2024年9月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

広告事業 トレカ事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
広告事業 1,340 85.8 -185 - -13.8
トレカ事業 221 14.2 -6 - -2.5

事業内容

 

3 【事業の内容】

(1) セグメント及び事業の概要

当社では『「楽しい」で世界をつなぐ』を経営理念に掲げ、広告事業、トレカ事業、その他事業の3つの報告セグメントでの事業を主として行っております。

当社の事業セグメント、当該セグメントに係る事業の概要は以下のとおりであります。

なお、当事業年度より、報告セグメントを変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(2024年9月30日現在)

セグメントの名称

事業の概要

広告事業

インターネット広告の企画・制作・運営等

システム等の受託開発、運用保守等

トレカ事業

トレーディングカードの販売等

その他事業

IoTヘルスケア領域における企画・開発・販売・運用等

 

 

(2) 事業の具体的内容

2024年9月30日現在における事業の具体的内容は以下のとおりであります。

 

① 広告事業

数多くのインターネット広告媒体(掲載メディア)をネットワーク化の上、広告主に当該ネットワーク内の広告枠を販売し、手数料を収受する広告ネットワークサービス及び他社サービスを用いた広告運用を行うトレーディングデスクを提供しております。

また、今まで様々なサービスを開発、運営してきた実績を活かして、他社サービスのシステム開発を受託しております。

 

[事業系統図]

 


 

② トレカ事業

トレカ事業として、トレーディングカード(以下「トレカ」といいます)の販売・買取のノウハウを保有する業務提携先とトレカの販売に特化した自動販売機の共同運営を開始しております。今後は店舗やECサイトの展開も視野に入れ、事業を拡大してまいります。

 

③ その他事業

IoTヘルスケアに関連するサービスとして、プロダクト開発企業が持つ様々な機器、サービス等に、当社が開発するシステムを組み合わせ、ワンストップのIoTヘルスケアソリューションを提供しております。IoT分野やヘルスケア分野のノウハウおよびスマホアプリ開発の技術を活かしたIoTヘルスケア関連のプロダクト及びサービス等も取り扱ってまいります。

 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当事業年度における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調で推移しているものの、国際情勢等を背景としたエネルギー・原材料価格高騰に伴う物価上昇や金融政策の見直しによる懸念等もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社が主にサービスを提供しているインターネット広告関連分野においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展を背景に成長を続けております。業種により広告需要が増している一方で、当社主要顧客である国内の電子書籍及びゲーム領域の業種では広告需要が減少する等、広告主の事業性ごとに需要変動が激しい状況が続いております。

また、前期より参入したトレーディングカード市場においては、ユーザー層の裾野が広く、一般社団法人日本玩具協会によると、2023年度のカードゲーム・トレーディングカード市場規模は、前年比118.1%となる2,774億円に拡大しております。

このような環境の下、当社では、広告事業において事業環境による影響を最小限に抑えるため、主要顧客である電子書籍領域及びゲーム領域以外の新規顧客層の拡大に取り組んでおります。また、事業全体を早期に高利益率の事業構造に転換することを加速させるため、「トレカ事業の拡大」及び「ヘルスケア事業の拡大」を成長戦略とし事業を推進しております。

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高1,584,443千円(前年同期比26.1%減)、営業損失305,452千円(前年同期は98,874千円の営業損失)、経常損失250,164千円(前年同期は100,621千円の経常損失)、当期純損失388,567千円(前年同期は102,421千円の当期純損失)、EBITDAは289,007千円の赤字(前年同期は95,370千円の赤字)となりました。

(※)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

(広告事業)

広告事業の売上高は1,339,627千円(前年同期比35.7%減)、セグメント損失は184,540千円(前年同期は32,883千円のセグメント利益)となりました。

当社主要顧客である国内の電子書籍及びゲーム領域の業種では、依然として広告需要が低迷しております。このような事業環境の中、当社は海外顧客による広告需要の取り込みや、新規顧客層の拡大を目指した施策に努めておりますが、一部大口顧客の広告予算縮小なども影響し、売上高は減少傾向にあります。今後も早期の収益回復を図るため、サービスの充実化や新規顧客層への営業に取り組んでまいります。

また、システム等の受託開発、運営保守は、取引先から継続受注しております。

 

(トレカ事業)

トレカ事業の売上高は221,443千円(前年同期比1,071.9%増)、セグメント損失は5,603千円(前年同期は579千円のセグメント利益)となりました。

当社は、業務提携先である株式会社エイチ・エム・ワイが展開するサービスブランド「トレカ横丁」の自動販売機を共同運営し、順調に取り扱い台数を増やしております。トレカ自動販売機を共同運営することで、全国に350台以上設置された自動販売機の販売データが日々インターネットを通じて蓄積されており、いつ、どこで、どの商品が売れたかを把握することが可能です。このデータを基に、需要があるエリアや商品ラインナップを分析し、最適な出店計画を立て、多店舗展開による事業拡大を図ってまいります。現在、自社店舗の出店とECサイトの公開に向けた準備を進めております。

なお、当事業年度より、従来、その他事業に含まれていたトレカ事業について量的な重要性が増したため報告セグメントとして記載する方法に変更しております。

 

(その他事業)

その他事業の売上高は23,372千円(前年同期比43.4%減)、セグメント損失は18,203千円(前年同期は41,984千円のセグメント損失)となりました。

IoT事業が取り扱う積雪深自動モニタリングシステム「YUKIMI」は、来シーズン(2024年12月~2025年3月)に向けて、営業体制の強化を図っております。特に、山形県内の自治体に関しては、東日本電信電話株式会社山形支店と共同で導入提案を進めております。また、季節に左右されず1年を通して導入可能な新たな商材の開拓も進めております。

 

また、ヘルスケア事業では、引き続き、感染症プラットフォームの早期実用化及び事業展開に向けて事業推進しております。当社では、今後より柔軟かつ迅速性がある事業展開を実現するため、ヘルスケア領域を推進する事業会社として完全子会社であるアクセルメディカ株式会社を設立するとともに、同社において第二種医療機器製造販売業許可等を申請しております。これらの資格取得後は、さらに幅広い事業展開が可能となり、高い成長性を実現してまいります。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ497,406千円減少し、925,053千円となりました。流動資産は、前事業年度末に比べ507,741千円減少し、674,502千円となりました。これは、主に商品及び製品が16,017千円増加したものの、現金及び預金が395,108千円、売掛金が122,355千円減少したこと等によるものであります。

固定資産は、前事業年度末に比べ10,334千円増加し、250,551千円となりました。これは、主に有形固定資産が11,101千円、無形固定資産が99,884千円減少したものの、関係会社株式が148,310千円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ110,431千円減少し、457,941千円となりました。これは、主に買掛金が103,695千円、未払金が17,626千円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ386,975千円減少し、467,112千円となりました。これは、主に当期純損失388,567千円を計上したことによるものであります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて395,108千円減少し、510,929千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは288,001千円の減少となりました。これは、主に減損損失145,833千円の計上、売上債権の減少122,355千円等があったものの、税引前当期純損失387,617千円の計上、投資事業組合運用益49,040千円の計上、仕入債務の減少103,695千円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは108,306千円の減少となりました。これは、主に出資金の分配による収入56,811千円、敷金保証金の返還による収入21,104千円があったものの、無形固定資産の取得による支出51,013千円、投資有価証券の取得による支出143,310千円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは1,200千円の増加となりました。これは、新株予約権の発行による収入1,200千円があったことによるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

ア.生産実績

該当事項はありません。

 

イ.受注実績

当社は、受注から納品までの期間が短期間のため記載を省略しております。

 

ウ.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

広告事業

1,339,627

△35.7

トレカ事業

221,443

1,071.9

その他

23,372

△43.4

合計

1,584,443

△26.1

 

(注)当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度
(自 2022年10月1日
 至 2023年9月30日)

当事業年度
(自 2023年10月1日
 至 2024年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

CTW株式会社

236,263

11.0

372,355

23.5

株式会社エイチ・エム・ワイ

221,443

14.0

株式会社アドレア

181,699

11.5

IBGメディア株式会社

328,132

15.3

株式会社グローバルネット

316,441

14.8

株式会社インサイト

292,932

13.7

株式会社フロンテッジ

220,014

10.3

 

1.主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

2.前事業年度の株式会社エイチ・エム・ワイ、株式会社アドレアに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、本報告書提出日において当社が判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ497,406千円減少し、925,053千円となりました。流動資産は、前事業年度末に比べ507,741千円減少し、674,502千円となりました。これは、主に商品及び製品が増加したものの、現金及び預金や売掛金が減少したこと等によるものであります。

固定資産は、前事業年度末に比べ10,334千円増加し、250,551千円となりました。これは、主に有形固定資産や無形固定資産が減少したものの、関係会社株式が増加したこと等によるものであります。

負債合計は、前事業年度末に比べ110,431千円減少し、457,941千円となりました。これは、主に買掛金や未払金が減少したこと等によるものであります。

純資産合計は、前事業年度末に比べ386,975千円減少し、467,112千円となりました。これは、主に当期純損失を計上したことによるものであります。

 

(売上高)

当事業年度の売上高は1,584,443千円(前年同期比26.1%減)となりました。広告事業において、主要顧客である電子書籍及びゲーム領域のインターネット広告需要が減少する等の事業環境の悪化による影響が大きく、前年同期比で減収となりました。

 

(営業利益)

当事業年度の営業損益は305,452千円の営業損失(前年同期は98,874千円の営業損失)となりました。減収による売上総利益の減少と、組織体制の強化に伴う人件費や採用宣伝費等の販売費及び一般管理費が増加したことにより、営業利益は減益となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

当事業年度の経常損益は250,164千円の経常損失(前年同期は100,621千円の経常損失)となりました。投資事業組合運用益や保有する暗号資産などにかかる暗号資産評価益等を営業外収益として計上したものの、新株発行にかかる費用等を営業外費用として計上したこと等により、経常利益は減益となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度の当期純損益は388,567千円の当期純損失(前年同期は102,421千円の当期純損失)となりました。長期貸付金の回収により貸倒引当金戻入額を特別利益に計上したものの、広告事業で資産として計上していたソフトウエア及び共有資産の減損損失を特別損失として計上したこと等により、当期純損失を計上しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

資金需要及び資金調達につきましては、当社が成長戦略として掲げているトレカ事業及びヘルスケア事業の事業拡大を推進しつつ、安定した事業運営を行うためには、対処すべき課題における諸施策の実行、キャッシュ・フローの改善を進め、財務基盤の安定化を図る必要があると認識しております。

資金調達につきましては、2024年11月に第三者割当による第29回新株予約権(行使価額修正条項付)及び第30回新株予約権の発行をしております。これらの新株予約権の行使により、財務基盤の安定化に努めてまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。この財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に関して情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。