事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
ソリューションサービス事業 | 5,746 | 73.3 | 951 | 64.3 | 16.6 |
エンジニアリングサービス事業 | 2,092 | 26.7 | 528 | 35.7 | 25.2 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、ソリューションサービスおよびエンジニアリングサービス事業を行っております。
当社の事業における位置付けおよびセグメントとの関係は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
[Ⅰ]ソリューションサービス事業
ソリューションサービス事業は、製造業・建設業の生産性と品質の向上に役立つソリューションや営業活動・アフターサービスを支援する独自開発のシステム等を提供しております。
[Ⅱ]エンジニアリングサービス事業
エンジニアリングサービス事業は、データ解析・数値シミュレーション技術をベースに、主に環境分野を対象にした計算や解析サービスを提供しております。
事業系統図
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、個人消費やインバウンド需要の増加等により緩やかな回復基調にあります。一方、円安・ドル高の進行や資源価格の高止まり、ウクライナ危機や中東情勢の悪化などの地政学的リスク等により、先行きは不透明な状況が続いております。
このような経済環境の中、当社の主要なマーケットであります製造業の分野では、営業活動やアフターサービス業務等の顧客接点を効率化するソリューションの導入や建設業界へのBIM[※1]の浸透により、受注は順調に推移しております。また、公共事業の分野では、災害対策推進支援業務やまちづくり計画支援業務の受注が堅調に推移しております。
当事業年度のソリューションサービス事業は、建設業界の生産性向上を背景にBIMデータを活用した建設DX[※2][※3]業務と、住宅設備メーカーや建材メーカーからの顧客接点支援業務が拡大したものの、大型プロジェクトの中断や一部で不採算案件が発生しました。
エンジニアリングサービス事業は、河川防災関連業務や都市型浸水対策業務、人流データなどのビッグデータを活用したまちづくり計画支援業務の売上高が増加しました。また、CIM[※4]関連のコンサルティング案件も堅調に推移しました。
これらの結果、当事業年度の売上高は7,837,811千円(前期比5.6%増)、営業利益は937,663千円(前期比4.1%減)、経常利益は999,346千円(前期比4.7%減)、当期純利益は725,662千円(前期比1.3%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更していることから、ソリューションサービス事業については前期比(%)を記載せずに説明しております。
・ソリューションサービス事業
ソリューションサービス事業につきましては、製造業および建設業向けに業務の効率化、事業拡大を支援するサービスを自社ソリューション中心に展開しております。
製造業向けサービスにつきましては、営業支援ソリューション(製品名:EasyコンフィグレータおよびWebレイアウトプランナー)の受注が住宅設備メーカーや建材メーカーを中心に順調に推移しており、売上高は大幅に拡大しております。また、建設業界のBIM化推進、浸透に伴い住宅設備メーカーを中心にBIM連携業務の引き合いも加速しております。CAD[※5]やPLM[※6]などの設計支援や保守支援ソリューション(製品名:PLEXおよびFieldPlanner)につきましても業務の効率化やアフターサービスを重視する流れから、引き合いは底堅く推移しております。特にPLM事業につきましては、PLMを中核とした周辺業務(営業/保守/生産/調達等)との連携に期待する顧客のニーズも高まっており、今後の中核事業として拡大をめざしてまいります。
建設業向けサービスにつきましては、建設業界の人手不足問題や生産性向上の課題を背景とした建設DXによる効率化・省力化への投資意欲は継続して高く、BIM関連業務を中心に引き合いは増加し、受注は堅調に伸長しました。
今後、製造業向けサービスにつきましては、toDIM[※7]のサービスの拡充に注力し、さらなる事業拡大をめざしてまいります。また、建設業向けサービスにつきましては、BooT.one[※8]をはじめとしたtoBIM[※9]ブランドのさらなる育成やサービスの拡充に加え、設備設計(機械・電気・配管)向けBIMの受注拡大に注力してまいります。
業績面では、大型プロジェクトの中断や一部で不採算案件の発生がありましたが、営業支援ソリューションおよびソフトウエアの販売を含むBIM関連業務の堅調な受注により売上高は増加し、当事業年度の売上高は5,746,055千円(前期5,309,347千円)、セグメント利益は950,987千円(前期1,224,641千円)となりました。
・エンジニアリングサービス事業
エンジニアリングサービス事業につきましては、防災系エンジニアリング業務、環境系コンサルティング・まちづくり支援関連業務、建設情報化支援サービス業務を中心に展開しております。
防災系エンジニアリング業務については、海岸保全事業に係わる津波高潮対策検討業務、気象変動に伴い激甚化・頻発化する自然災害に対する中小河川の洪水対策支援として、流域全体で防災・減災を実現するための災害対策推進支援業務の売上高が堅調に推移しております。また昨今の内水氾濫に起因する都市型浸水対策として下水道事業支援案件の売上高が大幅に拡大しております。
環境系コンサルティング・まちづくり支援関連業務は、高層住宅など都市開発に係わる環境アセスメントやコンサルティング業務について不動産開発事業者のほかゼネコン、電鉄系各社への営業も展開しており、引き合いが増加しております。また、人流データなどビッグデータを活用したまちづくり計画支援業務などの売上高が大幅に伸長し、駅前再開発や鉄道沿線活性化支援など地域に密着した案件の引き合いも増加しております。さらに、当社が保有する解析技術を活かし、誰もが簡単に環境シミュレーションを行えるデジタルツインプラットフォームΣSpace.E[※10](通称:まちスペ)を11月にリリースしました。現在は無償提供中ですが、当社の営業活動に利用することにより都市開発に関わるサービス領域の拡大を見込んでおります。
建設情報化支援サービス業務は、国土交通省の掲げる「BIM/CIM原則適用」が2年目に入り、また、2025年度達成目標の「建設土木現場の生産性2割向上」を背景に、特に費用対効果が見込まれる事業主体のニーズが徐々に高まっており、道路事業に係わるCIM活用コンサルティングの売上高が増加しました。さらに、GISに関する知見を活かした鉄道事業支援案件の売上高も増加しております。
今後は、効率化を求めつつも高度化・複雑化した解析業務に対応すべく情報処理・解析技術に磨きをかけその精度を追求するとともに、まちづくり支援業務では多様化した社会ニーズと官民連携を意識したデータ利活用技術の確立に努めます。また、既存の技術提供サービスに加え、toCIM[※11]ブランドとして販売中のアドインパッケージNavismaster[※12]の販売拡大、建設情報技術の利活用を促進するための新商材の発掘に取り組んでまいります。
業績面では、CIM関連ソフトウエア販売の売上高の減少および発注者側の事情により環境アセスメント業務の着手遅れがありましたが、水防災支援業務や下水道事業支援業務、まちづくり支援業務が伸長し、当事業年度の売上高は2,091,755千円(前期比0.9%減)、セグメント利益は527,624千円(前期比14.6%増)となりました。
※1:BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)
コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報等の属性データを追加した建築物のデータベースを、建築設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのモデルシステム。
※2:建設DX(建設デジタル・トランスフォーメーション)
建設業界にIoTやAIなどデジタル技術を導入するビジネスモデルの変革を指し、業務の効率化、人手不足や技術の継承など建設業界が抱える課題解消をはかり、生産プロセス全体の最適化をめざす取り組み。
※3:DX(デジタル・トランスフォーメーション)
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
※4:CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)
建設生産システムの基軸を従来の2次元モデルから3次元モデルへ拡張し、データをコンピュータ上に構築・共有しながら統合的に調査、計画、設計、解析、施工、維持管理にいたる一連のワークフローを効率化するシステム。
※5:CAD(コンピュータ・エイデッド・デザイン)
コンピュータを利用して機械・電気製品等の設計を行うこと。コンピュータとの会話形式で設計を行う。
※6:PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)
製造業において、製品開発期間の短縮、生産工程の効率化および顧客の求める製品の適時市場投入が行えるように、企画・開発から設計、製造・生産、出荷後のサポートやメンテナンス、生産・販売の打ち切りまで、製品にかかわるすべての過程を包括的に管理すること。
※7:toDIM(トゥー・ディーアイエム)
当社の親会社のトランス・コスモス株式会社と応用技術株式会社の頭文字「t」と「o」にDIM(デジタルイノベーティブマニュファクチャリング)を配置したブランド名称。”製造業界向けにデジタル技術を駆使した変革”の実現をめざすサービス。
※8:BooT.one(ブート・ワン)
大成建設株式会社が社内で蓄積してきた「BIM規格」のノウハウを応用技術株式会社が引き継ぎ進化させ「toBIM」ブランドで提供するAutodesk社のRevitのアドインパッケージ。「BIM規格」はコマンドツール、テンプレート、ファミリ、活用ガイドライン、トレーニング教材の5つのカテゴリの総称で、「BooT.one」はこれらをパッケージ化した商品。Revitユーザの生産効率を大幅に向上させることが可能となる。
※9:toBIM(トゥー・ビム)
当社の親会社のトランス・コスモス株式会社と応用技術株式会社の頭文字「t」と「o」にBIMを配置したブランド名称。トランス・コスモス株式会社によるBPOサービスと当社によるシステム開発のそれぞれを効果的に提供し、顧客企業の生産性向上を推進するためのBIMトータルサービス全般を指す。
※10:ΣSpace.E(マチスペース・ドッドイー)
国土交通省が推進する「PLATEAU」を活用したクラウドベースの環境シミュレーションサービス。応用技術が創業以来培った環境シミュレーションなどのまちづくり業務の実績を活かし、リアルタイムで誰もが使えるWebブラウザ上で利用可能なデジタルツイン簡易シミュレーション環境を開発した。BIM/CIMの3DデータやGISデータを取り込むことが可能で、今後の解析コンテンツの開発により活用の幅を広げる予定。
※11:toCIM(トゥー・シム)
当社の親会社のトランス・コスモス株式会社と応用技術株式会社の頭文字「t」と「o」にCIMを配置したブランド名称。土木事業のCIM活用シーンで「システム導入・開発」「プロジェクト支援」「人材育成」「業務プロセス改善」など、顧客企業の課題解決および土木事業全体の生産性向上を推進するためのCIMサービス全般を指す。
※12:Navismaster(ナビスマスター)
これまで応用技術が蓄積してきた「BIM/CIM」における3次元モデリング技術やCAD開発技術のノウハウを融合させることにより誕生した「toCIM」ブランドで提供するAutodesk社のNavisworksのアドインパッケージ。「3次元モデル成果物作成要領(案)」に沿った納品支援、また、属性項目編集や属性活用等の機能を実装し、統合された3次元モデルの属性の活用や設計から施工にかけてのデータ共有等の処理効率を大幅に向上させることが可能となる。
b.財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末の総資産は、7,125,998千円となり前事業年度末と比較し572,227千円増加しました。これは主に、電子記録債権が236,941千円減少したものの、現金及び預金136,912千円、売掛金および契約資産153,065千円、預け金400,000千円がそれぞれ増加したためであります。
(負債の部)
当事業年度末の負債は、1,616,987千円となり前事業年度末と比較し17,893千円増加しました。これは主に、未払消費税等139,858千円が減少したものの、買掛金108,444千円、前受金43,085千円がそれぞれ増加したためであります。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、当期純利益を725,662千円計上したことおよび配当金171,290千円の支払を実施したこと等により、前事業年度末から554,333千円増加し、5,509,011千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ536,912千円増加し、3,926,221千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、750,520千円(前事業年度は530,710千円の収入)となりました。これは主に、未払消費税等139,858千円の減少および法人税等の支払額346,221千円があったものの、税引前当期純利益998,840千円および減価償却費50,860千円の計上、売上債権及び契約資産83,875千円の減少、仕入債務108,444千円の増加があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、43,155千円(前事業年度は40,280千円の支出)となりました。これは主に、情報化投資等を行ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、170,452千円(前事業年度は170,733千円の支出)となりました。これは、配当金170,414千円の支払および単元未満の自己株式38千円の取得を行ったためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当事業年度より、報告セグメントの区分を変更していることから、ソリューションサービス事業については前期比(%)を記載しておりません。
a.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注) 前事業年度のパナソニックハウジングソリューションズ株式会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は、7,837,811千円(前期比5.6%増)となりました。セグメントごとの概況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」をご参照ください。
(営業利益)
売上原価は、最新技術等の発掘から事業化までを一貫して推進する体制を構築することを目的として、事業戦略本部のうち、技術担当に係る人員を全社組織からソリューションサービス事業に移管する組織変更を行ったことから、5,831,899千円(前期比10.9%増)となりました。販売費及び一般管理費につきましては、前述の組織変更の影響により、1,068,247千円(前期比9.7%減)となりました。これらの結果を受けて、営業利益は937,663千円(前期比4.1%減)、売上高営業利益率は12.0%(前期比1.2%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、昨年から引き続きパートナー企業より新分野への取り組みに対する奨励金を受けたこと、また、余資をグループ内金融にて運用し、受取利息を得た結果、営業外収支が黒字となり、経常利益は999,346千円(前期比4.7%減)となりました。
(特別損益)
固定資産除却損505千円の計上があり、税引前当期純利益は、998,840千円(前期比5.3%減)となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税333,656千円と法人税等調整額△60,479千円を計上した結果、当期純利益は725,662千円(前期比1.3%増)、1株当たり当期純利益は127.09円(前期比1.3%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの概況につきましては「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社は、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としております。
当社の主な資金需要は、受注製作のソフトウエア等の完成に要する人件費や外注費等の製造原価、販売費及び一般管理費などの運転資金ならびに情報化投資の資金であり全額を自己資金で賄っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定を使用する必要があります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。