2025年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

Object Browser事業 ERP事業 AI事業 その他 E-Commerce事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
Object Browser事業 791 16.6 334 33.3 42.2
ERP事業 3,851 80.8 702 70.1 18.2
AI事業 92 1.9 -22 -2.2 -24.0
その他 35 0.7 -12 -1.2 -34.1

事業内容

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社1社で構成されており、「Object Browser事業」「ERP事業」「AI事業」の3つの事業を行っております。

 

また、当社グループはそれぞれの事業において、自社ソフトウエアの開発・販売に加え、他社製品の販売も行い、お客さまの業務や課題に合わせた最適な製品を提供しております。

「Object Browser事業」は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」シリーズ及びプロジェクト管理パッケージ「OBPM Neo」といった、利益率の高い自社製品を取り扱っています。

「ERP事業」は、売上拡大の牽引事業として、ERPパッケージの「GRANDIT」及び「SAP S/4HANA® Cloud Public Edition」、それに製造業向けに生産スケジューラー「Asprova」及び生産管理システム「mcframe」を取り扱い、お客様のニーズに合わせてカスタマイズを行っています。新規事業の「AI事業」では、AI異常検知システム「AISIA Anomaly Detection」を取り扱っています。

このように、当社グループは高収益事業、売上牽引事業及び新規事業の事業特性をバランスさせ、市場環境の変化に対応しております。

 

当社グループの事業内容における事業区分と取扱製品は、以下のとおりです。なお、事業区分と「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げる報告セグメント区分は同一です。また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

事業区分

主要な取扱製品

製 品 内 容

Object Browser

事業

データベース開発支援ツール

SI Object Browser

SI Object Browser ER

「SI Object Browser」は、主にIT業界のユーザーを対象にしたデータベース開発支援ツールです。Oracle、SQL Serverなど主要なデータベースに対応しており、GUI操作でテーブルの閲覧、SQLの編集・実行やオブジェクトの生成を簡単に行うことができます。

「SI Object Browser ER」は、主にIT業界のユーザーを対象にしたデータベース設計ツールです。GUI操作でER図を作成し、データベース連携によるテーブルの作成、ER図の逆生成などデータベース設計に必要な機能を提供します。Object Browser シリーズを利用することでデータベース開発の生産性が飛躍的に向上します。

プロジェクト管理ツール

OBPM Neo

「OBPM Neo」は、主にIT業界のユーザーを対象にしたプロジェクト管理ツールです。PMBOKに準拠した統合管理機能で、プロジェクト毎の品質(Q)、コスト(C)、進捗(D)を管理することができます。また、全てのプロジェクトの状況を俯瞰的に把握する機能によりプロジェクトの異常値を早期に発見し改善することができます。

「OBPM Neo」は現場から経営層まで、プロジェクトに関わる全てのメンバーの生産性を高めることができます。

ERP事業

統合型Web-ERP

GRANDIT

「GRANDIT」は、コンソーシアム方式により開発した国内初の「完全Web-ERP」製品です。全操作がブラウザのみで利用可能となっています。ワークフロー、BI(ビジネスインテリジェンス)、EC等の拡張機能を標準搭載、内部統制対応や多通貨機能、マルチカンパニー、柔軟な組織変更への対応など、企業活動に必要な機能を豊富に盛り込んだERPパッケージです。

当社は、製造業向け生産管理アドオンモジュールや建設・ソフトウエア業向け工事管理アドオンモジュールなど、独自モジュールを開発し、コンソーシアムメンバーの中核として導入企業を拡大しています。

ERP事業

クラウドERPソリューション

SAP S/4HANA® Cloud Public Edition

「SAP S/4HANA® Cloud Public Edition」は、SAPジャパン株式会社が提供している、業界別ベストプラクティスに沿って構築されたクラウド型ERPです。

ベストプラクティスに合わせて導入する「Fit to Standard」の手法を採ることで不要な開発をなくし、短期間で業務効率化を実現できるだけでなく、組み込みの人工知能(AI)、機械学習(ML)、アナリティクスに関するイノベーションが継続的に提供されるため、少ないITリソースで事業の継続的な成長をサポートできます。

生産スケジューラー

Asprova

「Asprova」は、アスプローバ株式会社が提供している、国内シェアトップの生産スケジューラーです。設備や人員の負荷を加味しながら、機械や作業員それぞれの稼働スケジュールを秒単位の高精度で素早く作成することで生産計画を最適化することが可能となります。

当社は、2016年から「GRANDIT」と連携させたソリューションとして提供してきました。さらに、統合化BOMやMES、AI外観検査などのソリューションと組み合わせて、工場のスマート化を支援しております。

生産管理システム

mcframe

「mcframe」は、ビジネスエンジニアリング株式会社が日本の製造業の業務ノウハウを結集して開発した、日本発の基幹ソリューションパッケージです。サプライチェーン管理(SCM:生産管理・販売管理)と原価管理(PCM)のモジュールで構成され、企業の規模に合わせて最適な導入が可能です。

AI事業

AI異常検知システム

AISIA Anomaly Detection

「AISIA Anomaly Detection(アイシアAD)」は、ディープラーニングを使った異常検知システムで、工場内での人間による目視検査を、AIにより自動検知するシステムです。

 

 当社グループの主な取扱製品とサービス領域は以下のとおりです。

(1)パッケージソフトウエアの企画・開発

 当社グループは、独創的なパッケージソフトウエアを社内で企画・開発し、これを顧客に販売しています。これには時間も費用もかかりますが、自社製品であり仕入が不要であるため高い利益率を確保することができます。また、当社グループでは、顧客への直接販売と販売代理店を経由した間接販売とを併用しています。

 

(2)パッケージソフトウエアの導入コンサルティング

 当社グループの取扱製品は、企業の基幹業務にかかわるものが多いため、顧客が日常業務の中で製品をいかに使いこなして生産性・効率性を高められるかが重要になります。そのため、既存業務の課題や業務フロー、運用ルールなど、長年のノウハウに基づくコンサルティングを行っています。

 

(3)パッケージソフトウエアのカスタマイズ開発

 当社グループは、顧客の要望に合わせてパッケージソフトウエアをカスタマイズ開発により変更することも行っております。純粋なオーダーメイド開発に比べると、パッケージに関連するノウハウを幅広く再利用でき、提案から設計、開発、導入に至るまで、コストを抑えることが可能です。

 当社グループが取り扱っているパッケージソフトウエア製品は、いずれもカスタマイズがなくても利用可能ですが、基幹業務にかかわるソフトウエアでは、顧客の業務に合わせたカスタマイズが発生するケースが大部分です。そのため、カスタマイズエンジニアを確保・組織化し、カスタマイズニーズに応える体制を構築しています。さらに、こうした体制がパッケージソフトウエア本体の営業力強化にもつながり、シナジー効果を生んでいます。

 

(4)パッケージソフトウエアの保守運用

 カスタマイズ開発を行い顧客にシステムを導入した後は、顧客とソフトウエア保守契約を締結し、継続的な技術サポートを行っています。これにより、顧客との信頼関係を深め、新たな受注へとつなげております。

 

製品

取扱開始時期

企画・開発

導入コンサル

カスタマイズ

開発

保守運用

SI Objecct Browser

1997年8月

GRANDIT

2004年5月

OBPM Neo

2008年11月

Asprova

2016年1月

AISIA-AD

2018年10月

SAP S/4HANA® Cloud Public Edition

2024年4月

mcframe

2025年1月

 ※「GRANDIT」は、コンソーシアム方式で開発され、当社は企画段階から参画しています。

 

 

 以上の内容を事業系統図により示すと、以下のようになります。

※当社グループには、連結子会社のKEYSTONE SOLUTIONS COMPANY LIMITEDが含まれており、当該子会社はERP事業に属します。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりです。なお、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。

 

①財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、4,462,962千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金2,968,589千円、契約資産774,518千円、売掛金491,382千円などであります。

当連結会計年度末における固定資産は、519,028千円となりました。その主な内訳は、投資その他の資産243,759千円、ソフトウエア135,418千円などであります。

この結果、当連結会計年度末における総資産は、4,981,991千円となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、855,510千円となりました。その主な内訳は、契約負債320,493千円、賞与引当金162,049千円、買掛金151,707千円などであります。

当連結会計年度末における固定負債は、9,820千円となりました。その内訳は、業績連動報酬引当金9,820千円であります。

この結果、当連結会計年度末における負債は、865,331千円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、4,116,659千円となりました。その主な内訳は、利益剰余金3,475,704千円、資本金367,712千円、資本剰余金357,712千円などであります。

 

②経営成績

 当連結会計年度の業績は、売上高4,768,979千円、売上総利益1,549,119千円、営業利益271,544千円、経常利益302,357千円、親会社株主に帰属する当期純利益583,408千円となりました。

 セグメント別の業績は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,459,289千円となりました。主な要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは360,375千円のマイナスとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上835,522千円、減価償却費の計上149,656千円などの資金増加要因が、関係会社株式売却益547,508千円、法人税等の支払額477,867千円、売上債権及び契約資産の増加287,739千円などの資金減少要因を下回ったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは69,814千円のマイナスとなりました。これは主に、関係会社株式の売却による収入666,664千円などの資金増加要因が、定期預金の預入による支出509,300千円、無形固定資産の取得による支出113,752千円、有形固定資産の取得による支出96,514千円などの資金減少要因を下回ったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは131,012千円のマイナスとなりました。これは配当金の支払額131,012千円によるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

Object Browser事業

291,575

ERP事業

2,406,806

AI事業

39,406

報告セグメント計

2,737,788

その他

14,662

合計

2,752,450

(注)1 金額は、当期総制作費用であります。

   2 当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期比については記載しておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

Object Browser 事業

778,410

12,446

ERP事業

3,446,899

968,865

AI事業

76,777

報告セグメント計

4,302,086

981,311

その他

35,065

合計

4,337,152

981,311

(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期比については記載しておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

Object Browser 事業

790,775

ERP事業

3,850,976

AI事業

92,162

報告セグメント計

4,733,913

その他

35,065

合計

4,768,979

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該販売実績の

     総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

   2 当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期比については記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。また、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容

 当連結会計年度は、2年経営計画(2025年2月期~2026年2月期)の1年目にあたり、次の3つを重点施策として取り組み、持続的な成長及び株主価値の最大化を目指してまいりました。

 

   ・事業ドメインの集中  :3つのドメイン(業務システム、AI、開発ツール)にリソースを集中し、当社の強みを最大限に活かしたお客さまの課題解決モデルを確立してまいりました。

   ・新規事業の創出    :上述3つのドメインで既存の製品・サービスに続く新たな事業の柱を築くべく、新規事業開発や企業間提携に積極投資してまいりました。

   ・持続的な収益基盤の確立:最小のコストで最大のパフォーマンスを生み出すため、単純なコスト削減にとどまらない継続的な「1%改善」を全社的に掲げております。利益率を1%改善するために何ができるかを社員一人一人が常に考え、無駄の削減及び効率的な投資を行い、収益性の改善を目指してまいりました。

 

 また、当連結会計年度は様々な投資を実施いたしました。2024年4月には、専門の組織を立ち上げてクラウド型ERPの「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」(以下「SAP」という)の提供を開始いたしました。人員増加に対応しプロジェクト単位で機動的に働きやすいオフィス環境作りを目的として、同年5月に福岡支社の移転・増床、同年7月に大阪支社の増床を実施いたしました。特に九州地区及び関西地区では、当社のミッションやビジネスモデル(自社製品を持ち、客先常駐を行わないプライムベンダービジネス)に共感いただき、UターンやIターンを希望する優秀な人材の確保が順調に進んでおります。

 このような投資は、一時的に大きな費用を計上して減益要因となりますが、当社が今後成長していくための重要なファクターと捉えており、収支のバランスも鑑みながら今後も積極的に投資してまいります。

 さらに、国内のIT人材不足を補うことを目的に、海外子会社であるKEYSTONE SOLUTIONS COMPANY LIMITEDを2022年10月に設立しましたが、当連結会計年度より同社を連結の範囲に含めております。同社は、当初想定していた当社案件の開発受託だけでなく、他社の案件も受注しております。

 2025年1月には、株式会社システム開発研究所(以下、「対象会社」という。)の株式の全てを取得することを決議し、同年3月に当社の子会社となりました。業務システム分野のIT人材育成には長い時間を要し、採用の難易度も高いため、本株式取得によりIT及び生産管理の両方のスキルや知識を有する人材を包括的に確保できたことは、当社にとって大きな戦力強化になります。また、当社がプライムベンダーとしてビジネスを行う協業パートナーとして、対象会社に高い付加価値を提供できるようになり、両社間のシナジー効果が発現することを確信しています。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,768,979千円、売上総利益1,549,119千円、営業利益271,544千円、経常利益302,357千円、親会社株主に帰属する当期純利益583,408千円となりました。

 

セグメント別の業績の状況は次のとおりです。

(Object Browser事業)

 Object Browser事業は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」及び統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」の3製品で構成しています。

 「SI Object Browser」と「SI Object Browser ER」はソフトウエア開発の生産性向上ツールとして、「OBPM Neo」はプロジェクト管理の合理化ツールとしてIT業界を中心に多くのお客さまに利用いただいております。Oracleだけでなく「Microsoft SQL Server」、「Postgre SQL」などの主要なデータベースへの対応や、買取型からクラウドサービスへの移行など、お客さまの要望を取り入れながら利便性の向上を続けています。

 当連結会計年度では、プロジェクト管理ツールの「OBPM Neo」が、既存大手IT企業の追加案件と新規契約の増加により、MRR(Monthly Recurring Revenue:月次計上収益)が前事業年度と比較して3,230千円増加しました。また、データベース開発・設計支援ツールの「Object Browser」も、継続的なバージョンアップにより、安定した需要を維持しています。

 以上の結果、売上高は790,775千円、セグメント利益は333,550千円となりました。

 

(ERP事業)

 ERP事業は、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」をベースに、主に製造業、建設業、IT業及び卸売業等のお客さまを対象として、業界特化型の基幹業務システムを開発・販売しています。加えて、「GRANDIT」の商社・卸売業・IT・情報サービス業に特化したクラウド型ERPである「miraimil」の販売にも注力しています。さらに、2024年4月からはクラウド型ERPの「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」の提供を開始し、旺盛な需要にも支えられ同製品の販売、導入では、SAP AWARD OF EXCELLENCE 2025において「Emerging Partner Award」を受賞しました。「GRANDIT」は独自の業務要件に対応するためのカスタマイズやアドオン開発を重視する企業向けに最適です。一方「SAP」は、グローバルや業界標準のERPを活用し、AIや業界ベストプラクティスを取り入れたグループ経営管理や企業変革を目指す企業に提案しています。

 従来よりERP事業では製造業を主要ターゲットとしてきましたが、同業界におけるより広い業務領域での課題解決を行えるよう2024年9月1日付で「スマート製造ソリューション部」を新設しました。当部門では、お客様の製造現場におけるデータ活用技術の向上を通じた生産効率の向上、コスト削減及び品質管理の強化等に貢献することを目指しております。2016年から取扱って来た生産スケジューラ「Asprova」に加え、生産管理(SCM)システム、実績管理システムなどのソリューション展開を行ってまいります。

 当連結会計年度では、新規のお客さまからの引き合いは堅調で、受注状況も当連結会計年度期初に策定した受注計画に基づき推移しております。また「SAP」については初受注を獲得し、現在順調に開発業務が進行しております。連結子会社のKEYSTONE SOLUTIONS COMPANY LIMITEDにおいては、当社グループ外の日系製造業向けのERP案件業務の受注も増加傾向にあります。

 以上の結果、売上高は3,850,976千円、セグメント利益は701,920千円となりました。

 

(AI事業)

 AI事業は、ディープラーニング異常検知システム「AISIA Anomaly Detection(アイシアAD)」をベースに、AIの画像認識技術を使って外観検査作業を自動化、高精度化するビジネスです。

 「AISIA Anomaly Detection(アイシアAD)」の導入では、検査工程の設備見直しや運用提案まで要求されるケースが多く、新しい技術であるAIの実用化レベルを慎重に見極めるお客様が多いため、その検討や調査に時間がかかります。お客様にAIの技術やそれによる効果をわかりやすく提示し、日本の製造業が求める高品質基準に対応できるようになることが重要だと考えています。

 当連結会計年度においては、生成AI技術の進化に伴い外観検査以外のユーザーニーズを取込み積極的に新規分野の開発案件にも取り組んでまいりました。外観検査に対する引き合いは引き続き堅調ではあるものの、当社としては収益性改善を目指した取組みも進行しております。

 以上の結果、売上高は92,162千円、セグメント損失は22,128千円となりました。

 

(その他の事業)

 その他の事業は、主にプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」の販売を行っております。「TOPSIC」は、オンライン・リアルタイムで受験者のプログラミングスキルを判定できるクラウドサービスとして2018年1月にリリースしましたが、2025年2月末日付でAtCoder株式会社へ事業譲渡いたしました。同社は、プログラミングコンテストの世界ランカーが多数在籍しているプログラミングコンテスト企画・運営企業であり、高品質な問題を提供するプログラミングプラットフォームをグローバル展開しています。「TOPSIC」の出題コンテンツの一部は同社から提供を受けておりました。本事業が同社に引き継がれることにより、今後より一層お客様のお役に立つサービスへと成長するものと考えております。なお、業績に与える影響は軽微となります。

 以上の結果、売上高は35,065千円、セグメント損失は11,942千円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、2,459,289千円となりました。

 税金等調整前当期純利益の計上や関係会社株式の売却による収入があった一方、事業拡大の人員増強に備える支社の移転・増床に伴う支出や、法人税等や配当金の支払いによる支出が発生しました。

 当社は、今後の事業拡大のための新規の製品・サービスの研究開発、既存製品の機能拡充、AIビジネス拡大の研究開発、社員教育及び人材採用等の人材開発などの投資を行って参ります。投資資金の財源としては、まずは自己資金を充当し、一時的に多額の資金が必要となる場合には、必要に応じ金融機関からの借入れを行う考えです。当連結会計年度末における手元資金は2,968,589千円と資産合計の59.6%を占めており、現時点では借入れを要する多額の投資等の予定はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおりです。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

   【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分を決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、事業別のセグメントから構成されており、「Object Browser事業」、「ERP事業」及び「AI事業」の3つを報告セグメントとしております。

 当社グループは、「E-Commerce事業」を前事業年度まで報告セグメントに記載しておりましたが、前第4四半期会計期間において、会社分割及び株式譲渡により持分法適用関連会社の株式会社DGコマースに承継させたことに伴い、当連結会計年度より「E-Commerce事業」を報告セグメントから除外しております。

報告セグメント

主要な製品

Object Browser 事業

ソフトウエア開発支援ツール「SI Object Browser」シリーズ

プロジェクト管理パッケージ「SI Object Browser PM(OBPM Neo)」

ERP事業

Web-ERPパッケージ「GRANDIT」

クラウドERPソリューション「SAP S/4HANA® Cloud Public Edition」

生産スケジューラー「Asprova」

生産管理システム「mcframe」

AI事業

AI・ディープラーニング外観検査システム「AISIA Anomaly Detection」

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

 当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他(注)1

合計

調整額(注)2

連結損益計算書計上額

(注)3

 

Object

 Browser

事業

ERP事業

AI事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

一時点で移転される財又はサービス

242,899

950,638

64,537

1,258,075

1,415

1,259,490

1,259,490

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

547,876

2,900,337

27,624

3,475,838

33,650

3,509,488

3,509,488

顧客との契約から生じる収益

790,775

3,850,976

92,162

4,733,913

35,065

4,768,979

4,768,979

外部顧客への売上高

790,775

3,850,976

92,162

4,733,913

35,065

4,768,979

4,768,979

セグメント間の

内部売上高又は振替高

790,775

3,850,976

92,162

4,733,913

35,065

4,768,979

4,768,979

セグメント利益又は損失(△)

333,550

701,920

22,128

1,013,342

11,942

1,001,399

729,855

271,544

セグメント資産

198,066

1,336,283

45,160

1,579,510

4,808

1,584,319

3,397,671

4,981,991

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

67,348

58,016

125,365

125,365

24,290

149,656

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

49,287

58,109

107,396

107,396

102,869

210,266

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに該当しない新規事業を含んでおります。

2.調整額は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△729,855千円は、事業セグメントに配分していない全社費用であります。全社費用は、事業セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(2)セグメント資産の調整額3,397,671千円は、事業セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産は、主に事業セグメントに帰属しない現金及び預金等であります。

(3)減価償却費の調整額24,290千円は、事業セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。

(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額102,869千円は、事業セグメントに配分していない全社資産の設備投資額であります。

3.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

1.製品及びサービスごとの情報

  セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

  外部顧客への売上高のうち、損益計算書の売上高の10%を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

 該当事項はありません。