2024年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

アウトソーシング事業 人材派遣事業 EC・TC支援事業 ホールセール事業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
アウトソーシング事業 23,237 39.0 -258 -16.3 -1.1
人材派遣事業 9,077 15.2 373 23.5 4.1
EC・TC支援事業 10,802 18.1 898 56.6 8.3
ホールセール事業 12,777 21.4 540 34.0 4.2
その他 3,716 6.2 33 2.1 0.9

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社は、2019年3月1日に単独株式移転により株式会社ヒト・コミュニケーションズの完全親会社である持株会社として設立され、グループ会社の経営管理及びそれに付帯または関連する業務を行っております。なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

当社の完全子会社となる株式会社ヒト・コミュニケーションズ及び株式会社ビービーエフの中核子会社2社及びその他関係会社19社(連結子会社(株式会社ブランチ・アウト、上海布藍綺国際貿易有限公司、株式会社ティーシーエイ、株式会社ジャッツ、株式会社WSS、株式会社ジャパンリムジンサービス、SALES ROBOTICS株式会社、株式会社トライアングル、株式会社LOWCAL、株式会社UsideU,株式会社FMG、株式会社fmg)、非連結子会社(株式会社Moffly、ワークシフト・ソリューションズ株式会社、株式会社伊賀市にぎわいパートナーズ、株式会社BLUE HANDLING、株式会社FMG Ramp Solutions、フィグニー株式会社、株式会社スクワッド)は、「成果追求型営業支援企業」として、アウトソーシング事業、人材派遣事業、EC・TC支援事業、ホールセール事業を主要な事業として行っております。

グループ各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 

 

(1) アウトソーシング事業

業務委託契約に基づいたアウトソーシング事業では、通信キャリアやメーカー等から一連の業務全体を受託(業務請負)しております。具体的には、販売戦略の企画立案、マーケティング、販売体制の構築、人員の手配、教育研修、接客販売業務、販売管理、スタッフ管理、顧客ニーズのフィードバックです。また、新規領域として航空会社からグランドハンドリング業務を受託しております。

アウトソーシング事業につきましては、株式会社ヒト・コミュニケーションズ、株式会社ティーシーエイ、株式会社ジャッツ、株式会社WSS、SALES ROBOTICS株式会社、株式会社FMG及び株式会社fmgが行っております。

当該事業における業務内容は以下のとおりです。

業務内容

・スマートフォン、携帯電話等の販売

・固定通信回線(光回線等)への加入促進

・大型テレビ、デジタルレコーダー、タブレット端末等の販売

・生活家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機等)の販売

・生鮮食料品やコスメティック・ファッションの販売

・システムを用いた顧客情報の獲得及びコールセンターを活用したインサイド

 セールス

・訪日外国人向け人材サービス、免税カウンター、空港内における各種人材

 サービス

・バスガイド

・展示会、コンベンション、スポーツイベント等の運営

・キャッシュレス決済導入を中心とする訪問販売営業支援

・訪日外国人向け多言語コールセンター他

・コロナ感染拡大対策関連業務

・グランドハンドリング業務(航空機が空港に到着してから出発するまでの

 地上支援業務・航空機の誘導・旅客の搭乗手続や案内、手荷物・貨物の搭

 降載など)

・航空機整備事業

 

(業務請負とは)

業務請負とは、請負事業者(受託会社)が、委託会社から受託した業務を遂行することを指します。人材派遣との違いは、委託会社と労働者の間に指揮命令関係が生じない点にあります。なお、ヒト・コミュニケーションズ及び関係会社は業務委託契約に基づき委託会社から請負料金を受領し、スタッフに対しては雇用契約に基づく人件費の支払いを行っております。請負料金については、見積工数より積算した金額を提示し、委託会社との交渉により決定しております。

株式会社ヒト・コミュニケーションズ及び関係会社(受託会社)とスタッフ、クライアント(委託会社)の関係は次の図のようになります。

 

 

 


(株式会社ヒト・コミュニケーションズ及び関係会社のアウトソーシング事業の特徴  ―  成果追求型営業支援)

株式会社ヒト・コミュニケーションズ及び関係会社はクライアントの業績向上に貢献することを目的として業務の提供を行っており、それを「成果追求型営業支援」と呼んでおります。具体的には、以下の2つの業務を行うことにより、クライアントの営業を支援しております。

① 販売の企画立案から販売体制の構築、販売後の顧客ニーズのフィードバックまでの一連の営業サポート業務

② 研修により専門知識を備えたスタッフによる接客販売業務


また、成果追求型営業支援を支える体制として、(ⅰ)業務運営事務局の設置及び充実した(ⅱ) 教育・研修制度が挙げられます。

 

(ⅰ) 業務運営事務局

株式会社ヒト・コミュニケーションズ及び関係会社は、アウトソーシング事業において販売等のサービス提供を行う際に、クライアントの課題・施策を共有し、解決するために「業務運営事務局」をクライアントごとに設置しております。当該事務局は、クライアントとの交渉窓口や販売等のサービス提供に関する施策の立案等を行う事務局長の下、各就業現場にてスタッフへの指示命令を行うディレクターを配置し、販売等のサービス提供に精通したスタッフから組成されています。各業務運営事務局は、スタッフの採用、研修制度の構築、販売等のカリキュラムの作成、就業現場のラウンディング(巡回)、クライアントへの販売等のサービス提供状況のフィードバック等、商品の販売、サービス提供に関する一連の業務を行っております。

それによりクライアントは、スタッフの管理負担及び教育負担の軽減が図れ、現場とマーケティング機能を分離することによる効率化等のメリットを享受することができ、クライアントの業績の向上につながっているものと考えております。

 

(ⅱ) 教育・研修制度

株式会社ヒト・コミュニケーションズ及び関係会社では、オリジナルの販売カリキュラムの作成、販売研修の実施などスタッフに対する教育・研修制度を充実させております。

この教育・研修制度により、販売や営業の経験がない人材についても、標準化された研修を通じて実践に近い経験を積むことができます。また、就業後についても、経験不足、販売不振に陥りやすい1ヶ月目及び3ヶ月目にフォローアップ研修を実施しており、これが安定した就業実績につながっております。結果的に、クライアントの販売や営業業務及び収益の安定化に貢献しているものと考えております。

 

 

(2) 人材派遣事業

労働者派遣契約に基づいた人材派遣事業では、通信キャリア、メーカー、スーパー・GMS(総合スーパー)及び旅行業者等へ派遣先ニーズに応じたスタッフを派遣しております。

人材派遣事業につきましては、株式会社ヒト・コミュニケーションズ、株式会社ティーシーエイ、株式会社ジャッツ及び株式会社WSSが行っております。

当該事業における業務内容は以下のとおりです。

業務内容

・スマートフォン、携帯電話等の販売

・大型テレビ、デジタルレコーダー、タブレット端末等の販売

・生活家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機等)の販売

・生鮮食料品やコスメティック・ファッションの販売

・国内旅行・海外旅行添乗、バスガイド

・免税カウンター

・コールセンター

・営業事務、貿易事務、経理事務他

 

 

(人材派遣とは)

人材派遣とは、派遣元が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令のもと、派遣先事業所内で労働に従事させることを指します。直接雇用との違いは、派遣先・派遣元・派遣労働者の三者間の関係であり、雇用契約と指揮命令関係が分かれている点にあります。なお、株式会社ヒト・コミュニケーションズ及び関係会社は労働者派遣契約に基づき派遣先より派遣料金を受領し、スタッフに対しては雇用契約に基づく人件費の支払いを行っております。派遣料金は人材派遣単価に派遣労働者の稼働時間を乗じて算出しております。

株式会社ヒト・コミュニケーションズ及び関係会社(派遣元)とスタッフ、クライアント(派遣先)の関係は次の図のようになります。

 


 

人材派遣事業においても、対象となる業務・顧客層はアウトソーシング事業と重複することが多いことから、アウトソーシング事業で培った販売ノウハウや教育・研修制度を活用し、成果追求型の営業支援を行っております。

 

 

(3) EC・TC支援事業

EC・TC支援事業は、Eコマース(EC)サイト運営受託業務、テレビショッピング販売支援業務の総称を示します。

ECサイト運営受託業務では、ブランド等のオフィシャルECサイトの企画・開発のみでなく、商品の受注管理、商品手配、配送、代金回収に至るまで、ECを行う上で必要になる一連の業務運営全体をプラットフォーム化し、各ブランド等の商品を消費者へ販売する事業を展開しております。各ブランド等のEC売上を継続して向上させるため、ブランド独自の世界観を表現できるようクライアントの要望に柔軟に応えることに加え、レベニューシェアによる成功報酬型の事業モデルで強固なパートナーシップ関係を築いております。

テレビショッピング販売支援業務では、テレビ通信販売会社とアパレルメーカーとの間に入り、ブランドの構築、商品企画、生産管理、オンエアの際のプレゼンテーションまで、テレビ通販に関する一連の業務を支援するサービスを提供しております。

EC・TC支援事業につきましては、株式会社ビービーエフが行っております。

業務内容

・ファッション・スポーツ領域を中心としたECサイトの運営受託

・テレビショッピング販売支援

 

 

(4) ホールセール事業

ホールセール事業では、国内大手小売店及び海外大手小売店に対し、衣料品・雑貨等の企画、デザイン、製造、生産管理、卸売の一連の業務を行っております。ブランドやコンテンツホルダー、インフルエンサーと協業し、他社との差別化を図ることにより、商品の付加価値を高めております。

ホールセール事業につきましては、株式会社ブランチ・アウト及び上海布藍綺国際貿易有限公司が行っております。

業務内容

・衣料品・雑貨等の企画、デザイン、製造、生産管理、卸売、販売

 

 

(5) その他

その他は、主にシステム開発関連サービス、富裕層向けリムジンサービス、訪日外国人旅行者を対象としたランドオペレーティング業務、訪問介護やグループホーム経営等の社会福祉サービス及びオンライン接客サービスを実施しております。

その他につきましては、株式会社ヒト・コミュニケーションズ、株式会社ティーシーエイ、株式会社ジャパンリムジンサービス、SALES ROBOTICS株式会社、株式会社トライアングル、株式会社LOWCAL及び株式会社UsideUが行っております。

 

 

事業の系統図は以下の通りであります。

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 1.経営成績等の状況の概要

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度(2023年9月1日から2024年8月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって緩やかな回復が継続することが見込まれます。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国経済の先行き懸念、エネルギーコストや原材料価格の高騰による物価上昇が継続し、家計・企業を取り巻く環境は改善傾向にあるものの予断を許さない状況が継続しております。

 このような環境のもと、当社グループは「マーケティングの未来創造企業グループ」をテーマに、「ヒューマン営業支援」と「デジタル営業支援」を有機的に融合した「オムニチャネル営業支援企業」としての更なる事業リソースの充実に向けた取り組みを継続しております。具体的には、当社グループ各社が持つ専門性を継続的に高めるとともに、必要に応じて外部リソースを柔軟に活用することで、グループ全体の総合力を高めるとともに事業シナジーの最大化に取り組みます。これにより、雇用機会や新規事業を創出し、社会課題の解決を通じた持続可能なより良い社会の実現に向けて貢献してまいります。

その実践として、「ホールセール」において、有力コンテンツやインフルエンサーを活用した高付加価値商品の企画及び秋冬物商品の販売が好調に推移し前年同期比で増収となりました。また「インバウンド・ツーリズム」においても、エアポート分野において株式会社FMG及び株式会社fmgのグループ化に伴い空港における各種業務が増収となったほか、インバウンド分野において株式会社トライアングルが行う訪日外国人に対する宿泊先や交通機関等の手配を行うランドオペレーティング業務が前年同期比で増収となりました。一方で、「販売系営業支援」において通信セクターを中心に減収が継続したほか、パブリックセクターにおいて地方公共団体からの公共案件の受注が減少し減収となりました。また政府や地方公共団体が推進するワクチン接種受付コールセンターや接種会場の運営支援等、新型コロナウイルス感染拡大対策関連業務の受託が一巡し、前年同期比で大幅に減収となりました。

以上の結果により、当連結会計年度の売上高は58,547百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益は1,568百万円(前年同期比62.6%減)、経常利益は1,536百万円(前年同期比64.3%減)、減損損失、投資有価証券評価損等を計上したことなどにより親会社株主に帰属する当期純損失は43百万円(前年同期は1,885百万円の当期純利益)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産の残高は、現金及び預金の減少等により前連結会計年度末に比較して2,451百万円減少して、40,103百万円(前連結会計年度末比5.8%減)となりました。

負債の残高は、長期借入金の減少、未払法人税等の減少等により前連結会計年度末に比較して1,979百万円減少して、21,488百万円(前連結会計年度末比8.4%減)となりました。

純資産の残高は、剰余金の配当等により前連結会計年度末に比較して471百万円減少して、18,614百万円(前連結会計年度末比2.5%減)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

 当連結会計年度

対前年増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,525

980

△1,544

投資活動によるキャッシュ・フロー

△5,263

△1,233

4,029

財務活動によるキャッシュ・フロー

5,703

△2,024

△7,728

現金及び現金同等物の期末残高

16,121

13,859

△2,261

 

 

当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前年度末比2,261百万円減少し、13,859百万円となりました。

 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの主な増減事由については、以下のとおりです。

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において営業活動による収入は980百万円(前連結会計年度は2,525百万円の収入)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益の減少等によるものであります。

 

②投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度において投資活動による支出は1,233百万円(前連結会計年度は5,263百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得によるものであります。

 

③財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度において財務活動による支出は2,024百万円(前連結会計年度は5,703百万円の収入)となりました。これは、主に長期借入金の返済によるものであります。

 

 

 

 (4) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当社グループの行う事業は、販売業務受託を中心としたアウトソーシング事業、人材派遣事業、EC・TC支援事業、ホールセール事業、その他であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

② 受注状況

生産実績の記載と同様に、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年9月1日

至  2024年8月31日)

前年同期比(%)

アウトソーシング事業

23,205

75.2

人材派遣事業

8,870

93.0

EC・TC支援事業

10,776

108.1

ホールセール事業

12,772

117.0

55,625

90.7

その他

2,921

109.1

合計

58,547

91.5

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 その他には、社会福祉サービス、富裕層向けリムジンサービス、教育研修、システム開発関連サービス及びオンライン接客サービス等が含まれます。

 

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)  経営成績の分析

① セグメント別の売上高 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

アウトソーシング事業

23,205

75.2

39.6

人材派遣事業

8,870

93.0

15.2

EC・TC支援事業

10,776

108.1

18.4

ホールセール事業

12,772

117.0

21.8

55,625

90.7

95.0

その他

2,921

109.1

5.0

合計

58,547

91.5

100.0

 

セグメント別の業績は、次の通りであります。

(アウトソーシング事業)

当連結会計年度においては、株式会社FMG及び株式会社fmgのグループ化に伴い、「インバウンド・ツーリズム」において、空港における各種業務が増加した一方、「その他」において、政府や地方公共団体が推進するワクチン接種受付コールセンターや接種会場の運営支援等、新型コロナウイルス感染拡大対策関連業務の受託が一巡し大幅に減収となりました。また、「販売系営業支援」において、通信分野を中心に減収が継続いたしました。

その結果、売上高は23,205百万円(前年同期比24.8%減)、営業損失は258百万円前年同期は1,370百万円の営業利益)となりました。

(人材派遣事業)

当連結会計年度においては、需要の拡大が見込まれる空港、ホテル等インバウンド領域、新規領域として物流分野における人材サービスの営業に注力いたしました。しかしながら、政府や地方公共団体が推進する接種会場の運営支援等、新型コロナウイルス感染拡大対策関連業務の受託が一巡し大幅に減収となりました。

その結果、売上高は8,870百万円(前年同期比7.0%減)、営業利益は373百万円(前年同期比67.7%減)となりました。

(EC・TC支援事業)

当連結会計年度においては、特にファッションやスポーツ分野でのEC需要の拡大を背景に、蓄積したノウハウを活用して既存クライアントの業績向上や新規運営サイトの拡大に取り組みました。

その結果、売上高は10,776百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は898百万円(前年同期比4.5%増)となりました。

(ホールセール事業)

当連結会計年度においては、有力コンテンツやインフルエンサーを活用した高付加価値商品の企画や販売等の各種業務が好調に推移いたしました。しかしながら、円安の影響による海外生産における製造原価の高騰により収益性が低下いたしました。

その結果、売上高は12,772百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益は540百万円(前年同期比1.6%減)となりました。

 

また、当連結会計年度の売上総利益につきましては、政府や地方公共団体が推進するワクチン接種受付コールセンターや接種会場の運営支援等の新型コロナウイルス感染拡大対策関連業務の受託が一巡したこと、通信セクターにおける販売支援業務が縮小したこと等により、売上総利益額が減少し12,097百万円(前年同期比15.0%減)となりました。

 

 

   ②  販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、10,528百万円(前年同期比4.9%増)となりました。主な要因は、人件費及びのれん償却費を中心とした増加であります。

この結果、営業利益については1,568百万円(前年同期比62.6%減)となりました。

 

 ③  営業外収益及び営業外費用、経常利益

営業外収益は42百万円(前年同期比81.3%減)となりました。主な要因は、違約金収入及び受取補償金の減少によるものであります。 

また、営業外費用は75百万円(前年同期比41.0%減)となりました。主な要因は、支払補償費が減少したことによるものであります。

この結果、経常利益については1,536百万円(前年同期比64.3%減)となりました。

 

 ④  特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純利益

特別利益は6百万円(前年同期比62.2%増)となりました。要因は、投資有価証券売却益の計上によるものであります。 
 また、特別損失は255百万円(前年同期比52.6%減)となりました。主な要因は、減損損失の計上及び投資有価証券評価損の計上によるものであります。

この結果、税金等調整前当期純利益については1,287百万円(前年同期比65.8%減)となりました。

 

 ➄  親会社株主に帰属する当期純損失

上記の諸要因により親会社株主に帰属する当期純損失は、43百万円(前年同期は1,885百万円の当期純利益)となりました。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因や、当該要因への対応について

 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(3) 財政状態の分析

 「1.経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」に記載のとおりであります。 

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 基本方針・資金需要の主な内容

当社グループは、「マーケティングの未来創造企業」を展望し、中長期的な高収益体制の確立・企業価値向上を図るべく、事業構造の構築を推進しております。これまでのBtoBtoCマーケティング支援を中心としたビジネスモデルの進化に加え、IT・AIを活用したBtoBマーケティング支援機能を拡充すべく、新規事業の開発およびM&Aの検討を継続的に行っております。当連結会計年度においては株式会社FMG及び株式会社fmgのグループ化により、新たに空港グランドハンドリング事業に参入しております。

 

② 資金調達

当社グループの所要運転資金は、キャッシュ・コンバージョン・サイクルが0.5か月程度で推移していることから、手元現預金にて十分に賄うことが可能です。また、設備投資につきましてはソフトウェア開発や空港グランドハンドリング事業に係るGSE機材(空港地上支援車両)取得等がありますが、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金の範囲内で対応しております。

比較的大型のM&A実行に際しては、必要に応じ外部資金を活用しておりますが、現状は金融環境等勘案のうえ銀行借入による資金調達を中心としております。主要取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、また健全な財務体質を維持しておりますことから、必要な資金に関しては問題なく調達可能と認識しております。

なお、当社グループの2024年8月末時点における有利子負債が9,531百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は13,859百万円と有利子負債を上回る水準となっております。

 

③ 経営資源の配分・株主還元に関する考え方

手元現預金水準については厳密な目標水準は定めておりませんが、安定した運転資金の確保、及び十分なイベントリスクに対応するために、売上高の1か月から2か月分が適正な手元現預金水準と考えております。それを超える分については、企業価値向上に資する適切な経営資源の配分に努めます。

株主還元については、連結業績・財務状況、M&A等の戦略的投資に備える内部留保などを勘案したうえで、業績拡大に応じた配当の増額を図りたいと考えております。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年8月

2021年8月

2022年8月

2023年8月

2024年8月

自己資本比率

(%)

42.4

45.2

49.4

42.0

43.0

時価ベースの自己資本比率

(%)

71.4

105.0

90.5

58.5

38.7

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率

(%)

147.1

156.4

77.9

431.4

972.0

インタレスト・

カバレッジ・レシオ

(倍)

222.3

250.4

498.3

242.7

31.5

 

(注)1 各指標の算出基準は以下のとおりであります。

自己資本比率

(自己資本)÷(総資産)

時価ベースの自己資本比率

(株式時価総額)÷(総資産)

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(有利子負債)÷(キャッシュ・フロー)

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(キャッシュ・フロー)÷(利払い)

 

2 株式時価総額は(期末株価終値)×(期末発行済株式総数(自己株式控除後))により計算しております。

3 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている有利子負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象にしております。

4 キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

5 利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

 1  報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、事業活動の特徴、法的規制等を考慮した経営管理上の区分によって、「アウトソーシング事業」、「人材派遣事業」、「EC・TC支援事業」、「ホールセール事業」の4つを報告セグメントとしております。

「アウトソーシング事業」は、メーカーや通信キャリア等からの一連の業務(販売戦略の企画立案、人員の手配、接客販売業務等)全体の受託を、「人材派遣事業」は、メーカー、通信キャリア及びスーパー・GMS等への派遣先ニーズに応じたスタッフの派遣、「EC・TC支援事業」はEコマース、テレビショッピングを利用した販売支援、「ホールセール事業」は衣料品の製造・卸売を主な業務としております。

 

 2  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいております。

なお、前連結会計年度のセグメント情報は、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額により開示しております。

 

 

 3  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自  2022年9月1日  至  2023年8月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他(注)2

合計

調整額
(注)3

連結財務諸表計上額

アウトソーシング事業

人材派遣
事業

EC・TC支援事業

ホールセール事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

30,877

9,538

9,968

10,917

61,302

2,678

63,980

63,980

セグメント間の内部売上高又は振替高

60

376

18

12

468

1,217

1,685

△1,685

30,938

9,914

9,987

10,929

61,770

3,895

65,665

△1,685

63,980

セグメント利益(注)1

1,370

1,157

860

549

3,937

280

4,217

△18

4,198

セグメント資産

20,420

3,378

9,053

5,314

38,166

2,230

40,397

2,156

42,554

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費(注)4

183

11

235

9

439

34

474

18

493

(のれん)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当期  償却額

206

3

129

115

456

63

519

519

当期末  残高

5,753

8

754

676

7,192

350

7,543

7,543

有形固定資産及び
無形固定資産の増加額

 

4,859

46

518

13

5,437

90

5,528

5,528

 

(注) 1  セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

2  「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、社会福祉サービス、教育研修、富裕層向けリムジンサービス、システム開発関連サービス等及びオンライン接客サービスを含んでおります。

3 調整額は以下のとおりであります。

   (1)セグメント利益の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、全社資産にかかる減価償却費であります。

   (2)セグメント資産の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、当社の資産、連結子会社である株式会社ヒト・コミュニケーションズの本社土地、本社建物であります。 

   (3)その他の項目の減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産にかかる減価償却費であります。

4  減価償却費には長期前払費用の償却額が含まれております。

 

 

当連結会計年度(自  2023年9月1日  至  2024年8月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他(注)2

合計

調整額
(注)3

連結財務諸表計上額

アウトソーシング事業

人材派遣
事業

EC・TC支援事業

ホールセール事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

23,205

8,870

10,776

12,772

55,625

2,921

58,547

58,547

セグメント間の内部売上高又は振替高

31

206

25

5

269

794

1,063

△1,063

23,237

9,077

10,802

12,777

55,895

3,716

59,611

△1,063

58,547

セグメント利益または損失(△)(注)1

△258

373

898

540

1,554

33

1,587

△18

1,568

セグメント資産

16,253

3,346

10,097

6,063

35,761

1,935

37,696

2,406

40,103

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費(注)4

148

18

249

10

427

27

454

18

473

(のれん)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当期  償却額

464

5

129

115

715

63

779

779

当期末  残高

5,417

4

625

560

6,607

233

6,841

6,841

有形固定資産及び
無形固定資産の増加額

391

93

403

17

906

41

948

948

 

(注) 1  セグメント利益または損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

2  「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、社会福祉サービス、教育研修、富裕層向けリムジンサービス、システム開発関連サービス等及びオンライン接客サービスを含んでおります。

3 調整額は以下のとおりであります。

   (1)セグメント利益または損失(△)の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、全社資産にかかる減価償却費であります。

   (2)セグメント資産の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、当社の資産、連結子会社である株式会社ヒト・コミュニケーションズの本社土地、本社建物であります。 

   (3)その他の項目の減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産にかかる減価償却費であります。

4  減価償却費には長期前払費用の償却額が含まれております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2022年9月1日  至  2023年8月31日)

 1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

 2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため記載しておりません。

 

当連結会計年度(自  2023年9月1日  至  2024年8月31日)

 1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

 2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため記載しておりません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年9月1日  至  2023年8月31日)

 重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自  2023年9月1日  至  2024年8月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

調整額

連結財務諸表計上額

アウトソーシング事業

人材派遣
事業

EC・TC支援事業

ホールセール事業

減損損失

170

170

170

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。