リスク
3 【事業等のリスク】
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 国内住宅産業の動向が業績に影響を与えることについて
当社の主力製品である窯業系建材の用途は住宅向けが中心であり、同業界は、少子高齢化や人口減少などの構造的な要因に拠り中長期的には減少が避けられない状況にあります。これに対して当社は、第二の事業である化成品事業の拡大に注力し、また建材事業についても非住宅分野への拡充を行う等事業ポートフォリオの多角化を図っておりますが、依然として住宅着工戸数が著しく変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 退職給付債務について
当社従業員の退職給付費用及び退職給付債務については、割引率や退職率、死亡率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますので、これらの前提条件と実際の結果が異なった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 知的財産権について
当社は、現在の事業活動及び将来の事業展開に有用な知的財産権の取得に努め、また他社の知的財産権の調査を実施することにより事前の問題発生を回避するよう努力しております。しかし、当社が他社の知的財産を侵害する可能性は全くないとはいえず、他社より訴訟等を提起されるリスクも存在するため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 製造物責任について
当社の主力製品である窯業系建材製品は、製品の用途は住宅向けが中心であり、当社の製品特性から製造物責任を問われるケースは少ないものと考えられ、また当社は、品質・環境マネジメントの国際規格のもとで各製品を製造しています。しかしながら、製造したすべての製品について欠陥が全くないという保証はなく、今後製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が生じた場合は、当社製品の品質に対する信頼性を損なうおそれがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法的規制について
当社は、建材事業において住宅・非住宅用不燃内外装材、化成品事業においてはマグネシウム類薬品、セラミックス製品等をそれぞれ製造、販売しており、建材事業においては建築基準法、化成品事業においては医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、食品衛生法を始めとする各種法規から規制を受けており、それに従って製造し管理を行う必要があります。また当社工場は、主に水質汚濁防止法、大気汚染防止法、騒音規制法、高圧ガス保安法、毒物及び劇物取締法の規制を受けております。これら法規等の変更あるいは予期し得ない法規等が導入され、新たな設備投資等が必要となった場合、当社の業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
(6) 人材の確保について
企業が継続的に価値を高めていくには、人材の開発・育成は不可欠であります。現時点では、優秀な人材の中途採用及び新入社員の計画的な育成により、必要な人員は確保されておりますが、さらに今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の採用及び育成の強化を進める方針です。
しかしながら、人材確保において困難に陥り、計画どおりに必要とする優秀な人材を確保できなかった場合には、事業の円滑な運営に支障をきたす可能性及び機動的な事業拡大を行えない可能性があります。さらに、優秀な人材を確保・維持し又は育成するために費用が増加する可能性もあります。
(7) 金利変動について
当社は、金融機関からの借入れにより、事業の運転資金・設備投資資金を調達しており、今後の金融政策に伴い金利が著しく変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 為替変動
当社は、一部海外からの原料輸入および海外への製品輸出を実質的に外貨建で行っていますが、それらの各金額を管理することにより原則的には為替リスクはニュートラルなポジションとなっています。しかしながら、外国為替相場が著しく変動した場合には、調達及び輸出のタイミングのズレもあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 原材料・エネルギー価格の変動について
当社は、製品の製造過程においてLNG、LPG、電力、塗料、苛性ソーダ等を使用しており、これらの調達コストが著しく変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 製造拠点への自然災害の影響
当社は、日本国内に東西2製造拠点を有しており地域的な製造リスクの分散を図っており、また生産活動の中断による潜在的影響を抑制するため定期的な防災点検・設備保守を行っていますが、大規模な自然災害に被災した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境対応について
脱炭素社会の実現を目指す取組みが不十分である場合、当社に対する社会的信頼の喪失につながり、業績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。当社では、環境対応に向けた取り組みは、重要な経営課題の一つと認識し、「環境への対応」や「資源循環型製品」の提供ができるよう取り組んでまいります。
(12) 情報セキュリティーについて
当社は、当社事業の遂行に伴い多くの個人情報及び機密情報を保有しており、これらの取扱いについては万全の体制を整えております。しかしながら、不測の事態により情報の流出・漏洩が発生した場合には、対応費用の発生、社会的信用の低下等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) アスベストによる健康障害
当社は、過去にアスベストを含有した製品を製造しており、当該製品により健康障害を受けたとする損害賠償請求訴訟等により、損害賠償金の支払いや訴訟に関する費用が発生し、それらの費用が多額となる場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 固定資産の減損について
当社は、固定資産の減損に係る会計基準を適用し、資産に対する減損テストや資産評価を行っておりますが、現時点では減損損失の計上の必要性はないと考えております。
しかし、将来業績の大幅な悪化や不動産価格の下落等があった場合には減損損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主のみなさまへの利益還元を重要な経営課題のひとつと認識しており、配当につきましては、長期的に安定的な配当の継続を基本に、各期の利益水準、配当性向、及び将来に向けた内部留保の確保等を総合的に勘案し、株主のみなさまに利益還元する方針としております。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。
当事業年度の期末配当金につきましては、上記の当社配当方針と過去の還元実績を勘案の上、1株当たり21円の配当を実施いたします。この結果、当事業年度の年間配当金は、1株当たり42円となります。
また、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度の剰余金の配当は以下のとおりであります。