2025年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 43,737 100.0 2,976 100.0 6.8

 

3 【事業の内容】

(1)  当社グループの概要

当社グループのミッションは、「自律型AIでROIを向上させる」です。

現在、あらゆるサービスやソリューションでAIの活用が進展しており、世界は急速に進展するAI革命の真只中にあります。当社は、このAI時代における大きな変革の機会を捉え、ビジネスドメインであるマーケティング分野において、業種特化・顧客中心型の自律型AIモデルを高性能化するための豊富な経験の蓄積、データを用いたAIの訓練と改善の積み重ね及びプロダクト開発のための研究開発投資を通じて、顧客企業のROI(投資リターン)向上を実現してきました。

当社グループは、マーケティング分野におけるAIソリューションを提供するパイオニアとして、マーケティングからセールス活動まで顧客接点の全領域を支援するソリューションを提供し、企業の収益最大化に貢献してきました。また近年では、AaaS(Agentic AI as a Service)を提供するAIネイティブ企業として、自律型AIが分断されていたデータを瞬時に統合・連携させることで、市場の変化をリアルタイムに捉える、自律的で適応力の高いオムニチャネルマーケティングを提供しています。これにより、当社の自律型AIは顧客企業にとって24時間365日稼働する自律的なマーケティングパートナーとなり、事業戦略の立案から実行まで継続してサポートすることで、明朗で説得力のある意思決定が可能になります。

 

多くの企業は価値あるファーストパーティデータを保有しながらも、「データの断片化」と「AI人材の不足」という課題により、有効に活用することができていません。当社グループのAIプラットフォーム(当社グループが提供するソリューションの総体をいいます。以下同じ。)は、この課題を解決します。まず深層学習(ディープラーニング)技術(注1)を活用し、フォーマットが異なる多様なデータをシームレスに統合することで、「データの断片化」の問題を解消します。さらに、統合されたデータに基づいて、最先端のAIモデルを自動で構築するソフトウェアを提供することで、高度な「AI人材不足」の課題も解消します。加えて、当社のAIプラットフォームは、構築されたAIモデルを現場ですぐに活用することができるだけでなく、他のマーケティングアプリケーションとの連携が容易です。これにより、顧客企業のマーケティング活動の効率性を飛躍的に高め、ROIを向上させることができます。

 

当社グループのAIプラットフォームが提供するソリューションは、予測AI(Predictive AI)モデル及び生成AI(Generative AI)モデルだけでなく、あらゆるAIモデルを統合して自律的にタスクを完遂する自律型AI (Agentic AI)を内包しています。これにより、単なる高精度な「消費者行動・興味関心の予測」に留まらず、予測に基づいたクリエイティブの自動生成や自律的な業務のリアルタイムな遂行を可能にします。これにより、データは真の価値を発揮し、マーケティング及びセールスの領域におけるファネル(注3)の各段階における課題解決を支援します。

 

当社グループは、AIとデータ活用における革新を通じて、顧客企業に以下の戦略的価値を提供します。

(1) ROIの最大化: AIが自律的に学習・実行することで、「過去データの基づく意思決定」から「ユーザー行動を予測して先回りする意思決定」へと転換させます。これにより、投資実行前に予測ROIを把握し、マーケティング投資のROIを最大化します。

(2) 時間とコストの劇的な削減: 自律型AI(Agentic AI)の活用を容易に導入することができ、業務プロセスへの統合にかかる時間とコストを大幅に削減します。

(3) ファネル全段階の最適化: デジタルマーケティングとセールス領域の課題を一気通貫で解決します。相互にリンクしたデータ基盤により、ファネル全段階の最適化を可能にします。

 

(注) 1.ニューラルネットワーク(注2)により機械学習技術を実装するための手法の一種

2.生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた、脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル

3.「じょうご」の意。後記「(4) 当社グループのソリューション」で述べるとおり、当社グループでは、潜在的なユーザーの予測及び獲得からユーザーの維持及び関係構築、販売に至るマーケティングのすべてのプロセスを「フル・ファネル」と表現しています。

 

(2)  当社グループの歴史

当社グループは2012年6月、米国のハーバード大学やスタンフォード大学在籍時に、四足歩行ロボットや自動運転自動車の開発など、AI・データ分析・分散処理システム分野での研究経験を有するAIサイエンティストとコンピュータプログラムのエンジニアメンバーが、AIを活用した企業向けマーケティングソリューションの研究開発を台湾で開始したことに始まります。マーケティング分野に注力したのは、マーケティングとセールスこそが企業とユーザーとの最初の接点であり、全てのビジネスの出発点であると考えたためです。

 

当社グループは、AIや機械学習の研究で実績を残したAIサイエンティストが技術面を牽引しています。研究開発人員の多くがAI・ビッグデータ・コンピューターサイエンス領域で博士号または修士号を取得しています。また、当社グループの役員・従業員が執筆した300本以上の論文が、トップジャーナル、カンファレンス、ワークショップにおいて発表されています。さらに、世界的に著名なデータマイニングコンテスト「KDDカップ」では、当社グループの従業員が参加したチームが7回優勝したという実績もあります。こうした実績により、当社グループはフォーチュン誌から「AI革命を牽引する50社(2017年)」(注1)に、ガートナーから「AIクールベンダー(2017年)」(注2)に選出される等、AI企業として高い評価を受けてきました。

事業面においても経験豊富なメンバーを擁し、技術力・事業経験・顧客中心主義を組み合わせた独自の企業文化を形成しています。

 

当社グループの主要な歩みは以下のとおりです。

2014年:当社グループ初のプロダクトである「CrossX」の提供を開始。

2014年~2015年:台湾から日本と韓国に事業を拡大。さらに東南アジア各国に進出。

2018年:インドのQuantumgraph Solutions Private Limitedを買収し、AI機能を追加した「AIQUA」の提供を開始。

2019年:日本のEmotion Intelligence株式会社を買収し、最先端の機械学習技術を追加した「AiDeal」の提供を開始。

2020年:中国での事業活動を強化し、欧州・米国に展開。

2021年:台湾の邦妮科技有限公司(BotBonnie Inc.)を買収し、会話型のエンゲージメント・マネジメント・プラットフォーム「BotBonnie」の提供を開始。

2022年:米国のWoopra, Inc.を買収し、AIを搭載した次世代CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)「AIRIS」の提供を開始。

・2025年:フランスのADYOUNEED SASを買収し、最適な広告クリエイティブを自動生成できるAI搭載プラットフォーム「AdCreative.ai」の提供を開始。

 

現在、当社グループは、東京の他、大阪、ソウル、台北、香港、北京、カリフォルニア、アムステルダム、パリ、シンガポール、クアラルンプール、ホーチミン、マニラ、ジャカルタ、バンコク等の15ヵ国・地域に17のオフィス(2025年12月末時点)を構え、2,111の企業グループ(注3)に直接または代理店経由でAI プラットフォームを提供しています。

 

 

主要な関係会社(AaaS事業)

開発の拠点:Appier,Inc.等

グループ会社の統括本社機能:Appier Pte. Ltd.

販売活動を行っている子会社:Appier Japan株式会社、Appier,Inc.等

 

(注) 1.2017年にCBインサイツが多様な健全性・成長性指標に基づき選出した「世界で最も有望なAIスタートアップ企業100社」(「AI100」)の中から、資金調達額の多かった上位50社。なお、当社グループは2018年にもAI100に選出されている。

2.東アジア地域で優れたAIソリューションを提供している企業として2017年にガートナーが選出したもの。

3.2025年12月末時点で当社グループと契約しており、当社グループのソリューションを1種類以上利用している企業グループの総数。有償・無償のトライアル、デモ使用、M&Aにより獲得した顧客は含まない。複数のブランドで当社グループの同一のソリューションを利用している企業は、1社としてカウント。複数のブランドで当社グループの複数のソリューションを利用している企業は、利用している当社グループのソリューションの数ごとに個別の顧客企業としてカウント。

 

(3) AIプラットフォームが解決する現代の課題と可能性

近年のデジタルマーケティングは、スマートデバイスの普及、eコマース、ソーシャルメディアの拡大に伴い、劇的な進化を遂げています。企業が取り扱うデータは急増し、オムニチャネル化と画像・動画等の非構造化データの増加により、その複雑性は増大しています。

このような潮流の中、深層学習(ディープラーニング)や生成AI(Generative AI)から自律型AI (Agentic AI)といったAI技術の進展は、企業のデータ利活用ニーズを「データを収集・解析し意思決定に繋げる」段階から「設定された目標に対して、AIが自ら計画を立て、ツールを使い完遂する」へと質的に変容させました。

しかしながら、多くの企業は、この変革期において以下の二大課題に直面し、成長機会を逸しているのが現状です。

1.データの分断化と複雑化及び限られた質の高いデータへのアクセス: 顧客行動が複数ソースに分断され、形式が異なる大量のデータを瞬時に統合・管理すること、価値あるデータを独自でアクセスすることは困難です

2.AI人材の不足と実行コスト: AIをビジネスに貢献させるための高度な専門人材が不足しており、投資対収益に直結する価値あるAIモデル及び自律型AIの開発および組織への融合には多大な時間とコストを要します。

 

当社グループAIプラットフォームの革新:自律型AIによる解決

当社グループのAIプラットフォームは、これらの社会的課題に対し、以下のように対応します。

・AIによるデータ統合の自動化: ディープラーニング技術により、分断された異なるフォーマットのデータを瞬時に統合し、広範に利用可能な包括的なユーザープロファイルを自動生成します。これにより、データがない領域でも周辺嗜好に基づいた高精度な予測が可能になります。

・AIによる実行の自律化: 最先端の機械学習と自律型AIを活用し、様々なAIモデルの自動構築を実現。データサイエンティスト不在でも、AIが自律的に学習・実行することで、企業の課題解決とROI最大化に集中できる環境を提供します。

・迅速な導入: システム環境に依存しないプラットフォームとして提供することで、マーケティング担当者は初期投資を抑え、即座に最先端のAI活用(予測、生成、実行)を開始できます。

 

当社グループは、自律型AIソリューションをAaaS(Agentic AI as a Service)形式で提供することにより、多数の顧客企業が最先端のAIモデルを容易に活用することができ、AIの潜在能力が最大限に引き出されると考えています。

このように、当社プラットフォームは様々なソースやデバイスから取得したデータを自動で統合することで、断片的な情報から包括的なユーザーのプロファイルを生成します。その際、ユーザーの自社ウェブサイトへの訪問履歴やアプリの使用履歴等を自然言語処理(注1)とディープラーニングにより解析します。これにより、データがない領域であっても、周辺領域におけるユーザーの嗜好を基に、未開拓分野への興味・関心を予測することができます。こうした分析により、より広範なトピックに対するユーザーの行動を高精度に予測することが可能となっています。

 

当社グループのソリューションを活用して、企業の課題を解決した具体例な事例は以下のとおりです。

① データ統合の自動化:化粧品ブランドのアプリ・Webサイト、CRM(注2)からのストリーミングデータ(注3)を統合し、ユーザープロファイルを生成。ユーザーの行動パターン、興味・関心、商品の閲覧・購入履歴等のWebサイトやアプリ上での行動データを統合することで、包括的なユーザープロファイルを生成。

② AI予測モデルの自動構築:包括的なユーザープロファイルに基づき、ユーザーが「いつ、何を、どのように購入するか」を予測するAI予測モデルを自動構築。例えば、あるユーザーが日焼け止めUVカットファンデーションを購入する可能性を高精度で予測し、適切なマーケティングを施策を実行することが可能。

③ パーソナライズされた提案:最も関連性の高い商品を自動的にWebサイトやアプリに表示することで、コンバージョン率を向上。

 

(注) 1.人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術

2.顧客との良好な関係を構築し、顧客価値を高めるためのマネジメント

3.多数のデータソースによって継続的に生成されるデータ

 

 

(4) 当社グループのソリューション

当社グループは、企業と価値あるエンドユーザーを結びつけるためのAIベースのソリューションを提供しています。特に、当社の顧客の多くを占める消費者向けサービス企業に対して、潜在的なユーザーの予測及び獲得からユーザーの維持及び関係構築、さらには販売に至るまで、マーケティングの全プロセスを一気通貫で支援するソリューションを揃えています。

当社グループでは、このコンセプトをマーケティングとセールスのプロセス全体を包括する「フル・ファネル」と呼んでいます。このアプローチにより、各段階における顧客企業の課題解決を支援することができます。また、AaaS(Agentic AI as a Service)プラットフォームとして提供することで、AI活用のために必要な開発時間とコストを大幅に削減することができます。

 

当社グループのソリューションは、顧客企業に以下の価値を提供しています。

企業レベルでの容易なAI導入:完全に自動化されたデータ統合とAIモデル自動構築の技術により、企業全体で容易にAIを導入。

CMO(Chief Marketing Officer)やマーケティング責任者の意思決定支援:将来のユーザー行動を予測し、そこから得られる知見を提供することで、従来の過去データのみに基づくマーケティング上の意思決定を、ユーザー行動を予測して先回りする意思決定へと進化。また、投資額に対するリターンを事前に予測することが可能。

マーケティング担当者の業務支援:日々の業務課題に対応したフル・ファネルのソリューションを提供。デジタルマーケティングにおける煩雑な手作業を自動化することで、マーケティング担当者はより戦略的な意思決定に集中することが可能。

 

さらに、顧客企業が当社のソリューションを利用すればするほど、AIが学習するデータ量が増加し、予測精度が高まります。これにより、顧客企業のマーケティング投資のROIが一層向上し、ソリューションの利用拡大につながることで、当社ソリューションに対する顧客ロイヤルティが強化されると考えています。

 

広告クラウドは、当社グループの開発した自律型AIが、顧客企業の設定したマーケティング戦略をもとに、自ら計画を立てユーザー獲得のためのマーケティングキャンペーンを遂行し、顧客企業はその実施結果等をソフトウェア上のレポートにより確認することができます。それに対して、パーソナリゼーションクラウド・データクラウドは、自律型AIが既存顧客とのCRMの強化のためのエンゲージメント及びユーザーの行動予測からマーケティング施策立案を行うソフトウェアです。

 

顧客企業は自社のニーズに応じて、1つのソリューションのみを利用することも、複数を組み合わせて利用することも可能です。各ソリューションは高度に連携・統合されているため、組み合わせて利用することにより、従来得られなかった新たな知見や気づきを獲得することができます。さらに、得られたデータや知見を他の分野で活用することも可能です。

 

 


提供するプロダクトを最適化し、プロダクト間のシナジーを最大化するため、当社グループはプロダクトを「広告クラウド」「パーソナライゼーションクラウド」「データクラウド」という3つのカテゴリーに分類しています。

 

① 広告クラウド

CrossX、AIXPERT:ユーザーのライフタイムバリュー(LTV、生涯価値)を予測し、最も価値の高いユーザーを獲得することを可能にすることで、マーケティング投資を予測可能なリターンに転換

 

CrossXは、一般消費者を顧客とする企業がマーケティングの初期段階で直面する「マーケティング投資に見合う高いリターンが期待できるユーザーを獲得する」という課題を解決するためのプロダクトです。これは、マーケティング・ファネル図における最上段の「潜在ユーザーの予測及び獲得」にあたります。

従来、企業のマーケティング担当者は、成果を改善するためにコストと時間をかけてマニュアル作業によるA/Bテスト(注1)を繰り返してきました。CrossXは、AIが最も生涯価値(LTV)の高い潜在的ユーザーを高い精度で予測し、当該潜在的ユーザーのターゲティングに基づくマーケティングキャンペーンを自動で実行することで、顧客企業が高い投資対効果(ROI)を実現できるよう支援します。

 

顧客企業がCrossXの利用を開始すると、最初にユーザーデータの取り込み及び機械学習を行います。ユーザーのプロファイル、サイトデータ、ユーザー行動などの1万以上のデータの組み合わせが、当社グループのマルチタスク型ディープラーニングモデルに入力されます。これにより、質の高いユーザーを見つけるだけでなく、「サイト訪問」「ユーザー登録」「購入」などの複数の重要な目標を達成するユーザーや、生涯価値(LTV)などの将来の行動やパターンを予測し、顧客企業に高いROIをもたらすユーザーを予測することができます。さらに、獲得したデータに対して繰り返し機械学習を行い、予測モデルを改善し続けます。

当社グループのAIは様々な地域・業種のユーザーデータを10年超にわたり学習し続けており、精度の高い予測をすることができる点が参入障壁となっています。

 

CrossXはAIによる高LTVユーザーのターゲティング結果に基づき、各種メディアプラットフォーム上でターゲットを絞った広告配信を自動で行うことで、効率的に高LTVユーザーを獲得します。広告配信に要するメディアコストは当社グループの売上原価となりますが、AIアルゴリズムの改善により予測精度が高まると、同じ成果を出すために要するメディアコストが少なくなるため、当社グループの売上総利益率の改善に貢献します。

 

CrossXは利用量に基づく価格体系であり、当社グループの売上収益は、顧客企業から割り当てられるマーケティング予算の金額に基づき決定します。CrossXのAIはキャンペーン実施前にユーザーの獲得単価、獲得するユーザーのLTV、獲得可能なユーザー件数等のKPIを予測することができるため、顧客企業はマーケティング投資の実行前にリターンを予測することができます。CrossXを利用した結果、顧客企業の期待を上回るROIを達成することができれば、次回以降のキャンペーンにおける利用量の増加が期待できます。

CrossXは2014年に提供を開始した当社初のプロダクトであり、当社の売上収益のうち、最も大きな割合を占めています。

 

AIXPERTは、CrossXと同様にAIを利用した高LTVユーザー獲得のためのプロダクトですが、顧客企業が自らソフトウェアを活用し、複数のチャネルで展開するマーケティングキャンペーンをモニタリングできる点に特長があります。AIは予測結果に基づき、広告予算の配分やパラメーター調整を提案し、運用改善と管理を一括で行うことができます。また、AIがマーケティング担当者に代わってすべての意思決定を自動的に行う「マーケティングの自動運転」を行うことも可能です。

 

AIXPERTはサブスクリプション方式の価格体系であり、顧客企業がプロダクト経由で行うマーケティングキャンペーンのボリュームに基づき月額料金が決定します。

 

AdCreative.ai:最適な広告クリエイティブを自動生成できるAI搭載プラットフォーム

当社グループは、2025年3月にフランス企業ADYOUNEED SASを買収し、同社が開発・提供するデジタル広告クリエイティブ制作プラットフォーム「AdCreative.ai」をプロダクトラインに追加しました。

 

AdCreative.aiは、最先端のAI技術を活用し、デジタル広告クリエイティブを革新するAI搭載プラットフォームです。高度な生成AIモデルと包括的な独自のデータセットを活用することで、クリエイティブ制作のプロセスを効率化し、多様なデジタルチャネル・個別ユーザー向けに最適化されたROI改善効果の高い広告素材を自動生成することができます。

 

AdCreative.aiの特長は、コンバージョンに最適化された広告クリエイティブを生成する点であり、エンゲージメント指標を最大化し、優れたROIを実現するよう設計されています。また、高度な分析機能とパフォーマンス計測ツールを備えており、顧客はデータに基づいたクリエイティブ戦略の意思決定を行うことができます。さらに、競合分析機能を通じて価値のある市場におけるインサイトを提供し、業界内でより効果的な広告戦略を実行することを支援します。

 

また、AdCreative.aiは、当社グループの主力AIネイティブソリューションである「広告クラウド」だけでなく「パーソナライゼーションクラウド」「データクラウド」に統合されており、データから得られるインサイトを活用して、パーソナライズされたクリエイティブをリアルタイムで生成することができます。これにより、顧客企業は、市場環境や消費者ニーズの変化に迅速に対応することができ、顧客企業のROIをさらに高めます。

・広告クラウド:Eコマース業界において、AdCreative.aiは生成AIを活用し、個別ユーザーに合わせたコンバージョン率の高い広告クリエイティブを短時間かつリアルタイムで生成します。これにより、従来は数週間を要していた制作期間を大幅に短縮し、Appierの広告配信プラットフォームを通じて迅速かつ大規模な広告展開を実現します。

・パーソナライゼーションクラウド:AdCreative.aiが生成する画像・動画等は、AIQUAやBotBonnieなどのプロダクトを通じて、ユーザーの属性や行動履歴に応じた最適なタイミング・内容で配信されます。これにより、1対1の大規模パーソナライズドコミュニケーションを可能とし、顧客エンゲージメントとロイヤリティを高めます。

・データクラウド:データクラウドとの統合により、データを基にしたクリエイティブの最適化がさらに進化します。リアルタイムに特定された高ポテンシャル顧客セグメントに対して、AdCreative.aiは各セグメントに最適化された広告クリエイティブをリアルタイムで自動生成することにより、マーケティング効果を高めます。

 

AdCreative.aiはサブスクリプション方式の価格体系であり、顧客企業がプロダクト経由で行うクリエイティブ自動生成のボリュームに基づき月額料金が決定します。

 

 

② パーソナライゼーションクラウド

AIQUA、BotBonnie:AIがパーソナライズしたメッセージを最適なタイミングで全チャネルにプロアクティブに配信し、エンゲージメントの質を向上

 

一般消費者を顧客とする企業は、ユーザーを獲得した次の段階として、マーケティング・ファネル図の上から2番目にあたる「ユーザーの維持及び関係構築」という課題に直面します。主な課題として、(1)複雑な内容のメッセージを作成し、複数のチャネルを管理するための手作業の負担が掛かること、(2)ユーザー毎に最適にパーソナライズされたメッセージを適切なタイミングで送ることができないこと、(3)ユーザーとの関係性構築のためのチャネルが不適切でロイヤルティの高いユーザーに変えることが出来ないこと、が挙げられます。

 

従来のマーケティング・オートメーション・ツールは、ユーザーの行動に基づき、事前に設定されたルールに合致した場合にメッセージを自動送信する仕組みが一般的でした。しかし、この方式ではユーザーにメッセージを届ける理想的なタイミングを逃してしまったり、すでに関心を失ったメッセージを送信してしまうという課題が生じます。

 

AIQUAは、これらの課題を解決するためのAIソリューションです。2018年にインドのベンチャー企業Quantumgraph Solutions Private Limitedを買収し、同社のプロダクトを再設計のうえAI機能を追加することで、AIQUAを立ち上げました。

 

AIQUAは、ユーザーの行動や興味関心をAIが予測し、ユーザーごとに最適化されたメッセージを最適なタイミングで配信することで、エンゲージメントを高めることが可能です。主な特徴は以下のとおりです。

AIQUAには以下の特徴があります。

(1) Webプッシュ通知、Eメール、SMS、メッセンジャーアプリといった多様なコミュニケーションチャネルを簡単に利用可能

(2) AIアルゴリズムにより、ユーザーにとって最適にパーソナライズされたメッセージやおすすめ情報を自動的に作成

(3) 読まれる可能性が高いチャネルおよび最適な送信タイミングをAIが予測し、メッセージを自動配信

 

当社グループは、AIQUAをサブスクリプション方式で提供しています。契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、アクティブユーザー総に応じた段階的な定額料金を設定しています。

 

 

更に、当社グループは、台湾の邦妮科技有限公司(BotBonnie Inc.)の買収に伴い、2021年6月にBotBonnieの提供を開始しました。これにより、カスタマーエンゲージメントに関する製品ラインアップをメッセンジャー領域まで拡大しました。また、会話型コマースやカスタマーサポート領域にも進出し、フルファネルマーケティングとビジネスソリューションにおける顧客中心のアプローチをさらに強化しました。

 

BotBonnieは、オムニチャネル対応の会話型マーケティング・プラットフォームであり、メッセンジャープラットフォームにおける複雑なカスタマージャーニーを効率的にナビゲートできるよう設計されています。通常、企業がメッセンジャープラットフォームを通じてパーソナライズされた顧客体験を提供するためには、多大な労力を要しますが、BotBonnieは、ビジュアルビルダーを活用することで、パーソナライズされた顧客サービスを簡単に作成することができます。

さらに、BotBonnieはInstagram、Facebook Messenger、LINE等の主なソーシャルメディアプラットフォームと統合しており、顧客エンゲージメントのカバー範囲を拡大することができます。また、AIが会話データから得たインサイトを活用し、セールスプロモーションを含めたアクションを強化することができます。

 

当社グループは、BotBonnieをサブスクリプション方式で提供しています。契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、顧客企業のソーシャルメディアアカウント登録者数に応じた段階的な定額料金を設定しています。

 

 

AiDeal:購入を躊躇するユーザーを予測し、そのユーザーに限定してインセンティブを提供することで収益性を維持しつつ売上の最大化を実現

 

既存ユーザーとのエンゲージメントが維持・強化されると、ユーザーに購入等の取引を行ってもらうことが次の課題となります。これは、マーケティング・ファネル図でいうと、上から3番目の「取引の実行」にあたります。

 

一般消費者を対象とする企業、例えばeコマース企業の場合、カートに入れられた商品の多くが最終的に購入されずに終わるという課題があります。その理由は、ECサイト間の切り替えに手間とコストがかからないため、一般消費者が実店舗と比べて、購買を躊躇することが多いからです。そのため、多くのECサイトでは、購買を促すためにクーポン等のインセンティブを付与することが増えています。

 

しかし、インセンティブの付与には2つの課題があります。

一つ目は、インセンティブを一律に付与したり、間違ったユーザーセグメントに対して付与したりすると、利益率が低下する一方で、売上や利益の総額が必ずしも増加しないことです。また、過剰なインセンティブ付与はブランドイメージを損なう可能性もあります。

二つ目は、適切なツールの活用や分析ができていないため、どのセグメントをターゲットにしてインセンティブを付与すべきかを効果的に把握することができないことです。

 

AiDealは、これらの課題を解決するAIソリューションです。2019年に日本のEmotion Intelligence株式会社を買収し、同社のプロダクトに最先端の機械学習技術を組み合わせることで、AiDealを開発しました。AiDealは、購入を躊躇するユーザーを予測し、そのユーザーだけに最も適切なインセンティブを付与することで、収益性を維持しつつ売上の最大化を実現するプロダクトです。

 

AiDealは、AIによってユーザーのモバイル画面へのタッチやスワイプの仕方、カーソルの動き、スクロールの量など、サイト全体でのユーザーのリアルタイムでの挙動に関するデータを分析します。これにより、ユーザーが製品やサービスの購入を決断するに至るトリガーを見つけ出し、購入をためらっているユーザーを予測します。その上で、当該ユーザーに対し、カスタマイズされた効果的なインセンティブ(期間限定のディスカウントなど)を付与し、購入に導くことで、収益性を維持しつつ売上の最大化を実現します。このように、AiDealは、データに基づき適切なインセンティブを付与することで、ディスカウントやクーポンなどのコストを抑えながらも売上を増やすことを企図するものです。

 

AiDealは、eコマース企業のみならず、登録・申込みフォームを途中で離脱したユーザーに対して、入力完了を促すことも可能であり、活用事例が様々な業種に拡がっています。

 

当社グループは、AiDealをサブスクリプション方式で提供しています。契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、取引量に応じた段階的な定額料金を設定しています。

 

 

④ データクラウド

AIXON、AIRIS:様々なソースから得られる消費者データをリアルタイムに統合し、直感的なデータの可視化を実現。自動機械学習によって、ユーザーの行動を総合的に予測

 

一般消費者を対象とする企業は、ユーザーデータの分析により得られる知見をビジネスに有効利用したいと考えた際に、(1)データが複数のソースや異なるフォーマットでバラバラに分断されている、(2)正確なAIモデルを構築するには時間とコストがかかる、(3)効果的なマーケティングアクションに繋がるような実用的な知見がデータサイエンティストから提示されない、という課題に直面します。これは、マーケティング・ファネル図でいうと、上から4番目の「ユーザーの予測」にあたります。

 

AIXONは、これらの課題を解決するために設計された、データサイエンス機能を持つAI搭載の予測分析プラットフォームです。これにより、顧客企業はデータサイエンティストを社内に抱えることなく、膨大なユーザーデータを統合・強化し、機械学習モデルを用いたシナリオに基づいてターゲットとなるオーディエンス(注2)の行動を自動的に予測することができます。また、AIXONは、AIが導き出した結論の論拠を、顧客企業に分かりやすく説明することができます。

 

AIXONには以下の強みがあります。

(1) データの統合と自動処理による導入の容易さ

ビジュアル化された分かりやすいインターフェースを通じて、複数のソースや異なるフォーマットのデータを簡単に接続することができます。当社のディープラーニング技術により、リアルタイムでデータを統合し、AI予測モデルに必要な情報を自動的に抽出・処理することが可能です。

 

(2) 自動的なAI予測モデルの構築

AIXONは、自動でシナリオベースのAI予測モデルを構築することができます。この予測を用いることで、データサイエンティストを介さずにユーザーの行動を予測することができ、実際のビジネス課題解決に集中することができます。例えば、解約予測のシナリオを選択すると、AIXONが最適なAI予測モデルを自動的に選択し、更にモデルの強化のためのトレーニングを自動で行います。

AIXONの画面上で予測したい内容を簡単に設定・調整することが可能であり、予測結果は顧客管理データベースやマーケティングオートメーションツールなど、選択した先に即座に出力することができます。

 

(3) 説明可能なAI

AIXONは、AIの意思決定プロセスをテキストで可視化し、モデル内で重要な変数や特定の判断理由を明示します。AI分析の根拠を説明できることは、AI技術への信頼性を高め、「ブラックボックス化」を防ぐうえで重要な要素です。

 

 

当社グループは2022年に米国のWoopra,Inc.を買収することにより、Appierの高度なAI予測機能と、Woopra社の直感的なデータ可視化の技術を統合した、AI搭載の次世代カスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)であるAIRISの提供を開始しました。

 

AIRISは以下の特徴を持っています。

(1) リアルタイムのデータ取り込み

複数のソースからリアルタイムでデータを取り込み、不備の修正や整理を行うことで、AIを活用して統合された360度の顧客プロファイルを作成します。

 

(2) ノーコードで瞬時にビジュアル化分析

カスタマイズ可能なビジュアル化機能を備えたテンプレートから、インサイトダッシュボードをすばやく構築し、組織全体のデータを可視化しマーケティング担当者がインサイトを得るまでの時間を大幅に短縮することができます。

 

(3) AIを活用した顧客行動の予測

マーケティング担当者は、顧客の行動予測に基づき、ユーザーの優先順位付けやターゲティングを行うことが可能です。正確なセグメンテーションにより、高度にパーソナライズされたエンゲージメントを実現することができます。

 

また、顧客企業がAIXON・AIRISと他のソリューションを同時に活用することで、さらに大きなシナジーがもたらされます。例えば、AIXONが予測したユーザーの潜在的な解約リスクや潜在的な購買行動に対して、AIQUAを活用してタイムリーなエンゲージメントを実施することで、将来の損失を回避し、売上を増加させることが可能となります。このように、複数のソリューションを利用することにより、顧客企業により大きな価値をもたらし、当社グループの顧客維持にも貢献します。

 

当社グループは、AIXON及びAIRISをサブスクリプション方式で提供しています。契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、このプロダクトを使って顧客企業が行った予測の件数及びアクティブユーザーの総数に応じた段階的な定額料金を設定しています。

 

 

(注) 1.キャンペーンのバリエーションを複数用意し、それぞれにオーディエンスを振り分けて、結果が良くなるバリエーションを検証するマーケティング実験の手法

2.マーケティングメッセージの受け手

 

[事業系統図]

 


 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当社グループのミッションは「自律型AIでROIを向上させる」です。

当連結会計年度の売上収益は43,737百万円(前連結会計年度比28.4%増)となりました。これは、アップセル・クロスセルによる既存顧客からの売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2025年12月におけるARR(注1)は48,259百万円となり、2024年12月の36,259百万円から33.1%拡大しました。

当連結会計年度の売上総利益は23,518百万円(前連結会計年度比32.1%増)となり、売上総利益率は53.8%(前連結会計年度比1.5%ポイント上昇)となりました。売上総利益率の改善は、継続的な技術革新への取り組みと、高利益率プロダクトの構成比拡大によるものであります。

事業規模の拡大、子会社の新規連結及びM&Aに関連する一時的な取引費用の発生により、営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加し、対売上収益比率は前期の47.5%から47.9%へと0.4%ポイント上昇しましたが、M&Aに関連する取引費用を除くと、営業費用の対売上収益比率は47.3%へと0.2%ポイント低下しました。研究開発費と一般管理費の対売上収益比率は、生産性改善及び効率性向上により、研究開発費が1.4%ポイント、一般管理費が0.0%ポイントそれぞれ低下しました。一方、販売及びマーケティング費用の対売上収益比率は、主に子会社の新規連結及びM&Aに関連する一時的な取引費用の発生により、1.8%ポイント上昇しました。

その結果、EBITDA(注3)は6,854百万円(前連結会計年度比1,938百万円増)、営業利益は2,976百万円(同995百万円増)となりました。また、税引前当期利益は2,674百万円(同612百万円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,558百万円(同369百万円減)となりました。

 

(注) 1.Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益。利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、関連する期間における1か月平均のリカーリング売上収益(注2)を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、関連する期間の最終月のリカーリング売上収益を12倍することで年換算して得られた金額です。2025年12月のARRは、利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては2025年7月から2025年12月のリカーリング売上収益の1か月平均を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては2025年12月のリカーリング売上収益を12倍して算出しております。

2.リカーリング顧客(利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、①当社グループのソリューションを4四半期以上連続で使用している顧客企業及び②直近1年以内の新規顧客企業で当社グループのソリューションを3カ月以上連続で使用している顧客企業を、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、当社グループと1年以上の契約を締結している顧客企業をいいます。)からの売上収益

3.EBITDA=営業利益+減価償却費及び無形資産償却費+営業費用に含まれる税金費用

 

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末の総資産は60,497百万円であり、前連結会計年度末に比べて15,860百万円増加しております。

流動資産は前連結会計年度末に比べて8,563百万円増加しており、主な増加要因は金融機関からの借入等による現金及び現金同等物の増加(前連結会計年度末比6,238百万円増)、売上収益の増加に伴う営業債権及び契約資産の増加(同6,008百万円増)であり、主な減少要因は定期預金の払戻による減少(同4,158百万円減)であります。

非流動資産は前連結会計年度末に比べて7,297百万円増加しており、主な増加要因はM&Aに伴うのれんの計上及び資産化の要件を満たす開発費用の資産計上によるのれん及び無形資産の増加(同8,011百万円増)であり、主な減少要因は使用権資産の償却による減少(同705百万円減)であります。

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は23,348百万円であり、前連結会計年度末に比べて13,026百万円増加しております。流動負債は6,825百万円、非流動負債は6,201百万円、それぞれ増加しました。

主な増加要因は金融機関からの借入による借入金の増加(流動負債が2,287百万円増、非流動負債が5,754百万円増)、M&Aに伴う条件付取得対価に係る債務の計上によるその他の債務の増加(流動負債が2,203百万円増、非流動負債が996百万円増)、売上原価の増加に伴う営業債務の増加(前連結会計年度末比1,976百万円増)であり、主な減少要因はリース負債の返済による減少(流動負債が35百万円減、非流動負債が674百万円減)であります。

(資本)

当連結会計年度末の資本合計は37,149百万円であり、前連結会計年度末に比べて2,834百万円増加しております。主な増加要因は当期利益の計上による利益剰余金の増加(前連結会計年度末比2,558百万円増)であります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、11,734百万円(前連結会計年度末比6,238百万円増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は3,273百万円となり、前連結会計年度と比べ収入が1,344百万円増加しました。主な収入の増加要因は、非資金損益調整後の税引前利益の増加(前連結会計年度比1,925百万円増)であり、主な収入の減少要因は運転資本の増加(同429百万円増)であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4,332百万円となり、前連結会計年度と比べ2,091百万円支出が増加しました。主な支出の増加要因は、M&Aに伴う子会社の取得による支出の増加(前連結会計年度比3,299百万円増)、無形資産の取得による支出の増加(同843百万円増)であり、主な収入の増加要因は、定期預金の純減による収入の増加(同1,992百万円増)であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は7,041百万円となり、前連結会計年度と比べ収入が7,833百万円増加しました。主な収入の増加要因は、長期借入れによる収入の増加(前年同期比9,600百万円増)、主な支出の増加要因は長期借入の返済による支出の増加(同2,590百万円増)であり、主な支出の減少要因は自己株式の取得による支出の減少(同1,000百万円減)であります

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、AIテクノロジー企業として、AIプラットフォームを活用した各種ソリューションを提供しており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

b.受注実績

当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自2025年1月1日

2025年12月31日)

(百万円)

前期比(%)

AaaS事業

43,737

28.4

合計

43,737

28.4

 

(注) 1.AaaS事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自2024年1月1日

 至2024年12月31日)

当連結会計年度

(自2025年1月1日

 至2025年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Coupang, Inc.

10,605

31.1

13,168

30.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。

なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって行っている重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

 

 

② 目標とする客観的な指標等の推移

 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3) 目標とする客観的な指標等」に記載の指標等に着目しております。そこで、当社グループにおいては、当該目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益成長率、ARR及びARR成長率を重視し、また、これらに関連する指標として、売上総利益成長率、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率に着目しております。

これらの指標のうち、ARR、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率の近時の推移は以下のとおりです。2025年12月におけるARRは48,259百万円となり、2024年12月の36,259百万円からの成長率は33.1%となっています。2025年12月期のNRR(米国ドルベース)は120.4%であることから、継続利用する顧客による当社グループのソリューションの利用の拡大が示されています。2025年12月の月次顧客解約率は0.340%と引き続き低い水準で推移しており、顧客の継続性の高さを示しています。

 

ARR

基準時点

2024年

2025年

3月

6月

9月

12月

3月

6月

9月

12月

日本円

(百万円)

29,033

30,294

33,483

36,259

36,823

38,870

42,890

48,259

 

 

NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率

期間

2024年

2025年

NRR(米国ドルベース)

118.7%

120.4%

月次顧客解約率

0.389%

0.340%

月次顧客収益解約率

0.292%

0.316%

 

 

なお、当社グループが経営上の目標達成状況を判断するために用いている客観的な指標(ARR、NRR、解約率等)の中には、第三者の監査等を受けていない社内データを基礎とするものや、一定期間の実績を通年に換算したものなどが含まれており、当社グループの事業及び業績の実態を正確に表していない可能性があります。

 

 

③ 経営成績の分析

(売上収益)

当連結会計年度の売上収益は43,737百万円(前連結会計年度比28.4%増)となりました。これは、アップセル・クロスセルによる既存顧客からの売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2025年12月におけるARRは48,259百万円となり、2024年12月の36,259百万円から33.1%拡大しました。

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は20,219百万円(前連結会計年度比24.4%増)、売上総利益は23,518百万円(前連結会計年度比32.1%増)となり、売上総利益率は53.8%(前連結会計年度比1.5%ポイント上昇)となりました。売上総利益率の改善は、継続的な技術革新への取り組みと、高利益率プロダクトの構成比拡大によるものであります。

(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)

事業規模の拡大、子会社の新規連結及びM&Aに関連する一時的な取引費用の発生により、営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加し、対売上収益比率は前期の47.5%から47.9%へと0.4%ポイント上昇しましたが、M&Aに関連する取引費用を除くと、営業費用の対売上収益比率は47.3%へと0.2%ポイント低下しました。研究開発費と一般管理費の対売上収益比率は、生産性改善及び効率性向上により、研究開発費が1.4%ポイント、一般管理費が0.0%ポイントそれぞれ低下しました。一方、販売及びマーケティング費用の対売上収益比率は、主に子会社の新規連結及びM&Aに関連する一時的な取引費用の発生により、1.8%ポイント上昇しました。

その他の収益は417百万円(前期比27百万円増)、その他の費用は30百万円(同1百万円増)となりました。

この結果、営業利益は2,976百万円(前期比995百万円増)となりました。

(金融収益、金融費用、税引前利益)

当連結会計年度における金融収益は162百万円(前期比286百万円減)、金融費用は464百万円(同97百万円増)となりました。金融収益の減少は主に定期預金等の利息収入の減少によるものであり、金融費用の増加は主に借入金等に対する支払利息の増加によるものであります。

この結果、税引前利益は2,674百万円(同612百万円増)となりました。

(法人所得税費用、当期利益)

当連結会計年度における法人所得税費用は116百万円(前期比981百万円増)となりました。税引前利益は増加しましたが、2024年12月期に回収可能性が高まった繰延税金資産の計上を行い法人所得税費用がマイナスとなっていた影響で、法人所得税費用は前期比で増加しました。

この結果、当期利益は2,558百万円(同369百万円減)となりました。

 

 

④ 財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当社グループの主な資金需要は、当社グループの業容拡大のための研究開発活動や営業活動に係る人件費です。これらの資金需要に対しては、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出超過、並びに営業活動によるキャッシュ・フローが収入超過の状況を踏まえ、自己資金を基本としております。

 

⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

セグメント情報

 

29.セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

当社グループの事業セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、AaaS事業による単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

(2) セグメント収益及び業績

当社グループは単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

(3) 製品及びサービスに関する情報

外部顧客への収益実績の内訳は以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

 

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

 

百万円

 

百万円

AaaS事業

34,057

 

43,737

 

 

(4) 地域に関する情報

地域別売上収益は、主に顧客の拠点や所在地及び識別可能なブランドの所在地に基づいて集計しております。当該基準は注記「19.売上収益」における地域別開示とは異なる可能性があります。また、金融資産及び繰延税金資産以外の非流動資産の地域別内訳は、当社グループ各社の所在地に基づいて集計しております。

上記基準による前連結会計年度の日本における収益は5,040百万円であります。金融資産及び繰延税金資産を除く非流動資産の前連結会計年度末時点の残高14,926百万円であり、そのうちシンガポールが9,462百万円、台湾が1,290百万円、日本が966百万円であります。

上記基準による当連結会計年度の日本における収益は5,770百万円であります。金融資産及び繰延税金資産を除く非流動資産の前連結会計年度末時点の残高22,169百万円であり、そのうちシンガポールが11,573百万円、台湾が781百万円、日本が835百万円であります。

 

(5) 主要な顧客に関する情報

2024年12月期及び2025年12月期の当社グループの主要な顧客に関する売上収益は以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

 

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

 

百万円

 

百万円

Coupang, Inc.

10,605

 

13,168

その他

23,452

 

30,569

 

34,057

 

43,737