人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,405名(単体) 3,594名(連結)
-
平均年齢41.2歳(単体)
-
平均勤続年数17.1年(単体)
-
平均年収7,307,707円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2025年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
カラー&ファンクショナル プロダクト |
2,303 |
(174) |
ポリマー&コーティング マテリアル |
400 |
(24) |
グラフィック&プリンティング マテリアル |
652 |
(25) |
報告セグメント計 |
3,355 |
(223) |
その他 |
- |
(3) |
全社(共通) |
239 |
(40) |
合計 |
3,594 |
(266) |
(注)1.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は()内に年間の平均人員を外数で記
載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、主に報告セグメントに帰属しない
総務、経理などの管理部門に所属している従業員であります。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
2025年3月31日現在 |
従業員数 (人) |
平均年齢 (歳) |
平均勤続年数 (年) |
平均年間給与 (円) |
|
1,405 |
(150) |
41.2 |
17.1 |
7,307,707 |
|
2025年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
カラー&ファンクショナル プロダクト |
799 |
(81) |
ポリマー&コーティング マテリアル |
125 |
(6) |
グラフィック&プリンティング マテリアル |
242 |
(24) |
報告セグメント計 |
1,166 |
(111) |
その他 |
- |
(-) |
全社(共通) |
239 |
(39) |
合計 |
1,405 |
(150) |
(注)1.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は()内に年間の平均人員を外数で記
載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、主に報告セグメントに帰属しない
総務、経理などの管理部門に所属している従業員であります。
(3)労働組合の状況
2025年3月31日現在における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の組合員数は
1,107名であり、いずれの系統にも属さず、労使は相互信頼を基盤として円満な関係にあります。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度 |
補足説明 |
|||||
管理職に 占める女性 労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注)1、2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3 |
||||
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
||
2.9 |
73.2 |
- |
73.0 |
72.2 |
64.7 |
|
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、算出したものであります。
2.「男性労働者の育児休業取得率」の「-」は育児休業取得の対象となる男性労働者がいないことを示しております。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、雇用区分ごとの男性労働者の平均賃金月額に対する女性労働者の平均賃金月額の割合を算出したものであります。なお、算出に際し、基本給をはじめとする固定的な賃金、時間外や休日労働に対する割増賃金、賞与を算入し、退職手当、通勤手当を除いております。
② 連結子会社
当事業年度 |
補足 説明 |
||||||
名称 |
管理職に 占める 女性労働者 の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注)1、2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3 |
||||
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
|||
浮間合成㈱ |
0.0 |
80.0 |
- |
66.5 |
64.8 |
75.1 |
|
ハイテックケミ㈱ |
0.0 |
83.3 |
- |
60.4 |
63.1 |
59.9 |
|
大日カラー・ コンポジット㈱ |
3.4 |
100.0 |
- |
65.7 |
63.8 |
70.2 |
|
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、算出したものであります。
2.「男性労働者の育児休業取得率」の「-」は育児休業取得の対象となる男性労働者がいないことを示しております。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、雇用区分ごとの男性労働者の平均賃金月額に対する女性労働者の平均賃金月額の割合を算出したものであります。なお、算出に際し、基本給をはじめとする固定的な賃金、時間外や休日労働に対する割増賃金、賞与を算入し、退職手当、通勤手当を除いております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ共通
①ガバナンス
当社グループでは、お客様と社会に貢献し、社会に生かされることで当社も社会と共に発展していくという考え方を1968年に制定した社是に盛り込んでおり、今日までのサステナブル経営の基礎として経営者と全従業員が誇りをもって社是を遵守しています。
この社是に加え、サステナブルな成長を加速させるために2022年に「CSR・ESG基本方針」を制定し、化学メーカーとして製品のライフサイクル全体において取り組むべき社会的な課題解決と事業成長の為の価値創出に向けた推進体制を整えています。
「サステナビリティに関する戦略と取組」は、代表取締役社長の直轄組織であり、サステナビリティ関連の責任部署であるCSR・ESG推進本部にて、マテリアリティ(重要課題)を特定し、マテリアリティ毎のリスクと機会の抽出、指標と目標の設定、及びその進捗管理を以下の当社のガバナンス体制にて行っております。
CSR・ESG推進本部で立案された目標と施策は代表取締役社長の指示のもと実行部門にて対応しています。
マテリアリティに関しては後述「②戦略」の項をご参照ください。
2025年3月期では、各実行部門と内部統制に関する各委員会との間での報告・監査活動において、より実効性の高いPDCAサイクルを回していけるように、活動報告と活動評価の見直しを行いました。
内部統制に関する各委員会での評価結果は、代表取締役社長並びに取締役会に定期的及び必要時に随時報告し、監督・指示されています。その指示内容は内部統制に関する各委員会と実行部門にフィードバックされています。
2025年3月期では、合計13回の取締役会を開催しましたが、そのうち、『気候変動への対応』、『HR戦略』、『コンプライアンスアンケート調査の結果報告』、『健康経営』など、サステナビリティに関する審議を行った取締役会は10回となりました。
また内部監査室では、内部統制に関する各委員会の報告に基づき独自に実行部門の活動を監査し、その結果を代表取締役社長並びに取締役会に報告しています。
当社グループでは、以上の体制で、サステナビリティに関する取り組みを推進しています。
また、サステナビリティ関連業務に対する業績評価を、人事考課制度に組み入れ、給与に反映させる仕組みを運用しています。2025年3月期は、ESG課題の考課ウェイトを7.5%に設定しています。
「CSR・ESG基本方針」とその方針に基づく各種方針は当社グループのホームページにてご確認下さい。
URL:https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html
②戦略
当社グループは、企業理念と社是<必達>のもと、化学メーカーとして製品のライフサイクル全体において取り組むべきマテリアリティを以下のように特定し、マテリアリティ毎にリスクと機会の両面から当社の成長に必要な取り組みを前述「①ガバナンス」で述べた体制で推進しております。
2025年3月期では、新たな価値の創出、イノベーションには人のポテンシャルを最大限に引き出すことが必須と考え、人的資本投資・人財育成を加速させるHR戦略を中期経営計画の戦略に追加しました。今期もこのHR戦略により当社の強みを更に活かしてお客様との新たな価値共創に取り組んでいきます。
③リスク管理
当社グループのサステナビリティに関するリスク管理は、「3.事業等のリスク」で述べた考え方と体制で取り組んでおります。
④指標と目標及び実績
当社グループでは、サステナビリティに関する指標と目標をマテリアリティ毎に設定し、実施状況を管理しております。
下表に主要なマテリアリティをご説明いたします。
マテリアリティ |
短・中期指標 |
目標 |
2025年3月期実績 |
気候変動対策 地球温暖化対策
|
a. 国内外のエネルギー使用に伴う GHG排出量(Scope1・2) |
a. 2027年3月期に2020年 3月期比で31%削減 |
a. 2020年3月期比 49%削減(※1) |
b. 国内製造拠点のエネルギー 原単位 |
b. 対前年度比1%削減 |
b. 0.2%削減 |
|
c. サステナビリティ貢献製品の 売上高 |
c. 2027年3月期に2024年 3月期比で30億円増 |
c. 2024年3月期比 5億円増 |
|
サーキュラー エコノミー推進
|
d. 国内製造拠点の廃プラス チックのリサイクル率を改善 |
d. 2027年3月期に2021年 3月期比3ポイント 改善 |
d. 7.4ポイント改善 |
ダイバーシティ& インクルージョン
|
e. 国内の新卒採用者の女性比率 |
e. 30%以上 |
e. 37.9% |
f. 国内の有給休暇取得率 |
f. 70%以上 |
f. 74.8% |
|
g. 国内の女性・外国人・中途 採用者の管理職比率 |
g. 2031年3月期までに 2021年3月期比 6ポイント向上 |
g. 1.6ポイント向上 |
(※1)Scope2はGHGプロトコル・マーケット基準にて算定
(2)気候変動への取り組み TCFD提言に沿った情報開示
①ガバナンス
気候変動対応に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」で述べたとおりです。
②戦略
当社グループでは、気候変動に関する政府間パネル(以下「IPCC」といいます)が発表したIPCC第5次報告書、第6次報告書、及びIEA World Energy Outlook:Net Zero Emission by 2050 Scenario、当社グループの顧客、サプライヤーの対応情報を基にリスクと機会を分析し、対処すべきリスクとその対応策を進めております。
世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を求められている事から、その目的を達成する為に、温室効果ガスの排出量を削減し、将来的には実質ゼロ・カーボンニュートラルとする脱炭素化が必須課題と認識しております。
当社グループでは、代表取締役社長の指示のもと、サプライチェーンの一員として気候変動対策に貢献する為に、IPCC第6次評価報告書を基にリスク分析を行い、1.5℃シナリオ及び2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、製造工程における省エネルギー対策、再生可能エネルギーの積極的な利用により自らが排出する温室効果ガスの排出量を減らすと共に当社の製品を通じて世の中の温室効果ガスの排出量削減に貢献できるように取り組んでまいります。
以下、想定シナリオです。
1.5℃シナリオ 想定概要 |
地球温暖化防止に向けた規制強化や地球温暖化防止に貢献する需要構造の変化が加速。 将来的に炭素税の単価が欧米先進国並みに上昇すると考えられる。 自然災害の影響も現在よりも重視する必要があると想定。 |
4℃シナリオ 想定概要 |
地球温暖化が深刻化し、平均気温上昇による需要構造の変化と労働環境への影響が発生。 大規模な自然災害による事業活動への影響が頻発すると想定。 |
シナリオに基づく想定リスクとその対応策は以下のとおりです。
リスク分類 |
想定リスク |
対応策 |
|
1.5 ℃シナリオ |
移行 リスク |
①炭素税導入による財務負担増 ②GHG排出量削減規制の強化 ③顧客からのGHG削減要請の強化 |
①当社グループ想定炭素税: 約9億2千9百万円(@14,500円/t-CO2) ②適切な価格で再生可能エネルギーを調達する事で、GHG排出量の削減と財務面への影響を軽減させる。 想定削減炭素税:約3億7千3百万円 ③継続的な省エネ対策の実施 |
④化石資源由来の原材料調達が困難になる |
④原材料の脱炭素化の開発を進める |
||
⑤需給構造の変化により商機を損失する |
⑤業界動向を迅速に社内展開し、事業活動を強化する。 |
||
物理的 リスク |
自然災害によるサプライチェーン寸断に よる事業活動停滞の影響 |
・原材料調達地域、購入会社の分散化 ・物流への影響軽減に備えた在庫管理 |
|
製造現場の作業環境の悪化及びそれによる 設備投資額の増加 |
・作業環境改善と生産効率向上に寄与する 効率的な設備投資を行う |
||
4 ℃シナリオ |
移行 リスク |
需給構造の変化に対応する製品開発力の 強化 |
・業界動向、市場動向を迅速に社内に 展開し、製品開発と事業計画に反映 させる |
物理的 リスク |
大規模な自然災害による当社設備の損傷に よる事業活動停滞の影響 豪雨時の浸水による製品と原材料在庫の 損失 |
・ハザードマップに応じた設備改修促進 ・生産拠点の分散化 ・豪雨災害時の有害物質の流出防止策 |
|
製造現場の作業環境の悪化を改善する為の 設備投資増加 |
・製造現場の暑さ対策、人的負荷軽減の 設備投資を行い生産効率の低下を防止 |
シナリオに基づく機会分析と戦略は以下のとおりです。
|
想定機会 |
戦略(以下の製品開発と販売促進) |
|
1.5 ℃シナリオ |
脱炭素化に貢献する製品の需要拡大 ・車両のEV化、自動運転化の促進 ・車両の軽量化促進 ・電力インフラの需要拡大 |
サステナビリティ 貢献製品の拡販: 2027年3月期に 30億円増 (2024年3月期比) |
・二次電池向け製品 ・車両向けワイヤーハーネス関連製品 ・車両の軽量に寄与する製品 ・太陽光電池向け製品 ・CO2を原材料とするポリウレタン樹脂 |
サーキュラーエコノミーに向けた需要 変化 ・プラスチック資源リサイクルが加速 ・バイオマス由来の製品需要が拡大 |
・軟包装材向け脱墨型インキ ・バイオマス由来原材料の樹脂ビーズ ・バイオマス由来原材料のインキ、 接着剤 |
||
4 ℃シナリオ |
気温上昇による生活様式、需給構造の変化 ・暑さ対策のための建築物の仕様変更 ・飲料容器需要の拡大 |
・建築物の空調の省エネ向け遮熱塗料 ・飲料用軟包装材向けインキ関連製品 |
|
激甚自然災害に備えたインフラ強化事業の拡大に向けた 製品の需要拡大 ・電力・通信インフラの更新需要が拡大 ・建築物の改修工事需要の拡大 |
・高速大容量通信線向け被覆材用着色剤 ・建築外装材向け高耐候性塗料用色材 ・高強度・高耐久繊維向け着色剤 |
③リスク管理
当社グループでは、CSR・ESG推進本部にて、気候変動により生じるリスクについて、法令改正や業界動向の変化などによる規制強化や需給構造の変化を移行リスクと特定し、自然災害へのレジリエンス強化や温暖化の進行による労働環境の悪化を物理的リスクと特定しております。これらリスク内容は前述「②戦略」の項で述べたとおりです。これらの内容に応じてCSR・ESG推進本部から実行部門である各機構及び関係部署にリスク対応業務を指示しております。
リスクの特定結果とリスク対応業務とその実施状況は、内部統制に関する環境委員会に四半期毎に報告され、取締役会にて年1回以上報告され、監督されております。
④指標と目標及び実績
気候変動に関する指標と目標は、前述「(1)サステナビリティ共通 ④指標と目標及び実績 a. b. c. d.」に記述したとおりです。
本中期経営計画では当社グループのエネルギー使用に伴い発生するCO2排出量(Scope1+Scope2)を2020年3月期を基準年度とし、2027年3月期までに31%削減することを計画しました。
この目標を達成する為に、再生可能エネルギーの積極的な導入と継続的な省エネルギー対策により、気候変動の要因となるCO2排出量の削減に向けて省エネルギーに取り組んでおります。具体的な取り組み実績は以下のとおりです。
2025年3月期のCO2排出量実績は2020年3月期比で30%削減となり、中期目標に向かって順調に推移しております。
日本の省エネ法で努力義務とされている毎年エネルギー原単位1%以上削減に向けて、2025年3月期では、省エネルギー対策として当社国内グループでは原油換算で205KL相当の省エネルギー対策の実行を目標に設定し、この目標に対して、79件の省エネルギー対策を実施し、その年間効果は、目標を上回る原油換算378KL相当の削減と試算されています。
主な省エネルギー対策 |
年間削減効果 (原油換算値) |
・蒸気用ボイラーの高効率化 ・蒸気配管からの放熱ロスの削減対策 ・太陽光発電設備の導入 |
158KL 56KL 32KL |
2024年3月期及び2025年3月期に計画していた省エネルギー対策を計画値以上に実施してまいりましたが、生産量の減少、暑さ対策のためのエアコン使用量の増加などの様々な要因から、国内グループでのエネルギー原単位は0.2%削減に留まり、目標としていた1%削減には届きませんでした。
当社の海外製造拠点における省エネ対策、再生可能エネルギーの導入に関しては、国内製造拠点に比べて遅れており、国内製造拠点で培ってきた省エネ対策を海外へ積極的に展開するとともに、現地の環境規制とエネルギー事情に合わせた再生可能エネルギーの導入を進めております。
また今後もCO2排出量の規制強化が考えられることから、欧米での炭素取引単価を参考に、インターナルカーボンプライシングでは、炭素税単価を14,500円/t-CO2に設定しています。その単価から試算される当社グループ全体での炭素税額は約9億2千9百万円となり、各製品に対する収益性への影響を分析し、その影響を回避するためのCO2排出量削減対策の立案と販売価格の値上げの必要性を検討しています。
近年、顧客から要請が高まっております、CO2排出量Scope3カテゴリー1~8の算定と開示を行っており、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量における当社グループの影響度を把握し、削減に貢献できるように努めてまいります。
(3)人的資本投資・人財育成及び人財の多様性の活用
①ガバナンス
人的資本投資・人財育成及び人財の多様性の活用に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」で述べたとおりです。
②戦略
当社グループでは、時代の変化と共に社会から求められる企業価値も変化している事を認識し、企業価値の向上と新たな価値の創出に向け、サステナビリティを意識したESG経営に取り組んでおります。
新たな価値の創出には、新たな発想が必要であり、それには“人の力”が不可欠と考えております。“人の力”を引き出し、“人を育成する”ことで人は価値を生み出す企業の財産になるとの認識から、当社では「人材」ではなく「人財」と表現しております。
当社グループの掲げる3か年中期経営計画「明日への変革 2027」の目標達成に向けて、人的資本及び知的財産への投資と人財育成の重要性を認識し、2023年4月に以下の「人財育成方針」「社内環境整備方針」を制定しました。
そして、HR戦略に資する施策として、2025年4月より新たな人事制度の運用を開始しました。新たな人事制度ではチャレンジを推奨・評価する仕組みや職階ごとの期待役割を明確にし、行動を評価する仕組みなどを取り入れ、よりメリハリある評価と処遇を目指しました。これにより、チャレンジしたいと思える環境づくりから「イノベーションが湧きあがる活力に満ちた組織風土の醸成」を目指します。
詳細は「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等 エ、HR戦略・DX推進 (ア) HR戦略」を参照ください。
a.「人財育成方針」
当社グループは、企業の成長は人に拠って立ち、人の成長も企業に拠って立つという互いに切磋琢磨していく関係にあると理解しております。このため、財産である「人財」の育成は、企業価値の向上に必要不可欠であり、重要な経営課題のひとつと考えております。
当社グループでは、「人に興味を持とう、新しいことに興味を持とう、未来に興味を持とう」という企業理念を礎として、従業員の多様性や仕事に対する考え方を十分に尊重しつつ、企業と人財が互いに高め合っていくビジョンを共有し、自らがありたい姿の実現に向けて、地道にかつ着実に、相互に磨き上げてまいります。
更に「人財育成方針」を実現させるための「社内環境整備方針」を以下のように定めております。
b.「社内環境整備方針」
当社グループは、人財育成方針を実現し、魅力ある会社となることを目指し、全社目標の達成に向けて社員一人一人の能力を十分に発揮できるように、以下の社内環境整備に取り組んでまいります。
・世代を問わず自ら学ぶ姿勢を支援します。
・成果に対する適切な評価と対話を行います。
・社内・外との知識交流・文化交流の機会を創出します。
・達成欲求・貢献意欲を高める人事制度を推進します。
・多様性と価値観を尊重し、人財を活かせる人事制度を推進します。
・長く働ける職場環境整備と人事制度を推進します。
c.戦略と人的資本、知的財産(知恵・経験・人脈)の連携
当社グループの掲げる新3か年中期経営計画「明日への変革 2027」の基本戦略の実現に向けて、人的資本及び知的財産の投資と活用は、競争優位性確保を実現するイノベーションの創出に不可欠な取り組みです。必要な人的資本と知的財産の現状を把握し、企業文化としての定着促進などの視点を踏まえ、以下のような取り組みを行っております。
本中期経営計画「明日への変革 2027」に基づく手段と取り組みは以下のとおりです。
各テーマの指標と目標は事業の状況を鑑み、適宜見直しを行ってまいります。
経営戦略:技術主導による競争優位性の確保
実現のための手段 |
取り組み |
・技術者の採用強化 ・技術者の育成 ・知財の獲得及び知財の市場ニーズへの展開 |
・研究開発費の強化、職場環境の充実 ・オープンイノベーションの取り組みの促進 ・知財戦略の積極的展開 |
経営戦略:事業基盤の強化のための海外事業の拡大
実現のための手段 |
取り組み |
・海外営業力の強化 |
・外国人や海外駐在経験者の中途採用強化 ・海外ビジネススキル向上の機会の提供 ・多様性を認め合う企業風土づくり |
・海外法人の経営能力の強化(育成) |
・海外ビジネススキル・ノウハウの蓄積・継承 |
経営戦略:サステナブル社会の実現に向けたESG重視の経営推進
実現のための手段 |
取り組み |
・労働安全衛生向上 ・化学物質管理 ・ダイバーシティ&インクルージョン ・ガバナンス体制の強化 |
・職場環境の整備と更なる改善 ・労働安全衛生の管理強化 ・IoT、DXを活用した労働生産性の向上 ・年齢、性別、国籍、宗教に対する偏見を排除する社風の維持向上 |
経営戦略:HR戦略
実現のための手段 |
取り組み |
・経営戦略と個人目標の連動 ・新人事制度の運用開始 ・人財育成のための研修制度 |
・社員が成長を感じられる環境整備 ・納得感が得られる人事制度の運用 ・管理職を対象とした研修の実施 ・エンゲージメント調査の実施と公表 ・社員の健康増進に向けた取り組みの拡充 |
d.健康経営
ⅰ)健康経営に関する考え方
大日精化グループは、「CSR・ESG基本方針」に掲げるサステナブルな成長を実現させるために、従業員の心身の健康維持・増進と多様な人財が働きやすい職場環境・企業風土づくりが重要であると考えます。
健康経営に関する取組みの積極的推進により従業員がポテンシャルを最大限発揮することで企業価値の向上を図り、事業活動を通じて社会に貢献してまいります。
ⅱ)推進体制
当社グループでは、代表取締役社長を健康経営責任者とし、大日精化健康保険組合と従業員の健康課題の把握と対策の検討にあたり、関係組織と連携して心と身体の健康づくりに関する具体的な施策を実施していきます。
詳細は以下のサイトにてご確認下さい。
https://www.daicolor.co.jp/csr/social/health/index.html
③リスク管理
当社グループでは、社会全体がサステナブルな成長を達成するためには、人財育成と多様性の活用を進めると同時に人権に配慮した事業活動、製品の提供が必要であると認識しております。
当社グループでは、以下に述べる取り組みを通して、サプライチェーンパートナーと共に価値を創出し、サステナブルな成長を目指してまいります。
a.人権尊重に関する取り組み
ⅰ)人権尊重に対する考え方
当社グループは、人権の尊重は事業活動において最優先に遵守すべきコンプライアンス課題であり、当社グループが社会とともに持続可能な発展を遂げるためには、当社グループの従業員や近隣住民の人権のみならず、当社グループが調達する原材料から製品の廃棄段階に至るまでのサプライチェーン全体に関係するあらゆる人々の人権尊重に取り組む必要があると考えます。
上記の考え方に基づき、当社グループは、基本的人権尊重の原則を定めた「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の定めた「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、国連の定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」及び「国連グローバル・コンパクト10原則」などの人権に関する国際的な規範を支持・尊重し、「CSR・ESG基本方針」に基づき「人権方針」を定め、人権尊重に関する取り組みを推進しています。
当社グループでは、「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築しています。CSR・ESG推進本部が主体となり、当社グループの事業活動に関わる人権リスクの特定、その防止及び軽減に努めています。万一人権侵害が確認された場合は、速やかに救済に取り組み、その有効性を確認した上で再発防止策を講じます。
人権リスクを予防・軽減するために、従業員に向けた人権尊重に関するコンプライアンス教育に取り組むとともに、当社グループのサプライヤーに向けては、人権尊重に関する行動指針を明記した「CSR調達基準」を提示し、取り組みへの賛同を求めています。
人権尊重に関する取り組みの状況は、コンプライアンス推進活動の一環として定期的に取締役会に報告し、必要に応じて情報開示を行っています。
ⅱ)「人権方針」
当社グループでは、基本的人権尊重の原則を定めた「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の定めた「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、国連の定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」及び「国連グローバル・コンパクト10原則」などの人権に関する国際的な規範を支持、尊重し、「CSR・ESG基本方針」に基づき「人権方針」を定め、人権尊重に関する取り組みを推進しております。
「人権方針」は当社グループのホームページにてご確認下さい。
URL:https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html#no01
ⅲ)推進体制
当社グループでは、CSR・ESG推進本部が主体となり総務・人事本部や購買本部などの関連組織と連携して人権リスクの特定・評価及び予防・軽減にあたっています。 主要な人権リスクについては、内部統制の各委員会が対策の実効性の評価を行い、その結果を定期的及び必要に応じて随時取締役会に報告しています。 なお、CSR・ESG推進本部及び内部統制の各委員会は、いずれも取締役または役付執行役員を責任者としています。 |
|
ⅳ)人権尊重の取り組み
当社グループの人権尊重の取り組みのプロセスは以下のとおりです。
人権デュー・ディリジェンス
当社グループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、自らの事業活動に関連した人権に対する負の影響を特定し、その予防と軽減に努めてまいります。
ⅴ)主な人権リスク
当社グループにおいて配慮すべきと認識する主な人権リスクは次のとおりです。
人権リスク |
主な取り組み |
ハラスメント |
(「ⅵ)ハラスメントの防止」参照) |
過剰・不当な労働時間 |
・36協定の遵守 |
安全で健康な作業環境 |
・労働安全衛生の推進 |
児童労働・強制労働 |
・採用時の年齢確認の実施 ・パスポート等の会社による保管の禁止 |
サプライチェーン上の人権問題 |
・CSRアンケート調査の実施 |
紛争等の影響を受ける地域における人権問題 |
・責任ある鉱物調達の実施 ・安全保障貿易管理の徹底 |
救済へアクセスする権利 |
(「ⅹ)救済」参照) |
ⅵ)ハラスメントの防止
当社グループは、職場におけるハラスメントの防止を人権尊重における最も重要な取り組みの一つと考えます。
当社グループでは、「ハラスメント等防止規程」を定め、ハラスメント防止委員会が各拠点に選任されたハラスメント相談員と連携してハラスメントの防止に関する取り組みを行っています。
2025年3月期における取り組みの実績は次のとおりです。
・ハラスメント相談対応(ハラスメント相談員との連携による)
・「ハラスメント等防止規程」の改定
・「ハラスメント防止委員会全社会議」の開催
・「ハラスメント防止便り」の定期配信
・全従業員向けe-ラーニング研修の実施
・ハラスメント相談員向け研修の実施
ⅶ)教育
当社グループでは、人権の尊重、法令や社会規範の遵守はもとより、高い倫理観と良識を身に付け、人権リスクの発生防止の為に、コンプライアンス研修と管理職を対象としたハラスメント防止研修を行っております。その研修結果は取締役会に報告、指示を受けております。
ⅷ)通報
当社グループでは、法令違反、社会規範に反する行為等の不適正行為の早期発見、早期是正に向けて、公益通報者保護法第7条第3項第1号及び第2号に基づき、内部通報規程を制定し、その規程に基づき指名した「企業倫理ホットライン窓口」を設置しております。窓口は、当社の従業員による「CSR・ESG推進統括部窓口」、当社の監査役による「監査役窓口」、当社から委託した法律事務所の弁護士による「外部窓口」の3種類を設けております。各窓口に通報された事案は直ちにCSR・ESG推進本部長に報告され、内部通報規程にて選任されている調査業務従事者による調査と評価が行われます。
これらの取り組みの結果、重大な人権リスクは発生しておりません。
ⅸ)評価
内部統制の各委員会が実効性の評価を行う人権尊重の取り組みは次のとおりです。
委員会 |
評価事項 |
関連組織 |
環境委員会 |
環境汚染に由来する健康被害の防止 |
CSR・ESG推進本部 |
全社安全衛生委員会 |
労働者の安全と健康の確保 |
総務・人事本部 CSR・ESG推進本部 |
化学物質管理委員会 |
有害化学物質による被害の防止 |
CSR・ESG推進本部 |
輸出管理委員会 |
人権侵害につながる貨物等の拡散防止 |
海外事業本部 |
品質管理委員会 |
製品の安全性の確保 |
CSR・ESG推進本部 |
情報管理委員会 |
知る権利及びプライバシーの確保 |
CSR・ESG推進本部 総務・人事本部 情報システム本部 |
ハラスメント防止委員会 |
職場におけるハラスメントの防止 |
CSR・ESG推進本部 |
このほか、CSR・ESG推進本部が社内コンプライアンス監査の実施や内部統制の各委員会及び関連組織との連携を通じて取り組みの実効性を評価しています。
当社グループのサプライヤーに対しては、「人権方針」に加え、基本的人権の尊重、差別や強制労働、児童労働の排除、労働環境の改善について明記した「CSR調達基準」を提示の上、「CSRアンケート調査」の実施を通じてサプライチェーン全体での取り組みの実効性を評価しています。
ⅹ)救済
当社グループでは、企業倫理ホットライン及びハラスメント相談員を設置し、人権リスクに関する役職員からの通報・相談に対応しています。
このほか、当社ウェブサイトに「お問い合わせ」ページ(日本語・英語)を設けてステークホルダーからの通報・相談にも対応しています。
いずれの窓口に寄せられた通報・相談についても、事実関係を調査の上、必要に応じて速やかに是正措置を講じるとともに、個人情報等の保護と通報者の不利益な取扱いの防止を徹底しています。
b.パートナーシップ構築宣言
当社グループでは、サプライチェーンの様々な企業との新たな価値を創出し、共存・共栄を目指すと共に、取引先との適切な関係を維持するために、2023年3月1日にパートナーシップ構築宣言に登録いたしました。
当社グループの積極的に取り組む個別項目は以下の2項です。
・オープンイノベーションによる企業間の連携
・脱炭素化社会の実現に貢献する製品の拡販、生産工程等の脱・低炭素化によるグリーン化の取組み。
詳細は以下のサイトにてご確認下さい。
https://www.biz-partnership.jp/declaration/23418-05-08-tokyo.pdf
c.マルチステークホルダー方針
当社グループでは、様々なステークホルダーとの協働により生み出された収益をステークホルダーの皆様に適切に分配し、共に成長していく事を目指して、2023年3月1日にマルチステークホルダー方針を制定しました。
従業員に対しては、積極的な人財育成と適正な賃金の引き上げによりエンゲージメントの向上に取り組むと共に、取引先の皆様に対しては上記のパートナーシップ構築宣言に沿った取り組みを進めてまいります。
詳細は以下のサイトにてご確認下さい。
https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html
④指標と目標及び実績
当社グループでは、多様化する社会のニーズに対する経営戦略において、異なる経験・経歴、技能、属性を持つ者を幅広く採用し、「人財の化学反応」を早期に起こすことを優先すべきとの観点から、多様な働き方、人財育成方針、社内環境整備方針、マルチステークホルダー方針等に沿って、性別、国籍、採用時期等の区別なく積極的に採用の機会を設け、仕事に対する考え方、思いも十分に尊重した人事配置とジョブ・ローテーションにより、従業員に活躍の場を平等に提供しております。
その結果、女性・外国人・中途採用者の比率は着実に増加しており、特に、女性社員の比率、就業年数、管理職・中核人財への登用の比率が確実に伸びてきておりますが、女性・外国人・中途採用者に固執することなく優れた社員を管理職に登用するべきであり、属性別に数値目標を掲げることは寧ろ機会平等に反する結果になりかねないとの方針により、現状では、敢えて、女性・外国人・中途採用者ごとの目標は設定しておりません。このため、女性・外国人・中途採用者を合計した数値で管理職登用の中期目標を定め状況をモニタリングしております。
人財の多様性及び女性活躍推進に関する開示 指標と目標及び実績(集計範囲:当社国内グループ)
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 (以下、「女性活躍推進法」)の開示項目(指標) |
当社の目標 |
2025年3月期 実績 |
|
区分 |
項目 |
||
女性活躍促進法の開示 項目(指標) |
新卒採用者に占める 女性の比率 |
2026年3月期までに新卒採用者に 占める女性正社員比率30%以上 |
37.9% |
職業生活と家庭生活の 両立 |
有給休暇取得率 (役員、海外赴任者除く) |
2026年3月期までに正社員の有給 休暇取得率70%以上 |
74.8% |
男女の 賃金の 差異 |
区分 |
大日精化工業㈱ |
浮間合成㈱ |
ハイテックケミ㈱ |
大日カラー・ コンポジット㈱ |
全労働者 |
73.0% |
66.5% |
60.4% |
65.7% |
|
正社員 |
72.2% |
64.8% |
63.1% |
63.8% |
|
パート・ 有期社員 |
64.7% |
75.1% |
59.9% |
70.2% |
男女の賃金の差異:女性の平均賃金÷男性の平均賃金(%)
対象期間:2024年4月1日から2025年3月31日
賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当を除く
正社員:当社から社外への出向者は除き、社外から当社への出向者を含む
パート・有期社員:期間工、パートタイマー、嘱託を含み、派遣社員を除く
(補足説明)
基準外賃金を除いた正規社員職階(※)別男女の賃金差異の平均値
男女の賃金の 差異 |
C1 |
C2 |
C3 |
C4 |
C5 |
96.9% |
90.1% |
93.3% |
92.9% |
93.1% |
※新卒入社者はC1に格付けられ、C5が管理職層となる
当社のキャリアパス制度は職階制を用いております。各人が担う役割や責任を負う層ごとに区切った上で、所定時間外労働や休日労働に起因する賃金を除いて比較すると、大きな差は存在しません。
当社では、「賃金は労働の対価である」という原則に基づき賃金制度を運用していることから、賃金の設定・支給について性別を理由とする区別は設けておりません。
(4)生物多様性の保全に関する取り組み
生物多様性の保全に関する考え方
我々の日常生活や企業活動は、自然資本の恩恵により成り立っています。原材料の調達段階から製品の廃棄段階までを含めた製品のライフサイクル全般において、当社グループの事業活動が自然から受ける恩恵と自然に及ぼす影響の双方から評価し、サステナブルな成長を遂げられるように事業を計画する必要があります。
当社グループでは、事業活動による生態系への負荷を最小限に抑えるために、事業活動が生態系に与える影響をTNFDの枠組みに基づき製品のライフサイクル全般においてリスクと機会の両面から把握し、TCFDと相互に連携させ、当社技術を活かして生物多様性の保全とサステナブル社会実現に貢献する価値の創出に努める事に取り組んでおります。
代表的な取り組みとしては、揮発性有機化合物や特定化学物質の使用により生じる大気汚染や水質汚染等の環境負荷軽減に向けた自らの管理活動と当社グループの製品使用段階で生じる環境負荷軽減に貢献する製品開発の両輪で推進してまいります。
また、当社グループが現在加盟しているクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)をはじめとするイニシアティブへの参加や事業所の近隣地域コミュニティーとの協働作業にも積極的に参加し、生物多様性の保全と再生に努めてまいります。
①ガバナンス
生物多様性の保全に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」で述べたとおりです。
②戦略
当社グループのライフサイクルにおけるリスクと機会を以下の様に特定し、取り組んでおります。
ライフ サイクル |
リスクと機会 |
当社グループの取り組み |
|
原材料調達 |
リスク |
生態系の破壊や貴重な種の絶滅を防止、保全するために植物や鉱物の採取の制限が生じる |
購買方針に基づき、生態系に悪影響を与える事が確認されたサプライヤーからの原材料調達を停止する。 |
水リスク地域における揚水量の制限が生じる |
水の循環利用に努め、揚水量・排水量を削減する。 |
||
機会 |
貴重な資源の枯渇防止に繋がる製品の市場価値が高まる |
汎用原材料を使用してレアメタルの代替品となる製品の開発を検討する |
|
製品開発 製造・物流 |
リスク |
水系の生態系の保全のために、工場からの排水管理の規制が強化される |
工場の排水処理設備の管理を徹底し、水系の生態系への負荷を低減させると共に保全に努める。 水系、特に廃プラスチックによる海洋汚染防止の為に廃プラスチックのリサイクルを促進する。 |
大気汚染に繋がる有害物質を含む原材料、資材の使用に関する規制が強化される |
当社製品の製造工程で発生する有害物質(主に揮発性有機化合物)や温室効果ガスを低減させると共に保全に努める。 |
||
機会 |
有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる |
お客様から大気中に排出される有害物質(主に揮発性有機化合物)や温室効果ガスを減らせる製品の開発と販売を促進する。 お客様の工場から水系に排出される有害物質を低減できる製品の開発と販売を促進する。 |
|
廃プラスチックによる水系の汚染防止の意識と法規制が高まる |
水系での生分解性プラスチックの開発を促進する。 |
||
その他 |
リスク |
過去に発生した当社グループ敷地内の土壌汚染物資が拡散するリスク |
土壌汚染が確認された事業所では、直ちに行政と協議の上、汚染の拡散防止対策と浄化作業に着手している。 |
機会 |
当社グループの事業所外の近隣地域の生態系の保全活動を行い、社会的な価値を高める |
近隣のコミュニティーと協働し、事業所周辺の美化活動、緑化の支援、水系の保全活動を推進する |
想定機会と注力事業は以下のとおりです。
想定機会 |
注力事業(以下の製品開発と販売促進) |
大気への有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる |
・揮発性有機化合物の使用量を減らした水性塗料・インキ、ノントルエンインキ ・塗工工程の乾燥段階で揮発性有機化合物の排出と乾燥 エネルギー消費に伴うCO2排出量を削減できるUVコート剤、 EBコート剤 |
水系への有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる |
・化学染料を使用した繊維着色工程の排水による水系への 環境負荷を避ける為に化学繊維の紡糸段階で着色する 原液着色剤 |
廃プラスチックによる水系の汚染防止の意識と法規制が高まる |
・マイクロプラスチックによる海洋汚染防止に寄与できる 化粧品材料向け生分解性を有する天然素材による樹脂 パウダー |
③リスク管理
当社グループでは、CSR・ESG推進本部にて、生物多様性の保全に関するリスクについて、気候変動への取り組みと同様に法令改正や業界動向の変化などによる規制強化や需給構造の変化を把握し、リスクと機会を特定し、事業計画に反映させております。これらリスクと機会の内容は前述「②戦略」の項で述べたとおりです。
リスク内容に応じてCSR・ESG推進本部から実行部門である各機構及び関係部署にリスク対応業務を指示しております。リスクの特定結果とリスク対応業務とその実施状況は、内部統制に関する環境委員会に四半期毎に報告され、取締役会にて年1回以上報告され、監督されております。
④指標と目標及び実績
生物多様性の保全に関する指標と目標は、「(1)サステナビリティ共通 ④指標と目標及び実績 a. b. c. d.」で述べたとおりです。