リスク
3【事業等のリスク】
事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他、投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合には迅速かつ的確な対応に努める方針であります。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)特定の市場への依存について
当社グループは、主には業務用洗剤・洗浄剤・除菌剤、医薬部外品、固形燃料の製造と食品包装用ラップ、ボディソープ等の仕入を行い、これら製商品を食品卸会社、食品包装資材卸会社等を通じて飲食店、旅館、食品工場、食品スーパー等の国内フードビジネス業界に販売しております。なお、子会社である株式会社バイオバンクは、健康食品業界へ、ミッケル化学株式会社は、ビルメンテナンス業界へ、また尼多咖(上海)貿易有限公司は、中国国内のフードビジネス業界へ製品の販売を行っておりますが、国内フードビジネス業界向け以外の子会社売上高合計は、グループ全体の売上高の20%以下であります。
また、当社グループは、各地の委託会社を通じてフードビジネス業界向けに食器洗浄機のメンテナンスサービスや衛生管理支援サービスを提供しております。
したがって、当社グループが取扱っている製商品・サービスは、大部分がフードビジネス業界を対象としたものであり、フードビジネス業界における業務用洗剤等に対する需要動向、価格動向、既存業者との競合の状況、新規業者の参入状況により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
これに対して当社グループは、単にフードビジネス業界内のシェアを上げるだけではなく、業界内の各種業態におけるシェアをバランスよく獲得してリスク分散を図るとともに、新領域への展開、新規事業の開発、ヘルスケア事業の拡大を推進し、リスクの最小化を図ってまいります。
(2)原材料価格の高騰について
当社グループが製造販売する洗剤・洗浄剤の原材料は、石油等の鉱物資源及び天然の油脂等に由来するものの比率が高くなっております。これら資源の価格は、新興国における需要増、投機的な資金の流入、国際紛争等による供給量の減少及び為替の変動等によって高騰するリスクを抱えており、これにより当社グループの利益が減少する可能性があります。これに対して当社グループは、付加価値の高い製品開発を進めることで原材料価格の上昇に対する耐性を付けるとともに、生産性の向上やコストダウンによって原価の圧縮に努めております。
(3)法的規制について
当社グループの製商品は、国内外での事業展開に際し、各国の法律、許認可などによる規制対象となっております。これらの法規制は、環境保護、健康、化学物質の管理、製造、輸送に関連するものを含む広範囲な分野に及んでいます。近年、国内外の規制強化の動きに伴い、これら法的規制の改正、又は新たな法的規制の制定等により、当社グループの業績又は今後の事業展開が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループでは内部統制システムの基本方針を定め、法令に留まらず様々な社会的規範の順守を徹底しておりますが、法令への理解不足やコンプライアンス意識の希薄化等によって違反が発生した場合、会社として厳しい社会的制裁を受け、業績の悪化につながる可能性があります。
(4)品質問題による業績の悪化について
当社グループでは、経営方針である「品質第一主義」のもと、品質管理を徹底しております。しかしながら、当社グループの取扱製商品において、重大な品質トラブルが発生した場合には、当該トラブルに対応するための費用負担や当社グループに対する評価の低下から、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(5)自然災害について
当社グループにとって、大きなリスクのひとつに地震リスクがあります。生産拠点は東西の2拠点制をとり、万が一、一拠点の生産活動が大きな影響を受けても補完ができるようにしておりますが、大規模な地震により、操業が中断するような場合には、生産活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)取引先の信用リスクについて
当社グループは数多くの取引先と取引を行っており、リスク分散を図っております。また、取引先の信用情報等を入手し、取引先のリスクに備えております。しかし、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)中国子会社について
当社グループは、中国国内のフードビジネス業界向けに製品の製造販売及び日本向けに製品の製造を行っております。政治的、経済的事情の悪化、法律・規則の変更、人材確保の困難、自然災害等及び近年、顕著である化学物質、環境等の規制強化によって、当社グループの業績又は今後の事業展開が予期せぬ影響を受ける可能性があります。これに対して当社グループは、現地における優秀な人材の確保と育成を進めるとともに、現地弁護士事務所、化学物質規制業務を支援する総合コンサルティング会社、代理店等を利用しつつ、いち早く正確な情報を入手し、的確に対応できるような体制づくりに努めております。
(8)感染症の影響について
当社グループは、飲食店、旅館、食品工場、食品スーパー等の顧客に製品を購入していただいております。感染症が流行し、政府が行動制限を実行した場合、当社グループの製品の出荷量にも著しい影響を与える可能性があります。これに対して当社グループは、感染予防に資する製品や情報の提供によって顧客の事業に対する貢献を行い、業績への影響が最小となるように努めてまいります。
一方で、感染症の影響は当社グループの業務にも及ぶ可能性があります。移動制限による業務の遅延や従業員の感染による工場を含む事業所の一時的閉鎖によって事業の停滞を招く可能性があります。これに対して当社グループでは、従業員とその家族の安全を最優先に在宅勤務、時差通勤、感染者が出た場合の代替要員の育成及び生産の自動化等の施策を進め、生産の停滞等を回避する体制構築に努めております。
(9)気候変動等に関わるリスク
近年の気象災害の激甚化は地球温暖化が一因とされており、脱炭素の機運が高まりつつあります。環境問題を重視するステークホルダーからの要求、法規制の厳格化などにより、社会の脱炭素化に向けた規制強化が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対して、当社グループは、環境対応を強化した製品の開発、再生可能エネルギーの導入、製造プロセス、設備見直しによる省エネルギー化などにより、リスクの最小化に努めております。
(10)情報セキュリティについて
当社グループは、様々な事業活動を通じて、顧客や取引先の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。これらの情報については、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏えい等が不測の事情により発生する可能性があります。また、技術、契約、人事等に関する当社グループの機密情報が第三者に漏えい、不正使用された場合も、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
これに対して当社グループは、セキュリティシステムの導入や、コンピューターリテラシー教育の実施、データ漏えい防止等の対策などにより、リスクの最小化に努めております。また、サイバー攻撃による被害が発生した場合を想定し、事業活動継続のため重要なデータについてバックアップを行っております。
(11)人権侵害リスクについて
当社グループは、日本国内とアジア地域で事業拠点を持ち、海外企業との取引も多数行っております。近年、ビジネスと人権に関する関心は高まっており、人権侵害に該当する事案が生じた場合には、行政処分や当社グループの社会的信用・ブランドイメージ毀損等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して当社グループでは、人権方針・調達方針を策定し、人権尊重の取り組みを進めております。また、人権デューディリジェンスを実施し、取引先と協力して、サプライチェーンも含めた人権侵害リスク低減に努めております。
配当政策
3【配当政策】
当社の利益配分につきましては、将来の企業価値を高める事業戦略に必要な内部留保を確保しつつ、連結配当性向30%以上もしくは株主資本配当率(DOE)2%のいずれか高い金額を目安に配当を継続的に実施することを基本としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
当社は、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める。」旨定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、次のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
|
2023年12月25日 |
取締役会決議 |
129,875 |
22.0 |
2024年7月29日 |
取締役会決議 |
129,875 |
22.0 |