事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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セキュアクラウドシステム事業 | 3,060 | 98.5 | 661 | 102.6 | 21.6 |
エモーショナルシステム事業 | 48 | 1.5 | -17 | -2.6 | -35.4 |
事業内容
3【事業の内容】
当社の事業セグメントは、企業の基幹システムをクラウド化する「セキュアクラウドシステム事業」、特殊な映像技術を用いて空間を仮想化する「エモーショナルシステム事業」の2つのセグメントで構成されております。
(セキュアクラウドシステム事業)
セキュアクラウドシステム事業は、当社が創業間もない時期から取り組んでいる主力事業であります。
同事業は、仮想化技術を基礎とするプライベートクラウドを核としてSaaSとパブリッククラウドを組み合わせた国内クラウド市場が対象であり、目安として売上高100億円~500億円規模の中堅企業、SaaS事業者及び公共団体を主な顧客ターゲットとしております。同事業の属する国内クラウドサービス市場において、単一企業内で利用するクラウドをプライベートクラウド、広く一般のユーザーや複数の企業が利用するクラウドをパブリッククラウドと呼びます。当社は、プライベートクラウドにパブリッククラウドを融合した「ハイブリッドクラウド」の構築を中心とする「基幹システムのクラウド化」と、システム障害やサイバー攻撃に対する防御と回復の仕組みをサポートする「サイバーセキュリティ構築」の事業を行っております。
市場規模は2023年の国内プライベートクラウド市場だけでも、前年比27.3%増の2兆533億円であり、2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は15.4%、2028年の市場規模は2023年比2倍の4兆2,126億円と予測されており(出所:IDC Japan株式会社「国内プライベートクラウド市場予測」2024年10月7日プレスリリース)、国内クラウド市場全体では、2023年の市場規模が前年比29.6%増の7兆8,250億円、2023年~2028年の年間平均成長率は16.3%、2028年の市場規模は2023年比約2.1倍の16兆6,285億円になると予測されている(出所:IDC Japan「国内クラウド市場予測」2024年6月3日 プレスリリース)、有望かつ潤沢なマーケットと言われております。
当社は、プライベートクラウドを実現する主要なソフトウエアである、Citrix、Microsoft、Broadcom(旧VMware)の製品とサービス群を熟知、これら各社の戦略を理解し、顧客企業にとって最適な選択を行うことを第一に考えています。その上で、セキュリティ、ストレージ、サーバー等のハードウエア商品及び各種ソフトウエア商品を含めた、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)実現の前提となるハイブリッドクラウド基盤を提案しています。従来的な設計・構築・維持に留まらず、サイバー攻撃や障害に対する回復・強靭化(必須のレジリエンス)を含めた総合的な提案を行っております。
また、2023年3月には、シトリックス・システムズ・ジャパン㈱とのパートナー契約「Cloud Software Group Fusion Partner Program」(旧称:Citrix Solution Advisor Partner Program)を締結し、同社製品のリセラー最上位であるプラチナ(PLATINUM)の認定を取得しています。日本国内のシトリックス・システムズ・ジャパンのリセラーは181社、上位層にあたるプラチナリセラーは40社、その頂点にあたるCitrix製品の全分野のスペシャリスト認定を受けたプラチナリセラーは4社となっています。当社は頂点にあたる4社のうちの1社であり、主だった仮想化技術企業として評価を得ております。
セキュアクラウドシステム事業は、サーバーの仮想化や強靭なセキュリティ環境の構築を行う「プラットフォーム」、仮想化環境に特化し、現場から発生するニーズを満たした機能を製品化して販売を行う「プロダクツ」、顧客が基幹システムに望む独自機能を満たすためのスクラッチ開発(手作り開発)を行う「カスタマイザー」の3つの区分で構成されており、当社は、企業システム全般を対象とした包括的サービスを顧客に提供しております。
売上区分 |
概要 |
プラットフォーム |
システム仮想化業務(プライベートクラウド化~ハイブリッドクラウド化)にて活用する各種仮想化ソフトウエア(Citrix、Microsoft、Broadcom(旧VMware)等)の導入コンサルティング、設計、実装、保守の技術サービスを行っております。 ランサムウェアや不正アクセスなどのサイバー攻撃対策、ダメージを受け障害に陥ったシステムの回復など、BCP(Business Continuity Planning:企業が災害やサイバー攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において損害を最小限にとどめつつ中核となる事業を継続するための計画)の要となるレジリエンスの構築も含め、それらに付随するハードウエア、ソフトウエアを販売し、コンサルティングにおいては、上記各種の仮想化ソフトウエアによるシステム構築が可能であることを強みとして、各社製品の特徴を生かした提案を行っております。 特にCitrixについては、2004年4月から継続してシトリックス認定販売パートナーのトップカテゴリ(Citrix Fusion Resell - Platinum、旧称:Citrix Solution Advisor Platinum)に位置しています。 |
プロダクツ |
業務システムの帳票処理とシステム間の情報連携におけるセキュリティ問題を解決する「デルバイ」及び「キトラス」という製品が主力で、Citrixユーザー向けに10年以上使われ続けており、2020年にはCitrixユーザー以外のMicrosoft Windowsユーザー向けに「デルバイ-R」を発売して顧客層を拡大しております。また、2014年には、食品製造業務向けの生産管理業務に特化した生産管理システムパッケージである「イートバイ」を開発し、市場投入しております。 |
カスタマイザー |
業務ロジックのプログラミング及び、DX(デジタルトランスフォーメーション)等で必要となるデータベース構築の業務を行っております。 幅広い業種の企業にビジネスの根幹を処理するソフトウエアと、データ活用基盤となるデータベースの構築サービスを提供し、販売管理や在庫管理、物流管理等の業務システムを作成しているため、対象クライアントは多岐にわたっています。既存パッケージのカスタマイズは殆ど行わず、顧客ニーズと顧客状況に応じたシステムを手作りで構築できることが特長となっております。 |
[セキュアクラウドシステム事業:事業系統図]
(※1)2024年9月期より、SaaS事業者を元請け企業ではなくエンドユーザーに分類するよう区分を変更しました。
(※2)元請け企業は、エンドユーザーから受注したシステム構築の専門的な分野を当社に再委託する「大手SIer」などです。元請け企業の社数は2024年9月期のセキュアクラウドシステム事業の実績値です。
(※3)(※4)売上構成比は2024年9月期のセキュアクラウドシステム事業の実績値です。
(※5)エンドユーザーの社数は2024年9月期のセキュアクラウドシステム事業の実績値です。
(エモーショナルシステム事業)
エモーショナルシステム事業は、VR(Virtual Reality:仮想現実)装置MetaWalkersⓇ(旧称:4DOH)の技術開発及び製造販売を中心に行っております。
MetaWalkersⓇは特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)を取得しており、360度スクリーンに切れ目なく3D映像を投影する特許技術を基にした移設可能なVRの表現装置であります。円筒形のスクリーンの中に客席が設置され、スクリーンに囲まれた空間に映像が縦横無尽に飛び回り、観客を突き抜ける特殊効果と、映像に同期した立体音響、突風、地面の揺れによって、360度に展開するストーリーに観客を没入させる、独自のVR空間を作り上げる仕組みとなっております。ヘッドマウントディスプレイ型のVRと異なり、軽量な3D眼鏡を使用することで仲間と感動を共有する、体験共有型VR装置と言えます。
2017年には装置の運搬・設置・解体を簡易化した可搬型のギャロップを製品化し、2020年には視聴者の操作により上映中の映像のストーリー分岐等を行えるインタラクティブ機能を追加したMetaWalkersⓇ Advanced(旧称:i4DOH)を投入。家族連れなど少人数のグループ客向けに小型化し、感染症対策として換気性能を強化した「MetaWalkersⓇ:ATOM(旧称:i4DOH:ATOM)」を2020年11月に販売開始しております。2024年にはNVIDIA製GPUの性能を引き出し、画像処理性能と画質を向上した新バージョンのMetaWalkersⓇ Advancedをリリースしました。
その他、MetaWalkersⓇにおいて上映するコンテンツ制作も行っており、有名なキャラクターを用いたコンテンツとして、2017年3月の「ウルトラマンゼロ Another Battle ~光と力~」を皮切りに、2017年8月には「頭文字D project VR -疾駆-」、2019年3月には「新幹線変形ロボ シンカリオン360°ザ・ムービー」をリリースしました。また、解像度が高い8K360度カメラで撮影した実写によるミュージックビデオや、ドローン等による空撮映像、各地の観光資源や文化資産、風景の映像、防災教育など、新たなコンテンツ制作にも取り組んできました。
また、2022年1月にメタバース推進部を設置し、企業向けメタバース構築サービスの開発や、MetaWalkersⓇのメタバース事業者向けの販売を推進しております。
[エモーショナルシステム事業:事業系統図]
(※1)MetaWalkersⓇ運営者は、遊園地・テーマパークや博物館・科学館などの施設を運営する企業や公共団体です。
(※2)代理店は当社と販売代理店契約を締結し、MetaWalkersⓇ運営者へMetaWalkersⓇを販売する企業です。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の資産の部は、前事業年度末に比べて892,574千円増加し、2,872,753千円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加(前事業年度末に比べて992,176千円の増加)、現金及び預金の減少(前事業年度末に比べて206,201千円の減少)、預け金の増加(前事業年度末に比べて93,907千円の増加)、商品及び製品の減少(前事業年度末に比べて27,306千円の減少)、建物の増加(前事業年度末に比べて14,374千円の増加)によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債の部は、前事業年度末に比べて717,622千円増加し、1,436,454千円となりました。これは主に、買掛金の増加(前事業年度末に比べて802,675千円の増加)、長期前受金の減少(前事業年度末に比べて34,986千円の減少)、前受金の減少(前事業年度末に比べて24,978千円の減少)、長期借入金の減少(前事業年度末に比べて24,281千円の減少)、1年内返済予定の長期借入金の減少(前事業年度末に比べて17,529千円の減少)によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産の部は、前事業年度末に比べて174,951千円増加し、1,436,299千円となりました。これは、当期純利益255,821千円を計上したことによる利益剰余金の増加、自己株式の取得により80,869千円減少したことによるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度(2023年10月1日~2024年9月30日)の国内経済は緩やかな回復基調が続きました。情報通信業界も企業のIT投資意欲が依然として活発なことに加え、社会インフラを停止させるシステム障害やランサムウェアなどのサイバー攻撃による経済損失の急増により、レジリエンス需要(情報システムの防御と回復の仕組み)が一段と拡大するなど、堅調に推移いたしました。
このような環境下、当社は当事業年度を「規模拡大に舵を切るファーストステップ」と位置づけ、人財増強、新拠点開設などの積極的な投資を実行するとともに、3つの戦略(大型案件の受注、中規模クラウド基盤構築案件数の増加、クラウド向け高付加価値商品の販売)を推進いたしました。
それにより、当事業年度の業績は増収増益となりました。
売上高は、SaaS事業者向け大型案件(※1)の受注により当事業年度の第4四半期会計期間の売上高が四半期としては過去最高の1,607百万円となったことが大きく寄与し、3期連続の増収となりました。
営業利益は、積極的な投資活動に伴う人件費などの販売費及び一般管理費の大幅な増加を、売上高の伸び、付加価値の高い案件の増加、内製化による製造コストの最適化などによる売上総利益率の向上で吸収し、過去最高を更新いたしました。
その結果、当事業年度における売上高は3,107,969千円(前事業年度比7.1%増)、営業利益は362,196千円(前事業年度比20.1%増)、経常利益は362,183千円(前事業年度比22.5%増)、当期純利益は255,821千円(前事業年度比24.5%増)となり、6期連続で最高益を更新いたしました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(セキュアクラウドシステム事業)
セキュアクラウドシステム事業は増収増益でした。
当事業年度はCitrixソフトウェアの販売を中心に、クラウド基盤構築案件、地方自治体・九州に拠点を持つ半導体製造関連企業などの中規模のクラウド基盤構築案件の売上が好調でした。クラウド基盤向けの高性能サーバなど、利益率が高い製商品販売の拡大も営業利益の増加に寄与いたしました。また、当社が提唱している「必須のレジリエンス」のコンセプトは、昨今の自然災害の増加やサイバー攻撃によるシステム障害が大きな社会問題となる中で企業の喫緊需要を捉えるものとなり、障害回復力に優れたクラウド基盤の販売実績を押し上げました。
その結果、セキュアクラウドシステム事業の売上高は、3,060,373千円(前事業年度比8.8%増)、営業利益は660,982千円(前事業年度比23.1%増)となりました。
(エモーショナルシステム事業)
エモーショナルシステム事業は減収減益でした。
当事業年度は売上高が低調に推移する一方で、今後の販売拡大に向けた地固めが進みました。積極的なイベント出展やMetaWalkersⓇ体験コーナーによる実機デモを連動した営業活動を推進した結果、防災分野を中心に、観光宇宙の各市場において見込み顧客が着実に増加しております。スポーツ市場への参入に向けたスポーツ業界関係者への営業アプローチも進展しております。また、MetaWalkersⓇによるトレーニングシステムは試作機が完成し、イベント展示(※2)を行いました。当該試作機は、かねてより進めてきた産学連携共同研究の成果の一部であります。
企業向けメタバースは、既存顧客向けのサブスクリプション販売が売上に寄与いたしました。当社のメタバースは、操作性の簡便さによる快適な体験を提供することを目標としております。気軽に参加することができる当社の企業向けメタバースは、実際に体験する企業の増加と共にその活用方法の広がりを見せております。今後、新たな企業や自治体向けメタバース構築の売上に期待が持てるようになりました。
その結果、エモーショナルシステム事業の売上高は、47,595千円(前事業年度比46.7%減)、営業損失は16,853千円(前事業年度は営業利益16,544千円)となりました。
なお、全社営業利益は、各セグメントの営業損益の合計から、報告セグメントに分配していない全社費用281,932千円を差し引いた数値となっております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(※1)「大型受注に関するお知らせ」(2024年8月2日 適時開示)
(※2)「KSU VISION DAY 2024文×理×芸=展」にMetaWalkersⓇ出展のお知らせ (2024年10月28日 PR情報開示)
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加が58,418千円、投資活動による資金の減少が48,032千円、財務活動による資金の減少が122,679千円であったことにより、前事業年度末に比べ112,293千円減少し、1,005,640千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は58,418千円(前事業年度は385,321千円の増加)となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の増加990,939千円、買掛金の増加802,675千円、税引前当期純利益の計上361,696千円、前受金の減少59,964千円、棚卸資産の減少22,356千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は48,032千円(前事業年度は24,795千円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出26,094千円、敷金の差入による支出12,686千円、無形固定資産の取得による支出10,512千円、敷金の回収による収入1,260千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は122,679千円(前事業年度は97,302千円の増加)となりました。これは、自己株式の取得による支出80,869千円、長期借入金の返済による支出41,810千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
前年同期比(%) |
セキュアクラウドシステム事業(千円) |
2,167,876 |
100.1 |
エモーショナルシステム事業(千円) |
27,214 |
59.9 |
合計(千円) |
2,195,090 |
99.2 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
セキュアクラウドシステム事業 |
2,843,150 |
98.2 |
771,857 |
78.0 |
エモーショナルシステム事業 |
49,951 |
51.1 |
12,290 |
123.7 |
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
前年同期比(%) |
セキュアクラウドシステム事業(千円) |
3,060,373 |
108.8 |
エモーショナルシステム事業(千円) |
47,595 |
53.3 |
合計(千円) |
3,107,969 |
107.1 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
当事業年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
エヌ・デーソフトウェア株式会社 |
1,309,089 |
45.1 |
1,031,500 |
33.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たりまして、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
②経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境をはじめとした様々なリスクが存在していることを認識しております。当社が属する情報通信業界においては、技術革新のスピードが早いため、業界動向や環境変化等を把握しながら技術を堅実に積み重ねることで、高品質なサービスを提供し続けることができるよう対応してまいります。
③経営者の問題意識と今後の方針
「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した様々な課題を適切に対処することが必要であると認識しております。常に業界動向等の変化を捉えながら主力事業であるセキュアクラウドシステム事業の事業基盤の強化と、エモーショナルシステム事業の売上拡大を図り、持続性のある成長基盤を築いてまいります。
セキュアクラウドシステム事業では、「必須のレジリエンス」という事業コンセプトのもと、障害やサイバー攻撃、自然災害等に対する情報システムの防御と回復の仕組みである「レジリエンス」を「基幹システムのクラウド化」と並ぶ、セキュアクラウドシステム事業の柱として発展させてまいります。
また、エモーショナルシステム事業については、MetaWalkersⓇの販売に加え、企業向けメタバース構築サービスを更に充実し、売上高と営業利益の拡大を図ってまいります。
④当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度(2023年10月1日~2024年9月30日)の経営成績の状況は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、②経営成績の状況に記載のとおりであります。
売上高は、SaaS事業者向け大型案件の受注により当事業年度の第4四半期会計期間の売上高が四半期としては過去最高の1,607百万円となったことが大きく寄与し、3期連続の増収となりました。
営業利益は、積極的な投資活動に伴う人件費などの販売費及び一般管理費の大幅な増加を、売上高の伸び、付加価値の高い案件の増加、内製化による製造コストの最適化などによる売上総利益率の向上で吸収し、過去最高を更新しました。その結果、6期連続で最高益を更新いたしました。
⑤キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の主な資金需要は、各事業の営業活動に必要な商品の仕入、販売費及び一般管理費の営業費用並びに各種税金の納付等であります。これらの資金需要は、営業キャッシュ・フローから生じる自己資金によって賄っております。
資金の流動性につきましては、経常運転資金に十分対応できる手元資金の確保に努めており、当期末現在の現金及び現金同等物は、1,005,640千円となっております。また、資金の流動性に支障をきたす事態の発生に備えて、金融機関との間で合計330,000千円の当座貸越契約を締結し、一定の流動性を維持できる体制を確保しております。