2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    522名(単体) 3,312名(連結)
  • 平均年齢
    44.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.7年(単体)
  • 平均年収
    6,157,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

電子・機能製品

1,189

フィルム・シート製品

1,570

建材関連

247

エンジニアリング

134

全社(共通)

172

合計

3,312

(注) 従業員数は就業人員(当社グループ外から当社グループへの出向者及び嘱託社員を含み、当社グループから当社グループ外への出向者、パートタイマー及び人材会社からの派遣社員を除いております。)であります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

522

44.1

17.7

6,157

 

セグメントの名称

従業員数(名)

電子・機能製品

188

フィルム・シート製品

162

全社(共通)

172

合計

522

(注)1 従業員数は就業人員(他社から当社への出向者及び嘱託社員を含み、当社から他社への出向者、パートタイマー及び人材会社からの派遣社員を除いております。)であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

 当社グループには、当社に2つの労働組合があるほか、国内に3つの労働組合があります。

 なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

3.7

69.2

66.7

69.7

31.6

 (注)3

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

   3 労働者の男女の賃金の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。なお、同一労働の賃金差はなく、等級別人員構成の差や担当する職務内容の差により賃金差が生じています。

   4 管理職に占める女性労働者の割合及び男性の育児休業取得率は、出向受入者を含み、出向者を除いた就業人員により集計しております。労働者の男女の賃金の差異は、原籍人員により集計しており、非正規労働者には、パートタイマー及び有期の嘱託社員を含み、派遣社員を除きます。

 

②連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

 (%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率

 (%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

ビニフレーム工業㈱

0.0

0.0

76.6

77.1

56.9

(注)3

ダイヤモンドエンジニアリング㈱

11.1

25.0

75.1

79.3

53.9

(注)3

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 労働者の男女の賃金の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。なお、同一労働の賃金差はなく、等級別人員構成の差や担当する職務内容の差により賃金差が生じています。

4 管理職に占める女性労働者の割合及び男性の育児休業取得率は、出向受入者を含み、出向者を除いた就業人員により集計しております。労働者の男女の賃金の差異は、原籍人員により集計しており、非正規労働者には、パートタイマー及び有期の嘱託社員を含み、派遣社員を除きます。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループでは、長期的な視点から2030年のありたい姿を「サステナブルな社会に貢献する、キラリと光る企業グループ」と定め、中期経営計画「NCIキラリ2025」を策定いたしました。その中で、SDGsを重要な目標と捉え、当社ミッション「技術力で価値を創造し、より豊かな社会の発展に貢献する」の実現と関わりが深く、SDGs貢献へ繋がる以下の5つのマテリアリティを設定しております。

・社会、産業のデジタルインフラ整備

・健康な生活、安心安全な社会の実現

・カーボンニュートラルの実現

・地域社会との共存共栄

・従業員のやりがいと満足度向上

 これまで培ってきた技術を究め、融合させることで、価値ある製品を広く提供し、マテリアリティの実現により持続的な企業価値の向上を図るとともに、持続可能な社会の実現を目指していきます。

 

(1)ガバナンス

 マテリアリティの推進に向けては、2023年度に代表取締役社長を委員長とし、全執行役員、主要グループ会社社長をメンバーとするSDGs推進委員会を設置し、委員会の下部組織として各マテリアリティの実現に向けた検討を行う分科会を設け、SDGs経営に取組んでいます。

 分科会は、グループ会社を含み組織横断的に各マテリアリティに関係する組織の幹部クラスを中心とするメンバーで構成しており、活動は基本2ヶ月ごとに会議を開催し、各メンバーにおけるテーマ達成に向けた課題とその進捗を管理しPDCAを回しています。

 同分科会での活動状況はSDGs推進委員会へ年2回報告を行い、活動の方向性や進捗状況について協議しております。

 SDGs推進委員会で協議した内容は、取締役会へ報告を行い、議論、進捗管理を行います。

 

(2)リスク管理

 サステナビリティ全般のリスク重要課題は、経営企画部を事務局とするリスク管理委員会にて適切に対処する体制を整備しております。

 リスク管理委員会において、毎年重要なリスクを特定し、対処すべき担当部門を決定します。リスク管理委員会は年4回開催し、各課題について、担当部門より対策、行動計画、進捗等の報告を受け、全執行役員が出席する会議等での審議を経てリスクの低減を図っております。

 取締役会は、リスク管理委員会から年2回報告を受ける等、リスク管理委員会を監督する立場にあり、リスク管理の基本方針、重要リスクの特定、重要施策の決定、施策のモニタリングや改善指示などリスク全般についての活動に関与しております。

 

(3)気候変動対応について

 当社グループでは、サステナブルな社会の実現に向け、5つのマテリアリティを設定しておりますが、その中でも気候変動への対応(カーボンニュートラルの実現)が最も重要であると認識しており、TCFDに則り開示しております。

 

① ガバナンス

 気候変動関連の課題については、リスク管理委員会にて議論の上、取締役会へ定期的に報告を行います。

 リスク管理委員会では、気候変動対応の実務レベルでの協議・対応組織としてTCFD推進チームを設置し、適切に対処する体制を整備しております。

 TCFD推進チームは、SDGs推進委員会分科会にて検討、協議した気候変動関連リスクを取りまとめ、リスク管理委員会へ報告しております。

 取締役会では、報告を受けモニタリングを行い、気候変動対応及びGHG排出量削減目標の設定、達成に向けた活動を継続的に監督しております。

 

② リスク管理

 上記サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)リスク管理をご参照ください。

 

③ 戦略

 当社グループは、気候変動の影響と緩和や気候変動関連の課題解決に貢献することを通じて社会とともに持続的に成長することを目指しており、気候変動対応を重要なサステナビリティ課題と認識しております。

 気候変動による影響については、平均気温上昇「4℃」と「2℃未満」のシナリオにてリスクと機会を検討しました。

 その結果、リスクとして、炭素税の導入、エネルギーコストの増加、再エネ・省エネ設備への投資の増加、自然災害の激甚化による設備への損害等を認識しました。また、機会として、脱炭素化設備やゼロカーボンスチールの需要増加、EV関連需要の拡大、水素燃料製造設備の需要増加等を認識し、影響度の継続的な検証や対策の検討を実施しております。

 当社グループでは、今後も温暖化施策の変化などに適時に対応してリスクの軽減を図るとともに、さらなる気候変動の影響緩和に貢献する取組みを通じて、持続的成長と企業価値向上を目指します。

 なお、識別したリスクと機会の概要については、以下をご参照ください。

種別

内容

影響度

対応

移行

リスク

政策・規制

・炭素税の導入によるエネルギーコスト、原材料コストの増加

・省エネ活動の積極的推進

・太陽光発電の導入

・再生可能エネルギーへの転換

・サプライヤーとの協働によるScope3の削減

・価格への転嫁

・GHG排出量削減目標達成のための設備投資等の対応コストの増加

・投資計画の策定

市場

・主要製品に関する新製法の確立に向けた先発メーカーとの技術面、コスト面での競争激化

・エネルギー価格上昇による物流コストの増加

・左記リスクを念頭に置いた新製法の検討、確立

・配送業者へのEV車導入働きかけ、

配送方法の見直し

技術

・新技術への研究開発等の遅れによる競争力低下

・気候変動に対応する新技術の研究開発等推進

評判

・取引先企業の意識向上に伴い、GHG排出量削減の遅れによる製品需要の減少

・GHG排出量削減目標の達成

物理的

リスク

慢性

・平均気温上昇による冷房コストの増加

・冷房効率のアップ(機器の切替等)

急性

・異常気象が激甚化し、洪水発生による生産拠点の浸水、サプライチェーンの寸断

・各拠点の災害レベル想定

・各レベルに即した防災対策の検討、強化

機会

資源効率

・新たな省エネ・再エネ技術の導入によるエネルギーコストの減少

・積極的な導入による競争力アップの実現

評判

・環境側面での付加価値の高い製品ラインナップへの切替えによる販売増

・タイムリーな製品開発

・需要に対応できる生産能力の準備

製品・

サービス等

・EV関連需要増加

・全個体電池の需要増加

・脱炭素化設備やゼロカーボンスチールの需要増加

・水素燃料製造設備の需要増加

・タイムリーな製品開発

・需要に対応できる生産能力の準備

 

④ 指標及び目標

 当社グループはGHG排出量削減目標を以下のとおり定めております。

2030年度 2013年度比46%削減 (Scope1,2)

2050年度 カーボンニュートラルの達成 (Scope1,2)

<Scope1,2実績> (tCO2)

2013年度   111,170

2021年度    88,779

2022年度    78,905

2023年度    71,193

2024年度    67,057

2030年度    60,000以下 (目標)

(※)2030年度は現状認識しているScope1,2

 

 上記排出量は、連結各社の決算対象期間における算定量の合算です。

 2022年度、2023年度算定については、第三者として㈱日本環境認証機構(JACO)による限定的保証を受けております。

 

(GHG排出量削減の取組みについて)

・GHG排出量削減のための取組みとして、当社の主要工場である魚津・早月工場(富山県)や、海外生産拠点のタイ(ELECTRO CERAMICS(THAILAND)CO.,LTD.)や中国(恩希愛(杭州)薄膜有限公司)に太陽光発電設備を設置し、各工場の電力の一部を太陽光発電で賄っています。

・この他、ベトナム(NCI(VIETNAM)CO., LTD.)、タイ(NIPPON CARBIDE INDUSTRIES(THAILAND)CO., LTD.)、インドネシア(PT NIPPON CARBIDE INDUSTRIES INDONESIA)においても新たに太陽光発電設備の設置を計画しており、当該計画の実行により、年間800トンのGHG排出量削減が見込まれます。また、ブラジルや富山県内のグループ4社において、グリーン電力への一部転換を実施しており、年間7,000トンのGHG排出量削減を見込んでいます。

 

(4)人的資本

 当社グループでは、人材が全ての事業活動の礎であるとの考えのもと、多様な人材の確保に努めております。その上で、その一人ひとりが、自分の仕事に自信と誇りを持ち、互いに協力しあって能力を最大限発揮することでシナジー創出につながるような職場環境の整備を図ります。また、人材育成、キャリア開発などに積極的に取り組み、社員が自身の成長を実感しながら活躍できるよう進めていきます。2024年度より、女性、外国人、障害者、高齢者など、あらゆる社員が働きやすく、より能力を発揮できるよう、新設のDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進チームが中心となってその実現に取り組んでおります。

 

① ガバナンス

 SDGs経営を推進するためのマテリアリティの一つに「従業員のやりがいと満足度の向上」を掲げており、人的資本に関する取組みは、SDGs推進委員会の活動を通じて、経営がモニタリング等を行っています。ガバナンスの詳細は、上記、サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンスをご参照ください。

 

② リスク管理

 上記、サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)リスク管理をご参照ください。

 

③ 戦略

 当社グループは、2030年のありたい姿の実現、本格的な成長を成し遂げるため、中期経営計画の基本方針を「キラリ=One&Only」の追求とし、キラリと光る技術を究め、キラリと光る製品を提供することで、サステナブルな社会に貢献し、サステナブルな成長を実現します。

 そのために、技術レベル向上、製品の高付加価値化を成し遂げ、設備投資により供給能力を拡充するとともに、注力領域の戦略市場において、新市場開拓と新製品創出を成し遂げていくことが重要であり、グローバル拠点を活用した市場開拓にも注力していきます。

 これらの事業戦略を実現するため、「事業リーダーやグローバルリーダーの計画的な育成」、「優秀な人材確保と確実な人材育成」、「新たな取組みに挑戦し、OneNCIでやり遂げる組織風土の醸成」、「従業員が十分に能力を発揮できる働きやすい職場環境の整備」を着実に実行していきます。

 

1) 事業リーダーやグローバルリーダーの計画的な育成

 当社グループの事業拡大のため、新市場開拓や新製品創出を実現できる事業リーダー、グローバルリーダーの育成が不可欠です。次世代経営者育成制度やグローバル人材育成制度を通じ、事業リーダー、グローバルリーダーを育成しています。

 

(次世代経営者育成プログラム)

 将来、経営者として活躍できる人材、多様性ある人材を育成することを目的として、次世代経営者育成プログラムを実施しています。4段階の階層別の研修等により、計画的に人材育成・選抜を行っており、最終的に企業経営のできる人材を育成します。このプログラムでは、座学だけでなく、職場実践と連動させることで、有効な経験から学びを得ることを重視しています。例えば、最終段階(STEP4)の次世代経営者層に対するプログラムにおいては、選抜されたメンバーが経営視点で変革課題に取組み、社長執行役員による個別メンタリング、取締役会メンバーへの報告会などを実施しながら、3年間で経営人材を育成することを目指しています。

 

(グローバル人材育成制度)

 働いている国に関係なく、国を跨いだグローバルな視野に立って、異なる言語、文化、価値観を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人材を育成することを企図したプログラムとしています。若手育成制度に続く形で、若手から中堅社員を対象にして実施する他、語学習得のため自己啓発を行う社員に対して、補助制度も導入しています。

 

(サクセッションプラン)

 NCIグループの重要なポジション(約40ポジション)について、計画的な人材育成・配置を行うことを目的にサクセッションプランを策定しています。また、取締役、及び、CxO(CEO、CFO、CTO)を含む執行役員候補者については、社外取締役2名、社長執行役員で構成される指名・報酬委員会にて議論の上、選定を行い、その状況を取締役会にも報告をしています。

 

2) 優秀な人材確保と確実な人材育成

 人材獲得競争が激しく、人材の流動化が益々進む中ですが、当社は、多様な人材、優秀な人材が集まる会社にしていきたいと考えています。新卒採用やキャリア採用を実施する際には、就職希望者に個々が知りたい情報を丁寧に提供することにより、納得感を持って入社していただくことを継続していきます。また、多様な経験、知識、知見を有する人材を採用するため、キャリア採用を強化しており、更には、2022年度には「ジョブ・リターン制度」を導入しました。複数社を経験し、その上で長く働ける会社を選びたいというニーズに対応できるように制度整備をしていきます。また、入社後は、一流の技術者をはじめとした優秀な人材を育成することを目的とした若手社員育成制度の運用等により、教育責任者から執行役員まで一体となり、若手社員を育成しています。

 

(若手社員育成制度)

 若手社員が一流人材に成長することを支援するため、若手社員育成制度を実施しています。個別に中長期的な育成の将来像(アウトライン)を設定、毎年1年間の育成計画を作成し、教育責任者により日常の業務指導を行っています。また、経営も含め、会社全体で責任を持って若手社員を育成していく方針に基づき、年に1回、若手社員には1年間の成果を、教育責任者には育成方針や育成計画の進捗状況を全執行役員参加の報告会で発表させています。執行役員は若手社員の成長を確認するとともに、若手社員、教育責任者に対して、必要な助言指導を行い、育成力の強化に取り組んでいます。また、キラリと光る技術を究めるため、研究開発センターにおける人材育成の取組みとして、研究開発討論会、技術勉強会、特許教育、CI活動といった技術力向上に向けた取組みを行っています。

 

(新入社員定着率)

 大学院卒・大学卒の新入社員が当社に入社すると、若手社員育成制度(前述)により、教育責任者、チューターが任命され、一流人材への成長を目指した教育が始まります。また、人事部担当者は、新入社員が仕事や職場環境、人間関係、新しい生活などで悩みを抱えることのないように定期的にヒアリングを行います。問題が生じた場合には所属部署と協力して、問題解決に取り組んでいます。このように所属部署や人事部によりきめ細かく、新入社員をケアしており、新入社員が会社に定着しやすくしています。

[大学院卒・大学卒の入社3年後在籍率]

・2022年新卒入社 69% 2021年新卒入社 88% 2020年新卒入社 100%

 

3) 新たな取組みに挑戦し、OneNCIでやり遂げる組織風土の醸成

[多様性の確保]

 イノベーションを起こし、企業価値を高め、サステナブルな成長を達成するためには、社員一人ひとりの個性が尊重され、多様な経験、知識、知見を有する人材が、性別、国籍、年代関係なく、その考えを自由に発信して活躍できること、更には、社員一人ひとりの違いやその状況に配慮した支援、公平な機会提供により、最大限に能力を発揮できることが重要であると考えています。それらを実現できるよう組織風土の醸成、組織体制の強化に取り組んでいきます。

 

(DE&I推進チームの活動)

 2024年度より、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進することを目的に、DE&I推進チームで活動を開始しています。

 女性、外国人、障害者、高齢者など、あらゆる社員が働きやすく、より能力を発揮できる職場を目指した活動の中で、2025年度からは、法改正に追加する形で、看護等休暇の取得期間を小学校修了まで延長、在宅勤務制限の緩和などを実施しています。

 

(多様性確保に向けたKPIの設定)

 当社グループでは中期経営計画の重要課題の1つとして、「多様性の推進」を掲げており、女性、外国人、中途採用者の人材活躍について、KPIを設定して取り組んでいます。(具体的な数値は後述。)

 

(育児・介護休業制度の運用状況)

 出産や育児・介護により、キャリア断絶の生じないよう、育児・介護休業制度を実施しています。また、2022年、2024年の育児・介護休業法の改正に伴い、育児・介護と仕事の両立を目指して、法改正に留まらない社内制度の改定を行っています。2024年度の育児休業取得率は次のとおりです。

当社:女性100%、男性69% 当社グループ:女性100%、男性61%

 

 

(高齢者雇用の取組み)

 60歳定年退職以降、65歳までの再雇用制度を実施しています。長年の経験を活かせる職場で再雇用し、現役世代と同様に、人事考課を実施し、その成果を処遇に反映します。また、世代交代を前提としながらも、適材適所の考えのもとで、60歳以上であっても部長等の要職に任命しており、年代に捉われない人材活用を実施しています。なお、2024年4月からは、会社の事業運営に必要であり、特別に会社が認めたものについて、65歳以降、70歳まで再雇用できるように制度変更し、高年齢者の人材活用を強化しています。

 

[チャレンジを重視した人事制度]

 従業員一人ひとりがやりがいを感じて、活き活きと働くことのできる、チャレンジする意欲を高める人事制度により適正な人事処遇を行い、社内公募制度や社内エントリー制度、自己申告シートにより、適材適所でやりたい仕事にチャレンジすることのできるようにしています。

 

(社内エントリー制度、社内公募制度の導入)

 2023年度より、社内エントリー制度、社内公募制度を開始し、2024年度には、利用できる対象を拡大することで、社員が希望する仕事に就けるようにし、仕事に対する納得感を高め、やりがい向上や適材適所の人材配置を実現することを目指しています。

 

4) 従業員が十分に能力を発揮できる働きやすい職場環境の整備

[働きやすい職場環境の整備]

 従業員が十分に能力を発揮できるよう働きやすい職場環境の整備を進めていきます。エンゲージメント調査を定期的に実施し、その結果に基づいて職場改善活動を行い、より良い職場になるように取り組んでいます。また、自律的、効率的な働き方やメリハリのある働き方を推進することや育児等の事情のある社員の支援を通じて、ワーク・ライフバランスの実現を目指しています。

 

(エンゲージメント調査、職場改善活動)

 エンゲージメント調査を3年に1回実施し、従業員がどれだけ自分の組織や職場環境、仕事内容などに満足しているのか、また、やりがいや成長実感などを確認しています。結果については、取締役会に対して報告会を開催し、従業員に対してもその概要を社内報などで情報共有しています。また、前述の調査を実施しない年は、スポット調査を行っています。これらの結果を踏まえ、職場をより良くしていくこと、チャレンジする風土に変えていくこと、職場のコンプライアンスや安全に対する意識を向上させること等を目的に、職場改善活動を実施しています。職場単位のミーティングを開催し、職場が抱える課題の整理と対策の検討を行い、行動計画に則って、取組みを実施しています。

 

(自律的、効率的な働き方の推進)

 社員が自律的に「働く時間帯」や「働く場所」を決めて、より効率的に働くことのできるように、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入しています。また、2025年度から、DE&I推進チームの答申を踏まえて、在宅勤務の上限緩和も実施しています。自律的、効率的な働き方を推進することで、社員の生産性を高めることにより、組織全体の生産性向上を目指すとともに、プライベートで様々な課題を抱える社員も柔軟な働き方を行うことでワーク・ライフバランスの実現を推進しています。

 

[安心・安全な職場環境の整備]

 安全・品質・環境・コンプライアンスは事業活動の大前提であり、安全がなければ操業することができません。当社グループにおいては、労働基準法等の労働関連法規遵守のみならず、全従業員の安全の確保に取り組んでおります。

 

(安全文化の構築)

 当社グループでは、発生した労働災害や事故については、「なぜなぜ分析」を通して、本音の対話を行って、トリガー要因を特定・対策するとともに、更にそのトリガー要因の原因まで深掘りし、対策を樹立しています。また、労働災害や事故の事例や対策はグループ全体で共有、横展開し、類似の労働災害や事故の再発防止を図っています。

 

(労災ゼロに向けた取組み)

 人が間違えても、機械が壊れても、技術によって、事故を起こさないという「機械安全」の考え方に基づいて、2023年度より、国内グループ生産拠点で機械安全活動を行っています。また、2024年度より、海外グループ生産拠点にも運用を開始いたしました。

 

[健康経営に関する取組み]

 従業員一人ひとりが心身ともに健康であること、いきいきとやりがいを持って働くことができる組織風土を醸成すること、多様な人材が安心・安全に働ける職場環境をつくることを目的として、健康経営に取り組んでおります。

 

(健康優良法人認定に向けた取組み)

 健康経営の取組みをより充実させていくために、国内グループ会社を含む5社で、健康経営優良法人の認定を取得しています。

 

(なんでも相談サービス)

 メンタル不調が顕在化する前の予防対策として、外部相談窓口を設置しています。従業員とその家族が、職場の悩み、家族問題、人間関係、健康問題など、どのようなものでも幅広く、いつでも、カウンセラーなどの専門家に相談できるようにしています。

 

(就業不能保障保険)

 病気やけがにより働けなくなると、健康保険の傷病手当が支給されますが、収入は減少することになり、生活費に治療費も加わることで家計の負担は重くなります。当社では、就業不能となった期間の収入の減少を就業不能保障保険により補完し、安心して病気やけがの治療に専念できるようにしています。

 

[人権方針の策定]

(人権についての考え方)

 当社グループは、キラリと光る技術力により価値を創造し、社会のサステナブルな発展に貢献していくことを目指しており、人権尊重は、そのためには欠くことのできない要素であることを理解しています。当社グループは、事業活動に関係する全ての人の人権を理解し、人権尊重の責任を果たすことができるよう、「人権方針」を定めています。

(サイトの「人権方針」 https://www.carbide.co.jp/corporate/csr/

 

 当社グループは、人権を尊重するために、特定した人権課題に対し、人権デューデリジェンスを実施し、自らが人権侵害をしないことに加え、サプライヤーなどのビジネスパートナーを含むステークホルダーによる人権侵害リスクの低減に努めます。

 また、当社グループが人権侵害を引き起こし、あるいはこれを助長したことが明らかになった場合には、その是正・救済に取り組みます。人権啓発に取り組み、役員・従業員が人権及び人権に関わる諸問題について正しく理解するよう努め、必要な教育及び能力開発を行います。

 

④ 指標と目標

1) 多様性の確保

 当社グループでは中期経営計画の重要課題の1つとして、「多様性の推進」を掲げており、女性、外国人、中途採用者の活躍に関連したKPIを設定して取り組んでいます。

 

・女性社員の管理職への登用

 当社グループの社員に占める女性比率は40%(前年40%)、管理職に占める女性比率は13%(前年13%)です。(注)また、当社の女性比率は15%(前年15%)、管理職に占める女性比率は3.7%(前年2.2%)です。

(注)管理職の女性比率の向上を図るべく、以下の目標とアクションプランを策定し、取り組んでいきます。

(注)本年は2024年12月末時点、前年は2023年12月末時点の比率をそれぞれ記載しております。

 

(女性管理職比率(目標))

-2025年度当社グループは15%以上、当社は5%以上

-2030年度当社グループは20%以上、当社は10%以上

 

(アクションプラン)

-新規採用時の女性社員比率を高め、国内は30%以上を維持し、また、経験豊富な女性のキャリア採用を積極的に推進することで、管理職や管理職候補者の拡大を図ります。

-産休・育休、介護休業や時短勤務などの既存制度の利用促進や改善、男性の育児休業推進により、更なるワーク・ライフバランスの向上を図ります。

-2022年度、当社を退職された方にもう一度当社で活躍していただく「ジョブ・リターン制度」を導入しました。結婚や育児、介護などのやむを得ない事由で退職した社員を再採用することなどにより、女性社員のキャリア支援の充実を図ります。

 

・外国人社員の管理職への登用

 当社グループには12の海外関連会社があり、各社で日本人以外の外国人を中核人材に登用することで、多様性を確保しております。当社グループの管理職に占める日本人以外の外国人比率は34%(前年33%)です。引き続き、2021年度の水準(当社グループ36%)を維持・向上できるよう取組みを継続していきます。

 

・中途採用者の管理職への登用

 当社グループの管理職に占める中途採用者の比率は49%(前年48%)です。(注)また、当社の管理職に占める中途採用者の比率は29%(前年26%)です。(注)現在も中途採用者を積極的に中核人材に登用しており、今後も中途採用をより強化することにより、2021年度の中途採用者の管理職比率(当社グループ50%、当社23%)を維持・向上できるよう取組みを継続していきます。

(注)本年は2024年12月末時点、前年は2023年12月末時点の比率をそれぞれ記載しております。

 

2) 事業リーダーやグローバルリーダーの計画的な育成

 当社グループの事業拡大のため、新市場開拓や新製品創出を実現できる事業リーダー、グローバルリーダーの育成が不可欠です。事業リーダー、グローバルリーダーを計画的に育成することを目的に、2021年度より次世代経営者育成制度は実施しております。次世代経営者育成制度の参加者数の実績及び目標は以下のとおりです。(人数はいずれも累積。)