2023年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

データセキュリティ事業 ネットワークセキュリティ事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
データセキュリティ事業 1,291 36.3 575 51.9 44.6
ネットワークセキュリティ事業 2,268 63.7 532 48.1 23.5

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、サイバーセキュリティ(注1)製品やサービスを自ら開発し製造・販売するセキュリティの総合プロバイダです。

サイバー攻撃(注2)は日々巧妙化し、その脅威はかつてないほどの高まりをみせ、サイバーセキュリティは経営上の最重要課題の一つとなっております。大手企業はセキュリティ対策に多額の予算を投じることができますが、中堅・中小企業は、予算上の制限があり深刻なセキュリティ人材不足という情勢も重なり、セキュリティ対策の最適化が図れていないという問題があります。サイバー攻撃の脅威から中堅・中小企業含め誰でも安全を享受できることは社会的ニーズになっているとも言えます。

当社グループは、「セキュリティの自動化」によって、高水準のセキュリティを誰にでも提供できる社会を創ることをビジョンに掲げております。

当社グループの特徴は、「製品やサービスを自社で開発し、提供できる」「企画から開発、販売までワンストップで提供できる」「セキュリティとネットワークの両視点から対応できるサイバー集団である」の3点が挙げられます。

 


 

 

企業が取り組むべきセキュリティ対策は、幅広く、専門性の高いものです。

全体方針としてまとめる「方針の決定」から始まり、脆弱性を把握し設備を改善する「環境の改善」、セキュリティエンジニア(注3)を養成訓練する「教育/自衛」、サイバー攻撃を監視する「防御の実践」といった多岐に渡る対策が必要です。

当社グループは、このようなお客様が抱えているすべてのセキュリティ課題に対して、その解決策を供給できる「セキュリティの総合プロバイダ事業者」を目指しています。

 


 

当社グループの事業セグメントは、大別するとデータの安全を自動化する「データセキュリティ」とネットワークの安全を自動化する「ネットワークセキュリティ」の大きく二つの事業領域で構成されています。

「データセキュリティ」事業には、

・自社開発のセキュリティ製品を販売する「セキュリティプロダクト事業」

・サイバー攻撃対策をサービスとして提供する「セキュリティサービス事業」

・セキュリティエンジニアや各階層向け教育・訓練を提供する「セキュリティ教育事業」

があります。

 

「ネットワークセキュリティ」事業には、

・ネットワークインフラをすべてクラウドで提供する「ネットワーククラウド事業」

・お客様の要件に沿ったネットワークインフラを個別設計する「インテグレーション事業」

があります。

 

 

<データセキュリティ事業>

① セキュリティプロダクト事業

セキュリティプロダクト事業は、自社開発製品であるALogシリーズを提供する事業です。

ITシステムを構成するあらゆる機器やソフトウエアは、操作や稼働の履歴を「ログ」として出力します。当製品は、これらのログを集め、内部不正防止やサイバー攻撃の自動検知などに活用します。

 


 

ALogシリーズの特徴は、特許を取得している「ログ自動変換技術」です。ログは機器ごとに独自の形式で出力されるので、分析時には複雑多岐にわたるフォーマットを確認する必要があるため多大な時間を要します。あらゆる独自形式のログを一元的に集約して統一フォーマットに変換する技術が自動変換特許技術です。統一フォーマットには、いつ、だれが、どのファイルに、何をしたかという情報を整理して記録するため、記録情報の分析作業が飛躍的に簡素化できるほか、AI解析(注4)のデータセットとしても活用できます。

ALogシリーズは、このようなあらゆる機器のログに対する、収集、変換、整理、集計、AI解析の一連の処理を自動化します。当社は、このようなログ製品領域で高い市場占有率と、累計5,000件超の契約実績を保有しています。

 


 

 

② セキュリティサービス事業

セキュリティサービス事業は、お客様企業のセキュリティ対策を包括的に代行する「セキュサポ」の提供を中心とした事業です。

「セキュサポ」は、ログデータを管理する自社製品であるALogシリーズの強みを生かし、サイバー攻撃や内部不正の監視を行うほか、脆弱性診断(注5)やセキュリティ相談窓口、更にはサイバー攻撃があった際の有事の対応やサイバー保険といった企業が必要な一連のセキュリティ対策を月額固定料金で提供します。

自社製品を活用し、当社エンジニアがリモートで代行提供することにより、低料金で包括的なサービス提供が可能になります。セキュリティ人材が不足する日本では、優秀なセキュリティエンジニアを確保することは難しく、高い人件費も企業の課題の一つになっています。「セキュサポ」は、このようなセキュリティ人材不足や、セキュリティ対策は高額で実施可能な企業が限られるという社会課題を解決するサービスです。

 

③ セキュリティ教育事業

セキュリティ教育事業は、お客様企業の一般社員、経営者、セキュリティエンジニアなどへセキュリティの教育または養成を行う事業です。

現在国内では、このようなセキュリティエンジニアを育成する機関は少なく、セキュリティ人材不足が深刻化する状況を踏まえ、お客様企業のセキュリティエンジニアを育成し、お客様企業自身でセキュリティ対策が行える環境整備が急がれています。当社は、セキュリティ教育事業を推進するにあたり、サイバー先進国であるイスラエルで実戦経験豊富なノウハウを持つ「株式会社サイバージムジャパン」と提携し、サイバーセキュリティトレーニング事業を行っています。

 

 

<ネットワークセキュリティ事業>

① クラウドネットワーク事業

企業内LAN/WAN(注6)で構成されるICT(注7)インフラ環境をクラウドから運用代行するSaaS(注8)サービスです。

企業内にはサーバやパソコンなどの間に、あらゆるネットワーク通信機器がありますが、そのすべての通信機器をクラウド管理センターからリモートコントロール(注9)することができるという新しい分野のソリューションです。従来までは技術者が拠点に出向き、現地で設計・構築作業を行ってきました。

当社の「Network All Cloud」サービスでは、当社がリモートでネットワークを構築・運用するため、技術者が拠点に出向くことなく、ICT環境を構築し、維持できます。

工事現場など開設・撤収頻度が高い建設業様や、出店頻度が高い多店舗チェーンの飲食業様でご活用いただいているほか、テレワーク環境の運用管理としても多くのお客様にご採用いただき4,000社の契約実績があります。

 


 

「Network All Cloud」の特徴は、ゼロトラストネットワーク(注10)に対応していることです。いままでのネットワークは社内のシステムを一度経由することで通信の安全を確保していました。そのため、社内から社外ネットワークへの通信が集中しボトルネックになってしまう問題がありました。ゼロトラストネットワークではオフィスや在宅、外出先など、どこでもインターネットが安全な状態で使えるように、パソコンの中にエージェント(注11)を入れ、危険なインターネット通信をさせないようにします。これにより、通信の安全とボトルネックの解消が両立し、安全で安定したネットワーク環境を提供することができます。

 

② インテグレーション事業

インテグレーション(注12)事業は、お客様個別のニーズに合わせて、オーダーメイドの企業LAN/WANネットワークを提供します。オフィスのサーバ・ネットワーク構築、拠点間接続、テレワーク用のリモートツールなどICT通信インフラネットワークを設計・構築します。主に医療機関関連の実績が多く、院内LANの設計ノウハウを多く所有していることが特徴です。

 

 

[用語解説]
注1 サイバーセキュリティ

企業や団体の情報資産である機密情報や個人情報のデータなどを悪意のある攻撃者から防御するために講じる対策のこと。

注2 サイバー攻撃

コンピューター・システムへの不正なアクセスによって情報の窃盗、流出、改ざん、無効化、破棄を企てる攻撃のこと。

注3 セキュリティエンジニア

ネットワークやシステムをサイバー攻撃から守るエンジニアのこと。

注4 AI解析

継続的な商品やサービスの提供を通じて、継続的に収益を得るビジネスモデルのこと。

注5 脆弱性診断

ネットワークやシステムに弱点となり得るところがないかチェックし、セキュリティ状態を確認すること。

注6 LAN/WAN

LANはLocal Area Network、WANはWide Area Networkの略称。LANは企業内や家庭内などある一定の限定されたエリアにおいて、接続可能なネットワークのこと。WANは、インターネットなど物理的、地理的に離れた地点間をつなぐネットワークのこと。

注7 ICT(情報通信技術)

Information and Communication Technologyの略称。インターネットに代表される、人々がコミュニケーションを図るための通信に関する技術。

注8 SaaS

Software as a Serviceの略称で、「サーズ」または、「サース」と読む。ソフトウエアを利用者側に導入するのではなく、サービス提供者側で導入・稼働しているソフトウエアを利用者がインターネット等を介してその機能を利用するサービス形態のこと。

注9 リモートコントロール

パソコンなどの機器から地理的に別の場所にあるサーバやパソコンを操作すること。

注10 ゼロトラストネットワーク

社内ネットワークと社外ネットワークに区分してセキュリティ対策を講じるのではなく、「何も信頼しない」という前提のもとセキュリティ対策を講じるという考え方のこと。

注11 エージェント

エージェントは、「代理人」を意味し、IT分野では、利用者や他のシステムに代わって、指定された情報を自動的に取得するなど、代理で動作するソフトウエアのこと。

注12 インテグレーション

企業や団体などが利用する通信ネットワークやシステムの設計や構築、運用、保守などの業務を行うサービスのこと。

 

 

[事業系統図]

<データセキュリティ事業>

当事業で販売する製品は、富士通株式会社、NetApp合同会社、デル・テクノロジーズ株式会社などのサーバハードに付帯するセキュリティソフトウエアとしての販売が多く、そのようなハードベンダー、またはそれらを再販売するディストリビュータ(流通業者)などが、主な販売代理店です。

 


 

<ネットワークセキュリティ事業>

当事業では、機器販売売上とクラウドサービス売上があります。初期にネットワーク機器を販売し、その機器を含めた運用をクラウド上から行います。クラウドサービスはサブスクリプション型で毎年継続して契約を必要とします。販売系統は、直接お客様に販売する「直接販売」と販売代理店を経由した「間接販売」があります。間接販売にはOEMもあり、名称を変更して大手ベンダー商品として販売されております。

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績

当連結会計年度における日本経済は、物価上昇、世界的な金融引き締めによる金利や為替変動の影響は注視する必要があるものの、賃上げや雇用の拡大、大幅な設備投資など企業では前向きな支出が増加傾向にあり、緩やかな景気回復が続いております。

 

そのような景気動向の中、サイバー攻撃の多様化・巧妙化に伴い経済産業省は5年ぶりに「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」を改訂し、サプライチェーン全体のセキュリティ対策の必要性を強調しました。安定した企業経営のためにサイバーセキュリティ対策への投資は大手のみならず、全ての企業において急務となっており当社事業に対する社会的な期待や必要性は益々高まっていくものと見込まれます。

このような環境のもと、当社ではデータセキュリティ事業・ネットワークセキュリティ事業ともに企業のセキュリティに関するあらゆるニーズに応えるべく新たにリリースしたサービスが各々好調を維持し、当連結会計年度の売上高は3,559,238千円、営業利益は363,568千円、経常利益は425,416千円となり、以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は325,660千円となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

データセキュリティ事業

主力製品であるログ分析プラットフォーム「ALog」が、円安によって価格が高騰した海外製品と比べて安価で買いやすくなり、サイバーセキュリティ強化の政策後押しもあって、順調にパイプラインを進捗させることができました。同じく、当連結会計年度より新事業として提供を開始した「サイバー攻撃監視代行サービス」や「サイバーセキュリティエンジニア養成サービス」についてもサブスクの継続契約が増加し、当連結会計年度における売上高は1,291,236千円、セグメント利益は575,384千円となりました。

 

ネットワークセキュリティ事業

IT人材の慢性的な不足を背景に、人手を介さずにクラウドで企業ネットワークを構築できる「Network All Cloud」サービスが好調で、CAGR20%を超える販売となりました。従来は、全国に多くの拠点・店舗をもつ外食・小売り系の事業者様への販売が主でしたが、フリーアドレス化を促進する都心オフィスにもニーズが拡大した影響で、顧客数は4,000社を超えました。当連結会計年度における売上高は2,268,001千円、セグメント利益は532,251千円となりました。

 

 

b 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産の合計は3,109,046千円となりました。この主な内訳は、現金及び預金が1,909,790千円、売掛金が394,972千円、原材料及び貯蔵品が516,288千円であります。

当連結会計年度末における固定資産の残高は667,824千円となりました。内訳は、有形固定資産が135,013千円、無形固定資産が181,768千円、投資その他の資産が351,042千円であります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債の合計は1,990,633千円となりました。この主な内訳は、契約負債が1,022,473千円、長期借入金が210,988千円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の合計は1,786,237千円となりました。この主な内訳は、資本金60,912千円、資本剰余金736,409千円、利益剰余金1,179,784千円であります。

 

セグメント別の財政状態は、取締役会が経営の意思決定上、当該情報をセグメントに配分していないことから記載しておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,897,766千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動におけるキャッシュ・フローは528,635千円の収入となりました。

これは、主に税引前当期純利益425,140千円の計上による収入、契約負債の増加145,950千円があった一方で、役員退職慰労引当金の減少140,800千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動におけるキャッシュ・フローは266,569千円の支出となりました。

これは、主に有形固定資産の取得による支出123,358千円、投資有価証券の取得による支出150,855千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動におけるキャッシュ・フローは264,363千円の収入となりました。

これは、主に短期借入金による収入100,000千円、長期借入金による収入131,327千円があったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

b.受注実績

概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

データセキュリティ事業(千円)

1,291,236

ネットワークセキュリティ事業(千円)

2,268,001

合計(千円)

3,559,238

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。

 

(市場販売目的のソフトウエアの減価償却費方法)

当社グループは、市場販売目的のソフトウエアについて、見込販売収益及び販売可能な見込有効期間に基づき、残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分額を減価償却費として計上しております。

見込販売収益は売上成長率及び受注金額等を基礎として見積り、見込有効期間は製品の販売予定期間を踏まえ上限を3年として決定しております。見込販売収益及び見込有効期間は将来の経済状況等によって影響を受ける可能性があり、翌連結会計年度の市場販売目的のソフトウエアの減価償却費の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

② 経営成績の分析
a 売上高

当連結会計年度における売上高は、3,559,238千円となりました。

セグメント別の内訳は次のとおりとなります。

データセキュリティ事業では、長期化する半導体不足の影響によりソフトウエアのライセンス売上が減少したものの、ソフトウエア保守の売上が引き続き堅調に伸長したため、当連結会計年度の売上高は1,291,236千円となりました。

ネットワークセキュリティ事業では、新型コロナウイルス感染症の影響によりリモートワークやWEB会議等新たなビジネススタイルが普及し、それに伴うリモートワーク環境のセキュリティ強化やオフィスのネットワーク環境の整備など引き続きITインフラに対する見直しの需要は継続しました。当社が取り扱うNetwork All Cloud・Ubiquiti製品はネットワークインフラの市場ニーズにマッチし、堅調なインバウンドリードの創出、及び顧客獲得につなげることができました。そのため、ネットワークセキュリティ事業の当連結会計年度の売上高は伸長し、2,268,001千円となりました。

b 売上原価、売上総利益

当連結会計年度における売上原価は、1,843,536千円となりました。これはNetwork All Cloudの売上伸長に伴うアクセスポイントなどの部材費の出庫増加、及び材料高騰化によるものの他、労務費の増加によるもの等になります。この結果、売上総利益は1,715,701千円となりました。

c 販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,352,132千円となりました。これは主に、従業員の増員による人件費の増加のほか、「ALog Cloud」の研究開発費が増加したことによるものです。この結果、営業利益は363,568千円となりました。

d 営業外損益、経常利益

当連結会計年度における営業外損益は、急激な為替変動に備えた外貨預金の為替差益等により営業外収益が63,601千円となりました。また営業外費用は、自己株式の買付手数料の計上等により1,753千円となりました。この結果、経常利益は425,416千円となりました。

e 特別損益、当期純利益

当連結会計年度における特別損益は、特別損失が276千円となりました。これは有形固定資産除却損276千円を計上したことによるものであります。また法人税等は99,480千円となりました。この結果、当期純利益は325,660千円となりました。

 

③ 財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b 財政状態」に記載の通りであります。

 

④ キャッシュ・フローの分析

前述の「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製造・開発活動に係る人件費及び外注費、販売費及び一般管理費の広告宣伝費用等による運転資金であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金でまかなうことを基本として、必要に応じて金融機関から調達を実施する方針であります。

また、資金の流動性については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,909,790千円あり、事業運営上、必要な資金は確保されていますが、今後も十分な流動性を維持していく考えであります。

 

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

(1) 報告セグメントの決定方法

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。当社グループは、製品・サービス別に各事業部にて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。従って、当社グループは事業部を基礎とした製品・サービス別セグメントから構成されており、「データセキュリティ事業」及び「ネットワークセキュリティ事業」の2つを報告セグメントとしております。

 

(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

① データセキュリティ事業

ログ管理ソフトウエア製品の開発・販売・製品の保守サービス、運用サービス及び情報セキュリティマネジメントシステムの構築、監査、運用支援サービスを提供しております。

② ネットワークセキュリティ事業

ネットワークセキュリティシステムのコンサルティングや設計・構築・運用代行サービス、クラウドネットワークサービスの開発・販売を行っております。また、ネットワークセキュリティシステムの構築やサービス提供のため、ネットワーク機器の販売やレンタルを行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。なお、セグメント間の内部取引は発生しておりません。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失の金額に関する情報及び収益の分解情報

当連結会計年度(自 2023年1月1日日 至 2023年12月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額
(注)1,2

合計

(注)3

データ
セキュリティ
事業

ネットワーク
セキュリティ
事業

売上高

 

 

 

 

 

一時点で移転される財又は
サービス

515,809

1,019,533

1,535,343

1,535,343

一定の期間にわたり移転
される財又はサービス

775,426

1,248,468

2,023,895

2,023,895

顧客との契約から生じる
収益

1,291,236

2,268,001

3,559,238

3,559,238

外部顧客への売上高

1,291,236

2,268,001

3,559,238

3,559,238

セグメント間の内部売上高
又は振替高

1,291,236

2,268,001

3,559,238

3,559,238

セグメント利益

575,384

532,251

1,107,636

△744,067

363,568

セグメント資産

242,194

242,194

3,534,676

3,776,870

その他の項目

減価償却費

56,040

30,759

86,800

21,190

107,991

 

(注) 1.セグメント利益の調整額△744,067千円は各報告セグメントに配分していない全社費用であります。なお、全社費用は主に報告セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費であります。

2.セグメント資産の調整額3,534,676千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。

3.セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

全社・消去

合計

データ
セキュリティ
事業

ネットワーク
セキュリティ
事業

当期償却額

当期末残高

56,473

56,473

56,473

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。