2025年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 12,556 100.0 186 100.0 1.5

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、『Good Communication, Good Partner』という企業スローガンの下、コミュニケーションというフィールドでお客様が抱えるソリューション解決に取り組んでおります。お客様からの信頼を第一に考え、お客様と共に生活者を見据えたマーケットインの思想と、『発想から発送までのワンストップソリューション』を基盤に、新たな価値創造に取り組んでおります。

企業集団の構成としては、当社及び子会社の株式会社サンライト、PT.SASATOKU INDONESIA、世徳印刷科技(無錫)有限公司の4社で構成しております。その役割としましては、当社は国内におけるパッケージ、販促物、広告、パンフレット等の製造・販売事業、株式会社サンライトはセールスプロモーションに関わる企画・制作及びマーケティングの企画事業、世徳印刷科技(無錫)有限公司は中国国内におけるパッケージの製造・販売事業、PT.SASATOKU INDONESIAはインドネシアにおけるパッケージの販売事業を行っております。

当社グループの生産拠点は、国内にはパッケージ工場(紙器・軟包装)として4工場、商業印刷工場(プリントメディア)として1工場、海外にはパッケージ工場(紙器)として1工場の計6工場を整備しております。特に長年・多岐にわたる顧客との取引の中で鍛え上げられた生産体制と製造技術により、製造工程が異なる紙器・軟包装・プリントメディアなどの製品を、各工場においてジャストインタイム、高品質、低コストの生産を実現しております。各工場はそれぞれが完成品までの生産体制を整えており、各工場をまたぐ生産はありません。当社では、環境対策、BCP対応など、顧客のあらゆるニーズに対応するための生産体制を「一環生産体制」と称し、さらなる強化に努めております。(図1)

 


図1:当社の6工場一環体制

 

国内の製造拠点は、全国に繋がる高速道路網により、関西、中部、関東から東北までの広範囲なエリアをカバーしております。本社パッケージ工場、商印工場、紙器グラビア工場は伊勢湾岸自動車道の豊明インターチェンジに、関東工場は関越自動車道の本庄児玉インターチェンジに、軟包装グラビア工場は東海北陸自動車道の一宮西インターチェンジに、いずれも車で5分以内の好立地に製造拠点があり、物流面においても安全・快適で効率的な物流の実現に貢献するとともに、一環生産の製造拠点として優位性を持っております。(図2)

 


図2:国内の製造拠点

 

当社の事業内容は、パッケージング分野、コミュニケーション分野で構成されており、パッケージング分野につきましては、紙器及び軟包装など包装資材パッケージの企画設計、印刷、加工までを一貫生産し、顧客にタイムリーに供給しております。さらに商品の包装、キッティング作業から発送までを受託するフルフィルメントサービスで構成されております。コミュニケーション分野につきましては、販売促進関連、テクニカルドキュメンテーション、教育・出版関連の企画、印刷、加工及び広報・IRなどクロスメディアに関連する付帯サービス業務(フルフィルメントサービス)、さらにはイベントの企画・運営とソフト開発・デジタルアセットマネジメントサービスなどで構成されております。

 

当社グループは、印刷事業の単一セグメントであります。事業の種類別セグメント情報の開示は行っておりませんが、商品分野別の区分は下記のとおりとなっております。(2025年6月30日現在)

種類

主要品目及び商品分野の特徴

パッケージング分野

商品を包む・守る・魅せる

紙器・軟包装等のパッケージ、店頭什器・販促物、段ボール等の輸送包装箱、各種パッケージの企画開発、構造設計、パッケージングに関わるフルフィルメントサービス等が主要品目です。

コミュニケーション分野

情報を表現する・伝える・届ける

折込広告、パンフレット、ポスター、カレンダー、マニュアル、CSRレポート、統合報告書、各種コーポレートツール等のプリントメディア及びプリントメディアに関わるフルフィルメントサービス等が主要品目です。

顧客に伝える・繋がる・拡散する

Webサイト企画の構築・製作・運用、展示会やイベントで使用する動画コンテンツやサイン、その他ロゴ、キャラクターCG製作、コンテンツマネジメントサービス等が主要品目です。

 

 

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 


 

(注)→は、製品、商品及びサービスの流れになります。

 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調を維持し、個人消費は賃金の上昇や雇用環境の改善を背景に持ち直しの動きが見られました。しかしながら、エネルギー価格や生活必需品の価格上昇により、個人消費は本格回復には至らず、依然として先行き不透明な状況が続いております。

こうした環境下にあって当社グループは、2026年中期経営計画『「コミュニケーション」と「包む」技術で、お客さまと新しい感動を創り、未来へつなげる』を推進し、各分野の収益性と成長性の位置づけを明確にして戦略的に経営資源を再配分した改革に取組み、企業価値向上を進めました。

パッケージング分野は、菓子・食品向けパッケージと関東地区・中部地区のフルフィルメントサービス需要が堅調に推移いたしました。また、エネルギー価格や諸資材価格、人件費の高騰に対しては、収益性を重視した営業活動を展開し、製品価格の適正化を進めました。

コミュニケーション分野は、情報媒体のデジタル化により、カタログやパンフレット類が低調に推移したことや、自動車業界の新車販売延期に伴う販売促進関係が低迷したことなどにより低調に推移しました。

また、生産面においては、旺盛なパッケージ需要に対応するため、安定した供給体制の構築に努めるとともに、業務の効率化と品質向上を目的として、適材適所での内製化の推進及び外製化の活用を進めました。

なお、商品分野別の業績の概況は次のとおりであります。

パッケージング分野の売上高は88億96百万円(前期比4.2%増)となり、コミュニケーション分野の売上高は36億58百万円(前期比17.2%減)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高が125億55百万円(前期比3.1%減)、営業利益は1億85百万円(前期比51.0%減)、経常利益は4億20百万円(前期比21.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2億46百万円(前期比38.0%減)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産額は、140億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億5百万円減少しました。その内訳と増減要因については、次のとおりであります。

 

(資産)

流動資産は51億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億68百万円減少しました。これは主に、現金及び預金の減少7億82百万円、受取手形の減少98百万円、売掛金の増加53百万円、電子記録債権の減少2億88百万円によるものであります。

固定資産は88億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億36百万円減少しました。これは主に、建設仮勘定の減少1億2百万円、保有株式の時価評価による投資有価証券の減少1億64百万円、保険積立金の減少73百万円によるものであります。

 

(負債)

流動負債は36億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億14百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少63百万円、電子記録債務の減少4億68百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少1億97百万円、未払法人税等の減少86百万円によるものであります。

固定負債は12億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億73百万円減少しました。これは主に、長期借入金の減少1億円、繰延税金負債の減少96百万円、取締役に対する退職慰労金制度廃止に伴う役員退職慰労引当金の減少1億3百万円によるものであります。

 

(純資産)

純資産は91億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億16百万円減少しました。これは主に、利益剰余金の増加1億31百万円(親会社株主に帰属する当期純利益2億46百万円による増加及び、配当金の支払1億14百万円による減少)、自己株式の取得による自己株式の増加(純資産は減少)88百万円、その他有価証券評価差金の減少3億36百万円によるものであります。

 

③ 当期のキャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億32百万円減少し、6億10百万円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は56百万円(前連結会計年度は2億29百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4億20百万円、売上債権の減少3億29百万円、仕入債務の減少4億99百万円、法人税等の支払2億40百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は6億83百万円(前連結会計年度は3億71百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の純増加額3億58百万円、有形固定資産の取得による支出1億89百万円、投資有価証券の取得による支出3億6百万円、保険積立金の払戻による収入1億44百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は4億85百万円(前連結会計年度は86百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2億97百万円、配当金の支払1億14百万円、自己株式の取得による支出88百万円によるものであります。

 

 

生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を商品分野ごとに示すと、次のとおりであります。

 

商品分野の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

パッケージング分野

6,613,793

91.7

コミュニケーション分野

3,022,780

82.2

合計

9,636,574

88.5

 

(注)生産金額は販売価格により表示しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を商品分野ごとに示すと、次のとおりであります。

 

商品分野の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

パッケージング分野

8,928,966

103.9

545,954

106.2

コミュニケーション分野

3,725,290

86.0

249,108

136.6

合計

12,654,257

97.9

795,063

114.2

 

(注)金額は販売価格により表示しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績を商品分野ごとに示すと、次のとおりであります。

 

商品分野の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

パッケージング分野

8,896,557

104.2

コミュニケーション分野

3,658,998

82.8

合計

12,555,556

96.9

 

(注)1.金額は販売価格により表示しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

王子ネピア株式会社

1,565,261

12.1

1,245,353

9.9

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、パッケージング分野では、菓子・食品向けや関東・中部地区のフルフィルメントサービスの需要が堅調に推移しました。エネルギーや資材、人件費の高騰に対しては、収益性を重視した営業活動により、製品価格の適正化を進めました。

一方、コミュニケーション分野は、情報媒体のデジタル化や自動車業界の新車販売延期の影響により、カタログ・パンフレット類や販促関連の需要が低調に推移しました。

その結果、売上高は125億55百万円(前期比3.1%減)、営業利益は1億85百万円(前期比51.0%減)、経常利益は4億20百万円(前期比21.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2億46百万円(前期比38.0%減)となりました。

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、景気や消費動向、原材料や燃料価格の変動、人件費や物流費の増加、価格競争による製品価格の動向などがあります。

これらに対して、当社の強みである「発想から発送までのワンストップソリューション」の推進により、国内印刷市場における旺盛なパッケージ需要を取り込むべく、生産性の向上や設備投資による生産能力の増強を推進するとともに、生成AIをはじめとする先端技術の実用化に積極的に取り組んでまいります。さらには、デジタルデータ加工技術を生かしたデジタルメディア領域の競争力強化に向けた事業構造改革を、スピード感をもって推進してまいります。

また、海外事業におきましては、中国及びインドネシアにおける販売拡大に注力するとともに、その他の東南アジア諸国への新規展開に向けた市場調査・分析を進め、将来的な事業拡大の基盤構築を図ってまいります。

 
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要③ 当期のキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要の主なものは、原材料の購入費用のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用などの運転資金及び生産設備の更新を中心とした設備投資であります。

運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入による調達、設備投資資金については、金融機関からの長期借入による調達を基本方針としております。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1  連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社グループは、印刷事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

  製品及びサービスごとの情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載のとおりであります。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:千円)

日本

中国

インドネシア

合計

4,491,057

659,148

2,006

5,152,211

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

王子ネピア株式会社

1,565,261

 

 

当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

  製品及びサービスごとの情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載のとおりであります。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:千円)

日本

中国

インドネシア

合計

4,448,814

580,551

5,328

5,034,694

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。