事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| キャッシュレスサービス事業 | 3,769 | 36.8 | 802 | 43.6 | 21.3 |
| デジタルサイネージ関連事業 | 5,690 | 55.6 | 806 | 43.8 | 14.2 |
| ソリューション事業 | 770 | 7.5 | 298 | 16.2 | 38.7 |
| その他の事業 | 14 | 0.1 | -67 | -3.6 | -482.1 |
事業内容
3 【事業の内容】
事業の概要
当社グループは、「アイディアとテクノロジーで世界をもっとハッピーに」というミッションのもと、成長投資事業と位置付けている「キャッシュレスサービス事業」及び「デジタルサイネージ(注)関連事業」、安定収益事業と位置付けている「ソリューション事業」を完全子会社である下記の3つの事業会社を通じて展開しております。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
1.キャッシュレスサービス事業は、株式会社バリューデザイン及びその海外子会社で構成されております。
2.デジタルサイネージ関連事業は、株式会社クラウドポイント及びその子会社で構成されております。
3.ソリューション事業は、アララ株式会社で構成されております。
(注) デジタルサイネージとは、電子表示機器を使って情報を発信するシステムを指します。
当社グループは、BtoB及びBtoBtoCを中心とした各種ITソリューションを提供しており、主に下記の3つの事業に区分されます。以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報 1.報告セグメントの概要 (1) 報告セグメントの決定方法」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(a)独自Pay(注)を導入したい地域密着のスーパーマーケット、飲食店等を顧客とした「キャッシュレスサービス事業」
(b)多店舗展開する飲食店、コンビニエンスストア、金融機関、ショッピングモール、駅、空港、ホテル、オフィス等の顧客へ、常設型を中心としたデジタルサイネージの機器選定・提供、設置工事、表示内容の制作、配信システム・運用、機器保守をワンストップで提供する「デジタルサイネージ関連事業」
(c)高速メール配信サービス「アララメッセージ」の開発・提供、個人情報検出・管理ソリューション
「P-Pointerシリーズ」の開発・提供、ARプラットフォームアプリ「ARAPPLI」、及びAR施策に関わる企画・開発・提供を含む「ソリューション事業」
各事業につきましては、顧客との価値の共創を通じて、様々なITサービスを生み出し、進化させ、顧客にとって、長期的に使い続けたいサービスとなることが、ミッション達成の近道と考えております。
(注) 当社グループの顧客であるスーパーマーケット、小売店や飲食店等の店舗やeコマースサイトを展開する企業が、自社で発行する電子マネー、いわゆるハウス電子マネーや独自に展開する決済手段を2022年3月に独自Payと定義しました。
それぞれの事業内容は、以下のとおりであります。
① 「キャッシュレスサービス事業」 ― 株式会社バリューデザイン
当社グループの顧客である店舗や企業向けに、エンドユーザーが利用する独自PayやポイントをSaaS型(注1)の「バリューカードサービス」にて提供しております。
当社グループの顧客が、「バリューカードサービス」を活用し、自らが電子マネーの決済事業者となることで、クレジットカードやいわゆる「〇〇Pay」等の他社運営の決済手段とは異なり、エンドユーザーが電子マネーにチャージする際のインセンティブ付与や支払時のポイント付与等の設定を自由に行うことができ、再来店客の増加、エンドユーザーの愛着及び信頼向上に繋げることができます。顧客との契約が継続する限りにおいて、安定的に収益を獲得できるリカーリングビジネス(注2)であることが、収益構造上の特徴となっております。
また、独自Payにて構築した長期にわたる顧客基盤に新たに追加サービスとして提供しております。当社グループ顧客が展開する独自Payへクレジットカードや銀行口座から直接入金するオンラインチャージ決済、店舗で消費者が利用するコード決済(注3)、電子マネー(注4)、クレジットカードなどを包括的にキャッシュレスサービスとして提供を開始しております。更に、「バリューカードサービス」の周辺サービスや決済データを用いたデジタルマーケティングサービス領域では、従来は応募にハガキを利用していたレシート販促キャンペーンをデジタル化したインスタントウィンサービス等、独自Pay利用促進・顧客および消費者の利便性向上のための新サービスの開発・提供を継続的に実施しております。
(注) 1.SaaS型とは、Software as a Serviceの略で、提供者側で稼働しているソフトウ エアを、インターネット等のネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用する状況を指します。
2.リカーリングビジネスとは、1つの商品を販売して取引が完了する従来のビジネスモデルではなく、顧客と継続して取引を行うシステムを構築することで、繰り返し利益を得ることができるビジネスモデルを指します。
3.コード決済とは、スマートフォンアプリの二次元コードやバーコードを使って支払いに利用する決済手段を指します。
4.電子マネーとは、事前にチャージした金銭的価値を電子的に保存して支払いに利用する決済手段を指します。
<「バリューカードサービス」の主な利用例>
<「バリューカードサービス」の主な機能>
(注) プレミアムバリューとは、エンドユーザーが所有するハウス電子マネー残高に、顧客が付与する上乗せ金額を指します。
a.「キャッシュレスサービス事業」の売上構成について
サービス提供に関わる基本的な売上は、リカーリングビジネスによる売上とスポットビジネスによる売上によって構成されております。リカーリングビジネスによる売上は、キャッシュレスサービス事業売上の75.8%を占めております。
リカーリングビジネスによる売上
・月額利用料:ポイント機能や販売促進機能のサービス利用料
・決済手数料:顧客ごとに定めた条件・料率及び独自Payの決済金額に応じた手数料
スポットビジネスによる売上
・システム導入に係る初期費用並びにカード制作及びチャージ機等の物品販売
b.サービスの提供・販売方法について
サービス提供方法については、基本的に下記の2つのルートにて行っております。
・顧客へサービスを直接提供・販売
・サービス提供のための顧客との契約締結及び顧客からの債権回収を行う代理店経由の提供・販売
② 「デジタルサイネージ関連事業」 ― 株式会社クラウドポイント
当社グループの顧客で多店舗展開する飲食店、コンビニエンスストア、金融機関、ショッピングモール、駅、空港、ホテル、オフィス等へ、デジタルサイネージの機器選定・提供、設置工事、表示内容の制作、配信システム・運用、機器保守をワンストップで提供しております。
大量かつ常にアップデートが求められる情報配信や人手不足という社会的課題を受け、当社グループの顧客は、各々のデジタルサイネージに表示される内容の一元管理・運用が可能なSaaS型システムの「Cloud Exa」を利用し課題解決を行っております。
<デジタルサイネージ及びCloud Exaの主な利用例>
(注) リテールメディアとは、小売り企業が運営している広告媒体を指します。
<提供サービス・機能>
(注) 建設業許可番号 国土交通大臣 (般-28) 第26323号
a.「デジタルサイネージ関連事業」の売上構成について
当事業に関わる基本的な売上は、新規設置と定期的にリプレースオーダーが見込めるスポットビジネスによる売上と、保守・システム利用料のリカーリングビジネスによる売上によって構成されております。スポットビジネスによる売上は、デジタルサイネージ関連事業売上の89.8%を占めております。
スポットビジネスによる売上
・機器選定・提供の物品販売
・施工工事
・表示内容の制作
リカーリングビジネスによる売上
・「Cloud Exa」の配信システム利用料
・デジタルサイネージ機器の保守料
b.当事業の提供・販売方法について
提供方法については、基本的に下記の2つのルートにて行っております。
・顧客へ直接提供・販売
・顧客との契約締結及び顧客からの債権回収を行う総合建設業者、設計会社、オフィス家具メーカー等を経由した提供・販売
③ 「ソリューション事業」 ― アララ株式会社
ソリューション事業の売上高の79.8%を占めるメッセージングサービスについて記載いたします。適切なタイミングで、電子メールを一時に大量に配信したい企業・団体(主要顧客:運輸業、金融機関、情報通信業、地方公共団体等)を対象に、メッセージングサービスを提供する事業であります。主にSaaS型にてサービスの提供をしております。顧客にとって下記のような業務上不可欠で様々な情報配信ニーズにお応えしております。
<メッセージングサービスの利用例>
<メッセージングサービスの主な機能>
本サービスは、1つの統合システムとしての提供も可能ですが、メール配信自動連携API、メール配信管理システム及び高速メール配信エンジンの3つのパーツで構成されており、顧客ニーズによって、それぞれ単独での使用も可能となっております。メールを配信するシステムとして、様々な顧客のサービスやシステムと連携し、業務フローに組込まれ、人の手を介さず、自動的にメール配信を行っているケースもあります。
(注) 1.APIとは、あるコンピュータプログラム(ソフトウエア)の機能や管理するデータ等を、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式等を定めた仕様のことを指します。
2.エラー率を低減とは、不達としてエラー検知される割合が、全送信数の3%以下となることと定義しております。
a.「メッセージングサービス」の売上構成について
サービス提供に関わる基本的な売上は、リカーリングビジネスによる売上とスポットビジネスによる売上によって構成されております。リカーリングビジネスによる売上は、メッセージングサービス売上の93.6%を占めております。
リカーリングビジネスによる売上
・SaaS型:メールアドレス数に応じた月額固定のサービス利用料及び月間の配信通数に応じたサービス利用料
・オンプレミス型(注):年間ライセンス料
(注) オンプレミス型とは、サーバやソフトウエア等の情報システムを顧客が管理する設備内に設置し、運用することを指します。
スポットビジネスによる売上
・システム導入に係る初期費用
b.サービスの提供・販売方法について
サービス提供方法については、基本的に下記の3つのルートにて行っております。
・顧客へサービスを直接提供・販売
・サービス提供のための顧客との契約締結及び顧客からの債権回収を行う代理店経由の提供・販売
・サービス連携パートナー経由の提供・販売(注)
(注) 「メッセージングサービス事業」の場合、当社グループサービスとサービス連携パートナーが提供するマーケティングツール等を統合し、顧客へ提供している販売手法を指します。
当社グループの主な事業における事業系統図は、下記のとおりであります。
[事業系統図]
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は9,409,689千円となり、前連結会計年度末に比べ1,146,886千円増加いたしました。
このうち、流動資産は6,143,599千円(前連結会計年度末から1,309,536千円の増加)となりました。これは主として、現金及び預金が1,145,374千円、棚卸資産が50,978千円、その他の流動資産が76,635千円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は3,266,089千円(前連結会計年度末から162,650千円の減少)となりました。これは主として、ソフトウエアが132,789千円、敷金及び保証金が20,001千円それぞれ増加した一方、のれんが258,567千円、顧客関連資産が60,300千円それぞれ減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は4,879,389千円となり、前連結会計年度末に比べ832,047千円増加いたしました。
このうち、流動負債は3,873,686千円(前連結会計年度末から1,070,259千円の増加)となりました。これは主として短期借入金が358,360千円、預り金が494,094千円、未払法人税等が69,913千円、契約損失引当金が62,000千円それぞれ増加した一方、前受金が95,394千円、1年内返済予定の長期借入金が56,641千円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は1,005,702千円(前連結会計年度末から238,212千円の減少)となりました。これは、契約損失引当金が236,400千円増加した一方、長期借入金が330,257千円、繰延税金負債が144,633千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は4,530,300千円となり、前連結会計年度末から314,839千円増加いたしました。
これは主として、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ32,589千円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益143,755千円を計上したことによるものであります。また、繰越利益剰余金の欠損填補を目的に資本剰余金から利益剰余金への振替を行っており、その結果、資本剰余金が1,818,700千円減少した一方、利益剰余金が1,818,700千円増加しております。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国の関税率引き上げによる先行き不透明感の高まりや地政学リスクの継続により、各国の金融政策・通商政策を背景とした物価情勢や国際金融資本市場の変動について引き続き注視が必要な状況となりました。また、わが国経済は、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクにおいて留意が必要である中、インフレによる物価上昇等により個人消費の回復に遅れは見られるものの、雇用・所得環境の改善の動きがみられ、個人消費に持ち直しの動きがみられました。一方、原材料やエネルギー価格をはじめとした諸物価の上昇及び日本銀行の金融緩和政策の見直しに対する警戒感、中国経済の先行き懸念等依然として先行きは不透明な状態にあります。
このような環境下において、当社グループでは、各事業会社が共通顧客基盤に対するアプローチを積極的に行うことで、顧客獲得、事業規模の拡大を進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高10,234,033千円(前年同期比49.3%増)、営業利益731,430千円(前年同期比116.4%増)、経常利益714,241千円(前年同期比123.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益143,755千円(前年同期比93.9%増)となりました。また、当社グループが経営戦略上の重要指標であると捉えている調整後EBITDA(*)は1,289,295千円(前年同期比78.7%増)となりました。
(*) 調整後EBITDAは、営業利益と減価償却費(無形固定資産に係る償却費を含む)及び株式報酬費用の合計額となっております。
セグメントの概況は以下のとおりであります。
a.キャッシュレスサービス事業
「キャッシュレスサービス事業」については、決済手数料収入の着実な上積みが進み、利益率が当初の計画を上回り推移しました。キャッシュレスサービス事業の当連結会計年度末における顧客数は1,131社となり、累計エンドユーザー数は226,186千人となりました。また、当連結会計年度における独自Payの決済取扱高は、約1.45兆円と堅調に増加したものの、受注済み顧客に起因するサービス展開の期ズレ等の要因により、中期経営計画において計画していた2.0兆円には未達となりました。
汎用電子マネーである「iD」を用いた独自Payとの連携サービス(以下、iD連携サービスといいます)について、当初予定していた計画よりサービスリリースが大幅に遅れており、当該サービスに係るソフトウェア資産などに対し減損処理を実施し、54,924千円を特別損失として計上いたしました。また、iD連携サービスに係る一部のサービス運用業務を外部業者へ委託しております。解約申し入れ時点における債務残高相当額を一括で支払う義務を負っており、事実上中途解約が困難な状況にあります。iD連携サービスに係るソフトウェア資産の減損に伴い、当該契約における将来の支払い義務の履行による損失へ備えるため、契約損失引当金繰入額の298,400千円を特別損失として計上いたしました。
その結果、キャッシュレスサービス事業の当連結会計年度における売上高3,768,905千円(前年同期比11.6%増、セグメント間の内部売上高371千円を含む)、セグメント利益802,152千円(前年同期比30.0%増)となりました。
b.デジタルサイネージ関連事業
「デジタルサイネージ関連事業」については、2024年3月1日付で株式交換により完全子会社化した株式会社クラウドポイントにおいて、前連結会計年度は、下期の業績を連結業績として計上しておりましたが、当連結会計年度は、通期業績を連結業績として計上しております。多店舗展開する企業へのデジタルサイネージ導入が進んだことや、商業施設やオフィスサイネージの導入が寄与し、売上高、利益共に好調に推移いたしました。また、当連結会計年度におけるデジタルサイネージ累計設置面数は68,450面、累計設置個所は30,810箇所で、順調に増加いたしました。
その結果、デジタルサイネージ関連事業の当連結会計年度における売上高5,690,126千円(前年同期比107.0%増)、セグメント利益805,948千円(前年同期比105.3%増)となりました。
c.ソリューション事業
「ソリューション事業」については、連結子会社であるアララ株式会社の主要なサービスであるメッセージングサービスにおいて、事業者向けにメッセージ配信を行う法人企業へのアウトバウンド営業活動を引き続き強化してまいりました。また、Webマーケティングの強化にも積極的に取り組み、新規顧客の獲得を推進いたしました。事業は堅調な伸びを続けており、メッセージングサービスの当連結会計年度における取引社数は395社、解約率は0.6%となりました。
その結果、ソリューション事業の当連結会計年度における売上高770,075千円(前年同期比4.6%増、セグメント間の内部売上高8,554千円を含む)、セグメント利益298,316千円(前年同期比32.3%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,145,374千円増加し、4,373,643千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,408,641千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益393,386千円、減価償却費197,164千円、のれん償却額258,567千円、仕入債務の増加額255,269千円、預り金の増加額494,064千円、契約損失引当金の増加額298,400千円、法人税等の支払額330,330千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは272,802千円の使用となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出22,182千円及び無形固定資産の取得による支出271,175千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは10,988千円の収入となりました。これは主に、短期借入金の増加額358,360千円、長期借入金(一年内返済予定を含む)の返済による支出386,898千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入60,607千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a) 生産実績及び受注実績
当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、前連結会計年度において、株式会社クラウドポイントとの経営統合により、同社の損益を2024年3月から連結しておりましたが、当連結会計年度は、連結会計年度における売上を販売実績に含めているためであります。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、売上高の10%を超える販売先が無いため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績の分析
a) 売上高
当連結会計年度における売上高は10,234,033千円となりました。これは主に、「キャッシュレスサービス事業」における、決済手数料収入を主とするリカーリング売上高の増加及び「デジタルサイネージ関連事業」における、多店舗企業・商業施設・オフィスへの導入による売上高の増加によるものになります。
b) 売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は6,229,129千円となりました。これは主に、「キャッシュレスサービス事業」のサービス基盤であるデータセンター費用やシステム運用コスト、カード製作原価、チャージ機等の仕入及び「デジタルサイネージ関連事業」におけるデジタルサイネージ等の仕入によるものであります。この結果、売上総利益は4,004,904千円となりました。
c) 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は3,273,473千円となりました。これは主に、広告販促費として株主優待費用が発生したこと及び「キャッシュレスサービス事業」において代理店手数料、のれんの償却費、「デジタルサイネージ関連事業」においてものれんの償却費などが発生したことによります。この結果、営業利益は731,430千円となりました。
d) 営業外損益、経常利益
当連結会計年度における営業外収益は14,997千円となりました。これは主に、円安による外貨建て債権に対する為替差益及び受取利息が発生したことによります。一方、営業外費用は32,186千円となりました。これは主に、金融機関からの借入に対する支払利息が発生したことによります。この結果、経常利益は714,241千円となりました。
e) 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における特別利益は39,145千円となりました。これは主に、投資有価証券の売却益が発生したことによります。一方、特別損失は360,001千円となりました。これは、「キャッシュレスサービス事業」において減損損失及び契約損失引当金繰入額の計上によるものであります。この結果、税金等調整前当期純利益は、393,386千円となりました。
また、法人税、住民税及び事業税398,091千円、法人税等調整額(益)148,460千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、143,755千円となりました。
③ 経営成績等に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、人材の確保・育成等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、常に当社グループは市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保するとともに、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、業務委託費、通信費(外部サーバ費)、仕入費用等があります。運転資金は、主として内部資金及び借入金により調達しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,373,643千円であり、また、当座貸越契約の未使用残高130,000千円と合わせ、当社グループの事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しておりますとおり、当社グループは、事業毎に定める指標を重要な経営指標と位置付けております。2025年8月期におきましても、当該指標の達成状況に関して一定の評価をしておりますが、今後も株主価値向上のための経営施策を実施してまいります。
a) 「キャッシュレスサービス事業」
「キャッシュレスサービス事業」については、収益に関連する独自Pay決済取扱高について実績推移を記載いたします。
<独自Pay関連決済取扱高の四半期推移について>
(注) 2023年8月期第1四半期の対前四半期成長率については、2022年8月期の期末より連結決算を行っているため、当社(旧・アララ株式会社)のみの数値との比較となっております。
当社グループは、「キャッシュレスサービス事業」を高成長事業と位置付けており、独自Pay決済取扱高の増加と共に、決済手数料の売上高も増加し、成長していくものと考えております。ただし、決済手数料については、顧客毎に決済手数料の算定条件が異なるため、独自Payによる決済取扱高の増減とは完全に一致はいたしません。
なお、「キャッシュレスサービス事業」における当連結会計年度末時点での累計顧客数は1,131社、累計エンドユーザー数は約226,186千人となっており、2025年8月期の連結会計期間における独自Payの決済取扱高はグループ全体で約1.45兆円となっております。
b)「デジタルサイネージ関連事業」
「デジタルサイネージ関連事業」については、動的かつ視覚的にインパクトのある情報をリアルタイムに提供することで急速に変化する市場のニーズに応えることが可能なことに加え、労働力不足を補う自動化ツールとしての役割への期待から、引き続きデジタルサイネージの旺盛な需要が続くものと考えております。連結子会社の株式会社クラウドポイントでは、顧客のデジタルサイネージの導入計画策定から機器選定、システム提案、設置工事、コンテンツ制作・配信、システムの保守・運用まで、ワンストップで行う強みを活かし、引き続き顧客基盤の強化を進めてまいります。
なお、「デジタルサイネージ関連事業」における当連結会計年度末時点での累計デジタルサイネージ設置面数は68,450面となっております。
c)「ソリューション事業」
「ソリューション事業」については、連結子会社であるアララ株式会社の主要なサービスである「メッセージングサービス」において、事業者向けにメッセージ配信を行う法人企業へのアウトバウンド営業活動を引き続き強化し、Webマーケティングの強化にも積極的に取り組んでまいりました。
売上高は微増となっておりますが、当社グループは、「メッセージングサービス」を安定成長事業と位置付けており、月次平均解約率及び取引社数を指標とし、顧客にとって長期的に利用したいサービスとなっているのかを判断しております。
なお、「メッセージングサービス」における当連結会計年度の月次平均解約率は0.6%、当連結会計年度末時点の取引先数は395社となっております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象になっております。
当社グループは「キャッシュレスサービス事業」、「デジタルサイネージ関連事業」、「ソリューション事業」及び「その他の事業」を展開しており、それぞれの事業において、顧客へ包括的な戦略を立案し、サービス提供活動を行っております。従って、当社グループは「キャッシュレスサービス事業」、「デジタルサイネージ関連事業」、「ソリューション事業」及び「その他の事業」の4つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「キャッシュレスサービス事業」は、スーパーマーケット、飲食店等の店舗を展開する顧客向けに、エンドユーザーが利用するハウス電子マネーやポイント、デジタルギフトカードなどのサービスを提供しております。
「デジタルサイネージ関連事業」では、ショッピングセンター、飲食チェーン店、コンビニエンスストア、オフィスや駅・空港など、多種多様な業種の顧客に対してデジタルサイネージの販売及び設置、メンテナンスサービスなど、デジタルサイネージに関するトータルソリューションを提供しております。
「ソリューション事業」のメッセージングサービスは、自社サービス等で一時に大量にメール配信を行う顧客を対象に、メッセージ伝達に欠かせない機能を備えたサービスを提供しており、同じくデータセキュリティサービスは、主に個人情報を大量に取り扱う顧客向けに個人情報管理ソリューション「P-Pointer File Security」を提供しております。また、その他のサービス(ARサービス)では、主にエンドユーザー向けプロモーションを実施したい顧客向けサービスとして、ARアプリケーション「ARAPPLI」の提供やARコンテンツ制作を行っております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)
(注) 1.セグメント利益又は損失(△)の調整額△824,697千円は、各報告セグメントに含まれない全社費用が含まれております。また、減価償却費の調整額11,969千円は、全社費用であります。なお、全社費用は、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3.セグメント資産及びセグメント負債の金額は経営資源の配分の決定及び業績を評価するための定期的な検討の対象になっていないため、記載しておりません。
当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)
(注) 1.セグメント利益又は損失(△)の調整額△1,108,208千円は、各報告セグメントに含まれない全社費用が含まれております。また、減価償却費の調整額12,350千円は、全社費用であります。なお、全社費用は、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3.セグメント資産及びセグメント負債の金額は経営資源の配分の決定及び業績を評価するための定期的な検討の対象になっていないため、記載しておりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)
(単位:千円)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)
当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。