事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
HR事業 | 342 | 37.3 | 130 | 67.9 | 38.0 |
教育事業 | 294 | 32.1 | 100 | 52.4 | 34.1 |
プラットフォーム/Web3事業 | 280 | 30.5 | -39 | -20.3 | -13.9 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことを企業パーパスとし、SDGsで掲げられる17の目標のうち特に、「4. 質の高い教育をみんなに」、「5. ジェンダー平等を実現しよう」、「8. 働きがいも経済成長も」、「10. 人や国の不平等をなくそう」を優先課題として、事業に取り組んでいます。
ビジョンとして、「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる。」を掲げ、個人が持つ多面的な能力を科学的に評価するシステム、評価データにもとづき成長を支援する教育コンテンツ、そして個人がデータを安全かつ主体的に活用するためのプラットフォームを学校法人、企業、自治体などのコミュニティに対して展開しています。当社サービスは、個人と組織のエンパワーメント(*)を支援し、Society5.0時代の産業基盤となるものと考えております。
変化の著しい昨今の社会情勢においては、学歴という単一の軸だけに頼った人材評価・育成は困難であるとの課題認識のもと、2010年にグローバルに活躍できる人材の育成を目的とした教育事業(塾の企画運営)で創業しました。その後、教育の変革には、人材評価を根本から変えることが必要との想いから、テクノロジーの活用によって多面的な能力を公平に評価する「GROW」を2016年に開発し、2017年以降AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質(*)・コンピテンシー(*)・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を企業の人事領域に拡大して参りました。幅広い業種の多階層(職種×職位)における人材の評価データが蓄積されたことから、採用など人事の一領域に限らず戦略的人事(*)分野での応用を進め、2019年には教育現場に向けて同様の人材評価システム「Ai GROW」の提供を開始しました。さらに2020年以降、今後ESGが進展し、持続的社会の実現に向けて、企業とステークホルダーの関係が変化し、個人が自ら情報を管理・利活用する方向に変化を遂げる中で、当社サービスがそのインフラとなることを目指して、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターと共同で、個人が主体的かつ安全に自分自身のデータの利活用ができることを目的にブロックチェーン(*)技術を応用したプラットフォームの実証(2023年3月までの3年間)を実施しました。そして2023年10月より、その成果や知見を発展させた無償の学びと転職支援を一体化したサービス「ONGAESHIプロジェクト」を開始しました。
当社基幹システム「GROW」は、回答者自身の気質(性格)を潜在的な認知バイアス(*)を除去して正確に測る技術(特許取得)や、他者による評価を補正し忖度などの評価におけるバイアスを除去するためのAIアルゴリズム(特許取得)に強みがあり、公平で一貫した評価を行えることから、ハーバード・ビジネス・スクールのPeople Analytics(*)に関する代表ケースとしても取り上げられています(2017年8月25日「GROW: Using Artificial Intelligence to Screen Human Intelligence」)。また、ケンブリッジ大学や慶應義塾大学などとの共同研究をベースにして産官学連携でサービス開発に取り組んでおり、国内の大手企業や先進的な取り組みを行う学校法人のみならず、国際機関や海外の政府機関などでの導入実績があります。
当社グループの主なサービスと、各事業の内容は以下のとおりです。また、次の各事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1)HR事業
HR事業では、企業の人材採用・育成・配置・組織開発を、人材評価システム、オンライン教材、コンサルティング、研修など、多岐にわたるサービスを組み合わせて支援しています。特に、AIによってバイアスを補正した人材評価データを取得、分析し、データに基づく人事を可能にする点に強みを持っています。
2023年6月発出の『経済財政運営と改革の基本方針2023(仮称)』の原案において、三位一体の労働市場改革の方針の中で、「リ・スキリングによる能力向上支援」、「個々の企業の実態に応じた職務給の導入」、「成長分野への労働移動の円滑化」の施策が定められており、当社がソリューションを提供している人事評価・育成市場の環境は引き続き良好で、拡大を見込んでおります。また、人的資本に関する文脈では、2022年6月公表の金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告において、有価証券報告書及び有価証券届出書の記載事項の改正内容に「人的資本、多様性に関する開示」が取り入れられ、企業は2023年3月期決算から対応が義務付けられることになりました。これにより、今後もますます人材評価データの蓄積と活用シーンは拡大が続くと見込んでおります。
2017年のGROW360開発後は、主に新卒採用で企業の人事部を中心に展開をしてまいりました。2019年以降は大企業の事業戦略に直結するサービス(組織開発・人的資本経営支援)も提供するようになり、人事部のみならず経営企画部、財務・IR部門との連携も進んでいます。2023年度当事業の実績では、総顧客数は79社(前年同期は62社)と大幅に増加し、顧客数は過去最多となりました。なお、主要なサービスは以下のとおりです。
① GROW360
「GROW360」は、スマートフォンを用いて受検する人材評価システム(サービス)です。被評価者自身の自己評価に加えて、他者による360度コンピテンシー評価も行います。評価に費やした時間、評価の偏りなどをもとに、AIアルゴリズム(特許取得)が評価データのバイアスを是正するほか、IAT(Implicit Association Test*。特許取得)を用いて本人の潜在的な性格をBIG5(*)による気質診断に基づき判定する人材分析システムであり、採用、人材育成、配置など企業の組織開発全般で活用されています。バイアス補正による公平で一貫した人材評価を、システムを通じて実施することで、1回1人あたり受検費用4,000円以下で提供しています。これにより、従来は特定の階層に限定して行われてきた360度評価を、大企業の全社員対象でも実施し、データ化を進めることが可能です。また、ダイバーシティ&インクルージョン(多様な人材を積極的に受容し、組織づくりに生かす取り組み)推進において無意識のバイアスが障壁となっているとの認識が社会で広く共有される中で、評価バイアスを補正したうえで精緻に気質・行動特性を評価できる点で顧客企業のニーズを捉え、導入が増えています。「GROW360」のユーザー(登録アカウント)数は83.8万人、累計他者評価件数(25項目のコンピテンシーを84問で評価。1人の被評価者に対し最低3人が他者評価を実施)は7,400万件(2024年3月末時点)となっています。
さらに、三井住友信託銀行との業務提携により、同社の取引先企業に対して、GROW360による能力の可視化・分析サービスの提供を開始致し、新たな顧客基盤の開拓を推進しています。
② 人的資本理論の実証化研究会
人的資本理論の実証化研究会(Human Capital and Corporate Value)は、2023年3月期決算から義務化される「人的資本の情報開示」に向けて、「そもそも人的資本が企業価値にどれだけ寄与するものか(人的資本の投資対効果)」を明らかにすることで、経営者へデータに基づいた人材施策の投資判断を促し、かつ投資家への戦略的な情報開示を実現するために発足しました。「人的資本」の概念を提唱したノーベル経済学者のゲーリー・ベッカー教授の理論の元、本研究会では人的資本を「能力」と捉えています。
これまで人材能力は測定・定量化が難しく、日本では人的資本の投資対効果の研究はあまり進んでいませんでしたが、本研究会では、当社の360度人材評価システム「GROW360」を活用し、社員の多様な能力を測定し、一橋大学 小野教授の人的資本理論に基づきながら、人材能力データ・財務データ等を含めた企業の実データを分析し、研究を進めています。なお、2024年3月期は33社が参画しています。
(2)教育事業
教育事業では、学校や教育機関向けに、生徒の能力と教育効果をAIで可視化する評価システム「Ai GROW」、Society5.0時代を切り拓く基礎となる非認知能力などを育むSTEAM教育(*)動画コンテンツ「GROW Academy」、新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」、AIを搭載したオンライン英語学習ツール「e-Spire」を利用したサービスの提供を行い、日本の次世代を担う人材育成支援を行っています。GROW Academyは、2023年度の経済産業省の「探究的な学び支援補助金(*)」対象サービスとして採択されました。
文部科学省が実現を目指すGIGAスクール構想(*)によって、公教育現場におけるICT(情報通信技術)環境が急速に整備され、タブレットで受検を行うAi GROWや、オンライン学習教材であるGROW Academyの活用シーンも大幅に拡大しました。また、教育現場での働き方改革という課題に対しても、日々相互評価でデータ蓄積するAi GROWにより、期末ごとの生徒の定性評価が自動生成され教員負担が大幅に低減されることから、採用が拡大しております(2024年3月末時点で、私立中高一貫、国公立中高、通信制高校、塾、小学校などを含めて240校超がAi GROWを有償導入)。
従来からの学校法人への直接のサービス提供に加えて、2020年以降は自治体や教育委員会などへのサービス提供も本格化しています。2024年3月期における当事業の実績では、顧客数(注)は370校(前年同期は335校)となり、顧客基盤が拡大しました。なお、主要なサービスは以下のとおりです。
① Ai GROW
GROW360と蓄積された人材評価をベースに、学校・教育機関向けに開発したシステムです。360度コンピテンシー評価と気質診断により、生徒・学生の能力と可能性に加え、さまざまな教育活動の教育効果を可視化することができます。カリキュラム・デザインやクラス・マネジメント、就職までを見据えた進路指導等、多面的な活用が可能です。GROW360と共通尺度で評価を行うことで、子どもから大人まで一貫した評価軸を実現しています。1年間いつでも利用可能なサブスクリプションモデルとして提供しており、Ai GROWのこれまでのユーザー(登録アカウント)数は24.1万人、累計他者評価件数は5,900万件(2024年3月末時点)となっています。2024年の文部科学省「学校教育総括」によると、当社が主なターゲットとしている全国の小学校4年生から高校生の生徒数は950万人となります。
さらに、AiGROWに株式会社JTBの知見を搭載した、学校行事や探究における教育活動の効果を測定するシステム「J’s GROW」の販売も開始し、新たな顧客基盤の開拓を推進しています。
② GROW Academy
生徒のコンピテンシーを伸ばすための動画コンテンツと学習指導案、ワークシートを、生徒の人数に関わらず、学校単位で提供しています。生徒のコンピテンシーを伸ばすためのフレームワークを、学校生活を舞台に設定したアニメ形式の動画で分かりやすい事例を交えて習得することができます。カリキュラムや生徒の習熟度に応じて自由に組み合わせて利用でき、指導案も完備しています。Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められているコンピテンシー・ベースの教育を実現できるコンテンツ構成です。
③ 探究力測定パッケージ
探究型学習の教育効果を可視化するための評価「探究力測定」、地域活性化×最先端テクノロジー
をベースにした探究学習プログラム「社会実装シミュレーション型プログラム」、探究レポートの「探究Navigator」をパッケージあるいは単体のサービスとしてスポット型で提供しています。Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められている探究型学習の成果を総合的に評価・教育することができます。
④ e-Spire
TOEFL®テストの構造に沿って設計されたオンライン英語学習プラットフォームです。VOCABULARY、READING、LISTENING、WRITING(AIによる自動判定付き)の4つのユニットで構成されています。各ユニットには単語や表現を限定した入門・初級レベルから英語の母語話者に近い上級レベルまで幅広い難易度の問題を用意しています。生徒は各自の英語力や学習ペースに合わせて、豊富な演習問題とトレーニングに自由に取り組むことができます。
(注)上記の顧客数は、サービス別で有償利用校数をカウントし、合算した延べ数(自治体案件なども学校ごとに個別カウント)。
(3)プラットフォーム/Web3事業
ビットコインのETFが米国SECで承認されるなど事業環境が急速に改善する中、同事業を世界で大きく広げることに向けた中長期的な戦略に基づき、2023年4月に暗号資産関連事業を行うことを目的に100%子会社であるONGAESHI Corporationを設立し、10月には「STARプロジェクト」(*)の後継として人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHIプロジェクト」をローンチしました。当社はDAO(*)構築に向けて主にサービス開発・運営を担う形で参画しています。さらに、第4四半期連結会計期間には、ONGAESHIプロジェクトの海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人BOUNDLESSEDU PTE.LTDへの出資を行い、同社へのシステム売却を実施しました。今後当社はONGAESHIシステム利用料を支払う形で日本でのビジネスを展開していきます。特に注力しているのは、深刻な人手不足が生じている業界や職種の育成です。これにおいては、人材の受け入れを希望する企業と協力し、人材育成を推進するモデルを展開しています。また、地方自治体の専門人材不足を解消するための育成モデルにも取り組んでいます。さらに、当社のWeb3技術やノウハウを活かし、新規事業立ち上げを支援するサービスの提供も予定しています。
<事業系統図>
当社の事業系統図は、以下のとおりであります。既存のHR・教育の2事業においては、企業や学校が直接の顧客となり、その社員や生徒がユーザーとなるビジネスモデルです。
用語集
用語 |
用語の定義 |
Society 5.0 |
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと。第5期科学技術基本計画(2016年度~2020年度)において、我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された(出所:内閣府)。 |
エンパワーメント |
個人や組織が本来持っている潜在能力を引き出し、発揮させること。「権限委譲」や「能力開花」と訳される。社員に自発的な行動や判断を促し、本来持っている能力を発揮させることで、意思決定の迅速化や組織力の向上などが期待できます。 |
気質 |
パーソナリティー。本人も認識できない生まれ持った潜在的な性格のこと。当社では、IAT(潜在連合テスト)技術を活用し、時間差・指の軌跡・間違いの回数などを基に、BIG5と呼ばれる最も代表的なパーソナリティ理論に基づいて気質診断を行います。 |
コンピテンシー |
思考力や判断力、創造力や表現力など個人の行動特性のこと。一般的に経験によって上がっていき、開発が可能な能力のことを指します。当社では、東京大学中原淳研究室(当時)と共同開発したコンピテンシーフレームワーク&モデルをもとに、最低3人からの360度評価に基づいて、25項目(認知・自己・他者・コミュニティの4領域)を測定します。 |
戦略的人事 |
労務管理、給与計算などの管理やオペレーション業務だけでなく、自社の経営戦略の実現に向けて、人的マネジメントを行っていくこと(出所:HRプロ)。 |
ブロックチェーン(BC) |
インターネット上に構築された価値交換のための基盤技術のこと。通貨や不動産、株式やライセンスなどの価値(資産)をインターネット上で特定の管理者を介することなく安全かつ安価に取引できるようにする仕組み。 |
認知バイアス |
不合理な判断に繋がる、先入観や直感、願望などによる思考の偏りのこと。当社では、IAT技術の活用により、気質以外にも幅広い対立概念に対する認知バイアスの測定が可能で、実際にデジタル-リアルへの親和性などを測定するサービスを提供しています。 |
People Analytics |
人事に関する情報や数字を収集、分析し、客観的なデータを用いて、採用や教育、評価など一連の人事業務の意思決定に活用すること(出所:HRプロ)。 |
DX |
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること(出所:経済産業省「DX推進指標」)。 |
IAT |
Implicit Association Test(IAT、潜在連合テスト)は、社会心理学の分野において心的表象と対象物及び対象概念との潜在的な関連の強さを測る手法として、アンソニー・グリーンワルド、デビー・マギー、ジョーダン・シュワルツによって1998年に開発されました。偏見、固定観念、差別を見極めるための手法として、被検者の自己分析よりも信頼性の高い指標と考えられています。 |
BIG5 |
人間の性格を、5つの因子を用いて説明するパーソナリティ特性の分類法のこと。解放性(O)・誠実性(C)・外向性(E)・協調性(A)・神経症傾向(N)の5つの因子から、OCEANモデルとしても知られています。パーソナリティの対立軸に優劣はありませんが、傾向が強く出過ぎた時のリスクや、自身の気質から生じやすい行動特性を理解することが大切とされます。 |
イノベーションスコア |
GROW360で定義している25項目のコンピテンシーのうち、特にゼロから1を生み出す(イノベーション)上で重要な6つのコンピテンシー(個人的実行力、外交性、課題設定、共感・傾聴力、創造性、地球市民)をもとに、イノベーションスコアを算出しています。 |
LMS |
Learning Management System(LMS)は、eラーニングの実施に必要な学習管理システムのこと。 |
STEAM教育 |
S(Science科学)、T(Technology技術)、E(Engineering工学)、A(Art芸術)、M(Mathematics数学)の頭文字を組み合わせた造語で、各教科での学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育を指します。 |
探究的な学び支援補助金 |
学校等教育機関における探究学習や情報活用能力育成の高度化を推進すべく、探究学習や情報活用能力育成に資するサービスを提供する事業者に対し、事業費等に要する経費の一部を補助することにより、学校等設置者等と探究学習提供事業者の協力によるよりよい学校環境づくりを後押しすることを目的として、経済産業省が実施する事業。 |
GIGAスクール構想 |
児童生徒1人1台端末の整備及び校内通信ネットワークの整備によって、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させるために、文部科学省が2019年12月に発表した取り組み。 |
DAO |
Decentralized Autonomous Organization(DAO、分散型自律組織)は、特定の所有者や管理者なしに、意思決定・事業推進ができるよう設計された組織のこと。ブロックチェーン上のプログラムであるスマートコントラクトを活用し、参加者が行う意思決定のための投票(ガバナンストークンを利用)の結果や、運営ルールなどを記録する。記録された情報は、誰でも閲覧可能かつ改ざんが困難で、透明性が高いことが特徴。 |
STARプロジェクト |
ブロックチェーン技術を用いて個人が主体的かつ安全に自らの情報をコントロールするシステム(BCシステム)を構築し、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターと共同で、学校、企業、自治体などでの個人情報の利活用を広げ、AIを活用することで教育・キャリア形成・人材育成支援を強化する実証事業。12団体の参画、8,671名の登録者、参画企業への採用選考参加400名を持って、2023年3月に無事に3か年の実証が完了いたしました。 |
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
なお当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産は、1,092,256千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金631,643千円、受取手形及び売掛金407,261千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、77,699千円となりました。その主な内訳は、未払金51,955千円、未払費用8,164千円、預り金8,514千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、1,014,557千円となりました。その主な内訳は、資本金97,135千円、資本剰余金1,063,687千円、利益剰余金△146,572千円であります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界的なインフレに対する警戒感、金利差などによる円安の進行、またガザやウクライナ問題による政治的な情勢不安が増してきたものの、雇用や所得環境、企業の収益環境は緩やかな回復が続きました。技術の進展においては、生成AIの急速な発展が個人情報や著作権侵害につながる可能性があるため、生成AIに対する規制の動きが徐々に広がりつつあり、健全な発展に向けての枠組み作りが開始されています。また、世界的なインパクト投資が広がる中、日本国内の上場企業の人的資本への理解と開示が進んでおり、また、ビットコインのETFがアメリカSECで承認された等、暗号資産の資本市場への広がりが始まっており、市場資本主義に置き換わる新しい資本主義が台頭し始めている動きがみてとれます。
当社グループは、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことを企業パーパスとし、個人が持つ多面的な能力を科学的に評価するシステムや、評価データにもとづき成長を支援する教育コンテンツ、そして個人・企業・投資家といった多くのステークホルダーが、社会の人的・社会資本形成に向けた動きを拡大させる中、データを安全かつ主体的に活用するための枠組みを構築しており、それらを学校法人、企業、地方自治体、政府、国際機関などのコミュニティに対して展開し、個人と組織のエンパワーメントを支援するSociety5.0時代の産業基盤となるべくサービスを提供しています。
当社グループは、既存のHR事業と教育事業を基盤として、持続的な成長を目指しています。戦略として両利きの経営を目指し、HR事業と教育事業においては深化を深め、このデータや顧客基盤をもとに、プラットフォーム/Web3事業で積極的に探索活動を強め、今後の大きな成長の布石を打っています。
HR事業におきましては、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、昨年度より開始した産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」の運営支援につきましては、今年度は規模を3倍以上に拡大し実施いたしました。特筆すべきは、本研究会及び当社の取り組みは、多くの投資家及び国際機関の関心を得ており、人的資本のインパクト評価・投資への足掛かりを作っていることです。さらに、2024年1月の三井住友信託銀行株式会社との業務提携契約の締結により、同社の幅広いお取引先企業に対しても、人的資本ソリューションの提案を開始しております。
教育事業におきましては、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「AiGROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」を提供しております。また、株式会社JTBと開発した教育効果システム「J’s GROW」を提供開始いたしました。さらに、国際機関との連携により、「探究力測定」と「AiGROW」を利用したアジア地域での非認知能力に関する共同研究を開始し、加えて、ヤマハ株式会社との連携により、コロンビア共和国をはじめとした国外市場にて「AiGROW」を採用いただき、海外展開を推進しております。
新規事業であるプラットフォーム/Web3事業におきましては、同事業を世界で大きく広げることに向けた中長期的な戦略に基づき、プロジェクトの重要な要素である暗号資産関連事業を行うことを目的に、2023年4月にはONGAESHI Corporation(当社の100%子会社)を設立、10月に人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHI(オンガエシ)プロジェクト」をローンチいたしました。さらに、第4四半期連結会計期間において、「ONGAESHIプロジェクト」の海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」への出資を行った上で、同社への本プロジェクトのプラットフォームシステム売却を行いました。なお、同社の資金調達を目的とした匿名組合出資を予定しており、同匿名組合は当社の連結子会社となる見込みです。
コスト面におきましては、新規事業である「ONGAESHIプロジェクト」のプラットフォーム開発に研究開発費134,305千円を計上いたしました。また、「GROW360」「Ai GROW」のAI精度向上や機能拡充、多言語対応、UI/UX改善等のソフトウエア開発及び研究開発活動、業容拡大のための人材採用にも継続して取り組んでおります。一方で、テレワークを推奨し、コスト最適化に努めております。
この結果、当連結会計年度の売上高は916,955千円、営業損失21,667千円、経常損失21,012千円、親会社株主に帰属する当期純損失21,171千円となりました。
一方で、当社グループのコア事業を示す当社個別決算の売上高は920,915千円(前年同期比37.8%増)、営業損失3,525千円(前年同期は営業損失80,704千円)、経常損失2,870千円(前年同期は経常損失80,317千円)、当期純損失3,029千円(前年同期は当期純損失125,401千円)となり、収支が均衡する水準まで大幅に改善いたしました。
セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。
なお、報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益(又は損失)は、営業利益(又は損失)ベースの数値であります。
HR事業
HR事業では、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大手企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、昨年度より産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」を発足しており、今年度はその規模を3倍以上に拡大し、33社の企業にご参画いただきました。本研究会及び当社の取り組みは、企業のみならず、多くの投資家及び国際機関の関心を得ており、人的資本のインパクト評価・投資への足掛かりを作っています。さらに、三井住友信託銀行株式会社との業務提携契約の締結により、同社の幅広いお取引先企業に対しても、人的資本ソリューションの提案を開始しております。
この結果、当セグメントの売上高は342,399千円、セグメント利益は130,209千円となりました。
教育事業
教育事業では、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「AiGROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」を提供しております。また、昨年度交付されていた「Edtech導入補助金2022」の後継版ともいえる「探究的な学び支援補助金2023」の交付が決定し、2023年9月から12月までサービスを提供いたしました。さらに、第4四半期連結会計期間より、国際機関との共同研究を開始いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は294,430千円、セグメント利益は100,368千円となりました。
プラットフォーム/Web3事業
プラットフォーム/Web3事業では、ビットコインのETFが米国SECで承認されるなど事業環境が急速に改善する中、同事業を世界で大きく広げることに向けた中長期的な戦略に基づき、プロジェクトの重要な要素である暗号資産関連事業を行うことを目的に、2023年4月にはONGAESHI Corporation(当社の100%子会社)を設立、10月に人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHIプロジェクト」をローンチしました。さらに、第4四半期連結会計期間において、「ONGAESHIプロジェクト」の海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」への出資を行った上で、同社へのシステム売却を行いました。また、デジタル庁の「Trusted Web(秘密計算)の実現に向けたユースケース実証事業」に採択されました。
この結果、当セグメントの売上高は280,125千円、セグメント損失は38,912千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、631,643千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、258,562千円となりました。これは主に、法人税等の還付額13,377千円があったものの、税金等調整前当期純損失の計上21,012千円、売上債権の増加額266,697千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、26,084千円となりました。これは、ソフトウエア開発に伴う固定資産取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、2,662千円となりました。これは新株予約権の行使による株式の発行による収入によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|||
受注高 (千円) |
前期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前期比 (%) |
|
HR事業 |
299,567 |
- |
15,251 |
- |
教育事業 |
327,631 |
- |
135,922 |
- |
プラットフォーム/Web3事業 |
283,015 |
- |
2,890 |
- |
合計 |
910,214 |
- |
154,063 |
- |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
HR事業 |
342,399 |
- |
教育事業 |
294,430 |
- |
プラットフォーム/Web3事業 |
280,125 |
- |
合計 |
916,955 |
- |
(注)当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
金額 (千円) |
割合 (%) |
|
BOUNDLESSEDU PTE.LTD. |
250,000 |
27.3 |
経済産業省 |
99,673 |
10.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は916,955千円となりました。セグメント別の売上高については次のとおりとなっております。
HR事業
HR事業では、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大手企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、昨年度より産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」を発足しており、今年度はその規模を3倍以上に拡大し、33社の企業にご参画いただきました。
この結果、当セグメントの売上高は342,399千円となりました。
教育事業
教育事業では、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「AiGROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」を提供しております。また、昨年度交付されていた「Edtech導入補助金2022」の後継版ともいえる「探究的な学び支援補助金2023」の交付が決定し、2023年9月から12月までサービスを提供いたしました。さらに、第4四半期連結会計期間より、国際機関との共同研究を開始いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は294,430千円となりました。
プラットフォーム/Web3事業
プラットフォーム/Web3事業では、2023年10月に人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHIプロジェクト」をローンチしました。さらに、第4四半期連結会計期間において、「ONGAESHIプロジェクト」の海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」への出資を行った上で、同社へのシステム売却を行いました。また、デジタル庁の「Trusted Web(秘密計算)の実現に向けたユースケース実証事業」に採択されました。
この結果、当セグメントの売上高は280,125千円となりました。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は、主に人件費215,463千円、外注費87,181千円の計上により、345,199千円となりました。この結果、売上総利益は571,756千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は、主に人件費187,764千円、研究開発費158,390千円、支払報酬113,706千円の計上により、593,423千円となりました。
この結果、営業損失は21,667千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外収益は、主に為替差益664千円の計上により805千円となりました。
営業外費用は、主に株式交付費150千円の計上により151千円となりました。
この結果、経常損失は21,012千円となりました。
(特別損益、法人税等合計、当期純損失)
特別利益は、発生しておりません。
特別損失は、発生しておりません。
法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税2,290千円、法人税等調整額△2,131千円の計上により158千円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は21,171千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、ソフトウエア開発に係る外注費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。現在、運転資金は自己資金で賄っております。今後、更なるサービス開発や優秀な人材の採用等を通じ、事業規模の拡大を図る方針であり、資金調達手段の多様化を検討してまいります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は631,643千円であり、当社グループの事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のための客観的な指標として、売上高、営業利益の成長性を重視しております。
HR事業では、売上高を「顧客企業数」×「顧客あたりの売上」と捉え、高い売上高成長率の継続に向けて、「顧客数の最大化」と、「複数階層・全社利用や複数のサービスの提供による顧客あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。
教育事業では、売上高を「採用学校数」×「顧客あたりの売上」と捉え、売上高と営業利益の両方で高い成長率を継続するべく、特に「採用学校数の積み上げ」と、「複数のサービスの提供による学校あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。
プラットフォーム/Web3事業は、事業の立ち上げ期であり、短期的には計画どおりに事業を進めることを最優先に取り組んでまいります。
セグメント別の各指標の推移は以下のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|||
売上高 (千円) |
増減率 (%) |
営業利益又は損失(△) (千円) |
増減率 (%) |
|
HR事業 |
342,399 |
- |
130,209 |
- |
教育事業 |
294,430 |
- |
100,368 |
- |
プラットフォーム/Web3事業 |
280,125 |
- |
△38,912 |
- |
(注)当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度からの増減率は記載しておりません。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの将来の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。また、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めてまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
「HR事業」は、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」の運営支援を行っております。
「教育事業」は、生徒の能力と教育効果を可視化する評価システム「Ai GROW」、生徒の非認知能力(コンピテンシー)育成のための動画コンテンツ及びシミュレーション型起業家トレーニング教材を備えた「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」、株式会社JTBと開発した教育効果システム「J’s GROW」を提供しております。
「プラットフォーム/Web3事業」は、昨年度までの、ブロックチェーンを用いて個人情報の管理・活用を実現するための「STARプロジェクト」実証後のWeb3事業展開として、人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHIプロジェクト」を開始しております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
報告セグメント |
調整額(注)1 |
連結損益計算書計上額(注)2 |
|||
|
HR事業 |
教育事業 |
プラットフォーム/Web3事業 |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
342,399 |
294,430 |
280,125 |
916,955 |
- |
916,955 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
計 |
342,399 |
294,430 |
280,125 |
916,955 |
- |
916,955 |
セグメント利益又は損失(△) |
130,209 |
100,368 |
△38,912 |
191,664 |
△213,331 |
△21,667 |
セグメント資産 |
27,651 |
5,613 |
- |
33,264 |
1,058,992 |
1,092,256 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
2,890 |
1,825 |
- |
4,716 |
104 |
4,820 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
27,404 |
3,837 |
- |
31,241 |
- |
31,241 |
(注)1.セグメント利益又は損失(△)の調整額△213,331千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失(△)と調整を行っております。
3.セグメント資産の調整額1,058,992千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金(現金及び預金)であります。
4.セグメント負債は、最高意思決定機関が経営の意思決定上、当該情報を各セグメントに配分していないため、記載は省略しております。
5.持分法適用会社への投資額は、該当事項がないため、記載を省略しております。
【関連情報】
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1)売上高
|
(単位:千円) |
日本 |
シンガポール |
その他 |
合計 |
661,271 |
250,000 |
5,684 |
916,955 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3 主要な顧客ごとの情報
(単位:千円) |
顧客の名称又は氏名 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
BOUNDLESSEDU PTE.LTD. |
250,000 |
プラットフォーム/Web3事業 |
経済産業省 |
99,673 |
教育事業 |
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。