リスク
3 【事業等のリスク】
◆リスク管理体制について
当社は、リスクマネジメント委員会を設置し、当社グループの事業におけるリスクを的確に把握し対応するためのリスク管理体制を構築しています。リスクマネジメント委員会は、リスクの評価、重要リスクの選定、重要リスクの所管部門のリスク対応の監督を行い、その内容を定期的に取締役会へ報告しております。当社グループの事業活動における事業リスクは、取締役会や経営戦略会議等の会議体で検討しております。
◆リスク管理のプロセスについて
リスクマネジメント委員会が、当社グループの各部門から網羅的に抽出されたリスクの中から、発生可能性及び影響度を基準としてリスクを評価し、リスクマップを作成して重要リスクを選定しております。各重要リスクを主管する部門は、リスク対応策を策定し、その進捗をリスクマネジメント委員会に報告し、リスクマネジメント委員会での審議を受けて、リスク対応策の改善や見直しを行うプロセスを進めております。
◆個別のリスクについて
当社グループの事業においてリスクの要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
(1) 事業環境について
① 競合について
当社グループのクラウドソリューション事業及びデジタルトランスフォーメーション事業の分野においては既に数多くの競合企業が存在しております。また、当該事業分野が成長市場であること及び大きな参入障壁がないことから、今後、他社の新規参入により競合が激化する可能性があります。
当社グループでは、引き続き顧客のニーズを汲んだ製品・サービスの提供を進める方針でありますが、競合企業の営業方針、価格設定及び提供する製品・サービス等は、当社グループが属する市場に影響を与える可能性があります。また、AI等の新技術により、当社の製品・サービス及びビジネスモデルが陳腐化する可能性があります。現在、サービスの機能強化や開発体制の強化、優秀な人材の確保に努めておりますが、これらの競合企業に対して効果的な差別化を行うことができず、当社グループが想定している事業展開が図れない場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定の取引先への依存について
当社グループのデジタルトランスフォーメーション事業においては、博報堂グループ向け売上収益(当期における㈱TBWA HAKUHODOに対する売上収益574,852千円、総売上収益に対する割合8.2%等)ならびにイオングループ向け売上収益(当期におけるイオンリテール㈱に対する売上収益477,300千円、総売上収益に対する割合6.8%等)の割合が高い水準にあります。
当社グループは、博報堂グループ各社ならびにイオングループ各社とそれぞれ個別の業務契約を締結しており、個々の取引は独立したものとなっておりますが、今後博報堂グループならびにイオングループの業績、方針転換等によってこれらの業務契約が解消となった場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定の製品への依存について
当社グループのクラウドソリューション事業は特定の製品「ZAC」に依存した事業となっております。今後も取引の拡大に努めると同時に販売依存度を下げるため、新規の製品開発を図ってまいりますが、競合会社の新規参入や既存の会社との競合激化等が、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容について
① 製品開発・販売を核にした事業モデルについて
当社グループの事業のうち、クラウドソリューション事業はソフトウェアの自社開発・販売とともに導入にかかるコンサルティングやカスタマイズ等を通じて、最適なソリューションをワンストップで提供できる点を売りにしているものの、その核となるのは自社製品の開発・販売になります。
市場の変化にいち早く対応できるよう最新の技術動向に対応し、開発・コンサルティング体制の強化に努めておりますが、競争環境、顧客ニーズの変化等に対応できず、当社製品が市場競争力を喪失した場合、コンサルティングやカスタマイズ等他のサービスの競争力も同様に失われ、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② プログラム等のバグ(不良箇所)について
当社グループが提供する製品に誤作動・バグ等が生じた場合、当社グループによる導入サポートや導入後の技術サポート等において当社グループに責任のある原因で支障が生じた場合、又は当社グループの製品が機能不足と認識された場合、損害賠償責任の発生や顧客の当社グループに対する信頼喪失により、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 知的財産権について
当社グループは、事業競争力確保の観点から、知的財産を重要な経営資源と捉え、知的財産権の取得及び保持に取り組んでおります。同時に、当社グループは事業を遂行する上で、第三者の知的財産権の侵害を防止すべく調査を行うなど、細心の注意を払っております。
しかしながら、当社グループが事業活動に関連して意図せず第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者からの損害賠償請求や使用差止請求等により、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 顧客から預かる情報の管理について
当社グループは、事業の性格上、顧客企業の秘密情報、個人情報を取り扱う場合があり、個人情報保護、情報セキュリティ確保が重要となります。また、情報を保有しサービス提供をするサーバーが格納されるデータセンターやネットワーク設備は事業活動を継続するうえで重要となります。情報資産を保護するため、情報セキュリティ方針、個人情報保護方針を定め、情報セキュリティの国際規格、プライバシーマークの認証の取得・維持を通じた情報管理体制・プロセスの整備・改善、研修等を通じた全役職員への情報管理の徹底、ITインフラのセキュリティ強化、データセンターの分散配置等により、情報保護・管理の強化・徹底とサービス提供の維持に努めております。
しかしながら、情報の授受、運搬時における紛失や盗難、データセンターやネットワーク設備等に被害を及ぼす災害、事故、サーバー攻撃等により、顧客企業の秘密情報、個人情報が漏洩又は消失、サービスの提供が維持できない状態に至った場合には、当該顧客からの損害賠償請求による費用発生や、顧客の当社グループに対する信頼喪失により、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(3) 組織体制について
① 人材の確保や育成について
当社グループにおいて優秀な社内の人材の確保、育成及び定着は最重要課題と認識しております。また、国内においては労働人口の減少が進行していることを踏まえ、中長期の持続的な成長に向けて女性活躍推進を含む多様性(ダイバーシティ)を有する人材の確保が必要となります。
これら将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。同時に、多様性を有する人材の積極採用や多様なキャリアパス・働き方を受け容れる環境の整備、就業環境の向上等の施策に努めてまいります。
しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、また、必要な人材を確保できない可能性があります。また、必ずしも採用し育成した役職員が、当社グループの事業に寄与し続けるとは限りません。このような場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。
② コンプライアンス体制について
当社グループは、コンプライアンスの徹底が不可欠であると認識しております。
そのため、コンプライアンス方針、企業倫理規程を定め、全役員及び全従業員が高い倫理観を保持し法令等を遵守することを徹底しております。また、全役職員を対象としてコンプライアンスに関する研修を実施し、法令等の違反等を早期に発見し是正するために内部通報制度を整備する等、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループの事業活動に関連して法令等に抵触する事態が発生した場合、第三者からの損害賠償請求による費用発生や、顧客の当社グループに対する信頼喪失により、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社では、企業価値を継続的に拡大し株主の皆様へ利益還元を行うことを重視しております。株主の皆様への安定的な利益還元と会社の持続的な成長を実現するため、配当金については、業績、財政状態及び将来の事業展開等を総合的に勘案し適宜見直しを行っていく方針といたします。なお、自己株式の取得につきましては、経営環境に応じた機動的な資本政策等遂行の必要性、財務体質への影響等を考慮した上で、総合的に判断してまいります。
当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めておりますが、剰余金の配当は年1回の期末配当で行うこととしております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
第26期事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。