2024年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 2,693 100.0 7 100.0 0.3

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、「未来の常識を創る」をミッションとし、IoT技術を駆使したソリューションで幅広い業界の課題解決に貢献する「IoTビジネスイノベーション」、建設現場のDXに特化したIoTソリューションで建設業界の課題解決に貢献する「コンストラクションソリューション」、GXニーズに対応した太陽光発電EPC事業にIoTソリューションの付加価値創出でサステナビリティの実現に向けて取り組む「IoTパワード」の3つのソリューション区分で事業を展開しております。

 

 

 なお、当社グループは、IoTインテグレーション事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、以下の位置づけのもと3つのソリューションを提供しております。

 ソリューション区分体系につきましては、「IoTビジネスイノベーション」、「コンストラクションソリューション」、「IoTパワード」の3ソリューション区分に分類しております。

事業セグメント

ソリューション区分

ソリューション区分を構成する事業又は連結子会社

ソリューション区分の位置付け

IoTインテグレーション事業

IoTビジネスイノベーション

インテグレーションソリューション

中核事業である、IoTインテグレーションを中心に、DXを支援。また、「ゆりもっと」等、IoTプロダクト販売等を行う。

モニタリングソリューション

モビリティサービス

コンストラクションソリューション

株式会社GRIFFY

(*1)

建設現場の安全性、生産性、施工品質水準をデジタルテクノロジーによって向上させ、これを以て日本国土の発展ならびに防災に貢献する。

IoTパワード

株式会社パワーでんきイノベーション

GX分野として太陽光発電EPC事業にIoT技術を付加して同業他社と差別化し、日本が掲げる国際公約実現に向け貢献する。

(注)1.株式会社GRIFFYは当連結会計年度から当社より分社化し当社連結子会社としております。

 

① IoTプラットフォームをベースとしたSI(注1)によるソリューション

 IoTビジネスイノベーションは、独自のIoTプラットフォーム(注2)である、IoTデータコレクトプラットフォーム「FASTIO」を活用したDX支援および、マンションや商業施設等向けに、融雪・消雪装置の監視ソリューション「ゆりもっと」、主に社有車を保有する事業者向けに、危険運転時のリアルタイム動画を提供し、運転状況を「見える化」することで、交通事故削減を図ることに強みを持つカーテレマティクス(注3)サービス「Pdrive」を提供しています。

 「FASTIO」は、IoT運用により大量に発生するセンサーデータをリアルタイムかつ効率的に扱うための各種機能を実装しております。また、クラウド提供であることから、通信インフラやクライアントソフトのインストールが不要であり、短期間で、安価にIoTサービスを利用することが可能となっております。

 IoTの導入はセンサーやゲートウェイ(注4)端末選定が重要となりますが、当社グループのアライアンスプログラム「FASTIO LINK」及び「FASTIO DATALINK」により多様なデバイスからのデータ取り込みが可能となります。

「FASTIO」は、「物理現象を電気信号としてクラウドに取り込む」コストを最小化することにより、デバイスメーカー等へのインテグレーションソリューションを提供しております。また、「FASTIO」は、標準のアプリケーションで画像・動画管理、遠隔接点制御、位置情報管理等に対応しており、様々な産業、市場において利用が可能です。また、複雑な分析やBIツール(注5)、マシンラーニング等の先進分野における外部クラウドサービスとの連携を前提として設計されており、センシングデータを外部クラウドサービスで利用するためのAPI(注6)を充実させているため、外部クラウドサービスへシームレスなデータ提供が可能となっており、クラウドベンダーに対してもインテグレーションソリューションの提供を行っております。

 

 「FASTIO」は2016年4月に、KDDI株式会社「KDDI IoTクラウドStandard」のベースシステムとして採用されております。同サービスは「FASTIO」に専用のカスタマイズを行い同社へ提供しているものであり、当社が培ってきた技術・ノウハウがフル活用されています。

 その他、インテグレーションソリューションとして2023年3月に業務資本提携を締結した積水樹脂株式会社の主要プロダクトであるLED電光板システムをIoT化するため共同開発に着手。オペレーション改善を含めた付加価値を最大化し競争力のある製品とするべくアライアンスの強化に努めております。

 「ゆりもっと」はマンションや商業施設等に対して、融雪・消雪装置の監視ソリューションを提供しております。融雪装置の遠隔監視により稼働を可視化するとともに、リモートオペレーションによって運転の最適化を実現し、燃料コストや環境負荷を低減させます。「ゆりもっと」は融雪装置自体の予防保全を可能とし、融雪装置利用にあたっての安全性、信頼性を高めます。

 主に分譲マンションの管理組合、賃貸マンション・アパートのオーナー、大規模駐車場を有する小売事業者の方々にご利用いただいております。

 「ゆりもっと」のシステムは、クラウドサーバー上で構築されており、季節に応じたサーバーリソースの割り当てをマネジメントすることで、インフラコストの最適化を図っております。

 また、監視作業効率の向上・監視品質の均質化のためAIによる融雪監視機構を開発し、2023年3月に特許を取得しました。センサーを使った現地での降雪状況やカメラ画像のほか、1kmメッシュの気象予報情報を組み合わせて現地の積雪状況を推定し、適切な融雪装置の制御判断材料を提供しています。さらに、オペレータの操作をAIへフィードバックし、学習させることで、AI判断精度の向上を図っております。

 2021年7月には、電気自動車の充電スタンド販売・導入・運用管理を行っているユアスタンド株式会社と資本業務提携契約を締結いたしました。北海道・青森エリアでのユアスタンド販売代理店として、今後拡大すると目されるEV市場に参画いたします。EV充電スタンドは「ゆりもっと」同様に集合住宅向けの商品であるため、トップシェアを誇るものの成熟市場であった遠隔監視サービス事業の底上げを図ることができ、高い親和性に期待ができます。

 「Pdrive」は、主に社有車を保有する事業者向けに、危険運転時のリアルタイム動画を提供し、運転状況を「見える化」することで、交通事故削減を図ることに強みを持つカーテレマティクスサービスを提供しております。

 「Pdrive」は、加速度センサーが急ブレーキや急ハンドルといった交通事故の兆候(ヒヤリハット)である危険運転を感知すると、搭載するモバイル通信端末を介し、車載カメラの動画をクラウドへ保存し、安全管理者にメール配信する機能が特徴であります。この動画配信機能によりヒヤリハットを「見える化」することで、交通事故削減並びに自動車保険料の低減に貢献しております。

 「IoTパワード」事業では連結子会社である株式会社パワーでんきイノベーションがグリーンエナジーの普及のため2023年8月期、太陽光発電EPC(注7)事業へ参入いたしました。当社が培ってきたIoT・AIをはじめとした様々な最新テクノロジーのノウハウや技術、蓄電池製品を活かし単純な太陽光発電システム施工会社ではなく、競合他社との差別化をはかったビジネスモデルを構築しています。野立ての太陽光発電EPC事業や工場、店舗などの自家消費型ソーラー発電システム設置事業、一般家庭向けの屋根置きソーラーパネル・蓄電池設置事業に取り組んでいます。

 また2023年6月29日にKDDI株式会社、auリニューアブルエナジー社とGX(注8)推進の連携協定を締結、2023年12月28日にauリニューアブルエナジー社と太陽光発電事業に係るパートナーシップ協定を締結し、KDDI関連会社としてauリニューアブルエナジー社とのアライアンスを強化しシナジー創出を行うとともに、再生可能エネルギー事業の促進を通じて2050年の脱炭素社会実現に向けた取り組みを加速してまいります。

 

② 建設現場の安全性、生産性、施工品質水準をデジタルテクノロジーによって向上、国土の発展ならびに防災に貢献するソリューション「コンストラクションソリューション」

 コンストラクションソリューションでは建設現場、構築物の維持管理及び防災等の「安全管理」「省力化による生産性向上」「リアルタイム計測による作業精度向上」などを目的とした総合情報化ソリューション「現場ロイド」を提供しております。「現場ロイド」はモバイルワイヤレス技術を使って、センサーによる常時警戒により、異常を検知してからの迅速な警告発報を行い、現場管理や作業を効率化し、異常値や緊急地震速報を受信した場合には、現地の警報装置や警戒メールによる複数同時警報で事故やトラブルを未然に防ぐことを可能としております。

 「現場ロイド」においては、屋外におけるサービス提供を主としており、独立電源による電力供給、モバイルネットワークによるデータ計測、遠隔監視及び遠隔制御等の多様な環境下における運用実績を有しております。

 また、遠隔臨場(注9)に対応したGリポートをリリースいたしました。これらは、現場の往来を減らすことで効率的な事業運営を実現し、建設現場で課題とされている深刻な「人手不足」の解決の一助となるサービスで、今後さらに導入拡大が進むものと見込んでおります。

 

[事業系統図]

 以上に述べた事業の内容を事業系統図によって示すと以下のとおりです。

 なお、当社は、IoTインテグレーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の情報を省略しております。

 

 

用語解説

(注1) SI

システムインテグレーションの略。システムの導入から運用までを一括で行うサービスの総称であります。

具体的には、システムの企画段階から関わり、設計、開発、運用、保守までを行うサービスを指し、SIを行う事業者のことをSIer(エスアイヤー)と呼びます。

(注2) IoTプラットフォーム

IoTを実現するためのプラットフォームのこと。一般的なIoTのフローでは、データの発生源であるセンサーから計測データが発信され、当該計測データを加工・分析した結果をトリガーとして、現地のデバイス(アクチュエーター)に対して何らかのアクションを起こします。この一連の処理を実現するソフトウエアならびにインフラを、IoTプラットフォームと呼びます。現在では広く解釈されており、データの収集や蓄積に特化したものや、データ解析に特化したもの、モバイル通信サービスに特化したもの等もIoTプラットフォームと総称されます。

(注3) カーテレマティクス

カーテレマティクスとは、カー(Car=自動車)とテレコミュニケーション(Telecommunication=遠隔通信)及びインフォマティクス(Informatics=情報学・情報処理)から作られた造語で、移動体通信を用いて自動車や輸送車両等に対して提供するサービスの総称であります。

(注4) ゲートウェイ

ゲートウェイとは、異なるネットワーク同士を接続するネットワーク関連機器及びソフトウエアの総称であります。

(注5) BIツール

Business Intelligenceツールの略。企業の業務システムの一種で、膨大なデータを蓄積・分析・加工し、意思決定に活用できるような形式にまとめるものであります。昨今は、情報の収集や成型といった入り口側の機能を簡略化し、美しく直感的なアウトプットに特化したものが注目されています。

(注6) API

Application Programming Interfaceの略。あるコンピュータプログラム(ソフトウエア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するためのものです。APIの活用により、開発者は、自身が開発するソフトウエアにAPIで提供される機能を容易に組み込むことが可能になります。

(注7) EPC

EPCとは、Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)の頭文字を取った略称で、太陽光発電所などの設計・調達・建設を一貫した形で請け負う契約の形態を指します。

(注8) GX

GXとは、Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略称で、温室効果ガスを発生させる化石燃料から太陽光発電、風力発電などのクリーンエネルギー中心へと転換し、経済社会システム全体を変革しようとする取り組みを指します。

(注9) 遠隔臨場

2020年3月に国土交通省より試行要領が発表されたもので、動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ等)により撮影した映像と音声をWeb 会議システム等を利用して「段階確認」、「材料確認」と「立会」を行うものであります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績が回復基調にある一方で、物価上昇、海外経済の減速懸念、中東情勢悪化懸念等、先行き不透明感が継続しております。

 このような状況の下、当社グループは、「未来の常識を創る」をミッションとし、IoT技術を駆使したソリューションで幅広い業界の課題解決に貢献する「IoTビジネスイノベーション」、建設現場のDXに特化したIoTソリューションで建設業界の課題解決に貢献する「コンストラクションソリューション」、GXニーズに対応した太陽光発電EPC事業にIoTソリューションの付加価値創出でサステナビリティの実現に向けて取り組む「IoTパワード」の3つのソリューション区分で事業を展開しております。

 「IoTビジネスイノベーション」は産業や業種を特定せず、日本が抱える社会課題である労働人口の減少に対する各企業の取り組みを支援し、遠隔操作や監視を活用し省人化・効率化を図ること等の要望をIoT技術で解決してまいります。また、国内IoT市場は2023年の実績で6兆4,672億円、2023年~2028年のCARGは8.0%と非常に高く、2028年には9兆4,818億円に達すると見込まれる成長市場に属しております。当ソリューションでは高利益率を背景に今後も安定した売上成長に取り組んでいく所存です。

 「コンストラクションソリューション」が事業を推進する建設業界は、国内企業の建設投資意欲や公共投資が底堅く推移しており、建設需要が増加基調となっております。一方で、人件費や建設資材価格が高水準で推移しており、建設各社は生産性と収益性の改善が求められております。さらに、慢性的な人手不足や長時間労働が常態化している構造的な課題に加え、2024年4月の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」の上限規制の建設業に対する適用への対応に迫られております。これらの課題を解決するため、建設業界においては、DX推進が喫緊の課題となっておりIT投資意欲は旺盛に推移しております。当ソリューションではこれら建設DXニーズを獲得し市場シェアを拡大する為の先行投資を可能とするべく、資金調達先の選定を進めております。

 「IoTパワード」が事業を推進するGX分野においても、日本が掲げる2030年度の温室効果ガス46%削減、2050年カーボンニュートラルの実現という国際公約に向け各企業の取り組みは強化されてきており、今後益々のESG投資が見込まれる中、クリーンエネルギー設備への投資も増加が予想されております。当ソリューションでは、これらGXニーズを獲得し市場シェアを拡大すべく、今期は戦略的なコスト投下が必要な先行投資期間と位置付けており、2025年度以降の売上・利益拡大フェーズに向けた組織整備、パートナー会社等ネットワークの強化に重点的に取り組む所存です。また、2023年12月にはauリニューアブルエナジー株式会社と2024年度(2024年4月1日~2025年3月31日)太陽光発電所開発に係るパートナーシップ協定を締結致しました。

 

 報告セグメントにつきましては、IoTインテグレーション事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。ソリューション区分体系につきましては、下表に纏めておりますのでご参照ください。

 

 

事業セグメント

ソリューション区分

ソリューション区分を構成する事業又は連結子会社

ソリューション区分の位置付け

IoTインテグレーション事業

IoTビジネスイノベーション

インテグレーションソリューション

中核事業である、IoTインテグレーションを中心に、DXを支援。また、「ゆりもっと」等、IoTプロダクト販売等を行う。

モニタリングソリューション

モビリティサービス

コンストラクションソリューション

株式会社GRIFFY

(*1)

建設現場の安全性、生産性、施工品質水準をデジタルテクノロジーによって向上させ、これを以て日本国土の発展ならびに防災に貢献する。

IoTパワード

株式会社パワーでんきイノベーション

GX分野として太陽光発電EPC事業にIoT技術を付加して同業他社と差別化し、日本が掲げる国際公約実現に向け貢献する。

(*1)株式会社GRIFFYは当連結会計年度から当社より分社化し当社連結子会社としております。

 

 

(IoTビジネスイノベーション)

当ソリューションは主としてエコモット株式会社が担っており、自社開発ソリューションである融雪システム遠隔監視ソリューション「ゆりもっと」、KDDI株式会社との連携強化による「KDDI IoTクラウドStandard」の機能改善、大型案件の継続受注、株式会社ユアスタンドとの業務・資本提携によるEV充電スタンドの拡販、株式会社プレステージ・インターナショナルのグループ企業である株式会社プレミア・エイドとの合弁会社「株式会社プレミア・ブライトコネクト」におけるモビリティサービスの協業、積水樹脂株式会社とのシナジー等、大手企業及び協力会社との協業を軸に事業拡大に注力致しました。

 以上の結果、当連結会計年度においては、ゆりもっと、積水樹脂株式会社との共同開発が順調に推移し利益率も改善しておりますが、EV充電スタンド及びモビリティサービスの受注が想定より伸長せず、売上高は1,067,304千円(前期比13.4%減)となりました。

 

(コンストラクションソリューション)

 当ソリューションは主として株式会社GRIFFY(グリフィー)が担っており、自社開発ソリューションである建設現場向けDXサービス「現場ロイド」を中心に、建設DX製品を数多く取り揃えている他、大手ゼネコンとの共同製品開発等にも注力致しました。

 以上の結果、当連結会計年度においては、売上高は965,806千円(前期比1.7%増)となりました。

 

(IoTパワード)

 当ソリューションは主として株式会社パワーでんきイノベーションが担っており、太陽光発電設備に係る土地開発・施工販売・O&Mを主力事業とし、組織整備・パートナー会社等ネットワーク強化に注力致しました。

 以上の結果、当連結会計年度においては、旺盛なGXニーズにより売上高は659,527千円(前期比23.5%増)となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,692,638千円(前期比0.8%減)、営業利益7,440千円(前期は営業損失93,397千円)、経常利益23,220千円(前期は経常損失83,318千円)、親会社株主に帰属する当期純損失69,151千円(前期は当期純損失174,864千円)となりました。

 なお、当社グループは提供するサービスの性質上、売上高の計上に関して以下の通り季節的変動がございます。

 

ソリューション

季節的変動の説明

IoTビジネスイノベーション

システムの受託開発は、システム投資動向に左右され、多くの顧客が決算直前期の納品を希望することから、3月にソリューション提供及び売上高計上が集中する傾向にあります。

「ゆりもっと」のロードヒーティング遠隔監視代行業務に係る売上は、積雪期である12月から3月がサービス提供及び売上高計上のピークとなります。

コンストラクションソリューション

「現場ロイド」は、公共工事現場に対するサービス提供が中心であり、需要状況が工事現場数に相関することから、9月から11月がサービス提供及び売上高計上のピークとなります。

 

 また、財政状態の概況は以下の通りです。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べ179,638千円増加し、2,012,407千円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が137,600千円減少したものの、前渡金が340,157千円増加したこと等によるものです。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べ167,121千円増加し、571,779千円となりました。これは主にリース資産が77,304千円増加、及びソフトウェアが54,168千円増加したこと等によるものです。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べ485,856千円増加し、1,354,229千円となりました。これは主に短期借入金が302,560千円増加、及び契約負債が236,866千円増加したこと等によるものです。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べ70,169千円減少し、365,976千円となりました。これは主に、リース債務が47,670千円増加したものの、長期借入金が130,952千円減少したこと等によるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ68,927千円減少し、863,980千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失69,151千円の計上により利益剰余金が減少したこと等によるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,403千円減少し、582,791千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は11,431千円となりました。

 これは主に、契約負債の増加額236,866千円、減価償却費78,894千円、減損損失47,803千円、売上債権の減少額85,388千円、棚卸資産の減少額18,320千円があった一方で、税金等調整前当期純損失50,844千円、前渡金の増加額340,157千円があったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は163,366千円となりました。

 支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出65,938千円、及び無形固定資産の取得による支出78,002千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果増加した資金は148,530千円となりました。

 これは主に、短期借入金の返済による支出459,349千円、及び長期借入金の返済による支出171,190千円があった一方で、短期借入れによる収入761,909千円があったこと等によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社は、IoTインテグレーション事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売実績はソリューション別に記載しております。

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

ソリューションの名称

当連結会計年度

(自 2023年9月1日

至 2024年8月31日)

前年同期比(%)

IoTビジネスイノベーション(千円) *1

309,120

87.3

コンストラクションソリューション(千円) *1

170,885

87.5

IoTパワード(千円) *2

292,589

77.1

合計(千円)

772,595

83.2

 (注)1.上記の金額は、製造原価の金額となっております。製造原価は材料仕入高、直接労務費及び外注費の金額によっております。製造原価とは製品及びソフトウエアの製造に係る原価であり、機器の設置工事委託費、融雪装置遠隔監視業務委託費等の製造以外の原価は含まれておりません。

2.工事原価及び製品の製造原価の金額となっております。製造原価は材料仕入高、直接労務費及び外注費の金額によっております。設備の維持管理等の原価は含まれておりません。

 

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

ソリューションの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

IoTビジネスイノベーション

838,741

60.4

38,911

14.5

コンストラクション

ソリューション

951,145

101.8

26,650

64.5

IoTパワード

681,583

84.1

199,950

112.4

合計

2,471,471

78.9

265,512

54.6

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

ソリューションの名称

当連結会計年度

(自 2023年9月1日

至 2024年8月31日)

前年同期比(%)

IoTビジネスイノベーション(千円)

1,067,304

86.6

コンストラクションソリューション(千円)

965,806

101.7

IoTパワード(千円)

659,527

123.5

合計(千円)

2,692,638

99.2

 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2022年9月1日

至 2023年8月31日)

当連結会計年度

(自 2023年9月1日

至 2024年8月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社仙台銘板

445,722

16.4

372,467

13.8

KDDI株式会社

218,697

8.1

272,234

10.1

 

(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績等は、以下のとおりであります。

a.経営成績等の状況

(売上高)

 前連結会計年度と比較し、EV充電スタンド及びモビリティサービスの受注が想定より伸長しなかったものの、コンストラクションソリューション、IoTパワードの売上高が伸長したことにより、売上高は2,692,638千円(0.8%減)となりました。

 

(売上原価・売上総利益)

 前連結会計年度と比較し、業務効率、コスト削減により売上原価および売上原価率を抑えることで、売上原価は1,689,675千円(3.9%減)売上総利益は1,002,963千円(4.7%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業損益)

 前連結会計年度と比較し、業務効率、コスト削減により、販売費及び一般管理費が995,523千円(5.3%減)となりました。その結果、営業利益は7,440千円となりました。

 

(営業外損益、経常損益)

 当連結会計年度における営業外収益は、30,648千円(87.5%増)となりました。また、営業外費用は14,868千円(137.2%増)となりました。この結果、経常利益は23,220千円となりました。

 

(税金等調整前当期純損益、親会社株主に帰属する当期純損益)

 当連結会計年度の特別利益は、固定資産の売却により358千円となりました。また、特別損失は、減損損失の計上等により74,423千円となりました。この結果、税金等調整前当期純損失は、50,844千円、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、69,151千円となりました。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの事業活動における主な運転資金需要は、人件費(売上原価やソフトウエアに計上されるものを含む)、仕入(通信費を含む)等であります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉の安定的確保を図る趣旨の下、短期運転資金を自己資金で、設備投資や長期運転資金の調達については金融機関からの長期借入で賄うことを基本原則としております。当連結会計年度末現在、有利子負債残高は946,601千円、総資産に対する有利子負債の割合は36.6%となっております。

 主要な取引先金融機関とは良好な関係を維持しており、流動性確保のため、950,000千円の当座貸越契約を締結しております。当連結会計年度末現在、借入実行残高は420,220千円であります。

 なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社グループは、IoTインテグレーション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

 

IoTビジネスイノベーション

コンストラクション

ソリューション

IoTパワード

合計

外部顧客への売上高

1,232,259

949,245

533,907

2,715,412

 

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

株式会社仙台銘板

445,722

IoTインテグレーション事業

 

当連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

 

IoTビジネスイノベーション

コンストラクション

ソリューション

IoTパワード

合計

外部顧客への売上高

1,067,304

965,806

659,527

2,692,638

 

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

株式会社仙台銘板

372,467

IoTインテグレーション事業

KDDI株式会社

272,234

IoTインテグレーション事業

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)

  当社グループは、IoTインテグレーション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 なお、当連結会計年度の固定資産の減損損失は108,615千円となっております。

 

当連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)

  当社グループは、IoTインテグレーション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 なお、当連結会計年度の固定資産の減損損失は47,803千円となっております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)

 当社グループは、IoTインテグレーション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。なお、当連結会計年度ののれんの償却額は1,795千円、未償却残高は10,175千円であります。

 

当連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)

 当社グループは、IoTインテグレーション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。なお、当連結会計年度ののれんの償却額は2,394千円、未償却残高は7,781千円であります。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)

 該当事項はありません。