2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    23名(単体) 1,632名(連結)
  • 平均年齢
    46.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    6.9年(単体)
  • 平均年収
    6,883,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

エンジニアリング事業

1,105

(17)

プロダクト/デバイス事業

377

(30)

ICTソリューション事業

127

(-)

全社(共通)

23

(-)

合計

1,632

(47)

 

 (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。

2.従業員数欄の(外書)は、人材派遣会社からの派遣社員、アルバイト社員等臨時従業員の期末雇用人員数であります。

3.全社(共通)として記載されている使用人数は、当社管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

23

(-)

46.4

6.93

6,883

 

(注) 1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者9名を含む)であります。

2.従業員数欄の(外書)は、人材派遣会社からの派遣社員、アルバイト社員等臨時従業員の期末雇用人員数であります。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。(社外から当社への出向者9名の出向料含む)

4.当社は持株会社であるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループでは、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1、5)

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・

有期労働者

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・

有期労働者

PCIソリューションズ㈱

5.0

150.0

150.0

78.9

80.8

60.8

㈱ソード

10.3

0.0

0.0

74.4

88.5

86.2

㈱プリバテック

2.0

0.0

0.0

81.3

79.3

89.0

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。男性育休取得率は、前事業年度に産まれた子供に対する育休取得の影響等で100%を超えております。

3.管理職における女性労働者の割合は、当事業年度末時点、その他の指標は当事業年度における実績を記載しております。

4.「-」は対象会社において、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律にもとづく情報公表項目には該当していないことを示しており、「0.0」は制度の利用者がいないことを示しております。

5.労働者の男女の賃金の差異に関する説明
 男女賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。
 正規雇用労働者については、男女同一の賃金制度を適用しており、同等級内において共通の処遇を行っており、女性に対し男性の方が管理職比率が高いこと等が男女の賃金差異の要因となっています。
 パート・有期労働者については、高度な専門性及び経験を必要とする場合や短時間勤務等、職務要件による賃金形態の差異が主な要因です。

 

③ 当社グループ

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注2)

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注3)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注2、6)

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・

有期労働者

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・

有期労働者

当社グループ(注1)

5.9

125.0

125.0

76.2

82.3

61.3

 

(注) 1.当社グループとして、提出会社及び主要な連結子会社3社を集計しております。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。男性育休取得率は、前事業年度に産まれた子供に対する育休取得の影響等で100%を超えております。

4.管理職における女性労働者の割合は、当事業年度末時点、その他の指標は当事業年度における実績を記載しております。

5.「-」は対象会社において、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律にもとづく情報公表項目には該当していないことを示しております。

6.労働者の男女の賃金の差異に関する説明
 男女賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。
 正規雇用労働者については、男女同一の賃金制度を適用しており、同等級内において共通の処遇を行っており、女性に対し男性の方が管理職比率が高いこと等が男女の賃金差異の要因となっています。
 パート・有期労働者については、高度な専門性及び経験を必要とする場合や短時間勤務等、職務要件による賃金形態の差異が主な要因です。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ全般

<ガバナンス>

①サステナビリティ基本方針

 当社グループは、サステナビリティに係る課題が、企業が対処すべきリスクであることを超えて、企業の長期的かつ持続的な価値創造に向けた経営の根幹をなす要素であることを強く認識しております。また、当社グループは、「企業理念」と「行動方針」をサステナビリティ経営の基本方針と位置づけ、サステナビリティ課題の解決に向けた取組みを積極的かつ継続的に実行することにより、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を目指します。

 

②サステナビリティ推進体制

 当社は、2022年7月に取締役会の諮問機関である、サステナビリティ委員会を設置しました。

 本委員会の構成は、当社代表取締役社長が委員長を務め、管理部門管掌取締役及び経営企画部門管掌取締役が副委員長を務めます。また、各グループ会社代表取締役(当社執行役員)及び当社関連部署責任者を委員とすることで事業との連動性を図る体制としています。加えて、サステナビリティ活動を推進するため、委員長の指名によりグループ会社役職員で構成されるワーキンググループを設置し、全グループを挙げて取組む体制を構築しています。

 

<戦略>

 当社グループは、安心・安全・豊かな社会の実現を目指すという基本方針のもと、価値観を共有できるステークホルダーの皆さまと協力して、「ITの力で様々な社会課題を解決する」あるいは「環境変化や技術進化に対応して積極的に変化し、革新する」ことを自らのパーパス(存在意義)として認識しております。

 また、かねてより事業活動をとおして取組んできたサステナビリティ経営の強化を図るため、「PCI X-formation2032(PX2032)」において、「ITの可能性を探求し続け、安心・安全・豊かな社会(=サステナブルな社会)の実現に貢献するとともに、常に変化に対応し成長する企業」を2032年のありたい姿として定め、サステナビリティに関する6つの重要課題(マテリアリティ)を特定いたしました。  

 サステナビリティ経営にとって重要なこれらマテリアリティの解決に積極的に取組むことで、当社グループのパーパスを実現し、企業価値の向上につなげてまいります。

重要課題(マテリアリティ)

取組み項目

主な観点

①積極的な変化と革新の追求を通じた安心・安全・豊かな社会の実現

・ 新しい技術と変革への積極的な挑戦
・ITによる経済成長促進と快適な高齢化社会の実現
・ITによる社会・経済的不平等の格差縮小
・ レジリエンスの高い基幹インフラ・ネットワークの形成
・ 堅牢なサイバーセキュリティ体制の構築

 事業面
(技術)

②お客様に真に有益なソリューションの提供

・ お客様との対話・“寄り添い”
・ 製品・サービスの安全・品質管理の徹底
・ 情報管理・プライバシー保護の徹底

事業面
(顧客)

③持続可能な地球環境づくりへの貢献

・ 地球温暖化対策の推進
・ 省エネルギー・省資源の徹底
・ 循環型社会・経済への貢献
・ 災害に対するレジリエンスの強化

  環境(E)

④社会の発展、事業の成長、自己実現に喜びを感じる人財の育成

・ 人財確保・人的資本強化に向けた制度改革加速
・ 従業員教育への投資充実
・ 人財施策のフレキシブルな見直し
・ 労働・職務環境の改善/従業員の健康管理

  社会(S)

人的資本

⑤多様性・公平性・包摂性を大切にする企業文化

・ 人権教育とデュー・ディリジェンスの強化・徹底
・ 人口動態の変化への柔軟な対応
・ ディーセントな雇用機会の創出

 社会(S)

社会全般

⑥公明正大で説明責任の果たせる企業活動の追求

・ 法令順守、コーポレート・ガバナンス体制強化
・ リスク管理、BCP体制強化の徹底

  ガバナンス(G)

 

<リスク管理>

 当社グループは、企業経営に関連する様々なリスクに対応するため、「サステナビリティ委員会」がリスク管理の充実に努めております。2022年7月にサステナビリティ委員会を設置するまで、当社グループでは、PCIホールディングス常務会の諮問機関である「コンプライアンス・リスク管理委員会」がその管理を行っておりました。しかしながら、昨今の経営環境の不確実性の高まり等を受け、当社グループでは、サステナビリティ課題を含めた広範なリスクと機会を、新設したサステナビリティ委員会で管理する体制としました。(コンプライアンス・リスク管理委員会は「コンプライアンス委員会」と改称し、法令の順守や企業倫理の徹底等のコンプライアンス管理を中心とした、社内調査権のある組織に改編。)

 サステナビリティ委員会では、事業環境等の個別リスク(詳細は3.事業等のリスク参照)を重要性の高いリスクとして認識するほか、環境課題や人権・人的資本等に関する重要な課題についてサステナビリティ委員会にて一元的に管理しております。

 

<指標及び目標>

 (2)人的資本、(3)気候変動に記載のとおりです。

 

(2)人的資本

<ガバナンス>

 基本方針については、(1)サステナビリティ全般の「ガバナンス」に記載のとおりです。人的資本については、サステナビリティ委員会のもとに、各社人事部門担当者を中心に構成される人的資本ワーキンググループを設け、各課題の解決に向けた施策に取組んでおります。

 

<戦略>

 中期経営計画「PCI-VISION2027」では、基本戦略に「人的資本投資の強化、人的資本経営の再構築」を、その実行方針に「最先端技術の習得による技術者集団の育成」「顧客を知悉するリレーションシップマネジメント能力の蓄積」「多様性と一体感のある組織づくり」「働きがいと働きやすさ=従業員エンゲージメントの向上」を掲げております。

 人的資本ワーキンググループでは、その活動をとおして、人財面におけるマテリアリティを特定し、「PCI-VISION2027」の基本コンセプトと併せて人財育成方針、社内環境整備方針のアップデートを図っております。

 

■人財マテリアリティ

マテリアリティ(サステナビリティ経営推進における重要課題)

社会の発展、事業の成長、自己実現に喜びを感じる人財の育成

 

求める人財像 ~事業戦略と連動~

①総合技術コンサルタント  ②リレーションシップマネージャー  ③次世代経営人財

 

人財マテリアリティ

重要課題

KGI(課題解消)

施策

人財育成方針

環境整備方針

①求める人財の定量化

人財ポートフォリオ実践

事業戦略連動
動的人財ポートフォリオ

 

 

②グループ人財育成基盤

グループ共通の育成制度確立

事業戦略連動 育成計画

 

③次世代経営人財

サクセッションプラン

育成計画、教育制度

 

④チャレンジしやすい風土

チャレンジする風土創出

失敗の許容
新事業提案制度

 

⑤リスキル、人財活用

プロティアン・キャリア

学習・キャリア支援
副業&兼業

 

⑥人財交流

コミュニケーション強化

グループ内人事交流、対話交流

 

 

 

■人財育成方針

「PCI-VISION2027」
基本コンセプト

人財育成方針

パーパス経営

サステナブル経営

・企業理念の浸透

 企業理念、行動規範、グループ人権方針
 女性活躍、無意識の偏見等

グループ共通 Off-JT

 ・e-ラーニング研修
 ・社内報、ワークショップ
 ・エンゲージメントサーベイ等

グループ教育部門
教育ベンダー
エンゲージメントツール他

・次世代経営人財の育成

グループ共通 Off-JT

 ・経営基礎(財務・法務等)
 ・模擬経営、ビジネスゲーム等

高収益体質
人的資本経営

・総合技術コンサルタントの育成
・リレーションシップマネージャーの育成

 OJT業務知識、専門技術、自己啓発

 Off-JT専門知識、スキル、マインド

事業会社主管
 ・OJT
   職場指導 上司・先輩
   グループ、部門間人財交流等
 ・Off-JT
   e-ラーニング研修

   集合研修等

 

 

■社内環境整備方針

社内環境整備方針

多様性と一体感のある組織づくり ~ グループ価値創造の視点

女性の活躍推進

・女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)

・女性従業員の管理職昇進意欲の向上、ワークショップ及び研修

・アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に関する従業員教育

多様な人財の活躍推進

・D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進、従業員教育

・高齢者継続雇用、障がい者雇用等の促進

・育児休業、介護休業、産前産後休業等の諸制度

チャレンジしやすい風土づくり

・「積極的(Positively)」に「変化(Change)」と「革新(Innovate)」

・失敗に対する価値観の明示、失敗の許容

・新事業提案制度、人事・対話交流等グループ人財交流の強化等

働きがいと働きやすさの向上 ~ 従業員一人ひとりの視点

健康経営の推進

・定期健康診断、一定年齢以上の人間ドック受診

・産業医相談、ストレスチェック受検

・長時間労働の防止、時間外・休日労働時間の削減

・年次有給休暇の取得促進等

柔軟な働き方

・テレワーク制度及びフレックス勤務制度

・業務DX推進

従業員エンゲージメントの向上

・グループ従業員を対象とした定期的なエンゲージメント・サーベイの実施

・サーベイ結果の共有(各社経営及びグループ従業員/サステナ通信)

・各種施策の効果測定、施策のアップデート等

 

 

 

 人的資本ワーキンググループは、2023年9月期から活動を開始、「人財育成」「従業員エンゲージメント」「人権デュー・ディリジェンス(以下、人権DD)」「健康経営」を重点テーマとして準備フェーズを進め、2025年3月期から具体的な施策の実行フェーズに移行しております。


①人財育成

 当社グループにとって「人」は財産であり、その「人財」を磨き上げ、適切な組織を組成し、機能させることが事業成長に直結するものと考えております。また、従業員は、各々の業務を通じて自ら学び自ら成長し、当社グループは、年齢・性別・国籍等に関係なく、自らの成長に向けて努力する従業員に対して支援する使命を担っていると考えております。 

 2025年3月期より事業計画と連動した人財育成計画を実践するPDCAサイクルをスタート、グループ各社で教育研修の目的や進捗状況の見える化を図り、従業員の満足度やミドルマネジメント層の計画遂行に対する意識の向上に努めました。研修費の実績については、下記の<指標及び目標>に記載のとおりです。

 今後も、グループ従業員の意識・行動変容の可視化を目指し、ミドルマネジメント層の意識改革、人事評価プロセスの改善等、人財育成のさらなる実効性強化に取組んでまいります。

 そのほか、経営人財の事業計画遂行力等の強化を図るため、グループ各社の執行役員を対象とするマネジメント研修をスタートしました。今後はリーダー層から階層別に段階的な選抜研修を実施する等、次世代の経営人財を育成するための仕組み(サクセッションプラン)を充実させてまいります。

 

②従業員エンゲージメント

 従業員エンゲージメントの向上は、従業員の意欲や心理的安全性の向上につながり、離職率の低下、組織の生産性やパフォーマンスを向上させる効果が期待される重要な施策のひとつと考えております。

 2024年9月期では、グループ従業員を対象に実施したエンゲージメントサーベイの分析をとおして、人間関係、自己成長、組織風土等が重要なキードライバーとなることを確認、従業員の内発的な動機や会社に対する共感を高めていくためには、コミュニケーションの質向上が重要であることを改めて認識するに至りました。

 今後も持続的な成長を続けるためには、社内(人や組織)だけでなく社外(顧客や仕入先)に対する価値提供をコミュニケーションに必要な「人の視点」で捉えて具現化していく必要があります。

 当社グループは、これらを形にしていくためには、社内外を含むあらゆる人同士の接点において、お互いに相手をリスペクトし信頼するリレーションシップの構築が重要であると考え、「リスペクト」の共通言語化や習慣化をグループ内に浸透させるべく、まずはミドルマネジメント層の意識・行動変容を促す施策から着手する方針を決定いたしました。

 2025年3月期では、先の方針に従い、全役職員を対象とする「リスペクト・トレーニング」を経営層、ミドルマネジメント層からスタート、エンゲージメントサーベイツールの活用研修やメンタルヘルスやアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)等をテーマとするセルフマネジメント研修の企画準備、人事評価プロセスの改善検討等の活動に取組みました。

 そのほか、テーマ別交流会の開催(人生100年時代の資産形成)、サステナビリティ関連の取組みを発信する「サステナ通信」の定期発行等、グループ内人的交流の活性化にも積極的に取組みました。

 今後も「リスペクト」の共通言語化や習慣化のグループ内浸透や人的交流の活性化に積極的に取組み、社内外のエンゲージメント向上に繋げてまいります。

 

③人権DD

 当社グループは、「PCIグループ行動規範」に「基本的人権および、人格・個性の尊重」を掲げており、グループ全体で人権に関する啓発活動に取組んでおります。

 2024年9月期までに、「PCIグループ人権方針」、「PCIグループ購買方針」を制定し、経営層を対象とする人権リスク調査、ビジネスパートナー(仕入取引先)を対象とするアンケート調査を通じた人権侵害リスクの特定・評価、全役職員を対象としたe-ラーニング研修や経営層を対象に外部から専門講師を招いた人権教育を開催する等、人権DDのモニタリングプロセスをスタートしております。

 2025年3月期では、継続してPDCAサイクルの浸透に取組んでおりますが、ビジネスパートナー(仕入取引先)を対象とするアンケート調査では、その回収率が大きく改善する等、当社グループの活動への理解が浸透している成果が見られました。

 今後も、人権侵害リスクの特定・評価のアップデートを図り、防止・軽減の対応状況の評価やモニタリングを継続的な取組みとして実施してまいります。

 

④健康経営

 当社グループは、全社員が心身ともに健康で、仕事に「やりがい」や「誇り」を感じ、その個性と能力を発揮することで、世の中が抱える課題の解決に挑戦し続けていくことが社会的使命であり、重要な経営課題であると認識しています。

 2025年3月期では、「PCIグループ健康経営方針」(2024年11月)を制定し、重点取組事項である健康維持・増進、メンタルヘルス対策の推進、病気と仕事の両立支援に取組みました。

 具体的には、健康維持・増進として、従業員の心身の健康状態について現状を把握するため、目標指標に設定したアブセンティーイズム(※1)とプレゼンティーイズム(※2)に関する調査をグループ全体で実施、施策の効果測定に活用する貴重な情報を得ることができました。調査結果は「サステナ通信」を通じてグループ全体にフィードバックし、今後の健康経営の取組みに対する意識向上を図りました。

 そのほか、業務と仕事の両立支援として「PCIグループ長期休業サポート制度(2025年4月開始)(※3)」の導入やメンタルヘルス対策として「内部通報窓口の社外設置(2025年3月開始)」を進めてまいりました。

 今後は、健康経営優良法人の認定取得も視野に健康診断の受診率向上、メンタルヘルス研修の実施等、重点取組事項を中心に健康保持・増進の制度や施策の拡充を図ってまいります。

(※1)病気や体調不良による欠勤のこと。

(※2)出勤しているものの心身の不調により生産性が低下している状態のこと。

(※3)団体長期障害所得補償保険(Group Long Term Disability 、略称GLTD)制度のこと。

■健康経営戦略マップ


 


 上記①~④を含めた人的資本強化の取組みが、パーパスの実現にどのように寄与するのか、そのインパクトを可視化いたしました。

 今後は、アウトプットやアウトカムといった指標の効果測定等をとおして、より効果的な戦略のアップデートを図

ってまいります。

 

■人的資本インパクトの可視化


 

<リスク管理>

 (1)サステナビリティ全般の「リスク管理」のほか、上記の③人権DD及び「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

<指標及び目標>

 人的資本に関する取組みにおける、当社グループの主な指標及び目標、前期及び当期の実績は以下のとおりです。

 

■指標及び目標


 

 2025年3月期は決算期変更のため6ヶ月の変則決算となっておりますため、2024年9月期との比較は参考情報となりますが、各指標について概ね改善しております。今後も目標達成に向けて各種施策に取組んでまいります。

 なお、集計範囲については、重要性の観点から提出会社及び主要連結子会社3社を対象としております。

 

指標

2024年9月期

2025年3月期 ※1

2026年3月期 目標 ※2

人財育成方針

一人当たり研修費

82.7千円

35.2千円

2027年3月期累計 ※3

研修費総額500,000千円

研修費総額

128,286千円

54,715千円

社内環境整備方針

女性管理職比率

5.8%

5.9%

2030年までに10%以上

男性育児休業取得率

90.9%

125.0%

95%以上

男女別賃金差異(全従業員)

72.8%

76.2%

75%以上

離職率

8.2%

3.2%

※4

自発的離職率

5.5%

2.0%

5.0%以下

有給休暇取得率

78.9%

74.6%

80%以上 ※5

ストレスチェック受検率

93.4%

88.6%

95%以上

健康診断受診率

85.3%

87.6%

90%以上

人権関連研修受講率

100%

-%

100% ※6

コンプライアンス研修受講率

100%

-%

100% ※6

人権サプライチェーンDD実施率

53.2%

76.9%

80%以上

 

※1 2025年3月期については、決算期変更により、6ヶ月の変則決算となっております。

※2 特にコメントのない項目については、2026年3月期の目標としております。

※3 研修費総額の集計対象期間は、2023年10月~2027年3月までとしております。

※4 2024年9月期の離職率には定年退職者も含まれております。算出に当たっては継続雇用者が含まれていることから、より実態に即した指標を算出するため、2025年3月期より継続雇用者を除いて算出しております。この方法により2024年9月期の離職率を再計算した場合は6.8%となります。また、今後も定年退職者の増加が見込まれることから離職率の目標は設定せず、自発的離職率の目標達成に向けて、社内環境整備方針に基づく各種施策に取組んでまいります。

※5 2025年3月期は決算期変更に伴い6ヶ月の変則決算となっておりますが、有給休暇付与日の変更はおこなっておりませんので、2024年4月から2025年3月までの1年間の数値を記載しております。

※6 毎年4~6月頃に研修を実施しているため、6ヶ月の変則決算である2025年3月期は対象期間外となります。

 

(3)気候変動

<ガバナンス>

 当社グループは、「持続可能な地球環境づくりへの貢献」を重要課題(マテリアリティ)の一つとして認識しております。その選出と特定にあたっては、当社グループへの意識調査に加え、外部有識者の意見を踏まえながらサステナビリティ委員会が中心となっておこなっております。なお、サステナビリティ委員会の体制につきましては、(1)サステナビリティ全般の「ガバナンス」に記載のとおりです。

 

<戦略>

 気候変動問題への対応は、当社グループにとってリスクにも機会にもなりうると考えております。2022年11月のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言賛同に基づく情報開示の中で、①移行リスクシナリオ(1.5℃以下シナリオ)、②物理的リスクシナリオ(4.0℃シナリオ)、の2つの代表的なシナリオを想定し、2030年代までを中心に、当社の主力事業に及ぼすリスクと機会を検討いたしました。その選出と特定にあたっては、当社グループへの意識調査に加え、外部有識者の意見を踏まえながらサステナビリティ委員会を中心となっておこなっております。

 

移行リスクシナリオ(1.5℃以下シナリオ)

 2050年までに、地球規模で温室効果ガス排出量ゼロを実現する規範的シナリオ。政策、エネルギー・産業構造、資源価格等は、IEA「World Energy Outlook 2021」の「NZE2050シナリオ」、平均気温等、気候変動に関する想定は「IPCC第6次評価報告書」の「SSP1-1.9シナリオ」に原則として準拠しています。

 

②物理的リスクシナリオ(4.0℃シナリオ)

 現時点で公表されている温室効果ガス削減に関する政策や目標の撤回を含めて、気候変動問題に対する有効な政策が実施されないシナリオ。政策、エネルギー・産業構造、資源価格等は、IEA「World Energy Outlook 2021」の「STEPSシナリオ」、平均気温等、気候変動に関する想定は「IPCC第6次評価報告書」の「SSP5-8.5シナリオ」に原則として準拠しています。

 

 収益や資産等、財務面への影響が大きいと考えられるリスクと機会について、当社グループはその対応策を改めて検討し、その主要な結果を下表にまとめております。

 

リスク

予想される

イベント

予想される

発生時期

財務的

影響評価

リスクの内容

対応策

1.5℃シナリオ

政策・規制

カーボンプライス(炭素税等)導入・増税

中期~長期

・炭素税導入・増税による直接的な影響(税負担増等)と間接的な影響(価格転嫁による仕入部材の価格上昇等)

・社内カーボンプライシング制度の導入検討

・気候変動政策に合わせた価格体系の検討
・GHG排出量の少ない調達品の選定

環境規制強化等に伴うコスト増

短期~中期

・ESG情報開示強化によ事務負担・システム対応等のコスト増加

顧客行動・市場の変化

環境対応製品・技術への転換

短期~中期

・環境規制強化による自動車業界の産業構造変化(CASE対応加速等)

・気候変動リスク対応に伴う顧客の製造コスト増加、ソフトウェアのコスト抑制・性能向上への要求増加

・Mobility分野等のソフトウェア開発に関する技術開発

・環境対応を重視した製品差別化

生活・労働環境の変化

短期~長期

・顧客企業の就業環境の変化(在宅勤務/ワーケーション普及等)

・WEB面談を主体とする顧客アクセスのシステムの活用/新たな技術開発

4.0℃シナリオ

慢性的な変化

平均気温上昇

中期~長期

・冷房に係る空調コスト増加

・省電力設備導入、再生可能/新エネルギー導入

急性的な変化

自然災害の激甚化(台風、洪水、土砂災害等)

短期~長期

・自然災害によるサプライチェーン全体における被害の発生

・エネルギー供給停止や交通機関の麻痺等による業務停止

・気候変動対策のBCP策定・強化

・事業場所移転や事業所分散化の検討

・テレワーク環境の充実、インフラ強化

 

 

 

機会

予想される

イベント

予想される

発生時期

財務的

影響評価

機会の内容

対応策

1.5℃シナリオ

政策・規制

カーボンプライス(炭素税等)導入・増税

中期~長期

・温室効果ガス削減に貢献するIT関連サービス需要増加

・再生可能/新エネルギーの需要増加

・気候変動対応(脱炭素・省電力化)に係るICTシステム/ソリューション開発需要の拡大

・脱炭素化に関する規格やルールに即応可能なシステム開発、新規事業領域の創造

環境規制強化等に伴うコスト増

短期~中期

・ESG情報開示強化による事務負担・システム対応等の需要増加

顧客行動・市場の変化

環境対応製品・技術への転換

短期~中期

・環境規制強化による自動車業界の産業構造変化(CASE対応加速等)

・気候変動リスク対応に伴う顧客の製造コスト増加、ソフトウェアのコスト抑制・性能向上への要求増加

・必要とされる技術分野の特定と人財のスキルアップ

生活・労働環境の変化

短期~長期

・顧客企業の就業環境の変化(在宅勤務/ワーケーション普及等)

4.0℃シナリオ

慢性的な変化

平均気温上昇

中期~長期

・省エネルギー化に向けたIT活用によるDX需要増加

・気候変動対応(脱炭素・省電力化)に係るICTシステム/ソリューション開発需要の拡大

・脱炭素化に関する規格やルールに即応可能なシステム開発、新規事業領域の創造

急性的な変化

自然災害の激甚化(台風、洪水、土砂災害等)

短期~長期

・企業のBCP対策・DX化の進展に合わせたシステム需要の増加

 

 

<リスク管理>

 (1)サステナビリティ全般の「リスク管理」及び「3.事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

<指標及び目標>

 気候変動に関する評価指標として温室効果ガス(GHG)排出量を選定しております。排出量につきましては、Scope1・Scope2の合計について2030年までに46%削減すること、2050年までにScope3を含めてカーボンニュートラルを目指すことを目標として、その削減に取組んでいきます。また、事業活動や領域の変遷に伴う温室効果ガス排出量の影響を考慮するため、売上高単位当たりの温室効果ガス排出量(排出原単位)を参照指標として、影響度の高い会社(以下、対象会社)を中心に削減目標を設定しております。

 2025年3月期においては、対象会社における事業所統合、非化石証書購入を通じて、当初目標を大きく上回る削減実績をあげることができました。

   直近3か年における実績(Scope1+Scope2、Scope3)ならびに基準年度比較は下表のとおりです。

項目

単位

2023年9月

2024年9月

2025年3月

Scope1+Scope2

(マーケット基準)

t-CO2

565.94

400.85

161.91

Scope3

t-CO2

542.72

531.42

270.46

 

(注)1.GHGプロトコルで定義されるScope1(化石燃料等の使用に伴う直接排出)、Scope2(購入した電気・熱の使用に伴う間接排出)の排出量合計を記載しております。Scope3(Scope1、Scope2以外の間接排出)については、カテゴリー6(出張)、カテゴリー7(通勤)の排出量合計を記載しております。

2.排出量算定に当たっては、重要性の観点から連結子会社2社を含めておりません。

3.2025年3月期は決算期変更により6ヶ月の変則決算となっております。

4.排出量の数値は、一定の仮定や前提を置いて導き出したものであり、独立した第三者による保証・検証を取得しているものではありません。今後、算定範囲の拡大、精度や粒度の向上、リスクシナリオ分析の高度化、適用する排出係数・排出原単位の変更、算定方法に係る国際的な基準の明確化に対する議論の動向等により、当社グループで把握・公表する数値についても将来的に変更となる可能性があります。

 

 

Scope1+Scope2

基準年度

2025年3月

基準年度比 (注)2

増減

増減率

排出量(t-CO2

526.80

126.97

   -%

排出原単位

(t-CO2/百万円)

0.03

0.01

   -%

 

(注)1.Scope1・Scope2の合計の削減目標となる対象会社の範囲は、連結売上高の75%を目安としております。基準年度は、2017年9月期(対象会社:PCIホールディングス株式会社、PCIソリューションズ株式会社)、2021年9月期(対象会社:株式会社ソード)とし、合計値を記載しております。今後、集計対象及び基準年度の見直しを行う場合は、適宜公表いたします。

2.2025年3月期は、決算期変更により6ヶ月決算となっております。そのため、基準年度比は記載しておりません。仮に12ヶ月決算に換算した場合、排出量は253.9t-CO2となり、基準年度比△51.8%となります。