事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
ゲーム | 22,529 | 93.7 | 4,058 | 115.7 | 18.0 |
コミック | 765 | 3.2 | -415 | -11.8 | -54.2 |
その他 | 754 | 3.1 | -135 | -3.8 | -17.9 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当社、連結子会社7社(株式会社アカツキゲームス、Akatsuki Taiwan Inc.、株式会社アカツキ福岡、株式会社HykeComic、株式会社Akatsuki Ventures、Dawn Capital1号投資事業有限責任組合、EMOOTE PTE. LTD.)、持分法適用関連会社1社、持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社23社(Akatsuki Entertainment USA, Inc.他22社)の合計32社により構成されております。
当社グループは事業活動の特徴を考慮した経営管理上の区分に基づき、事業セグメントを集約したうえで、「ゲーム事業」、「コミック事業」の2つを報告セグメントとしております。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント区分と同一であります。
「ゲーム事業」は、主にモバイルゲームの企画、開発及び運営を行っております。
「コミック事業」は、縦読みフルカラーコミックの企画、制作、配信及び「HykeComic」アプリの運営を行っております。
1.ゲーム事業について
(1) ゲーム事業の概要
当社グループは、国内SNS運営事業者が提供するプラットフォーム(注1)やApple Inc.及びGoogle Inc.などのプラットフォーム運営事業者が運営する各アプリマーケットにおいて、モバイルゲーム等を提供するゲーム事業を行っております。
モバイルゲームは、これまでの家庭用ゲーム専用機のタイトルとは異なり、ユーザーが気軽に楽しめるゲームであり、月額基本料無料、一部アイテム課金制(注2)を採用するタイトルが主流となっており、当社グループが提供しているモバイルゲームにつきましても同様の仕組みでサービスを提供しております。また、モバイルゲームの開発においては、「オリジナルタイトル」の制作だけではなく、アニメや漫画等の、ユーザー認知度の高いキャラクター等のIP(注3)を有する他社(IP使用会社)との協業により、IPを利用したモバイルゲーム(以下、「他社IP利用タイトル」という。)の制作を行っております。
(注)1.モバイルゲーム等を提供する際の土台・基盤として利用されるSNSのこと
2.無料で入手することが可能であるアイテムやカード等をゲームを有利に進めるために有料で提供すること
3.Intellectual Property:著作権等の知的財産権
① オリジナルタイトルの制作
当社配信のオリジナルタイトルにつきましては、企画、開発、運用及びマーケティングまでのモバイルゲームを提供する一連の過程を自社で実施しております。当連結会計年度末現在、当社グループの主要なタイトルである「八月のシンデレラナイン」を提供しております。
② 他社IP利用タイトルの制作
当社配信の他社IP利用タイトルにつきましては、企画、開発、運用及びマーケティングまでのモバイルゲームを提供する一連の過程を自社又は他社との共同事業で実施しております。
また他社配信の他社IP利用タイトルにつきましては、基本的には、IPを利用して他社との協業によりユーザーへモバイルゲームを提供し、その収益についてはIP使用会社から当社グループへ配分されております。
当連結会計年度末現在、当社配信及び他社配信の他社IP利用タイトルは合計で5タイトルとなります。
<主な提供タイトル>
当社グループでは、各プロダクト毎にターゲットユーザーを定め、それぞれ独自の世界観と体験を通じてユーザーに貢献するべく、サービス提供を行っております。
タイトル名 |
プラットフォーム |
オリジナル/他社IP |
ゲーム内容等 |
ドラゴンボールZ ドッカンバトル |
App Store Google Play |
他社IP |
「ドラゴンボールZ」を題材としたモバイルゲーム |
八月のシンデレラナイン |
App Store Google Play |
オリジナル |
「青春×女子高生×高校野球」をテーマにした“青春体験型野球ゲーム” |
ロマンシング サガ リ・ユニバース |
App Store Google Play |
他社IP |
23年ぶりとなる「ロマンシング サガ」完全新作RPGゲーム |
レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~ |
App Store Google Play STEAM |
他社IP |
「アトリエ」シリーズを題材としたシネマティック錬金術RPGゲーム |
(2) 当社グループのゲーム事業における特徴及び強み
① 企画力・プロデュース力
(a) オリジナルタイトルの企画力
当社グループは、これまでブラウザゲーム及びネイティブアプリで合計18本の自社によるオリジナルタイトルをゼロから企画・開発しております。モバイルゲーム市場については、ユーザーがおもしろいと感じて楽しめるタイトルを提供することが重要と考えており、当社グループはモバイルゲームを自社によるオリジナルタイトルでゼロから企画・開発を行っている強みがあると考えております。
(b) ノウハウの蓄積・企画立案プロセスの整備
当社グループは、企画、開発及び運営に至る主要なプロセスを自社で一貫して行うことにより、モバイルゲームの開発及び運営のノウハウを蓄積してまいりました。また、既存タイトルにおける過去の施策とそのユーザー分析結果を開発・運営部門全体で共有することにより、新規タイトルの企画、開発や既存タイトルの運営にも応用しており、組織としてノウハウを蓄積・活用できる体制を構築していると考えております。
なお、企画立案のプロセスからマーケティング部門が関わり、社内レビューやユーザーテストなどを繰り返し実施し、「世界観」と「面白さ」とを備えたゲームを分析的・継続的に再現できるプロセスを導入しております。
② 長期運用力
(a) オリジナルタイトル及び他社IP利用タイトルの展開
当社グループはオリジナルタイトルの開発と他社IP利用タイトルの開発を行っております。オリジナルタイトルはゲーム内で使用するイラスト費やプロモーションコストを当社グループで負担する必要がありますが、当社グループに対する収益分配率は高くなります。一方、アニメや漫画等の有力なIPのうち、当社が配信する場合は、IP使用会社等への収益分配があるため、収益分配率がオリジナルタイトルと比べ低くなりますが、ユーザーの認知度が高いため、サービス開始直後から一定のユーザーの獲得を見込むことができると考えております。また他社が配信する場合には、当社が配信する場合と同様である他、ゲーム内で使用するイラスト費やプロモーションコストを抑えることが可能であると考えております。そのため、ターゲットユーザーや収益構造が異なるオリジナルタイトルと他社IP利用タイトルのゲームコンテンツを共に提供することによりリスクをヘッジすることが可能と考えております。
(b) 複数タイトルの運営体制
当社グループは、継続的に安定的な収益を確保するために、ノウハウの共有やツール等の自動化を行い、複数の既存タイトルの運営と新規タイトルの開発を同時並行で行う体制を構築しております。また、国内外において優秀な人材の採用を積極的に進めることにより、一人当たりの効果的な生産性の向上を実現し、少ない人員数でそれぞれのタイトルを運用する体制を実現していると考えております。
(c) データ分析及びPDCAサイクルの実行
モバイルゲームは、これまでの家庭用ゲーム専用機向けタイトルとは異なり、サービスの開始後もユーザーの動向に合わせてゲーム内容の改良を常に行っていくことが必要となっております。当社グループは、DAU、課金率、ARPPU(注)等の基礎的なデータを初めとして、ユーザーの行動履歴を示す各種指標を取得することによりユーザーの動向を把握し、各種施策を適時に実施することで収益向上に取り組んでおります。また、ユーザーから寄せられたクレームやコンテンツの問題点を認識し、それを改善するための計画の立案、実行及び修正というPDCAサイクルを繰り返し実行することにより、ユーザー基盤の維持・拡大とさらなる収益の拡大を図っております。
(注)DAU(Daily Active Users):1日においてサービスを利用したユーザー数
課金率:サービスを利用しているユーザーのうち課金アイテムを購入したユーザーの割合
ARPPU(Average Revenue Per Payed User):課金ユーザー1人当たりの平均売上高
(d) マーケティング力
当社グループでは、ウェブだけでなくテレビCMを含めた効率的なマーケティングを意識して実践しております。具体的には、マーケティング部門が各ゲームタイトルの企画・開発段階から関わることにより、プロダクトを理解した上でマーケティング施策を立案できる体制を構築していると考えております。また、各マーケティング施策に対して詳細なデータ分析を行い、PDCAを実施することにより、ユーザー獲得単価を適切な水準にコントロールできております。
また、マルチメディア展開、他社とのコラボレーションやリアルイベントなどにより、ユーザーを長期的にファン化する取り組みも積極的に行っております。
これらの結果、広告宣伝費を効率的に活用し、収益性の確保に努めております。
③ 海外オペレーション力
当社グループは、国内だけでなく今後成長が見込まれる海外市場においても、当社グループのモバイルゲームを提供していく必要があると考えており、台湾にある海外子会社(Akatsuki Taiwan Inc.)が運用主体となって、日本のノウハウを展開することで、日本と同水準のユーザーエンゲージメントでのサービスをグローバルに展開するオペレーション体制を構築しております。具体的には、当社グループで実績のあるタイトルにつきましては、台湾子会社にて海外向けにローカライズ(注)することにより提供し、国内での運用ノウハウを展開することにより、効率的な運用を目指しております。
また、新規タイトルにつきましては、当社グループ内で密に連携することにより、国内・海外において各国の市場の状況に応じて適時にモバイルゲームを提供できる体制を構築していると考えております。
(注)ローカライズ:ソフトウェアの現地最適化であり、国際化されたソフトウェアを各国に対応させること
④ 組織力・企業文化
当社グループは、メンバー一人ひとりがモチベーション高く、それぞれの才能を最大限活用でき、さらにチームとしても最高のパフォーマンスを発揮できる組織作りや、新しいサービスを生み出すという「ものづくり」としての企業文化構築を重視しています。そのために企業理念やカルチャーに適合する人材を採用するとともに、人材育成のための研修や人事施策、企業文化の醸成やオフィス環境の整備に対して積極的に投資しております。
2.コミック事業について
(1) コミック事業の概要
当社グループは、国内SNS運営事業者が提供するプラットフォーム(注)やApple Inc.及びGoogle Inc.などのプラットフォーム運営事業者が運営する各アプリマーケットにおいて、縦読みフルカラーコミック等を提供するコミック事業を行っております。
具体的には、当社グループでは「HykeComic」アプリを配信しており、同アプリ内において、当社グループが企画及び制作している作品や他社制作の無料又は有料の縦読みフルカラーコミックを配信しております。また当社グループが制作した縦読みフルカラーコミックを他社配信のアプリにおいて掲載しております。
(注)モバイルゲーム等を提供する際の土台・基盤として利用されるSNSのこと
(2) 当社グループのコミック事業における主な特徴及び強み
① 充実したWEBTOON制作体制
当社グループは、ウェブトゥーンの制作実績豊富である複数の国内主要制作スタジオと提携し、品質を重視した縦読みフルカラーコミックの制作を行うことができる体制を構築しております。また当社グループの主たる事業であるゲーム事業のこれまでの開発ノウハウがあることから、大規模なトラフィックを捌くことができる開発体制を構築しております。
② ゲーム事業でのノウハウの活用
当社グループにおけるゲーム事業において、これまで蓄積した海外マーケティングに関するノウハウや海外運用力を活用することで、オリジナル作品のローカライズ化を行い、グローバルで当社サービスを展開することができる体制となっております。
[事業系統図]
(注)1.ユーザーからの課金アイテム等利用代金から決済手数料及びプラットフォーム手数料(プラットフォーム運営事業者による代金回収代行業務及び売上管理業務に対する手数料)を差し引いた金額が、プラットフォーム運営事業者から当社グループへ支払われます。
2.ユーザーからの課金アイテム等利用代金から決済手数料及びプラットフォーム手数料を差し引いた金額がプラットフォーム運営事業者からIP使用会社や他社電子書籍配信アプリ会社へ支払われ、当社グループへの配分額はIP使用会社や他社電子書籍配信アプリ会社より支払われます。
3.ユーザーからの課金アイテム等利用代金から決済手数料及びプラットフォーム手数料(プラットフォーム運営事業者による代金回収代行業務及び売上管理業務に対する手数料)を差し引いた金額のうち、一定の配分額をIP使用会社へ支払っております。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用や所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクに十分注意する必要があります。
そのような状況の中、当社グループが属するゲーム業界を取り巻く環境につきましては、2023年の世界のゲーム市場の収益はマクロ経済が厳しい状況にもかかわらず、前年比で2.6%増加の1,877億ドルと予測されており、その中でも最も大きな割合を占めているモバイルゲームにつきましては前年比0.8%増の926億ドルの市場規模へ成長することが見込まれております。また、2026年までに世界のゲーム市場の収益は2,124億ドルに成長することが見込まれているため、引続きグローバルで成長し続ける業界であると考えられております。(出典:Newzoo「Global Games Market Forecast」)
また、前連結会計年度において当社グループが新規参入したコミック事業を取り巻く環境につきましては、国内の2023年コミック市場全体で前年比2.6%増の6,937億円と過去最高を更新しております。その中でも電子コミック市場は巣ごもり需要終息の影響で伸び率は縮小しているものの、前年比7.8%増の4,830億円と成長しております。(出典:公益社団法人全国出版協会「出版指標」)さらに、当社グループが提供を始めた縦読みフルカラーコミック「ウェブトゥーン」の世界市場は、2029年に約3兆円規模にまで成長すると予想されております。(出典:QYResearch)
このような環境の中、当社グループは今後、さらなる成長を加速させるため、責任と権限を一体化して事業を運営するベンチャーグループを目指し、前連結会計年度においてゲーム事業とコミック事業の分社化及びDawn Capital1号投資事業有限責任組合の組成等を進め、国内市場に閉じたプロジェクトへの事業投資を凍結し、グローバルポテンシャルを持つ大型プロジェクトへ集中投資することで、長期間の継続運営で大きなリターンを目指してまいりました。当社グループの主力事業であるゲーム事業では、既存タイトルの堅実な運用の下でも収益の落ち込みがあった他、3D×マルチデバイス×多言語を見据えた大型プロジェクトにリソースの大部分を集中させ、新規開発タイトルへの積極的な投資を進めてまいりました。また、コミック事業では当初予算内で検証フェーズを継続し、作品制作および他社プラットフォームでの販売強化を優先する方針のなか、有名クリエイターとの協業によるオリジナル作品の制作を進めてまいりました。また、2023年12月には株式会社NTTドコモが主体となる海外向け電子コミック配信サービスの提供に向けた業務提携契約を締結し、2024年秋に米国でのサービス提供開始を目指しております。
さらに、2023年12月には更なるゲーム開発力の強化、海外マーケティング力の強化、協業による新たなコンテンツの創出等を主たる目的とし、当社グループとしてグローバルへの挑戦を加速すべく、ソニーグループ株式会社(以下「ソニーグループ」という。)及び株式会社コーエーテクモホールディングス(以下「コーエーテクモホールディングス」という。)に対して自己株式処分による資本提携を行うとともに、両社と以下の内容の業務提携の合意に至りました。
①ソニーグループ
当社グループが現在開発中及び今後開発するモバイルゲームの海外市場展開や新たなIP及びコンテンツの共同制作・開発などの領域での協業に向け、ソニーグループ及びその企業集団との更なる関係構築を進め、今後新たな事業機会の創出を図ってまいります。
②コーエーテクモホールディングス
当社グループで既に進捗しているゲームプロジェクトに加え、下記3点においてコーエーテクモグループとの更なる関係構築を進め、今後新たな事業機会の創出を図ってまいります。
A) マルチデバイス次世代運営型ゲームの開発・運用による協業
B) 運営型ゲームのグローバル展開、マーケティング、パブリッシングによる協業
C) 新たなIP、コンテンツ、サービスにおける協業
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高23,972百万円(前期比1.5%減)、営業利益2,676百万円(前期比53.0%減)、経常利益2,834百万円(前期比45.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,288百万円(前期比4.0%減)となっております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(ゲーム事業)
当社グループのゲーム事業につきましては、より高いクオリティとユーザー体験にこだわり、タイトルを厳選して開発・運用していく方針の下、既存タイトルの堅実な運用と、3D×マルチデバイス×多言語を見据えた大型プロジェクトにリソースの大部分を集中させ、新規開発タイトルへの積極的な投資を進めてまいりました。主力タイトルである株式会社バンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」につきましては、国内版・海外版ともに周年等の大型イベントが盛況で、ストアセールスランキング(注)1位を複数回獲得しました。また、株式会社スクウェア・エニックスとの協業タイトル「ロマンシング サガ リ・ユニバース」では、周年や3,000万DL記念、佐賀県とのコラボなどのイベントが盛況で、コアファンを惹きつける長期目線での安定運営を継続してまいりました。また、新規タイトルにつきましては、株式会社コーエーテクモゲームスとの協業タイトル「レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~」の国内モバイル版が2023年9月にリリースされ、ストアセールスランキング10位以内を複数回獲得したほか、Steam®版及び海外モバイル版を2024年1月にリリースし、国内Steam®版では週間ストアセールスランキング6位を獲得するなど順調な滑り出しとなりました。
しかしながら、前年6月に櫻坂46・日向坂46応援[公式]音楽アプリ「UNI'S ON AIR(ユニゾンエアー)」の運営体制変更等、ポートフォリオの見直しをおこなった影響や、新規タイトルへの投資が進捗したことを受けて、前年同期比では減収・減益となりました。
この結果、当連結会計年度においては、売上高22,485百万円(前期比5.7%減)、セグメント利益4,058百万円(前期比48.5%減)となっております。
(注)ストアセールスランキング:App Store またはGoogle Playのセールスランキング
(コミック事業)
当社グループのコミック事業につきましては、当初予算内で引続き検証フェーズを継続し、作品制作および他社プラットフォームでの販売強化を優先する方針のなか、有名クリエイターと協業によるオリジナル作品の制作に注力し、複数タイトルの連載を開始するなど積極的な投資を行っております。また、オリジナル作品の他社プラットフォームへの展開の推進に伴って、作品の販売が堅調に推移し売上高が伸長しております。
この結果、当連結会計年度においては、売上高759百万円(前期比191.0%増)、セグメント損失415百万円(前期はセグメント損失988百万円)となっております。
(その他)
当社グループのその他事業はIP事業等が含まれており、当連結会計年度においては、売上高727百万円(前期比213.4%増)、セグメント損失135百万円(前期はセグメント損失565百万円)となっております。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて1,112百万円減少し52,043百万円となりました。主な要因として、売掛金の増加1,354百万円及び投資その他の資産におけるその他の増加922百万円があった一方で、現金及び預金の減少3,106百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて2,571百万円減少し、11,832百万円となりました。主な要因として、買掛金の増加564百万円及びその他固定負債の増加555百万円があった一方で、社債(1年内償還予定の社債を含む)の減少1,000百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の減少2,100百万円及び未払法人税等の減少1,199百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,459百万円増加し40,211百万円となりました。主な要因として、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1,288百万円、自己株式の取得及び処分等の影響による自己株式の減少1,701百万円があった一方で、剰余金の配当1,009百万円によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,106百万円減少し30,864百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果支出した資金は84百万円(前連結会計年度は5,047百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,212百万円があった一方で、法人税等の支払額2,298百万円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果支出した資金は77百万円(前連結会計年度は1,191百万の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入1,402百万円があった一方で、投資有価証券の取得による支出1,259百万円、有形固定資産の取得による支出162百万円及び無形固定資産の取得による支出79百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果支出した資金は3,232百万円(前連結会計年度は4,937百万円の獲得)となりました。これは主に、自己株式の売却による収入5,360百万円があった一方で、社債の償還による支出1,000百万円、長期借入金の返済による支出2,200百万円、自己株式の取得による支出4,489百万円及び配当金の支払による支出1,009百万円があったことによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、当該記載を省略しております。
②受注状況
当社グループは受注生産を行っておりませんので、当該記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
ゲーム事業(百万円) |
22,485 |
94.3 |
コミック事業(百万円) |
759 |
291.0 |
その他(百万円) |
727 |
313.4 |
合計(百万円) |
23,972 |
98.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
株式会社バンダイナムコエンターテインメント |
16,635 |
68.4 |
15,309 |
63.9 |
株式会社スクウェア・エニックス |
4,581 |
18.8 |
4,257 |
17.8 |
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来生じる実際の結果とは異なる可能性がありますので、ご留意ください。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等に関する分析
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載をしております。
(イ)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、技術革新、人材の確保・育成等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは優秀な人材の採用、ユーザーのニーズに合ったゲーム及びコミックの提供等を積極的に行っていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分析・低減し、適切に対応を行ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べ3,106百万円減少し、30,864百万円となりました。
資金需要及び資金調達につきましては、当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービス及び新規事業に取り組んでいく考えであり、これらの資金負担の可能性に備えるため必要に応じて追加の資金調達を実施いたします。
なお、キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所がございます。
当社グループが採用している重要な会計方針及び重要な見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
④経営者の問題認識と今後の方針
当社グループの経営陣は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後の業容拡大を遂げるためには、厳しい環境の下で、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
そのためには、収益力のある新規のゲームタイトル及びオリジナルコミック作品の継続的な提供、ゲームの安全性及び健全性の強化、システム管理体制の強化を図るだけではなく、より高いクオリティとユーザー体験にこだわったコンテンツ提供を行ってまいります。
⑤経営戦略の現状と見通し
当社グループは、各SNS運営事業者が各社のモバイルゲームプラットフォームをオープン化した時期に創業しており、以来モバイルゲーム事業に注力することにより、モバイルゲーム市場の拡大に寄与してまいりました。
2025年3月期以降につきましては、今後もゲーム事業を軸として、国内展開だけでなく、海外展開についてもこれまで以上に推進してまいります。
具体的には、ゲーム事業において、既存タイトルでは、ゲーム外でのIPの動きに合わせた運営によってユーザー利用を活性化し、引続きLTV最大化を目指して運用してまいります。また、新規タイトルでは、開発費及び初期プロモーション費の増加が見込まれるものの、次世代のゲーム体験を牽引する3Dを含む新技術の研究・開発に投資することにより、中長期的な成長を狙ってまいります。
また、コミック事業につきましては、当初予算内での検証フェーズを継続する方針となります。ウェブトゥーンアプリ「HykeComic」は立ち上げ期を過ぎ、運用コストの効率化を行っていくことに加え、オリジナル作品の製作・販売については引き続き積み上げてまいります。また海外事業の開始に向けた準備に注力していくことによって、将来の更なる成長を目指してまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは事業活動の特徴を考慮した経営管理上の区分に基づき、事業セグメントを集約したうえで、「ゲーム事業」、「コミック事業」の2つを報告セグメントとしております。
「ゲーム事業」は、主にモバイルゲームの企画、開発及び運営を行っております。
「コミック事業」は、縦読みフルカラーコミックの企画、制作、配信及び「HykeComic」アプリの運営を行っております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
Ⅰ 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
|
報告セグメント |
その他 (注)1 |
合計 |
調整額 (注)2 |
連結財務諸表計上額 (注)3 |
||
|
ゲーム |
コミック |
計 |
||||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
顧客との契約から生じる収益 |
23,843 |
261 |
24,104 |
232 |
24,336 |
- |
24,336 |
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
外部顧客への売上高 |
23,843 |
261 |
24,104 |
232 |
24,336 |
- |
24,336 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
142 |
- |
142 |
8 |
151 |
△151 |
- |
計 |
23,985 |
261 |
24,247 |
240 |
24,487 |
△151 |
24,336 |
セグメント利益又は損失(△) |
7,887 |
△988 |
6,898 |
△565 |
6,333 |
△633 |
5,700 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
139 |
0 |
139 |
1 |
141 |
7 |
148 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、IP事業等を含んでおります。
2.セグメント利益又は損失の調整額△633百万円には、セグメント間取引消去14百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△648百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
3.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4.セグメント資産の金額は、事業セグメントに資産を配分していないため記載しておりません。
Ⅱ 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
|
報告セグメント |
その他 (注)1 |
合計 |
調整額 (注)2 |
連結財務諸表計上額 (注)3 |
||
|
ゲーム |
コミック |
計 |
||||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
顧客との契約から生じる収益 |
22,485 |
759 |
23,245 |
727 |
23,972 |
- |
23,972 |
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
外部顧客への売上高 |
22,485 |
759 |
23,245 |
727 |
23,972 |
- |
23,972 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
44 |
5 |
49 |
27 |
77 |
△77 |
- |
計 |
22,529 |
765 |
23,295 |
754 |
24,049 |
△77 |
23,972 |
セグメント利益又は損失(△) |
4,058 |
△415 |
3,642 |
△135 |
3,506 |
△829 |
2,676 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
162 |
1 |
164 |
1 |
165 |
7 |
173 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、IP事業等を含んでおります。
2.セグメント利益又は損失の調整額△829百万円には、セグメント間取引消去22百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△851百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
3.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4.セグメント資産の金額は、事業セグメントに資産を配分していないため記載しておりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
(単位:百万円) |
||
日本 |
海外 |
合計 |
573 |
80 |
653 |
3.主要な顧客ごとの情報
|
(単位:百万円) |
顧客の名称又は氏名 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
株式会社バンダイナムコエンターテインメント |
16,635 |
ゲーム事業 |
株式会社スクウェア・ エニックス |
4,581 |
ゲーム事業 |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
(単位:百万円) |
||
日本 |
海外 |
合計 |
498 |
36 |
534 |
3.主要な顧客ごとの情報
|
(単位:百万円) |
顧客の名称又は氏名 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
株式会社バンダイナムコエンターテインメント |
15,309 |
ゲーム事業 |
株式会社スクウェア・ エニックス |
4,257 |
ゲーム事業 |
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
|
ゲーム |
コミック |
その他 |
合計 |
減損損失 |
63 |
- |
- |
63 |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
|
ゲーム |
コミック |
その他 |
合計 |
減損損失 |
157 |
- |
- |
157 |
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。