事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
HR事業 | 238 | 39.5 | -22 | - | -9.2 |
教育事業 | 309 | 51.2 | 98 | - | 31.7 |
プラットフォーム/Web3事業 | 56 | 9.3 | -147 | - | -262.5 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、企業の経営や人事が人的資本の価値を高める上で抱える課題を定量的に明確化すること、学校教員が課題に感じている学生の創造力や協調性などの能力をAIでバイアスを軽減し評価・教育すること、こうして定量化された120万人を超える人材の能力関連データをブロックチェーンなどの技術を中心に活用する事業を、日本のみならず世界で行っています。こうした活動により、ビジョンに掲げている「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる。」を実現し、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことが当社グループの企業パーパスです。その結果として、当社サービスが個人と組織のエンパワーメント(*)を支援し、Society5.0(*)時代の世界の産業データ基盤につながっていくと確信しています。当社グループのこうした事業内容は、SDGsで掲げられる17の目標のうち、特に、「4. 質の高い教育をみんなに」、「5. ジェンダー平等を実現しよう」、「8. 働きがいも経済成長も」、「10. 人や国の不平等をなくそう」につながります。
わが国では、長らく企業も学校も戦後レジームの中で、学歴という単一の評価軸に極端に頼った運営をしてきました。結果として、企業は人材採用や昇進に学歴を多用し、それを知る学校や保護者は高い学歴を求める。一方で、学歴が高いとされる大学は、現状にあぐらをかき、教育や入試のあり方を変えてこなかったのです。こうした中、企業の経営や人事で学歴依存から脱却し、企業戦略を実現する人的資本の向上に取り組みたいところが増えてきました。国も後押しし、有価証券報告書に人的資本関連情報を組み込むことも追い風となっています。また、学校の先生方、先駆的な自治体においても、生成AIなどのテクノロジーが急速に進歩する中、長らく変わらない、記憶力や計算力に偏った大学入試に最適化された教育から脱却し、子供たち一人ひとりの個性を大切にし、多様な能力を育む評価と教育に舵を切ろうとしています。
当社グループは、こうした企業の経営や人事、学校の先生方や自治体の変革を、テクノロジーの活用で行うことを目指してきました。多面的な能力を公平に評価する「GROW」を2016年に開発し、2017年以降AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質(*)・コンピテンシー(*)・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を企業の人事領域に拡大して参りました。幅広い業種の多階層(職種×職位)における人材の評価データが蓄積されたことから、採用など人事の一領域に限らず戦略的人事(*)分野での応用を進め、2019年には教育現場に向けて同様の人材評価システム「Ai GROW」の提供を開始しました。さらに2020年以降、今後ESGが進展し、持続的社会の実現に向けて、企業とステークホルダーの関係が変化し、個人が自ら情報を管理・利活用する方向に変化を遂げる中で、当社サービスがそのインフラとなることを目指して、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターと共同で、個人が主体的かつ安全に自分自身のデータの利活用ができることを目的にブロックチェーン(*)技術を応用したプラットフォームの実証(2023年3月までの3年間)を実施。そして2023年10月より、その成果や知見を発展させた無償の学びと転職支援を一体化したサービス「ONGAESHIプロジェクト」を開始しました。そして、2024年度からはそこでのブロックチェーンに関する知見を利用したコンサルティングなどのサービスも手がけています。
当社基幹システム「GROW」は、回答者自身の気質(性格)を潜在的な認知バイアス(*)を除去して正確に測る技術(特許取得)や、他者による評価を補正し忖度などの評価におけるバイアスを除去するためのAIアルゴリズム(特許取得)に強みがあり、公平で一貫した評価を行えることから、ハーバード・ビジネス・スクールのPeople Analytics(*)に関する代表ケースとしても取り上げられています(2017年8月25日「GROW: Using Artificial Intelligence to Screen Human Intelligence」)。また、ケンブリッジ大学や慶應義塾大学などとの共同研究をベースにして産官学連携でサービス開発に取り組んでおり、国内の大手企業や先進的な取り組みを行う学校法人のみならず、国際機関や海外の政府機関などでの導入実績があります。
当社グループは、人材評価・育成支援に関するアセスメントサービスおよび、ブロックチェーンを活用したWeb3関連事業を展開しています。これらの事業において、独自のアルゴリズムや技術要素を活用したプロダクト開発を進めており、知的財産の確保を通じて競争優位性の構築を図っています。
現在、日本国内において5件、海外(アラブ首長国連邦)において1件の特許を取得しており、主な技術分野は以下のとおりです。
・潜在意識を推定する心理測定技術(IAT(*))に関するシステム
・公正で効率的な人事評価を支援するためのアルゴリズム
・採用情報等の個人データを安全かつ分割管理するブロックチェーン活用技術
・評価結果の定量的な提示を可能にする人物評価支援技術
・NFT技術を用いた学習・職歴等の履歴管理に関する情報処理技術
これらの知財は、当社グループの中核サービスにおける技術的差別化を可能とするものであり、今後の新規事業開発や海外展開においても、重要な戦略的資産として位置付けています。
特許名称 |
事業との関連性(事業の内容文脈) |
潜在意識推定システム(日本・アラブ首長国連邦) |
人材の心理特性可視化に基づくマッチング支援、アセスメント技術の中核要素 |
人事評価サポートシステム(日本) |
人事評価の自動化・定量化による業務効率化と制度の透明性向上 |
情報管理装置(日本) |
採用・評価データの個人情報保護を目的とした、ブロックチェーン技術による安全な分割・管理手法 |
人物評価支援システム(日本) |
人材アセスメントの精度向上、定量的な人物比較を可能にするシステム |
情報処理システム(日本) |
学習履歴・職務履歴情報をNFT等で証明・管理しつつ、プライバシー保護を図るWeb3型人材サービスを支援 |
当社グループの主なサービスと、各事業の内容は以下のとおりです。また、次の各事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1)HR事業
HR事業では、企業の人材採用・育成・配置・組織開発を、人材評価システム、人的資本に関するコンサルティング、DX研修など、多岐にわたるサービスを組み合わせて支援しています。特に、AIによってバイアスを補正した人材評価データを取得、分析し、データに基づく戦略人事を可能にする点に強みを持っています。当社の事業を取り巻く環境として、政府が推進する「人への投資」の流れは一層強固なものとなっています。政府が現在策定中の『経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針2025)』の原案においても、物価上昇を上回る持続的な賃上げが最重要課題とされ、その実現に向けた「三位一体の労働市場改革」を継続・強化する方針が明確に示されています。特に、「リスキリングによる能力向上支援」、「個々の企業の実態に応じた職務給(ジョブ型人事)の導入」、「成長分野への労働移動の円滑化」は、企業の持続的成長の鍵であり、当社がソリューションを提供する人事評価・育成市場は、引き続き良好な事業環境が継続し、更なる拡大を見込んでおります。
当社のサービスは、新卒採用の支援から、大企業の事業戦略に不可欠な組織開発、さらには人的資本経営の実現まで、幅広く展開しております。このため、従来の人事部との連携に加え、現在では経営企画部や、企業価値向上の観点から人的資本情報を重視する財務・IR部門など、経営層との直接的な連携が深化しています。こうした経営層との連携強化は、顧客満足度の向上に繋がり、事業の安定性を高めています。これを表す指標として、2025年3月期の既存顧客のリピート率は、前年度の61%から66%へと向上しました。
なお、主要なサービスは以下のとおりです。
① GROW360
「GROW360」は、AI技術を駆使した次世代型の人材評価システムです。最大の特徴は、特許を取得した2つのコア技術にあります。第一に、評価に費やした時間や評価傾向などを基に、AIアルゴリズムが評価データのバイアスを自動で是正します。第二に、質問への無意識の反応速度を分析する技術(IAT)を用いて、受検者本人も意識していない潜在的な性格を客観的に分析します。
これにより、お客様は従来、特定の管理職層などに限定されがちだった360度評価を、全社員を対象に一人あたり4,000円以下という価格で公平かつ一貫性をもって実施できます。近年、企業の持続的成長の鍵である「ワークエンゲージメント」を高める上で、従業員が納得できる「評価の公平性」は極めて重要な要素となっています。また、ダイバーシティ&インクルージョン推進においても、評価プロセスに潜む「無意識のバイアス」は大きな障壁となります。GROW360は、AIによるバイアス補正を通じてこれらの経営課題を根本から解決し、客観的データに基づく公正な評価制度の構築を支援することで、顧客企業のニーズを捉え、導入されています。
「GROW360」のユーザー(登録アカウント)数は 89.3万人、累計他者評価件数は 7,993万件(2024年度末時点)となっています。
さらに、三井住友信託銀行との業務提携も順調に進展しており、同行の幅広い取引先企業へのサービス提供を通じて、新たな顧客基盤の開拓を進めております。
② 人的資本理論の実証化研究会
人的資本理論の実証化研究会(Human Capital and Corporate Value)は、人的資本投資のROI(投資対効果)を科学的に解明し、企業の戦略的な意思決定と情報開示を支援することを目的としています。2023年3月期から「人的資本の情報開示」が義務化されたことを背景に、経営者・投資家双方にとって価値のあるデータを提供すべく発足しました。
当研究会は、ノーベル経済学者ゲーリー・ベッカー氏が提唱した理論に基づき、人的資本を「能力」と定義しています。従来、測定・定量化が困難であったこの「能力」を、当社の360度人材評価システム「GROW360」を用いて可視化し、一橋大学 小野教授の監修のもと、参画企業の多様な人材能力データと財務データを統合的に分析し、企業価値向上に繋がる人材戦略モデルの構築に取り組んでいます。
その研究成果は、参画企業における具体的な人事施策や、投資家向け開示情報の高度化に活用されており、2024年度は18社が本研究会に参画しています。
(2)教育事業
教育事業では、AI等の先端技術を活用し、生徒一人ひとりの能力や学びの成果を可視化することで、個別最適な学びの実現と教員の働き方改革を支援する教育ソリューションを提供しています。当社の先端技術を活用した取り組みは、継続的に公的な評価を得ています。現在、文部科学省の「令和6年度 次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業」に採択され、生成AIを活用した新たな探究指導モデルの開発・実装に取り組んでいます。また、経済産業省の探究学習支援に関する補助金についても、2024年度に引き続き、2025年度の交付対象として決定しています。
文部科学省が推進するGIGAスクール構想(*)により、教育現場のICT環境は飛躍的に向上し、当社のデジタル教材や評価システムの活用基盤は全国的に確立されました。
このような環境下、特に主力サービスである「Ai GROW」は、教員の業務負担を大幅に軽減し「働き方改革」に直接貢献できる点が高く評価されています。この「Ai GROW」の順調な成長に加え、株式会社JTBとの共同開発による探究・キャリア教育プログラム「J’s GROW」も導入校数の増加に寄与し、2024年度の総顧客数は463校(前年同期は370校)に到達。個別の学校法人だけでなく、株式会社内田洋行との共同開発による「AiGROW Lite」を通じて、自治体や教育委員会単位での広域導入も本格化しています。
さらに、国内で培ったノウハウを基に、グローバル展開も加速させています。昨年度に引き続きADB(アジア開発銀行)やERIA(東アジアASEAN経済研究センター)と非認知能力に関する国際共同研究を行う一方、ヤマハ株式会社との連携によるコロンビア市場での「Ai GROW」展開や、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を通じたインドでのネットワーク整備など、海外での事業基盤構築を本格化しています。
なお、主要なサービスは以下のとおりです。
① Ai GROW
「Ai GROW」は、当社のHR事業で実績のある人材評価システム「GROW360」を基盤に、学校・教育機関向けに最適化したシステムです。360度コンピテンシー評価と気質診断により、生徒一人ひとりの能力や可能性、さらには多様な教育活動の効果を可視化します。これにより、カリキュラム設計から日々のクラス運営、進路指導に至るまで、データに基づいた多面的な教育支援を実現します。特に、蓄積された評価データを基に生成AIが所見作成の支援や個別学習アドバイスの素案を生成することで、教員の働き方改革と個別最適な学びを一層強力に推進します。GROW360と共通の尺度を用いることで、子どもから社会人まで一貫した評価軸で個人の成長を捉えることができる点が、当社の最大の強みです。
当社が主なターゲットとする国内の小中高生(小学校4年生~高校3年生)の市場規模は、最新の公的統計によると約950万人にのぼります。この大きな成長機会の中、Ai GROWは1年間利用可能なサブスクリプションモデルとして提供しており、2024年度末時点での累計ユーザー数は30.9万人、累計他者評価件数は8,797万件に達しています。
② GROW Academy
生徒のコンピテンシーを伸ばすための動画コンテンツと学習指導案、ワークシートを、生徒の人数に関わらず、学校単位で提供しています。生徒のコンピテンシーを伸ばすためのフレームワークを、学校生活を舞台に設定したアニメ形式の動画で分かりやすい事例を交えて習得することができます。カリキュラムや生徒の習熟度に応じて自由に組み合わせて利用でき、指導案も完備しています。Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められているコンピテンシー・ベースの教育を実現できるコンテンツ構成です。
③ 探究力測定パッケージ
探究型学習の教育効果を可視化するための評価「探究力測定」、地域活性化×最先端テクノロジーをベースにした探究学習プログラム「社会実装シミュレーション型プログラム」、探究レポートの「探究Navigator」をパッケージあるいは単体のサービスとしてスポット型で提供しています。Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められている探究型学習の成果を総合的に評価・教育することができます。
④ e-Spire
TOEFL®テストの構造に沿って設計されたオンライン英語学習プラットフォームです。VOCABULARY、READING、LISTENING、WRITING(AIによる自動判定付き)の4つのユニットで構成されています。各ユニットには単語や表現を限定した入門・初級レベルから英語の母語話者に近い上級レベルまで幅広い難易度の問題を用意しています。生徒は各自の英語力や学習ペースに合わせて、豊富な演習問題とトレーニングに自由に取り組むことができます。
(注)上記の顧客数は、サービス別で有償利用校数をカウントし、合算した延べ数(自治体案件なども学校ごとに個別カウント)。
(3)プラットフォーム/Web3事業
ブロックチェーンという価値交換のインフラは、2010年以降世界で着実に広がり続けてきました。そして、米国でトランプ大統領就任後は、ブロックチェーン上での様々なビジネスを一気に加速。遅れていた日本においても大手企業を中心に、ブロックチェーンを活用したサービスを開発する動きが活発化させています。
当社グループはこうした事業を世界で大きく広げることに向けた中長期的な戦略に基づき、2023年4月に暗号資産関連事業を行うことを目的に100%子会社であるONGAESHI Corporationを設立し、10月には「STARプロジェクト」(*)の後継として「ONGAESHIプロジェクト」をローンチしました。当社グループが出資するシンガポール法人BOUNDLESSEDU PTE.LTD.などとも共に、本プロジェクトのエコシステムを広げる活動に従事しています。
本活動により、将来的に本プロジェクトが生み出す経済圏のトークンが上場する際には、トークンが分配されることによる利益が見込まれます。
さらに足元で、これまでの事業を基盤としたブロックチェーンを活用するアドバイザリーサービスの提供を大手企業に始めています。
<事業系統図>
当社の事業系統図は、以下のとおりであります。既存のHR・教育の2事業においては、企業や学校が直接の顧客となり、その社員や生徒がユーザーとなるビジネスモデルです。
用語集
用語 |
用語の定義 |
エンパワーメント |
個人や組織が本来持っている潜在能力を引き出し、発揮させること。「権限委譲」や「能力開花」と訳される。社員に自発的な行動や判断を促し、本来持っている能力を発揮させることで、意思決定の迅速化や組織力の向上などが期待できます。 |
Society 5.0 |
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと。第5期科学技術基本計画(2016年度~2020年度)において、我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された(出所:内閣府)。 |
気質 |
パーソナリティー。本人も認識できない生まれ持った潜在的な性格のこと。当社では、IAT(潜在連合テスト)技術を活用し、時間差・指の軌跡・間違いの回数などを基に、BIG5と呼ばれる最も代表的なパーソナリティ理論に基づいて気質診断を行います。 |
コンピテンシー |
思考力や判断力、創造力や表現力など個人の行動特性のこと。一般的に経験によって上がっていき、開発が可能な能力のことを指します。当社では、東京大学中原淳研究室(当時)と共同開発したコンピテンシーフレームワーク&モデルをもとに、最低3人からの360度評価に基づいて、25項目(認知・自己・他者・コミュニティの4領域)を測定します。 |
戦略的人事 |
労務管理、給与計算などの管理やオペレーション業務だけでなく、自社の経営戦略の実現に向けて、人的マネジメントを行っていくこと(出所:HRプロ)。 |
ブロックチェーン(BC) |
インターネット上に構築された価値交換のための基盤技術のこと。通貨や不動産、株式やライセンスなどの価値(資産)をインターネット上で特定の管理者を介することなく安全かつ安価に取引できるようにする仕組み。 |
認知バイアス |
不合理な判断に繋がる、先入観や直感、願望などによる思考の偏りのこと。当社では、IAT技術の活用により、気質以外にも幅広い対立概念に対する認知バイアスの測定が可能で、実際にデジタル-リアルへの親和性などを測定するサービスを提供しています。 |
People Analytics |
人事に関する情報や数字を収集、分析し、客観的なデータを用いて、採用や教育、評価など一連の人事業務の意思決定に活用すること(出所:HRプロ)。 |
IAT |
Implicit Association Test(IAT、潜在連合テスト)は、社会心理学の分野において心的表象と対象物及び対象概念との潜在的な関連の強さを測る手法として、アンソニー・グリーンワルド、デビー・マギー、ジョーダン・シュワルツによって1998年に開発されました。偏見、固定観念、差別を見極めるための手法として、被検者の自己分析よりも信頼性の高い指標と考えられています。 |
GIGAスクール構想 |
児童生徒1人1台端末の整備及び校内通信ネットワークの整備によって、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させるために、文部科学省が2019年12月に発表した取り組み。 |
STARプロジェクト |
ブロックチェーン技術を用いて個人が主体的かつ安全に自らの情報をコントロールするシステム(BCシステム)を構築し、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターと共同で、学校、企業、自治体などでの個人情報の利活用を広げ、AIを活用することで教育・キャリア形成・人材育成支援を強化する実証事業。12団体の参画、8,671名の登録者、参画企業への採用選考参加400名を持って、2023年3月に無事に3か年の実証が完了いたしました。 |
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産は、768,846千円となり、前連結会計年度末に比べ323,410千円減少しました。これは主に、現金及び預金が310,045千円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、64,029千円となり、前連結会計年度末に比べ13,670千円減少しました。これは主に、未払金が4,887千円、未払費用が3,814千円、前受金が1,926千円、預り金が4,670千円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、704,817千円となり、前連結会計年度末に比べ309,739千円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が207,902千円減少したことによるものです。なお、減資及び欠損填補により、資本金が47,135千円、資本準備金が81,295千円減少し、利益剰余金が128,430千円増加しております。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が高水準を維持し、人材需要も全般的に堅調であるなど、緩やかな回復基調を示しました。一方で、日米金利差の拡大や米国の関税政策に起因する貿易摩擦、ガザ・ウクライナ情勢に伴う地政学リスクの高まりなどにより、企業の投資姿勢は慎重さを増し、不透明な経営環境が続きました。
当社グループは、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」をパーパスとし、個人の能力を科学的に「見える化」し、その成長を支援するサービスを提供しています。具体的には、能力データを活用した学習教材や研修プログラムを学校・企業・自治体等に展開するとともに、個人が自身の能力データを安全に管理・活用できる次世代プラットフォームの構築にも注力しており、Web3技術を通じて、個人と組織の可能性を広げることを目指しております。
人的資本投資については、2024年3月期より有価証券報告書における開示要件が拡充され、定量的情報開示の進展が見られましたが、実際の投資行動はなお限定的であり、人材採用や研修関連領域ではコスト抑制の動きが顕著となりました。その結果、当社のHR事業においても顧客企業の需要低下の影響を受け、一時的に業績が低迷いたしました。米国においてESG投資を巡る議論が分かれる一方、インパクト投資への注目が一層高まり、人的資本に対する期待が長期的には拡大する兆しを見せています。当社グループはこうした中長期的な市場動向を踏まえ、今後の持続的成長の基盤を整えるため、人材評価・育成サービスにおけるテクノロジー活用と、将来的な収益性改善に向けた取り組みを着実に進めています。
教育市場においては、新学習指導要領を履修した第一期生が2025年度に卒業期を迎え、「探究的学習」と必修科目「情報Ⅰ」が定着しつつあり、大学入試でも探究型出題が拡大するなど、探究力とデジタルリテラシーへの需要が一段と高まっています。さらに、文部科学省・経済産業省等による「教育データの利活用」や「個別最適な学びの実現」に向けた政策支援が加速しており、各種補助金・実証事業を通じたEdTechの社会実装が進展しています。特に、生成AIや教育ビッグデータを活用した次世代教育モデルへの期待が高まる中、教育市場におけるデジタル評価ツールやオンライン学習サービスへの関心も拡大傾向にあります。当社グループはこうした市場環境の変化に対応し、学校・自治体・教育関連事業者との連携を強化し、データドリブンな教育支援の拡大を目指しています。
暗号資産市場では、ビットコインやイーサリアムETFが米国証券取引委員会(SEC)によって承認され、さらに、米国大統領に再就任したドナルド・トランプ氏の政策的支援も追い風となり、市場の活況が期待されています。当社グループはブロックチェーン技術を活用した新規事業開発に取り組むことで、人材領域における一時的な業績低迷を補完するべく、新たな成長機会の創出に注力しております。
売上高におきましては、想定と異なる市場環境やプロダクト上の課題に直面し、当初計画していた戦略を十分に適用できない状況が生じました。加えて、事業環境の変化に迅速に対応するための戦略転換が遅れたことや、これに伴う社内体制の再構築が期待された効果を十分に発揮しなかったことにより、前年同期比で減収となりました。
コスト面におきましては、「GROW360」「Ai GROW」のAI精度向上や機能拡充、多言語対応、UI/UX改善等のソフトウエア開発及び研究開発活動や、サービス向上のためのマーケティング活動に加えて、人的資本(能力)の最大化に向けた人財戦略投資にも継続して取り組んでおります。一方で、テレワークを推奨し、コスト最適化に努めました。
この結果、当連結会計年度の売上高は602,926千円(前年同期比34.2%減)、営業損失303,135千円(前年同期は営業損失21,667千円)、経常損失295,946千円(同 経常損失21,012千円)、親会社株主に帰属する当期純損失336,333千円(同 21,171千円)となりました。
セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。
なお、報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益(又は損失)は、営業利益(又は損失)ベースの数値であります。
HR事業
HR事業では、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大手企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、2023年3月期から3年連続で産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」を運営支援しております。しかし、新プロダクトの品質・納期トラブルにより当連結会計年度の当プロダクトでのサービス提供を断念したことや研究会の参画企業数の減少等により、売上高が減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は238,249千円(前年同期比30.4%減)、セグメント損失は21,895千円(前年同期はセグメント利益130,209千円)となりました。
教育事業
教育事業では、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「Ai GROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」、株式会社JTBと開発した教育効果システム「J’s GROW」、株式会社内田洋行と開発した「Ai GROW Lite」を提供しております。経済産業省の「働き方改革支援補助金2024」、文部科学省の「最新先端技術及び教育データ利活用に関する実証事業」にも採択されました。また、国際機関との連携によるアジア地域での非認知能力に関する共同研究、ヤマハ株式会社との連携によるコロンビアやインドをはじめとした国外市場における「Ai GROW」での海外展開を推進しております。
この結果、当セグメントの売上高は308,698千円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益は97,862千円(前年同期比2.5%減)となりました
プラットフォーム/Web3事業
Web3領域における市場環境の追い風を受け、2027年3月期でのIEOを目指して事業を推進しております。人材育成・採用一体型の「ONGAESHIプロジェクト」による転職支援サービスを提供するとともに、当プロジェクトの海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」に対し、資金調達を目的とした匿名組合出資を行い、当法人と連携し、コンサルティングサービスの展開を行っています。また、秘密計算、ゼロ知識証明といった先端技術への取組みを強化しております。しかしながら、転職支援サービスについては外部環境の変化等により想定通りに進捗せず、また、前年同期にシステム売却による売上高を計上した影響により、売上高は減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は55,978千円(前年同期比80.0%減)、セグメント損失は146,920千円(前年同期はセグメント損失38,912千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて310,045千円減少し、321,597千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、225,078千円(前年同期は258,562千円の使用)となりました。これは主に、減損損失の計上38,096千円、売上債権の減少額92,253千円があったものの、税金等調整前当期純損失の計上334,043千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、83,946千円(前年同期は26,084千円の使用)となりました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入26,000千円があったものの、ソフトウエア開発に伴う固定資産取得による支出15,258千円、投資有価証券の取得による支出75,000千円、暗号資産の取得による支出19,687千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、1,022千円(前年同期は2,662千円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の発行による収入450千円があったものの、新株予約権の発行による支出1,590千円があったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|||
受注高 (千円) |
前期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前期比 (%) |
|
HR事業 |
252,469 |
84.3 |
29,471 |
193.2 |
教育事業 |
302,824 |
92.4 |
130,047 |
95.7 |
プラットフォーム/Web3事業 |
57,247 |
20.2 |
4,158 |
143.9 |
合計 |
612,540 |
67.3 |
163,677 |
106.2 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
HR事業 |
238,249 |
69.6 |
教育事業 |
308,698 |
104.8 |
プラットフォーム/Web3事業 |
55,978 |
20.0 |
合計 |
602,926 |
65.8 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
金額 (千円) |
割合 (%) |
金額 (千円) |
割合 (%) |
|
BOUNDLESSEDU PTE.LTD. |
250,000 |
27.3 |
32,405 |
5.4 |
経済産業省 |
99,673 |
10.9 |
59,271 |
9.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は602,926千円(前年同期比34.2%減)となりました。セグメント別の売上高については次のとおりとなっております。
HR事業
HR事業では、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大手企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、2023年3月期から3年連続で産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」を運営支援しております。しかし、新プロダクトの品質・納期トラブルにより当連結会計年度の当プロダクトでのサービス提供を断念したことや研究会の参画企業数の減少等により、売上高が減少いたしました
この結果、当セグメントの売上高は238,249千円(前年同期比30.4%減)となりました。
教育事業
教育事業では、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「Ai GROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」、株式会社JTBと開発した教育効果システム「J’s GROW」、株式会社内田洋行と開発した「Ai GROW Lite」を提供しております。経済産業省の「働き方改革支援補助金2024」、文部科学省の「最新先端技術及び教育データ利活用に関する実証事業」にも採択されました。また、国際機関との連携によるアジア地域での非認知能力に関する共同研究、ヤマハ株式会社との連携によるコロンビアやインドをはじめとした国外市場における「Ai GROW」での海外展開を推進しております。
この結果、当セグメントの売上高は308,698千円(前年同期比4.8%増)となりました。
プラットフォーム/Web3事業
Web3領域における市場環境の追い風を受け、2027年3月期でのIEOを目指して事業を推進しております。人材育成・採用一体型の「ONGAESHIプロジェクト」による転職支援サービスを提供するとともに、当プロジェクトの海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」に対し、資金調達を目的とした匿名組合出資を行い、当法人と連携し、コンサルティングサービスの展開を行っています。また、秘密計算、ゼロ知識証明といった先端技術への取組みを強化しております。しかしながら、転職支援サービスについては外部環境の変化等により想定通りに進捗せず、また、前年同期にシステム売却による売上高を計上した影響により、売上高は減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は55,978千円(前年同期比80.0%減)となりました。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は、主に人件費245,043千円、外注費91,910千円の計上により、405,803千円(前年同期比17.6%増)となりました。この結果、売上総利益は197,122千円(前年同期比65.5%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は、主に人件費225,956千円、広告宣伝費及び販売促進費52,389千円、支払報酬81,020千円の計上により、500,258千円(前年同期比15.7%減)となりました。
この結果、営業損失は303,135千円(前年同期は営業損失21,667千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外収益は、主に補助金収入18,991千円の計上により19,258千円(前年同期は805千円)となりました。
営業外費用は、主に暗号資産評価損10,331千円の計上により12,069千円(前年同期は151千円)となりました。
この結果、経常損失は295,946千円(前年同期は経常損失21,012千円)となりました。
(特別損益、法人税等合計、当期純損失)
特別利益は、発生しておりません(前年同期は発生なし)。
特別損失は、減損損失の計上により38,096千円(前年同期は発生なし)となりました。
法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税の計上により2,290千円(前年同期は158千円)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は336,333千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失21,171千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、ソフトウエア開発に係る外注費、販売費及び一般管理費の営業費用であり、現在、運転資金は自己資金で賄っておりますが、キャッシュ・フローの安定化及び財務基盤の強化を目的として、資本提携を含む他企業との戦略的な提携関係の構築や、金融機関からの借入等、多様な資金調達手段について協議しております。これにより、将来の事業環境の変化に柔軟に対応可能な体制の整備を図るとともに、持続的な成長に向けた経営の安定性確保に努めてまいります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は321,597千円であり、当社グループの事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のための客観的な指標として、売上高、営業利益の成長性を重視しております。
HR事業では、売上高を「顧客企業数」×「顧客あたりの売上」と捉え、高い売上高成長率の継続に向けて、「顧客数の最大化」と、「複数階層・全社利用や複数のサービスの提供による顧客あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。
教育事業では、売上高を「採用学校数」×「顧客あたりの売上」と捉え、売上高と営業利益の両方で高い成長率を継続するべく、特に「採用学校数の積み上げ」と、「複数のサービスの提供による学校あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。
プラットフォーム/Web3事業は、事業の立ち上げ期であり、短期的には計画どおりに事業を進めることを最優先に取り組んでまいります。
セグメント別の各指標の推移は以下のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|||
売上高 (千円) |
増減率 (%) |
営業利益又は損失(△) (千円) |
増減率 (%) |
|
HR事業 |
238,249 |
△30.4 |
△21,895 |
- |
教育事業 |
308,698 |
4.8 |
97,862 |
△2.5 |
プラットフォーム/Web3事業 |
55,978 |
△80.0 |
△146,920 |
- |
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの将来の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。また、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めてまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
「HR事業」は、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」の運営支援を行っております。
「教育事業」は、生徒の能力と教育効果を可視化する評価システム「Ai GROW」、生徒の非認知能力(コンピテンシー)育成のための動画コンテンツ及びシミュレーション型起業家トレーニング教材を備えた「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」、株式会社JTBと開発した教育効果システム「J’s GROW」を提供しております。
「プラットフォーム/Web3事業」は、人材育成・採用一体型の「ONGAESHIプロジェクト」による転職支援サービスを提供するとともに、当プロジェクトの海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」と連携し、コンサルティングサービスの展開を行っています。
2 報告セグメントごとの売上高、利益、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
報告セグメント |
調整額(注)1 |
連結損益計算書計上額(注)2 |
|||
|
HR事業 |
教育事業 |
プラットフォーム/Web3事業 |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
342,399 |
294,430 |
280,125 |
916,955 |
- |
916,955 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
計 |
342,399 |
294,430 |
280,125 |
916,955 |
- |
916,955 |
セグメント利益又は損失(△) |
130,209 |
100,368 |
△38,912 |
191,664 |
△213,331 |
△21,667 |
セグメント資産 |
27,651 |
5,613 |
- |
33,264 |
1,058,992 |
1,092,256 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
2,890 |
1,825 |
- |
4,716 |
104 |
4,820 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
27,404 |
3,837 |
- |
31,241 |
- |
31,241 |
(注)1.セグメント利益又は損失(△)の調整額△213,331千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失(△)と調整を行っております。
3.セグメント資産の調整額1,058,992千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金(現金及び預金)であります。
4.セグメント負債は、最高意思決定機関が経営の意思決定上、当該情報を各セグメントに配分していないため、記載は省略しております。
5.持分法適用会社への投資額は、該当事項がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
報告セグメント |
調整額(注)1 |
連結損益計算書計上額(注)2 |
|||
|
HR事業 |
教育事業 |
プラットフォーム/Web3事業 |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
238,249 |
308,698 |
55,978 |
602,926 |
- |
602,926 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
計 |
238,249 |
308,698 |
55,978 |
602,926 |
- |
602,926 |
セグメント利益又は損失(△) |
△21,895 |
97,862 |
△146,920 |
△70,954 |
△232,181 |
△303,135 |
セグメント資産 |
- |
- |
- |
- |
768,846 |
768,846 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
8,483 |
2,168 |
- |
10,652 |
78 |
10,730 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
15,258 |
- |
- |
15,258 |
- |
15,258 |
(注)1.セグメント利益又は損失(△)の調整額△232,181千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失(△)と調整を行っております。
3.セグメント資産の調整額768,846千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金(現金及び預金)であります。
4.セグメント負債は、最高意思決定機関が経営の意思決定上、当該情報を各セグメントに配分していないため、記載は省略しております。
5.持分法適用会社への投資額は、該当事項がないため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1)売上高
|
(単位:千円) |
日本 |
シンガポール |
その他 |
合計 |
661,271 |
250,000 |
5,684 |
916,955 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3 主要な顧客ごとの情報
(単位:千円) |
顧客の名称又は氏名 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
BOUNDLESSEDU PTE.LTD. |
250,000 |
プラットフォーム/Web3事業 |
経済産業省 |
99,673 |
教育事業 |
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3 主要な顧客ごとの情報
単一の外部顧客との取引による売上収益が当社グループの売上収益の10%を超えるものがないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
HR事業 |
教育事業 |
プラットフォーム/Web3事業 |
その他 |
全社・消去 |
合計 |
減損損失 |
34,425 |
3,444 |
- |
- |
226 |
38,096 |
(注)「全社・消去」の金額は、セグメントに帰属しない全社資産に係る減損損失であります。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。