人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,366名(単体) 5,946名(連結)
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平均年齢41.0歳(単体)
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平均勤続年数14.8年(単体)
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平均年収7,976,000円(単体)
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平均年収の
対前年増減率2.7%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
<当社グループの人材戦略>
当社グループの人材戦略は、人的資本経営を長期経営計画「Evolution2035」の実現及び持続的成長、中長期的な企業価値向上を支える重要な成長基盤戦略と位置付けるものであります。経営戦略の実現に必要な人材を明確化し、採用・育成・配置・活躍を通じて、人材価値の最大化と企業価値の向上につなげてまいります。
人的資本への戦略的投資においては、次世代経営人材、デジタル人材、財務戦略・企画人材、グローバル人材及び高度専門職を含む多様な人材の確保・育成を進めるとともに、挑戦を促す組織風土の醸成や、能力と役割に応じた配置・登用・処遇の実現を通じて、従業員一人ひとりの能力とエンゲージメントの最大化を図ります。
これにより、事業変革、グローバル展開、生産性向上及びイノベーション創出力の強化を実現し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。
<当社の従業員給与・報酬の額や内容の決定に関する方針>
当社は、持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に向けて、人材を重要な経営資本と位置付けています。人事制度については、職務の価値を基準として評価し、等級を設定するポジションクラス制度(職務等級制度)を採用しており、年齢、性別、学歴、職歴などの属性にとらわれることなく、役割及び職務を重視した配置・処遇を行うことを基本方針としています。
また、当社は、「自ら主体的に行動できる自律型人材」「失敗を恐れず果敢にチャレンジできる人材」「世界で活躍できるグローバル人材」を求める人材像として掲げており、当該制度は、これらの人材の育成、登用及び活躍の促進に資するものと考えています。
従業員の報酬は、ポジションクラス制度に基づき、各人の担う職務、成果及び外部労働市場の水準などを総合的に勘案して決定しています。給与は職務等級に応じて定めており、賞与については、連結営業利益を基準とし、ROICなどの財務指標に加え、中長期重点課題を踏まえた非財務指標を考慮のうえ、個人業績評価を反映して支給しています。さらに、重要人材の確保及び維持の観点から、市場競争力を踏まえ、必要に応じて処遇水準の見直しを行っています。
当事業年度における平均年間給与の前年度比増減率は2.7%であり、主としてベースアップの実施、定期昇給の実施及び業績連動型賞与の変動によるものです。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注)1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2 臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
3 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業に区分できない管理部門に所属しているものであります。
② 提出会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注)1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2 臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業に区分できない管理部門に所属しているものであります。
③ 労働組合の状況
当社グループには、日本化薬労働組合(上部団体は日本化学エネルギー産業労働組合連合会)が組織(2,038名)されており、労使関係は良好に推移しております。
④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
a.提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3.当社はポジションクラス制度を採用しており、職務及び役割に基づく報酬体系であることから、制度上は性別による賃金差異が生じない仕組みとなっております。一方で、現時点における男女間の賃金差異は、主に上位等級及び管理職層における構成比の違いが影響し、結果として平均賃金に差異が生じております。その背景には、過去の採用における職種別構成や、ライフイベントなどを含むキャリア形成過程の違いなどが影響しているものと認識しております。当社としては、多様な人材が能力を発揮できる環境整備を進めるとともに、管理職層の多様性向上やキャリア形成支援の強化、柔軟な働き方の推進などに取り組み、構造的な賃金差異の解消に努めてまいります。
b.連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティ全般
◆サステナブル経営基本方針
私たち日本化薬グループは、企業ビジョンであるKAYAKU spiritのもと、経営の透明性・公正性を確保し、事業活動を通じて持続可能な環境・社会の実現に貢献することで、全てのステークホルダーの信頼に応えるサステナブル経営を実践します。
① ガバナンス
当社グループは取締役会の直接監督のもと、社長執行役員を議長とするサステナブル経営会議を設置し、グループ全体でサステナビリティの取組みを推進しています。サステナブル経営会議は、原則として週1回開催しており、企業・社会・環境のサステナビリティ全般に関わる事項の審議及び報告を受けています。審議事項はサステナブル経営会議の承認を経て、取締役会に付議・報告しています。サステナブル経営会議の傘下には、倫理委員会、危機管理委員会、環境・安全・品質経営推進委員会、研究経営委員会の4委員会を設置しています。各委員会は定例かつ必要に応じて開催し、サステナブル経営会議へ付議及び報告することにより、経営の透明性・公正性を確保しています。
② 戦略
<マテリアリティの特定>
日本化薬グループは企業ビジョンKAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」の実現に向けて、環境・社会的価値と経済的価値を創造し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。
当社は、計画期間を2026~2035年度とする長期経営計画Evolution2035を策定しました。本計画では、環境・社会の変化を的確に捉え、KAYAKUの技術・人材・事業アセットを起点とした価値創出と、挑戦する企業文化の進化を通じて、社会課題の解決と持続的な企業価値創造を同時に実現することを目的としています。
当社では、中長期的な企業価値向上に影響を及ぼす重要課題(マテリアリティ)を、事業との関連性や社内外の環境変化を考慮し特定しています。長期経営計画の始動に合わせ、ダブルマテリアリティの視点も取り入れ、マテリアリティを見直しました。この見直しでは「環境・社会課題が日本化薬グループに与える影響(ファイナンシャル・マテリアリティ)」と「日本化薬グループが環境・社会に与える影響(インパクト・マテリアリティ)」の両面から取り組むべきマテリアリティを特定し、長期経営計画の基本戦略に組み込みました。当社はマテリアリティを、事業の持続性を高め、収益拡大に資する重要な要素と捉えています。環境・社会的価値と経済的価値の創出の両立を図り、持続可能な社会と長期的な企業価値の向上を実現していきます。
<マテリアリティの特定プロセス>
日本化薬グループは、社内外の視点を踏まえ当社グループが直面する課題を的確に把握し、ステークホルダーの期待や要請に応えるために、2019年に初めてマテリアリティを特定しました。その後、2022年にマテリアリティの見直しを行い、2025年にはダブルマテリアリティの視点を踏まえ、再度見直を実施しました。
マテリアリティは、当社の経営状況や社会情勢の変化、ステークホルダーからの要請の変化等を考慮し、当社のマテリアリティがその時代に応じた社会課題に対応できるよう、継続的に見直しを行います。
Step1:社会課題の抽出・整理
マテリアリティ見直しを検討するにあたり、環境・社会課題や社会の変化、ステークホルダーからの要請や期待を把握するために、以下のサステナビリティ情報開示ガイドラインの開示要請事項やESG評価機関の評価項目などを参考にしました。マルチステークホルダー視点と投資家視点の双方から注視すべき環境・社会課題を抽出し、テーマ別に分類・整理した結果、26項目の候補テーマに集約しました。
◆マルチステークホルダー視点
・WEF(The World Economic Forum:世界経済フォーラム)「グローバルリスク報告書」
・Cefic(European Chemical Industry Council:欧州化学工業連盟)「持続可能な開発目標」
・WBCSD(World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議) 「ビジョン2050における企業の行動分野に関連する課題」
・ESRS(European Sustainability Reporting Standards:欧州サステナビリティ報告基準)
◆投資家視点
・SASB(Sustainability Accounting Standards Board:サステナビリティ会計基準審議会)
・ESG評価機関の評価項目(FTSE、MSCI、Sustainalytics)
Step2:重要度の評価と課題の特定
26項目の候補テーマに対し、中長期的な視点で「日本化薬グループが環境・社会に与える影響」に関するポジティブインパクト・ネガティブインパクトと、「環境・社会課題が日本化薬グループに与える影響」に関するリスクと機会を検討し、当社グループに及ぼす影響を体系的に把握・分析しました。
各テーマの重要度は分析結果を踏まえ、「環境・社会課題が日本化薬グループに与える影響(ファイナンシャル・マテリアリティ)」と「日本化薬グループが環境・社会に与える影響(インパクト・マテリアリティ)」の2軸で、評価・マッピングを行いました。
その結果、重要度の高い項目をマテリアリティとして15項目に絞り込み、関連する社会課題をグルーピングすることで、最終的に7項目のマテリアリティに集約しました。
マテリアリティマトリックス
Step3:マテリアリティの決定
特定したマテリアリティ及び各マテリアリティに対応する指標と目標については、サステナブル経営会議及び取締役会において妥当性を確認し、決定しました。
③ リスク管理
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
④ 指標及び目標
環境・社会へのインパクト、リスク・機会、指標・目標
日本化薬グループは、中長期的な企業価値向上を目的に、当社グループが環境・社会に与える影響に関するポジティブインパクト・ネガティブインパクト、並びに社会・環境課題が当社グループに与える影響に関するリスクと機会を分析しています。
長期経営計画Evolution2035においては、各マテリアリティに紐づく指標と目標を設定し、担当役員の責任のもと、進捗管理と課題のレビューを毎年実施します。
環境・社会へ与えるインパクト
GHG排出により気候変動が進行した場合、環境破壊や健康被害などの深刻な影響を人々に及ぼす可能性があります。一方で、再生可能エネルギーの導入や設備改善により、GHG排出量を削減することで、環境負荷の低減や気候変動が人々の暮らしに及ぼす悪影響の緩和に貢献することが可能です。
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
・省エネルギー活動と地球温暖化対策を推進し、2030年度環境目標の達成を目指します。
・2050年度カーボンニュートラルの実現に向け、技術面・事業面・投資面の課題を体系的に整理し、対応戦略を明確化します。
担当役員
テクノロジー統括管掌
環境・社会へ与えるインパクト
自社及びバリューチェーンにおける製造・処理過程で発生する有害化学物質や廃棄物の排出により、大気•水質•土壌が汚染され、生態系や人体へ悪影響を及ぼす可能性があります。また、取水・排水に伴う環境負荷の増大により、地域の水資源の枯渇や住民の健康被害、景観の悪化を引き起こすおそれがあります。一方で、製造プロセスの改革により、資源の有効活用や使用量•廃棄コストの削減が可能となり、環境負荷の軽減に貢献することが可能です。
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
・事業活動における環境負荷の透明性を高め、グループ全体で環境負荷の継続的な低減を推進するとともに、希少金属原材料のリサイクル検討を進めます。
・環境関連データを統合管理し、指標及び目標と連動させることで、環境負荷低減と持続的成長を支える経営基盤を構築します。
・LEAP分析を活用し、事業領域ごとの自然資本・生物多様性に関する依存関係と影響を評価します。分析結果に基づき、地域特性を踏まえた重点対応領域を特定します。
担当役員
テクノロジー統括管掌
環境・社会へ与えるインパクト
・品質問題が発生した場合、自社労働者及びお取引先の健康・安全に悪影響を及ぼす可能性があります。
・製品情報の不足、医薬品開発の遅れ・供給不安、医療従事者への偏ったプロモーション、偽造医薬品の流通などは、患者さまの安全や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。一方で、緊急時における医薬品の迅速な提供や、子ども向け医薬品の開発・販売を通じて、患者さまの健康回復や子どもの健康改善、ウェルビーイングの向上に貢献することが可能です。
・汚職リスクの高い地域において腐敗行為が発生した場合、労働者の権利侵害や不当な取引を招き、ステークホルダーへ悪影響を及ぼす恐れがあります。その一方で、企業倫理・コンプライアンス文化の醸成は、企業資本の不正な利用を防ぎ、腐敗行為の抑止につながります。
◆ 製品安全、患者さまの安全安心
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
・ヒューマンエラーの未然防止に向け、「気づき」と「対話」を起点とした職場内外の連携を強化します。
・外部環境の変化に柔軟に対応し、顧客満足と法令遵守を両立する品質体制を確立します。
・変化に対応できる柔軟かつ堅牢な品質保証体制を構築し、継続的改善を促進します。
担当役員
各事業領域管掌
危機管理委員会委員長
◆ 腐敗防止
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
・贈答・接待などに関する教育•周知を徹底し、「贈収賄基本方針」に関する研修を計画・実施します。
・内部監査を通じて、腐敗防止体制の有効性を定期的に検証し、改善につなげます。
担当役員
内部統制推進部管掌
環境・社会へ与えるインパクト
原材料の取得や製造に伴う設備建設により、地域住民•先住民の住環境や文化が破壊され、心身の健康や文化的価値が損なわれる恐れがあります。また、汚染による環境悪化が健康被害や人命喪失につながる可能性があります。
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
・環境安全衛生に関する基本ルールの順守を徹底し、法規制や外部要求事項に迅速かつ的確に対応します。
・危険有害性の高い化学物質の取扱いにおいて、作業者のばく露低減及び周辺地域への環境リスク低減に向けた対策を継続的に改善します。
・製造現場の安全操業基盤を強化し、地域社会の持続的な発展に貢献します。
担当役員
テクノロジー統括管掌
危機管理委員会委員長
総務部管掌
環境・社会へ与えるインパクト
・労働安全衛生:製造現場で自社従業員が労働災害を被った場合、従業員の健康やウェルビーイングが損なわれる可能性があります。
・人材育成:研修を通じたスキル向上は、昇進・収入増につながり、従業員の購買力とウェルビーイングを高めるプラスのインパクトをもたらします。
・労働慣行:長時間労働やハラスメントは、従業員の心身の健康を損ない、医療費増加やメンタル不調を引き起こすことで、ウェルビーイングの低下につながります。
・多様性:適切な労働環境や設備の整備、そして差別のない多様性を尊重する職場づくりにより、障がい者の雇用機会が拡大するとともに、働きやすさ・ウェルビーイング・コミュニケーション•モチベーションの向上といったポジティブなインパクトが期待されます。
◆ 労働安全衛生
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
・環境安全衛生診断項目の拡充及び定期実施、現場ヒアリングの強化、外部専門家による評価を通じて、リスクの早期発見と迅速な改善を図り、安全衛生水準を向上させます。
・AIを活用し、過去事例の学習及びリアルタイムモニタリングにより潜在リスクを自動検出し、危険源の特定と対応策の優先順位付けを行うことで、継続的な安全管理を実現します。
担当役員
テクノロジー統括管掌
◆ 人材育成
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
●中長期(3-10年)での主な取組みの方向性
人材ポートフォリオの最適化と教育投資の継続的強化を通じて、経営・デジタル・財務・グローバル領域における高度専門人材を戦略的に育成し、事業成長と社会価値創出の両立を図ります。
●2028年度に向けた主な取組み
経営戦略と連動した人材要件を明確化し、計画的な選抜•育成•配置を通じて、次世代経営人材及び成長領域を担う人材の基盤整備を進めます。
担当役員
人事部管掌
経営企画部管掌
◆ 労働慣行
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
●中長期(3-10年)での主な取組みの方向性
法令遵守と人権尊重に基づく労務管理体制の確立を踏まえ、人権尊重と心理的安全性を企業文化として定着させ、透明性と継続的改善を重視した持続可能な労働慣行を実現します。
●2028年度に向けた主な取組み
法令遵守と労務管理の徹底を通じて、長時間労働やハラスメントのない、安心して働ける職場環境の基盤を確立します。
担当役員
人事部管掌
経営企画部管掌
◆ 多様性
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
●中長期(3-10年)での主な取組みの方向性
誰もが多様性を認め合い、それぞれの役割と責任が遺憾なく発揮できるよう、引き続き風土の醸成に努めます。また雇用比率を高めることにより計画的な人材ローテーションが多様性を意識せずに定常的に実施できる企業となるよう取り組みます。
●2028年度に向けた主な取組み
これまで進めてきた「ZENKATSU」の取り組みを通じて、多様性を尊重する風土が定量的成果として表れるよう、雇用機会の創出や雇用率向上に向けた職場環境の整備を進めます。
担当役員
人事部管掌
経営企画部管掌
環境・社会へ与えるインパクト
サプライチェーン上で発生する労働災害や清潔な水・衛生設備へのアクセスの欠如は、労働者の健康やウェルビーイング、さらには人権に深刻な悪影響を及ぼします。また、サプライチェーンにおける児童労働や強制労働、不安定な雇用・労働条件、労使間の対話不足、結社の自由の制限、紛争鉱物の利用といった問題は、教育・自由・健康・経済的資源の喪失を招き、不平などの拡大や治安悪化を通じて、労働者のウェルビーイングを著しく低下させる要因となります。
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
●中長期(3-10年)での主な取組みの方向性
・特定リスクを中心にサプライヤー向けデューデリジェンスを実施し、是正が必要なサプライヤーに対しては監査を行います。
・業界団体や外部イニシアティブと連携し、サプライチェーン全体のリスク対応力を強化します。
・サプライヤー調査の効率化を図るとともに、グリーバンスメカニズムを整備し、通報への対応手順を明確化します。
・社内の管理体制を構築し、サステナブル調達に関する理解と実践を組織全体に浸透させます。
●2028年度に向けた主な取組み
・重要サプライヤーの継続的評価と対話を実施します。
・サプライチェーンにおける人権リスクアセスメントを実施し、ハイリスク原材料を特定したうえで、対応戦略を立案・実行します。
担当役員
経営企画部管掌
環境・社会へ与えるインパクト
顕在化したリスクを未然に防止できず、リスク発生時に迅速・適切な対応が取れなかった場合、社会や人命への損害、環境破壊、情報漏洩による外部への被害や損失など、深刻な負のインパクトが生じる可能性があります。一方で、顕在化する前にリスクを防止し、リスク発生時にも被害を最小限に抑える対応を行うことで、ステークホルダーからの信頼向上につながるポジティブなインパクトが期待されます。
指標と目標
リスクの低減と機会の拡大に向けての取組み
・事業領域リスク及びTOP5リスクについて、計画策定・進捗確認・結果報告を継続的に実施し、リスク対応の確実性を高めます。
・内部監査を通じて社内規程に沿ったリスク管理プロセスを確実に運用し、リスク管理の実効性を確保します。
・グループ会社を含む対象者へのリスク管理研修を推進し、組織全体のリスク認識と対応力を高めます。
担当役員
内部統制推進部管掌
2025年度のサステナビリティ・アクションプランにおける目標値及び実績は、2026年7月頃に当社サステナビリティサイトにおいて公表する予定です。
https://www.nipponkayaku.co.jp/sustainability/management/materiality/
(2) 気候変動対応
当社グループは化学製品を創出する企業として気候変動を国際社会の重要な課題と認識し、2050年のカーボンニュートラルの達成を基本的な方針として、全社的なGHG削減の取り組みを進めております。また、当社グループは2020年7月にGHG削減に向けた中期環境目標を策定後、2022年4月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明し、これらの方針に基づいて前中期事業計画「KV25」を推進してきました。
さらに、2026年度より長期経営計画Evolution2035がスタートしますが、引き続き中期環境目標達成に向けた取り組みを進めてまいります。
このように当社グループは気候変動対応の活動を通じて、持続可能な社会実現と将来の事業機会創出の双方を追求することにより、更なる企業価値の向上を目指しながら、グローバルな環境問題の解決に貢献してまいります。
①ガバナンス
当社グループは、代表取締役社長を議長とするサステナブル経営会議において、将来の気候変動対応を含む事業計画などの審議及び活動状況の総括・評価を行っております。これらの審議、総括・評価の結果を取締役会へ報告し、取締役会の監視・監督を受ける体制としております。また、気候変動対策の推進を統括する環境・安全・品質経営推進委員会(委員長:テクノロジー統括管掌役員)を組織し、グループ横断的な視点から、気候変動に関する課題についてより深めた議論を行っております。
②戦略
当社グループでは、複数の事業をグローバルに展開しており、事業分野ごとに様々なリスクと機会を有しております。気候変動がもたらす各事業への影響を特定するため、TCFD提言に沿ってグループ全体の気候関連のリスクを評価し、さらに事業分野ごとの機会を検討しました。気候関連のリスクと機会を特定するにあたり、Evolution2035では、リスクが出現する時期を以下のように定義しております。
気候関連の事業リスクについては、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つのシナリオに関して、国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による代表的濃度経路に関する将来シナリオ(RCP2.6,8.5シナリオ)、並びにIEA(国際エネルギー機関)によるSDS(持続可能な発展シナリオ)及びSTEPS(公表政策シナリオ)に基づき特定しました。
1.5℃シナリオにおける脱炭素経済への移行のリスク
4℃シナリオにおける物理的影響リスク
③リスク管理
当社グループは、サステナビリティ重要課題の1つとして「気候変動への対応」を特定しています。取締役会、サステナブル経営会議、環境・安全・品質経営推進委員会で構成されるガバナンス体制のもと、RC・技術統括部が中心となって、気候変動リスクの特定・評価を行うとともに、省エネや環境投資を積極的に推進するなど、具体的な計画を実行しております。
④指標及び目標
当社グループでは、2020年度に新たな中期環境目標として2019年度比で2030年度にGHGを32.5%削減する目標を掲げ、順調に削減を推進してまいりました。一方、世界的に脱炭素社会実現への取り組みが加速する中、日本でも温暖化防止、脱炭素化への取り組みの加速が求められるようになっています。以上のような状況を鑑み、当社グループでは、気候変動リスクへの対応として、2050年度カーボンニュートラル達成を最終目標とし、目標の見直しを行いました。これを踏まえ、2030年度にグループのGHG排出量(Scope1及び2)を2019年度比で46%削減することを長期環境目標として設定しました。この目標達成のため2025年度以降は毎年対2019年度比4.2%の排出削減率を目指します。また、2050年のカーボンニュートラル達成に向け、サプライチェーン全体で削減を目指すための活動や水素、アンモニアといった代替燃料の利活用に係る技術開発動向の調査などを行動計画に加え、グリーンエネルギーへの転換に向けた技術導入を進めてまいります。
また、2025年度のGHG排出量は、生産量の増加があったものの、多拠点一括エネルギーサービス開始や太陽光発電の導入などによる効果により90,300t-CO2の結果になりました。
洪水リスクに関しましては、財務影響と対策に必要な投資金額の把握を進めており、今後は定量的な目標を設定し、対策を進めてまいります。
Scope1:事業者自らによるGHGの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
※2025年度は第三者検証中であり、速報値となります。確定値は第三者検証後に当社ホームページ(https://www.nipponkayaku.co.jp/)のサステナビリティサイトにて公開します。
(3) 人的資本経営の取組
<人的資本に関する考え方>
日本化薬グループは、長期経営計画「Evolution2035」の実現に向け、人的資本経営を成長基盤戦略の1つとして位置付けています。経営戦略の実現に必要な人材を明確化し、採用・育成・配置・活躍を通じて企業価値向上につなげていくとともに、その進捗をKPIにより継続的に管理していきます。
当社グループを取り巻く事業環境においては、売上成長、事業変革、グローバル展開、生産性向上を同時に実現することが求められる一方、DX・グローバル・高度専門職などの成長を担う人材の不足、製造現場における交替要員不足や高齢化、高卒採用難、中核マネジメント層や次世代管理職候補層の不足といった課題が顕在化しています。
こうした認識のもと、当社グループは、人的資本経営における重点課題として、①成長に必要な人材の確保と配置、②育成・キャリア、③制度・処遇、④組織風土の4つを設定し、会社と従業員が選び・選ばれ、ともに成長する基盤づくりを進めています。
①ガバナンス
日本化薬グループは、代表取締役社長を議長とするサステナブル経営会議において、人的資本経営に関する取組方針、重点施策、KPI及び進捗状況について審議するとともに、活動状況の総括・評価を行っています。その内容は取締役会に報告され、取締役会による監督を受ける体制としています。
②戦略
当社の人材育成方針及び社内環境整備方針は、以下のとおりです。
(注) 人材育成方針及び社内環境整備方針は提出会社となります。
当社では従業員のワーク・ライフ・バランスを推進し、柔軟な労働時間制度や在宅勤務制度の導入、年次有給休暇制度の取得促進など、仕事とプライベートのバランスを整えて従業員が安心して生活ができるよう支援しております。
2023年度よりエンゲージメントサーベイを行い、浮き彫りとなった課題や問題点に対し事業場ごとに対策を講じ、より良い職場づくりに向けた改善活動を行っています。今後も定期的に従業員エンゲージメントを調査し、従業員活力最大化に向けて取り組んでいきます。
<主な取組>
課題1 成長に必要な人材の確保と配置
[施策]
重点人材の管理上の定義を明確に設定し、事業領域別に必要人材・現有人材を可視化します。あわせて、キャリア採用・地域限定採用、職務を明確にした採用を強化していきます。また、DXや省人化を前提した現場要員の再設計を進め、重要ポストの後任候補者管理に着手し、タレントマネジメント基盤の活用を高度化していきます。
[期待される経営インパクト]
・成長事業の推進速度向上
・現場ボトルネック緩和
・売上伸長と生産性向上の両立
課題2 育成・キャリア
[施策]
重点人材ごとの育成体系を整備し、次世代管理職候補者を計画的に選抜します。また、デジタル人材・グローバル人材向け研修を本格展開し、リスキリングの同時実施を進めます。さらに、重点人材の配置・ローテーションを人事部主導で推進し、キャリア面談を通じて将来の成長の道筋を明確化していきます。
[期待される経営インパクト]
・必要人材の計画的育成
・管理職パイプラインの強化
・従業員の成長実感・挑戦意欲の向上
課題3 制度・処遇
[施策]
評価と処遇の連動を強化し、何が評価されるかを明確にしています。役割・専門性に応じた人事制度へ見直します(複線型人事制度の導入も含む)。また、専門人材が活躍・処遇される仕組みを整備し、管理職登用制度の見直しを進め、評価運用のばらつきを是正していきます。
[期待される経営インパクト]
・優秀人材の確保・定着
・挑戦と成果が報われる風土形成
・生産性向上へのインセンティブ強化
課題4 組織風土
[施策]
部門間連携を強化し、挑戦より失敗回避を優先しがちな状態を変えていきます。具体的には、ミドルマネジメントの強化、タウンホールミーティングや1on1などの対話機会を拡充する360度評価の設計・実施し、評価の納得性と運用の一貫性を高めていきます。さらに、ハラスメント教育を再設計するKAYAKU・Zenkatsuなどを通じて、多様な人材の対話・両立支援・活躍機会拡充を進めていきます。
[期待される経営インパクト]
・部門横断連携の推進
・挑戦行動の増加
・エンゲージメント向上
・離職抑制
③リスク管理
人材の流動化が高まる中、採用競争力が低下して計画通りの人材獲得が進まなくなること、離職により組織力が低下することが最大のリスクと考えております。日本化薬グループの活動の主役は“人”であるとの考えのもと、サステナビリティ重要課題として従業員一人ひとりの人権を尊重し、安心して働ける職場の中で仕事を通して成長することができる会社を目指して、働き方改革を推進することでリスク低減に努めています。
また、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進により、異なるバックグラウンドや視点を持つ人材を積極的に活用し、多様性を尊重し、包括的な職場環境を整備し、人材の意欲や生産性を向上させること、テクノロジーを積極的に活用し、人材データの分析や予測、効果的な人材配置に取組むことでリスクの軽減を図っています。
④指標及び目標
前述の<戦略>において記載した当社の人材育成方針及び社内環境整備方針に係る指標の管理と具体的な取り組みは当社では行われているものの、日本化薬グループ全体としての記載は困難であり、指標に関する目標及び実績は提出会社のものを記載しております。
明確な指標(KPI)を定めている事項は以下のとおりです。
◇働きやすさと働きがいの向上
・有給休暇取得率
2025年度の有給休暇取得率は、目標としている70%を超え74.4%の取得率となり昨年度よりも向上しました。5日以上の有給休暇取得プランを個人ごとに作成し職場内で共有する「ゆうYouプラン」などの施策が取得率向上につながっていると考えます。今後も、従業員の生産性及びモチベーションの向上、また優秀な人材の獲得に向け、更なる有給休暇取得率の向上を目指していきます。
・エンゲージメント
2025年度のエンゲージメントスコアは49.7となり、前年度比1.3ポイント向上しました。各職場の組織状況を分析し、課題に応じたアクションプランを策定・実行したことが改善につながったものと認識しています。今後も、調査結果を踏まえた対話と改善活動を継続し、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいきます。
◇ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
・女性管理職比率
女性管理職比率は、多様な視点を経営や組織運営に取り入れ、企業価値向上につなげるうえで重要な指標と認識しています。2025年度の目標10.0%に対し、実績は9.0%と未達であったものの、前年度比では0.7ポイント上昇しました。女性管理職候補者層の形成に向けた育成・指導や、仕事と家庭の両立支援施策を進めてきました。今後も、採用、育成、登用の各段階における取組を継続・強化し、管理職挑戦支援や女性リーダー候補者研修などを通じて、女性管理職比率の向上を図っていきます。
・男性の育児休業取得率
男性の育児休業取得率は、従業員の多様な働き方を支え、仕事と育児の両立を可能とする職場環境整備の進捗を示す重要な指標と認識しています。2025年度実績は90.3%となり、目標を上回りました。制度周知や取得しやすい職場風土づくりを進めてきたことが、取得率向上につながったものと考えています。今後も、育児と仕事の両立支援を通じて、誰もが安心して働き続けられる環境整備を進めていきます。
・障がい者雇用率
障がい者雇用率は、多様な人材が能力を発揮し活躍できる包摂的な職場環境の整備状況を示す重要な指標と認識しています。2025年度は目標2.5%に対し、実績は2.3%となりました。採用活動を継続している一方で、退職などの影響もあり、目標未達となりました。今後は、採用拡大に加え、受入れ体制の整備、職域の拡大、定着支援及び特別支援学校等との連携を進め、継続して活躍できる環境づくりを強化していきます。
日本化薬グループの人的資本に関する取組みの詳細については、当社Webサイトをご参照ください。
https://www.nipponkayaku.co.jp/sustainability/