2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,379名(単体) 3,514名(連結)
  • 平均年齢
    41.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.7年(単体)
  • 平均年収
    7,568,596円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

当社グループは、中期経営計画を達成するため、具体的な人財施策を行っています。詳細な人財戦略の全体像は、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①人的資本投資の考え方と企業戦略との連動

当社グループでは、時代の変化に伴い社会から求められる企業価値が変容する中、持続的な成長を実現するために「サステナブル社会の実現に向けたESG重視の経営推進」に取り組んでおります。

この経営基盤を支え、新たな価値を創出するには、新たな発想が必要であり、それには“人の力”が不可欠と考えています。「“人の力”を引き出し、“人を育成する”ことで、人は価値を生み出す企業の財産である」との認識から、当社グループでは「人材」ではなく「人財」と表現しております。

2024年4月より取り組んでおります3か年中期経営計画「明日への変革 2027」の達成に向けては、人的資本及び知的財産の重要性を認識し、2023年4月に以下の「人財育成方針」「社内環境整備方針」を制定しました。また、これらを支える基盤として「健康経営」にも注力しております。

これら一連の取り組みの成果を測る指標として「従業員エンゲージメント」をKPIに設定しており、2027年3月期の目標値59.0ポイントに対し、2026年3月期の実績は59.4ポイントと計画値を超えております。今後もこの結果に満足することなく、特定された課題に対して継続的な施策のアップデートを図り、以下の通り人的資本の最適化と企業価値の向上に努めてまいります。

 

a.人事制度の進化とHR戦略

企業戦略を推進する実行力として、2025年4月より新たな人事制度の運用を開始いたしました。この制度では、職階定義に沿った行動を明示した「ジョブ・ディスクリプション」を導入し、単なる業績評価に留まらず、プロセスや行動特性を重視する評価へと転換しました。これにより、メリハリのある評価と処遇を実現し、挑戦を促す組織風土の醸成を図っています。

さらに2026年4月からの導入を目指して、この評価制度をブラッシュアップし、管理職の評価項目の「部下の人財育成」を強化し、ミドルマネージャー層を起点とした持続的な人財育成の仕組みを検討しておりました。今後も継続して全従業員の自律的な成長と組織の活性化を加速させてまいります。

 

b.「人財育成方針」

当社グループは、「企業の成長は人に拠って立ち、人の成長も企業に拠って立つ」という互いに切磋琢磨していく関係にあると理解しております。このため、財産である「人財」の育成は、企業価値の向上に必要不可欠であり、重要な経営課題のひとつと考えております。

当社グループでは、「人に興味を持とう、新しいことに興味を持とう、未来に興味を持とう」という企業理念を礎として、従業員の多様性や仕事に対する考え方を十分に尊重しつつ、企業と人財が互いに高め合っていくビジョンを共有し、自らがありたい姿の実現に向けて、地道にかつ着実に、相互に磨き上げてまいります。

更に「人財育成方針」を実現させるための「社内環境整備方針」を以下のように定めております。

 

c.「社内環境整備方針」

当社グループは、人財育成方針を実現し、魅力ある会社となることを目指し、全社目標の達成に向けて社員一人一人の能力を十分に発揮できるように、以下の社内環境整備に取り組んでまいります。

・世代を問わず自ら学ぶ姿勢を支援します。

・成果に対する適切な評価と対話を行います。

・社内・外との知識交流・文化交流の機会を創出します。

・達成欲求・貢献意欲を高める人事制度を推進します。

・多様性と価値観を尊重し、人財を活かせる人事制度を推進します。

・長く働ける職場環境整備と人事制度を推進します。

 

d.健康経営

(a)健康経営に関する考え方

大日精化グループは、「CSR・ESG基本方針」に掲げるサステナブルな成長を実現させるために、従業員の心身の健康維持・増進と多様な人財が働きやすい職場環境・企業風土づくりが重要であると考えます。

健康経営に関する取組みの積極的推進により従業員がポテンシャルを最大限発揮することで企業価値の向上を図り、事業活動を通じて社会に貢献してまいります。

 

(b)推進体制

当社グループでは、代表取締役社長を健康経営責任者とし、大日精化健康保険組合と従業員の健康課題の把握と対策の検討にあたり、関係組織と連携して心と身体の健康づくりに関する具体的な施策を実施していきます。

詳細は以下のサイトにてご確認下さい。

https://www.daicolor.co.jp/csr/social/health/index.html

 

e.経営戦略を具現化する人的資本・知的財産の活用

2024年4月より取り組んでおります3か年中期経営計画「明日への変革 2027」で掲げている各戦略の実現に向け、当社グループでは以下のように人的資本・知的財産への投資と活用を進めています。

経営戦略

実現のための主な人的資本・知的財産の取り組み

技術主導による競争優位性の確保

・技術者の採用と育成

・知財獲得と市場ニーズへの展開

・研究開発環境の充実

・オープンイノベーションの推進

事業基盤の強化のための海外事業拡大

・グローバル営業力の強化

・海外経験豊富な人財の登用

・ビジネススキルの蓄積・継承

・多様性を受容する風土づくり

サステナブル社会の実現に向けた

ESG重視の経営推進

・労働安全衛生の徹底

・化学物質管理と専門性向上

・ダイバーシティ&インクルージョン

・DX活用による労働生産性向上

HR戦略

・経営戦略と個人目標の連動

・管理職をはじめとした研修の充実

・エンゲージメント調査に基づく改善サイクルの実行

・健康経営の推進

 

②従業員の給与(賞与を含む)及びその他の給付の額及びその決定方針

当社グループは、2024年4月より取り組んでおります3か年中期経営計画「明日への変革 2027」の達成に向け、優秀な人財の獲得・維持及びエンゲージメント向上が不可欠であると認識しています。

人財への投資を経営の最優先事項と位置づけ、以下のとおり公正かつ競争力のある報酬体系を運用しております。

a.職階給与レンジ制の採用

職務の責任や専門性に基づいた「職階給与レンジ制」を導入し、役割に応じた公正な処遇と成果の反映を行っております。

b.市場競争力を意識した改定

労働組合との対話を通じ、市場水準を勘案した賃金改定に努めております。2025年4月には社会情勢に対応したベースアップを実施いたしました。

c.業績連動賞与

賞与原資の算出について、労働組合との対話を通じて経営目標の達成度を加味した仕組みを導入し、組織全体の結束力と利益創出への貢献意欲の向上を図っております。

d.同一労働同一賃金の徹底

雇用形態を問わず、職務内容や責任に応じた公正な賃金体系を適用し、能力や実績に応じた昇給・処遇の機会を提供しております。

e.労働環境に応じた手当

近年の高温化に伴う現場作業員の身体的負荷に報いる為、「暑熱手当」の新設を検討し、2026年4月より手当項目として正式導入いたしました。今後も人的資本経営の観点から柔軟な対応を行ってまいります。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

カラー&ファンクショナル

プロダクト

2,220

(187)

ポリマー&コーティング

マテリアル

387

(34)

グラフィック&プリンティング

マテリアル

648

(28)

 報告セグメント計

3,255

(249)

その他

(-)

全社(共通)

259

(43)

合計

3,514

(292)

(注)1.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は()内に年間の平均人員を外数で記

載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、主に報告セグメントに帰属しない

総務、経理などの管理部門に所属している従業員であります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数

(人)

平均年齢

(歳)

平均勤続年数

(年)

平均年間給与

(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,379

(165)

41.0

16.7

7,568,596

3.6

 

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

カラー&ファンクショナル

プロダクト

768

(82)

ポリマー&コーティング

マテリアル

119

(12)

グラフィック&プリンティング

マテリアル

233

(28)

 報告セグメント計

1,120

(122)

その他

全社(共通)

259

(43)

合計

1,379

(165)

(注)1.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は()内に年間の平均人員を外数で記

載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、主に報告セグメントに帰属しない

総務、経理などの管理部門に所属している従業員であります。

 

③労働組合の状況

2026年3月31日現在における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の組合員数は

1,064名であり、いずれの系統にも属さず、労使は相互信頼を基盤として円満な関係にあります。

④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

a.提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に

占める女性

労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)1、2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)3

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

3.2

82.9

74.7

72.8

68.3

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、算出したものであります。

2.「男性労働者の育児休業取得率」の「-」は育児休業取得の対象となる男性労働者がいないことを示しております。

3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、雇用区分ごとの男性労働者の平均賃金月額に対する女性労働者の平均賃金月額の割合を算出したものであります。なお、算出に際し、基本給をはじめとする固定的な賃金、時間外や休日労働に対する割増賃金、賞与を算入し、退職手当、通勤手当を除いております。

 

b.連結子会社

当事業年度

補足

説明

名称

管理的地位にある労働者に

占める

女性労働者

の割合

(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)1、2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)3

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

浮間合成㈱

0.0

50.0

68.2

66.3

80.2

 

ハイテックケミ㈱

0.0

100.0

65.0

67.1

64.6

 

大日カラー・

コンポジット㈱

3.3

100.0

68.0

65.9

72.4

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、算出したものであります。

2.「男性労働者の育児休業取得率」の「-」は育児休業取得の対象となる男性労働者がいないことを示しております。

3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、雇用区分ごとの男性労働者の平均賃金月額に対する女性労働者の平均賃金月額の割合を算出したものであります。なお、算出に際し、基本給をはじめとする固定的な賃金、時間外や休日労働に対する割増賃金、賞与を算入し、退職手当、通勤手当を除いております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ共通

当社グループの製品は、サプライチェーンの中間に位置しており幅広い産業に貢献すると同時に、様々な影響を及ぼしていると認識しています。

当社グループでは、お客様と社会に貢献し、社会に生かされることで当社も社会と共に発展していくという考え方を1968年に制定した社是に盛り込んでおり、今日までのサステナブル経営の基礎として経営者と全従業員が誇りをもって社是を遵守しています。

この社是に加え、2022年に「CSR・ESG基本方針」を制定し、化学メーカーとして取り組むべき社会的な課題解決と企業価値向上の好循環を目指してサプライチェーンパートナーと新たな価値の共創に取り組んでいます。

 

①ガバナンス

「サステナビリティに関する戦略と取組」は、サステナビリティ関連の責任部署であるCSR・ESG推進本部にて、マテリアリティを特定し、マテリアリティ毎のリスクと機会の抽出、指標と目標の設定、及びその進捗管理を以下の当社のガバナンス体制にて行っております。

立案された目標と施策は代表取締役社長の指示のもと実行部門にて対応し、実行部門での活動結果は、内部統制に関する各委員会に報告、評価、監査されています。

内部統制に関する各委員会での評価結果は、代表取締役社長並びに取締役会に定期的及び必要時に随時報告し、監督・指示されています。その指示内容は内部統制に関する各委員会と実行部門にフィードバックされています。

2026年3月期では、合計13回の取締役会を開催しましたが、そのうち、『気候変動への対応』、『HR戦略』、『コンプライアンスアンケート調査の結果報告』、『健康経営』など、サステナビリティに関する審議を行った取締役会は9回であり、サステナビリティに関する外部開示の要請が高まっていることから、サステナビリティに関するリスクと機会を分析し、全社目標達成に向けて事業戦略と連携させていくよう指示を受けています。

また内部監査室では、内部統制に関する各委員会の報告に基づき独自に実行部門の活動を監査し、その結果を代表取締役社長並びに取締役会に報告しています。

当社グループでは、以上の体制で、サステナビリティに関する取り組みを推進しています。

また、サステナビリティ関連業務に対する業績評価を、人事評価制度に組み入れ、役職員の報酬に反映させる仕組みを運用しています。2026年3月期は、サステナビリティ課題の評価ウェイトを7.5%に設定しています。

「CSR・ESG基本方針」とその方針に基づく各種方針は当社グループのホームページにてご確認下さい。

URL:https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html

 

化学メーカーとしてサプライチェーン全体において取り組むべきマテリアリティを以下のプロセスで特定し、マテリアリティ毎にリスクと機会の両面から当社の成長に必要な取り組みを上記の体制で推進しております。

 

a.マテリアリティ特定プロセス

STEP1

サステナビリティに関する情報開示基準、ESG評価機関の評価項目、当社を取り巻く様々な外部要因を把握し、当社の中長期的な経営方針に照らし合わせ取り組むべき課題を抽出しています。

STEP2

抽出された各課題に対応する部署、社内の各委員会にてリスクと機会を分析し、その分析結果と必要に応じて外部有識者からの意見をもとに、CSR・ESG推進本部にて全社的な影響度と優先度から各課題の重要度を評価しています。

STEP3

CSR・ESG推進本部にて重要度を評価した結果は、課題分析を行った各部署と各委員会に報告され、その妥当性を確認しています。

STEP4

重要度の妥当性が確認された各課題は、取締役会に報告、議論されたのち、マテリアリティとして特定されます。

更に、マテリアリティ毎に全社目標と連携したKPIと目標を設定しています。

 

b.将来のありたい姿の実現に向けて特に注力しているマテリアリティ

OUTCOME

マテリアリティ

主な取り組み

関連SDGs

社会と共に発展

 

・次世代に豊かな未来を

・機能性マテリアルを核とした技術

・社会に必要な価値を創出

製品開発力強化

(技術主導による競争優位性の確保)

社会全体がサステナブルな発展を遂げるために、サプライチェーンパートナーと価値を共創

事業を通じて社会に貢献できる製品開発を促進

DX推進による競争力向上

生成AIを取り入れた、業務の効率化と改革の推進

当社独自データによるデータ駆動型ビジネスへ転換

持続可能な原材料調達

人権尊重、差別や強制労働、児童労働を排除し、労働環境の改善に配慮したサステナブルな原材料調達

労働安全衛生向上及び化学物質管理

製品や原材料による、環境や人の健康へのリスク及び災害リスクを最小限に抑えるための管理と情報提供

 

 

OUTCOME

マテリアリティ

主な取り組み

関連SDGs

環境との共生

 

・脱炭素と資源循環に貢献

・環境に配慮した製品開発

・環境に配慮した資源利用

気候変動対策

(地球温暖化対策)

世界的な目標である2050年カーボンニュートラルの実現に向けた事業活動と製品開発

(「(2)気候変動への取り組み  TCFD提言に沿った情報開示」参照)

生物多様性の保全

事業活動による生態系への影響を最小限に抑えるとともに、生態系の保護、回復に努める(「(4)生物多様性の保全に関する取り組み及び考え方」参照)

サーキュラーエコノミー推進

化石資源由来の原料・燃料の資源枯渇防止と環境への負荷を軽減するため資源循環型経済へ移行

ステークホルダー・

エンゲージメント向上

 

・ステークホルダーの信頼、期待、共感

・働きがいと成長を支援

・ステークホルダーに成果を公平に還元

ステークホルダー

コミュニケーション

株主、顧客、従業員、サプライヤー、債権者、地域社会など多様なステークホルダーとの価値共創

収益・成果をステークホルダーに適切に配分

人的資本投資・人財育成

人財の潜在能力を最大限に発揮させるとともに従業員が自ら成長する意識を支援

従業員エンゲージメント向上による経営目標の達成に貢献できる人事制度改革

ダイバーシティ&

インクルージョン

人財の多様な価値観をお互いに尊重し、当社グループに関わる全ての人々が活躍できる職場を形成

情報セキュリティ

ステークホルダーの信頼と事業活動の安定性確保のためにサイバー攻撃などに対する防御・回復力を強化

コンプライアンスの徹底

ステークホルダーの皆さまからの信頼を高めるために、法令遵守に留まらず、高い倫理観、道徳観を身に付け、自律的行動に努める

 

②戦略

当社グループは、企業理念と社是<必達>のもと、当社の強みをさらに活かしてサプライチェーン全体で新たな価値を共創していくためには、DXと人的資本の活用が不可欠であると考え、2024年4月より取り組んでおります3か年中期経営計画「明日への変革 2027」では、これまでの経営戦略にHR戦略とDX推進を追加し、経営の質の向上を加速させています。

HR戦略では、将来のありたい姿の実現に向けて「イノベーションが湧き上がる活力に満ちた組織風土」を醸成させていくことが不可欠であるとの認識を前提に、モノづくり企業の従業員としてのエンゲージメント向上を目指していきます。

DX推進では、生成AIを広く日常業務に取り入れることで業務改革と効率化を進め、データ駆動型ビジネスへの転換を目指していきます。

この追加した2つの戦略は共に良好に推移しており、HR戦略による従業員エンゲージメントの向上、DXによる業務の改革と効率化といった良好な結果が表れています。

 

③リスク管理

当社グループのサステナビリティに関するリスク管理は、「3.事業等のリスク」で述べる考え方と体制で取り組んでおります。

 

④指標と目標及び実績

当社グループでは、サステナビリティに関する指標と目標をマテリアリティ毎に設定し、実施状況を管理しております。

下表に主要なマテリアリティをご説明いたします。

マテリアリティ

短・中期指標

目標

2026年3月期実績

製品開発力強化

サステナビリティ貢献製品の

売上高

c.2027年3月期に

2024年3月期比で

30億円増

c.2024年3月期比

19億円増

気候変動対策

地球温暖化対策

a.国内外のエネルギー使用に

伴うGHG排出量(Scope1+

Scope2(マーケット基準))

a.2027年3月期に

2020年3月期比で

31%削減

a.2020年3月期比

54%削減

b.国内製造拠点のエネルギー

原単位

b.対前年度比1%削減

b.1.6%増

c.サステナビリティ貢献製品の

売上高

c.2027年3月期に

2024年3月期比で

30億円増

c.2024年3月期比

19億円増

サーキュラー

エコノミー推進

d.国内製造拠点の

廃プラスチックの

リサイクル率を改善

d.2027年3月期に

2021年3月期比

3ポイント改善

d.8ポイント改善

ダイバーシティ&

インクルージョン

e.国内の新卒採用者の女性比率

e.30%以上

e.38.8%

f.国内の有給休暇取得率

f.70%以上

f.75.1%

g.国内の女性・外国人・中途

採用者の管理職比率

g.2031年3月期までに

2021年3月期比

6ポイント向上

g.2.8ポイント向上

 

(2)気候変動への取り組み  TCFD提言に沿った情報開示

①ガバナンス

気候変動対応に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」で述べたとおりです。当社グループでは、気候変動対応をマテリアリティの中でも重要性を高く位置づけています。代表取締役社長の指示のもと「(1)サステナビリティ共通」に示した考え方に沿って取締役、執行役員、環境安全統括部による活動テーマの選定、環境委員会による活動評価を行い、定期的に取締役会による監督、指導を受けています。

取締役会からの指導内容は各実行部門にフィードバックされ継続的な改善につなげています。

2026年3月期では取締役会から、CDPなどへの回答を通じた情報開示の拡充のみならず、気候変動に関する戦略の実効性を高めることを指示されており、従業員一人ひとりが気候変動対応を自らの業務に直結する重要課題として捉え、主体的に取り組むことを推進しています。

また、サステナビリティ経営を加速させるべく、人事評価制度を通じて役職員の報酬に反映させる仕組みを構築しています。2026年3月期におけるサステナビリティに関連する評価ウェイトは、全社業績評価の7.5%に設定しており、役職員のインセンティブに組み込まれています。評価にあたっては、製造部門における「エネルギー原単位削減に向けた省エネ対策の実績値」や、営業部門における「サステナビリティ貢献製品の売上拡大」など、各職能の役割に応じた具体的な定量的指標を設定し、多角的な評価を実施しています。

②戦略

a.CO2排出量削減の移行計画

当社グループでは、自らの事業活動に伴い発生するCO2排出量(Scope1&Scope2)削減に向けた中長期的な2030年までの移行計画及び長期的なロードマップを策定し、2050年カーボンニュートラルを目指しています。

b.移行計画の指標と目標及び進捗実績

・指標:国内・海外拠点の事業活動に伴い排出されるCO2排出量(Scope1+Scope2マーケット基準)

・目標:2027年3月期に2020年3月期比31%削減

2031年3月期に2020年3月期比48%削減

・進捗:2026年3月期に2020年3月期比54%削減(前倒しで目標達成)

c.Scope3削減に向けたサプライチェーン全体の共創

当社グループにおけるScope1・2・3の中でも、Scope3のカテゴリ1(購入した製品・サービス)が占める割合は非常に大きいことを認識しています。このScope3の削減に向けて、当社グループの努力のみならず、サプライヤーやお客様とのパートナーシップを強化し、サプライチェーン全体で足並みを揃えてカーボンニュートラルの実現に前進していきます。2026年3月期では、サプライチェーン全体のカーボンニュートラル実現に向け、主要な資材サプライヤー及び得意先との間で意見・情報交換会を実施しました。相互の削減目標や具体的な取組事例を共有することで、パートナーシップを通じて脱炭素化に向けた取り組みを推進しています。

 

③リスク管理

当社グループの全社的なリスク管理は、「3.事業等のリスク (1)リスク管理体制」で述べるリスク管理体制にて、代表取締役社長の指示のもと各取締役・役付執行役員がリスク対応にあたっています。

気候変動のリスクは多岐に渡るためCSR・ESG推進本部にて、法令や業界動向の変化による“移行リスク”、自然災害や温暖化の進行など環境の悪化による“物理的リスク”と分類、並行して収益機会も同様に分類しています。

全社的なリスク管理では、気候変動のみならず他の事業リスクと連携させて影響度と発生可能性から重要度を考慮し、当社グループの事業戦略に取り込み、各取締役・役付執行役員を通じて実行部門である各機構及び関係部署にリスク対応業務を指示しています。

a.シナリオ分析

当社グループでは、サプライチェーンの一員として気候変動対策に貢献するため、国際的な気候変動に関する調査報告書とそれに関する環境省の解説書を基に、地球の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるための1.5℃シナリオと地球の平均気温が4℃まで上昇した場合の4℃シナリオを分析し、これらシナリオに対するリスクと機会を想定しています。

各シナリオによるリスクと機会は、影響度と発生可能性から優先度を考慮し、当社グループの製品開発と事業戦略に取り込むとともに、今後もさまざまな動向を注視し、定期的な評価と見直しを進め、情報開示を行っていきます。

以下、想定シナリオです。

1.5℃

シナリオ

想定概要

地球温暖化防止に向けた規制強化や地球温暖化防止に貢献する需要構造の変化が加速

需要構造に合わせた事業転換がサステナブルな成長に不可欠となる

将来的に炭素税の単価が欧米先進国並みに上昇すると考えられる

自然災害の影響も現在よりも重視する必要があると想定

4℃

シナリオ

想定概要

地球温暖化が深刻化し、平均気温上昇による需要構造の変化と労働環境への影響が発生

労働環境改善のための設備投資負担が増加

大規模な自然災害による事業活動への影響が頻発すると想定

BCP体制の強化が求められると想定

b.想定したリスクと機会及び対応策

EV化や自動運転を支える機能材、CO2を原料とするポリウレタン(HPU)、軟包装材向け脱墨型インキ、バイオマス由来製品など、当社の技術が貢献できる市場需要が拡大しています。これらの製品群を戦略的に拡販し、収益基盤の強化を図ります。

リスク分類

想定リスクと機会

影響度

可能性

対応策・戦略

1.5

℃シナリオ

移行

リスク

・炭素税、GHG削減要請の強化

高い

・再生可能エネルギー調達の経済合理性を高め、同時にGHG排出量の削減も実現

・継続的な省エネ対策の実施

想定削減炭素税:約380百万円(当社グループ2026年3月期実績ベース)

・化石資源由来の原料調達が困難になる

・原材料の脱炭素化の開発を進める

・需要構造の変化による商圏の逸失

・業界動向を迅速に社内展開し、事業活動を強化する

物理的

リスク

・自然災害によるサプライチェーン寸断による事業活動停滞の影響

やや

低い

・原材料調達地域、購入会社の分散化

・物流への影響軽減に備えた在庫管理

・製造現場の高温化に対する設備費用増

高い

・作業環境改善と生産効率向上に寄与する効率的な設備投資を行う

機会

脱炭素化に貢献する製品の

需要拡大

・自動車のEV化、自動運転化の促進

・自動車の軽量化促進

・電力インフラの需要拡大

高い

・二次電池、太陽光発電パネル向け機能材製品

・機能性が高い自動車向けワイヤーハーネス関連製品

・軽量で強度が高く自動車の軽量化に寄与する製品

・CO2を原料とするポリウレタン

・軟包装材向け脱墨型インキ

・バイオマス由来原料の樹脂パウダー

・バイオマス由来原材料のインキ、接着剤

 

これらサステナビリティ貢献製品の売上高:2027年3月期に2024年3月期比で30億円増

サーキュラーエコノミーに

向けた需要変化

・プラスチック資源リサイクルが加速

・バイオマス由来の製品需要が拡大

高い

 

 

リスク分類

想定リスクと機会

影響度

可能性

対応策・戦略

℃シナリオ

移行

リスク

・需給構造の変化に対応する製品開発の遅れ

やや

低い

・業界動向、市場動向を迅速に社内に展開し、製品開発と事業計画に反映させる

物理的リスク

・大規模な自然災害による当社設備の損傷による事業活動停滞の影響

低い

・ハザードマップに応じた設備改修促進

・生産拠点の分散化

・豪雨災害時の有害物質の流出防止策

機会

・豪雨等の浸水による製品と原材料の損失

低い

・製造現場の高温化に対する設備費用増

低い

・製造現場の暑さ対策、人的負荷軽減の設備投資を行い、生産効率の低下を防止

気温上昇による生活様式、

需給構造の変化

・暑さ対策のための建築物の仕様変更

・飲料容器需要の拡大

・建築物の空調の省エネ向け遮熱塗料

・飲料用軟包装向けインキ関連製品

自然災害に備えたインフラ

関連事業の拡大

・電力、通信インフラの更新需要が拡大

・建築物の改修工事

低い

・高速大容量通信線向け被覆材用着色剤

・建築外装材向け高耐候性塗料用色材

・高強度、高耐久繊維向け着色剤

(注)影響度の定義

・大:売上高の10%または営業利益の30%を超える場合

・中:売上高の5%または営業利益の15%を超える場合

・小:中より小さい場合

 

④指標と目標及び実績

a.目標及び2026年3月期実績

目標

2026年3月期実績

気候変動対策を含むサステナビリティ貢献製品の売上高を、2027年3月期に2024年

3月期比で30億円増

売上高増加額

2024年3月期比19億円増

エネルギー原単位1%低減を目指した計画的な省エネルギー対策の実施(省エネ法対応を基本とするため、国内製造拠点)

実施件数

省エネルギー対策79件実施

年間削減効果(原油換算)

261KL相当(国内総エネルギー使用量の約1.3%)

(主な内訳)

・ボイラー、蒸気配管での熱利用の効率化:138KL相当

・圧空系統の圧力最適化と運用方法改善:12.5KL相当

また今後もCO2排出量の規制強化が考えられることから、欧米での炭素取引単価を参考に、インターナルカーボンプライシングでは、炭素税単価を14,500円/t-CO2に設定しています。その単価から試算される当社グループ全体での炭素税額は約8億5千3百万円となり、各製品に対する収益性への影響を分析し、その影響を回避するためのCO2排出量削減対策の立案と販売価格の値上げの必要性を検討しています。

なお、再生可能エネルギーへの転換と省エネ対策を進めたことにより、約26千t-CO2の削減につながり、その削減量を炭素税に換算すると約3億8千万円の経済効果に相当します。

近年、顧客から要請が高まっておりますCO2排出量Scope3カテゴリ1~8の算定と開示を行っており、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量における当社グループの影響度を把握し、削減に貢献できるように努めてまいります。

b.水リスク対応と水資源の有効活用

(a) 水リスクの把握と戦略への統合

国内外における気候変動の影響により渇水や洪水が深刻化するなか、当社グループは、水害や水質規制といった「水リスク」が製造拠点の操業に大きな影響を及ぼす重要課題であると認識しています。 これに対応するため、国内拠点では自治体のハザードマップに基づく地域別のリスク調査を実施し、海外拠点では流域の環境を踏まえた水リスクの把握と対策のヒアリングを進めています。特に水害リスクが大きいと想定される拠点については、全社的な自然災害リスクとして捉え、将来の事業計画と連携させて中長期的な戦略に反映させています。

(b) グローバルでのリスク評価と徹底した水資源管理

当社グループは水を貴重な自然資本と位置づけ、グローバルツールを用いた評価と、拠点ごとの適切な浄化・循環利用を徹底しています。

・高ストレス地域における管理強化

評価ツール「Aqueduct Water Risk Atlas」を活用し、水ストレスや干ばつリスクが「高」と判定された地域の製造拠点(中国・上海、ベトナム、インド)を特定しています。これらの拠点では水の循環利用を徹底するとともに、「用水使用量」「COD排出量」「製品の水原単位」を指標として報告・評価する体制を構築しています。

・基準を上回る高度な排水処理

水質汚染リスクを防止するため、全製造拠点において生産用水の循環利用を推進しています。排水にあたっては、活性汚泥法を用いた設備などを適切に運用し、法定の排水基準を上回るレベルまで浄化して放出しています。

(c) 今後の展望

今後は、拠点ごとの物理的リスク評価(ハザードマップや上述の評価ツール等)に加え、当社の事業活動が水資源や周辺環境に与える「インパクト評価」を実施します。その結果を基に、必要な対策をより高度に事業戦略へと反映していく計画です。

 

(3)人的資本投資・人財育成及び人財の多様性の活用

①ガバナンス

人的資本投資・人財育成及び人財の多様性の活用に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」で述べたとおりです。

 

②戦略

当社グループの人財戦略及び人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針・社内環境整備方針・健康経営についての詳細は、「第4 提出会社の状況 5.従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」を参照ください。

 

③リスク管理

当社グループでは、社会全体がサステナブルな成長を達成するためには、人財育成と多様性の活用を進めると同時に人権に配慮した事業活動、製品の提供が必要であると認識しております。

当社グループでは、以下に述べる取り組みを通して、サプライチェーンパートナーと共に価値を創出し、サステナブルな成長を目指してまいります。

 

a.人権尊重に関する取り組み

(a) 人権尊重に対する考え方

当社グループは、人権の尊重を事業活動において最優先に遵守すべきコンプライアンス課題と位置づけています。当社グループが社会とともに持続可能な発展を遂げるためには、当社グループの従業員や近隣住民の人権のみならず、当社グループが調達する原材料から製品の廃棄段階に至るまでのサプライチェーン全体に関係するあらゆるステークホルダーの人権尊重に取り組む必要があると考えます。

上記の考え方に基づき、当社グループは、基本的人権尊重の原則を定めた「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の定めた「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、国連の定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」及び「国連グローバル・コンパクト10原則」などの人権に関する国際的な規範を支持・尊重しています。これらの規範に則り「CSR・ESG基本方針」に基づき「人権方針」を定め、人権尊重に関する取り組みを推進しています。

当社グループでは、「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築しています。CSR・ESG推進本部が主体となり、当社グループの事業活動に関わる人権リスクの特定、及びその防止・軽減に努めています。万一人権侵害が確認された場合は、速やかに救済に取り組み、その有効性を確認した上で再発防止策を講じます。

人権リスクを予防・軽減するために、従業員に向けた人権尊重に関するコンプライアンス教育を実施しています。また、サプライヤーに向けては、人権尊重に関する行動指針を明記した「CSR調達基準」を提示し、取り組みへの賛同を求めています。

人権尊重に関する取り組みの状況は、コンプライアンス推進活動の一環として定期的に取締役会に報告し、適時適切な情報開示を行っています。

(b) 「人権方針」

当社グループでは、基本的人権尊重の原則を定めた「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の定めた「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、国連の定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」及び「国連グローバル・コンパクト10原則」などの人権に関する国際的な規範を支持、尊重しています。これらの規範に則り、「CSR・ESG基本方針」に基づき「人権方針」を定め、人権尊重に関する取り組みを推進しております。

「人権方針」は当社グループのホームページにてご確認下さい。

URL:https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html#no01

(c) 推進体制

当社グループでは、CSR・ESG推進本部が主体となり総務・人事本部や購買本部などの関連組織と連携して人権リスクの特定・評価及び予防・軽減にあたっています。

主要な人権リスクについては、内部統制の各委員会が対策の実効性の評価を行い、その結果はCSR・ESG推進本部に共有されるとともに、定期的かつ随時取締役会に報告される体制としています。

(d) 人権尊重の取り組み

当社グループの人権尊重の取り組みのプロセスは以下のとおりです。

・人権デュー・ディリジェンス

当社グループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、自らの事業活動に関連した人権に対する負の影響を特定し、その予防と軽減に努めてまいります。

 

(e) 主な人権リスク

当社グループにおいて配慮すべきと認識する主な人権リスクは次のとおりです。

人権リスク

主な取り組み

ハラスメント

(「(f) ハラスメントの防止」参照)

過剰・不当な労働時間

・36協定の遵守

安全で健康な作業環境

・労働安全衛生の推進

児童労働・強制労働

・採用時の年齢確認の実施

・パスポート等の会社による保管の禁止

・人材派遣会社に対する人権順守要件の確認(注)

サプライチェーン上の人権問題

・CSRアンケート調査の実施

紛争等の影響を受ける地域における人権問題

・責任ある鉱物調達の実施

・安全保障貿易管理の徹底

救済へアクセスする権利

(「(j) 救済」参照)

(注)採用手数料の撤収禁止、本人が理解できる言語による雇用契約書の提供など、適正な労働条件の確保を同意書にて確認

(f) ハラスメントの防止

当社グループは、職場におけるハラスメントの防止を人権尊重における最も重要な取り組みの一つと考えます。

当社グループでは、「ハラスメント等防止規程」を定め、ハラスメント防止委員会が各拠点に選任されたハラスメント相談員と連携してハラスメントの防止に関する取り組みを行っています。

2026年3月期における取り組みの実績は次のとおりです。

・ハラスメント相談対応(ハラスメント相談員との連携による)

・「ハラスメント等防止規程」の改定

・「ハラスメント防止委員会全社会議」の開催

・「ハラスメント防止便り」の定期配信

・全従業員向けe-ラーニング研修の実施

・ハラスメント相談員向け研修の実施

(g) 教育

当社グループでは、「人権方針」や「ハラスメント等防止規程」をはじめとする人権に関する諸規程をグループウェア等に掲示して役職員に周知徹底しています。

また、コンプライアンス推進活動の一環として、人権尊重に関するテーマを定期的に取り上げ、役職員の意識向上に努めています。2026年3月期は生成AIの利用に伴う人権リスクについて注意喚起を行いました。

(h) 通報

当社グループでは、法令違反、社会規範に反する行為等の不適正行為の早期発見及び、是正に向けて、公益通報者保護法に基づき内部通報規程を制定し、「企業倫理ホットライン」を設置しております。受付窓口は、当社の従業員による「CSR・ESG推進統括部窓口」、監査等委員である取締役による「監査等委員会窓口」、当社から委託した法律事務所の弁護士による「外部窓口」の3種類を設けております。各窓口に通報された事案は直ちにCSR・ESG推進本部長に報告され、内部通報規程にて選任されている調査業務従事者による調査と評価が行われます。

これらの取り組みの結果、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす人権侵害は発生しておりません。

(i) 評価

内部統制の各委員会が実効性を評価する主要な人権尊重の取り組みは次のとおりです。

委員会

評価事項

関連組織

環境委員会

環境汚染に由来する健康被害の防止

CSR・ESG推進本部

全社安全衛生委員会

労働者の安全と健康の確保

総務・人事本部

CSR・ESG推進本部

化学物質管理委員会

有害化学物質による被害の防止

CSR・ESG推進本部

輸出管理委員会

人権侵害につながる貨物等の拡散防止

海外事業本部

品質管理委員会

製品の安全性の確保

CSR・ESG推進本部

情報管理委員会

知る権利及びプライバシーの確保

CSR・ESG推進本部

総務・人事本部

情報システム本部

ハラスメント防止委員会

職場におけるハラスメントの防止

CSR・ESG推進本部

このほか、CSR・ESG推進本部は、社内コンプライアンス監査の実施や内部統制の各委員会及び関連組織との連携を通じて取り組みの実効性を評価しています。

当社グループのサプライヤーに対しては、「人権方針」に加え、基本的人権の尊重、差別や強制労働、児童労働の排除、労働環境の改善について明記した「CSR調達基準」を提示しています。さらに「CSRアンケート調査」の実施を通じてサプライチェーン全体での取り組みの実効性を評価しています。

(j) 救済

当社グループでは、企業倫理ホットライン及びハラスメント相談員を設置し、人権リスクに関する役職員からの通報・相談に対応しています。

加えて、当社ウェブサイトに「お問い合わせ」ページ(日本語・英語)を設けてステークホルダーからの通報・相談も受け付けています。

いずれの窓口に寄せられた通報・相談についても、適切に事実関係を調査し、人権への負の影響が確認された場合は速やかに救済及び是正措置を講じるとともに、個人情報等の保護と通報者の不利益な取扱いの防止を徹底しています。

 

b.パートナーシップ構築宣言

当社グループでは、サプライチェーンのさまざまな企業との新たな価値を創出し、共存・共栄を目指すと共に、取引先との適切な関係を維持するために、2023年3月1日にパートナーシップ構築宣言に登録いたしました。

当社グループの積極的に取り組む個別項目は以下の3項目です。

・オープンイノベーションによる企業間の連携

・脱炭素化社会の実現に貢献する製品の拡販、生産工程等の脱・低炭素化によるグリーン化の取組み

・健康経営に関する取組(健康経営に係るノウハウの提供、健康増進施策の共同実施 等)

詳細は以下のサイトにてご確認下さい。

https://www.biz-partnership.jp/declaration/124507-05-08-tokyo.pdf

 

c.マルチステークホルダー方針

当社グループでは、さまざまなステークホルダーとの協働により生み出された収益をステークホルダーの皆様に適切に分配し、共に成長していく事を目指して、2023年3月1日にマルチステークホルダー方針を制定しました。

従業員に対しては、積極的な人財育成と適正な賃金の引き上げによりエンゲージメントの向上に取り組むと共に、取引先の皆様に対しては上記のパートナーシップ構築宣言に沿った取り組みを進めてまいります。

詳細は以下のサイトにてご確認下さい。

https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html

④指標と目標及び実績

当社グループでは、多様化する社会のニーズに対する経営戦略において、異なる経験・経歴、技能、属性を持つ者を幅広く採用し、「人財の化学反応」を早期に起こすことを優先すべきとの観点から、多様な働き方、人財育成方針、社内環境整備方針、マルチステークホルダー方針等に沿って、性別、国籍、採用時期等の区別なく積極的に採用の機会を設け、仕事に対する考え方、思いも十分に尊重した人事配置とジョブ・ローテーションにより、従業員に活躍の場を平等に提供しております。

その結果、女性・外国人・中途採用者の比率は着実に増加しており、特に、女性社員の比率、就業年数、管理職・中核人財への登用の比率が確実に伸びてきております。当社グループは、真の多様性とは属性に関わらず個々の能力と成果を公平に評価し、登用することであると考えております。そのため、特定の属性別の登用目標は敢えて設定せず、実力主義に基づく評価を徹底した上で、多様な人財全体(女性・外国人・中途採用者計)の管理職比率の向上をKPIとしてモニタリングしております。

人財の多様性及び女性活躍推進に関する開示  指標と目標及び実績(集計範囲:当社国内グループ)

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律

(以下、「女性活躍推進法」)の開示項目(指標)

当社の目標

2026年3月期実績

区分

項目

女性活躍促進法の開示

項目(指標)

正社員に占める女性比率

2030年3月期までに正社員に

占める女性比率を23%以上

22.5%

職業生活と家庭生活の

両立

正社員の時間外労働時間

2030年3月期までに正社員の時間外労働時間を平均7時間以下

6.6時間

職業生活と家庭生活の

両立

女性の育休取得率

100%

100%

女性の育休平均取得日数

300日以上

291日

男性の育休取得率

80%

82.9%

男性の育休平均取得日数

60日以上

65日

2026年3月期における男女の賃金の差異の詳細は、「第4 提出会社の状況 5.従業員の状況等 (2)従業員の状況 ④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異」を参照ください。

(補足説明)

基準外賃金を除いた正規社員職階(注)別男女の賃金差異の平均値

男女の賃金の

額の差異

C0

C1

C2

C3

C4

C5

106.4%

99.9%

95.0%

93.6%

95.9%

92.9%

(注)新卒入社者はC0またはC1に格付けられ、C5が管理職層となる

当社のキャリアパス制度は職階制を用いております。各人が担う役割や責任を負う層ごとに区切った上で、所定時間外労働や休日労働に起因する賃金を除いて比較すると、大きな差は存在しません。

当社では、「賃金は労働の対価である」という原則に基づき賃金制度を運用していることから、賃金の設定・支給について性別を理由とする区別は設けておりません。

 

(4)生物多様性の保全に関する取り組み及び考え方

我々の日常生活や企業活動は、自然資本の恩恵により成り立っています。原材料の調達段階から製品の廃棄段階までを含めた製品のライフサイクル全般において、当社グループの事業活動が自然から受ける恩恵と自然に及ぼす影響の双方から評価し、サステナブルな成長を遂げられるように事業を計画する必要があります。

当社グループでは、事業活動による生態系への負荷を最小限に抑えるために、事業活動が生態系に与える影響をTNFDの枠組みに基づき製品のライフサイクル全般においてリスクと機会の両面から把握し、TCFDと相互に連携させ、当社技術を活かして生物多様性の保全とサステナブル社会実現に貢献する価値の創出に努める事に取り組んでおります。

代表的な取り組みとしては、揮発性有機化合物や特定化学物質の使用により生じる大気汚染や水質汚染等の環境負荷軽減に向けた自らの管理活動と当社グループの製品使用段階で生じる環境負荷軽減に貢献する製品開発の両輪で推進してまいります。

また、当社グループが現在加盟しているクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)をはじめとするイニシアティブへの参加や事業所の近隣地域コミュニティーとの協働作業にも積極的に参加し、生物多様性の保全と再生に努めてまいります。

 

①ガバナンス

生物多様性の保全に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」で述べたとおりです。

 

②戦略

当社グループでは、生物多様性の保全に関する法令改正や業界動向を注視するとともに、LEAPアプローチを活用して自社拠点における自然依存度と影響度を評価し、特定したリスクと機会を事業計画に反映させています。

LEAPアプローチを活用して「依存/影響」「リスク/機会」を特定、評価した結果から抽出した主な項目は以下のとおりです。

VC

Locate

(発見)

Evaluate(診断)

「依存/影響」

Assess(評価)

「リスク/機会」

Prepare

(準備)

上流

原材料供給

各社と当社

依存

天然資源調達

高い

リスク

資源枯渇、価格高騰

使用量の規制強化

天然資源リサイクルの促進

(水、化石由来資源)

バイオマス資源の利用促進

自社拠点

東海製造

事業所

(静岡県

  磐田市)

依存

地下水の取水

非常に

高い

リスク

地下水の取水制限

水の循環利用、消費量削減

影響

水系

への

負荷

非常に

高い

リスク

近隣水域の汚染

排水処理施設の適切な運用

ハイテック

ケミ㈱

(千葉県

  成田市)

影響

水系

への

負荷

中程度

リスク

近隣水域の汚染

排水処理施設の適切な運用

全製造拠点

影響

温室

効果

ガス

高い

リスク

行政、業界規制強化

省エネの徹底、

再エネの利用促進

大気

汚染

物質

中程度

リスク

行政、業界規制強化

VOCの回収・

リサイクル促進取扱い物質

の水性化

下流

顧客で当社製品の使用段階

影響

温室

効果

ガス

機会

脱炭素化、VOC削減

二次電池用素材など

脱炭素関連製品

バイオマス原料由来、

水性製品の拡販

大気

汚染

物質

リスク

行政、業界規制強化

溶剤系製品の需要減少、

事業転換

水系

への

負荷

機会

近隣水域への負荷

軽減

排水への負荷の少ない

繊維用着色剤の拡販

 

 

VC

Locate

(発見)

Evaluate(診断)

「依存/影響」

Assess(評価)

「リスク/機会」

Prepare

(準備)

下流

顧客で当社製品の廃棄段階

影響

温室

効果

ガス

機会

脱炭素化、VOC削減

バイオマス原料由来、

水性製品の拡販

大気

汚染

物質

リスク

行政、業界規制強化

プラスチック製品の

需要減少

サーキュラーエコノミーの

推進

上記

以外の生態系

への

負荷

機会

土壌・水域の負荷

軽減

生分解性機能を有する製品

リサイクル素材を用いた

製品の拡販

リスク

行政、業界規制強化

プラスチック製品の

需要減少

サーキュラーエコノミーの

推進

 

想定機会と注力事業は以下のとおりです。

想定機会

注力事業(以下の製品開発と販売促進)

脱炭素化、大気へのVOC(注)物質の排出量削減に貢献できる製品の市場価値が高まる

(注)VOC:Volatile Organic Compounds

(常温・常圧の大気中で容易に気体状となる揮発性の有機化合物の総称)

・太陽光発電パネル、二次電池用素材向けの機能性素材

・塗工工程の乾燥段階でエネルギー消費に伴うCO2排出量とVOC排出量を削減できるUVコート材、EBコート材

・VOC使用量を減らした水性塗料・インキ、ノントルエンインキ

水系への有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる

・化学染料を使用した繊維着色工程の排水による水系への

環境負荷を避ける為に化学繊維の紡糸段階で着色する

原液着色剤

廃プラスチックによる水系の汚染防止の意識と法規制が高まる

・マイクロプラスチックによる海洋汚染防止に寄与できる

化粧品材料向け生分解性を有する天然素材による樹脂

パウダー

 

③リスク管理

当社グループでは、CSR・ESG推進本部にて、生物多様性の保全に関するリスクについて、気候変動への取り組みと同様に法令改正や業界動向の変化などによる規制強化や需給構造の変化を把握し、リスクと機会を特定し、事業計画に反映させております。これらリスクと機会の内容は前述「②戦略」の項で述べたとおりです。

リスク内容に応じてCSR・ESG推進本部から実行部門である各機構及び関係部署にリスク対応業務を指示しております。リスクの特定結果とリスク対応業務とその実施状況は、内部統制に関する環境委員会に四半期毎に報告され、取締役会にて年1回以上報告され、監督されております。

 

④指標と目標及び実績

生物多様性の保全に関する指標と目標は、「(1)サステナビリティ共通 ④指標と目標及び実績 a. b. c. d.」で述べたとおりです。