2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,976名(単体) 4,155名(連結)
  • 平均年齢
    42.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.5年(単体)
  • 平均年収
    8,437,958円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    1.0%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

本方針等につきましては、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(2)重要なサステナビリティ項目 ②人的資本への対応 〔戦略、指標及び目標〕」に記載しております。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

機能化学品事業

1,674

医薬・医療・健康事業

532

化薬事業

1,427

その他の事業

293

全社(共通)

229

合計

4,155

 (注)1.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの 出向者を含む。)であります。

    2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,976

42.9

17.5

8,437,958

1.0

 (注)1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。

2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。

セグメントの名称

従業員数(名)

機能化学品事業

848

医薬・医療・健康事業

495

化薬事業

419

その他の事業

全社(共通)

214

合計

1,976

 (注)1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。

    2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

③労働組合の状況

 労使関係について特記すべき事項はありません。

 

④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性従業員の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

ア 提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

(注)2

男性従業員の育児休業取得率(%)

(注)3

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)2

全従業員

うち正規雇用
従業員

うち有期
雇用者

6.4

94.1

72.5

73.6

87.8

男女の賃金の額に差異が生じる理由

・男女間の管理職比率、平均勤続年数に差が生じたため

・製造部門の交替勤務従事者が男性のみであり、その手当により賃金差が生じたため

(注)1.当事業年度末時点における課長級以上の職位にある者または職務の内容・責任の程度が課長級以上に相当する者を対象とし、課長代理、課長補佐、係長を含まず算出したものであります。

   2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

イ 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

(%)

(注)1

(注)2

男性従業員の育児休業取得率

(%)

(注)3

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)2

全従業員

うち正規雇用従業員

うち有期雇用者

油化産業㈱

7.0

75.0

78.5

79.0

56.6

(注)4

日本工機㈱

0.0

30.0

70.4

69.5

66.5

(注)4

日油技研工業㈱

3.6

100.0

49.5

70.1

52.4

(注)5

昭和金属工業㈱

0.0

33.3

72.0

74.4

65.5

(注)6

ニチユ物流㈱

0.0

83.3

85.5

84.1

(注)7

(注)1.当事業年度末時点における課長級以上の職位にある者または職務の内容・責任の程度が課長級以上に相当する者を対象とし、課長代理、課長補佐、係長を含まず算出したものであります。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、同算出において分母とする対象者がゼロの場合に「-」と記載しています。

4.男女の賃金の額の差異は、男女間の管理職比率に差が生じたことによります。

5.男女の賃金の額の差異は、男女間の平均勤続年数に差が生じたこと、および男女間の生活関連手当の受給状況に差が生じたことによります。

6.男女の賃金の額の差異は、男女間の管理職比率に差が生じたこと、および製造部門の交替勤務従事者の男性比率が高く、その手当により賃金差が生じたことによります。

7.男女の賃金の額の差異は、男女間の平均勤続年数および時間外労働時間に差が生じたことによります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関する事項は、企業の社会的責任であると認識しており、社長を委員長とするCSR委員会において、委員以外の取締役もオブザーバーとして加わり、すべての取締役が参加して審議を行う体制を構築しています。CSR委員会は定期に年1回開催される他、必要に応じて随時開催されます。

取締役会へは、年1回の定期委員会に加え、必要に応じて開催された委員会についても、委員会での説明資料と議事録とともに、審議内容および決定事項を報告し、同委員会の審議結果を取締役会で再確認することで適切に監督・承認しています。経営企画部、技術本部、人事・総務部、法務部、資材部、コーポレート・コミュニケーション部は、同委員会の幹事部門として、グループ全体のサステナビリティに関する戦略の策定・具体的な展開を推進しています。

取締役会によるサステナビリティ関連のリスクおよび機会の監督にあたり、CSR委員会に加えて、サステナビリティに関するガバナンス体制図および本「(1)サステナビリティ全般」の「③リスク管理」に示すとおり、リスク管理委員会をはじめとする各専門委員会および経営審議会等が連携して取り組み、取締役会へ報告しています。

取締役会は、サステナビリティ関連のリスクおよび機会の監督に必要な知識・経験・能力を確保しています。経営全体を多角的な視点から監督するため、専門性のバランスを考慮するとともに、サステナビリティを重要な専門性として位置づけ、サステナビリティに精通した取締役を選任しています。

取締役の報酬のうち、監査等委員および社外取締役を除く取締役のESG指標連動報酬については、ESG指標の達成等を用いて算定する方法を取締役会において決議しております。詳細は、「第4 提出会社の状況-4 コーポレート・ガバナンスの状況等-(4)役員の報酬等-④業績連動報酬」をご参照ください。

監査等委員会、内部監査部門に関しては、「4 提出会社の状況-4 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-②企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由、③企業統治に関するその他の事項」をご参照ください。

 

サステナビリティに関するガバナンス体制

 

 

②戦略

 当社グループでは、経営における長期的な方向性や企業価値に影響を及ぼし得るマテリアリティ(重要課題)を明確にした上で、重要なリスクおよび機会を特定しています。これらを「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」(サステナビリティ視点での事業成長戦略)、「事業基盤の強化」(人的資本戦略など)、「レスポンシブル・ケア活動の推進」(気候変動への対応戦略など)の3つのカテゴリーに大別し、重要リスク・機会に基づいて、長期経営戦略や各事業戦略、サステナビリティに関するマテリアリティ・指標(KPI)・目標を設定しています。そのうち非財務のマテリアリティに関するリスクと機会を特定し、その戦略(取り組み)を策定しています。

 

マテリアリティ

リスク

機会

戦略(取り組み)

事業基盤の

強化

働きやすい環境

づくり

・家族介護などによる離職率上

 昇、事業推進や業務遂行に

 支障

・業務標準化による、組

 織のレジリエンス向上

・育児や介護と仕事の両

 立支援策の強化によ

 り、従業員エンゲージ

 メント向上

・上司とのキャリアに関する対話の機会、キャリア構築支援や働きやすい職場づくり推進

・キャリア相談窓口の設置、主体的キャリア形成と成長支援

・DX推進や生成AI導入による業務効率化やプロセス見直しを図り、生産性向上

・一時的な隔地転勤回避を可能にする仕組み、育児や介護と仕事との両立支援

人材の

活躍

・人材育成の遅延による、持続

 的な事業成長が停滞
 

・内部人材育成と外部人

 材登用の組み合わせに

 よる組織能力進化

・全社の人材育成計画の審議・評価

・CSR委員会での人材育成の報告と対応方針議論

・研究開発者向けマテリアルズインフォマティクス(MI)活用研修開催

・集合研修を通じた部門間交流推進

・必要な従業員確保ができず、

 事業計画に遅延発生

・省人化・自動化の投資

 (スマートファクトリ

 ―化加速)

・高齢者や女性が活躍で

 きる製造職場整備、多

 様性のある組織実現

・新卒採用では工場見学会などの事業理解促進、経験者採用では採用情報の発信先を拡充

・退職者再入社制度の整備

・モデル工場へのスマートファクトリ―導入の

ノウハウを蓄積し、他工場へ展開

・計画的な設備投資(職場環境の改善)実施

CSR

調達の

推進

・持続可能な責任ある調達への

 取り組み不十分と見なされ、

 信用低下

・社会的責任の履行、リス

 ク軽減、ブランド価値の

 向上、競争力の強化

・サプライヤーへの面談、改善依頼の実施

レスポンシブル・ケア活動の推進

気候変動への対応

・環境法規制による製造コスト

 増加、製品の売上減少
・原材料価格高騰による調達コ

 ストの増加
・一部原材料の使用による評判

 の悪化、株価の下落
・生態系サービス劣化による栽

 培・生産・調達コスト増加
・生産拠点・バリュ-チェーン

 の風水害被害による売上減少

・資源効率上昇による製

 造コスト減少
・環境保全に貢献する製

 品へのニーズ拡大によ

 る売上増加

・温室効果ガス排出量削減に向けた取り組み

 推進

・プラスチック使用量の削減
・複数購買や長期契約による原料安定確保
・持続可能なパーム油の調達
・原産地のリスクを踏まえた調達先・取引先の

 選定(トレーサビリティの確保)
・雨水対策や建物・設備の防災対策
・環境保全に貢献する製品の開発・提供

ケミカル
セーフティ

(国内外の規制強化)
・規制対応のための設備の拡充

 や管理体制の強化に伴う管理

 コスト増大
・既存製品が製造不可能となり、

 売上減少

・積極的な排出管理対策、

サステナビリティ貢献

製品の開発・提供による

評価・評判の向上

・排出量削減施策の創出と実行
・製造プロセスの再評価
・利害関係者への情報提供拡充

・国内外規則への確実な対応

 

 

当社グループの事業は、バリューチェーンを通して社会にさまざまな影響を及ぼします。当社グループのマテリアリティとバリューチェーンとの関わりを示します。

 

 

 マテリアリティに基づく戦略の推進は、①収益増加、②コスト削減、③リスクマネジメントの観点から、次のような財務インパクトを生み出すと考えています。

 

観点

財務インパクト

①収益増加

・サステナビリティ貢献製品のニーズ拡大による売上増加

・積極的な環境保全対策などへの評価・評判の向上による売上増加

・気候変動、大気汚染、森林破壊等防止への関心の高まりによる新規ビジネス機会の創出

②コスト削減

・水、エネルギー、廃棄物の削減など資源効率性によるコスト削減

・環境規制対応力の向上による規制に関わる租税などの対応コスト削減

・ESG評価向上による資金調達コストの低減、資金調達の優位性向上

③リスクマネジメント

・環境規制対応コストの最小化

・レピュテーションリスクの低減

・複数購買や長期契約による安定的な原材料調達の確保

 

具体的な財務効果(事例)

マテリアリティに基づく戦略の推進により、ステークホルダーにとっても価値のある財務インパクトを創出し、長期的な利益還元につながっています。

 

事例

取り組み

効果

①サプライチェーンにおけ

 る投資

持続可能なパーム認証油の継続購入

パーム油調達リスクとレピュテーションリスクの回避と安定調達

②地域の植樹および森林整

 備への投資

工場、営業所周辺地域の植樹および森林整備への投資

森林の維持、拡大による生物多様性保全、並びにCO2吸収量増加による気候変動対応への貢献

③廃熱利用

低圧の廃蒸気、釜洗浄高温水、廃棄物焼却設備で排ガスを冷却する際に発生する熱などの利用

エネルギーコストの削減

④高効率機器への更新

コンプレッサー、ポンプモーター、受変電・配電設備、ボイラー、冷凍機、冷蔵倉庫、ブロワーなどを高効率な機器に更新

使用エネルギーの削減

 

 

③リスク管理

気候変動関連リスクおよび人的資本関連リスクを含む事業リスクについては、リスク管理委員会(委員会は必要に応じて適宜開催し当事業年度は4回開催。委員長は執行役員の中から社長が委嘱し、当事業年度は取締役兼常務執行役員)が網羅的なリスクアセスメントを実施しています。その頻度は2年に一度であり、その都度リスク項目とワーストシナリオを見直すことで、常に最新の事業環境に即したリスク評価を行っています。事業リスクは、項目毎に主管する専門委員会を定めており、気候変動関連リスクは、レスポンシブル・ケア(RC)委員会(委員会は原則として年2回および必要の都度開催し当事業年度は2回開催。委員長は執行役員の中から社長が委嘱し、当事業年度は取締役兼常務執行役員)およびリスク管理委員会が、人的資本関連リスクは、リスク管理委員会がそれぞれリスクのモニタリング・分析評価・対策を行っています。また、機会については、経営幹部会議、重点事業検討会等で議論し、重要事項は、経営審議会で審議しています。これらの専門委員会・会議の審議結果は、取締役会に報告され、監督を受ける仕組みを構築しています。

 

④指標及び目標

 当社グループはサステナビリティに関する指標(KPI)を設定し、「NOF VISION 2030」に掲げるありたい姿を実現するための具体的な施策の進捗状況をモニタリングしています。サステナビリティ視点での事業成長を測るKPIとして、研究開発投資額などの他、当社グループが目指す3分野における戦略製品の売上高を指数化したものを設定し、これらをモニタリングしています。事業活動を行う上での重要課題である人的資本経営の推進を測る「人材の活躍に関わる各種目標」と気候変動への対応目標「CO2排出量削減目標」を設定しています。

 

マテリアリティ

2026年度 指標(KPI)

目標値

目標年度

(参考)2025年度実績

豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供

事業を通じたイノベーション

研究開発投資額

3年間累計
284億円

2028

25年度 81億円
23-25年度合計
 233億円(達成率91%)

特許出願件数

3年間累計
630件

2028

25年度 215件
23-25年度合計
 597件(達成率119%)

ライフ・ヘルスケア分野への貢献

ライフ・ヘルスケア分野への戦略製品の売上高

対2025年度実績
20%UP

2028

対22年度 12%UP

環境・エネルギー分野への貢献

環境・エネルギー分野への戦略製品の売上高

対2025年度実績
100%UP

2028

対22年度 66%UP

電子・情報分野への貢献スマート社会

電子・情報分野への戦略製品の売上高

対2025年度実績
30%UP

2028

対22年度 24%UP

事業基盤の強化

働きやすい職場づくり
・エンゲージメント

年次有給休暇取得率

連結:75%以上

2030

単体:81.4%
連結:80.1%

総合エンゲージメントスコア

単体:53.0以上

2030

単体:51.0

人材の活躍
・人材育成
・ダイバーシティ

人材育成投資(研修費用)

単体:2022年度比

   3.5倍以上

2030

単体:2022年度比

   2.6倍

新卒総合職採用の女性比率

単体:30%以上

毎年

単体:39.1%

女性管理職比率

単体:2021年度比

   3倍以上

2030

単体:2021年度比

   1.3倍

障がい者雇用率

単体:3.0%以上

2030

単体:2.82%

正社員男女賃金差異比率

連結:75%以上

2030

単体:73.6%
連結:72.4%

男性育児休業取得率

単体:85%以上
(2週間以上の取得)

2030

単体:94.1%

(1日以上の取得)

CSR調達の推進

CSRアンケート調査のカバー率(購入金額ベース)

連結:85%以上

2028

単体:92%

25中計面談サプライヤーの改善率(改善した会社数/24社)

単体:75%以上

2028

CSR調達の定着化に向けた対象サプライヤーへの面談による改善依頼 単体:96%

(対象25社中、24社と面談実施)

レジリエンスの向上

BCP教育訓練時間

のべ4,000時間以上

毎年

8,000時間

 

 

マテリアリティ

2026年度 指標(KPI)

目標値

目標年度

(参考)2025年度実績

レスポンシブル・ケア活動の推進

気候変動への対応

CO2排出量

2013年度比 40%削減

2030

132.9千t/年(2024年度実績)※

対13年度 25.3%減※

カーボンニュートラル

達成を目指す

2050

ケミカルセーフティ

2021年度改正
PRTR対象物質排出量

170t/年以下

毎年

135t/年(2024年度実績)※

労働安全衛生の推進

休業災害発生件数

ゼロ

毎年

休業災害 4件発生

※CO2排出量およびPRTR対象物質排出量については、2024年度の実績を記載しております。2025年度の実績について

 は2026年9月末に、統合報告書、サステナビリティ報告書および当社Webサイトにて掲載予定です。

 

(2)重要なサステナビリティ項目

①気候変動への対応

〔ガバナンス〕

当社グループは、マテリアリティに「気候変動への対応」、指標(KPI)に「CO2排出量」「カーボンニュートラル」を定め、社長を委員長とするCSR委員会において、審議し、同委員会の審議結果を取締役会で再確認することで適切に監督・承認しています。詳細については、「(1)サステナビリティ全般-①ガバナンス」をご参照ください。

 

〔戦略〕

世界共通で喫緊の課題である気候変動への対応として、当社グループではこれまでレスポンシブル・ケア活動の目標の一つに温室効果ガスの排出量削減を掲げ、省エネルギーに努めてきました。

2015年にパリ協定が採択され、2020年10月の政府による2050年カーボンニュートラル宣言、および2021年4月に表明された新たな温室効果ガス削減目標を受け、2022年4月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、当社グループとして2050年のカーボンニュートラルの達成を目指して目標を設定しています。

また、気候変動に大きく影響する自然資本(生物多様性・水など)の保全に取り組む「自然関連財務情報開示タスクフォース (TNFD)」提言に賛同し、2025年1月にTNFDフォーラムへ参画しました。

当社グループは、「NOF VISION 2030」に掲げる豊かで持続可能な社会の実現に向けて、化学の力で新たな価値を協創し、TCFDおよびTNFDの両提言を踏まえて、気候関連および自然関連のリスク低減と成長機会の創出に努めるとともに、情報開示の拡充に取り組んでいきます。

 

TNFDが推奨するLEAPアプローチに基づき、当社グループの自然資本関連課題を分析・評価しました。

ⅰ)Scoping「分析対象範囲の設定」、ⅱ)Locate「自然との関連性の把握(優先地域の特定)」およびⅲ)Evaluate「自然への依存と影響の診断」を実施しました。

ⅰ)Scoping「分析対象範囲の設定」では、自然資本との関連を分析する対象範囲として、バリューチェーン上流においては、事業規模と自然への依存度・影響度の大きさを踏まえ、機能食品事業と機能材料事業が使用する「動植物由来原料産地」および当社グループにおいては、「すべての生産拠点」を分析対象としました。

ⅱ)Locateによる優先地域は、原料産地としては、パームを栽培するインドネシアとマレーシア、大豆を栽培するブラジル、牛・豚の産地である日本、乳製品の産地であるニュージーランドと特定しました。生産拠点としては、動植物原料を使用する日本であり、具体的には、機能食品事業の川崎事業所・大師工場と機能材料事業の尼崎工場と特定しました。

ⅲ)Evaluate「自然への依存と影響の診断」では、ⅱ)Locateで優先地域となった、川崎事業所・大師工場と尼崎工場の各々の事業である機能食品事業と機能材料事業のバリューチェーン全体では特に「水」に関わる依存と影響が高いことがわかりました。継続して水の使用量削減、水質の維持に努めます。

 

 

 

 

 

ⅲ)Evaluateによる「自然への依存と影響とバリューチェーンとの関係」

 

 

前述のⅱ)Locate「優先地域の特定」およびⅲ)Evaluate「自然への依存と影響の診断」の結果を踏まえ、 気候変動シナリオに基づき、当社グループのリスク・機会を特定・評価しました。脱炭素社会への移行を実現しうる1.5℃・2℃シナリオと気候変動が進展する4℃シナリオに基づき、気候変動がもたらす移行リスクや物理リスク、および機会を次のように特定しています。

1.5℃・2℃シナリオにおける移行リスクとして特定した国内外の規制強化に対し、温室効果ガス排出削減に向けた取り組みのさらなる推進を計画しています。また、石油等の供給量の減少やバイオ燃料の需要増による原材料の高騰に対しては、バイオマス化学品の活用など、石化系原料から植物系原料への切り替えを検討しています。なお、移行リスクにつきましてはワーストシナリオになる温度で評価しています。

4℃シナリオにおける物理リスクとして、気候変動に伴う豪雨や台風・干ばつなどの自然災害による生産拠点やバリューチェーンへの特に「水」に関わる影響が、気候関連のリスクと機会が集中している部分と捉えて、解析しています。また、生産拠点の生産活動の維持のため、防災対策を強化しています。

また、機会では、気候変動の緩和や適応に貢献する環境貢献関連製品へのニーズが高まり、売上が増加すると認識しています。

気候変動の緩和に貢献する製品において、高まるニーズには以下のようなものが見込まれています。

・EV(電気自動車)の普及に伴う電子部品(受動部品)・電動ユニット・ボルト/ナットの増加や液晶パネルの増加・大型化に伴う、車載電子部品用添加剤・電動ユニット用潤滑剤・防錆剤・液晶カラーフィルター用オーバーコート材のニーズ、さらに、省電力化に有効とされるLEDヘッドランプ用防曇剤のニーズ。加えて、EVは車両の静粛性が向上するため、樹脂部品の擦れによるノイズを防ぐ異音防止剤などの樹脂用添加剤のニーズ。

・再生可能エネルギーの拡大によって、風力発電のブレードに使用されるボルト用防錆剤、ギアに必要な生分解性潤滑油のニーズのほか、風力・太陽光発電設備から送電するための超高圧・高圧電線の被覆材として用いられる架橋ポリエチレン用有機過酸化物のニーズ。

・その他、環境負荷を低減する植物由来の代替肉の旨味・食感改善に寄与する代替肉用油脂や、省エネルギー住宅の普及に伴う断熱性の高い樹脂サッシ用の有機過酸化物のニーズ。

 一方、気候変動の適応に貢献する製品において、高まるニーズには以下のようなものが見込まれます。

・気温上昇により、冷蔵庫やエアコンの必要性が途上国を含めグローバルに高まっており、冷凍機の潤滑油である冷凍機油やエアコンパテ用ポリブデンのニーズ。当社グループの冷凍機用潤滑基材は代替フロン冷媒用であり、気候変動への適応に貢献します。

・熱帯性感染症の拡大が懸念されるため、感染症対策の消毒液、診断薬用の添加剤、病気や疾患の回復に向けた医薬品原料のニーズ。

・気候変動に対して地球全域を調査する必要性が高まるため、海洋探査機器の投入やロケット打ち上げの回数が増加する可能性、特定温度に達すると変色する温度管理用示温材(ラベルやシール等)の用途が拡大する可能性、高潮を防ぐ堤防工事において山間部から岩石や土砂を調達するために産業用爆薬を用いる機会が増える可能性などのニーズ。

電気自動車や再生可能エネルギーなどの脱炭素市場への対応により、既存分野での売上減少や一部原材料の使用による評判低下のリスクを伴う可能性がありますが、長期的には以下の機会をもたらします。

・ 売上の増加:環境保全への消費者の関心が高まることにより、環境保全に貢献する製品のニーズが高まり、売上が増加。

・ 評判の向上:積極的な気候変動・排出管理の対策、環境保全に貢献する製品の開発により、長期的には評価・評判は向上し、株価も上昇。

 

当社グループは、カーボンニュートラルに向けた、温室効果ガス排出量削減の中長期計画と、それを達成するための設備・技術・プロセスの投入計画を合わせたロードマップを作成しています。

また、当社グループはScope1、2の温室効果ガス排出量を算定しております。

それぞれの詳細は、本「①気候変動への対応」の〔指標・目標〕をご参照ください。

 

LEAPアプローチに基づいた当社グループの自然資本関連課題を分析・評価した詳細は当社のサステナビリティ報告書をご参照ください。

参照先:ホームページ(TOP > サステナビリティ > ダウンロード /サステナビリティ報告書 > 日油サステナビリティ報告書2025/RC(レスポンシブル・ケア)[環境・ケミカルセーフティ]>「気候変動への対応・自然資本の保全 | TCFD・TNFD提言に沿った情報開示」)(2026年9月末更新予定)

https://www.nof.co.jp/csr/download/sustainability-report/

 

リスクと機会の評価

分類

要因

バリューチェーン

主要な

リスク・
機会

概要

影響度

対策

 

 

2023-

2025年

2030

2050

移行リスク 1.5℃

 2℃シナリオ

政策

法規制

自社

製造

環境法[炭素税、プラスチック税等]規制による製造コストの増加、製品の売上減少

・炭素税や再生・バイオプラスチックへの切り替えといった対応コストにより、製造コストが増加する

・取水規制や新しい排出規制の導入により、従来の製品の製造が不可能となり、売上が減少する

リスク

 

影響

金額

●以下の取り組みの推進

・温室効果ガス排出量削減

・取水削減、取水効率化

・廃棄物削減

・汚染物質削減

・プラスチック使用量の削減

●再生プラスチック・バイオマスプラスチックへの切り替え

自社

製造

環境関連訴訟による損害賠償、操業停止による売上減少、株価下落

・地盤沈下のような環境関連の訴訟による多額の損害賠償が発生するほか、長期にわたる操業停止により売上が減少する、株価が下落する

●以下の取り組みの推進

・温室効果ガス排出量削減

・取水削減、取水効率化

・廃棄物削減

・汚染物質削減

・プラスチック使用量の削減

●積極的な環境配慮の推進と情報発信

政策

法規制

 

原料燃料

の高騰

上流

栽培

畜産

環境法[メタン排出、排水規制等]規制による栽培・生産コストの増加による調達コストの増加

・家畜からのメタン排出、農地開発、農薬・肥料使用による水・土汚染への対応コストにより原材料価格が高騰し、調達コストが増加する[IPR Forecast Policy Scenario(FPS)+Natureのシナリオによる予測]

●リスクが低い油種への切り替え

●複数購買や長期契約による原料安定確保

上流

加工

環境法[飲料容器税、包装物税等]規制による調達コストの増加、製造中断による売上の減少

・法規制強化への対応コストにより原材料価格が高騰し、調達コストが増加する

・取水や排出の規制により生産工場の操業が中断し、売上が減少する

●以下の取り組みの推進

・温室効果ガス排出量削減

・取水削減、取水効率化

・廃棄物削減

・汚染物質削減

・プラスチック使用量の削減

●再生プラスチック・バイオマスプラスチックへの切り替え

上流

輸入

環境法[SOx規制等]規制による流通コストの増加

・法規制強化への対応コストが価格に上乗せされ、流通コストが増加する

●共同配送、モーダルシフトの推進

原材燃料の高騰

上流

栽培

畜産

原材料価格高騰による調達コストの増加

・石油などの供給量減少やバイオ燃料の需要増などによる、石化系や植物系・動物系油脂などの原材料価格が高騰する

●複数購買や長期契約による原料安定確保

●石化系の原料から植物系の原料への切り替え

●バイオマス化学品活用

●カーボンリサイクル(溶剤のリサイクルなど)

上流

輸入

自社

製造

原油・天然ガスの価格高騰によるエネルギー・輸送コストの増加

・原油・天然ガスの価格高騰により、エネルギーコストや輸送コストが増加する

●省エネ機器導入、プロセス見直し

●共同配送、モーダルシフトの推進

ステーク

ホルダー

からの

評価

評判

上流

栽培・畜産

一部原材料の使用による評判の悪化、株価下落

・違法栽培のパーム油ほか自然資本への悪影響がある原材料を使用することで、自社の評判が悪化する、株価が下落する

●持続可能なパーム油の調達

●規制リスクの低い調達先・取引先の選定

自社

ESG投資の遅れによる評価・評判の悪化

・気候変動・自然への対応の遅れにより、ESG投資における投資家からの評価や、顧客からの評判が悪化する

●環境保全に貢献する製品の開発・提供

●積極的な環境配慮の推進と情報発信

市場

下流

製品

脱炭素市場の転換による販売先環境変化

・ガソリン車やディーゼル車のシェア低下に伴う売上の減少

●電気自動車や再生可能エネルギーなどの脱炭素市場への対応強化

 

 

分類

要因

バリューチェーン

主要なリスク・

機会

概要

影響度

対策

 

 

2023-

2025年

2030年

2050年

物理リスク 4℃シナリオ

異常気象

上流

栽培

畜産

加工

生態系サービスの劣化による栽培・生産コスト、調達コストの増加

・受粉サービスや土壌の質および水循環の維持など、生態系サービスの劣化に伴うパーム油や菜種油の高騰により調達コストが増加し、売上が減少する

・水不足、病害虫被害により、原材料の調達不安定化や高騰が発生し、調達コストが増加する

 

●リスクが低い油種への切り替え

●原産地のリスクを踏まえた調達先・取引先の選定(トレーサビリティの確保)

●複数購買や長期契約による原料安定確保

上流

輸入

自社

製造

風水害に伴う生産拠点やサプライチェーンへの被害による売上の減少

・豪雨、洪水、高潮などの浸水被害により、工場の修理コストの発生や操業の中断もしくは生産能力の低下が生じ、売上が減少する

●雨水対策や建物、設備の防災対策

●原材料の複数購買

●事業継続計画(BCP)の見直しと教育・訓練、監査の実施

自社

製造

生態系サービスの劣化に伴う設備コスト増加、製造中断による売上の減少

・水不足により生産活動の中断または生産能力の低下が生じ、売上が減少する

●高リスク拠点における水使用量削減、水使用効率化

●生産拠点の製造品目の多様化(代替製造への備え)

自社

高温・熱波による保管コストの増加

・気温上昇により倉庫の冷蔵・冷房保管などへの影響が生じる

●設備投資計画の継続的な見直し

機会

資源効率

自社

製造

資源効率の上昇による製造コストの減少

・水、エネルギー、廃棄物の削減など、製造時の資源効率性の向上が、環境負荷の低減やコスト削減につながる

・社会の低炭素化とインフラ整備の推進が、再エネ化によるコスト削減や、補助金や税優遇によるコスト削減につながる

機会

 

影響

金額

●以下の取り組みの推進

・温室効果ガスの排出量削減水使用量削減、水使用量効率化

・廃棄物削減

・プラスチック使用量の削減

資金

フロー・

資金調達

自社

資金調達方法の多様化

・サステナブルファイナンスなどの環境関連の資金調達が活発化し、環境負荷の低い設備への更新費用や環境配慮型製品の開発費用について、グリーンボンドやグリーンローンなど、調達方法の選択肢が増える

●ポジティブ・インパクト・ファイナンスなどの活用

評判

自社

評価・評判の向上、株価の上昇

・積極的な気候変動対策、排出管理対策、環境保全に貢献する製品の開発・提供により、ESG投資における投資家からの評価や顧客からの評判が向上する、株価が上昇する

●環境保全に貢献する製品の開発・提供

●積極的な環境配慮の推進と情報発信

市場

下流

製品

環境保全に貢献する製品へのニーズ拡大による売上の増加

・気候変動、水質汚濁、大気汚染、森林破壊防止に対する消費者の関心が高まり、環境保全に貢献する製品のニーズが高まることにより売上が増加する

機会

 

市場

金額

●環境保全に貢献する製品の開発・提供

(注)・1.5℃・2℃シナリオ:産業革命以前と比較して、気温上昇を1.5℃や2℃に抑えるために、必要な対策が実施されると想定した脱炭素シナリオ(国際エネルギー機関(IEA)「2050年ゼロエミッションシナリオ(NZE2050)」、「公表政策シナリオ(STEPS)」等)

・4℃シナリオ:産業革命以前と比較して、21世紀末に世界の平均気温が4℃上昇する、気候変動が進行した成り行きシナリオ(国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「RCP8.5」等)

・影響度:

「リスク」影響金額・・・・10億円超(大)、10億円以下・1億円超(中)、1億円以下(小)

「機会」影響金額・・・・・10億円超(大)、10億円以下・1億円超(中)

「機会」市場規模・・・・ 300億円超(大)、300億円以下・30億円超(中)、30億円以下(小)

 

財務へのインパクト(抜粋)

当社グループでは、製造工程を中心に蒸気、電気などのエネルギーを消費します。気候変動がもたらす移行リスクとして、炭素税の税率上昇と再エネ賦課金※1の単価上昇による財務負担の増加が想定され、影響金額は合わせて33億円程度と試算しています。また、4℃の物理リスクとして500年から数千年に一度の台風により堤防が破壊し、臨海部の工場が浸水した場合の設備被害は77億円と想定し、事業継続計画を整備しています。

分類

シナリオ

リスク

リスクの内容

影響       (億円)

備考

 

[基準年度]

金額

[最終年度]

金額

増加金額

設備被害金額

移行リスク

1.5

炭素税

増税による

財務負担

[2020]

0.5

[2030]

31.6

 

31

 

国内グループ※2

2020年度のCO2換算排出量で、2030年度の炭素 価格を20,000円/トンCO2とする。 (Scope1+2)

再エネ

賦課金※1

エネルギーコストの増加

[2023]

3.8

[2050]

5.2

 

1.4

 

国内グループ※2

2020年度の電力使用量で、2030年度の再エネ賦課金単価を4.1円/kWhとする。

物理リスク

4℃

高潮

高潮による設備の浸水

[2020]

0

[2050]

77

 

 

77

当社

500~数千年に一度の台風、堤防破壊による設備被 害額を試算した。

※1:再生可能エネルギー発電促進賦課金

※2:当社単体および日本国内連結対象子会社12社

 

 

前記の「気候変動におけるリスクと機会」および「財務へのインパクト(抜粋)」は当社のサステナビリティ報告書をご参照ください。

参照先:ホームページ(TOP > サステナビリティ > ダウンロード /サステナビリティ報告書 > 日油サステナビリティ報告書2025/RC(レスポンシブル・ケア)[環境・ケミカルセーフティ]>「気候変動への対応・自然資本の保全 | TCFD・TNFD提言に沿った情報開示」)(2026年9月末更新予定)

https://www.nof.co.jp/csr/download/sustainability-report/

 

〔リスク管理〕

 当社グループでは、リスク管理委員会で、事業を取り巻くさまざまな経営リスクを網羅的に洗い出し、各リスク項目の影響度・発生可能性について全社的リスクアセスメントを2年に一度実施し、その都度リスク項目とワーストシナリオを見直して、重点モニタリングリスクを特定しています。

 当社グループでは、脱炭素社会への移行を実現しうる1.5℃・2℃シナリオと気候変動が進展する4℃シナリオに基づき、気候変動がもたらす移行リスクや物理リスク、および機会を特定するシナリオ分析を用いています。詳細は本「①気候変動への対応」の〔戦略〕をご参照ください。

TCFD・TNFD提言に基づく情報開示にあたっては、リスク管理委員会とRC委員会から選抜されたメンバーで構成されるワーキンググループを中心に、事業を取り巻くさまざまな経営リスクのうち、気候変動および自然資本関連の影響を及ぼすリスクを特定し、将来において、どの程度、影響度が変化するかについて、リスクアセスメントを実施しています。分析の結果については、CSR委員会に報告し、気候変動・自然資本関連リスクの対策に関わる重要な意思決定などを行っています。

 

〔指標・目標〕

当社グループとして2050年にカーボンニュートラルを目指すためには、Scope1およびScope2の温室効果ガス排出量の約82%を占める国内グループの排出量削減が重要であると認識しています。そのため、国内グループでは、2030年のScope1、2の温室効果ガス排出量の削減目標として、日本政府が示した計画の達成に向けて当社が属する化学産業界が貢献するために設定した目標(2030年度目標として対2013年度32%削減)を上回る目標(2030年目標として対2013年40%削減)を掲げ、温室効果ガスの排出量削減に向けたロードマップを作成し、気候変動の緩和に努めています。

目標に対する進捗状況は、レスポンシブル・ケア活動を通じて温室効果ガス排出量の削減率や削減量を定期的にモニタリングしています。具体的には、当社の生産箇所の箇所長が参加して年2回開催するRC管理者会議、および関係会社に関しては年1回実施するRC監査において削減計画の進捗をヒアリングしています。なお、GHG排出量の算定はGHGプロトコルの財務支配力アプローチを用いています。これにより、目標達成の進度や取り組みの効果を評価し、必要な改善や追加施策を行っています。具体的な取り組みとして、以下の点に注力しています。

ロードマップのフェーズ1では、廃熱回収等の省エネルギー改善活動や高効率機器への更新、また太陽光発電の導入等、既存の省エネルギーの水平展開に努めてきており、引き続き取り組んでまいります。

また、続くフェーズ2では、インターナル・カーボンプライシング(ICP)導入、非電化設備の電化、生産工程の見直しによるエネルギー転換、非化石証明付電力の導入等、再生可能エネルギーへの転換に積極的に取り組んでおり、「2025中期経営計画」では、環境対応への戦略投資として21億円を計画し、推進しました。

さらにフェーズ3では、エネルギー低消費型プロセスへの移行や新エネルギー(水素・アンモニア)の活用など、新プロセスと新技術の検討に着手し、2050年のカーボンニュートラルを目指すと同時に、移行リスクに伴う財務負担の低減を図ります。

 

 

(注)2024年度のデータを最新の実績値としています。

当事業年度のデータは2027年6月の有価証券報告書で更新し、他の公表書類(ホームページ)との差異が解消されます。

参照先:ホームページ(TOP > サステナビリティ > ダウンロード /サステナビリティ報告書 > 日油サステナビリティ報告書2025/RC(レスポンシブル・ケア)[環境・ケミカルセーフティ]>「気候変動への対応・自然資本の保全 | 進捗と実績[気候変動]」)(2026年9月末更新予定)

https://www.nof.co.jp/csr/download/sustainability-report/

 

Scope1、2 温室効果ガス排出量(単位:千トン・CO2e)※1

 

区分

2013年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2030年度目標

国内

グループ※2

GHG排出量(Scope1+2)

179

159

144

135

133

107

GHG削減量(2013年度比)

20

35

44

46

72

当社

グループ※3

GHG排出量(Scope1+2)

202

189

175

159

151

GHG削減量(2013年度比)

13

27

43

51

 

Scope2 温室効果ガス排出量(単位:千トン・CO2e)※1

 

ロケーション基準

マーケット基準

2022年度

2023年度

2024年度

2022年度

2023年度

2024年度

国内グループ※2

110

106

107

84

84

84

当社グループ※3

133

129

124

103

101

102

 

※1:GHGプロトコル財務支配力アプローチに基づいて算定

※2:当社単体および日本国内連結対象子会社12社

※3:当社単体および連結対象子会社24社

 

Scope3 温室効果ガス排出量(単位:千トン・CO2e)(当社グループ)

カテゴリー

2022

年度

2023

年度

2024

年度

算出方法

購入した製品・サービス

278.3※1

453.3※2

520.5※2

購入原材料、消耗品、補修材料の品目ごとの物量や金額にデータベース※7による排出原単位を乗じて算出

資本財

22.4※3

53.3※3

52.5※3

固定資産の取得金額に、データベース※7による排出原単位を乗じて算出

Scope1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動

36.3※3

36.8※3※6

38.0※3

燃料、電力および蒸気の使用量に、データベース※7による排出原単位を乗じて算出

輸送、配送(上流)

25.0※1

26.7※1※6

29.9※1

購入原材料の輸送トンキロおよび当社グループが荷主の納入製品の輸送トンキロに算定・報告・公表制度で定められた算定方法を適用して算出

事業から出る廃棄物

8.2※3

9.7※3※6

10.7※3

各生産箇所から排出される廃棄物の種類別の重量に、データベース※7による排出原単位を乗じて算出

出張

0.5※3

0.5※3

0.5※3

従業員数に、データベース※7による排出原単位を乗じて算出

雇用者の通勤

1.6※4

1.4※4

1.1※4

通勤手当費用額に、データベース※7による排出原単位を乗じて算出

リース資産(上流)賃借

該当する活動がないため非該当

輸送、配送(下流)

該当する活動がないため非該当

10

販売した製品の加工

20.0※5

17.8※5

26.6※5

食用加工油脂、産業用爆薬の販売量にデータベース※7による排出原単位を乗じて算出

11

販売した製品の使用

未計算

未計算

未計算

算定に必要なデータの収集が困難であるため未計算

12

販売した製品の廃棄

0.7※5

0.6※5

292.3※5

・2022、2023年度:出荷製品の梱包材について、種類別

の重量にデータベース※7による排出原単位を乗じて算出

・2024年度:容器包装リサイクル法対応容器重量および

廃棄処理が必要な化学製品の販売量にデータベース※7

よる排出原単位を乗じて算出

13

リース資産(下流)

該当する活動がないため非該当

14

フランチャイズ

該当する活動がないため非該当

15

投資

該当する活動がないため非該当

合計

392.9

600.1※6

972.1

 

※1:当社単体および日本国内関係会社7社(日油工業㈱、油化産業㈱、日油技研工業㈱、昭和金属工業㈱、日本工機㈱、日邦工業㈱、NOFメタルコーティングス㈱)

※2:当社単体および日本国内関係会社10社(日油工業㈱、油化産業㈱、日油技研工業㈱、昭和金属工業㈱、日本工機㈱、日邦工業㈱、㈱ジャペックス、NOFメタルコーティングス㈱、㈱ニッカコーティング、ニチユ物流㈱)と海外主要関係会社2社(常熟日油化工有限公司、PT.NOF.MAS CHEMICAL INDUSTRIES)

  (注)前事業年度(2024年度)の有価証券報告書において、日本国内関係会社を、㈱ジャペックス、㈱ニッカコーティング、ニチユ物流㈱を含めない7社と記載しましたが、正しくは10社です。

※3:当社グループ(当社+連結子会社)

※4:当社単体および日本国内関係会社10社(日油商事㈱、ニチユ物流㈱、日油工業㈱、油化産業㈱、日油技研工業㈱、昭和金属工業㈱、日本工機㈱、日邦工業㈱、㈱ジャペックス、NOFメタルコーティングス㈱)

※5:当社単体

※6:前事業年度(2024年度)の有価証券報告書の値を修正しました。なお、2025年度発行のサステナビリティ報告書の

  記載値は本数値と同じ値となっています。

※7:使用したデータベース(国立研究開発法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門 IDEAラボ v3.3(2022年度はv3.2使用)、サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース_V3-3(環境省))

(注)2024年度のデータを最新の実績値としています。

当事業年度のデータは2027年6月の有価証券報告書で更新し、他の公表書類(ホームページ)との差異が解消されます。

参照先:ホームページ(TOP > サステナビリティ > 各種対照表/ダウンロード > サステナビリティ報告書 > 日油サステナビリティ報告書2025/RC(レスポンシブル・ケア)[環境・ケミカルセーフティ]>「気候変動への対応・自然資本の保全 | 進捗と実績[気候変動]」)(2026年9月末更新予定)

https://www.nof.co.jp/csr/download/sustainability-report

 

   当社単体では2024年度の温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2およびScope3のカテゴリー1)について、株式会社サステナビリティスタンダードパートナーズによって、第三者保証を受けております。2025年度には当社グループ連結(当社+連結子会社24社)の温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2およびScope3のカテゴリー1、12)について、保証を受ける予定であり、今後も温室効果ガス排出量の削減の取り組みを進めるとともに、情報の開示内容の信頼性を高めてまいります。

(注)当社単体の2024年度温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2およびScope3のカテゴリー1)についての第三者保証書の開示

参照先:ホームページ(TOP > サステナビリティ > ダウンロード / サステナビリティ報告書 > 日油

サステナビリティ報告書2025/巻末資料 >「第三者保証」)(2026年11月末に当社グループ連結として更新予定)

https://www.nof.co.jp/csr/download/sustainability-report

 

・Scope1、Scope2および Scope3の温室効果ガス排出量(単位:千トン・CO2e)で表示している数値については、

 千トン・CO2e未満の端数を四捨五入して表示しております。

・2024年3月期のScope1、Scope2および Scope3の温室効果ガス排出量は「サステナビリティ報告書2025」の数値

 を記載しております。集計範囲、算出方法の詳細につきましては、当社「サステナビリティ報告書2025」 P.140

 「Scope1、2 CO2排出量」「Scope2 ロケーション基準・マーケット基準CO2排出量」「Scope3 算出状況」およびそ

 れらの注意書きをご参照ください。

・Scope1、Scope2および Scope3の温室効果ガス排出量(単位:千トン・CO2e)は7ガス(CO2 、CH4 、N2O、

 HFCs、CFCs、SF6 、NF3 )を対象に集計しております。

 

 

②人的資本への対応

〔ガバナンス〕

人的資本に関するガバナンスについて、次のとおり体制を整備しています。

 

 

・取締役会

取締役会では、CSR委員会等からの報告、指名委員会からのフィードバックを受けています。また、エンゲージメントサーベイやストレスチェック、プレゼンティーズム調査等の課題抽出に取り組むとともに健康経営の方針や活動状況についてレビューし、それぞれの取り組みの実効性を高めるよう努めています。取締役会は、社会的責任の遂行、経営資源の配分、施策の実効性確保等の観点で多角的な議論を進め、人材の成長を長期的な企業価値向上に直結する重要課題と捉え、その基盤整備に努めています。

・CSR委員会

CSR委員会では、人的資本に関する事項の報告および審議を行い取締役会に報告しています。当事業年度末に開催した委員会では、各マテリアリティとアクションプランのレビューを行い、次事業年度のKPIおよび目標値に関して審議を行っています。

・指名委員会

社外取締役が過半数を占める指名委員会では、後継人材育成に関する評価と議論を行い、取締役会へフィードバックをしています。なお、当事業年度は本委員会を3回開催しています。

・政策会議

取締役兼執行役員と役付執行役員が出席する政策会議では、多様性を受容し尊重することがイノベーションの創出を促すという考えに基づき多様な人材の確保に向けて、採用予定人数、配置や多様性の確保などについて審議・評価を行い、人材確保の活動を進めています。加えて、エンゲージメントサーベイやストレスチェック、プレゼンティーズム調査などの課題抽出に取り組むとともに、健康経営の方針や活動状況について議論を行い、それぞれの取り組みの実効性を高めるよう努めています。なお、原則として本会議を毎週開催しています。

・人材会議

取締役兼執行役員と役付執行役員が出席する人材会議では、持続的な事業成長を支える人材の育成施策を着実に推進するため、全社の人材育成施策計画に関する審議および実施内容の評価を行います。また、部長クラスの人事評価の審議や定期面談、昇格候補者との面接、経営幹部候補人材からの経営施策等に関する提言の場を設けており、人材会議が部長クラスの人材特性把握と人材育成施策に関与し、後継人材を含む育成のPDCAを回す体制を整えています。なお、当事業年度は本会議を12回開催しています。

 

〔リスク管理〕

人的資本に関するリスク管理について、リスク管理委員会を設置し、CSR委員会を通して取締役会に報告し監督を受ける体制を整備しています。

・リスク管理委員会

リスク所管部門等から構成するリスク管理委員会では、事業を取り巻くさまざまな経営リスクを網羅的に洗い出し、各リスク項目の影響度・発生可能性について全社的リスクアセスメントを2年に一度実施し、その都度リスク項目とワーストシナリオを見直して、重点的に進捗状況をモニタリングするリスクを抽出しています。事業を取り巻くさまざまな経営リスクのうち、人事・労務分野に関するリスクに関して、将来において、どの程度、影響度が変化するかについて、リスクアセスメントを実施し、分析の結果については、CSR委員会に報告しリスク対策の評価を行っています。なお、当事業年度は本委員会を4回開催しています。

 

〔戦略、指標及び目標〕

◇全体方針◇

当社グループは、2030年度に向けたビジョンである「NOF VISION 2030」の達成、そして更にその先の企業成長(持続的な企業価値の向上)を見据え、目指す方向である「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」の3分野での収益基盤確立、ならびに新たな事業環境に対応したコスト構造の実現に向けて、次の取り組みを推進します。

・新たな価値創造をリードできるイノベーション人材、新規領域や成長分野で活躍できる人材の採用および育成

・あらゆる職場、全ての業務において一人ひとりが変化の起点となる存在であるという認識に立った当事者意識の高い人材への成長支援

・知の共有・結合を通じた組織風土の醸成、組織全体の生産性と創造性の向上につなげる環境整備

健康経営の推進を人材が活躍する基盤とし、一人ひとりが最大限の能力を発揮し、自発的かつ積極的な挑戦ができる制度や仕組みを整えるため、以下の3つの柱を軸に取り組みます。(*なお、以下の3つの柱は提出会社の方針です。連結子会社各社は各々の事業環境や状況に応じて個別施策を推進しています。)

 

A.人材育成(イノベーションを牽引する人材の育成と、自律型人材への成長支援)

事業戦略の遂行に必要なスキル・専門性と主体的行動力を兼ね備えたイノベーション創出人材を強化するため、目指す3分野における研究開発をリードする人材や、事業創出を主導する経営人材などの育成を進めています。また、全従業員が当事者意識をもって主体的に業務を行い、それぞれの役割において価値創造を果たせるよう、「挑戦」「公正」「調和」の価値観の体現を基盤とする自律型人材の育成に注力しています。自律型人材が成長する環境づくりとして、自律的キャリア形成を支援する制度や学習機会の提供も進めています。自発的かつ積極的にイノベーション創出に挑戦する人材の成長を後押しするため、人材育成投資を主要指標とし、今後も成長支援の基盤をより一層整えていきます。

B.ダイバーシティ&インクルージョン(多様性とイノベーションの促進)

行動規範に「多様な個性の尊重」を掲げ、多様な視点こそが新たなイノベーション創出・価値創造の源泉となるとの考えに基づき、属性にかかわらず誰もが活躍し、知の共有・結合が起こる組織風土の醸成に努めています。

多様な人材の活躍推進を図るため、新卒総合職女性の採用比率、女性管理職比率、障がい者雇用率、正社員男女間の賃金差異比率および男性育児休業取得率を主要指標としています。これに加えて、目指す3分野に関する豊富な経験をもつ人材(経験者)の採用なども進め、異なる視点をもつ人材の相互理解、相互尊重を通じたイノベーション促進を目指します。

C.エンゲージメント(パフォーマンスの最大化)

働きがいのある職場づくりを通じて従業員エンゲージメントを高め、組織全体の生産性と創造性の向上を目指します。

従業員がパフォーマンスを発揮するための基盤として、柔軟な働き方の推進やコミュニケーションの活性化などに努めており、年次有給休暇取得率やエンゲージメントサーベイのスコアを主要指標とし、それらの結果分析を通じて職場環境などの継続的な改善を図ります。

 

「人材の成長が経営の根幹をなす」との考えのもと、経営戦略と連動した人材戦略を確実に実行し、主要指標の目標達成を通じて持続的な企業価値向上を実現していきます。

 

◇人材育成の推進に関する方針◇

イノベーション創出人材の育成や経営人材の育成に注力するほか、自律型人材への成長支援の取り組みを継続的に実施します。

 

これらの持続的な事業成長の原動力となる人材育成の取り組みの拡充にあたり、次の指標(KPI)・目標を定めています。

指標(KPI)

対象

目標

単位

2021
年度

2022
年度

2023
年度

2024
年度

2025年度
(当事業年度)

人材育成投資額

提出会社

目標年度:2025年度
2022年度比 2.5倍以上

百万円

74

91

159

202

239

2022年度比(倍)

-

-

1.7

2.2

2.6

* 本指標・目標は、2023年度から定めています。

* 本方針は提出会社のものであり、連結子会社毎の事業規模・内容、対象市場・分野が異なるため、各連結子会社へ同一の研修費用増加の目標適用は困難であることから、本指標・目標は提出会社を対象としています。

 

 

◇社内環境整備に関する方針◇

 多様性とイノベーションの促進、エンゲージメントとパフォーマンスの最大化に向けて社内環境整備に取り組みます。

《事業活動を推進する多様な人材の確保》

a. 性別や年齢、国籍や障がいの有無等にかかわらない多様な人材確保の継続

b. 既存事業の成長に加え、新たな事業領域への進出を加速するための経験人材確保の継続

 

本方針の着実な推進にあたり、次の指標にもとづく目標を定めています。

指標(KPI)

(方針との対応関係)

対象

目標

単位

2021
年度

2022
年度

2023
年度

2024
年度

2025年度
(当事業年度)

新卒総合職女性の採用比率
(a. 多様な人材確保)

提出会社

目標年度:毎年度
30%以上

42.9

36.1

32.7

38.0

39.1

障がい者雇用率 ※
(a. 多様な人材確保)

提出会社

目標年度:2030年
3.0%以上

2.43

2.46

2.54

2.65

2.82

※ 障がい者雇用率の目標は、2021年度、2022年度において〔2.3%以上〕と定めていました。

なお、本方針は提出会社のものであり、定期的な新卒採用を行う連結子会社は一部であること、また連結子会社毎で人事制度が異なることから各連結子会社へ同一の方針を適用することは困難であるため本指標(KPI)・目標は提出会社を対象としています。

 提出会社ならびに2026年3月31日時点で従業員が100人を超える国内連結子会社である油化産業株式会社、日本工機株式会社、日油技研工業株式会社、昭和金属工業株式会社、ニチユ物流株式会社の障がい者雇用率は、2.39%となります。

 

また、提出会社において研究開発職の経験者採用比率(「b. 既存事業の成長に加え、新たな事業領域への進出を加速するための経験人材確保」に対応する指標)は次のとおりとなります。

研究開発職経験者採用比率

2021
年度

2022
年度

2023
年度

2024
年度

2025年度
(当事業年度)

単位:%

17.2

20.0

30.4

40.7

30.2

 

 

《働きがい、働きやすさの向上》

c. 女性がより活躍できる風土をつくるための働きやすい制度の充実

 d. 従業員一人ひとりが目標を持って活き活きと職務を遂行することができる仕組み、制度および職場づくりの継続

e. 定期的なエンゲージメント調査の実施と働きがい向上の努力

f. 個々人の成長を支援するキャリアデザイン構築の推進

 

当社は、前事業年度に引き続き、従業員のキャリアデザイン構築に寄与するワークショップ(「f.個々人の成長を支援するキャリアデザイン構築」に対する施策)を実施しています。

 

本方針の着実な推進にあたり、次の指標・目標を定めています。

指標(KPI)

(方針との対応関係)

対象

目標

単位

2021
年度

2022
年度

2023
年度

2024
年度

2025年度
(当事業年度)

女性管理職比率※1
(c. 女性活躍、働きやすさの向上)

提出会社

目標年度:2030年
2021年度比3倍以上

4.8

4.7

5.2

6.2

6.4

-

-

1.1

1.3

1.3

正社員男女賃金差異比率※1
(c. 女性活躍、働きやすさの向上)

提出会社

目標年度:2030年
75%以上

70.1

70.6

72.6

72.6

73.6

提出会社および
連結子会社※2

目標年度:2030年
75%以上

-

-

-

71.8

71.1

72.4

男性育児休業取得率※1※3
(d. 活き活きとした職務遂行、職場づくり)

提出会社

目標年度:2030年
100%

50.0

95.2

97.4

95.7

94.1

年次有給休暇取得率※4
(d. 活き活きとした職務遂行、職場づくり)

提出会社

目標年度:2025年
75%以上

70.0

73.4

76.0

79.1

81.4

提出会社および
連結子会社※2

目標年度:2025年
75%以上

-

-

77.1

77.6

80.1

総合エンゲージメントスコア ※1※5

(e. 働きがい向上)

提出会社

目標年度:2025年
50.0以上

-

-

49.5

49.5

50.0

51.0

※1 女性管理職比率、正社員男女賃金差異比率、男性育児休業取得率、総合エンゲージメントスコアの各目標は、2023年度から定めています。

※2 連結子会社は、2026年3月31日時点で従業員が100人を超える国内連結子会社である油化産業株式会社、日本工機株式会社、日油技研工業株式会社、昭和金属工業株式会社、ニチユ物流株式会社の5社を指し、2025年度から目標を定めています。

※3 男性育児休業取得率は、次の基準で算定しています。

・同じ子に対し、分割取得している場合は、初回取得時のみ算定

・分母を「対象期間内に配偶者が出産した男性労働者の数」とし、分子を「対象期間内に育児休業を開始した男性労働者の数」として算定

※4 年次有給休暇取得率の目標は、2021年度、2022年度において〔目標年度:2022年70%以上(提出会社)〕と定めていました。

※5 株式会社エムステージの「Qraft」を用いて、「楽しみながら仕事に取り組んでいる」「興味・関心を持ちながら仕事に取り組んでいる」「意義を実感している」の各尺度を測定し、同社が算出する偏差値が総合エンゲージメントスコアとなります。

なお、本方針は提出会社のものであり、連結子会社毎の事業内容、人事制度などが異なるため各連結子会社へ同一の方針を適用することは困難であるため、本方針に基づく指標のうち「正社員男女賃金差異比率」「年次有給休暇取得率」以外の指標・目標は提出会社を対象としています。当該一部連結子会社の「女性管理職比率」「正社員男女賃金差異比率」「男性育児休業取得率」は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 ⑵従業員の状況」をご参照ください。

 

◇従業員給与等の決定方針◇(本方針は提出会社を対象としています)

ア. 基本方針

イノベーションの継続的創出を牽引する人材の確保・定着を図るため、競争力のある処遇水準維持を基本方針としています。従業員の自発的挑戦や多様な人材活躍を促進するため、属性に関わらず、成果・貢献度、能力、担う役割を公正に評価し処遇に反映する制度を導入し、成果を従業員に適切に還元し、エンゲージメントの維持向上と持続的な企業価値向上の実現を目指します。

イ. 報酬構成

社員区分や職務特性等に応じて、月例給与および業績への貢献を反映する賞与を基本構成としています。

(a) 月例給与: 役割・能力に応じた基本給等を基礎とし、従業員の多様な働き方や生活基盤を支援する各種手当で構成しています。

(b) 賞与  : 会社業績および個人別業績成果を反映し、原則として年2回支給しています。営業・マーケティングを担う営業職群の社員には標準以上の評価を得た場合に特別業績給を加算するなど成果と貢献度に応じた配分を行っています。

 

ウ. 決定プロセス

給与改定額や賞与支給額は、コースや職能資格等に応じた決定権限に基づき決定しています。

また、当社は日油労働組合と労働協約を締結しており、組合員の給与改定・賞与原資については、当社業績や社会情勢等に応じて、労働組合と事前協議・合意を経て決定しています。なお、非組合員である経営職の給与・賞与原資は、政策会議の審議を経て社長が決定しています。

 

〔リスクと機会〕

当社グループは、人的資本に関わるリスクと機会、および施策について、次のように把握しています。

 

●人材育成の遅滞

リスク概要

人材育成計画の遂行遅延により、事業成長を担う中核人材が育たず、持続的な事業成長・変革が停滞する可能性がある。

機会

内部人材の育成と外部人材の登用を組み合わせることで組織能力が進化し、以下の効果が期待できる。

・例①:MIの活用教育により、データに基づく研究開発が強化され、将来を担う新製品開発が加速する。

・例②:育成のリードタイム短縮を意図した経験者採用(専門性の高い外部人材獲得)により、内部人材と

 の知見共有が促され、イノベーションが促進される。

施策

・人材会議(取締役兼執行役員と役付執行役員が出席)にて、人材育成に関する審議および評価を行い、定期的にPDCAを回すことで育成の遅延を防ぐ。

・CSR委員会(全取締役が出席)にて、人材育成に関する指標・目標、結果、対策などを報告し、対応方針を議論することで施策の継続的な向上を図る。

・研究開発者向けにMI活用研修を開催する。また、経験者入社者の早期戦力化や内部人材との知見共有を促すため、集合研修などの場を通じた部門間交流を推進する。

 

●人手不足

リスク概要

労働力人口減少や採用競争の激化により、必要な従業員確保ができず、工場稼働維持に支障をきたすほか、新規事業などの事業計画に遅延が生じる可能性がある。

機会

・人材確保難を背景に、省人化・自動化投資の優先順位が高まる(スマートファクトリ―化の加速)。

・高齢者や女性が活躍できる製造職場整備(重量物業務対策等)が進み、製造業務の安全性が高まると同時に高齢者や女性が活躍できる多様性のある組織が実現する。

施策

・応募者の希望とのミスマッチを防ぐため、働くイメージをもってもらうことを主眼においた情報提供に加え、新卒採用では工場見学会などの事業理解促進、経験者採用では採用情報の発信先を拡充する。

・退職者の再入社を実現しやすくする制度を整備し、経験値のある人材を確保する機会を広げる。

・モデル工場へのスマートファクトリ―導入ノウハウを蓄積し、他工場のスマートファクトリ―化を進める。

・製造職場への高齢者や女性の配置を進めるため、計画的な設備投資(職場環境の改善)を行う。

 

●離職率の上昇

リスク概要

会社への不満や家族介護などの事情を理由に離職が増加し、事業推進や業務遂行に支障をきたすとともに、従業員の業務負荷が増加する可能性がある。

機会

・特定の人材に依存しない業務プロセスへの移行(業務標準化など)が進み、組織のレジリエンスが高まる。

・育児や介護と仕事の両立支援策を強化することで、従業員エンゲージメントが向上し、結果として自社の魅力度も高まる。

施策

・年に一度、上司と部下がキャリアに関する対話を行う機会(自己申告制度)を設け、個々の希望などの把握に努め、キャリア構築の支援や働きやすい職場づくりを推進する。

・キャリア相談窓口を設置し、専門家のアドバイスを得られる機会を提供し、主体的なキャリア形成と成長を支援する。

・特定人材への依存解消と、多様な人材が活躍できる環境整備に向け、DX推進や生成AI導入などを含めた業務効率化やプロセス見直しを図り、生産性を向上させる。

・一時的に転居を伴う隔地転勤を回避できる仕組み(コース転換制度)により、育児や介護などの事情がある者の仕事との両立を支援する。