2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) マクロ動向の影響について

わが国経済は、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。先行きについては、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に留意する必要があるものと考えられます。

 

(2) 通信事業者との代理店契約について

①代理店契約について

当社グループの主な事業分野である携帯電話サービス等の販売・取次事業は、各通信事業者と代理店契約に基づく所定の条件の下で展開しております。各通信事業者との代理店契約は、通信事業者および当社が契約継続に同意する限り自動的に更新されますが、当社の株主構成または経営主体に重大な変更等があった場合は、通信事業者において手数料の支払い停止や代理店契約を解除できる旨等が定められているため、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

②移動体通信市場における市場環境や通信事業者の事業方針について

当社グループのコンシューマ事業においては、事業活動の前提として通信事業者が提供する通信サービスや携帯電話端末等に依存しています。近年は新規参入事業者やMVNOとの競争を活性化させるための関係法令・ガイドラインの改正等により通信事業者間の料金、サービス、品質等の競争が激しくなっており、各通信事業者間の競合状況が、当社の各通信事業者の契約数に影響を及ぼす可能性があります。

 

③取引条件について

当社グループのコンシューマ事業、法人事業においては、通信事業者が取り扱う携帯電話端末等の仕入れ販売や、通信サービスの取次を行うことによる取次手数料、店舗を受託運営することによる対価で利益を得ています。これらの取引条件は各通信事業者の方針により定期的に見直しが行われるため、大幅な変更が行われた場合は当社業績にも重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 各事業に共通のリスクについて

①競争環境の激化と新たなサービス等について

当社グループ各事業の業績は、同業他社・新規参入者との競争激化や取引条件の変更、新たなサービスの登場、法的規制・法改正等により、影響を受ける可能性があります。

当社グループは、健全な財務体質の維持、人的資本の価値向上、並びにDXの高度化を基盤として成長戦略を実現し、更なる企業価値向上を図ってまいります。

 

②事業パートナーについて

当社グループには事業パートナーと共同で行う事業があります。当該事業パートナーとは、共同事業の継続・拡大に取り組んでおりますが、共同事業パートナーの方針や経営環境の変化等で、当社の業績や事業継続に影響が出る可能性があります。

当社グループは、共同事業の推進の取り組みと共同事業パートナーとの良好な関係の継続等に努めてまいります。

 

③外部委託先について

当社グループの各事業分野において、専門性の高い部分等で外部委託先と共に事業を遂行することがあります。当該外部委託先との取引においては、事業の目的やその必要性、ならびに信頼性等を考慮して行っておりますが、外部委託先の方針や経営環境の変化等により当社の業績に影響が出る可能性があります。

当社グループは、外部委託先との良好な関係の継続等に努めてまいります。

 

(4) 今後の事業拡大に向けた企業買収等のリスクについて

当社グループは、今後も事業拡大のため、企業買収や新たな事業創出および育成に関する投資を行う可能性があります。当該投資等が当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

また、今後の市場動向や経済環境の変化によっては、当該投資等が当初期待した結果を生み出す保証はなく、投資等の実行後の進捗状況によっては、投下資本の回収が困難になる等、当社グループの業績および事業計画等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、投資等の実行に際し、当社事業とのシナジーやその効果に留意すると共に、実行後は実績の検証等により効果の最大化に努めてまいります。

 

(5) 人財の確保について

コンシューマ事業では、更なるお客様満足度や販売品質の向上にむけ、スマートフォン等の高機能端末の普及やサービスの多様化に伴う接客時間の増加、人財の質および定着率の向上等が課題となっております。

また、法人事業や地方創生・クオカード事業等においては、事業拡大および多様化に伴い、デジタル分野等の専門性を有する人財の確保と育成等が課題となっております。

当社グループは、上記課題に対応すべく、効率的な人財配置や店舗内業務の負担軽減等、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を推進し生産性向上に努め、また、正社員化を推進する人事制度、リモートワーク・フレックス勤務形態等を導入し、働き方の多様化やワークライフバランスを促進する等により魅力的な職場環境の構築を進めております。

 

(6) コンプライアンスについて

当社グループでは、コンプライアンス違反の発生により業績や社会的信頼に影響を及ぼす可能性があることから、コンプライアンスを業務遂行上の最重要課題の一つとして位置づけ取組んでおります。

当社グループの各事業において、さまざまな商品・サービス・情報を取り扱っておりますが、各事業の拡大並びに収益の確保への取り組みと共に、企業の社会的責任を含めた倫理とその啓発にも注力しております。また、通信事業者が提供する通信サービスへの利用契約の取次事業において、代理店も含めた不正契約の撲滅や予防策の推進とコンプライアンスの啓発を行っております。

同時に、個人の情報発信の浸透及び手段の多様化(SNS等)、情報の取扱い・事故への関心の高まりの中、当社の改善・啓発活動も随時高度化させながら日々取組んでまいります。

 

(7) 法的規制・法改正等について

電気通信事業者等の代理店業務については、次の法令等の規制があります。

・「電気通信事業法」

・「独占禁止法」(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)

・「景品表示法」(不当景品類及び不当表示防止法)

・「個人情報保護法」

・「携帯電話不正利用防止法」(携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)

・「下請代金支払遅延等防止法」等

当該法令等について、以下のような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

・法令等の改正による販売方法や市場の変化、通信事業者との取引条件の変更等があった場合。

・総務省等の行政機関による政策の推進、ガイドラインの制定・改定等が実施された場合。

・法令等に違反し、当社グループに対する信頼の低下に加えて、損害賠償請求や代理店契約の解除、営業停止等の処分を受けた場合。

また、当社グループの連結財務諸表は、関係法令や基準に準拠して作成しておりますが、これら法令等に変更があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、当該法令等の遵守のため、従業員への教育・啓発を含めた社内管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

 

(8) 災害等のリスクについて

わが国においては、大雨や大型台風、地震の発生頻度は増加傾向にあります。また、これら災害等の被害は、これまでの想定を大きく越える規模のものも起きてきています。

当社グループは、災害等の発生を想定した対策を整備・運用しておりますが、これら災害等の状況により、当社の事業継続や業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、従業員の安否確認や安全確保など、緊急危機対応についての手順を纏めており、有事に備えた訓練等の運用を行っております。また、事業継続に重要なシステムの災害対策にも取り組んでおり、今後も、引き続き従業員の安全と事業継続に向けた対応に取り組んでまいります。

 

(9) 訴訟リスクについて

当社グループには各事業分野において、事業運営に関する訴訟リスクが継続的に存在します。当社グループは、各事業において契約内容の確認等も行っておりますが、訴訟本来の性質を考慮すると係争中または将来発生し得る訴訟の結果を予測することは不可能であり、係争中または将来発生し得る訴訟において、当社グループにとって不利な結果に終わった場合、当社グループの事業展開に支障が生じる、または当社グループに対する信頼が低下する可能性や、当社グループの財政状態および業績に影響を与える可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、「将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しながら、連結配当性向40%を目途に、長期にわたり安定的かつ継続的な利益還元を実施すること」を基本方針としております。

また、当社は中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うこととしており、これら剰余金の配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については定時株主総会であります。

当連結会計年度の期末配当金につきましては、期初の配当予想額のとおり1株当たり37.5円に決定いたしました。年間配当金は、2023年12月の中間配当金37.5円と合わせ、1株当たり75円(前期と同額)となります。この結果、当連結会計年度の連結配当性向は59.7%となりました。

なお、内部留保資金の使途につきましては、既存事業の基盤拡充・強化、人財育成、戦略的投資、新事業等に充当する方針であります。

当社は「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 

当社は、連結配当規制適用会社となっております。第33期の剰余金の配当は以下のとおりです。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2023年11月1日

2,093

37.5

取締役会決議

2024年6月21日

2,093

37.5

定時株主総会決議