2025年8月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 事業の内容について

① 婚礼衣裳等のレンタル業務及び挙式サービス業務について

  1) 業務提携について

   当社グループは、最大の強みであるウエディングドレスの商品開発及び商品供給力を背景に業務提携を積極的に進めております。

 業務提携先数は増加傾向にあり、提携先との関係は良好でありますが、これらの業務提携先の競合が激化し集客力や事業方針、業績等が変化した場合、また、これらの契約が終了、解除又は契約内容が大きく変更された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループは当該リスクへの対応策として、主要業務提携先との関係強化を図りつつ、引き続き新規業務提携を積極的に進めてまいります。

  2) 差入保証金について

 業務提携のうち結婚式場、ホテル等の貸衣裳店の運営受託に際しては、基本的に営業保証金及び入居保証金を差入れております。提携先の経営破綻その他の事由により保証金の全部又は一部が回収できなくなる可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループは当該リスクへの対応策として、これらの提携先の信用調査等を提携前に充分に行い、提携後も信用調査等で定期的にモニタリングすることでリスクの低減を図っております。なお、当連結会計年度の差入保証金は2,533百万円であり、総資産額の20.1%を占めております。

② 結婚式場の運営業務について

法的規制(食品衛生法)について

 当社の運営する結婚式場は、「食品衛生法」(昭和22年法律第233号)の飲食業に関する関連法令に基づく規制を受けております。食中毒事故を起こした場合には、営業許可の取消し、営業の禁止又は一定期間の営業停止等を命じられるほか、社会的信用の低下、損害賠償請求の発生等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループは当該リスクへの対応策として、各結婚式場において従業員に対し衛生管理について徹底した教育を行っており、これまでのところ食中毒事故等が生じたことはありません。

(2) 人口動態による業績への影響について

 厚生労働省の「2024年人口動態統計」によれば、2024年の婚姻件数は48万5千組で前年比1万組増(出生数は68万6千人で前年比4万1千人減)とやや回復しましたが、依然として少子高齢化や非婚・晩婚化の時流があり、回復基調にあるとは言えません。また、再婚需要となる離婚件数は、18万5千組で前年比2千組増と一時的に増加したものの、引き続き減少傾向にあります。このように当社グループの業績は、婚姻件数、将来の人口動態、婚姻年齢及び未婚率の動向により影響を受ける可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期は、予測することは困難でありますが、当社グループは当該リスクへの対応策として、当社グループの最大の強みであるウエディングドレスの商品開発及び商品供給力を活かしてブライダルマーケットのシェア拡大に注力してまいります。

(3) 婚礼に対する意識、趣向の変化による業績への影響について

 近年、挙式・披露宴の形態は多様化しており、従来の専門式場、ホテルを中心とした挙式・披露宴だけではなく、ハウスウエディング、レストランウエディング、海外挙式や、和婚、少人数婚、フォトウエディングなど、挙式・披露宴のスタイルも増加する傾向にあります。これらの嗜好の変化に対応できない場合又は変化に応じた製・商品の市場への供給に時間を要した場合には業績に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループは当該リスクへの対応策として、各種トレンドの変化に十分なマーケティングを行い、様々な挙式・披露宴のスタイルに対応した商品開発に努めております。

(4) 業績の季節変動について

 当社グループにおいては、事業の性質上、第1四半期(9月から11月)及び第3四半期(3月から5月)の婚礼シーズン時期に売上高が偏重する傾向があります。何らかの理由により婚礼シーズン時期の受注が獲得出来なかった場合には業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループの直前2連結会計年度の四半期別の売上高は、次のとおりであります。

 

 

 2024年8月期

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

 

金 額
(百万円)

割 合
(%)

金 額
(百万円)

割 合
(%)

金 額
(百万円)

割 合
(%)

金 額
(百万円)

割 合
(%)

金 額
(百万円)

割 合
(%)

売上高

4,060

30.7

2,966

22.4

3,394

25.7

2,797

21.2

13,219

100.0

 

 

 2025年8月期

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

 

金 額
(百万円)

割 合
(%)

金 額
(百万円)

割 合
(%)

金 額
(百万円)

割 合
(%)

金 額
(百万円)

割 合
(%)

金 額
(百万円)

割 合
(%)

売上高

4,085

30.1

2,993

22.0

3,695

27.2

2,816

20.7

13,591

100.0

(注)割合は各期の売上高の合計を100.0%とした百分比を記載しております。

 

(5) 自然災害・感染症等について

 大規模な地震、風水害等の自然災害並びに感染症等の発生により、当社グループの施設に被害が発生し、事業活動を中断せざるを得ない状況になった場合や、外出自粛等の社会活動の制限、消費者マインドの冷え込みにより結婚式・披露宴が中止や延期になった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループは当該リスクへの対応策として、従業員の安全確保と施設への対策強化に努めているほか、施設の損害に対する想定内のリスクについては、損害保険にてカバーする対策を講じておりますが、自然災害や感染症等が発生した場合のリスクをすべて回避することは困難であり、予期しない規模で発生した場合には事業活動の縮小等も懸念され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 借入金の依存度について

 当社グループは、これまで事業の拡大に必要な資金の大部分を主に金融機関からの借入により調達してまいりました。また、手元資金を厚く保持し、財務基盤の安定性をより一層高めることを目的に金融機関からの借入を実行しております。

 このため、当社グループの当連結会計年度末現在における有利子負債残高は5,752百万円(負債純資産合計の45.6%)と、負債純資産合計に対する有利子負債への依存度が高くなっております。今後、金融情勢や経済情勢等により金利水準や金融環境等に変動があった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼすおそれがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループは当該リスクへの対応策として、引き続き収益力を高めることでキャッシュ・フローの増加を図ってまいります。

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、企業価値の継続的向上を図るとともに、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置付けております。

 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

 これらの剰余金の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 配当につきましては、安定した配当を継続的に実施することを基本として、各事業年度の業績、財務状況、今後の事業展開等を総合的に勘案して決定しております。

 内部留保資金につきましては、財務体質の強化、今後成長が見込める事業分野への投資、設備投資などに活用してまいりたいと考えております。

 当社は、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定めのある事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる。」旨を定款に定めております。また、当社定款において、期末配当の基準日は毎年8月31日とし、中間配当の基準日は毎年2月末日とする旨を定めております。

 なお、当社は連結配当規制適用会社であります。

 

当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2025年3月31日

45

5

取締役会決議

2025年11月26日

45

5

定時株主総会決議(予定)