2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,038名(単体) 1,438名(連結)
  • 平均年齢
    38.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.6年(単体)
  • 平均年収
    6,848,798円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    4.4%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本・多様性 ② 人財戦略」に記載の人財戦略に基づき、以下の取り組みを実施しております。

 

① 高い専門性を有する人財の確保と育成

 当社は、世界に通用するプロフェッショナルな集団を目指し、経験者採用を積極的に推進しております。2025年度の経験者採用比率は59.7%であり、製造、研究開発およびコーポレート分野を中心に専門性を有する人財の採用を進めております。

 また、新卒採用・経験者採用の別を問わず、当社の人財育成体系に基づく各種教育を実施し、専門性の向上や新たな知識・スキルの習得を図っております。加えて、従業員が任意で受講できる公募型教育・研修の充実により、主体的なキャリア形成を支援しております。

 

 

② リーダーの選抜と育成

 将来を担うリーダー人財の育成施策の一環として、外部専門機関が提供するマネジメント研修プログラムへの参加を積極的に支援しております。

 また、2025年度より、部長昇格前の世代を対象に、将来の経営幹部候補となり得る人財を選抜し、リーダー研修を実施しております。経営幹部とのディスカッションや実践的なビジネススキルの習得、アクションラーニング等を通じて、経営者に求められる資質および能力の開発を目的としております。

 

③ 従業員の処遇決定方針について

 当社の従業員の処遇は、経営戦略の実現に必要な人財の確保・定着および成長を目的として決定しております。

 処遇の決定は、従業員が担う職務内容、求められる役割、ならびに発揮された成果を基本的な基準としたうえで、本人の継続的な能力向上への取り組みや組織への貢献度等を考慮した総合的な評価に基づいておこなうこととしております。賞与については、従業員の役割に基づく成果や組織への貢献を踏まえ、短期的な業績をより反映させた配分となるよう設計・運用しております。

 加えて、寮・社宅等の福利厚生施策ならびに確定拠出年金・確定給付年金等の各種制度を通じて、従業員の現在および将来にわたる生活基盤の安定を図っております。

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

吸水性樹脂

400

機能マテリアル

729

全社(共通)

309

合計

1,438

(注) 従業員数は、就業人員数であります。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,038

38.50

15.64

6,848,798

4.44

 

セグメントの名称

従業員数(名)

吸水性樹脂

193

機能マテリアル

625

全社(共通)

220

合計

1,038

(注)1 従業員数は、就業人員数であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

③ 労働組合の状況

 当社グループには、住友精化労働組合が組織(組合員数793名)されており、日本労働組合総連合会、日本化学産業労働組合連盟、日本労働組合総連合会兵庫県連合会に属しております。

 なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

ア 提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

6.67

91.67

74.52

73.06

69.63

「男女間の賃金差異」に関して、女性管理職の比率が低水準に留まっていることに加えて、女性の新卒採用が増加したことにより、相対的に賃金水準の低い女性労働者の割合が高くなっていることから格差が生じております。

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づき算出しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号に定める育児休業等の取得割合に基づき算出しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社は、1944年7月、住友化学工業株式会社(現住友化学株式会社)と株式会社多木製肥所(現多木化学株式会社)の共同出資により、住友多木化学工業株式会社として設立され、肥料の製造・販売事業を開始しました。その後、主力事業を工業薬品へと転換し、現在は吸水性樹脂事業ならびに機能マテリアル事業を展開しております。これら事業の根底には常に、「自利利他 公私一如(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)」という住友が大切にしてきた言葉があります。近年、地球環境や社会全体の持続可能性を脅かす様々な問題が深刻さを増している中、当社グループは、この事業精神に基づいて事業活動に取り組み、地球環境の保全や社会的課題の解決に貢献することを責務と考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1)共通

① ガバナンス

 当社グループでは、サステナビリティ経営を推進するため、サステナビリティ委員会が、内部統制委員会およびレスポンシブル・ケア委員会と連携しながら、サステナビリティに関する諸課題の特定・評価・管理を行っております。サステナビリティ経営の取り組み状況は、取締役会に報告され、取締役会がその監督を行っております。また、人的資本経営を推進するため、HR委員会が経営幹部候補者の選抜や育成、重要ポジションへの登用等について議論しております。

 サステナビリティに関する各組織の役割は次のとおりであります。

1)サステナビリティ委員会

 サステナビリティ経営を推進するため、サステナビリティに関する方針の策定およびサステナビリティ計画の立案、当社およびグループ各社のサステナビリティ推進状況の確認と改善、その他サステナビリティ経営の推進に必要な事項を行っております。

2)内部統制委員会

 当社の内部統制を統括するため、内部統制システムの運用状況の報告を受け、各組織およびリスク・コンプライアンス委員会に必要な指示を行い、内部統制の維持・向上を図っております。

3)レスポンシブル・ケア委員会

 レスポンシブル・ケア活動を推進するために、安全・環境・品質(リスクおよびコンプライアンスを含む)に関する年度計画の策定、業務システムの重大な変更、重大問題に対する措置などを審議、決定しております。

4)HR委員会

 経営幹部候補者の選抜・育成、重要ポジション(部長相当職以上や再雇用特別グレード等)への登用・継続可否について議論しております。

 

② 戦略

<サステナビリティ基本方針>

 当社グループは、世界共通の目標であるSDGsの課題に取り組み、持続可能な社会の発展に貢献し、全てのステークホルダーの期待に応えていくことを目指しております。社会課題解決への貢献のために取り組む事項を「サステナビリティ基本方針」として定めております。

 

サステナビリティ基本方針

住友精化グループは、長期的な視点に立った地球規模の社会課題解決への貢献を自らの責務であると考えます。

この責務を果たすため、以下の基本方針に沿ってサステナビリティ経営を推進してまいります。

1.高品質な製品とサービスの提供により、産業の基盤と快適な暮らしを支えます。

2.化学メーカーとして、無事故無災害を最優先に考え、工場の安全・安定操業と製品の安全輸送に取り組みます。

3.品質管理を徹底し、お客様が満足・安心して使用できる製品とサービスを提供します。

4.製品と生産プロセスがヒトや環境に与える影響を適切に評価し、安全性の確保と環境への配慮に取り組みます。

5.サステナビリティ経営の推進状況を、ステークホルダーに開示するとともにコミュニケーションを行い、その結果を経営に適切に反映します。

6.従業員が心身ともに健康的かつ安全に仕事に取り組むことができる職場環境を提供し、チャレンジする組織風土をつくります。

7.社会の一員として、企業活動を通じて、地球と人の共存できる持続可能な社会の発展に貢献します。

 

<人権尊重の取り組み>

 当社グループは、「人権尊重」を事業継続のための基盤として位置付けております。人権尊重の責任を果たすことを明確にし、取り組みを推進するため、「人権方針」を定めております。

 

人権方針

住友精化グループは、自らの企業活動の影響を受けるすべてのステークホルダーの人権を尊重する責任を果たすため、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して、住友精化グループの人権方針(以下、「本方針」といいます。)を定めます。

1.基本的な考え方

住友精化グループは、「世界人権宣言」や、国際労働機関(ILO)「労働における基本的原則及び権利に関する宣言』において国際的に宣言されている人権の保護を支持し、尊重します。また、住友精化株式会社は、国連グローバル・コンパクトに署名し、住友精化グループ各社は、人権および労働を含む、その10原則を支持し、尊重します。

2.適用範囲

住友精化グループは、本方針をグループ各社のすべての役員および非正規社員を含むすべての従業員に適用します。また、住友精化グループのサプライチェーンを含むビジネスパートナーにも、人権尊重に協働していただくよう、本方針に従った取り組みを継続的に働きかけます。

3.人権デュー・ディリジェンス

住友精化グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた人権デュー・ディリジェンスの実施を通じて、自らの事業活動において生じる人権への負の影響を特定し、防止、または軽減に努めます。

4.是正および救済

住友精化グループは、人権への負の影響の懸念に関する通報・相談体制を整備します。住友精化グループの事業活動が、人権への負の影響を引き起こした、あるいはこれを助長したことが明らかになった場合は、適切な手続きを通じてその是正および救済に取り組みます。

5.情報開示

住友精化グループの人権尊重の取り組みは、住友精化株式会社ホームページや統合報告書等にて報告します。

 

1)人権デュー・ディリジェンスの実施

 当社グループでは、「人権方針」に基づき、事業活動における負の影響の特定・評価を行い、評価結果に基づく適切な対応に取り組んでまいります。

(注) 経済産業省『責任あるサプライチェーン等における人権尊重のための実務参照資料』を参照し作成

 

 

工程

実施内容

① 負の影響の特定・評価

・リスクが重大な事業領域を特定する。

・負の影響の発生過程を特定する。

・負の影響と当社との関わり合いを評価する。

・主に深刻度により優先的に取り組む事項を特定する。

② 負の影響の防止・軽減

・①の評価の結論を、社内の関連する部署およびプロセスに組み入れる。

・顕在化した負の影響(例:苦情相談窓口から入手した情報)、あるいは潜在的な負の影響(例:事業やサービス関連)を停止・防止・軽減するための措置を実施する。

③ 取り組みの実効性の評価

・上記①と②に効果的に対応してきたかどうかを評価し、当該結果に基づいて継続的な改善を進める。

④ 説明・情報開示

・当社が講じた③までの措置について、社外に説明・開示する(1年に1回以上、統合報告書、ホームページなどを通じて)。

 

 2024年度に外部専門家の協力を得て実施した「人権デュー・ディリジェンスデジタルサーベイ」により、当社グループ内の人権リスクを特定いたしました。詳細は以下のとおりであります。

ア 対象 当社グループ従業員

データ統計対象 1,285名/1,346名:回答率 95.5%

イ 評価項目

(1)25の人権リスクを基にした住友精化グループ内の人権リスクの測定

(2)人権侵害・不当な扱いを受けた際の救済へのアクセシビリティ整備度合い

(3)人権リスクと相関関係にあるとされる「心理的安全性」

(4)人権侵害の根本的原因になっている可能性があるとされる「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」

ウ 結果

評価項目

結果

(1)人権リスク類型

発生度と理解度の分析より、特に優先度が高い領域を「過剰不当な労働時間」、「パワーハラスメント」、「セクシュアルハラスメント」の3領域とした

(2)救済へのアクセスリスク

・従業員は救済へのアクセスの権利を行使できている状況

・相談窓口等に関する課題を把握

(3)心理的安全性リスク

・組織に対する心理的安全性はやや低い状況

(4)アンコンシャス・バイアスリスク

・アンコンシャス・バイアスリスクはやや高い状況

・特に権威バイアス※1、専門偏向※2のリスクが高い状況

※1 権威バイアス : 上司や有識者など権威のある人の言うことは間違いないと思い込む

※2 専門偏向   : 自分の専門領域で物事を考えてしまう

 

 2025年度は、上記結果を踏まえ特に優先度が高い課題である「パワーハラスメント」および「セクシュアルハラスメント」防止のための研修に重点的に取り組みました。

 

2)社内の啓発・教育

 すべての従業員が人権尊重について正しく理解するよう、啓発・教育を行っております。2025年度は以下のとおり教育を実施いたしました。

 

テーマ

実施回数

受講人数(延べ)

ハラスメント防止

5回

2,637名

ビジネスと人権

4回

1,232名

※上記の研修に加え、人権を含むサステナビリティ全般に関する知識を学べる動画コンテンツを社内向けに配信しており、定期的にテーマを選定して従業員に視聴を推奨しております。

 

3)通報

 当社グループおよび取引先の役員・従業員を対象とした通報窓口を設置しております。匿名性、通報者への不利益な取り扱いをしないことを明示し、社外法律事務所へも通報できる窓口とすることで、安心して通報できる環境づくりに努めております。

 

③ リスク管理

 当社グループは会社の重要リスクを一覧化し、その対策について検討と見直しを行い、内部統制委員会に報告しております。サステナビリティ課題に関わる事業へのリスクについては、サステナビリティ委員会で検討・モニタリングを実施しております。

 当社グループにおけるリスク管理の詳細については、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 (ロ)リスク管理体制の整備状況」をご参照ください。

 

④ 指標と目標

 当社グループは2022年度に、地球環境や社会のサステナビリティが重要性を増す中で、当社グループがSDGsの課題解決にどのように貢献していくのかを明確にするため、マテリアリティを定めました。

 「衛生・健康・QOL向上へのアクセス」、「エネルギーへのアクセス」、「インフラ改良と技術革新」、「持続可能な消費と生産」、「ジェンダー平等」、「カーボンニュートラル実現」の6項目を当社グループのマテリアリティとしております。各項目の取組状況を定量的に把握するためのKPIは以下のとおりであります。

 

・マテリアリティ(重要課題)

マテリアリティ名称

目指す姿

評価の基準(KPI)

目標

2030年度

衛生・健康・QOL向上へのアクセス

・吸水性樹脂(紙おむつ、その他衛生用品向け材料)および水溶性樹脂(生活、医療向け材料)を提供することで、衛生・健康・QOL向上に貢献

・QOL関連製品の売上高

1,400億円

・吸水性樹脂生産量伸長率

30%

(2022年度比)

エネルギーへのアクセス

・エレクトロニクスガスおよびエネルギー関連製品(リチウムイオン二次電池用材料等)を提供することで省エネルギーに貢献

・省エネルギー関連製品の売上高

300億円

インフラ改良と技術革新

・新製品上市

・研究開発力強化

・デジタル技術の活用等による生産性向上、生産技術力強化

・循環型社会への貢献

・研究開発費

(売上高比率)

2.0-2.5%

・新製品売上高

400億円

持続可能な消費と生産

・より安全・安心な製品の実現を推進

・より安全・安心な製品を提供するための投資額

(化学品の安全性評価・申請・登録・製造にかかる投資額)

4億円

ジェンダー平等

・女性活躍推進

・女性管理職社員比率

17%

15%(単体)

・男性育児休業取得率

100%(単体)

カーボンニュートラル実現

・当社グループから排出される温室効果ガス(GHG)の削減

・バリューチェーンにおけるステークホルダーとの協力

・当社技術による実現への寄与

・GHG削減率(Scope 1,2)

46%(国内)

(2013年度比)

2033年度目標54.6%

(2022年度比)

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)

① ガバナンス

 当社は、「カーボンニュートラル実現」をマテリアリティの1項目として定め、気候変動の緩和に努めるとともに、事業の継続性を確保するため、気候変動リスクの回避と軽減に取り組んでおります。サステナビリティ委員会は、気候変動に関する方針の策定、計画の立案ならびにその推進状況の確認および改善を実施しております。レスポンシブル・ケア委員会は、環境保全の視点から、地球温暖化防止・エネルギー消費量削減などの気候変動課題への具体的対策を検討・実施しております。これらの結果は取締役会へ報告し、監督を受けております。また、気候変動リスクにかかわる事項は内部統制委員会にも報告しております。

② 戦略

 気候変動が当社に及ぼす影響を把握するため、国際エネルギー機関(IEA)および気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した長期シナリオ(IEA NZE2050、IPCC AR6、SR1.5、SSP5-8.5等)を参考に、温暖化の進行が「+4℃」と「+1.5℃」の社会におけるリスクと機会を抽出・分析しております。主要なリスクと機会が当社グループに与える影響の大きさとそれらへの対応は以下のとおりであります。

物理リスク(+4℃の世界):中長期~長期

社会の変化

主要なリスク

影響

主な対応

気象現象の激甚化

(大雨、熱帯低気圧など)

・浸水リスク(洪水、高潮・高波など)による事業活動の停滞

✓生産拠点の長期停止

✓サプライチェーンの寸断

・BCP対策の継続的強化

✓重要拠点の浸水対策強化

✓サプライチェーン強靭化

気温上昇

渇水、水質悪化

・作業環境の悪化による生産性の低下

・渇水、水質悪化による操業度の低下

・作業環境の継続的改善

・水ストレスの把握と対策

移行リスク(+1.5℃の世界):短中期~中長期

社会の変化

主要なリスク

影響

主な対応

政策・規制強化

・NDC目標の引き上げによる関連設備投資、技術開発投資の大幅な増加

・炭素価格の引き上げなど新たな政策・規制の導入に伴う、コスト負担の増加

・GHG排出削減の推進

✓省エネルギー、プロセス効率化、CO2分離回収、エネルギー転換など

技術革新

・エネルギーコストの大幅な上昇

・原材料の脱石油由来に係る大幅な価格上昇

・エネルギー消費、マテリアル消費の最小化

✓吸水性樹脂プロセス合理化、リサイクル技術開発

✓CCU(分離・回収したCO2を利用する技術)等カーボンリサイクル技術開発

市場変化

・環境負荷低減の要求増大

・新たな競争軸をもった新規参入者の出現

・製品毎のカーボンフットプリント削減

・環境貢献製品の開発

機会(+1.5℃への抑制):中期~中長期

社会の変化

主要な機会

影響

主な対応

エネルギー効率の向上

・エネルギー関連材料の需要増加

・電池材料、半導体材料の開発

資源循環型社会への移行

・ガス分離回収ニーズの拡大

・リサイクル製品など環境負荷低減に貢献する製品の需要拡大

・PSAの高性能化と事業拡大

・リサイクル技術の開発

 

<水ストレスの把握と対策>

 将来にわたって良質な水を安定的に確保し続けることができるかどうかは、化学メーカーである当社グループの持続可能性に大きな影響を与えます。当社グループは、生産拠点毎の水リスクを把握し、適応策を講じていくことが重要と考えております。

 WRI Aqueduct※1にSSP5-8.5シナリオ※2を適用し、当社グループの全生産拠点について水リスクに晒される可能性を評価しました。水ストレス(水不足)の評価については以下表1のとおりであります。

 また急性リスクについては、沿岸地域に立地するいくつかの施設で高潮による浸水が顕在化する可能性が抽出されたことから、嵩上げや耐水壁設置などの対策を講じ、重要設備の浸水リスクを最小化することとしております。

※1世界資源研究所(WRI)による、水リスクに関する評価ツール

※2気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による、化石燃料依存型の発展の下で気候政策を導入しないGHG最大排出量シナリオ

 

表1.水ストレス(水不足)評価

会社名

生産拠点

ベースライン

(現状)

将来予測 2050年

(SSP5-8.5)

住友精化株式会社

姫路工場

低~中

低~中

住友精化株式会社

別府工場

低~中

低~中

住友精化株式会社

千葉工場

中~高

中~高

住精科技(揚州)有限公司

揚州工場

台湾住精科技(股)有限公司

彰濱工場

低~中

低~中

スミトモ セイカ ヨーロッパ S.A./N.V.

アルケマ社

(製造委託先・フランス)

中~高

スミトモ セイカ ポリマーズ コリア カンパニー リミテッド

麗水工場

中~高

住精ケミカル株式会社

長安工場

中~高

中~高

住精ケミカル株式会社

坡州工場

低~中

中~高

スミトモ セイカ シンガポール プライベート リミテッド

シンガポール工場

 

③ リスク管理

 気候変動に関するリスクおよび機会を、サステナビリティ委員会において確認し、更新しております。また、気候変動に関する主なリスクを、内部統制委員会の経営リスク管理に含めて全体管理しております。

 当社グループにおけるリスク管理の詳細については、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 (ロ)リスク管理体制の整備状況」をご参照ください。

 

④ 指標と目標

 当社グループは、2022年にカーボンニュートラルに向け以下の対応方針および目標を定めております。

 

カーボンニュートラル対応方針

住友精化グループの持続的成長において、カーボンニュートラルへの対応は、避けることのできない重要課題の一つです。当社グループは、GHG排出削減に向けた取り組みを積極的に推進し、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

1.自社からのGHG排出を削減

住友精化グループの生産活動に伴うGHG排出量の最小化を実現するとともに、これらの技術をグループ各社に提供していきます。

2.低GHG製品、環境貢献製品の提供

住友精化グループが提供する製品・サービスについて、GHG排出削減のための革新を図り、ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からカーボンニュートラルに貢献する製品やソリューションを提供していきます。

3.炭素循環社会実現への貢献

地域・社会と共生し循環経済を実現するために、GHGを回収・活用・固定化する技術革新を継続的に行っていきます。更には、多様な構成メンバーと連携して、社会実装の具現化に貢献することを目標に掲げ、それを推進します。

 

 

目標

1.Scope1,2 GHG排出削減

グループで2033年度までに2022年度比54.6%削減を目指す。

日本国内で2030年度までに2013年度比46%削減を目指す。

2050年カーボンニュートラルの実現を目指す。

2.Scope3 GHG排出削減

カテゴリー1(購入製品・サービス)とカテゴリー12(販売製品の廃棄)について、2033年度までに2022年度比32.5%削減を目指す。

製品ごとのライフサイクルアセスメント(LCA)の実施と計画的な削減努力を継続する。

取り扱う製品のカーボンフットプリント(CFP)を2025年度までに算定し、お取引様と協力して、サプライチェーン全体でのGHG排出削減に貢献する。

3.技術革新への取り組み

住友精化の製品、技術を革新しカーボンニュートラル社会の実現に貢献する。

・CO2分離回収技術の開発

・CO2資源化技術の開発

・環境貢献製品の拡充

 

 当社グループは、今世紀末までに世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ1.5に抑えることを目的としたパリ協定の目標に沿って、削減目標を設定しております。本目標では、グループから排出される温室効果ガスを、2022年を基準に、Scope1+2では2033年までに54.6%削減(1.5目標)、Scope3ではカテゴリー1(購入製品・サービス)とカテゴリー12(販売製品の廃棄)からの排出量を32.5%削減(WB2目標:2を十分に下回る目標)することを目標にしております。

 この目標は、2024年7月にSBTイニシアティブの認定を受けております。

 

 現時点で集計が完了している最新の当社グループのCO2排出量は以下のとおりであります。

 

Scope 1,2排出量(グループ)

単位(kt- CO2

 

 

2022年度

2023年度

2024年度

Scope 1

190

181

180

Scope 2

96

71

66

Scope 1+ Scope 2合計

286

252

246

 

 

Scope 3排出量(グループ)

単位(kt- CO2

 

カテゴリー

2022年度

2023年度

2024年度

1. 購入製品・サービス

1,011

1,051

859

2. 資本財

14

26

33

3. 燃料・エネルギー(Scope1,2以外)

59

57

55

4. 輸送・配送(上流)

37

38

44

5. 事業から出る廃棄物

7

9

8

6. 出張

0.1

0.1

0.1

7. 雇用者の通勤

0.5

0.6

0.6

8. リース資産(上流)

-

-

-

9. 輸送・配送(下流)

10

11

11

10. 販売した製品の加工

-

-

-

11. 販売した製品の使用

188

285

211

12. 販売した製品の廃棄

446

458

483

13. リース資産(下流)

-

-

-

14. フランチャイズ

-

-

-

15. 投資

1

1

0.9

 

 当社グループの2022年度、2023年度、2024年度のGHG排出量(Scope1,Scope2,Scope3)は、信頼性確保のため独立した第三者検証機関から限定的保証を受けております。詳細については、当社ホームページをご参照ください。

 2025年度排出量については、2026年内に当社ホームページで公開予定の「統合報告書 住友精化レポート2026」にて開示いたします。

 

(3)人的資本・多様性

① ガバナンス

 経営会議では、人的資本経営の実現に向けた考え方や具体的な取り組みについて、経営戦略との連携の視点を踏まえて議論しております。HR委員会は、これらの議論を踏まえ、経営幹部候補者の選抜・育成および重要ポジションへの登用について検討・決定しております。

 取締役会は、経営会議およびHR委員会における議論の内容について報告を受け、人的資本経営の監督を行っております。

 

② 人財戦略

 当社は2023年に、目指す組織像および重点的に投資する項目を定めた人財戦略を策定しました。この人財戦略に基づき、経営戦略と連動した人的資本経営を推進しております。

 

人財戦略

 高い専門性を有した多様な人たちが、強いリーダーシップのもと協働し、課題解決に挑戦している。

 そういう集団であるために、次の項目に積極的に投資する。

1.高い専門性を有する人財の確保と育成

2.リーダーの選抜と育成

3.DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進

4.働く環境の整備

※人財戦略の「1.高い専門性を有する人財の確保と育成」「2.リーダーの選抜と育成」については、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」に記載しております。

 

ア DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進

 当社グループには、性別や国籍の違いはもとより、さまざまなライフスタイルや多様な価値観を持つ社員が在籍しております。多様な人財が働きやすい職場環境の提供に努めるとともに、従業員相互の尊重を深める各種施策を推進しております。

 2025年度は、サステナビリティおよびジェンダー平等に関する講演会を開催し、管理職および女性社員を中心に、38名が参加しました。

 また、主に男性社員を対象として、女性の健康管理に関する相互理解の促進とリテラシー向上を目的とした生理痛体感セミナーを実施しました。

 上記のほか、以下の施策を実施しております。

・保存休暇制度の改定(取得理由に「不妊治療」を明示)

・子の看護休暇・介護休暇の改正(取得時の就業の取り扱いを無給から有給へ変更)

・配偶者出産休暇の改正(取得可能日数を2日から3日へ拡大)

・育児休業開始時支援金制度の導入

・リカレント教育休職制度の導入

・ジョブリターン制度の制定(リワーク制度の改定)

・エフ休暇の創設(生理休暇・妊婦通院休暇を「エフ休暇」として統合し、用途の拡大)

・子の看護等休暇の改正(「取得事由に「授業参観、運動会等の行事」を明示)

・特別休職規程の改正(出生サポート休職を追加)

 

イ 働く環境の整備

 従業員の心身の健康管理と働きやすい職場環境の構築に向け、健康経営の推進やワーク・ライフ・バランスの向上に取り組んでおります。

 2025年度は、交替勤務者の働きやすさ向上を目的に、年間休日数の増加や処遇の見直しを実施しました。

 また、高年齢者の就業機会の確保と知見・経験の継承を目的に、定年年齢を段階的に65歳まで引き上げることとしました。併せて、年齢にかかわらずキャリア形成と成長の機会を提供することとしております。

 上記のほか、以下の施策を実施しております。

・特別休職規程の改正(配偶者同行休職の追加)

・交替勤務体制の見直し(年間休日数を96日から110日へ拡大、交替勤務に関わる各種手当の改定)

・テレワーク勤務制度の導入

・定年年齢の引き上げ(人事諸規程の改正、職務グレードの新設、選択定年退職制度の導入)

 

<健康経営の推進>

 当社は、従業員およびその家族の「心と身体の健康の保持・増進」を経営の重要課題の一つと位置付け、健康経営基本方針を定めております。

 

健康経営基本方針

1.当社は、従業員とその家族が安心して生活できるよう、「健康経営」に向けた取り組みを推進します。

2.当社は、従業員自身が自律的に健康の維持・増進に取り組むことを積極的に支援します。

3.当社は、住友精化健康保険組合および住友精化労働組合と一体となり、従業員とその家族の心身の健康づくりを推進します。

 

 本方針に基づき、従業員の健康リテラシー向上を目的とした健康セミナーを、健康保険組合と連携して開催する等の施策を実施しております。

 2026年3月には、経済産業省と日本健康会議が共同で認定する「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定され、2020年以降、7年連続での認定取得となりました。

 

③ リスク管理

 当社グループにおけるリスク管理の詳細については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク 2 主要なリスク (3)その他経営全般に関するリスク ⑧ 人的資本」に記載しております。

 

④ 目標と指標

 当社が人的資本経営に関して設定している指標および目標は、以下のとおりであります。

 

<女性活躍推進に関する指標>

項目

2024年度

2025年度

目標(2026年度)

女性社員比率(新卒採用)

28.6%

33.3%

30%

女性社員比率(採用全体)

26.4%

29.9%

女性管理職比率※

8.0%

9.2%

12%

女性管理職人数※

27人

32人

女性社員比率(全従業員)

17.9%

19.1%

女性比率(製造部門を除く)

25.0%

25.9%

※当社グループ全体の数値です。

 

<WLBに関する指標>

項目

2024年度

2025年度

目標(2026年度)

男性育児休業取得率

71.9%

91.7%

70%

平均時間外労働時間

14.8時間

14.7時間

12時間

年次有給休暇取得率

82.1%

82.3%

80%

年次有給休暇取得日数(一人当たり平均)

15.59日

15.68日

離職率

4.6%

5.4%

4.0%未満

ワークエンゲージメント※

(業界平均)

47.8

(49.5)

48.3

(49.8)

業界平均値

エンプロイーエンゲージメント※

(業界平均)

44.8

(46.7)

44.9

(47.0)

業界平均値

※当社では、第三者機関である株式会社アドバンテッジ リスク マネジメントによるエンゲージメントサーベイを実施しており、その結果を同社の顧客全体における偏差値で示しております。ワークエンゲージメントは「仕事に対する熱意や取り組み姿勢」を示す指標であり、エンプロイーエンゲージメントは「組織に対する一体感や愛着」を示す指標です。なお、業界は製造・化学・素材等の業界を指しております。

人事担当部は、サーベイ結果を分析のうえ、各職場の社員のエンゲージメント向上に向けた課題把握と対策の実行を目的として、各職場の管理者との意見交換の場を設けております。