事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
フィンテック・プラットフォーム | 1,105 | 36.9 | 35 | 245.1 | 3.2 |
フィンテック・トランザクション | 1,889 | 63.1 | -21 | -145.1 | -1.1 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当社、連結子会社17社及び関連会社2社で構成されております。
昨今、金融商品が益々その複雑さを増している中、金融商品を提供する金融機関と個人との間に大きな“情報の非対称性”が存在していると、当社では考えております。そのようなことから、金融商品に潜在的に興味は有していても、当該商品のリスクやリターンにかかる情報が専門的過ぎて理解できないために、実際の購買活動(投資や借入等)を躊躇している個人が多くいると思われます。その非対称性を取り除くことで、個人が自身のお金と時間につき積極的に考えてもらえるよう、当社グループは、フィンテック(1)・プラットフォーム事業として、金融領域特化型ウェブ/スマートフォン・メディアの運営を中心とした、金融関連市場に特化した各種サービスを展開するとともに、フィンテック・トランザクション事業としては融資型・株式型クラウド・ファンディング及び商品仲介業並びに保険代理業、PDCA関連サービスを展開しております。
昨今の日本のインターネット利用環境は、スマートフォンの急速な普及もあり、総務省の統計によるとインターネットを利用している個人の割合は13~69歳の各年齢層で9割を超える水準となっております(「令和5年通信利用動向調査の結果」総務省)。これらのインターネットの急速な普及に伴い、流通する情報量は急激に増加した一方、必ずしもユーザーが閲覧したい適切な情報を速やかに取得できる環境は整備されておらず、特に専門性が高いものほど難解なものが多いため、情報そのものが有効活用されない状況にあると考えられます。
このような環境の中、当社グループのフィンテック・プラットフォーム事業では、"お金に関するリテラシー向上"に寄与する情報の提供を企図し、金融資産3,000万円以上あるいは年収700万円以上のアッパーマス~富裕層を主なターゲットとした「ZUU online」等の金融領域特化型の自社メディア運営を行っております。そして、それら自社メディアの運営に加え、そこでのノウハウを活用し、金融や不動産企業向けに、DXの支援として、インターネット上の情報発信を目的としたメディア・プラットフォーム(2)の構築/運営やデジタル・マーケティング領域におけるコンサルティング等を実施しております。
当社グループは、「ZUU online」を金融領域におけるポータル・サイトと位置付け、まず一般個人ユーザーへ金融関連情報を提供することでサイトの活性化を図り、次に、広告掲載等をとおして金融や不動産企業等に同ユーザーへの接触機会を提供することで、結果、本邦金融業界における数少ないインターネット上の“B to Cプラットフォーム(3)”の役割を担うことを目指しております。同プラットフォームを拡大させるために、当社グループでは、自社メディアへの訪問ユーザー数の増加に注力しております。このように、当社グループでは、顧客企業に、オフラインでは非効率的であったリード・ジェネレーション及びリード・ナーチャリング(4)を主とする営業/販促業務を、インターネットを介することで効率的に推進できるように支援をしています。
なお、サービス開始以降における自社メディアへの月間訪問ユーザー数(5)推移は以下のとおりです。
年度 |
月間訪問ユーザー数(千人) |
合計 |
|
2015年3月期 |
1,130 |
2016年3月期 |
1,931 |
2017年3月期 |
3,019 |
2018年3月期 |
4,282 |
2019年3月期 |
7,030 |
2020年3月期 |
12,564 |
2021年3月期 |
12,816 |
2022年3月期 |
20,660 |
2023年3月期 |
24,859 |
2024年3月期 |
15,809 |
2025年3月期 |
23,514 |
(注 1): フィンテックとは、FinanceとTechnologyを掛け合わせた造語で、最新のIT技術をベースにした新しい金融サービス全般を意味します。
(注 2): メディア・プラットフォームとは、ホームページ以外で企業が保有する自社商材をインターネット上で発信/啓蒙し、潜在顧客である一般個人ユーザーを囲い込む、いわゆるオンライン上の営業店のような場を指します。
(注 3): B to Cプラットフォームとは、Business to Consumer(企業の個人向けビジネス)向けに、商品やサービス提供を行えるプラットフォーム(場)を意味します。
(注 4): 「リード・ジェネレーション」とはリード(潜在顧客)を“獲得”するため、そして、「リード・ナーチャリング」とは同リードを顕在顧客へと“育成”するため、のマーケティング施策をそれぞれ意味する当社の造語であります。
(注 5): 月間訪問ユーザー数とは、1ヶ月間において、「ZUU online」等の自社メディアにアクセスした人数を表しております。ページ閲覧数とは異なり、同一人物が期間中に自社メディアを複数回訪問したとしても、期間中のユニーク・ユーザーは1人となります。
当社グループは、「機会格差を解消し、持続的に挑戦できる世界へ」というパーパスの下、「挑戦を加速させる資本へのアクセシビリティを自由に解放し、世の中に存在する様々な機械格差を解消する。そして、90億人が自分の夢や人の夢に熱狂し、心から応援し合いながら、ともに挑戦を楽しみ続けている世界を実現する。」をビジョンに掲げ、フィンテック・プラットフォーム事業及びフィンテック・トランザクション事業を展開しております。当社グループの収入源である主たるサービスの概要と特徴は、以下のとおりです。
セグメント名 |
サービス内容 |
フィンテック・プラットフォーム事業 |
・ユーザーへの金融コンテンツ提供 ・デジタル店舗の掲載 ・金融機関等への送客事業 ・広告掲載 ・アドバイザーマッチング ・スモールM&A仲介 ・メディア・プラットフォームの構築と運営 ・デジタル・マーケティング領域におけるコンサルティング |
フィンテック・トランザクション事業 |
・IFA事業 ・株式型クラウド・ファンディング ・融資型クラウド・ファンディング ・ファンドを活用した資金調達支援及び資金運用支援 ・当社のコアバリューである鬼速PDCAをベースとした業務効率化・生産性向上のためのPDCAシステム及び付帯する組織コンサルティング |
(1)フィンテック・プラットフォーム事業
(メディアの運営)
金融に興味を有する一般個人ユーザーを集客する自社メディアを開発・運営し、金融機関等とユーザーのマッチングを行っております。具体的には、金融関連サービスのニーズを有する潜在層ユーザー向けのリード・ジェネレーション記事、リード・ナーチャリング記事を発信することで、ユーザーが金融商品サービスの比較・検討や情報入手を行う土台の環境作りを行うと同時に、そうしたユーザーにリーチしたい顧客企業の営業/販促活動を支援しています。収益モデルとしては、顧客企業又は顧客企業が取り扱う商材のプロモーションを行う目的で、有償にて制作され自社メディアに掲載する記事広告のテキストやバナー画像にリンクを張ることにより、当該テキストや画像をユーザーがクリックすると顧客企業のウェブサイトに誘導され、当社は、広告掲載場所、広告掲載サイズ、読者数や送客ユーザー数等(6)に応じて、広告料を受け取っております。また、当社で運用を支援しているメディア・プラットフォームを保有している企業に対し、自社メディアを活用したプロモーション施策(メディア・プラットフォームのアクセス数増加施策等)の支援も行っております。また、共同でメディア・プラットフォームを運営している企業に対する支援も行っており、その報酬を受け取っております。なお、本サービスにおける特徴は、以下のとおりであります。
(注 6): 例えば、広告掲載場所とは、記事広告は「ZUU online」の右側PR枠、バナー広告はウェブサイトの背景全体や「ZUU online」の右側PR枠の上部となります。また、広告掲載サイズは、当該広告の掲載場所次第で異なるものになります。最後に、読者数とはPV数、送客ユーザー数とは記事広告やバナー広告を介して顧客企業のウェブサイトに遷移したユーザー数、のことをいいます。
①エグゼクティブで資産運用ニーズを有するアッパーマス~富裕層ユーザーへのフォーカス
「ZUU online」は、創業以来、ターゲット・ユーザー層を金融資産3,000万円以上あるいは年収700万円以上のアッパーマス~富裕層に定め、運営をしております。また、ユーザーの行動履歴データ及び会員データから詳細な独自のデータベースを蓄積、分析を進め、ユーザーの“見える化”に努めております。
このデータベースの拡充に伴い、One-to-Oneマーケティング(7)に沿った様々なウェブ・ソリューション・サービスの提供がますます可能となります。具体的には、各会員の趣向や属性に即して、最適化されたターゲティング広告の配信、顧客企業による各会員への個別の情報配信等、を開始しております。
(注 7): One-to-Oneマーケティングとは、従来型のマス・マーケティングの対局に位置する考えで、ユーザー一人ひとりの趣向や属性等を基とした上で、各ユーザーに対して個別にマーケティングを行っていくものです。
②質を重視した、専門的分野におけるコンテンツの制作力
当社グループは、ユーザー・ニーズを的確に意識した編集チームを配し、企画及び編集を担いつつ、外部の金融関連専門家(ファイナンシャル・プランナー、ファンド・マネージャー、証券アナリスト等)との協力関係も有し、同専門家の隙間時間等を有効活用するための仕組みを取り入れたライター管理システムを当社グループ独自で構築・運用しています。なお、当社グループのメディアは専門性の高い金融関連系であるため、コンテンツはトレンドに影響を受ける側面が小さく陳腐化が遅いため、コンテンツがストックしていく特性があります。よって、ユーザーのアクセス量がコンテンツ量に比例する傾向があるメディア・ビジネスにおいて、当社グループは制作面において、費用対効果を意識した効率化を推進できております。
③広告単価の水準
一般的に、投資信託、生命保険、住宅ローンや不動産等を取り扱う金融関連業界は、衣服や食品等を取り扱う他オンライン取引業界と比較し、その取引額が高額になりがちなため、当社グループの広告単価も、消費財を取り扱う場合との比較においては高水準となるものと認識しております。加えて、「ZUU online」をはじめとする自社メディアは、ユーザーへ情報提供から比較まで幅広く支援できるため、潜在層ユーザーの(金融等への)興味を喚起することで、顕在化できることに特徴があります。そのため、高単価での受注獲得に寄与していると考えます。
(顧客企業へのソリューション提供)
本サービスは、顧客企業の業務効率化の一環として、インターネット上での広告宣伝、集客、そして購買活動を支援すべく、主に当該企業よりメディア・プラットフォームの構築及び運用の支援、デジタル・マーケティング領域におけるコンサルティング等を行っているものであります。具体的には、メディア・プラットフォームの構成及びそこで発信するコンテンツ(記事)方針にかかるコンサルティング、プラットフォームの構築や日々の保守運用、コンテンツの制作、集客及び購買に至るまでの対策のコンサルティングにつき、その報酬を受け取っております。
なお、本サービスにおける特徴は、以下のとおりであります。
①自社メディアの構築及び運用の実績とそれに基づくデジタル・マーケティングのノウハウ
昨今、本邦金融業界においては、欧米諸国の例に倣い、インターネット上での集客そして購買活動の促進を主としたフィンテック化需要の高まりが見受けられます。しかし、これまでほぼオフラインのみでの営業活動を行ってきた金融や不動産企業にとっては、インターネット上でのそれら活動は容易ではなく、多くの企業が苦戦を強いられているのが実情です。それらのニーズに対応するため、当社グループのメディア構築及び運用の実績・ノウハウが有効活用されております。具体的には、インターネットを介することによる業務効率化の施策として、顧客企業に、当社グループの自社メディアで蓄積したリード・ジェネレーション及びナーチャリングのノウハウに基づく営業/販促支援を行っています。
②自社メディアへのアクセス・ユーザー数
一般的に、アッパーマス~富裕層ビジネスは、当該対象ユーザーへのアクセスが容易でないことが大きな課題となりがちです。そのような課題を有する企業にとって、当社グループが当該企業のメディア・プラットフォームの構築/運用を支援するとともに、そこでの記事を「ZUU online」でも転載することによる連携で、「ZUU online」を訪問するユーザーへ間接的に接触することが可能となります。
③金融業界を熟知した上でのインターネット・ソリューションの提供
上記のように金融業界におけるフィンテック化が注目を集める中で、『その広大な定義に対して何から手を付けるべきか』、『どのようにフィンテック化していくべきか』等、が重要なテーマとなりつつあると当社では考えております。当社は、金融業界出身者が多くを占めるインターネット企業であるため、同業界での顧客企業への深い理解を前提としたインターネット・ソリューション・サービスを提供でき、そのような業界テーマへも的確に対応することができます。
(2)フィンテック・トランザクション事業
(IFA事業)
IFA事業とは、顧客に金融機関から独立した立場で資産運用に関する専門的アドバイスを提供し金融商品の紹介や保険の紹介を行う事業です。当社グループでは金融商品仲介業及び保険代理業等をおこなっております。
(株式型クラウド・ファンディング)
株式型クラウド・ファンディングとは、インターネットを通じて多くの人が少額の資金を出して、未上場の新規・成長企業の株式に投資することが出来る仕組みです。当社グループではクラウド・ファンディングを利用して資金を集めたい企業と未上場企業の株式に投資したい個人を結びつけ、集まった資金に応じて手数料収入を得ております。
(融資型クラウド・ファンディング)
融資型クラウド・ファンディング(ソーシャルレンディング)とは、インターネットを通じて多くの人が少額の資金を投資して、企業への貸付を行い、その利息を投資額に応じてリターンとして得ることが出来る仕組みです。当社グループではクラウド・ファンディングを通じて集めた資金を、対象企業へ貸付け、運用することで収入を得ております。
(ファンドを活用した資金調達支援及び資金運用支援)
ファンドを活用した資金調達支援及び資金運用支援とは、ファンドを通じて調達した資金を、成長資金ニーズのある企業に投資をすることにより、資金の受け手である企業に対しては、資金の調達支援を行い、一方で、資金の出し手である企業や個人に対しては、資産運用の機会を提供しております。資金の受け手である企業からは資金調達におけるアドバイザリー報酬を、資金の出し手である企業や個人からは資産運用の手数料を収入として得ております。
(PDCA関連サービス)
当社のコアバリューである鬼速PDCAをベースとして、仕組みの導入・定着に向けた支援を実施するとともに、顧客のPDCA最適活用を目指し、主に経営・マネジメント・セールス面のPDCAプロセスをクラウド上に可視化するサービスを提供しております。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く事業環境は、株式会社電通発表の『2024年 日本の広告費』(2025年2月27日発表)によると、好調な企業収益や消費意欲の活発化、世界的なイベント、インバウンド需要の高まりなどに支えられ、日本の総広告費は前年比104.9%の7.7兆円となり3年連続で過去最高となりました。インターネット広告費は、継続的に高い成長率を維持しており、3.6兆円を超え、広告市場全体の成長を後押ししております。
このような環境の中、「機会格差を解消し、持続的に挑戦できる世界へ」というパーパスの下、「ZUU online」等の自社メディアのユーザー層の拡大、及び他有力メディアとの連携、並びに金融トランザクションの拡大による提供サービス・商品ラインナップの強化やコンサルティング・サービスの受注効率の向上を目指しております。
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,380,492千円となり、前連結会計年度末に比べ115,287千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が903,130千円増加し、営業貸付金が1,050,720千円減少したことによるものであります。
固定資産は4,265,107千円となり、前連結会計年度末に比べ431,351千円増加いたしました。これは主に投資有価証券が393,205千円増加し、のれんが92,321千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は9,645,600千円となり、前連結会計年度末に比べ316,064千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は3,127,543千円となり、前連結会計年度末に比べ1,083,915千円減少いたしました。これは主に匿名組合出資預り金が1,360,720千円減少したことによるものであります。
固定負債は220,772千円となり、前連結会計年度末に比べ24,006千円増加いたしました。これは主に長期借入金が8,156千円増加し、繰延税金負債が5,201千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は3,348,316千円となり、前連結会計年度末に比べ1,059,909千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は6,297,284千円となり、前連結会計年度末に比べ1,375,973千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益120,104千円を計上し、非支配株主持分が1,276,224千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は13.7%(前連結会計年度末は13.0%)となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高は2,993,718千円(前連結会計年度比3.2%増)、営業利益は14,466千円(前連結会計年度比87.4%減)、経常利益は54,957千円(前連結会計年度比56.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は120,104千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失45,163千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(フィンテック・プラットフォーム事業)
検索エンジンのアルゴリズム変更の影響が長期化し、訪問ユーザー数が想定していた程伸びず、送客事業は伸び悩みました。その結果、売上高1,104,777千円(前連結会計年度比33.3%減)、営業利益は35,456千円(前連結会計年度比65.4%減)となりました。
(フィンテック・トランザクション事業)
グループ会社の融資型クラウド・ファンディング、株式投資型クラウド・ファンディングを含め、ファンド組成を中心に金融トランザクションが順調に伸びを示しました。その結果、売上高は1,888,941千円(前連結会計年度比52.1%増)、営業損失は20,989千円(前連結会計年度は営業利益12,596千円)となりました。
なお、当社グループが運営するファンドが保有する外貨建て資産について、期末為替レートによる評価替えを行ったことにより、為替差益を営業外収益に32,435千円計上しております。
当社グループが運営するファンドが保有する投資有価証券の一部について、売却を進めたことにより、投資有価証券売却益362,099千円を特別利益に計上しております(うち、330,696千円は2025年3月期第3四半期連結累計期間において計上しております)。
当社グループが運営するファンドが得た収益のうち、組合員へ分配する利益について匿名組合損益分配額として284,709千円を計上しております(うち、233,944千円は2025年3月期第3四半期連結累計期間において計上しております)。この匿名組合損益分配額は、匿名組合損益分配前税金等調整前当期純利益から控除します。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は2,653,113千円となり、前連結会計年度末と比べ815,129千円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は737,648千円(前連結会計年度は120,558千円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益667,530千円、子会社株式売却益769,883千円、投資有価証券売却益362,099千円、投資有価証券評価損187,050千円、匿名組合出資預り金の減少1,360,720千円、営業貸付金の減少1,050,720千円、顧客預り金の減少68,174千円及び法人税等の支払122,492千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は564,027千円(前連結会計年度は3,091,990千円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出2,578,026千円、投資有価証券の売却による収入1,297,121千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入769,883千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は2,077,555千円(前連結会計年度は3,310,905千円の収入)となりました。これは主に投資事業組合等における非支配株主からの出資受入による収入3,268,358千円、投資事業組合等における非支配株主への分配金支払1,095,958千円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2)受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
フィンテック・プラットフォーム 事業 |
1,104,777 |
△33.3 |
フィンテック・トランザクション 事業 |
1,888,941 |
52.1 |
合計 |
2,993,718 |
3.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の記載については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a. 経営成績等の状況
当連結会計年度の経営成績等の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績等の状況」に記載のとおりであります。なお、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析等は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本政策は、財務の健全性や資本効率など、当社グループにとって最適な資本構成を考慮しつつ、会社の中長期的観点での成長のため内部留保の充実を図ることを基本と考えております。加えて、将来的には、内部留保との最適なバランスを考え、株主への利益還元を実施して参ります。
当連結会計年度末における現金及び預金の残高は2,623,451千円(前連結会計年度末残高1,720,320千円)、有利子負債残高は297,180千円(前連結会計年度末残高260,476千円)となりました。また流動比率(流動資産/流動負債)は172.0%と十分な流動性を確保しております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
「フィンテック・プラットフォーム事業」は金融領域特化型ウェブ/スマートフォン・メディアの運営を中心とした、金融関連市場に特化した各種サービスを展開しており、「フィンテック・トランザクション事業」は融資型・株式型クラウド・ファンディング及び商品仲介業並びに保険代理業、PDCA関連サービスを展開しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益又は損失は営業利益又は営業損失ベースでの数値であります。
セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
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(単位:千円) |
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報告セグメント |
調整額 (注) |
連結 財務諸表 計上額 |
||
|
フィンテック・プラットフォーム |
フィンテック・ トランザクション |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
外部顧客への 売上高 |
1,657,248 |
1,242,282 |
2,899,531 |
- |
2,899,531 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
600 |
300 |
900 |
△900 |
- |
計 |
1,657,848 |
1,242,582 |
2,900,431 |
△900 |
2,899,531 |
セグメント利益又は損失(△) |
102,415 |
12,596 |
115,011 |
- |
115,011 |
セグメント資産 |
251,552 |
8,006,067 |
8,257,620 |
1,071,916 |
9,329,536 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
減価償却費 |
8,915 |
6,683 |
15,598 |
- |
15,598 |
のれん償却額 |
- |
22,710 |
22,710 |
- |
22,710 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
- |
- |
- |
32,624 |
32,624 |
(注) セグメント資産の調整額は、セグメント間取引消去△168,065千円及び報告セグメントに配分していない全社資産1,239,981千円であります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
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|
(単位:千円) |
|
|
報告セグメント |
調整額 (注) |
連結 財務諸表 計上額 |
||
|
フィンテック・プラットフォーム |
フィンテック・ トランザクション |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
外部顧客への 売上高 |
1,104,777 |
1,888,941 |
2,993,718 |
- |
2,993,718 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
- |
- |
- |
- |
- |
計 |
1,104,777 |
1,888,941 |
2,993,718 |
- |
2,993,718 |
セグメント利益又は損失(△) |
35,456 |
△20,989 |
14,466 |
- |
14,466 |
セグメント資産 |
201,507 |
8,300,476 |
8,501,984 |
1,143,616 |
9,645,600 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
減価償却費 |
12,574 |
22,011 |
34,585 |
- |
34,585 |
減損損失 |
- |
- |
- |
63,631 |
63,631 |
のれん償却額 |
- |
22,710 |
22,710 |
- |
22,710 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
- |
- |
- |
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(注) セグメント資産の調整額は、セグメント間取引消去△104,555千円及び報告セグメントに配分していない全社資産1,248,172千円であります。また、減損損失の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産の一部について減損損失を計上した金額であります。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%超であるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%超であるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
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(単位:千円) |
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フィンテック・ プラットフォーム |
フィンテック・トランザクション |
全社・消去 |
合計 |
当期償却額 |
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22,710 |
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22,710 |
当期末残高 |
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85,164 |
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85,164 |
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
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(単位:千円) |
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フィンテック・ プラットフォーム |
フィンテック・トランザクション |
全社・消去 |
合計 |
当期償却額 |
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22,710 |
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22,710 |
当期末残高 |
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177,485 |
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177,485 |
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。