事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
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利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
ソフトウェア事業 | 3,171 | 100.0 | 794 | 102.7 | 25.0 |
投資事業 | - | - | -21 | -2.7 | - |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、「ソフトウェアで世界をつなぐ」をコンセプトに、ソフトウェア技術とインターネット技術を中核とした様々な「つなぐ」ニーズに応えるソフトウェアの開発と販売およびそれに付帯する事業を行っています。
(1)当社グループの事業内容について
当社グループは、企業情報システム、クラウドサービス、デジタル機器などを「つなぐ」(文字情報、数値情報、映像情報などデジタル化可能な情報の伝達)ためのソフトウェアを開発し、市場に提供しています。
その中でも、当社グループは個別の企業向けのソフトウェア開発を行う「受託開発」ではなく、不特定多数向けのパッケージやクラウドサービスを提供する「製品開発」を行っています。
当社グループの事業は、「ソフトウェア事業セグメント」、「投資事業セグメント」の2つの事業で構成されます。
<ソフトウェア事業>
本事業は、4つの主力製品と2つの新製品で構成されます。
4つの主力製品
・データ連携ミドルウェア※「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)
・モバイルアプリ作成ツール「Platio」(プラティオ)
・モバイル向けコンテンツ管理システム「Handbook」(ハンドブック)
・AI搭載IoT※統合エッジウェア※「Gravio」(グラヴィオ)
2つの新製品
・ノーコードAI/IoT統合プラットフォーム「AIoT Suite」(エーアイオーティ スイート)
・ロボット開発環境シミュレーション・プラットフォーム「Artefacts」(アーテファクツ)
「ASTERIA Warp」の売上は、主としてライセンス※とサブスクリプション※で構成されるソフトウェアの利用対価売上とサポート(保守)売上によって構成されています。「Platio」、「Handbook」、「Gravio」、「AIoT Suite」及び「Artefacts」の売上は、サブスクリプション型です。
<投資事業>
投資事業は、米国に拠点を置く100%子会社Asteria Vision Fund Inc.(以下 AVF)が管理する投資を行っています。AVFの投資対象は、ソフトウェア事業の研究開発投資対象である「4D」(Data, Device, Decentralized, Design)に絞り、単なる投資リターンのみならず中長期的なシナジーも企図した投資を実行しています。
(2)当社グループの主要なソフトウェア製品
① 「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)
当社グループの主力ソフトウェア製品「ASTERIA Warp」は、当社グループが独自に設計・開発を行ったノーコード企業向けデータ連携用ミドルウェア製品で、汎用のデータ連携機能をパッケージで提供することにより企業内外に存在するシステム間のデータ連携を簡単・迅速に実現することを目指した製品です。企業内外のデータ連携、クラウドサービスとのデータ連携なども用途に使われており、累計導入企業数は11,000社を超えています。
② 「Handbook X」(ハンドブック エックス)
「Handbook X」は、従来販売してきた「Handbook」の次世代版として、2022年2月に提供を開始したデジタルコンテンツプラットフォームです。スマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末をはじめとするキーボードが無く、持ち運びができるコンピュータ)上にダウンロードして使う「アプリ」だけで稼働し、組織内外の多種多様な情報を、セキュリティを保ちながら登録・整理・配信・共有することを可能にします。
③ 「Platio」(プラティオ)
「Platio」は、ノーコードでモバイルアプリを手軽に短期間で作成することができるサービスです。「Platio」は、アプリを開発するクラウドサービス「Platio Studio」と、アプリを配布実行する「Platioアプリ」で構成されています。「Platio Studio」は、豊富なテンプレートと柔軟なカスタマイズ機能を備えており、業務現場に適したモバイルアプリを制作できます。
「Platio」のファミリー製品として「Platio Connect」と「Platio One」があります。「Platio Connect」は、「Platio」にデータ連携機能を加えた製品で、モバイルアプリと既存の社内システムやクラウドサービスと連携が可能です。「Platio One」は、ユーザー企業が制作したアプリを再販売できる製品です。
④ 「Gravio」(グラヴィオ)
「Gravio」は、AIを搭載し、様々な場面でのセンサーやカメラの効率的なデータ収集と活用をノーコードでシンプルに実現することのできるエッジコンピューティング※用データ連携ツールです。既存のPC運用における知見や情報リソースを最大限に活かしながら、先進のIoTソリューションを手軽に実現します。また、運用、管理、保守が容易でかつ高いセキュリティを実現しています。
⑤ 「AIoT Suite」(エーアイオーティ スイート)
「AIoT Suite」は、AIのモデル作成とIoTのデータ連携を統合したノーコード対応の製品です。現場に設置したセンサーやカメラからのデータを収集し、AIによる解析を経て、クラウドサービスや既存システムと連携する一連のプロセスをノーコードで実現します。エッジとクラウドを組み合わせた柔軟な構成により、製造、物流、施設管理など多様な業種における業務の効率化や省人化を支援します。
⑥ 「Artefacts」(アーテファクツ)
「Artefacts(アーテファクツ)」は、ロボットアプリケーション向けの継続的シミュレーションプラットフォームです。物理的な環境を用意せずに、初日からバーチャル環境での稼働テストを実現でき、開発期間やコストを大幅に削減します。特に宇宙空間や大型建築物など再現が難しい環境でのシミュレーションに適しており、開発工数を98%以上、コストを50%以上削減、期間は数ヶ月から最短1日へ短縮可能です。
(事業系統図)
〔用語解説〕
ここに示す用語解説は、本書内で使用する用語の意味を説明するものであり、必ずしも一般的な用法用例を包含するとは限りません。
用語 |
解説・定義 |
DX |
〔Digital Transformation〕デジタル技術やサービスによってビジネスや生活をより良い方向に変革すること。 |
IoT |
〔Internet of Things〕あらゆる「モノ」がインターネットに接続される仕組み。 |
W3C |
World Wide Web Consortiumの略。HTMLやXMLなどインターネット技術の標準化を行っている組織。 |
XML |
eXtensible Markup Languageの略。1998年2月にW3Cで勧告された標準データ仕様。データにタグ付けをすることで、データ自身に意味づけを記述できるため、コンピュータと人間の双方がその内容を理解することができる。特定のOS、アプリケーション、ベンダーなどに非依存であることが特徴。 |
アプリ |
元来アプリケーションの略語だが、現在では特にスマートフォンやタブレットのアプリケーションを指す。 |
エッジウェア |
〔Edgeware〕エッジコンピューティング用のミドルウェア(当社の造語) |
エッジコンピューティング |
〔Edge Computing〕コンピュータネットワークの周縁(エッジ)部分でデータを処理する分散コンピューティングの概念。 |
クラウド |
〔Cloud〕企業が、ハードウェアやソフトウェアの資産を自前で持たずにインターネット上に存在するハードウェアやソフトウェアを必要に応じて利用する形態。 |
サブスクリプション |
〔Subscription〕商品やサービスを月額(年額)課金で提供する形態。一括支払(売り切り)となるライセンス版とは対称的に、利用料金が継続的に計上されるので、サブスクリプションの販売比率が高まることで業績の安定化が図れる。 |
スマートデバイス |
〔Smart Device〕スマートフォンをはじめ、タブレット型コンピュータなど、キーボードを持たない高性能モバイル・コンピュータ。必ずしも電話機能を持つ必要はない。 |
生成AI
|
「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれるAI(人工知能)の一種。AIを用いてクリエイティブな成果物を生み出すことができるのが特徴。 |
ノーコード |
ソースコードを書かなくてもソフトウェアやアプリ等の開発・作成ができる仕組みで、当社ではASTERIA Warp、Platio、Gravioがノーコード製品。プログラミング言語に関する専門知識がなくても手軽に取扱うことができる。 |
ブロックチェーン
|
ビットコインの取引を記録する仕組みとして生み出されたデータ管理基盤。 |
ミドルウェア |
〔Middleware〕複数のソフトウェアの中間に位置し相互の連携を司るソフトウェア。 |
ライセンス |
〔License〕月額課金等で継続的な支払いが必要になるサブスクリプションとは対称的に、ソフトウェアなどを一括支払(売り切り)で販売する形態。 |
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
① 資産
当連結会計年度末における資産合計は、7,857,945千円となり、前連結会計年度末に比べ270,605千円増加しました。この主な要因は、その他の金融資産715,760千円及び有形固定資産97,342千円の減少に対し、現金及び現金同等物1,082,715千円の増加によるものです。
② 負債
負債合計は1,618,463千円となり、前連結会計年度末に比べ211,907千円減少しました。この主な要因は、未払法人所得税等155,417千円の増加に対し、借入金357,400千円の減少によるものです。
③ 資本
資本合計は6,239,482千円となり、前連結会計年度末に比べ482,512千円増加しました。この主な要因は、その他の資本の構成要素53,727千円及び非支配持分40,410千円の減少に対し、利益剰余金576,649千円の増加によるものです。
(2) 経営成績の状況
当連結会計年度(2024年4月~2025年3月)において、当社グループは、主力であるソフトウェア事業の着実な成長に加え、前連結会計年度より実施してきた事業構造改革の効果が顕在化したことにより、大幅な業績の回復を達成しました。
売上収益は、企業のデジタルトランスフォーメーション推進やクラウド環境の進展を背景にソフトウェア事業におけるサブスクリプション型サービスが収益の底上げに寄与した結果、前期比で9%増の3,171,258千円となりました。
利益は、企業投資事業においてGorilla Technology Group社の全株式を売却したことに伴い損失を計上したものの、ソフトウェア事業の利益貢献に加え、SpaceX社に関する評価益を計上したことにより、営業利益781,201千円、税引前利益765,643千円、親会社の所有者に帰属する当期利益588,623千円となりました。
また、2024年3月期に連結子会社の異動により前期の連結財務諸表の作成上、デザイン事業を非継続事業に分類しています。これにより、売上収益、調整後EBITDA、営業利益、税引前当期利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を記載し、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は、継続事業及び非継続事業の合算を記載しています。
≪当社の報告セグメント≫
当社グループは、「ソフトウェア事業セグメント」と「投資事業セグメント」の2つを報告セグメントとしています。
<ソフトウェア事業セグメント>
本事業は、前連結会計年度より実施した事業構造改革により、サブスクリプション課金の収益拡大と独自のノーコード製品の拡充を通じて安定成長を図る「ELG事業グループ」と、新規市場・海外で急成長を狙う「AOG事業グループ」の2つに分けて、各製品のフェーズに応じた製品開発や営業活動を展開してきました。
その結果、サブスクリプション課金は、ノーコードデータ連携ツール「Warp」がソフトウェアのクラウドシフトや老朽化したレガシーシステムの刷新などに伴う新たなデータ連携ニーズの拡大により前期比14%増収を記録、モバイルアプリ作成ツール「Platio」は導入先における利用規模の拡大や上位プランへの移行が加速し、前期比36%の増収を記録しました。サブスクリプション全体で前期比12%増の1,025,648千円を記録し、全体を牽引したことにより、ソフトウェア事業全体では売上収益は前期比9%増の3,171,258千円となりました。
<投資事業セグメント>
投資事業セグメントは、子会社Asteria Vision Fund Inc.が管理する企業投資事業です。AVFはソフトウェア事業と同じ「4D」(Data, Device, Decentralized, Design)領域への投資を実施しており、その業績は、国際会計基準に基づき投資先の評価額の増減を計上しています。
当連結会計年度において、AVF-1の出資先であるGorilla Technology Group社の全株式売却完了に伴う売却損が発生したものの、SpaceX社について評価益を計上しました。
結果として、当連結会計年度において45,870千円の評価益となりました。
また、当連結会計年度における、セグメント状況は下記のとおりです。
① 報告セグメントの概要
当企業グループの報告セグメントは、当企業集団の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、「ソフトウェア事業」及び「投資事業」の2つを報告セグメントとし、2つの事業を基礎として組織が構成されています。
当社グループは、2024年3月8日開催の取締役会において連結子会社であるThis Place Limitedの全株式の譲渡を決議し、2024年3月22日に関係会社ではないThis Place Holdings Limitedに譲渡したため、これまでソフトウェア事業セグメントに含まれていたデザイン事業を非継続事業に分類し、セグメント情報から控除しています。
「ソフトウェア事業」には、当社が創業来拡大している企業向けの事業で構成されます。
「投資事業」は、米国に拠点を置く100%子会社Asteria Vision Fund Inc.が管理する投資で構成されております。
②報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、及び資産の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
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報告セグメント |
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調整額 (注1) |
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連結 |
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ソフトウェア事業 |
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投資事業 |
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計 |
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千円 |
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千円 |
|
千円 |
|
千円 |
|
千円 |
売上収益 |
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外部収益 |
2,909,008 |
|
- |
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2,909,008 |
|
- |
|
2,909,008 |
セグメント間収益 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
- |
合計 |
2,909,008 |
|
- |
|
2,909,008 |
|
- |
|
2,909,008 |
セグメント利益(△は損失) (注2) |
650,134 |
|
△4,017,283 |
|
△3,367,149 |
|
- |
|
△3,367,149 |
その他の収益及び費用(注2) |
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△274,480 |
金融収益 |
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439,500 |
金融費用 |
|
|
|
|
|
|
|
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43,127 |
持分法による投資損益(△は損失) |
|
|
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|
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|
3,367 |
税引前利益(△は損失) |
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|
|
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△3,241,889 |
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|
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|
|
その他の項目 |
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|
|
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|
|
減価償却費及び償却費 |
193,902 |
|
229 |
|
194,131 |
|
- |
|
194,131 |
減損損失 |
- |
|
279,494 |
|
279,494 |
|
- |
|
279,494 |
(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。
2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益(注記「26.その他の収益及び費用」参照)は投資事業のセグメント利益に振り替えております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
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報告セグメント |
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調整額 (注1) |
|
連結 |
||||
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ソフトウェア事業 |
|
投資事業 |
|
計 |
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||
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千円 |
|
千円 |
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千円 |
|
千円 |
|
千円 |
売上収益 |
|
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|
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|
|
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|
外部収益 |
3,171,258 |
|
- |
|
3,171,258 |
|
- |
|
3,171,258 |
セグメント間収益 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
- |
合計 |
3,171,258 |
|
- |
|
3,171,258 |
|
- |
|
3,171,258 |
セグメント利益(△は損失) (注2) |
793,511 |
|
△20,882 |
|
772,629 |
|
- |
|
772,629 |
その他の収益及び費用(注2) |
|
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8,572 |
金融収益 |
|
|
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|
17,166 |
金融費用 |
|
|
|
|
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34,574 |
持分法による投資損益(△は損失) |
|
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|
|
|
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1,850 |
税引前利益(△は損失) |
|
|
|
|
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765,643 |
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|
|
|
|
|
|
|
その他の項目 |
|
|
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|
|
|
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|
減価償却費及び償却費 |
237,208 |
|
163 |
|
237,372 |
|
- |
|
237,372 |
減損損失 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
- |
(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。
2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益(注記「26.その他の収益及び費用」参照)は投資事業のセグメント利益に振り替えております。
(3) キャッシュ・フローの状況
① 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末より1,082,715千円増加し、2,814,062千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は829,334千円(前期629,667千円の獲得)となりました。主に税引前利益765,643千円の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は771,600千円(前期427,223千円の使用)となりました。主に投資の売却及び償還による収入324,570千円及び貸付金の回収による収入470,760千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は517,294千円(前期309,922千円の使用)となりました。主に長期借入金の返済による支出357,400千円及び配当金の支払75,441千円によるものです。
② 当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、顧客からの注文に基づく受託開発ではなく、独自の製品を自ら企画開発して提供する事業形態であるために、市場やニーズの変化に先行して製品化を行っております。そのため、先端技術を習得した技術者の採用によって研究開発を推進することに加え、企業買収等によって時間と優秀な技術者を獲得することや、世界的な視野において当社グループの投資領域である「4D」(Data, Device, Decentralized, Design)に合致する企業への効率的な投資を行うため必要に応じて金融機関から資金調達し投資を行っております。また、企業価値の持続的な向上と株主・投資家との信頼関係の構築を重視し、資本コストや資本効率を意識した経営に取り組んでおり、2025年3月期を初年度とする中期経営計画では、「年平均8~12%の売上成長」及び「EBITDAマージン25%(2029年3月期までに)」の達成を目標に掲げ、収益性と成長性の両立を図っております。加えて、非中核事業の売却を通じた収益構造改革の結果、2025年3月期にはROE10.1%を達成し、資本コストを意識した資本効率の改善が進展しており、当連結会計年度においても、当社グループ事業からの利益を効率的な投資にあてています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識いたします。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは以下のとおりであります。
① 金融商品の公正価値の測定(注記「3. 重要性がある会計方針(4)金融商品」及び注記「30. 金融商品」)
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した公正価値で測定する金融資産の金額は、2,997,007千円でありま
す。当社グループが保有する公正価値で測定する金融資産及び金融負債が、活発な市場における公表価格によって測定できない場合には、当該資産又は負債について直接に又は間接に観察可能な前述の公表価格以外のインプットを使用して算定された公正価値、もしくは観察不能なインプットを含む評価技法によって算定された公正価値を用いて評価しております。
特に、観察不能なインプットを含む評価技法によって算定される公正価値は、適切な基礎率、仮定及び採用する計算モデルの選択など、当社グループの経営者による判断や仮定を前提としております。
これらの見積り及び仮定は、前提とした状況の変化等により、金融商品の公正価値の算定に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しています。
② 会計上の見積りの変更に関する注記
該当事項はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
事業の特性上、事業区分別の生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
② 受注実績
事業の特性上、事業区分別の受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、全てソフトウェア事業からになります。
売上区分 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
ライセンス(千円) |
809,996 |
16.0 |
サポート(千円) |
1,316,805 |
5.1 |
サービス(千円) |
1,044,458 |
9.1 |
合計 |
3,171,258 |
9.0 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
SCSK株式会社 |
443,042 |
15.23 |
442,375 |
13.95 |
パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 |
297,092 |
10.21 |
317,421 |
10.01 |
セグメント情報
6.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当企業グループの報告セグメントは、当企業集団の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、「ソフトウェア事業」及び「投資事業」の2つを報告セグメントとし、2つの事業を基礎として組織が構成されています。
当社グループは、2024年3月8日開催の取締役会において連結子会社であるThis Place Limitedの全株式の譲渡を決議し、2024年3月22日に関係会社ではないThis Place Holdings Limitedに譲渡したため、これまでソフトウェア事業セグメントに含まれていたデザイン事業を非継続事業に分類し、セグメント情報から控除しています。
「ソフトウェア事業」には、当社が創業来拡大している企業向けの事業で構成されます。
「投資事業」は、米国に拠点を置く100%子会社Asteria Vision Fund Inc.が管理する投資で構成されております。
(2)報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、及び資産の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
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報告セグメント |
|
調整額 (注1) |
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連結 |
||||
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ソフトウェア事業 |
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投資事業 |
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計 |
|
|
||
|
千円 |
|
千円 |
|
千円 |
|
千円 |
|
千円 |
売上収益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
外部収益 |
2,909,008 |
|
- |
|
2,909,008 |
|
- |
|
2,909,008 |
セグメント間収益 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
- |
合計 |
2,909,008 |
|
- |
|
2,909,008 |
|
- |
|
2,909,008 |
セグメント利益(△は損失) (注2) |
650,134 |
|
△4,017,283 |
|
△3,367,149 |
|
- |
|
△3,367,149 |
その他の収益及び費用(注2) |
|
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△274,480 |
金融収益 |
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|
|
|
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439,500 |
金融費用 |
|
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|
|
|
|
|
|
43,127 |
持分法による投資損益(△は損失) |
|
|
|
|
|
|
|
|
3,367 |
税引前利益(△は損失) |
|
|
|
|
|
|
|
|
△3,241,889 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の項目 |
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|
|
|
|
|
|
|
減価償却費及び償却費 |
193,902 |
|
229 |
|
194,131 |
|
- |
|
194,131 |
減損損失 |
- |
|
279,494 |
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279,494 |
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- |
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279,494 |
(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。
2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益(注記「26.その他の収益及び費用」参照)は投資事業のセグメント利益に振り替えております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
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報告セグメント |
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調整額 (注1) |
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連結 |
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ソフトウェア事業 |
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投資事業 |
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計 |
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千円 |
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千円 |
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千円 |
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千円 |
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千円 |
売上収益 |
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外部収益 |
3,171,258 |
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- |
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3,171,258 |
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- |
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3,171,258 |
セグメント間収益 |
- |
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- |
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- |
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- |
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- |
合計 |
3,171,258 |
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- |
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3,171,258 |
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- |
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3,171,258 |
セグメント利益(△は損失) (注2) |
793,511 |
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△20,882 |
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772,629 |
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- |
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772,629 |
その他の収益及び費用(注2) |
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8,572 |
金融収益 |
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17,166 |
金融費用 |
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34,574 |
持分法による投資損益(△は損失) |
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1,850 |
税引前利益(△は損失) |
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765,643 |
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その他の項目 |
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減価償却費及び償却費 |
237,208 |
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163 |
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237,372 |
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- |
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237,372 |
減損損失 |
- |
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- |
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- |
|
- |
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- |
(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。
2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益(注記「26.その他の収益及び費用」参照)は投資事業のセグメント利益に振り替えております。
(3)製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスごとの情報については、注記「24.売上収益」にて記載しております。
(4)地域別に関する情報
売上収益及び非流動資産の地域別内訳は以下のとおりであります。
外部顧客への売上収益
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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千円 |
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千円 |
日本 |
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2,908,913 |
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3,168,000 |
その他 |
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95 |
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3,258 |
合計 |
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2,909,008 |
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3,171,258 |
(注)売上収益は、販売仕向先の所在地によっております。
非流動資産
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前連結会計年度 (2024年3月31日) |
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当連結会計年度 (2025年3月31日) |
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千円 |
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千円 |
日本 |
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928,455 |
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996,214 |
米国 |
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474 |
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- |
アジア |
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250,693 |
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161,576 |
合計 |
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1,179,622 |
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1,157,790 |
(注)非流動資産は、資産の所在地によっており、金融商品及び繰延税金資産を含んでおりません。
(5)主要な顧客に関する情報
外部顧客との取引による売上収益が当社グループの売上収益の10%以上である外部顧客は、以下のとおりであります。
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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千円 |
|
% |
|
千円 |
|
% |
SCSK株式会社 |
443,042 |
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15.23 |
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442,375 |
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13.95 |
パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 |
297,092 |
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10.21 |
|
317,421 |
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10.01 |