人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,228名(単体) 5,250名(連結)
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平均年齢41.0歳(単体)
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平均勤続年数16.0年(単体)
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平均年収7,813,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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2025年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
化成品 |
3,153(388) |
建装建材 |
2,026(334) |
全社(共通) |
71 (16) |
合計 |
5,250(738) |
(注)1 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に外書きで記載しております。
2 臨時従業員の範囲は、アルバイト、パートタイマー及び嘱託契約の従業員としております。
(2)提出会社の状況
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2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢 |
平均勤続年数 |
平均年間給与(千円) |
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1,228 |
41歳 |
2ヶ月 |
16年 |
5ヶ月 |
7,813 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
化成品 |
561 |
建装建材 |
596 |
全社(共通) |
71 |
合計 |
1,228 |
(注)1 従業員数は就業人員であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 臨時従業員数の平均雇用人員数については、臨時従業員の総数が従業員の100分の10未満のため記載を省略しております。なお、臨時従業員の範囲は、アルバイト、パートタイマー及び嘱託契約の従業員としております。
(3)労働組合の状況
アイカ工業労働組合は1946年5月に結成され2025年3月31日現在組合員数は972名であり、上部団体には
加盟しておりません。なお、連結子会社の一部において労働組合が組織されております。
また、労使間は円満で協調的であり、特記事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
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管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
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全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
||
4.3 |
69.7 |
80.2 |
78.5 |
95.7 |
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
②連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
||
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
|||
アイカテック建材株式会社 |
5.3 |
- |
77.5 |
76.2 |
86.0 |
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
本項目文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.サステナビリティに関する方針および取り組み
当社グループは、社是・経営理念・経営方針・サステナビリティ方針・行動規範を構成要素としたアイカポリシーを体系化しており、その実現に向けた事業活動を行っています。「サステナビリティ方針」は以下のように定め、豊かな社会の形成に貢献するとともに、変化に強い、よりサステナブルな企業となることを目指しております。
ⅰ.事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、より良い社会づくりに貢献します。
ⅱ.行動規範の基本原則を、法令遵守、人権尊重、社会との調和、公平・公正な取引、お客様の安心と信頼、適正な情報開示、会社情報及び財産の保護、環境及び安全、と定め、グループ従業員共通の価値観として行動します。
ⅲ.顧客、従業員、株主、サプライヤー及び取引先、地域社会及び行政など、ステークホルダーとの対話を重視し、社会の要請と変化に迅速に対応します。
ⅳ.ステークホルダーと会社経営の双方の視点で重要課題を特定し、事業活動と一体で課題解決に取り組むとともにその進捗状況を開示します。
(1)ガバナンス体制
サステナビリティ活動の推進母体として、社長執行役員が委員長を務める「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。委員会の傘下には、重点的に取り組むべきテーマ毎に分科会を設けており、それぞれがマテリアリティに対して設定された目標の達成に向け、具体的な活動を推進しています。分科会の活動内容を報告する場として、2024年度より半期に一度、「サステナビリティ推進会議」を開催しています。本会議には当社取締役およびグループ各社代表者が参加し、活動の進捗状況の監督や、今後の方策についての議論を行い、その内容は取締役会へ報告されます。
・当社のサステナビリティ推進体制 (2025年6月現在)
(2)リスク管理
サステナビリティに関するリスクは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 ・リスク管理体制の整備の状況」において説明している全社的なリスク管理体制に組み込んで管理しています。「事業等のリスク」の各項目に対して担当部門を定め、それぞれの対応状況の確認を定期的に行っています。
(3)戦略
当社が取り組むべき重要課題をリスクと機会の両面から影響度の大きさを評価した上でマテリアリティとして特定し、中期経営計画へ組み込み、事業活動とサステナビリティ活動の一体化を図っています。
2023年4月に始動した中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」においては、マテリアリティの中でも特に重点課題を「気候変動対応」と「人的資本経営の基盤構築」としているため、以下第2項および第3項で戦略および指標と目標の詳細を記載します。(中期経営計画の全体像については当社ウェブサイトをご覧ください。https://www.aica.co.jp/company/philosophy/vision/)
・Value Creation 3000 & 300 で掲げたマテリアリティ
2.気候変動対応の取り組み
(1)戦略
2020年度から2022年度にかけて、リスクと機会の特定、これらに対するシナリオ分析を用いた重要度評価・財務インパクト評価を行い、下表の通り整理し、中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」に対応策を組み込みました。
<シナリオ分析の実施概要および結果>
・シナリオ分析の対象範囲
a.移行リスクおよび機会:国内建設市場
b.物理的リスク:当社グループ国内生産拠点
・想定したシナリオの概要
・定量的評価結果および対応策
(2)指標と目標
当社は、温室効果ガス排出量を重要指標と捉えており、各年度のアイカレポート(統合報告書)掲載値に対して第三者保証を取得しております。(温室効果ガス排出量の推移はアイカレポートおよび当社ウェブサイトで公表しています。https://www.aica.co.jp/company/sustainability/environment/data/)
このような認識から、2023年4月に始動した中期経営計画において、2050年度までにスコープ1+2のカーボンニュートラル達成を目指すことを宣言するとともに、2022年度を基準年として、温室効果ガス排出量を2026年度までに14%、2030年度までに30%を総量で削減する目標を掲げました。さらに、2025年5月には2030年度までの削減目標を30%から42%に引き上げました。スコープ3に関しては、海外を含めたグループ全体の排出量を把握した上で、2026年度までにスコープ3排出量削減目標を設定するとともに削減策を立案することをマテリアリティの目標として掲げています。(中期経営計画の詳細については当社ウェブサイトをご覧ください。https://www.aica.co.jp/company/philosophy/vision/)
・目標と実績
3.人的資本経営の基盤構築に向けた取り組み
(1)戦略
<人的資本経営に関する基本方針>
当社では持続的成長を支える根幹は人的資本にあるとの認識のもと、当社ならではのビジネス課題へ対応できる人材の育成・採用に取り組みます。エンゲージメントの高い多様な人材で構成されたイノベーションを生み出す組織基盤を構築します。
人的資本に今中期経営計画で4年累計40億円以上※1を投資し、事業成長を牽引する人材を育成し、イノベーションを生み出す組織・多様な人材を獲得、生産性を向上させる労働環境を構築します。
※1:アイカ工業単体
・人材育成方針
「人材を最も重要な経営資源として捉え、相互理解と成長を通じ、活力あふれる人材・組織を形成する」ことを目指します。
自己能力の啓発と未来志向を強く意識し、社是である「挑戦と創造」に努め邁進する人材を育てます。
・社内環境整備方針
多様な人材が互いを認め合い、誰もが活躍できる環境を構築することにより、会社と従業員がともに成長することを目指します。
従業員は財産であると同時に、重要なステークホルダーであるとの認識のもと、相互理解を深めることを目的とした活動に注力するとともに従業員一人ひとりが存分に力を発揮できる機会の提供と環境整備に努めます。
<重点方策>
人的資本の価値を最大化することを目的に、持続的成長を達成する為のビジネス課題に沿って人材育成・環境整備を行います。
中期経営計画において、「人的資本経営の基盤構築」をマテリアリティの中でも特に注力すべき項目として掲げ、経営指標に人的資本投資額およびエンゲージメントスコアを組み込みました。当社の直面するビジネス課題に対して求められる人材像を整理した上で、「人材育成」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」「エンゲージメント」の3つを重点施策に位置づけました。重点施策に基づき、人的資本に対する投資を積極的に行い、従業員の働きがいの向上、ひいては労働生産性の向上を図り、当社グループの持続的成長を生み出す好循環の活性化を目指します。
・課題認識
・3つの重点施策
a.人材育成
「グローバル人材の育成」「リーダー人材の育成」「プロフェッショナル人材の育成」の3つのテーマに基づき人材を育成します。
b.ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
多様な人材が集まり、個を尊重し認め合い、互いの良いところを活かせる組織を目指します。
c.エンゲージメント
人材の定着、会社と従業員のコミュニケーションを促進し、安心していきいきと働くことができる職場環境を形成します。
(2)主要な指標と目標
以下の目標を2023年4月に始動した中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」に組み込みました。
各項目の課題を考慮した上で、対象範囲を検討した結果、エンゲージメントを除く項目については提出会社であるアイカ工業株式会社単体を対象としました。
・主なKPIと進捗
※1: アイカ工業単体 ※2: 当社グループ全体 ※3:労働生産性=付加価値÷従業員数
※4:2年に一度の実施のため実績なし
(3)独自の取り組みの事例
<グローバル人材の育成>
当社グループにおいて、ビジネスのグローバル化が急速に進む中、当社に海外事業を担える人材が質・量ともに不足していることを課題と認識しており、グローバル人材の育成を強化しています。
2021年度より「English Challenge Program」として、複数の部門より横断的に選抜されたメンバーや将来を担う若手管理職を対象に、英語集中プログラムを実施し、社員のグローバルスキルの向上を図っています。
また英語をはじめとした5か国語を対象に、オンラインレッスンなどの学習ツールを提供しています。これらの取り組みの結果、年に一度全従業員を対象として実施している英語スピーキングテストでは、ビジネス使用の目安となるグレードを獲得する人数が年々増加しています。
海外事業を担う人材を育成することを目的に、社内公募を実施し、選抜された従業員を海外グループ会社へ派遣する海外トレーニー制度を継続しています。今後もこれらの活動を通してグローバル人材を育成します。
<リーダー人材の育成>
将来的に会社を牽引することのできる人材を継続的に育成していく必要があると考え、2023年度よりリーダー人材の育成を強化しています。
2024年度は次期経営層の育成プログラムとして、新たに「次期経営層育成研修」を導入しました。企業組織の経営幹部として、経営管理知識・知見に基づく意思決定や、ステークホルダーに対し説明責任を果たすことのできるスキルを身に付けることを目的とし、経営管理スキルの向上に努めました。
また、課長級の管理職を対象とした「管理職Management+Program」(マネジメントプラスプログラム)を導入しました。複数あるプログラムの中から、各自が強化したいテーマを選定して参加する仕組みとし、管理職のスキル向上を図りました。
<プロフェッショナル人材の育成>
生産・営業・研究・管理部門それぞれの職種で必要なスキルを強化し、プロフェッショナル人材の育成をすることが重要であるとの認識から、2023年度より職種別の専門スキル習得研修を導入いたしました。
生産部門では自律的に改善が進む現場づくりを目指し、2023年度より名古屋工場を対象として「生産職改善眼プログラム」を導入しました。名古屋工場で製品の歩留まりの向上やコミュニケーションの活発化など一定の成果が確認されたため、2024年度から同研修を甚目寺工場・福島工場・丹波工場へと対象工場を広げ実施しています。
研究部門では2023年度より、新たな付加価値を創出し、新しい分野への参入や、事業拡大につながる次世代の基幹技術・商品を開発できる人材の育成を目的とした「商品コンセプトワークショップ」を導入しました。毎年新たなメンバーを選抜し、継続して実施しています。
また営業部門では、提案型営業が重要であるとの認識のもと、必要知識・スキルの習得を目的とした「営業戦略研修」を、中堅社員を対象として実施しています。
<アイカ工業(株) 教育体系図>
<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン>
2013年6月に発足した「女性活躍推進プロジェクト」は、2018年度より「ダイバーシティ推進プロジェクト」に名称を変更し、多様な人材が活躍できる環境の整備を進めてまいりました。
その成果として名古屋市の「女性の活躍推進企業認定制度」や厚労省の「くるみん認定」を継続的に更新取得しております。
女性の育休取得率は100%で推移していますが、男性の育休取得率が低水準であったことから、育休取得促進のための育児休業サポート金など、当社独自の制度を導入し、社内告知活動も積極的に実施いたしました。結果として、2021年度は13.9%であった男性育休取得率も2023年度は59.1%、2024年度は69.7%と目標に向け大きく向上いたしました。2026年度の目標として掲げている70%を前倒しで達成できるよう、取り組みを継続いたします。
並行して、育休復帰前面談による社員のスムーズな育休復帰サポート、保育園の費用補助、ベビーシッター補助券など、両立支援制度を充実させています。
<従業員エンゲージメントサーベイの実施>
価値観の多様化に伴い、従業員の会社に対する考え方や働くことへの意識も変化しています。
会社をさらに発展させるためには従業員のエンゲージメント向上と健康増進に関する取り組みが重要と考えます。
2022年度には、初めて国内外すべてのグループ会社を対象範囲に含めた、「アイカグループエンゲージメントサーベイ」を実施し、5point満点中の3.90Point、という結果でした。
海外グループ会社と比較して、アイカ工業㈱や国内グループ会社のスコアが低いことが確認されました。
2023年度には詳細な課題分析のため、アイカ工業㈱独自のエンゲージメントサーベイを実施し、課題の抽出を行い、教育や福利厚生の充実を図った他、キャリア面談制度を導入するなど改善に向けた施策を講じました。
その結果、2024年度に実施した第二回「アイカグループ従業員満足度調査」では、3.97Pointと前回実施から全体で0.07Pointの向上となりました。またアイカ工業単体では0.2Pointの改善となっています。
現中期経営計画KPI 4.0Pointの達成に向け、引き続き、アイカグループ全体でエンゲージメント向上に取り組んでまいります。
また、健康経営に取り組んでおり、2023年度より継続して「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定を取得しております。
新たに健康管理システムを導入し、健診結果のデータ化を進め、このデータを活用して従業員の健康管理・健康増進への施策を講じていくとともに、今後もワークライフバランスやメンタルヘルスケアの推進により、従業員のエンゲージメントや定着率の向上に努めます。
<定年延長>
社会的課題である少子高齢化の急速な進行と人口減少を背景に高齢者の活躍が期待されています。
現在の当社の年齢別人員構成は、60歳から64歳は約80人と比較的少ない状況ですが、55歳から59歳は約130人、50歳から54歳は約150人、45歳から49歳は約200人と、将来的にシニア層が増加していく見込みです。これを受け、アイカ工業では定年年齢を60歳から65歳へと引き上げることを決定いたしました。
具体的には2025年4月から2年に1歳ずつ段階的に引き上げていき、2033年に完了させる計画です。
定年年齢の引上げと合わせて、60歳以降のシニア人材の報酬も見直すことで、従業員の働きがいの向上、ひいては労働生産性の向上を図り、アイカ工業の持続的成長へと繋がる好循環が生まれることを期待しています。