事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| (単一セグメント) | 10,302 | 100.0 | 5,782 | 100.0 | 56.1 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社北里コーポレーション)、連結子会社4社(株式会社北里バイオサイエンス、株式会社北里検査センター、株式会社北里ヘルスケア、株式会社北里クライオバンク)、非連結子会社1社(Kitazato America, Inc.)で構成されております。
当社グループは、人工授精及び体外受精、細胞凍結保存(※1)、再生医療における生殖工学技術に特化し、不妊治療を行うため、市場の期待に応えるべく製品を開発・製造し、日本、欧州、米国、中国、インド等の世界中のマーケットに自社製品を供給しております。
会社別では、当社は不妊治療をサポートする医療機器や試薬などの主に消耗品の製造・販売、株式会社北里バイオサイエンスは医療機器の部品等の製造・販売、株式会社北里検査センターは遺伝子検査、株式会社北里ヘルスケアは高齢者向け医療機器の販売、Kitazato America, Inc.では、米国における輸入卸業、製品販売、市場調査・現地での許認可などの取得を行っております。また、株式会社北里クライオバンクは生体細胞の受託管理などに取り組むことを目的として設立し、事業開始に向けて準備中であります。
当社グループが使命と捉え、重視しているのは「生殖医療における新たな可能性の追求」です。その使命のために、世界中の医師や研究者との共同研究を通じ、過去に蓄積された専門技術や知識を有効に活かし、既存技術の改善と新たな技術の創出に取り組んでおります。
当社グループの商流につきましては、外部の取引先や部材を製造している子会社から原材料を仕入れ、当社の工場で医療機器の製造等を行い、日本国内の医療機関や代理店(ディストリビューター方式)を通して海外の医療機関への販売を行っております。当社グループの製品は、国内では病院、クリニックを通じて「Cryotop」、「ETカテーテル」や「卵子・受精卵凍結用試薬」などの多くの製品を患者様にご利用いただいております。また、海外では世界約110ヵ国・地域で自社製品を販売するため、2025年4月30日時点において世界で約80社の代理店ネットワークを通じて供給が行われております。
不妊治療は、基本的には以下の4つの方法が行われており、まずは①タイミング法を行い、妊娠に至らない場合は、②人工授精、③体外受精、④顕微授精へと進んでいくことが一般的です。
当社グループで扱う製品は、主に③体外受精、④顕微授精で利用する研究用試薬や医療機器になります。これらは高度生殖医療とも呼ばれており、一般的な不妊治療で使用する製品に比べて高度な専門性を必要とする製品となります。
「不妊治療の概要」
※上記のうち、「高度な不妊治療」が当社グループ製品を主に使用する領域となります。
「当社取扱製品の説明」
当社グループの提供する不妊治療に関する医療機器等は、以下のように製品区分されます。なお、当社グループは医療機器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社グループの事業の特徴は以下のとおりとなっております。
① 不妊治療におけるすべての工程で製品を提供
当社グループが扱う主な製品は、「卵子採取・洗浄」、「精子採取・洗浄」、「受精」、「培養」、「移植」のフェーズで利用されますが、当社グループでは、不妊治療における卵子及び精子の採取、洗浄、培養、受精、卵子や胚の凍結保存及び融解に至るすべての工程にかかわる製品を静岡本社工場又は東京オフィスにて総合的に提供可能であることが強みとなっております。
② Made in Japanに裏付けされた技術力
当社グループでは、すべての製品の製造を静岡本社工場及び東京オフィスにおいて国内生産しており、Made in Japanに裏付けされた品質水準で、安心、安全な医療器具の提供を目指しております。当社グループの製品は、1本1本を手作業で作製しており、数mm又は数µm単位の差のカスタム製品の製造が可能な技術力を有しております。そのため、ユーザーニーズに見合った柔軟な製品の製造が可能になっております。
また、特に凍結分野における開発を世界で先駆けて行ってきたことから、同分野において世界各国で当社の製品が使用されております。
体外受精では卵子及び受精卵を凍結保存することで、より良いタイミングでの胚移植を実現し、妊娠率を高める凍結プログラムがあります。当社グループでは、超急速ガラス化法(※)を用いて、卵子/受精卵(胚)を凍結保存する試薬及び保存機器の開発製造に携わり、医療施設における高い生存率の実現に貢献してきました。
(※)超急速ガラス化法は、胚に凍結保護剤を浸透させた後、ガラス化液につけて細胞内の水分を抜き、-196°Cの液体窒素に瞬時に入れて急速に温度を下げることで胚をガラス化(非結晶化)させ、細胞の破壊を防ぎます。
③ グローバルでの販売力
当社グループの製品を使用するユーザーは個人病院や大病院であり、国内では「Cryotop」、「ETカテーテル」や「卵子・受精卵凍結用試薬」などの多くの製品をご利用いただいております。また、海外では、世界約110ヵ国・地域で自社製品を販売するために、当連結会計年度末時点において世界約80社の代理店(ディストリビューター方式)ネットワークを有しております。特に近年では、規模、成長性ともに大きい米国、中国を中心として顧客拡大に注力しております。
これを可能としているのは、代理店や医療機関との連携による製品・サービスの使用状況の把握、また、それらに対する意見や評価に基づく的確なユーザーニーズの把握に拠るところが大きく、そのうえで、迅速に対応できる営業能力とそのユーザーニーズ等を製品に落とし込む確かな技術力や応用力が顧客拡大へつながっているものと考えております。このような技術力・応用力の裏付けとして、世界各国の大学病院やクリニックとの共同開発・共同研究の連携を行っていることが挙げられます。
なお、当社グループと継続的に関連当事者取引が発生している取引先及びその事業内容、取引内容の概要は次のとおりであります。
Biomedical Supply, S.L.
当社の社外取締役が代表者である取引先であり、スペインにおいて生殖補助医療器具の流通販売を行っており、海外の販売代理店として当社製品の販売取引があります。
Biomedical Supply US, Inc.
当社の社外取締役が代表者である取引先であり、米国において生殖補助医療器具の流通販売を行っており、海外の販売代理店として当社製品の販売取引があります。
[事業系統図]
前述した事項を事業系統図によって示すと次のとおりになります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは医療機器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、19,748百万円となり、前連結会計年度末と比較し、1,891百万円増加しました。これは主に新社屋建設に伴う建設仮勘定が691百万円増加、現金及び預金が956百万円増加したことによるものです。
(負債)
負債合計は、1,499百万円となり、前連結会計年度末と比較し、297百万円減少しました。これは主に未払法人税等が322百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は、18,249百万円となり、前連結会計年度末と比較し、2,188百万円増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益による増加が3,788百万円あった一方で、配当金の支払いによる減少が1,600百万円あったためです。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境は緩やかに改善し、個人消費も物価上昇の影響などがみられるものの緩やかな回復傾向となりました。一方、不安定な国際情勢等による資源価格の高騰や金融資本市場の変動などが懸念され、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
不妊治療分野では、世界各国でライフスタイルの変化や少子化の進行、人口減少に伴って不妊治療の需要が増加しており、この傾向が市場全体の成長を後押ししています。加えて、生殖補助医療技術に対する社会的な理解と認知度の向上、政府の支援政策及び補償制度の改善は、市場の成長を支える重要な要因の一つであると考えております。
このような環境の中、当社グループは不妊治療に関連する製品を開発・製造し、世界中のマーケットに自社製品を供給しております。人工授精、体外受精、細胞凍結保存及び再生医療における生殖工学技術に特化し、市場の期待に応えるべく製品の提供を行っております
以上の結果、当連結会計年度の売上高は10,302百万円(前期比2.2%増)、営業利益は5,782百万円(前期比2.2%減)、経常利益は5,767百万円(前期比3.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,788百万円(前期比4.6%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ986百万円増加し、11,460百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,526百万円(前年同期は4,500百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,741百万円、棚卸資産の減少額173百万円があったものの、売上債権の増加額271百万円、法人税等の支払額2,257百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は880百万円(前年同期は89百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出899百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は1,658百万円(前年同期は2,072百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額1,600百万円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。なお、当社グループは医療機器事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注) 金額は当期総製造費用によっております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は次のとおりであります。なお、当社グループは医療機器事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注) 金額は仕入金額によっております。
c.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは医療機器事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績を販売地域ごとに示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
3.前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績を製品群ごとに示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の状況の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
ロ.経営成績の状況の分析
(売上高)
当連結会計年度における当社グループの売上高は、10,302百万円(前期比2.2%増)となりました。
国内は、卵子・胚ガラス化凍結液の新製品の投入や、お客様と当社の発注・受注業務簡素化の為のECサイトの立上げ等拡販に向けた取り組みを進めておりますが、競合各社の価格攻勢等により厳しい状況が続き、売上高3,496百万円(前期比4.4%減)となりました。
海外は、中国において胚移植用カテーテルの認証申請に時間を要し販売が遅れる一方、欧州では胚移植用カテーテルの「RYDEN」などの新製品展開や精子調整用試薬や顕微授精用試薬の新展開が進んだこと、米国では2023年7月に代理店がCalifornia Cryobank LLCからBiomedical Supply US, Inc.へ変更となり営業体制が整ったこと等から、売上高6,805百万円(前期比6.0%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上総利益は、製品の生産販売量の組み合わせの変化等により売上原価率が上昇した影響を受け6,974百万円(前期比0.9%減)となりました。
(営業利益)
営業利益は、管理体制強化のための人件費の増加や、支払報酬等の増加などにより5,782百万円(前期比2.2%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、上場準備費用の計上などにより5,767百万円(前期比3.8%減)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
2024年4月、5月に生じた海外送金詐欺に係る特別損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は3,788百万円(前期比4.6%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本政策につきましては、経営基盤の強化及び積極的な事業展開のために内部留保を図り、財務体質の強化と事業拡大のための投資に充当するとともに、配当についても安定的に実施してまいります。
また、当社グループにおける資金需要の主なものは、既存事業の持続的成長の投資資金や原材料費・労務費・外注費・販売費及び一般管理費等の事業に係る運転資金であります。
当社グループは必要となった資金については、主として内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものを活用しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は11,460百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、合理的判断に基づき一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映しております。また、これらの見積りについては将来事象の結果に特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当社の採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産について、将来の課税所得の見込み等により、回収可能性が高いと判断できる金額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見込み等に依存するため、前提条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が調整され税金費用として計上される可能性があります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に含めて記載しております。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に外部環境の変化に関する情報を入手・分析し、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、有効な解決策を実施していく方針であります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上総利益を基本的な経営指標としております。当連結会計年度における売上総利益は製品の生産販売量の組み合わせの変化等により6,974百万円となり、前連結会計年度に比べ、66百万円(0.9%減)の減益となりましたため、原価低減活動を進めるなどして引き続き当該指標の向上に取り組んでまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループは、医療機器事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
当社グループは、医療機器事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
当社グループは、医療機器事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。