2026年6月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,345名(単体) 2,065名(連結)
  • 平均年齢
    37.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    4.5年(単体)
  • 平均年収
    12,325,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    4.8%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①経営戦略と関連付けた人材戦略

 当社グループは、グループミッションである「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」の達成に向け、人的資本をグループミッションの達成に不可欠な経営資本の一つと位置づけています。

 当社グループのマテリアリティ及び重点領域では、データ・AI等のテクノロジー活用による新しいお客さま体験の創造、グローバルでの価値循環の拡大、安心・安全で公正な取引環境の実現、並びに世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織の体現を掲げています。

 これらを実現するためには、世界中の多様なタレントが、それぞれの専門性を発揮しながら、当社グループのバリューを体現し、継続的に挑戦・成長できる環境を整えることが不可欠であると考えています。

 この考え方のもと、当社グループは「世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織の体現」をマテリアリティの一つに掲げています。

 具体的には、Culture Doc や Value を通じて、ミッション実現に向けて期待される行動や判断基準を明確化するとともに、採用、育成、配置、評価、報酬等の人材マネジメント施策を通じて、一人ひとりの成長と組織成果の最大化を目指しています。

 また、インクルージョン&ダイバーシティの推進により、多様なバックグラウンドを持つ人材が平等な機会を得て活躍できる環境を整備し、意思決定の質及び組織の創造性を高めていきます。

 

②人材戦略を踏まえた従業員給与等の決定方針

 従業員給与等については、上記の人材戦略を実現するための重要な人的資本投資の一つと位置づけています。

 当社グループでは、職務・役割、成果、バリューの発揮度、市場競争力等を踏まえ、属性に関わらず、公正で市場競争力のある報酬機会を提供することを重視しています。

 また、バリューの発揮度や成果を踏まえた評価・報酬等を通じて、従業員一人ひとりの挑戦と成長を促し、持続的な企業価値向上につなげることを目指しています。

 報酬制度の運用にあたっては、経営環境や人材市場の変化を踏まえ、必要に応じて見直しを行うことで、経営戦略の実行に必要な人材の獲得・活躍を支えることを目指しています。

 

③平均年間給与の前年度比増減率

 当事業年度における提出会社の平均年間給与は12,325千円となり、前年度比で4.8%増加しました。

 今後も、経営戦略の実行に必要な人材の獲得・育成・活躍を支える観点から、報酬を含む人的資本への投資を継続的に検討してまいります。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年6月30日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

Japan Business

1,368

(393)

US

123

-

報告セグメント計

1,491

(393)

その他

231

(46)

全社(共通)

343

(43)

合計

2,065

(482)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年6月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,345

(290)

37.2

4.5

12,325

4.8

 

セグメントの名称

従業員数(人)

Japan Business

972

(247)

US

30

-

報告セグメント計

1,002

(247)

その他

-

-

全社(共通)

343

(43)

合計

1,345

(290)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。

 

③労働組合の状況

 当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。

 

④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

労働者の育児休業等取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)3

男性

女性

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

25.2

86.4

96.8

29.26

28.57

31.35

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。2026年4月の法改正により開示対象が拡大したことを受け、当事業年度より開示対象を「提出会社」から「子会社への出向者を含む株式会社メルカリ雇用」へ拡大しています。

(参考)当事業年度における「提出会社」の管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合:26.1%

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。従って、配偶者出産休暇は含めておりません。

3.対象期間:2026年6月期(2025年7月1日から2026年6月30日まで)

賃金:基本給、賞与、残業手当等を含み、上場前ストックオプション、持株会奨励金、通勤手当などを除きます。「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」における「男女の賃金の差異」の算出の原則に適合しております。

4.連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。

5.子会社への出向者を含む株式会社メルカリ雇用の労働者を対象にしています。海外子会社においては現地の法律や文化的背景を踏まえ、収集するデータを限定しているため本項目の対象外としております。国内における状況につきましては、連結従業員数の大部分を株式会社メルカリの従業員が占めていることから、当社グループの状況は株式会社メルカリのデータにより十分に代表されると考えております。このため、国内子会社についても集計対象外としております。

 

⑤使用人等のみに対して付与する新株予約権の内容

 使用人等のみに対して付与する新株予約権の内容については、「1株式等の状況(2)新株予約権等の状況①ストックオプション制度の内容」に記載しています。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

1.サステナビリティ全般

 メルカリは、事業を通じて環境や社会に貢献する「プラネット・ポジティブ」(注)を追求することで、物理的なモノやお金に限らずあらゆる価値がなめらかに循環する社会の実現を目指しています。

 事業を通じて生まれた温室効果ガスの削減貢献量を算出した結果、「メルカリ」の算出対象カテゴリーで取引したことによって、2026年度は日米合計で年間推計約85万トンの温室効果ガスの排出を回避できたことがわかりました。

 メルカリは、さまざまな取り組みを通じてリユースを推進し「捨てる」を減らすことで、限りある資源が大切に使われるサーキュラーエコノミーの実現に貢献します。

(注)「事業の成長を通じて地球環境に対してポジティブなインパクトを生み出し続けていく存在でありたい」というメルカリの企業姿勢を表現した、プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)という概念をベースにした当社グループの造語

 

(1)ガバナンス

 マテリアリティごとの実行計画を執行役会にて毎年定めている事業計画に組み込み、事業戦略とマテリアリティへの取り組みをより一体的に推進しています。

 マテリアリティごとの進捗状況のモニタリングは、事業計画の進捗と併せて執行役会にて四半期ごとに行われ、取締役会へ報告されます。本体制とプロセスを通じて、ESGの更なる推進を目指します。

 

(注)ESG委員会の分科会として実施していた「I&D Council」並びに「マーケットプレイスのあり方に関するアドバイザリーボード」は、各マテリアリティを推進する会議体として、引き続き定期的に開催いたします

 

(2)戦略

 当社は、事業を通じて社会・環境課題の解決に貢献していく価値創造に関わるものと、持続的な成長のために必要な経営基盤に関わるものの両方の観点から、マテリアリティを定義しています。

 

メルカリグループのマテリアリティ

①個人と社会のエンパワーメント

 誰もがやりたいことを実現し、人や社会に貢献するための選択肢を増やすことで、あらゆる人の可能性が発揮される世界を実現します。

 

②あらゆる価値が循環する社会の実現

 事業を通じて環境や社会に貢献する「プラネット・ポジティブ」な企業を追求することで、物理的なモノやお金に限らずあらゆる価値がなめらかに循環する社会を実現します。

 

③テクノロジーを活用した新しいお客さま体験の創造

 データ・AIなど、革新し続けるテクノロジーも活用しながら常にプロダクトを進化させ、なめらかな価値交換による新しいお客さま体験を創造していきます。

 

④中長期にわたる社会的な信頼の構築

 コーポレートガバナンスの実効性向上とコンプライアンスの徹底による健全で透明性の高い意思決定プロセスを構築することで、社会の公器としての責任を果たし信頼を構築します。

 安心・安全で公正な取引環境を実現し、更に業界全体での啓発・情報共有を行うことで、世界の健全なインターネットサービス環境の実現に寄与していきます。

 

⑤世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織の体現

 世界中の多様なバックグラウンドを持つ人材がポテンシャルを最大限に発揮して働ける環境を整えることで、持続的に成長できる企業としてあり続けます。

 

(3)リスク管理

 当社では、サステナビリティ戦略を事業戦略と一致させ、マテリアリティごとの実行計画を毎年執行役会にて定める事業計画に組み込み、事業戦略とマテリアリティへの取り組みを一体的に推進しています。サステナビリティに関連するリスク及び機会は、マテリアリティごとの進捗状況として事業計画と併せて四半期ごとに執行役会でモニタリングされ、取締役会に報告しております。またサステナビリティに関するリスクは当社のリスク管理のプロセスに則り、全社的なリスク管理の枠組みの中で適切に管理されています。

 

(4)指標と目標

 特定したマテリアリティごとのサマリ及び重点領域方針は以下のとおりです。

マテリアリティ

2026年6月期重点領域

2026年6月期サマリ

2027年6月期重点領域

①個人と社会のエンパワーメント

・あらゆる人の可能性が発揮される世界の実現

 「メルカリ」があることで「モノを捨てずに済んだ」と実感するお客さまが85.8%(前年の78.1%から+7.7pt)に達するなど、「捨てる」を減らす行動が社会に定着しつつある。また環境に配慮した行動の実施率は前年から上昇し、「捨てる前に売る・譲るなど他の手段を考える」お客さまも増加。環境や社会課題への意識は、認知の段階から具体的な行動への転換へと着実に進展。

・あらゆる人の可能性が発揮される世界の実現

②あらゆる価値が循環する社会の実現

・事業成長に伴うポジティブインパクトの拡大

・グローバルでの価値循環の拡大

 サービス開始から13年が経ち、累計出品数は50億品を突破、年間取引件数は約2.7億件へと拡大するなど、価値循環の規模が大きく広がった。越境取引は台湾・香港に続き2026年6月に米国でのサービスを開始し、グローバルでの価値循環も前進。取引量および算定対象の拡大により、ポジティブインパクト(CO2削減貢献量)は年間85万トンに達した。

・事業成長に伴うポジティブインパクトの拡大

・グローバルでの価値循環の拡大

③テクノロジーを活用した新しいお客さま体験の創造

・データ/AIを活用したなめらかなお客さま体験の提供

・エコシステム拡大のための協業の推進

 出品時に商品情報を自動提案する「AI出品サポート」により出品完了率が向上し、2026年6月にはChatGPTとの連携で新たなお客さま接点も創出。カスタマーサポートでもAI活用が進み、お客さま自身での解決や解決までの時間短縮につながった。Fintechでは、より柔軟に資産を扱えるウォレットの実現に向けて、メルカリバンクや複合決済をリリースし、決済・金融体験を拡充。

・データ/AIを活用したなめらかなお客さま体験の提供

・エコシステム拡大のための協業の推進

④中長期にわたる社会的な信頼の構築

・安心・安全で公正な取引環境の実現

・お客さま、ステークホルダー(社会、投資家、メディア等)からの信頼獲得

・持続的成長を支える収益力強化

 2025年7月に「全額補償サポートプログラム」を開始し、不正検知AIの高度化による取引に関する問い合わせ発生率の低減や「メルカリ鑑定センター」の設立など、安心・安全な取引環境づくりを推進。2025年10月には「マーケットプレイスの基本原則」に基づく新たな対応方針を策定。「透明性レポート」を公開し、取り組み状況の開示が進捗。24時間の脅威監視体制のもとで重大インシデント0件を通期で継続し、セキュリティ・リスク管理も強化。

・安心・安全で公正な取引環境の実現

・お客さま、ステークホルダー(社会、投資家、メディア等)からの信頼獲得

・持続的成長を支える組織基盤と収益力の強化

⑤世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織の体現

・AIの活用による組織生産性の飛躍的な向上

・多様なタレントの人材開発とI&Dの推進

 エンジニア1人あたりの開発量はAI活用前と比べて約7.6倍に達するなど、組織生産性が飛躍的に向上。CHRO兼CAIOの就任など、経営体制もAI-Nativeへと再設計。さらに非エンジニア約1,000名が参加した「AI Agent Day」などを通じAI活用が全社に浸透。あわせて男女間賃金格差の縮小など、多様な人材が活躍できる組織づくりも継続して推進。

・AIの活用による組織生産性の飛躍的な向上

・多様なタレントの人材開発とI&Dの推進

 詳細はサステナビリティサイト及びインパクトレポートで開示しています。以下サイトよりご覧ください。

https://about.mercari.com/sustainability/

 

2.TCFDに基づく開示

 当社グループでは、気候変動問題を事業に影響をもたらす重要課題の一つと捉え、経営戦略に取り入れ、グループ全体で気候変動対策に積極的に取り組んでいます。このような背景から、2021年6月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。

 TCFD提言は、すべての企業に対し、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に基づく情報の開示を推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目にそって、気候関連情報を開示しております。

 

(1)ガバナンス

 気候変動の影響等のESGの観点は、執行役会の重要アジェンダの一つとして十分な議論の時間を定期的に確保し、経営の意思決定及び業務の執行プロセスに組み込む体制を構築しています。マテリアリティごとの進捗状況のモニタリングは、事業計画の進捗と併せて執行役会にて四半期ごとに行われ、取締役会へ報告されます。本体制とプロセスを通じて、ESG推進を行って参ります。

 

(2)戦略

 当社グループ全体を対象として、気候変動に関連する「移行リスク」「物理的リスク」「機会」を特定・評価するためにシナリオ分析を実施しています。

 シナリオ分析では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき2つのシナリオ(1.5℃/2℃シナリオ、4℃シナリオ)を設定し、当社グループの2030年以降の社会を考察しております。

 シナリオ分析に基づく、気候変動に関連する主なリスクと機会は以下のとおりです。

区分

気候変動が当社グループに及ぼす影響

顕在時期

事業インパクト

当社の対応策

リスク

物理的リスク

急性

自然災害の激甚化によるデータセンター等のダウン

 

自然災害の激甚化により、データセンターや電力会社が被災した場合、電気及びネットワークの中断、データセンターのダウン等を引き起こし、顧客(売り手・買い手)がオンラインで販売及び購入できなくなる

中~長期

中

・操業停止期間を減少させるBCPの構築

・災害復旧計画の検討

移行リスク

政策

・

法規制

各種規制や燃料価格上昇による商品の配送コストの増加

 

カーボンプライシングの導入、燃料価格上昇、クリーンエネルギー規制や、燃費規制、配送人件費の増加等による商品の配送コストの増加は、顧客(売り手・買い手)に影響を与え、マーケットプレイスで販売される商品の需要に影響する

中~長期

小

・サプライヤーエンゲージメントの強化

・環境負荷の少ない配送手段の拡大

移行リスク

評判

気候変動対応が不十分なことによる金融機関・投資家からの評判低下

 

投資家や金融機関から気候変動関連の対応や情報開示への要請が高まる中、暗号資産事業や越境取引の拡大等に対して対応が不十分であった場合、資金調達への影響が想定される

中~長期

中

・情報開示の充実化

・2030年までのScope1+2 100%削減

・Scope 3における削減

・配送事業者等とのサプライヤーエンゲージメントの強化

・暗号資産事業の取引規模に応じたカーボン・オフセットの実施

物理的リスク

慢性

温暖化による冬物衣料の需要低下

 

温暖化により、マーケットプレイスで販売される冬物衣料の需要が低下することで売上に影響する

中~長期

中

・他カテゴリーの需要強化

・越境取引、BtoC取引等市場の拡大

機会

 

評判

環境意識の高まりによる、消費者選好の変化における競争力の強化

 

サステナブルな消費者行動の浸透に伴うメルカリ利用者の増加と、メルカリを利用する新たな動機(環境貢献)を創出

短~中期

大

・「捨てるをへらす」サステナブルな消費者行動の促進

 

事業/財務的影響評価

・大(30億円以上):事業戦略への影響または財務的影響が大きいことが想定される

・中(1億円以上、30億円未満):事業戦略への影響または財務的影響が中程度と想定される

・小(1億円未満):事業戦略への影響または財務的影響が小さいことが想定される

 

 上記のとおり、当社グループの事業活動にとっては、気候変動に伴う環境意識の高まりや消費者行動の変化によって創出される市場機会の方が気候変動リスクがもたらす影響よりも大きいと評価しております。また、「環境意識の高まりによる、消費者選好の変化における競争力の強化」に関しては、サステナブルな消費者行動の浸透に伴うメルカリ利用者の増加と、メルカリを利用する新たな動機(環境貢献)を創出しうる機会と捉えております。一方でAI活用および将来的なクラウド利用の増加に伴う環境負荷およびコストの上昇を招くリスクがあることは、認識しております。対応策として、AIモデルの最適化等も今後検討してまいります。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しております。特定したリスクと機会は、ESGのガバナンス推進体制において管理しております。案件に応じて、取締役会に報告・提言を行うフローも構築しております。

 

(4)指標と目標

削減目標

Scope1,2:2021年を基準年とし、2030年までに100%削減

Scope3:2023年を基準年とし、2030年までに付加価値当たりの排出量(原単位)51.6%削減(カテゴリー9が対象)

 

2026年6月期(2025年7月〜2026年6月) GHG排出量実績

 2026年6月期の当社グループ全体のGHG排出量は約30万トンで以下の結果となりました。Scope1+2について、鹿島アントラーズ施設内で太陽光発電への切り替えが進んだものの、拠点の増加による排出量の変動がありました。また、Scope3カテゴリー9(下流の輸送・配送)については、取引量の拡大により、排出量が増加しております。

 2030年の目標達成に向け、引き続きアクションを実施して参ります。

 (単位:トン)

 

 

2025年6月期

2026年6月期

Scope1

 

576

453

Scope2

電気(マーケット基準)

0

0

電気(ロケーション基準)

788

1,089

熱供給

389

593

合計※1

389

593

Scope1+2

合計※2

965

1,046

Scope3

カテゴリー1

48,109

62,443

カテゴリー2

2,120

5,598

カテゴリー3

435

579

カテゴリー4

671

681

カテゴリー5

53

146

カテゴリー6

3,238

3,767

カテゴリー7

492

167

カテゴリー8

1,609

422

カテゴリー9 ※3

196,108

222,573

カテゴリー10

対象外

対象外

カテゴリー11

対象外

対象外

カテゴリー12

17

18

カテゴリー13

対象外

対象外

カテゴリー14

対象外

対象外

カテゴリー15

対象外

900

小計(Scope3)

252,853

297,294

合計(Scope1+Scope2+Scope3)

253,818

298,340

※1 電気(マーケット基準)と熱供給の合計

※2 Scope1とScope2合計※1の合計

※3 本年度、第三者保証機関と協議の上、算定方法を見直したため、2025年6月期についても数値を遡及修正しています。

 

3.人的資本(人材の多様性を含む)に関する考え方及び取り組み

(1)戦略

 メルカリは、グループミッションの達成のために最も大切なことが「人」への投資だと考えています。それは、一人ひとりが成長し、バリューを最大限に発揮することこそ、ミッションを達成するための近道だと信じているからです。そしてその大方針として「世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織を体現」することをマテリアリティに掲げています。

 詳細は、「第一部 第4-5 従業員の状況等(1)人材戦略に関する基本方針等」をご覧ください。

 

(2)社内環境の整備に関する方針

  Hybrid Workstyle、フルフレックス制度の導入により、組織のスピードと柔軟性を高める働き方を実現しています。インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)の体現に向けて、経営オフサイトミーティングにて定期的にI&D推進について議論し、経営陣の強いコミットメントのもと、多様な人材が活躍できる生産的な組織環境の構築に取り組んでいます。

  また、礼拝などに利用できるウェルネスルームやLGBTQヘルプデスクの設置・周知を通じて、多様なバックグラウンドを持つ社員が安心して働ける環境の整備を進めています。

 

(3)人的資本経営に関する指標

  メルカリでは、ミッション達成においてI&Dが欠かせないと考えております。世界中から集まった多様なタレントが活躍できる環境を整えることで、組織に多様な視点が備わり、「見落とし」が減少し、意思決定の質が向上すると信じております。

  I&Dを推進する上で、「結果の平等ではなく、機会の平等」を最重視し、多様なタレントが採用や昇格において平等な機会を得られる「プロセス」にフォーカスしております。そのため、結果目標は設定しておりませんが、採用や昇格における候補者プールに目標を定め、継続的なモニタリングを実施しております。

 

基本情報

 

2025年6月期

2026年6月期

連結社員数 (注)1

2,159人

2,065人

年齢層

20代: 14.3%

30代 : 56.8%

40代 :  25.8%

50代:3.0%

60代:0.1%

(平均年齢:36.3歳)

20代:11.3%

30代:55.1%

40代:29.6%

50代:3.7%

60代以上:0.3%

(平均年齢:37.2歳)

平均年間給与

11,763,840円

12,325,035円

 

多様性に関する情報

全社員に占める女性の割合

(注)2

33.8%

31.6%

取締役に占める女性の割合

58.3%

58.3%

管理職に占める女性社員の割合(注)2(注)3

26.0%

25.2%

正社員における男女間の賃金差異(注)2

30.6%

28.6%

男女間の賃金差異における「説明のできない格差」(注)2

1.4%

有意差なし

全社員に占めるエンジニア職社員の割合

全体:38.1%

(うち男性:87.6% 女性:12.4%)(外国籍:58.5%)

42.2%

(うち男性:88.2% 女性:11.8%)(外国籍:57.7%)

東京オフィスで働く社員の国籍数

53ヶ国

52ヶ国

全社員に占める外国籍の社員の割合

29.7%

32.0%

 

 

育児休業・有給休暇に関する情報

 

2025年6月期

2026年6月期

年次有給休暇の取得率(注)2

75.1%

83.4%

育児休業等の取得割合(注)2

男性:84.8%

女性:100.0%

男性:86.4%

女性:96.8%

育児休業等の取得平均日数(注)2

男性:126.3日

女性:268.3日

男性:123.2日

女性:260.1日

育児休暇後、12ヶ月経過時点の定着率(男女別)

(注)2

84.3%

(男性:64人 定着率:83.1%)

(女性:27人 定着率:87.1%)

89.6%

(男性:62人 定着率:92.5%)

(女性:33人 定着率:84.6%)

 

 上記の情報は、注釈のない箇所については提出会社で雇用している労働者を対象にしています。

 

(注)1. 株式会社メルカリ、株式会社メルペイ、株式会社メルコイン、株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー、Mercari, Inc. (US)、Mercari Software Technologies India Private Limitedを含む。

 

(注)2. 子会社への出向者を含む株式会社メルカリ雇用の労働者を対象にしております。海外子会社においては現地の法律や文化的背景を踏まえ、収集するデータを限定しているため本項目の対象外としております。国内における状況につきましては、連結従業員数の大部分を株式会社メルカリの従業員が占めていることから、当社グループの状況は株式会社メルカリのデータにより十分に代表されると考えております。このため、国内子会社についても集計対象外としております。

 

(注)3. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。2026年4月の法改正により開示対象が拡大したことを受け、当事業年度より開示対象を「提出会社」から「子会社への出向者を含む株式会社メルカリ雇用」へ拡大しています。

 (参考)当事業年度における「提出会社」の管理職に占める女性労働者の割合:26.1%

 

<インクルージョンの可視化の取り組みについて>

  当社は、多様な人材が違いを活かし合い、チームのパフォーマンスを最大化する「インクルージョン・ファースト」の考え方を重視しています。

 

  2026年6月期では、東京経済大学の小山健太教授の知見を得て、組織への「帰属性」「独自性」と、その土台となる「心理的安全性」を、チームと意思決定会議の二つの場面で測定する可視化調査を実施しました。属性によって心理的安全性に差があるという課題を特定し、意思決定会議のガイドライン策定など運営の見直しを迅速に進めています。今後もアカデミア等との連携を通じて、あらゆるバックグラウンドをもつメンバーがポテンシャルを発揮し挑戦し続けられる土台づくりを推進します。

 

(4象限のインクルージョン・フレームワーク)

 

  (インクルージョン・フレームワークに基づいた測定結果)

 

 *本分析は以下の文献を参考にしています。

 Shore, L. M., Randel, A. E., Chung, B. G., Dean, M. A., Ehrhart, K. H., & Singh, G. (2011). Inclusion and diversity in work groups: A review and model for future research. Journal of Management, 37, 1262-1289.

 山本華(2023)「日本語版職場におけるインクルージョン尺度の作成と信頼性・妥当性の検討」『横浜国際社会科学研究』第27巻第3号、pp.53-63.

 船越多枝(2026)「経営学で捉える日本企業のインクルージョンの現状と課題とは」『Works』No.195, リクルートワークス研究所, pp. 8-10.

 

<男女間賃金格差の是正アクションについて>

 メルカリでは、組織内の男性と女性の平均賃金の差のみを示す「男女間の賃金格差」のほか、より状況を正確に把握するために、役割・等級や職種などによる差に起因しない「説明できない格差」(「unexplained pay gap」)も算出しています。属性に関わらない競争力のある報酬を実現するための仕組みの一環として、重回帰分析を使用した定期的な賃金格差のモニタリングを導入しております。

 

説明できない男女間賃金格差(Unexplained Gap)について、2023年に実施した是正措置以降、年2回の定期的なモニタリングおよび採用プロセスの見直し等に取り組んだ結果、前年度に1.4%であった当該格差は、統計的な有意差が認められない水準まで縮小いたしました。今後も、同格差を±1%以内の水準で維持すべく、継続的なモニタリングを行うとともに、必要に応じて適切な措置を講じてまいります。