクを軽減 |
|
機会 |
中 |
中 |
|||||
機会 |
気候変動に伴うインナーウェアへの意識の高まり |
中 |
中 |
・気候変動による消費者ニーズの変化を認識し、ニーズに対応する機能性製品の開発の強化 |
※影響は発生可能性と影響度を勘案し、評価しています。
発生可能性:影響度大(3年以内に一度以上)、中(3年~10年に一度)、小(10年以上に一度)
営業利益に対する影響:影響度大(5億円以上)、中(1億円以上)、小(1億円未満)
③リスク管理
気候変動に関するリスクは、サステナビリティ戦略のリスクに含めて管理しています。詳しくは、「(1)サステナビリティ戦略 ③リスク管理」をご覧ください。
④指標と目標
当社グループは、気候変動問題の解決と脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めるため、2030年に向けた独自の環境活動目標「環境目標 2030」を掲げています。
環境目標 2030
1.自社排出量(Scope1&2)「実質ゼロ」<対象:国内事業所>
温室効果ガスの自社排出量(Scope1&2)実質ゼロを目指し、順次再生エネルギーへの切り替えを実施
2.製品廃棄「ゼロ」<対象:㈱ワコール>
製品廃棄ゼロを目指すとともに、工場での残材料破棄削減に向けた取り組みを推進
3.環境配慮型素材の使用比率「50%」<対象:㈱ワコール>
再生繊維やリサイクル糸などに切り替えるなど、環境配慮型素材の使用比率を「50%」までに高める
4.サプライチェーン排出量(Scope3)「20%削減」<対象:ワコール事業(国内)>
温室効果ガスのサプライチェーン排出量(Scope3)20%削減を目指し、パートナー企業との取り組みを推進
なお、当社グループのCO2排出量は以下のとおりです。
(国内の対象事業所:本社、スパイラルビル、浅草橋ビル、麹町ビル、京都ビル、新京都ビル、守山流通センター、伏見流通センター、㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン(長崎・熊本・福岡・福井・新潟))
(海外の対象工場:ベトナムワコール、ミャンマーワコール、広東ワコール、大連ワコール、ワコールインターナショナル(ドミニカ工場)、ワコールヨーロッパ(スリランカ工場)、A tech、G tech)
スコープ1 CO2排出量の推移(単位:t-CO2)
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
日本 |
1,611 |
1,736 |
1,701 |
1,578 |
対2020年3月期 |
△10% |
△3% |
△5% |
△12% |
スコープ2 CO2排出量の推移(単位:t-CO2)
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
日本 |
4,103 |
4,369 |
4,179 |
4,245 |
対2020年3月期 |
△12% |
△6% |
△10% |
△9% |
スコープ2 CO2排出量の推移(単位:t-CO2)
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
海外工場 |
9,282 |
11,203 |
- |
- |
対2020年3月期 |
- |
- |
- |
- |
※海外事業については、縫製工場及び原材料製造工場における自社排出量(Scope2)の把握を開始しました。2026年3月期までに削減目標を開示する計画です。
※その他の環境データについては、当社ホームページをご覧ください。
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/environment/activities/
(参考)サステナビリティ委員会(推進部会)の具体的な活動について
カーボンニュートラル部会:
目的・役割 |
脱炭素社会の実現(環境負荷の低い事業活動の推進) |
3カ年の活動方針(2024年3月期~) |
・国内:温室効果ガス排出量の削減に対する行動計画の策定・実行 ・海外:温室効果ガス排出量の試算、削減目標の策定 |
2024年3月期 具体的な活動 |
・国内事業所の温室効果ガス排出量削減に向けて、影響度の高い5つの事業所の具体的な削減計画を策定 ・海外9拠点工場の電力係数の調査により、海外工場における温室効果ガス排出量を算定 |
資源循環部会:
目的・役割 |
資源循環型社会の実現と廃棄物削減の推進(㈱ワコール対象) |
3カ年の活動方針(2024年3月期~) |
・環境配慮型素材の使用比率の引き上げ(2023年3月期の使用比率17%を、26%まで引き上げ) ・製品廃棄の削減:1.1%水準(2020年3月期水準)へ回帰 ・工場、仕入先における残材料の廃棄削減(目標:2021年3月期に対して約3割を削減) |
2024年3月期 具体的な活動 |
・環境配慮型素材使用比率の向上に向けて、2026年3月期における使用比率の目標を検証 ・環境負荷の低い廃棄方法の検討 ・アップサイクル活動の推進 |
(3)人的資本
基礎研究、商品の企画・開発から材料調達、生産、販売に至るまでのバリューチェーンについて、その大半をグループ内のリソースによって築いている当社グループにとっては、「人財」を資本と捉え、その価値の最大化を目指すことは、経営上の重要な取り組みとなります。当社グループの従業員が「やりがい・働きがい・生きがい」を感じながら働ける魅力ある企業風土を実現することで、社員一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮し、生産性や競争力の向上といった組織の成果に結びつき、持続的な成長につながっていくものと考えています。
①ガバナンス
各事業会社が各社の事業戦略に基づき人事戦略を展開していくうえでは、個社の人事部門が主体となって、人事課題に対する具体的な取り組み施策を立案、実行し、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価検証というサイクルを回しています。一方、グループ全体の人的資本に関するガバナンスを有効に機能させるために、人権・DE&Iやコンプライアンスの観点を中心に、各社の取り組み、整備の状況について定期的にモニタリングを行い、状況に応じた指示や要請を行っています。
中核会社である㈱ワコールでは、社長を含む取締役が参加する「人財開発会議」を設置しており、人財戦略に関する方針の検討、策定、個別の人事課題の解決に向けた方向性の確認を行っています。
②戦略
事業環境の不確実性がますます高まる中、ビジネスモデルの変革を早期に進めていくうえで、担い手となる人財に関する戦略の重要性は増すばかりです。とりわけ日本国内においては少子高齢化による労働力人口の減少が進み、これまで以上に人財獲得競争が激化することは確実であり、魅力ある企業であるための人財戦略を策定、実行していく必要があります。当社においては、果断な構造改革と成長戦略の策定・実行を並行して、またスピードを上げて進めていくためにも、従業員個人のさらなる成長に資する施策に加え、個の力を組織の力に結びつけるための環境や風土への変革を併せて進めてまいります。
㈱ワコールにおいては、収益性の早期改善のための施策と並行して、人財の獲得、人財のリテンションの両面で、中長期的に選ばれ続ける会社であるために、①人財開発(キャリア自律の支援・成長機会の提供)、②組織開発(チーム力の最大化のためのマネジメント力強化)、③風土醸成(働きがいを支える制度・仕組み、DE&I、Well-beingの実現)の3つの軸で取り組みを進めています。また従業員の60%超を占めるビューティーアドバイザー職(販売職)については、個別の人事課題の解決のために、独自の取り組みも行っています。
なお、当社グループにおいては従業員の所属が各事業会社(本籍が当社の従業員は0)であり、人事戦略・施策は個社の事業戦略に連動して策定し、またそれぞれの労使関係において協議、協定の上実行、検証しているため、連結会社ベースでの開示を行うことは困難であり、現時点では中核事業会社である㈱ワコールの戦略、施策の実行状況を記載しています。連結ベースでは、グループの人的資本に関するガバナンスの強化、具体的には人権・DE&Iやコンプライアンスの観点が主たる課題と捉えており、その課題に関する取り組みが進んだ段階では、連結会社を含む開示を行うよう、引き続き検討してまいります。
人的資本戦略(対象:㈱ワコール)
基本方針 |
「企業価値向上に向けた人財育成、組織開発」を行い、「会社の成長」と「人的資本への投資・人財の成長」の好循環を実現する。とりわけ今中期経営計画(リバイズ)においては、個の成長に加え、個の力を組織の成果に結びつけるための取り組みにより注力し、好循環への道筋をつける。 |
求める人物像 |
“自律革新型人財” 経営理念を尊重し、具現化できる人財 既成概念や現状の枠組みを見直し、熱意をもって革新できる人財 主体的に自己の能力を高め、新たな可能性にチャレンジできる人財 良好なチームワークを構築し、組織目標に貢献できる人財 健康的で健全な生活習慣を実践できる人財 |
経営戦略に基づく人的資本の課題 |
<方向性> 少数精鋭の組織運営の実現=個の成長×組織力の向上×魅力ある風土の醸成 早期に収益力を改善するための要員計画マネジメントと並行して、中長期的な成長のための人財育成・組織開発・風土改革を実行する。 <重点課題> ●収益力の改善:要員計画マネジメントの継続実施 ・希望退職実施後の要員状況を部門別に確認し必要に応じて再配置、採用を実施し適正化を図る。 ・内勤社員の要員の妥当性をモニタリングする指標を部門主導で設定、運用するサイクルを構築する。 ●成長軌道への回帰:個の力を組織の成果につなげる施策の強化 ・部門特有の専門性向上への支援を強化するプログラムを新設する。 ・ワークスタイル・ワークプレイス改革を通じて、組織の活性化に貢献する。 (ワークプレイス改革は、アセットライト化のための不動産施策と連携) ・個性豊かに能力発揮し組織成果に貢献するための環境を整備する。 ●経営基盤の強化:従業員が持てる力を最大限発揮し成果に貢献し、適正に報いられるための環境整備・風土醸成 ・職務価値に連動した人事体系の導入を検討、実施する(2026年3月期にかけて段階的に実施)。 ・エンゲージメント調査を継続実施し、他の組織診断指標との相関分析を行い、打ち手の精度向上に繋げる。 ・人事施策実施の前提となる人事関連IT基盤・データベースを整備する。 |
人的資本の最大化に 向けた取り組み |
Ⅰ.人財獲得 |
Ⅱ.成長支援(育成・リスキリング・キャリア形成) |
|
Ⅲ.マネジメント力の強化 |
|
Ⅳ.DE&Iの推進 |
|
Ⅴ.Well-beingの実現 |
重点課題の一つである「要員計画マネジメント」に関する施策として、2024年3月期に希望退職を実施しました。その結果、募集人数150名に対し215名の応募となりました。施策実施後の総員は2023年3月末に対し187名の減少、2020年3月末に対しては1,325名の減少と、事業規模に応じた要員の適正化が進みました。労務構成については、管理職の人員が2024年3月対比で57名減少(222→165、部長以上△20、課長級△37)、平均年齢は△2.9歳(44.6歳→41.7歳)と、組織構造のスリム化・フラット化と共に、適切な世代交代が進みました。また管理職に占める女性の比率も2.9%増加(32.2%→35.1%)しました。
より少数精鋭の組織運営を実現すべく、意思決定のスピードを加速させ、より現場へ権限委譲する組織体制へ移行していくためにも、個の成長とマネジメント力の向上を並行して進めています。
人的資本の最大化に向けた取り組み
Ⅰ.人財獲得
当社グループは、先人たちが前例にこだわることなく今日の企業グループを築いてきたように、今後も大胆に、また果敢にチャレンジする風土を大切にしながら、新風を吹き込み新しい価値を創造する多様性の尊重こそが競争の源泉になると考えています。また少子高齢化、労働力人口減少の環境下で、人財のリテンションにも力を入れる必要があります。
㈱ワコールにおいては、新卒採用と同様に経験者採用(第2新卒採用、キャリア採用等)にも力を入れております。今後も引き続き、経営幹部候補人財、グローバルやEC、DX等不足する専門人財の補完など、総合職の採用人員の3~5割程度を経験者採用としていく予定です。
また、複数ある職種の中でも特に人財確保が困難なのはビューティーアドバイザー職(販売職)です。人財確保施策として、2020年8月から「配偶者帯同及び介護のための勤務地変更制度」を開始し、地域限定採用である販売職が自己都合で転居した場合でも、一定の条件を満たせば転居先への勤務地変更を可能にし、就業継続できるしくみを整えています(2024年4月末時点の制度利用者累計:43名)。また、2022年4月からは退職者のネットワーク「BANK(BA Alumni Network) )」の運用を開始し、各種の情報提供や復職支援、友人のご紹介等、退職後も関係を継続できるしくみを構築しています(2024年4月末時点の登録者:87名)。
㈱ワコールの主たる職群の採用状況
職群 |
区分 |
性別 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
総合職 |
経験者 |
男性 |
2 |
4 |
1 |
4 |
1 |
女性 |
6 |
6 |
1 |
6 |
15 |
||
合計 |
8 |
10 |
2 |
10 |
16 |
||
新卒 |
男性 |
10 |
13 |
7 |
6 |
2 |
|
女性 |
13 |
16 |
16 |
10 |
10 |
||
合計 |
23 |
29 |
23 |
16 |
12 |
||
経験者採用の比率 |
26% |
26% |
8% |
38% |
57% |
||
販売職 |
経験者 |
男性 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
女性 |
227 |
116 |
8 |
6 |
14 |
||
合計 |
227 |
116 |
8 |
6 |
14 |
||
新卒 |
男性 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
女性 |
48 |
53 |
25 |
16 |
14 |
||
合計 |
48 |
53 |
25 |
16 |
14 |
||
経験者採用の比率 |
83% |
69% |
24% |
27% |
50% |
||
クリエイター職 技術・研究職 |
経験者 |
男性 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
女性 |
0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
||
合計 |
0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
||
新卒 |
男性 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
女性 |
12 |
7 |
0 |
0 |
0 |
||
合計 |
12 |
7 |
0 |
0 |
0 |
||
経験者採用比率 |
0% |
30% |
0% |
0% |
0% |
Ⅱ.成長支援(育成・リスキリング・キャリア形成)
当社グループでは、従業員一人ひとりの個性や強みが発揮される企業への変革を目指し、学びの機会の提供やキャリアアップの支援など、一人ひとりの成長を支援する各種研修制度を整えています。
<人財育成>
㈱ワコールでは、「ワコールの発展は、ワコールの社員一人ひとりの資質の向上とその協力によって実現する」という考え方のもと、経営理念を実践できる人財の育成を目的に、従業員のキャリア形成と能力開発を支援する研修プログラムや従業員の主体的な学びをサポートする自己啓発支援制度を整備、アップデートし続けることで、従業員の成長を支援しています。
2019年4月より運用を開始した人財育成体系「WACOAL TERAKOYA」について、ブラッシュアップを行いました。
新型コロナウイルス感染症を経て急速に変化したお客様の購買行動、ニーズに対応するためにも、教育・研修体系を見直し、これからのビジネス環境に適応した人財の育成につなげていきます。新たな育成体系では、階層別研修においても一律のメニューではなく個々の成長に合わせた選択を可能にしています。また、組織の専門性の強化を目的とした「部門別マスタリー研修」を導入し、個の成長、能力発揮が組織の成果として結実するための施策を強化します。さらには、異業種との学び、交流の場に手挙げ制で参加できる機会を増やすことで、主体性や多様性を醸成するとともに、社内では得られない知見、より幅広い視野を持った人財を育成し、革新性の向上につなげます。これらにより、経営理念を実践し、新たな価値を創造できる人財の育成を通じてワコールの持続的な成長を実現していきます。
販売職の育成においては、より多様化するお客さまのニーズに応え、ご満足いただくために、「顧客対応力(実学)」と「人間力(道学)」の両面の向上に取り組んでいます。具体的には、2022年4月より㈱グロービスの「GLOPLA LMS (Learning Management System)」という自律的な学びのプラットフォームを活用し、成長機会の提供、キャリアアップ意欲の醸成につなげています。また、主体的なキャリア形成の機会として、総合職への転換を目指すコースを新設し、2024年4月時点では69名の販売職がコース選択を行い、さらなる能力向上に取り組んでいます。
人財育成プログラムの例
プログラム名 |
実施目的 |
一人当たりの 研修時間 |
年間参加人数 |
||
2023年3月期 |
2024年3月期 |
||||
階層別研修 |
役割・資格の変化に伴う、期待役割の認識及びマインドセットを目的に実施します。同時に会社の方向性と自身のキャリアビジョンを考える機会とします。 |
1~6日 (研修による) |
684名 |
530名 |
|
ビジネススキル |
ビジネスマンとして求められる必須スキルを、社内のみならず社外人財との交流を通して学ぶことで、社内外で通用する普遍的なビジネススキルを体得できます。 |
7.5時間 |
61名 |
94名 |
|
ワコールアカデミー |
ワコールにおける社内ナレッジの共有、知識伝承、組織開発等を目的に社内外の講師による研修・セミナーを開催します。 |
7時間~ |
1,217名 |
1,515名 |
|
Global Talent Development |
事業のグローバル化が進む中、グローバルコミュニケーションスキル(業務遂行能力、語学力、異文化適応力等)を発揮できるグローバル人財を育成します。 |
海外業務研修 |
2年 |
4名 |
3名 |
セルフラーニング |
Eラーニングを活用した「いつでも、どこでも」学べるコンテンツ提供と主体的な能力開発・自己研鑽を支援する制度があります。 |
自己啓発援助制度 |
- |
160名 |
244名 |
通信教育・Eラーニング |
- |
2,138名 |
935名 |
<リスキリング>
㈱ワコールでは、事業成長や新規事業に必要なスキルを持った人財を育成するため、リスキリング(学び直し)による人財育成に取り組んでいます。2024年3月期においては内勤業務の労働生産性向上を目指したITリテラシーの底上げ策の一環としてオンライン学習ツールの運用を開始しました。従業員が最新のビジネストレンドや技術を学べる環境を整備しています。また自己啓発コミュニティの運営を通して、従業員の自主的な学びを支援し、組織全体の競争力を高めています。
<キャリア形成>
㈱ワコールでは、従業員が自らのキャリアを主体的かつ前向きに切り拓いていくことを目的にした、キャリア形成に伴う多様な制度・仕組みを拡充し、キャリア自律を促進することによって働きがいの向上と組織の活性化を目指す「Meet My Careerプログラム」を導入しております。このプログラムでは、従来型の自己申告やキャリア面談、研修・自己啓発、異動に加えて、「社内公募制度」や、自ら異動先を希望できる「社内ジョブチャレンジ制度」、グループ外の企業や団体への出向によって社内では得られない経験を可能にする「社外キャリアチャレンジ制度」、所属部門に籍を置いたまま他部門の業務を体験できる「社内インターン制度」、長期休職制度、副業支援など、従業員が主体的にキャリア・可能性を切り拓くための選択肢を体系的に示すことで、従業員に対して多様な働き方の能動的な実践を促し、同時に今までと異なるスキルを身につけ、磨く機会を供し、個々人の多様なキャリアの実現を促進することを目指しています。「社内公募制度」についてはグループ会社も対象とする事によってキャリアの選択肢をより広げるとともに、従業員と組織の双方が積極的にキャリア開発や人財獲得に取り組めるしくみを取り入れています。
2024年3月期からは、総合職の新入社員に対して、初期配属だけでなく中長期のキャリアを見据えたキャリア研修を行うとともに、1on1面談を実施し、部門と新入社員をマッチングする「Meet My First Career」の取り組みを行なっています。これにより、若い世代のニーズに応えながら、中長期のキャリア支援や組織の活性化を図っています。
今後も、従業員が自発的にキャリアを広げる機会を提供し続け、多様な人財の育成に取り組んでまいります。
プログラム名 |
実施目的 |
人数(人) |
|
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
||
ジョブチャレンジ制度 社内公募制度 |
自律型人財形成の一環として 「ジョブチャレンジ」自らの意思と意欲を前提に自己異動希望を示す者に、ジョブローテーションの機会を支援し、組織全体の活性化につなげる。 「社内公募」組織自らが求める人財を得ることで部門の強化を図り、社内組織全体を活性化につなげる。 |
18 |
25 |
社外キャリアチャレンジ |
変化の激しい時代において、社外での就業経験を通して多様な視点や価値観を取り入れ、知識のアップデート、リスキルを行うことで、適応力やレジリエンスを高めることにつなげる。 |
38 |
42 |
副業制度 |
1.社外での活動に携わる中で、自身のスキル・能力・専門性を高め、本業での発揮能力を高める。 2.今後のキャリアを見据えたうえで、社外ネットワークの構築及び新たな知見、スキルを獲得する。 3.自分の趣味や興味のあることに取り組み、更なる収入を得ることで多様なライフの充実を実現する。 |
38 |
30 |
長期休暇制度 |
「自己啓発・自己開発を目的とした場合」と「配偶者が転勤、または遠隔地に居住する者と婚姻した後」において、一定期間の休職を認めることにより、就業継続を支援する。 |
5 |
10 |
Ⅲ.マネジメント力の強化
中核会社である㈱ワコールは、売上の低迷と固定費率の高いコスト構造を背景に収益力が低下しており、トップラインの成長回帰と収益力の改善に向けて、中期経営計画で掲げる事業戦略の見直しを進めています。経営の実効性を高めるために、的確かつスピーディーに意思決定を行い、組織の成果に貢献するためのマネジメント力の強化は極めて重要な課題であり、改めてサクセッションプランに基づくマネジメント人財の発掘、育成、任用に取り組みます。また、組織力の強化の観点からは、健全なフィードバック文化の醸成も必要であると認識しています。ビジョンの実現と戦略を実行でき、かつ個の力を組織の成果に結びつけるためにメンバーを動機づけることができるマネジメント人財の確保・育成の取り組みを推進していきます。
<マネジメント人財の育成>
2025年3月期においては、引き続きシニアマネジメント向けの経営理念浸透策の一環として実施するトレーニングと、全管理職を対象とした、イノベーションの源泉である多様性の推進と組織開発の基盤である心理的安全性、アンコンシャスバイアスの基礎知識の習得に取り組む計画です。
また、各本部と人財育成方針や支援方法等を随時共有し、各部門での人財育成がより図れるよう、定期に部長級との情報共有・対話の機会を設定し人的資本戦略の確度を上げていきます。
<評価制度の見直し>
人財の多様性を高めつつ、より生産性の高い少数精鋭の組織づくりを進めています。また、それらのベースとなる「公正な評価や処遇」に向けて随時検討を行っており、フィードバック文化の醸成ならびに評価結果への納得度を高めることで、組織力の強化を図っています。2025年3月期には評価のしくみ、制度を一新する予定です。
特に販売職に関しては、マネージャー1人当たりのマネジメント対象人数が100名を超えており、十分な対話の機会が提供できていないことが課題でした。2021年4月より「評価助言者制度」を本格稼働させ、リーダー層(スーパーバイザーや店長・副店長等)に評価や人財育成に関する責任と権限を委譲し、併せてリーダー層に対する360°評価を実施する等、相互にフィードバックし合う文化を醸成してきました。2024年4月には「エリアマネージャー」を新設し、より権限委譲を推し進め、現場レベルでの人財マネジメントが有効に機能する体制づくりを進めます。
<処遇体系の見直し>
組織のスリム化に伴う権限と責任範疇の拡大に対し、マネジメント層各ポジションの役割の大きさ(職務価値×ジョブサイズ)に連動した処遇体系を構築しました。これまで一律であった課長職の役割給を役割の大きさに応じて変動させることで、従業員の納得度ならびにエンゲージメントの向上、そして個人のキャリア形成の一助となることを狙いとしています。このほか、経営・事業戦略の方向性に連動し、主要ブランドを統括する「ブランドマネージャー」と、成長セグメントを主導する「成長戦略ディレクター」を新設、前述の「エリアマネージャー」も含め、担う役割の大きさに応じた処遇を実現しています。また、成果やパフォーマンスに応じたメリハリのある処遇を実現していくため、まずは属人的な手当や福利厚生の見直しに着手し、改廃によって捻出された原資を全従業員に再配分しています。
Ⅳ.DE&Iの推進
当社グループは、従業員一人ひとりの働きがいを高める仕組みを追求しつつ、人的資本の量的・質的な適正化を図ることによって、健全な企業風土と強固な経営体質の構築を進めております。多様な人財や価値観を受容し相互に信頼関係を深め、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指しております。引き続き、多様なキャリアパスや働き方の選択肢を拡充させるほか、新しい人事評価制度の導入を進めるなど、変化の激しい市場に対する組織の意思決定において、従業員の多様性を活かすことができる人財施策を実行してまいります。
<女性活躍>
㈱ワコールは、お客様そして従業員の多くが女性であること、より多様な価値観を経営の意思決定に反映する必要があることから、女性の活躍推進が重要な経営課題であると捉えています。そのため、女性特有のライフステージに応じた就労環境を整備し、より柔軟な働き方を促進するとともに、性別や年齢に拘らず能力や成果に応じて昇格・登用されるしくみを整備しています。なお、㈱ワコールは2021年2月に女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優良であるとして、厚生労働省から「えるぼし認定」を取得いたしました。
<女性の管理職への登用>
㈱ワコールでは、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しており、2025年3月期までに課長級以上の女性管理職比率を30%以上に高めることを目指しておりました。2024年3月1日時点の課長級以上の管理職に占める女性比率は32.2%、2024年5月1日時点では35.1%と目標を前倒しで達成したため、現在新しい一般事業主行動計画を策定中です。女性管理職比率としては30%を上回っていますが、より重要な意思決定に関わる部長以上に占める女性比率が依然として低いため、部長級以上での女性管理職比率を高めることに取り組んでまいります。
多様な人財の価値観を経営の意思決定に反映するため、性別を問わず、早い段階からリーダー適性の高い人財の発掘を行い、経営幹部候補への育成機会の提供をさらに進めてまいります。また社員の自律的な成長をサポートしつつ、様々な事業、職務の経験を促して、継続的にキャリア意識の醸成に取り組み、経営幹部を担う人財の育成を進めます。
(詳しくは当社ホームページに掲載しておりますのでご参照ください)
:女性活躍推進法に基づく行動計画
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/
:ESGデータ集(ダイバーシティ&インクルージョンほか)
https://www.wacoalholdings.jp/ir/library/esg_presentation/
:(厚生労働省HP) 女性の活躍企業データベース・「株式会社ワコール」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=284
<男女間の賃金差異>
女性活躍の一つの指標である男女の賃金の差異は、当社・㈱ワコールで49.2%(正社員50.0%、パート・有期社員60.2%、総合職70.0%、管理職93.2%)となっています。当社では、同一の役割であれば男女で賃金の格差は設けていないため、この差は、当社・㈱ワコールで①管理職における男性比率が65%程度あること、②総合職採用、特に新卒採用における女性比率が年々高まっており、結果として管理職未満の層で入社10年以下の社員においては女性社員の比率が高いこと(10年以下134名、56.3%、10年超38名、35.2%)、③女性社員に占める割合が、相対的に賃金水準が高い総合職に対し販売職のほうが圧倒的に比率が高いことによるものです。
男女の賃金の差異の解消に向けて、総合職における新卒採用や経験者採用で女性比率を高めているほか、年齢や性別に関係なく能力による登用を行い、管理職や役員の女性比率を高めてまいります。
<外国人の管理職への登用>
当社グループは、世界の国や地域で事業を営む企業グループとして、米国や欧州をはじめとする海外各法人の代表(社長)及び重要な経営ポストに現地人財を登用しております。また、㈱ホンコンワコール及びフィリピンワコール㈱の代表(社長)は女性が務めております。今後も引き続き、海外各市場での顧客視点による事業拡大、競争優位性の強化のために、国籍を問わない多様な現地人財の採用と重要な管理職ポストへの登用を継続的に推進してまいります。
<ワークライフバランス>
㈱ワコールでは、従業員が豊かな人生を送り、仕事において持てる能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。この取り組みの一つ、仕事と育児の両立支援では、当事者だけでなく周囲でサポートするメンバーの双方にとって働きやすく働きがいのある職場を目指し、制度や風土の整備に取り組んでいます。また、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づいた行動計画を策定し、目標達成に向けて取り組みを行った結果、2018年には3回目の「くるみん」認定に加え、「プラチナくるみん」の認定を取得しました。従業員が仕事と家庭だけでなく社会とのつながりを積極的に持つことによって、従業員個人の中での経験やスキルの多様性を増し、仕事におけるイノベーション創出につなげられるよう、従業員が自身の時間の使い方を柔軟にできるような仕組みを引き続き作っていく予定です。
<障がい者雇用>
当社グループでは、全員がいきいきと働き続けるために必要な研修の実施や、一人ひとりの声を聴くための個別面談を通じて、環境改善、就労支援をしています。また、外部の支援機関と積極的に連携することで、専門家の知見を得て定着支援のためのサポートを実施しています。2018年2月には、障がい者の雇用促進と活躍機会の創出を目的にワコールアイネクスト㈱を設立し、2018年12月に障害者雇用促進法に定める特例子会社の認定を受けました。
ワコールアイネクスト㈱では、業務範囲を限定せず、一人が複数の業務を担当する「マルチタスク」や、業務を分業して複数で請け負う「ワークシェア」など、個々人の能力開発を促す柔軟な働き方を採用し、一人ひとりがやりがいを持ち、成長を実感できる職場の実現を目指しています。法定雇用率を守ることは企業として必要なことですが、数値としての目標ではなく、ワコールの掲げる相互信頼のもと、すべての人が活躍し、成長できる職場づくりにグループ全体で取り組むことで、多様性を活かす社会の実現に貢献していきます。
:障がい者雇用や再雇用制度等については、当社ホームページをご参照ください。
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/
<多様なお客さまへの対応方針に基づく対応>
2024年度より、多様なお客さまへの対応方針(インクルーシブな売場づくり)を明確にし、ワコールが人権尊重の取り組みに向き合っている姿勢を表現していきます。その為に、販売部門の管理職、役割任用者を対象に説明会を実施し、「ビジネスと人権」の社内啓発活動をスタートさせています。
Ⅴ.Well-beingの実現
中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」で掲げる「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現するには、重要なステークホルダーである従業員のやりがいを高め、組織全体の生産性を向上させることが不可欠です。
㈱ワコールでは、従業員一人ひとりの働きがいや幸福度の向上こそ、高い生産性を実現する原動力と捉え、従業員とのエンゲージメント向上の一環として、Well-beingの実現のための施策を実行していきます。
<多様な働き方の推進>
㈱ワコールは、フレックスタイム制勤務の促進、スーパーフレックスタイム制の導入、勤務地限定制度の運用などを組み合わせ、いかに労働生産性を高めることができるかといった意識と行動変容を求めた取り組みを推進しています。実績・成果を重視する組織改革を進める一方で、多様な意見、価値観を認め合いビジネスパートナーとして個々を尊重する組織風土づくりに注力しています。新型コロナウイルスの感染予防対策として一気に普及したリモートワークですが、2024年4月からは、「成果・パフォーマンスを最大化するためのワークスタイル」として、コミュニケーションを充実させることを目的に、一定の出勤を求めながら継続しています。引き続き、労働生産性を高め、個人の時間の使い方の選択肢を柔軟にしていけるよう、働き方改革を進めていきます。
なお、現在京都地区の事業所を再編するREBORNプロジェクトを実施しています。共創と変革を生み出し、価値創造を加速させるワークプレイスを目指し、オフィスだけでなく、働き方も、新たなワコールのワークスタイルとして組織やフロアを超えてオープンなコミュニケーションを取れるよう、変革していきます。
<健康経営>
㈱ワコールでは「社員の健康は、持続的成長のための重要な資産」と位置づけ、会社・健康保険組合・労働組合が三位一体となって、健康経営を戦略的に推進しています。「VISION 2030」では、「継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして掲げています。健康経営の推進に向けて、新たに策定した「ワコールGENKI計画2025」では、従業員の心身の健康状態を高めるとともに、それらの成果を「生産性の向上」や「従業員エンゲージメントの向上」につなげていくことを目標としています。「生活習慣病対策」「がん対策」などこれまでの健康維持増進に向けた施策を継続しつつ、特に大きな課題となっている販売職のメンタルヘルス向上や女性の健康課題への取り組みを強化してまいります。なお、㈱ワコールホールディングスは2017年から8年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に選定されています。
:ワコールGENKI計画2025に関しては、下記ホームページをご覧ください。
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/wellbeing/
③リスク管理
人的資本に関するリスクは、サステナビリティ戦略ならびに経営全般のリスクに含めて管理しています。詳しくは、「(1)サステナビリティ戦略 ③リスク管理」をご覧ください。
④指標と目標
経営戦略に基づく 人的資本の課題 |
人的資本の最大化に向けた取り組み |
指標と目標(KPI) |
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指標 |
目標 |
2024年3月期実績 |
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会社の成長を担う人財の獲得・育成・登用 |
Ⅰ.人財獲得 Ⅱ.成長支援(育成・リスキング・キャリア形成) |
経験者採用の状況(総合職) |
総合職採用数のうち、3~5割を経験者採用にする |
採用総数:28名 内、経験者採用16名(57%) |
人財育成・研修への投下費用 研修参加者数、学びへの時間投資(労働時間対比) |
未策定(2025年3月期中に策定) |
- |
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社内公募、ジョブチャレンジによる人事異動者数、率 |
未策定(2025年3月期中に策定) |
- |
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主体的なキャリア形成の実現度 |
エンゲージメント調査のキャリア実現に関するポジティブ回答が60%以上 |
多様なキャリアの選択肢やチャレンジ機会が提供され、活用できる環境がある:44.2% |
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個の力を組織の成果に結びつけるためのマネジメント力の向上 |
Ⅲ.マネジメント力の強化 |
持続的成長につながるマネジメントの貢献 |
エンゲージメント調査の将来性、未来志向に関するポジティブ回答が60%以上 |
・会社に将来性を感じている:29.4% ・経営層の未来志向:43.9% ・部課長層の未来志向:51.6% |
フィードバック文化の醸成 |
エンゲージメント調査の承認・称賛、正当な評価に関するポジティブ回答が60%以上 |
・私は、一週間以内に、上司又は職場の誰かから、良い仕事をしたと認められたり、褒められたりした:38.8% ・この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた:46.4% ・自分の能力や成果は正当に評価されている:50.6% |
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エンゲージメント・心理的安全性の高い組織風土の醸成 |
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Ⅳ.DE&Iの推進 Ⅴ.Well-beingの実現 |
ワコールGENKI計画2025のKPI達成 |
2023年度の結果集計中 |
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障がい者雇用 |
2024年度法定雇用率2.5% |
2.59%(2024年3月時点) |