2023年9月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

広告事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
広告事業 2,085 100.0 33 100.0 1.6

事業内容

 

3 【事業の内容】

(1) セグメント及び事業の概要

当社では『「楽しい」で世界をつなぐ』を経営理念に掲げ、広告事業、その他事業の2つの報告セグメントでの事業を主として行っております。

当社の事業セグメント、当該セグメントに係る事業の概要は以下のとおりであります。

 

(2023年9月30日現在)

セグメントの名称

事業の概要

広告事業

インターネット広告の企画・制作・運営等

システム等の受託開発、運用保守等

その他事業

ブロックチェーンゲームの配信等

IoTソリューションの企画・開発・販売・運用等

トレーディングカードの販売等

 

 

(2) 事業の具体的内容

2023年9月30日現在における事業の具体的内容は以下のとおりであります。

 

① 広告事業

数多くのインターネット広告媒体(掲載メディア)をネットワーク化の上、広告主に当該ネットワーク内の広告枠を販売し、手数料を収受する広告ネットワークサービス及び他社サービスを用いた広告運用を行うトレーディングデスクを提供しております。

また、今まで様々なサービスを開発、運営してきた実績を活かして、他社サービスのシステム開発を受託しております。

 

[事業系統図]

 


 

② その他事業

IoTに関連するサービスとして、プロダクト開発企業が持つ様々な機器、サービス等に、当社が開発するシステムを組み合わせ、ワンストップのIoTソリューションを提供しております。IoT分野のノウハウおよびスマホアプリ開発の技術を活かしたIoTヘルスケア関連のプロダクト及びサービス等も取り扱ってまいります。

また、トレーディングカード事業として、トレーディングカード(以下「トレカ」といいます)の販売・買取のノウハウを保有する業務提携先とトレカの販売に特化した自動販売機の共同運営を開始しております。今後は店舗やECサイトの展開も視野に入れ、事業を拡大してまいります。

なお、ブロックチェーンに関連するサービスに関しては、一般消費者に対し、ブロックチェーンゲームを配信しておりましたが、ブロックチェーンゲームの収益性が低く、将来的な見通しが立たないため、ゲームタイトルの配信権の譲渡やサービス終了に向けた対応を開始しております。ブロックチェーン技術においては可能性のある技術であると経営判断しており、これまで培ったノウハウを活かし、今後ゲーム領域以外での技術転用による事業展開を模索してまいります。

 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当事業年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により、社会経済活動について回復基調にあるものの、国際情勢等による資源価格の高騰や円安の継続、世界的な金融引き締めにより企業を取り巻く環境は、依然として先行き不透明な状況が継続しております。

当社が主にサービスを提供しているインターネット広告関連分野においては、日本社会におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速したこともあり、順調に拡大を続けているほか、ChatGPTをはじめとするAI(人工知能)を用いた「生成系AI」が、今後の技術革新として大きな注目を集めており、様々な分野での社会実装が期待されております。

また、当社が本年9月より新規事業として参入したトレーディングカード市場においても、ユーザー層の裾野が広く、一般社団法人日本玩具協会によると、カードゲーム・トレーディングカード市場の2022年度における市場規模は、前年比132.2%となる2,349億円に拡大しております。

このような環境の下、当社では、前事業年度から中長期的な事業成長に向け、広告事業を中心とした大規模な事業投資が必要と判断し、AI(人工知能)を活用した新たな広告配信プラットフォームの開発を進めております。

また、事業拡大に向け、積極的な人員拡充や組織体制強化等、働く環境への投資を実施しており、企業成長の源泉である「人材」の力を最大限に引き出せるような人的資本経営の実現を通じ、企業価値向上を図っております。

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高2,144,815千円(前年同期比19.7%減)、営業損失98,874千円(前年同期は13,196千円の営業利益)、経常損失100,621千円(前年同期は10,274千円の経常利益)、当期純損失102,421千円(前年同期は100,629千円の当期純損失)となりました。

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(広告事業)

広告事業の売上高は2,084,623千円(前年同期比21.6%減)、セグメント利益は32,883千円(前年同期比76.9%減)となりました。

アドネットワーク「ADroute」は、新規取引先や広告枠の獲得にて徐々に売上高が回復しております。一方で、運用代行サービス「トレーディングデスク」は、経済活動の再開に伴う需要動向の変化や市況感による停滞もあり売上高が減少しております。また、システム等の受託開発、運営保守は、取引先から継続受注しております。

なお、当事業年度より、広告事業においては、中長期的な事業成長のための大規模なシステム開発を含む先行投資を実施しております。

 

(その他事業)

その他事業の売上高は60,192千円(前年同期比360.9%増)、セグメント損失は41,404千円(前年同期は15,140千円のセグメント損失)となりました。

その他事業には、ブロックチェーンゲーム配信等及びIoTソリューションの企画・開発・販売・運用等が含まれております。

ブロックチェーン関連では、ブロックチェーンゲームの収益性が低く、将来的な見通しが立たないため、ゲームタイトルの配信権の譲渡やサービス終了に向けた対応を開始しておりますが、ブロックチェーン技術においては可能性のある技術であると経営判断しており、これまで培ったノウハウを活かし、今後ゲーム領域以外での技術転用による事業展開を模索してまいります。

また、積雪深自動モニタリングシステム「YUKIMI」は、次のシーズン(2023年12月~2024年3月)に向けて営業強化を図り、内閣府より実施されているデジタルを活用した地方の社会課題解決・魅力向上の取り組みを支援する「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を活用した取り組みの提案によって、複数の自治体から受注しております。

なお、その他事業では、当事業年度の第4四半期会計期間より、新たに開始したトレーディングカード事業を含んでおり、第4四半期会計期間より業績に寄与しております。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ138,052千円減少し、1,422,460千円となりました。流動資産は、前事業年度末に比べ293,782千円減少し、1,182,243千円となりました。これは、主に流動資産のその他が18,972千円増加したものの、現金及び預金が334,059千円、売掛金が10,441千円減少したこと等によるものであります。

固定資産は、前事業年度末に比べ155,729千円増加し、240,216千円となりました。これは、主に長期貸付金が5,400千円減少し、ソフトウエア仮勘定が99,640千円、敷金及び保証金65,147千円が増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ57,009千円減少し、568,373千円となりました。これは、主に買掛金が12,962千円、賞与引当金が16,340千円、転換社債型新株予約権付社債が22,290千円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ81,042千円減少し、854,087千円となりました。これは、主に当期純損失102,421千円を計上したものの、転換社債型新株予約権付社債の転換により資本金及び資本剰余金がそれぞれ11,145千円増加したこと等によるものであります。なお、2023年2月の欠損填補を目的とした減資により、資本金が167,178千円減少し、資本剰余金が66,548千円、利益剰余金が100,629千円増加しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて334,059千円減少し、906,037千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは172,862千円の減少となりました。これは、主に売上債権の減少10,441千円、未払金の増加12,261千円の計上等があったものの、税引前当期純損失101,471千円の計上、棚卸資産の増加が30,991千円、仕入債務の減少12,962千円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは162,208千円の減少となりました。これは、主に長期貸付金の回収による収入5,400千円があったものの、無形固定資産の取得による支出102,461千円、敷金保証金の差し入れによる支出65,147千円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは1,012千円の増加となりました。これは、新株予約権の発行による収入1,012千円があったことによるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

ア.生産実績

該当事項はありません。

 

イ.受注実績

当社は、受注から納品までの期間が短期間のため記載を省略しております。

 

ウ.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

広告事業

2,084,623

△21.6

その他

60,192

360.9

合計

2,144,815

△19.7

 

(注)当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度
(自 2021年10月1日
 至 2022年9月30日)

当事業年度
(自 2022年10月1日
 至 2023年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

IBGメディア株式会社

512,834

19.2

328,132

15.3

合同会社DMM.COM

405,470

15.2

株式会社グローバルネット

325,727

12.2

316,441

14.8

株式会社インサイト

292,932

13.7

CTW株式会社

236,263

11.0

株式会社フロンテッジ

220,014

10.3

 

1.主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

2.前事業年度の株式会社インサイト、CTW株式会社、株式会社フロンテッジに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、本報告書提出日において当社が判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ138,052千円減少し、1,422,460千円となりました。流動資産は、前事業年度末に比べ293,782千円減少し、1,182,243千円となりました。これは、主に流動資産のその他が増加したものの、現金及び預金や売掛金が減少したこと等によるものであります。

固定資産は、前事業年度末に比べ155,729千円増加し、240,216千円となりました。これは、主に長期貸付金が減少し、ソフトウエア仮勘定や敷金及び保証金が増加したこと等によるものであります。

負債合計は、前事業年度末に比べ57,009千円減少し、568,373千円となりました。これは、主に買掛金や賞与引当金の減少、転換社債型新株予約権付社債の当社普通株式への転換による減少等によるものであります。

純資産合計は、前事業年度末に比べ81,042千円減少し、854,087千円となりました。これは、主に当期純損失を計上したものの、転換社債型新株予約権付社債の転換により資本金及び資本準備金が増加したこと等によるものであります。

 

(売上高)

当事業年度の売上高は2,144,815千円(前年同期比19.7%減)となりました。ブロックチェーン関連事業でサービス開始を予定していたタイトルの開始時期が延期されたことやユーザー数や課金額等の推移が想定を下回ったこと、広告事業で一部大口顧客の方針変更に伴い出稿量が減少したことなどの影響により、前年同期比で減収となりました。

 

(営業利益)

当事業年度の営業損益は98,874千円の営業損失(前年同期は13,196千円の営業利益)となりました。減収による売上総利益の減少と、当事業年度から実施している中長期的な事業成長に向けた大規模な事業投資による販売費及び一般管理費の費用増加により、営業利益は減益となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

当事業年度の経常損益は100,621千円の経常損失(前年同期は10,274千円の経常利益)となりました。受取利息や保有する暗号資産などにかかる暗号資産評価益を営業外収益として計上したものの、投資事業組合運用損や新株発行にかかる費用等を営業外費用として計上したこと等により、経常利益は減益となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度の当期純損益は102,421千円の当期純損失(前年同期は100,629千円の当期純損失)となりました。

ブロックチェーンゲームのパブリッシング権取得対価として権利金を無形固定資産に計上しておりましたが、この度の契約終了に伴い権利金償却を特別損失に計上したこと等により、当期純損失を計上しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

当社の運転資金需要のうち主なものは、広告出稿に伴う媒体費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、運転資金は自己資金及び転換社債型新株予約権付社債の発行や新株予約権の行使により調達した資金を基にしております。

資金調達につきましては、2021年4月に第三者割当により転換社債型新株予約権付社債及び新株予約権を発行したこと、その後これらの行使が行われたことにより資金を調達しており、想定される資金需要に十分に対応できる資金を確保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。この財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に関して情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。