2023年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 4,746 100.0 1,590 100.0 33.5

事業内容

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(ウォンテッドリー株式会社)及び子会社1社(Wantedly Singapore Pte. Ltd.)により構成されており、「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションのもと、全てのビジネスパーソンのためのビジネスSNS「Wantedly(ウォンテッドリー)」を運営しております。当該事業において、ビジョン・個性・価値観など従来の仕組みでは忘れられてきた観点でのビジネス上のつながりを創出・拡充し、より多くの働く人々が仕事に熱中して仕事を心から楽しめる状態(“シゴトでココロオドル”)をつくり、社会全体を活性化したいと考えております。

このミッションを実現するために、当社グループでは「最短距離の最大社会的インパクト」という方法論を掲げ、テクノロジーを中心とした拡張性の高い手法で、より多くの働く人々に当社グループのサービスを届けることを重視しており、この方針が当社グループの「プロダクト」「ビジネスモデル」「組織」に反映されております。

 

当社グループでは、働くすべての人が共感を通じて「であい(Discover)」「つながり(Connect)」「つながりを深める(Engage)」ためのビジネスSNS「Wantedly(ウォンテッドリー)」を運営しており、個人向けサービスとして会社訪問アプリ「Wantedly Visit」及びつながり管理アプリ「Wantedly People」を提供しております。またビジネス向けサービスとして「採用」サービス及び「エンゲージメント」サービスを提供しております。個人ユーザ・企業ユーザは、これらのサービス間で「Wantedly(ウォンテッドリー)」のアカウントを共通して利用できるようになっており、プラットフォーム上のサービス間でのユーザの遷移、それぞれのデータやコンテンツの連携・融通につなげております。その結果として、単一サービスの展開と比較して、ビジネス上のより多様な領域(利用シーン)・ユーザ層への価値提供を行うことができております。

 

なお、当社グループはビジネスSNS事業の単一セグメントとなります。

 

主要提供サービス

サービス内容

個人向け

Wantedly Visit

会社訪問アプリ。既存の求人サービスのような給与や福利厚生といった条件ではなく、ビジョンや価値観への共感による個人と会社・仕事のマッチングを提供。

Wantedly People

つながり管理アプリ。最新の活躍をプロフィールで発信・アピールすることが可能。つながりはいつでも検索でき、近況の更新を受け取って人脈を強化することをサポート。名刺複数枚を瞬間同時スキャンで、新しいつながりを記録。

ビジネス向け

採用

サブスクリプション型採用サービス。「Wantedly Visit」への募集掲載、記事投稿、候補者の管理、スカウト(ダイレクト・リクルーティング)などが可能。

エンゲージメント

下記の「Engagement Suite」を提供

・社内報サービス「Story」

メンバー間で目的意識と一体感を共有するオンラインの社内報。

・チームマネジメントサービス「Pulse」

チームメンバーの現状把握と改善を支援。週次サーベイ、行動指針の浸透促進、1on1ミーティング機能を搭載。

・福利厚生サービス「Perk」

仕事環境を整える話題のサービスを提供。

 

「Wantedly」を利用する国内の個人ユーザは383万人、企業ユーザは3.9万社となっております。企業ユーザ、個人ユーザともに、新規ユーザの獲得には、各種マーケティング活動やPR活動による流入に加えて、既存ユーザによるサービス利用や口コミが起点となっております。企業ユーザや個人ユーザが「Wantedly Visit」、「Wantedly People」上などで募集や記事などのコンテンツを公開・投稿して、登録企業の社員や個人ユーザ及びそれらの友人などがソーシャルメディア上でコンテンツをシェアすることで、それを見た個人ユーザが登録・応募や記事の閲覧を行ったり、企業の人事担当者が自社のアカウントを開設したりすることが新規ユーザの獲得につながります。

また、マッチングサービスである「Wantedly Visit」(ビジネス向けは「採用」サービス)に加えて、「Wantedly People」を通して、個人ユーザ・企業ユーザの日常的・継続的な利用を促進しております。

 

 

「Wantedly」上で運営するサービスにおいて、主なサービス又は収益の発生に大きく関連するサービスは個人向けの「Wantedly Visit」、ビジネス向けの「採用」サービスとなります。サービスの詳細の説明は以下のとおりです。

 

会社訪問アプリ「Wantedly Visit」は、ビジョンを掲げる会社とそうしたビジョンに共感する個人との新しい出会いを提供するマッチングサービスです。当サービスでは、募集要項に関して給与や福利厚生といった条件面ではなく会社のビジョンや価値観による訴求を推奨しております。そのため、企業ユーザはWhy(なぜやるのか)、How(どうやっているのか)、What(なにをやっているのか)の3つのフレームワークを基に会社のビジョンを募集要項に表現します。それを企業で働く社員、社員の家族、友人、取引先などが応援(ソーシャルメディア上で拡散)することで、企業ユーザは、従来の給与や福利厚生面などの条件面でのマッチングを提供してきた採用媒体では出会うことができなかった人材と出会うことができます。

従来の人材採用サービスは大企業が顧客の中心となっている一方「Wantedly Visit」を利用する企業は、創業直後のスタートアップや中小企業など大手人材採用サービス事業者が顧客としてこなかった従業員数100名以下の層が多数を占めております。これに加えて、近年では大企業や地方自治体、大学、公的機関の利用も拡大しております。

個人ユーザは、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアで友人や知り合いがシェアした募集を見て、「Wantedly Visit」のサイトに訪れ、各ユーザのソーシャルグラフ(※)に最適化された募集の一覧を閲覧し、気になる会社や募集があれば「話を聞きに行きたい」ボタンをクリックして、企業とコンタクトをとります。個人ユーザの属性は、20代から30代が全体の大多数を占めており、ビジネスパーソンに加えて、新卒採用におけるインターン活用の広がりとともに大学生の登録も拡大しております。

 

「Wantedly Visit」への募集掲載などを管理するサブスクリプション型の「採用」サービスは、月額5万円からの固定金額で一定期間(半年や年間など)の契約を基本とするサービス形態となっております。1顧客あたりの利用単価を高めて少数の顧客に販売する形態ではなく、相対的に低単価で多数の顧客に利用されることを主としているため、売上上位10社の全体の売上に占める割合は10%以下となっており、特定の顧客からの収益には依存しておりません。また、売り切り型ではなく、継続したサービス提供を前提とした料金体系のため、サービス提供開始時だけでなくその後の利用期間において顧客の満足度を高めることが契約の更新に繋がり、それによって長期利用の顧客が増え、継続的に収益が積み上がっていく構造にあります。

また、システム継続利用のための月額課金以外に、各種ニーズにあわせたオプション機能に追加の利用料金を設定しております。オプション機能は大きく分けて、スカウト、認知度向上・流入促進、コンテンツ作成の3つとなります。スカウトは、企業ユーザが個人ユーザに直接メッセージを送ることができるダイレクトリクルーティング機能です。認知度向上・流入促進は、Facebook上での広告代行や「Wantedly Visit」内でのトップページ掲載などです。コンテンツ作成は、ビジョンについて書き慣れない企業に対してヒアリングをした上でライティングを行う募集作成や通常の募集よりもコンテンツリッチな特別タイプの募集作成などです。

加えて、企業ユーザは投稿記事の閲覧状況の分析などを行うことで自社のブランディングや採用広報活動を強化することができます。

 

※ ソーシャルグラフとは、ウェブ上における人間の相関関係やその結びつきの情報を意味します。

 

[事業系統図]

 

 ※「個人ユーザ」は「無料登録利用者」及び「有料登録利用者」の総称を示しています。

 ※「企業ユーザ」は「無料企業ユーザ」及び「有料企業ユーザ」の総称を示しています。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へ移行したことによって、経済活動の正常化が進んでおります。一方で、不安定な国際情勢等による資源価格の高騰や円安の継続、世界的な金融引き締め等により企業を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が継続しております。他方、国内における有効求人倍率は堅調に推移しております。また、就労者の転職活動や学生の就職活動は多様化しており、様々な採用手法を用いた採用活動が行われております。

 このような事業環境の下、当社グループは主力プロダクトである「Wantedly Visit」の継続的な開発・改善を図るとともに、新規事業領域の「Engagement Suite」の提供を進めており、2023年8月末時点で登録企業ユーザ数は3.9万社(※)、登録個人ユーザ数は383万人(※)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の営業収益は、4,746,368千円(前年同期比5.5%増)、営業利益は1,589,653千円(同27.0%増)、経常利益は1,564,176千円(同26.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は995,161千円(同34.2%増)となりました。

 なお、当社グループは「ビジネスSNS事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

※ 国内向けサービスのユーザ数を示しております。

 

② 財政状態の状況

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は4,217,363千円で、前連結会計年度末に比べて934,934千円増加しております。現金及び預金の増加947,628千円が主な要因であります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は282,432千円で、前連結会計年度末に比べて35,795千円減少しております。投資その他の資産の減少26,778千円が主な要因であります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は1,346,961千円で、前連結会計年度末に比べて194,133千円減少しております。未払法人税等の減少144,159千円が主な要因であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は3,152,834千円で、前連結会計年度末に比べて1,093,273千円増加しております。利益剰余金の増加995,161千円が主な要因であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末と比べて947,628千円増加し、3,701,033千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は864,800千円(前連結会計年度は1,218,791千円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,562,009千円の計上、法人税等の支払額689,269千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は14,692千円(前連結会計年度は21,575千円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出15,489千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により得られた資金は92,264千円(前連結会計年度は14,523千円の収入)となりました。これは主として、新株予約権の行使による株式の発行による収入92,340千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年9月1日

至  2023年8月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ビジネスSNS事業

4,746,368

5.5

合計

4,746,368

5.5

(注)1.当社グループはビジネスSNS事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該割合が10%未満のため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針及び見積りは後記「第5 経理の状況 連結財務諸表等」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.営業収益

 当連結会計年度の営業収益は4,746,368千円(前年同期比5.5%増)となりました。これは主にストック収益が増加したことによるものであります。

 

b.営業費用、営業利益

 当連結会計年度の営業費用は3,156,715千円(前年同期比2.7%減)となりました。これは主に適切なコストコントロールによって事業効率化を推進することで広告宣伝費等が減少したことによるものであります。

 この結果、営業利益は1,589,653千円(前年同期比27.0%増)となりました。

 

c.営業外収益、営業外費用、経常利益

 当連結会計年度の営業外収益は4,838千円(前年同期比54.2%減)、営業外費用は30,315千円(前年同期比27.7%増)となりました。営業外収益は主に為替差益の減少、営業外費用は主に為替差損の増加によるものであります。

 この結果、経常利益は1,564,176千円(前年同期比26.3%増)となりました。

 

d.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の特別利益は2,565千円、特別損失は4,732千円となり、この結果、税金等調整前当期純利益は1,562,009千円(前年同期比26.8%増)となりました。

 また、法人税等は566,847千円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は995,161千円(前年同期比34.2%増)となりました。

③ キャッシュ・フローの分析の状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、継続的な成長のため、認知度を向上させることにより、より多くのユーザを獲得し、また既存のユーザを維持していくことが必要であると考え、広告宣伝等に資金を投下してきており、今後も継続して国内外における広告宣伝等を進めていく方針であります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及び人件費であります。当社グループは、必要な資金を主に自己資金で賄っております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、前記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、国際事業展開、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

 当社グループは、ビジネスSNS事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品・サービス区分の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%超であるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)営業収益

 本邦の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品・サービス区分の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%超であるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)営業収益

 本邦の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。