リスク
3【事業等のリスク】
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を十分認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
また、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)事業内容に関するリスクについて
①市場の動向について
当社グループは、コンピュータの性能を最大限に引き出し大量データの高速処理を実現するソフトウェア開発・高速化サービスと、その周辺事業に特化して取り組んでおります。ソフトウェア開発市場の中において急速に重要性が高まっている高速化分野で、これらの分野における先駆けとなるべく事業を拡大してまいりました。当社グループは、本事業分野は今後も順調に成長すると予測しており、引き続き同分野に特化して事業を推進する計画です。
しかしながら、今後何らかの事情により当社グループの予測通りに市場が成長しない場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②技術革新への対応について
当社グループは、コンピュータの性能を最大限に引き出し大量データの高速処理を実現するソフトウェア開発・高速化サービスと、その周辺事業に経営資源を集中的に投下していることに加え、最先端技術にも対応すべく努めており、それにより当社グループの差別化要因がもたらされていると認識しております。
しかしながら、これらの技術を含むIT技術の革新スピードにはめざましいものがあり、かつ当社グループの成果物である商品及びサービスはお客様企業を通じて世界的な競争に晒されていることから、当社グループには常に世界最先端レベルの技術力が期待されております。今後当社グループが最先端のIT技術に迅速かつ十分な対応をすることができなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③特定販売先への依存について
当社グループはキオクシア㈱に対する売上割合が高く、当連結会計年度においては、全売上高の27.1%を占めております。今後も同社との取引量は継続し、同社に対する売上割合は引き続き高い水準で推移する見込みであります。 当社グループといたしましては、同社業務において欠かすことのできない存在となるべくこれまで以上に技術力の向上に努めるとともに、当社グループの技術力を活かせる新たな分野、新たな販売先への売上拡大にも積極的に取り組んでいく方針です。
しかしながら、キオクシア㈱向けのプロジェクトが変更もしくは中止となり、同社向け売上が大きく減少した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)会社組織のリスクについて
①特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である三木聡は、当社の創業者であり、創業以来当社の最高経営責任者として、当社グループの経営方針及び事業戦略を決定するとともに、新規ビジネスの開拓及びビジネスモデルの構築から事業化に至るまでの過程において重要な役割を果たしております。
当社グループは、権限の委譲や人材の育成、取締役会や経営会議等において役員及び幹部従業員の情報共有を図ることで、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②人材の確保及び育成並びにエンジニア等の退職に関連するリスクについて
当社グループの事業は、その大半がエンジニア等のヒューマンリソースに依存しております。当社グループにおける今後の事業拡大に伴い、その業務においてますますエンジニア等の専門化及び高度化が進むことが想定されることから、様々な採用活動等を通じて、優秀なスキルをもった人材の確保に加え、OJTや社内教育による能力向上を図っております。
また、当社グループは、ストック・オプション制度及び従業員持株会制度を導入するほか、魅力的な職場環境を提供し役職員の士気や意欲を高めることにより、人材の確保を図っております。
しかしながら、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適切な人材を十分確保できなかった場合には、当社グループの事業拡大が制約を受ける可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。加えてエンジニア等の退職者が一時的に多数発生した場合、当社グループの技術力や開発力が低下し、当社グループの事業拡大が制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③パートナー企業の活用について
当社グループは、業容の拡大に伴い、事業運営に際して協力会社等のさまざまなパートナーとの連携体制を構築しプロジェクトを遂行しております。優秀なパートナーを適宜、適正に確保できない場合、当社グループの開発力が低下し、当社グループの事業拡大が制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他
①法的規制について
当社グループでは、当社グループの事業の継続を困難にさせるような法的規制は存在していないと認識しております。しかしながら、今後法制度の改正により当社グループの事業分野に関連する何らかの規制がなされた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②不採算プロジェクトの発生について
当社グループは、想定される工数や難易度等を基に見積りを作成しプロジェクトを受注しております。当社グループはお客様との認識や開発想定工数が大幅に乖離することが無いように、開発工数の算定とプロジェクトの進捗管理を行っておりますが、事前に開発工数やその成果を完全に見込むことは困難であります。
従って、不測の事態等により、開発工数が増大しプロジェクトの収支が悪化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③知的財産権について
・当社グループ保有の知的財産権について
当社グループでは、知的財産権が重要な経営資源の一つであるという認識のもと、知的財産権の保全に積極的に取り組んでおります。職務発明規程を制定し、職務発明審査会において審議のうえ知的財産権の取得を行っております。しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・当社グループによる第三者の知的財産権の侵害について
当社グループによる第三者の知的財産権の侵害の可能性については、顧問弁護士及び弁理士事務所と連携し、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、特に新商品に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識することなく他社の特許等を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、ロイヤリティの支払いや損害賠償請求等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④災害・感染症の拡大・事故等について
当社グループは、首都圏を中心に事業活動を行っております。首都圏における地震・火災等の大規模災害や重大な感染症が発生した場合に備え、体制の整備を行っておりますが、通信・交通機関等の社会インフラや、当社グループの事業拠点・従業員等に被害が生じた場合、業務の全部又は一部が停止し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主への利益の還元を経営の最重要課題の一つとして認識しており、中期的な連結配当性向30%を目標としております。実際の配当金額の決定に際しては、将来に向けての事業展開と経営基盤の強化に必要な内部留保を確保しつつ、配当性向を勘案し、業績に応じた積極的かつ弾力的な利益配当を行っていくことを基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本的な方針としております。
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議をもって剰余金の配当を行うことができる旨及び期末配当の基準日を毎年9月30日、中間配当の基準日を毎年3月31日とする旨を定款で定めております。
当事業年度の剰余金の配当に関しては、株主に対する利益還元を継続して実施していくとの基本方針のもと、1株当たり13円としております。内部留保資金につきましては、財務体質の強化、今後予想される経営環境の変化への対応及び事業展開のための資金として有効に活用していく所存であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年12月20日 |
418,307 |
13.0 |
定時株主総会決議 |