2025年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 1,855 100.0 91 100.0 4.9

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社と連結子会社であるvottia株式会社の2社で構成されており、「CX-Branding Tech.」として「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」というミッションのもと、主にコンタクトセンター(注1)に向けてSaaS(Software as a Service)と呼ばれるクラウド環境下で提供される独自ソリューションの提供と、顧客のROI(Return On Investment、投資収益率)を実現する上で不可欠なコンサルテーションサービス、データ構築サービス及びカスタマイズ開発サービスなどを含むプロフェッショナルサービスを展開しております。従来の電話を中心とした人の労力に依存したサポートにおける様々な課題を解決し、顧客サポートの現場に携わる人々の助けとなるソリューションを開発し提供しております。様々な顧客インターフェースと、様々な支援機能をつなぐことで、カスタマーサービスのオペレーションをより効率化し、高度化することで、顧客サポートの現場の人々のストレスを軽減し、喜びを感じてもらえるようなコミュニケーションプラットフォームの展開を目指しております。

当社グループは、コンタクトセンターの課題解決とデジタル活用を支援する幅広いソリューション群を提供することで事業を展開しています。特に、進化する顧客接点とオペレーション効率化のニーズに応えるべく、以下の3つのSaaSソリューション群を柱としています。

 

1. 問い合わせチャネルの多様化を実現するソリューション群

モビシリーズを中心とし、電話応対中心のコンタクトセンターの顧客接点を多様化・高度化することで、事業の基盤を築いています。具体的には、オペレータによる有人チャットツール、チャットボット、電話受付の一部を自動化するボイスボット、問い合わせチャネルの最適化をサポートするビジュアルIVRなどのソリューションを提供しています。これらの製品については主要な機能の開発を終え、それぞれに市場シェアを得て、現在は投資回収フェーズにあります。競争力の維持・向上を目的とした機能のメンテナンスが中心となっています。

 

2. オペレータの業務をAIで支援するソリューション群

「ムーア(MooA)」(注2)シリーズを中心とし、コンタクトセンターのオペレータの業務効率と品質をAIの力で飛躍的に向上させることを目的としています。音声認識技術を活用し、企業内ナレッジを元にした回答案の生成、応対内容の要約、意図抽出といった機能を提供しています。またRAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)を活用したチャットボット・ボイスボットシステムの提供を通じてより高度な自己解決を支援しています。引き続き機能開発を進めている段階ではありますが、すでに収益貢献が始まっており、本格的な投資回収フェーズに向かう段階に移行しています。

 

3. 消費者向けAI自動応答ソリューション群

最先端技術を活用し、消費者に向けて問い合わせから手続きの実行まで自動で応対をするシステムで、vottia社によるAIエージェント(注3)サービスを提供します。これは、お客様への究極的な利便性の提供と、コンタクトセンターの完全自動化を見据えたソリューションであり、現在は未来の成長に向けた投資フェーズに位置づけられています。

 

当社グループは、市場の基盤を確立した「チャネル多様化ソリューション」、収益化が進む「オペレータ支援ソリューション」、そして未来の成長の種である「AI自動応答ソリューション」という、異なる成長フェーズにある3つのソリューション群を組み合わせることで、安定した事業基盤と継続的なイノベーションの両立を実現しています。

 

当社グループが提供するコンタクトセンターを対象としたシステム及びサービスは、以下の特徴を有しております。

・ 電話対応中心のコンタクトセンターに対するノンボイスチャネルの拡充及び問い合わせ導線の最適化

・ 自動応答(ボット)と有人対応(オペレータ)とのシームレスなハイブリッド連携による効率化

・ 生成AI機能を具備したオペレーション支援AI「ムーア(MooA)」によるオペレータや管理者の負荷軽減

・ AIエージェントサービスによる問い合わせ対応と後続手続きの業務の自動化

・ コンタクトセンターの詳細状況を確認するためのKPI(Key Performance Indicator、重要業績指標)のモニタリング機能

・ AIの精度を左右する教師データメンテナンスを可能とする独自機能(コンソール機能、ナレッジ管理機能)の提供及びプロンプトチューニングやデータ作成、メンテナンスのプロフェッショナルサービスの提供

・ チャットサポートにおいて、オペレータが顧客の個人情報を安全に受け取り、本人確認や個人情報に基づいた個別対応を実現するセキュア・コミュニケーション機能群「セキュリティスイート(Security Suite)」の提供

・ お客様のROIの最大化を追求するための、コンタクトセンターオペレーションに精通したコンサルタントによるROI改善コンサルティングサービス

 また、当社グループは将来的な商品化や新たなビジネスに繋がる可能性のあるシステム開発については、新たなビジネスの機会を創出する目的のもとCX領域を中心とした受託開発を行っております。

 

(注1)コールセンターは基本的に電話での対応のみを行う場所ですが、コンタクトセンターでは電話に加えてチャット、メール、SNS、Fax、ウェブページなど複数のチャネルでお客様対応を行います。

(注2)「ムーア(MooA)」とは、生成AIや独自のAI技術を取り入れた、オペレータの応対業務の負担を軽減し、応対業務全体の短縮化とVOCの活用を促進するオペレーション支援AIです。高速で精度が高い音声通話の文字起こしをはじめ、FAQ形式などの様々なアウトプットが可能で、チャットボットやボイスボットと連携しながら、応対中のオペレータの回答業務を支援します。

(注3)AIエージェントとは、目標達成のため、状況を判断して自ら考えてツールを使い、タスクを自律的に実行するAIシステムです。問い合わせに対して事前に準備された回答を行うだけでなく、問い合わせ内容に応じて、必要な後続手続きまで自動で実行するシステムです。

 

当社グループはSaaSソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、当社グループが提供するサービスは次のとおりであります。

 

(1) SaaSサービス

当社グループは、以下に記載するSaaSプロダクトを、クラウド環境により、利用者に提供しております。クラウド環境でサービスを提供することにより、利用者が個別にシステム構築をするのではなく、同じシステムをインターネット経由で共同利用することにより、導入コストの低減が図られ、また常に最新のソフトウエアを利用することが可能となります。利用者は、ソフトウエアを利用開始時に購入するのではなく、利用期間に応じて月額利用料(もしくは年額利用料)を支払います。当社の提供する主な製品の内容については以下に記載の通りです。

 

① モビエージェント(MOBI AGENT)

「モビエージェント(MOBI AGENT)」は、従来の電話(音声)による対応ではなく、ウェブやLINEなどのSNSアプリなど、様々な顧客チャネルからのチャット問い合わせに対応した、AIとオペレータの最適なワークシェアを実現するコンタクトセンター向けチャットサポートシステムです。

「AIの強み」と「人の強み」を組み合わせることで、よくある質問や手続きの対応をAIチャットボットに任せ、オペレータが人ならではの丁寧なサポートに集中できる「ハイブリッドサポート」を強みとし、充実したオペレータ支援機能やKPI・統計管理機能、CRM(顧客関係管理)やRPA(Robotic Process Automation)などのシステム連携によって、顧客満足度を高めるチャットサポートを実現しております。また、チャット対応はテキストベースのコミュニケーション(テキストデータ)であることにより、応対内容のモニタリング・監視・検索・再利用などが容易にでき、FAQや定型文、共有ナレッジの活用から、メッセージ履歴を利用したAIの教師データ作成まで、データ活用の幅が広がります。「モビエージェント(MOBI AGENT)」は数百席規模の大規模チャットセンターにも対応し、メガバンクをはじめとした金融機関、大手メーカー、電力・ガスなどのインフラ企業や官公庁・自治体など、コンタクトセンターが必要となる様々な業種・業態で利用されております。

 

② モビボット(MOBI BOT)

「モビボット(MOBI BOT)」は、CRM・RPAなどの外部システム連携が可能なチャットボットシステムであり、基本的には「モビエージェント(MOBI AGENT)」と組み合わせて利用します。CRMや基幹システムとの連携による顧客認証・個別自動対応にも対応可能な独自のシナリオ型ボット機能を保有しており、顧客企業のニーズに従ってカスタマイズを行うことが可能です。国内外の主要な対話AIエンジンや生成AIエンジンとの連携も可能となっており、RAGを活用した生成AIによる精度の高い自動回答生成を実現しています。これまで、金融、製造業からEC企業(イーコマース企業)まで、様々な業種に対して、AIによる自動応答から、基幹システムに連携した業務自動化までのソリューションの提供実績があります。自動応答、シナリオ型フロー応答、そして、有人によるオペレータ対応の間を自由に行き来できる機能を標準で実装しているシステムは、当社サービス機能の強みとなっております。

 

③ モビボイス(MOBI VOICE)

「モビボイス(MOBI VOICE)」は、電話での受注・問い合わせ等を自動受付し、通話内容のテキスト化やメール通知を行うことを可能とするボイスボットシステムです。誰でもノーコードで応答シナリオを作成・変更でき、また、複数の同時着信に耐える電話自動応答をリーズナブルに実現するため、電話問い合わせが殺到する企業や自治体が利用することが可能です。これまで重厚長大なシステムに依存してきた電話対応に、小回りの利くシステムを導入する事で、緊急時対応や負荷対策として多くの企業にご利用頂けると考えております。さらに生成AIと連携することで意味を理解した回答・判断や、顧客の自由な発話への対応も可能となり、生成AIを経由して後続の手続きシステムに指示を送ることで人を介さずに手続き完了までをすべて自動化することも可能になります。

 

④ セキュリティスイート(Security Suite)

「セキュリティスイート(Security Suite)」は、チャットサポートにおいて個人情報を安全に取得・管理するためのセキュア・コミュニケーション機能群です。その中の機能である「セキュアパス(Secure Path)」では、チャットサポートの中で専用のフォームを通じて個人情報を取得し、PCI DSS(注)を遵守したセキュリティ基準のもとで安全に取り扱われます。従来、個人情報を取り扱うことが避けられていたチャットサポートにおいて、利用状況の確認や登録内容の変更など、本人確認を必要とする幅広いお問い合わせへのチャットでの対応を実現します。

(注)PCI DSSは、加盟店やサービスプロバイダにおいて、クレジットカード会員データの安全な取扱いを目的として策定された、クレジットカード業界のセキュリティ基準です。PCI DSS遵守では、他の個人情報保護制度と比べ、具体的なセキュリティポリシーの策定が求められます。クラッカー等による不正アクセスからサイトを保護し、サイトの改ざんや悪用、情報盗用などのリスクを低減します。

 

⑤ MooA CommNavi(ムーア コミュナビ)

「MooA CommNavi」は、電話応対中の顧客とオペレータの会話をリアルタイムで文字起こしできます。応対内容の要約・意図抽出を行うことで後処理業務を効率化できるほか、上位版となるMooA CommNavi Plus(ムーア コミュナビプラス) では、RAG方式のナレッジ検索を組み合わせ、マニュアルを参照した回答案生成や、応対後の評価やQAドラフトの生成など対応中から対応後までのオペレータ業務を効率化できます。対話内容の録音データをアップロードしての要約・意図抽出も可能です。

 

⑥ MooA KnowledgeBase(ムーア ナレッジベース)

「MooA KnowledgeBase」によって、企業内にあるドキュメント・Webコンテンツ・応対履歴・FAQをナレッジとして活用し、RAG方式による精度の高いナレッジデータベースを構築します。製品などで参照先を切り分けることができ、辞書登録が無くてもヒット率の高いFAQ検索を行い、生成AIによる回答案の提示ができます。

 

⑦ maestra(マエストラ)

「maestra」は、連結子会社であるvottia社が提供しているコンタクトセンターの顧客対応に特化したAIエージェント構築基盤です。複雑な問い合わせに対応するマルチエージェントをノーコードで構築することができます。修理受付や住所変更手続きといった具体的かつ様々な業種・企業で発生頻度の高い特定の業務単位で問い合わせ受付から後続手続きの実行までを担うAIエージェントを提供します。

 

(2) プロフェッショナルサービス

当社グループのSaaSサービスは、商品の導入により顧客企業の期待するROIを達成することを目標に開発されていますが、各企業において課題は多様であるため、各企業の固有の状況においてもROIの最大化を達成するために、SaaSサービスの提供のみではなく、初期導入サポート(初期診断支援・目標値設定・プロジェクト設計等)、カスタマイズ開発、オペレータ及び管理者向けトレーニング、コンサルティング、KPI分析サポート、AI教師データ作成、PDCA(Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善))支援、生成AIプロンプトチューニングなどのサービスを提供しております。コンタクトセンターの運営ノウハウを熟知したメンバーによって、企業ニーズをKPIにより可視化し、ROIの実現に向けた施策等をアドバイスしております

また、顧客企業からのリクエストに応じ、SaaSサービスとCRM・RPA・PBXなどの他システムとの連携機能の開発や複雑な自動応答の開発などをカスタマイズして提供しており、企業のニーズを理解し、様々なシステムとの連携に対応する事が可能です。顧客ニーズを機敏に実現できるチームを有していることは当社の差別化要素の一つであると考えております。

 

なお、当社グループは上記商品及びサービスを顧客企業に提供しておりますが、直販営業に加えて、当社グループからパートナーにサービスを卸し、ユーザー企業に再販する販売代理店との協業を行っております。また、一部のパートナーには当社商品をOEM供給しており、当該パートナーのブランドにてエンドユーザーへサービスを提供しております。

 

 

事業系統図


業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績等の状況

当連結会計年度の業績は、売上高1,854百万円、営業利益90百万円、経常利益81百万円となりました。当社が50%の持分を有する連結子会社であるvottia株式会社にて先行投資による赤字業績となったことに伴い、当社が有さない持分に相当する損失が非支配株主に帰属する当期純損益へ配分された結果、当社の親会社株主に帰属する当期純利益にプラスとなり親会社株主に帰属する当期純利益90百万円となりました。

また、当連結会計年度の財政状態は次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は1,404百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金1,039百万円、売掛金292百万円であります。固定資産は、813百万円となりました。主な内訳は、ソフトウエア609百万円、本社オフィスの賃借契約に基づく敷金136百万円であります。この結果、資産合計は2,229百万円となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は476百万円となりました。主な内訳は、契約負債175百万円、未払金113百万円であります。固定負債は300百万円となりました。これは長期借入金300百万円であります。この結果、負債合計は776百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は1,452百万円となりました。主な内訳は資本金449百万円、資本剰余金1,404百万円、利益剰余金△457百万円であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、313百万円減少し、1,039百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は270百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益82百万円の計上、減価償却費及びその他の償却費151百万円の計上、契約負債の増加69百万円があった一方、売上債権の増加109百万円、仕入債務の減少10百万円及び法人税等の支払額2百万円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は615百万円となりました。これは主に、ソフトウエア開発の無形固定資産の取得による支出444百万円、敷金及び保証金の差入による支出98百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は31百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出66百万円があった一方で、非支配株主からの払込みによる収入95百万円があったこと等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。

 

b.受注実績

当社グループが提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、省略しております。

 

c.販売実績

当社グループはSaaSソリューション事業の単一セグメントのため、販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。なお、前期の参考情報としてモビルス社の個別財務情報との比較(対前年同期比)を記載しています。

サービスの名称

販売高(千円)

対前年同期比

(増減率)(%)

SaaSサービス

1,364,377

20.3

プロフェッショナルサービス

490,360

22.6

合計

1,854,738

20.9

 

(注)1.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

3.前事業年度まで「SaaSサービス」「プロフェッショナルサービス」「イノベーションラボサービス」の3つのカテゴリーにて開示を行っておりましたが、プロフェッショナルサービス中のカスタマイズ事業のビジネスモデル転換の進捗により、「イノベーションラボサービス」に区分される新規案件が限られてきたことから、当連結会計年度より「イノベーションラボサービス」を「プロフェッショナルサービス」に統合して開示することといたしました。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の営業利益は90百万円で通期黒字化を達成しました。

売上高は、1,854百万円となりました。当社グループの主要事業であるSaaSサービスにおいて、大規模のオペレータを有するコンタクトセンターでの利用が開始されるなど案件が大型化するとともに、MooA(生成AI関連製品)の導入も進んだことが売上高の増加に寄与しました。当連結会計年度末時点で、当社グループのSaaSサービスの契約数は322件、契約当たりの平均単価は295千円となりました。参考情報としての前事業年度モビルス社個別財務情報との比較では、SaaSサービスの売上高は20.3%の成長、契約当たりの平均単価は55千円増加しました。プロフェッショナルサービスにおいては、有償カスタマーサクセス案件の獲得が進んだこととともに、オペレータ支援AI機能のMooA導入に伴う複数のカスタマイズ開発案件が売上高増加に寄与しました。参考情報としての前事業年度モビルス社個別財務情報との比較では、プロフェッショナルサービスの売上高は22.6%の成長となりました。

売上高の増加に加え、ソフトウエア償却負担の減少等により、売上総利益率は67.6%と高い水準を維持しました。また、採算性向上に向けたコスト削減施策を進めたことで、参考情報としての前事業年度モビルス社個別財務情報との比較では、売上原価率が前期49%から当期32%に、売上高販管費率が前期74%から当期61%に低下し、これらが営業利益の増加に寄与しました

当連結会計年度における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」、キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要として主なものは、当社グループ製品であるソフトウエアへの開発投資、事業の拡大に伴う人件費及び採用費等であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて最適な方法を選択しております。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社グループは、SaaSソリューション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

SaaSサービス

プロフェッショ

ナルサービス

合計

外部顧客への売上高

1,364,377

490,360

1,854,738

 

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。