2026年1月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) - - -1,725 - -

3【事業の内容】

(1)当社の事業領域

当社グループ(以下、当社及びSanBio, Inc.(米国カリフォルニア州オークランド市)2社を指します。)は「再生医療の開発を通して、患者さんをはじめとしたステークホルダーの皆さまへ価値を提供する」ことをコーポレート・ミッションに掲げ、日米において細胞治療薬の研究、開発、製造及び販売を手掛ける再生医療事業を展開しています。当社グループでは、主に中枢神経系の疾患(眼科を含む)における、慢性期外傷性脳損傷、慢性期脳梗塞、慢性期脳出血、加齢黄斑変性、網膜色素変性、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病等のアンメットメディカルニーズの高い疾患を対象とした治療薬の販売を目指しています。

 

≪細胞治療薬とは≫

当社グループが手掛ける細胞治療薬は、病気・事故等で失われた身体機能の自然な再生プロセスを誘引ないし促進させ、運動機能、感覚機能、認知機能を再生させる効能が期待される医薬品です。

 

 

(2)事業の内容

当社グループは、大学等の研究機関から導入した技術を基盤として、当社グループにおいて製造開発、非臨床試験及び臨床試験等を実施し、再生医療等製品の研究、開発、製造及び販売を行っています。

 

当社グループの事業モデルは、主として、医薬品の販売網及び商業化能力を有するパートナー製薬会社に対して、当社グループが保有する開発権及び販売権をライセンス許諾することにより収益を獲得するライセンスアウト型モデルを基本としています。これに加え、今後は、当社グループ自らが製造販売承認を取得し、販売体制を構築した上で製品を販売する自社販売型モデルも、収益機会の一つとして併存させる方針としています。

収入形態の内容は以下のとおりです。

 

≪当社グループの収入形態≫

 

収入形態

内容

A

契約一時金

ライセンス許諾の契約時の一時金として得られる収入

B

マイルストン収入

開発進捗又は製品上市後の売上高等、予め設定したマイルストン達成時に一時金として得られる収入

C

開発協力金

開発費用のうち、ライセンスアウト先が負担する部分として得られる収入

D

ロイヤルティ収入

ライセンスアウト先による製品販売後、製品売上高の一定割合として得られる収入

E

製品供給収入

ライセンスアウト先に対し、当社グループが製品を供給する対価として得られる収入

F

製品売上収入

(自社販売)

当社グループが製造販売承認を取得し、自社で販売する製品について、医療機関等への販売により直接得られる売上収入

 

≪収入構造の概要≫

当社グループの収入は、開発段階においては、主として(A)契約一時金、(B)マイルストン収入及び(C)開発協力金により構成されます。製品上市後は、ライセンスアウト型モデルにおいては、売上マイルストンに係る(B)マイルストン収入に加え、(D)ロイヤルティ収入及び(E)製品供給収入が主な収入形態となります。

一方、自社販売型モデルにおいては、当社グループが製造・物流・販売体制を構築し、製品を販売することにより、(F)製品売上収入を直接計上することとなります。この場合、製品売上高は当社グループの売上として計上される一方で、販売活動に伴う販売管理費等が発生します。

当社グループでは、対象疾患の市場規模、医療提供体制、販売効率、必要となる経営資源等を総合的に勘案し、ライセンスアウト型モデルと自社販売型モデルのいずれが当社グループの企業価値最大化に資するかを、製品及び地域ごとに個別に判断する方針としています。

 

≪ライセンス許諾及び販売戦略≫

ライセンス許諾のタイミングについては、ヒトでの安全性及び有効性を確認するProof of Concept(POC)段階まで当社グループにおいて開発を進めた時点を想定しています。

また、今後のパイプラインについては、パートナー製薬会社との提携によるライセンスアウトのみならず、自社販売の可能性も含めて、柔軟に検討していきます。

なお、条件及び期限付き製造販売承認を取得したアクーゴ®については、当社グループによる自社販売を想定しています。

 

(3)開発の状況

① 当社グループが手掛ける細胞治療薬

当社グループが開発を進める細胞治療薬はSB623(間葉系間質細胞、対象疾患は慢性期脳梗塞、慢性期外傷性脳損傷、慢性期脳出血、加齢黄斑変性、網膜色素変性、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病等)、SB618(機能強化型・間葉系間質細胞、対象疾患は末梢神経障害等)、SB308(骨格筋幹細胞、対象疾患は筋ジストロフィー等)、MSC1(間葉系間質細胞、対象疾患はがん疾患等)、MSC2(間葉系間質細胞、対象疾患は炎症性疾患等)の5種類です。

当連結会計年度末時点での研究開発パイプラインの進捗状況を以下の表に示します。

当社グループでは、バックアップとなりうる製品を用意しつつも、主たる製品候補である細胞治療薬SB623(間葉系間質細胞)における各種対象疾患での開発を最優先に進める方針です。

 

※1: 「外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善」を効能・効果とする

※2: これまでの慢性期脳梗塞及び慢性期外傷性脳損傷の臨床試験で安全性が確認できているため、フェーズ2b臨床試験以降から開始

※3: OcuMension(Hong Kong) Limited社との共同開発

※4: D&P Bioinnovations, Inc社と食道再生インプラントの開発及び商業化に関する業務提携

 

≪SB623の概要≫

SB623は「脳の再生」を促す世界初の治療薬です。脳内の損傷した神経組織に移植することで、複数のタンパク質等が放出され、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、神経細胞の増殖・分化を促進する効果が期待されています。また、基礎試験の結果から、神経細胞の保護作用、血管新生促進作用、免疫調整作用が報告されています。

当社グループが開発を手掛ける細胞治療薬は、患者本人の細胞を処理して再度患者に戻す形態の医療サービス(自家移植の再生医療)ではなく、健康なドナーから採取した細胞を加工・培養して均質な細胞を大量製造して製品化した他家由来の医薬品です。同一の製品で多くの患者を同様に治療できるため、発売開始後には迅速な普及が見込まれます。健常者の骨髄液から得られるMarrow Adherent Stem Cells(MASC細胞)に、Notch-1遺伝子を一過性に導入し、さらに培養して得られる細胞を分注して凍結保存した間葉系間質細胞がSB623です。

SB623は慢性期外傷性脳損傷や慢性期脳梗塞等の脳神経疾患の場合には、定位脳手術と呼ばれる既に脳神経外科では広く普及した手技により、局所麻酔で安全に投与可能です。長期入院は不要で、投与に当たっては免疫抑制剤も不要で、通常の医薬品と同様に、同一の製品を全ての患者を対象に使用することが可能です。

作用メカニズムについては、複合的な作用で神経機能の再生を促進しているものと考えられます。投与したSB623は、投与後約1~2カ月間の比較的早い時期に液性の神経栄養因子や不溶性の細胞外マトリクスを分泌することで、体の自然な再生プロセスを促進させていると考えられます。具体的には(A)神経保護(神経細胞をまもる)、(B)神経新生(神経細胞をつくる)、(C)血管新生(血管をつくる)、(D)抗炎症(炎症を抑える)、(E)バイオブリッジの形成(成人の脳の奥深いところに僅かに存在する神経細胞の元である神経幹細胞を誘引ないしは増幅する)等複合的に作用することを示唆するデータが確認されています。

特に、上記作用メカニズムのうち(E)については、通常、脳が損傷を受けた場合、損傷部位で新たに神経細胞がつくられることはありませんが、同じ条件下でSB623を損傷部周辺に移植すると、その作用により、脳の奥深くに僅かに存在していた神経幹細胞が誘引ないしは増幅され損傷部位まで到達できるようになります。この結果、損傷部位で新たな神経細胞がつくられることになります。こうした作用データが非臨床試験(In Vivo試験)において確認されています。

 

② SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの開発状況

外傷性脳損傷は、世界中の主な死因および障害の原因の一つです。2016年の世界の急性外傷性脳損傷の新規患者数は2,700万人(推定)、外傷性脳損傷に続発する慢性障害の患者数は5,550万人(推定)でした※1。外傷性脳損傷及び外傷性脳損傷に続発する長期に渡る運動機能障害は、患者さんの自立、雇用、およびQOLを著しく損ない、総じて各国の医療システムの大きな負担になっています。米国では、外傷性脳損傷で入院し生存した患者さんの約43%が長期の運動機能障害を経験しており※2、2,317万人が外傷性脳損傷に続発する運動機能障害を長期に抱えて生活していると推定されています※3。また、日本における外傷性脳損傷(TBI)の患者数は約6万人※4で、そのうち20%は後遺症を伴うと推定されています※5

損傷を受けた脳組織の自然回復は難しいと言われており、慢性期に入り運動麻痺が定着した患者さんは、日常生活や社会生活における影響を生涯に渡って抱えることとなり、未だ有効な治療法がないことから大きなアンメットメディカルニーズが存在していました。これまで、脳の機能を回復する治療薬は存在しておらず、慢性期の外傷性脳損傷の運動麻痺における治療薬は存在しませんでしたが、アクーゴ®脳内移植用注(以下、「アクーゴ®」)は慢性期の外傷性脳損傷(TBI)の運動麻痺において、有効性・安全性の点から規制当局に承認された、世界初の新たな治療選択肢です。

 

当社グループでは、慢性期脳梗塞用途のフェーズ1/2aにおいてSB623の安全性が示唆されたことを受けて、外傷性脳損傷を対象とした臨床試験については、フェーズ2から開始しました。日米を含むグローバル試験(二重盲検、被験者61名)として実施したフェーズ2試験については、2018年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成」という良好な結果を得ました。本試験結果を踏まえて、2019年4月に厚生労働省より「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受け、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議を重ね、2022年1月までに先駆け総合評価相談を完了し、2022年3月に厚生労働省に対して再生医療等製品製造販売承認申請(以下、「本申請」)を行い、2024年7月に厚生労働省より外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺を効能・効果として条件及び期限付き製造販売承認を取得し、SB623はアクーゴ®となりました。その後、承認条件の一つである治験薬と製品薬の同等性/同質性を確認し、2025年12月に製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。現在、販売に向けて国内の製造・物流・販売体制の構築を進めています。

最大市場となる米国市場においては、日本でのアクーゴ®の実績を基に、米国規制当局(FDA)と臨床試験の実施に向けて協議を行っており、臨床試験フェーズ3の試験デザインについて合意を得ています。翌連結会計年度から臨床試験に向けた準備を行っていく予定です。

なお、慢性期外傷性脳損傷を対象としたSB623については、「先駆け審査指定制度」の対象品目指定に加え、厚生労働省から「希少疾病用再生医療等製品」の指定を、米国食品医薬品局(FDA)からは、RMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)の指定を受けています。

 

<出典>

※1: James SL, et al. “Global, regional, and national burden of traumatic brain injury and spinal cord injury, 1990- 2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016.” Lancet Neurol 2019;18:56-87.

※2: Selassie AW, et al. Incidence of long-term disability following traumatic brain injury hospitalization, U.S., 2003. J Head Trauma Rehabil 2008;23:123-31

※3: Zaloshnja E, Miller T, Langlois JA, Selassie AW. Prevalence of long-term disability from traumatic brain injury in the civilian population of the United States, 2005. J Head Trauma Rehabil. 2008 Nov-Dec;23(6):394-400.

※4: 厚生労働省患者調査 2020 「19損傷,中毒及びその他の外因の影響(頭蓋内損傷)」の患者数

※5: 厚生労働省患者調査 2020 「T905頭蓋内損傷の続発・後遺症」の患者数

 

③ SB623慢性期脳梗塞プログラムの開発状況

脳梗塞は血栓が脳の血管に詰まるために引き起こされ、脳の神経細胞に十分な血液が供給されなくなる病気です。

発作後数時間までの急性期を過ぎるとリハビリ以外に対処方法が無く、さらに6カ月を過ぎ慢性期に入ると大半の場合、それ以上の改善を期待することはできないとされています。

 

当社グループでは、2011年より、慢性期の脳梗塞患者に対して、SB623の安全性と有効性を評価するためのフェーズ1/2a臨床試験を米国にて実施し、この結果、SB623に起因する重篤な副作用は認められないこと(安全性)と、SB623が慢性期脳梗塞患者の運動機能を改善する可能性があること(有効性の示唆)が確認されました。

本フェーズ1/2a臨床試験に続き、2015年12月には、米国でのフェーズ2b臨床試験(二重盲検、被験者163名)を開始し、2019年1月に主要評価項目未達という解析結果を得ました。しかし、2020年9月には、STR-02試験の追加解析として、梗塞巣サイズが一定量未満の患者77名(当試験組み入れ患者全体の47%)を対象に、複合FMMSエンドポイントを用いてSB623の投与から6カ月後における有効性を評価したところ、偽手術群26名のうち19%の改善に対し、SB623投与群51名のうち49%において改善が見られ、統計学的に有意な結果(P値=0.02)を得ました。本追加解析結果を踏まえて、慢性期脳梗塞における新たな臨床試験の実施に向けて、日米の規制当局との協議を進める予定です。

 

④その他のパイプラインの開発状況

≪SB623慢性期脳出血プログラム≫

上記の慢性期外傷性脳損傷プログラムの良好な結果を受けて、外傷性脳損傷と類似性がある慢性期脳出血プログラムをパイプラインに追加しました。脳出血は、血管が詰まって引き起こされる脳梗塞に対して、血管が破れることで引き起こされる疾患であり、半身麻痺、感覚障害又は記憶障害等の症状が起こりますが、現状では根治治療は存在していないとされています。当社グループとしては、現在、本プログラムの臨床試験は、フェーズ2又はフェーズ3からの開始を見込んでおり、今後準備を進めていきます。

 

≪SB623網膜疾患プログラム≫

SB623は強い神経保護作用を持つことから、網膜疾患への適応も期待されます。

対象となる網膜疾患の主なものとしては、加齢黄斑変性、網膜色素変性、緑内障などがあげられます。これらのうち、当社グループで最初に取り組んでいるのは加齢黄斑変性です。カメラでいえば光を感知するフィルムに相当する膜が網膜ですが、この中心部に黄斑とよばれる部分があり、ものを見るときに大切な働きをしています。加齢にともなって黄斑が異常をきたし、徐々に網膜の細胞が死滅していく結果、視力が低下していくのがドライ型加齢黄斑変性です。患者数が多い一方、有効な治療法が存在せず、新たな治療法の確立が期待されています。

網膜疾患用途では初期臨床試験段階まで自社で開発を進めつつ製薬会社にライセンスアウトする方針の中、2020年3月に、Ocumension(Hong Kong)Limitedと中華圏における網膜色素変性症及び加齢黄斑変性症(ドライ型)等を対象疾患とした共同開発を行なう契約(中華圏以外の開発及び販売に係る権利は当社グループでのみ留保)を締結しました。現在、Ocumension(Hong Kong)Limitedとの共同開発の枠組みの中で非臨床試験を開始し、臨床試験開始に向けたデータの取得を進めています。

 

≪SB623その他の疾患への展開≫

パーキンソン病、脊髄損傷では動物試験で良好な結果が得られており、今後は臨床試験の実施許諾に向けて必要な追加試験を実施します。アルツハイマー病等その他の疾患については非臨床試験(In Vivo試験)において適応可能性について検討していきます。

 

 

≪SB618≫

細胞治療薬SB618もSB623と同様、神経機能を再生する作用が期待される治療薬ですが、SB618はSB623とは異なった特性を持っており、機能強化型の間葉系間質細胞です。

SB618は健常者の骨髄液を原料として独自の製法で大量培養し、分注して凍結保存することで最終製品となります。この点はSB623と同様ですが、途中の製法が異なります。骨髄液からMASC細胞を得るまでの、SB623と共有した上流の製造プロセスのあと、レチノイン酸や複数のサイトカインを添加しさらに培養します。このプロセスにより間葉系間質細胞の性質が変化し、SB618の独自性を生むものと考えています。SB618は、これまでに、末梢神経障害、脊髄損傷を対象とした非臨床試験(In Vivo試験)で効果が示唆されており、今後、末梢神経障害、脊髄損傷、多発性硬化症などを対象に開発を進めていきます。

 

≪SB308≫

細胞治療薬SB308は骨髄由来の骨格筋幹細胞です。未だ研究段階ですが、将来的には筋ジストロフィーなどの疾患への応用を視野に開発を進めます。

筋ジストロフィーは、筋肉が壊死・変性し、次第に筋力低下が進行して行く病気です。その中でも最も多いデュシェンヌ型筋ジストロフィーは、筋肉の細胞骨格をつくるジストロフィンが遺伝子異常により作られなくなってしまうことにより起こります。有効な治療法は存在せず、筋力低下による呼吸障害や、心臓の機能障害により若くして亡くなるケースが大半を占めます。SB308は、筋ジストロフィーの非臨床試験(In Vivo試験)で、その応用可能性が示唆されています。

 

≪MSC1・MSC2≫

2018年9月にMSC1、MSC2という間葉系間質細胞由来の細胞治療薬に関する特許ポートフォリオを他社から取得しました。間葉系間質細胞の細胞膜上に存在する特定のToll様受容体を刺激することで、間葉系間質細胞の特徴である安全性及び忍容性を維持したまま抗炎症機能を増強する技術及び炎症機能を増強する技術です。

炎症機能を高めたMSC1は、通常の間葉系間質細胞が腫瘍の成長に促進的に働くのに対し、腫瘍の成長を減衰させることが非臨床試験で確認されており、がん治療薬としての開発が期待できます。高い抗炎症作用を有するMSC2は、視神経炎、多発性硬化症やクラッベ病といった脱髄疾患、糖尿病性神経障害、関節リウマチ、クローン病等の炎症性疾患に対する治療薬としての開発が期待されており、2020年3月に、Ocumension(Hong Kong)Limitedと中華圏における視神経炎を適応疾患とした細胞薬の開発及び販売権の取り決めをしました。

 

⑤ パートナー製薬会社との契約の締結状況

当社グループは、2020年3月にOcumension(Hong Kong)Limitedと眼科領域における細胞治療薬の研究・開発・商業化を目的として、SB623及びMSC2に関して、業務提携契約を締結しました。また、2021年11月にはD&P BioinnovationsとMSC2細胞を利用した食道再生インプラントの開発及び商業化に関する業務提携契約を締結しました。それぞれの契約において、製品販売前の臨床試験段階における当社グループの収入形態及び製品販売段階における販売権の取り決めがなされています。

今後も、当社グループの保有するパイプラインにおける開発権及び販売権について、パートナー製薬会社との提携のみならず、自社販売の可能性も含め検討していきます。

 

(4)事業の特徴

① 収益性の確保に向けた取組

a. 他家移植であること

一般に再生医療は、自家移植と他家移植に分けられます。

自家移植の再生医療は、患者の細胞や組織を処理して再度患者本人に戻す形態の治療法です。この場合、細胞調製に手間がかかる等、実用化に当たっての課題が存在しています。一方、当社グループが開発を進める細胞治療薬は、他家移植であり、ドナー(細胞提供者)の細胞を処理し、均質の細胞を量産化した医薬品であり、同一の製品で多くの患者を治療できるモデルとなっています。

 

b. 量産化技術が確立されていること

ドナーの骨髄液を培養して、均質な製品を大量に製造し、これを凍結保存して輸送し、融解して投与できる技術が確立されています。

なお、当社グループが開発を進める細胞治療薬は、もともと体内に存在する骨髄液由来の間葉系間質細胞を細胞源としているため、安全性に優れており、増殖性の高いES細胞やiPS細胞由来の細胞と比較してがん化のリスクも低いと認識しています。また、倫理的な点が懸念されるES細胞由来又は中絶胎児由来の細胞に対して、健常者の骨髄液由来のSB623は、臨床現場で抵抗なく受け入れられるものと考えています。

 

c. 製品供給権が確保されていること

他社からライセンス導入して研究開発を行う創薬ベンチャー企業の場合、多くはパートナー製薬会社が製造を担い、自社で製品供給権を保有していないため、製品販売後は製品販売に伴うロイヤルティ収入のみとなります。

一方、当社グループの細胞治療薬は、他社からのライセンス導入品ではなく、基礎段階から自社で研究開発を行ってきた当社独自の製品です。

そのため、ライセンスアウト型モデルにおいては、パートナー製薬会社との関係において製品の製造を担うため、製品販売後は製品販売に伴う(D)ロイヤルティ収入に加え、製品供給の対価として(E)製品供給収入を獲得することができ、また、自社販売型モデルにおいては、(F)製品売上収入を獲得することができます。

 

② 対象となる患者数の多さ

当社グループが手掛ける細胞治療薬は、従来の医療では対応できなかった(アンメットメディカルニーズの高い)中枢神経系疾患を対象としているため、対象患者数が多いことが見込まれます。例えば、米国における外傷性脳損傷の患者数は約550万人、脳梗塞は約685万人と推計しています。

外傷性脳損傷及び脳梗塞のほか、脳出血、加齢黄斑変性、網膜色素変性、脊髄損傷、パーキンソン病及びアルツハイマー病等、既存の医療・医薬品では対処できない多くの中枢神経系疾患に対して、細胞治療薬は機能の再生を促す新しい治療薬として期待され、製品開発に成功すれば新たな医薬品分野を切り拓くことに貢献できるものと考えています。

 

③ 販売に必要な知的財産を自己保有

当社グループでは、開発及び製品販売に伴う、収入の極大化を目指すため、細胞治療薬の事業化に必要な知的財産を全て自社で取得することを基本方針としており、開発を進めている細胞治療薬(SB623、SB618、SB308、MSC1、MSC2)の特許は基本的に全て自社で保有しています。

2015年3月3日に当社グループの細胞治療薬SB623に関する物質特許が米国において承認されました。当社は、独自の細胞薬「SB623」及びその後続開発品について、物質特許のみならず、製造・用途に係る特許、及び周辺特許も取得しています。また、2024年秋にはSB623を用いた慢性期脳梗塞の細胞治療に関する米国での新規特許を取得し、最大市場である米国におけるSB623の用途特許の期間を大幅に延長することができました。今後も引き続き競争力の源泉となる知的財産権確保に努めていきます。

特許取得地域については、開発を進捗させている日本及び米国に加え、今後、開発を進める予定の欧州、中国、カナダ、オーストラリア、香港、シンガポール等にて権利を取得済みであり、世界各地における製品販売に向けた基盤の整備を進めています。

 

≪SB623関連の特許取得地域≫

米国、日本、イギリス、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、カナダ、韓国、香港、オーストラリア、中国、シンガポール他

 

(5)今後の展開

前連結会計年度の2024年7月に、アクーゴ®は、日本における条件及び期限付き製造販売の承認を取得し、当連結会計年度の2025年12月に製造販売承認事項一部変更が承認され、出荷制限の条件が解除されました。これに伴い、販売の準備を行い、初出荷は翌連結会計年度の下半期(2026年8月~2027年1月)を見込んでいます。

また、当連結会計年度の2025年11月に海外募集による新株式発行により142億円(差引手取額)の成長資金を確保しており、今後の米国におけるSB623慢性期外傷性脳損傷プログラム及び日本のSB623慢性期脳梗塞プログラムの臨床試験を進める予定です。

このほか、SB623の適応疾患拡大として、すでに非臨床試験(In Vivo試験)で良好な結果が得られている網膜疾患(加齢黄斑変性、網膜色素変性等)、脊髄損傷、パーキンソン病といった疾患領域に関しては、臨床試験の実施許諾に向けて必要な追加試験を実施していきます。さらに、将来的には、アルツハイマー病やその他の疾患について、非臨床試験(In Vivo試験)で適応可能性について検討していきます。

 

<用語解説>

 

番号

用語

意味・内容

マイルストン

医薬品を開発する際に段階的に設定される、開発状況の進捗の節目のこと。

ライセンスアウト

自社の開発権、販売権などの権利を他社に使用許諾すること。

ロイヤルティ

医薬品販売後に、医薬品の売上高に応じて権利の保有者に支払われる使用料のこと。

上市

研究開発を経て承認された新薬を、製品として市場に出すこと。

細胞治療薬

健康成人骨髄液由来の間葉系間質細胞を加工・培養して作製されたヒト(他家)骨髄由来加工間葉系間質細胞です。脳内の損傷した神経組織に移植するとFGF-2(タンパク質の一種)が放出され、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、神経細胞の増殖・分化を促進する効果が期待されています。細胞治療薬は、主に自家(じか)と他家(たか)に分けられますが、他家細胞治療薬は細胞提供者(ドナー)から採取した細胞を大量培養して治療薬を製造するため、量産化が可能で多くの患者さんへ治療薬を提供することができます。

細胞調製

ヒト幹細胞等に対して、その細胞の本来の性質を改変しない操作や加工(人為的な増殖、細胞の活性化を目的とした薬剤処理、生物学的特性改変操作など)を施す行為をいう。

フェーズ

有効性と安全性を調べるための臨床試験(治験)における段階のこと。フェーズ1からフェーズ3の3段階がある。

米国食品医薬品局(FDA)

U.S. Food and Drug Administration。食品や医薬品等の許可や取締り等の行政を行う、アメリカ合衆国の政府機関のこと。

分注

一定量で少量ずつに分けること。

10

免疫抑制剤

免疫系の活動を抑制するための薬剤。主に拒絶反応の抑制に用いられる。

11

神経栄養因子

神経細胞へ栄養を送り届け、神経の機能の維持や成長などの要因となっているもの。

12

細胞外マトリクス

生体組織のうち細胞以外の部分。単なる構造体でなく、細胞の挙動に多大な影響を与える生物学的機能も有しているもの。

13

パイプライン

新薬誕生に結びつく開発中の医療用医薬品候補化合物(新薬候補)。

14

INDミーティング

Investigational New Drug Exemption。前臨床試験から臨床試験に移行しようとしている新医薬品候補品目について、前臨床試験結果等の情報をまとめた資料、すなわち、臨床試験実施のための申請資料を提出することを指す。臨床試験の開始に際して、INDを提出し、米国食品医薬局より試験実施の承諾を得ることが義務付けられている。

15

先駆け審査指定制度

2014年6月に厚生労働省における「世界に先駆けて革新的医薬品等の実用化を促進するための省内プロジェクトチーム」において発表された「先駆けパッケージ戦略」に基づき新たに設けられた制度であり、世界に先駆けて日本で開発され、早期の治験段階で顕著な有効性が見込まれる革新的な医薬品について、優先審査をする制度。

 

 

番号

用語

意味・内容

16

RMAT

Regenerative Medicine Advanced Therapy。米国における21st Century Cures Act(21世紀治療法)のもとに設立され、アンメットメディカルニーズがある重篤な疾患に対する再生医療であり、臨床試験において一定の効果を示した治療法を対象として、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)より指定されるもの。

17

欧州医薬品庁(EMA)

European Medicines Agency。EUにおいて医薬品認可制度が施行された1995年にロンドンに設置されたEUの機関であり、人間及び動物用医薬品の評価及び管理を行う。

18

先端医療医薬品(ATMP)

Advanced Therapy Medicinal Product。遺伝子、組織、又は細胞に基づいたヒト用の薬であり、指定については EMA の先進療法委員会(Committee for Advanced Therapies:CAT)によって決定される。ATMPを用いた治療は、その病気や怪我の治療に対し画期的で新しい好機を提供する。

19

医薬品医療機器総合機構

(PMDA)

Pharmaceuticals and Medical Devices Agency。医薬品の副作用又は生物由来製品を介した感染等による健康被害の救済を図り、医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に資する審査等の業務を行う、厚生労働省所管の独立行政法人。

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a. 経営成績

日本の再生医療業界においては、2014年11月に施行された再生医療安全性確保法及び改正薬事法によって、再生医療の産業促進が進むなか、2026年1月末までに23品目、そして2026年2月にあらたに2製品が再生医療等製品としての製造販売承認を取得しました。また、米国においては、2016年12月に可決された21st Century Cures Act(21世紀治療法)のもと、重篤な疾患の治療を目的とした再生医療製品の迅速承認を可能とするRMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)指定制度が設けられました。2021年にはRMAT指定品目として初のBLA(Biologics License Application)承認取得を含むRMAT指定3品目がBLA承認を取得し、2025年にはRMAT指定1品目がBLA承認を取得しました。このように、日本及び米国において再生医療の実用化は引き続き着実に進展しています。

このような環境のもと当社グループは、アンメットメディカルニーズが高い中枢神経系疾患を主な対象とし、当社グループ独自の細胞治療薬SB623の事業化を目指して、研究開発を進めてきました。

SB623慢性期外傷性脳損傷プログラム(以下、「本プログラム」)については、日本を含む国際共同フェーズ2臨床試験(被験者61名)にて、2018年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成」という良好な結果を得て、2019年4月には、国内で厚生労働省より再生医療等製品として先駆け審査指定制度の対象品目の指定を受けました。以降、当該指定の枠組みにおいて、2022年3月に再生医療等製品製造販売承認申請を行い、2024年7月に、本プログラムは、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善治療薬「アクーゴ®脳内移植用注」として、日本における条件及び期限付き製造販売承認を取得しました。その後、出荷制限の条件解除を目的に、2025年6月にアクーゴ®の製造販売承認事項一部変更の申請を行い2025年12月にその承認がされました。今後については、まず、薬価収載を今年5月に見込んでおり、アクーゴ®の発売日も同5月を予定しています。アクーゴ®の初出荷は、投与施設における製品の採用等の院内手続きが完了する翌連結会計年度下半期を想定しています。このように、国内でのアクーゴ®の普及が順調に進むなか、二つ目の承認条件である7年間の製造販売承認期限内に製造販売後臨床試験等を実施し、本承認の取得を目指します。

次に、当社の中長期成長戦略の米国事業展開とSB623慢性期脳梗塞プログラムの再開については、既に、米国市場でSB623慢性期外傷性脳損傷プログラムは、米国食品医薬品局(FDA)から臨床試験フェーズ3の試験デザインについて合意を得ており、引き続き臨床試験に向けた準備を行っていく予定です。また国内では、今期に、SB623慢性期脳梗塞プログラムの臨床試験に向けて、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議開始を目指します。このように、当社は再生医療分野のグローバルリーダーとなることを目指し、企業価値最大化を図ってまいります。

このような状況のなか、当連結会計年度は、アクーゴ®の製造販売承認事項一部変更承認取得に関連する費用が主なものとなり、研究開発費2,678百万円を計上した結果、営業損失は3,794百万円(前連結会計年度は営業損失3,516百万円)となりました。一方、為替相場の変動による為替差損が発生したため、営業外費用として為替差損326百万円を計上し、経常損失は4,291百万円(前連結会計年度は経常損失3,022百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失3,842百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,882百万円)となりました。また、本日までに、銀行とのコミットメントラインの締結、新株式及び転換社債の発行による資金調達を実施しています。今後も、適切な時期に最適な手段による資金調達を行うことにより、健全な財政状態を維持していきます。

当社グループは他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しています。

 

b. 財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産の残高は、15,489百万円(前連結会計年度末は3,335百万円)となり、前連結会計年度末に比べて12,153百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が12,161百万円増加したことが主な要因であります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産の残高は、131百万円(前連結会計年度末は111百万円)となり、前連結会計年度末に比べて20百万円増加いたしました。

 

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債の残高は、534百万円(前連結会計年度末は732百万円)となり、前連結会計年度末に比べて197百万円減少いたしました。これは、1年内返済予定の長期借入金が139百万円、未払費用が92百万円減少したことが主な要因であります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債の残高は、1,482百万円(前連結会計年度末は952百万円)となり、前連結会計年度末に比べて530百万円増加いたしました。これは、長期借入金が129百万円、繰延税金負債が450百万円減少した一方で、転換社債型新株予約権付社債が1,109百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、13,604百万円(前連結会計年度末は1,762百万円)となり前連結会計年度末に比べて11,841百万円増加いたしました。これは、第三者割当による新株式の発行、海外募集による新株式の発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ7,652百万円増加したこと、為替換算調整勘定が321百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失3,842百万円を計上したことが主な要因であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、14,815百万円(前連結会計年度末は2,853百万円)となり、前連結会計年度末に比べて11,962百万円増加いたしました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は3,760百万円(前連結会計年度は3,603百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失4,291百万円、為替差損410百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は231百万円(前連結会計年度は4百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出400百万円、定期預金の払戻による収入200百万円、有形固定資産の取得による支出32百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は15,962百万円(前連結会計年度は2,091百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出268百万円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入1,080百万円、株式の発行による収入15,171百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b. 受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c. 販売実績

該当事項はありません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産の残高は、15,489百万円(前連結会計年度末は3,335百万円)となり、前連結会計年度末に比べて12,153百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が12,161百万円増加したことが主な要因であります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産の残高は、131百万円(前連結会計年度末は111百万円)となり、前連結会計年度末に比べて20百万円増加いたしました。

 

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債の残高は、534百万円(前連結会計年度末は732百万円)となり、前連結会計年度末に比べて197百万円減少いたしました。これは、1年内返済予定の長期借入金が139百万円、未払費用が92百万円減少したことが主な要因であります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債の残高は、1,482百万円(前連結会計年度末は952百万円)となり、前連結会計年度末に比べて530百万円増加いたしました。これは、長期借入金が129百万円、繰延税金負債が450百万円減少した一方で、転換社債型新株予約権付社債が1,109百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、13,604百万円(前連結会計年度末は1,762百万円)となり前連結会計年度末に比べて11,841百万円増加いたしました。これは、第三者割当による新株式の発行、海外募集による新株式の発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ7,652百万円増加したこと、為替換算調整勘定が321百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失3,842百万円を計上したことが主な要因であります。

 

b. 経営成績の分析

(営業損益)

当連結会計年度における営業損失は、研究開発費2,678百万円、その他の販売費及び一般管理費1,116百万円の計上により、3,794百万円(前連結会計年度は営業損失3,516百万円)となりました。

 

(経常損益)

当連結会計年度における経常損失は、営業外費用として為替相場の変動による為替差損326百万円の計上により、4,291百万円(前連結会計年度は経常損失3,022百万円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は3,842百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,882百万円)となりました。

 

 

c. キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

d. 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。

 

e. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は、細胞治療薬アクーゴ®の製品化の実現に向けて、先行して研究開発に資金を充当しています。当連結会計年度は、アクーゴ®の製造販売承認事項一部変更承認取得に関連する費用を中心として、研究開発費2,678百万円を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローは、3,760百万円の支出となりました。また、新株式及び転換社債の発行、並びに、銀行借入の返済等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、15,962百万円の獲得となりました。これらが資金の主な動きとなり、その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、14,815百万円となりました。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

前連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)

 当社グループは、他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2025年2月1日 至 2026年1月31日)

 当社グループは、他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 該当事項はありません。

 

2.地域ごとの情報

⑴ 事業収益

該当事項はありません。

 

⑵ 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2025年2月1日 至 2026年1月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 該当事項はありません。

 

2.地域ごとの情報

⑴ 事業収益

該当事項はありません。

 

⑵ 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2025年2月1日 至 2026年1月31日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2025年2月1日 至 2026年1月31日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年2月1日 至 2025年1月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2025年2月1日 至 2026年1月31日)

 該当事項はありません。