2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,424名(単体) 2,999名(連結)
  • 平均年齢
    37.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    11.1年(単体)
  • 平均年収
    6,622,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数 (名)

ITサービス事業

2,781

デジタルソリューション事業

全社(共通)

218

合計

2,999

 

 

(注) 1 従業員数は、就業人員数であります。

2 当社グループは、製品・サービスを主軸として事業セグメントを決定しており、同一の従業員が複数の事業に従事することがあるため、事業セグメントごとの従業員数を記載しておりません。

3 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員であります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,424

37.6

11.1

6,622

 

 

セグメントの名称

従業員数 (名)

ITサービス事業

1,332

デジタルソリューション事業

全社(共通)

92

合計

1,424

 

 

(注) 1 従業員数は、就業人員数であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 当社は、製品・サービスを主軸として事業セグメントを決定しており、同一の従業員が複数の事業に従事することがあるため、事業セグメントごとの従業員数を記載しておりません。

4 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員であります。

 

(3) 労働組合の状況

現在労働組合はありませんが、労使関係は良好であり、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%) (注1)

男性労働者の育児休業取得率(%) (注2)

労働者の男女の賃金の差異(%) (注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

12.0

68.2

80.7

80.3

92.2

(注3)

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、過年度に配偶者が出産した男性労働者が、当事業年度に育児休業等を取得している場合、取得率が100%を超えることがあります。

3.労働者の男女の賃金の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しておりますが、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。

 

② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%) (注1)

男性労働者の育児休業取得率(%) (注2)

労働者の男女の賃金の差異(%) (注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

㈱アイオス

11.1

100.0

83.0

85.0

59.0

(注3)

(注4)

(注5)

(注6)

㈱エニシアス

7.7

84.9

85.5

64.5

クレスコ・イー・ソリューション㈱

100.0

74.2

73.6

㈱クレスコ・ジェイキューブ

10.5

100.0

82.0

82.0

㈱クレスコ・デジタルテクノロジーズ

2.3

50.0

76.5

76.9

㈱クレスコ・ネクシオ

8.3

100.0

84.0

84.3

ジェット・テクノロジーズ㈱

100.0

84.0

80.4

86.3

㈱メクゼス

13.6

100.0

78.5

78.5

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、過年度に配偶者が出産した男性労働者が、当事業年度に育児休業等を取得している場合、取得率が100%を超えることがあります。

3.労働者の男女の賃金の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しておりますが、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。

4.クレスコ・イー・ソリューション㈱及びジェット・テクノロジーズ㈱の管理職に占める女性労働者の割合については、女性管理職がいないため記載しておりません。

5.㈱エニシアスの男性労働者の育児休業取得率については、配偶者が出産した男性労働者がいないため記載しておりません。

6.クレスコ・イー・ソリューション㈱、㈱クレスコ・ジェイキューブ、㈱クレスコ・デジタルテクノロジーズ、㈱クレスコ・ネクシオ及び㈱メクゼスのパート・有期労働者については、女性労働者がいないため記載しておりません。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ(ESG)共通

当社グループは2022年4月、持続可能な社会の実現に向けた、積極的かつ能動的な取り組みを推進する姿勢を明確にするため、「サステナビリティ基本方針」を策定しました。

 

サステナビリティに関する基本方針

「企業活動の成長が世界の人々の幸福に可能な限り最大の貢献をすること、そしてそこに働く人々が共に喜びと誇りをもち、自己の能力を最高に発揮できること」は企業の使命であると考え、また、人間はみな平等であるという立場から、発揮する能力以外の性別、学歴、血縁、人種、国籍、宗教等すべての差別を無くし、技術の追求を中心とした自由で、活気のある経営を行いたいと考え、創業以来、これを実践してきております。

私たちクレスコグループはその実践を通じて豊かな社会づくりに貢献し、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点で様々な事業活動、企業活動に取り組むことによって「持続可能な社会」の実現と私たちクレスコグループの成長を目指してまいります。

2022年4月25日

株式会社クレスコ

代表取締役 社長執行役員 冨永 宏

 

 

当社グループは、社会に新しい価値を提供し、利益を上げると共にステークホルダー全体の利益も考慮していくべきだと考えております。E(環境:Environment)、S(社会:Social)、G(企業統治:Governance)は、国連が提唱する「社会的責任投資(SRI)」における、企業が認識すべき「社会から企業への期待」であり、政府が2020年10月に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言したことを踏まえ、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を図るため、ESGにおいて「何ができるか」を思考し、行動し、継続することを大切にしております。

 

「事業を通じた活動」、「持続可能な社会への貢献」の2軸からESG経営に紐づき整理・設定した6つの重点テーマに分類し、SDGsが提唱する17の国際目標のうち、10項目を開発目標と位置づけ、事業活動に取り組んでいます。

 

2021年度から、当社グループは、今後10年間の長期ビジョン「CRESCO Group Ambition 2030」をスタートいたしております。そして、2024年度からスタートした中期経営計画2026の策定を契機として、社外取締役へのヒアリング、経営陣による妥当性評価及び取締役会における協議を経て、「当社グループにとっての重要度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の観点から、当社グループが優先的に取り組むマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。以下のマテリアリティへの対応を進め、「CRESCO Group Ambition 2030」の実現に向けて事業活動を行ってまいります。

 

当社グループのマテリアリティ

・DX/イノベーションによる持続的な社会の実現

・ITを通じた地球環境への貢献

・安全なデジタル社会の確立

・多様な人財が働きがいを持って活躍できる機会の創出

・継続的なガバナンスの点検と向上による価値提供の維持

 

 


 

① ガバナンス

グローバルな経営環境の変化への対応と事業機会の拡大、社会課題の解決を目指し、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するための柔軟なガバナンスを構築しております。

取締役会は、リスクや機会を含むサステナビリティに関する監督及び管理の責任を持ち、そのもとで社長執行役員及び配下の各部門が業務執行を担っています。社外取締役が逐次経営層に対して監督・助言し、それらを勘案して取締役会において経営判断を行っており、様々な社内施策や取り組みに的確かつ迅速に反映され、実行に移される機能が備わっております。また、サステナビリティ関連の業務執行、人的資本の活用については、経営企画担当部署、人事担当部署が中心になりマネジメントを行っており、サステナビリティへの取り組みの方向性を協議の上、各部門と連携して活動し、取締役会への議案の提出及び活動状況の報告を行っております。

2025年度からは、部門横断の「サステナビリティ事務局」を立ち上げ、サステナビリティ施策のモニタリング、行政機関等の状況調査、翌年度の活動方針立案、サステナビリティ基本方針の見直し提案、予算計画への反映等を行っていくこととしております。

 

② 戦略

当社グループ事業活動をとりまく国内外の情勢は今後も大きく変動することが予測されますが、そこで想定されるリスクの低減や事業機会の創出を図り、レジリエンスを強化するため、ESG視点の戦略、ビジネスモデルの重要性が高まっております。

 

日々の報道で頻繁に見聞きする深刻な社会課題に対応し、サステナブルな社会を実現するためには、技術革新、特にIT技術は必須であり、サステナビリティへの取り組みを進める上で、IT技術を応用した「デジタル変革(DX)」は、欠かせないツールであることに間違いはありません。

 

 

当社グループの展開するビジネスモデルは、お客様のDX支援です。当社グループのITサービス事業、デジタルソリューション事業は、お客様の作業効率性や付加価値の上昇、「働き方改革」を含めた社会(S)や、環境負荷の低減や環境保全といった環境(E)に寄与するものです。このことは私たちの社会的使命であり、存在価値、そして存在理由そのものであると考えております。中期経営計画2026においては、サステナビリティ経営をESGの視点で整理し、5つのマテリアリティを踏まえて7つの成長戦略を策定しました。当社グループとして当該戦略を具現化していくことにより、『顧客とともに持続的に成長し、社会を前進させる』、サステナビリティ経営の実現に取り組んでまいります。

 

当社グループは、創業以来、IT技術を応用した“システム開発(モノづくり)”に徹底的にこだわり、成長してまいりました。技術と品質に裏打ちされたESG視点でのビジネスモデルは、当社グループの持続的な成長を支え、人、社会、地球にインパクトを与えることができるものと考えております。加えて、ESG活動が、自らのリスク低減や事業機会の創出につながり、事業の成長を促進し、そこで創出された利益が様々なステークホルダーや社会に還元される、といったサイクル(価値創造プロセス)を形成していくと考えております。

 

なお、2024年度には、2025年度から部門横断の「サステナビリティ事務局」を立ち上げることを決定しました。全社の関連部門が、必要に応じ5つのマテリアリティ解決に向けた施策を立て、事務局が進捗をモニタリングし、サステナビリティに関する国内外の動向等も考慮し適切に戦略を見直し推進してまいります。

 

③ リスク管理

当社グループは、サステナビリティガバナンスのもと、リスク低減と事業機会の創出を確実にするため、リスク管理及び機会管理を強化しています。リスク管理においては、リスクの重要性を内部統制委員会で定期的にモニタリングしております。その中でも、特に経営への影響が大きく、速やかな対応を要する人財、内部統制に関するリスク等については常務会、取締役会でとり上げ、リスクオーナーを選定し、進捗管理を行っております。各部門やグループ会社で管理可能なリスクは、各組織が中心となって対応しております。機会管理においては、当社グループ全体でテーマを共有し、優先順位の設定とESG視点での活動を促進する仕組みや管理体制を構築し、具体的な事業活動に繋げております。

 

④ 指標及び目標

当社グループは、上記(1)に示した6つの重点テーマ毎に、目標を定めております。目指すべき方向性を明確にし、的確な進捗管理を可能とすることで、ESG経営を着実に実行しています。サステナビリティガバナンスにおいて各指標の進捗状況がモニタリングされ、結果に基づき取り組みに反映しております。

 

(2) 人的資本

① 戦略

イ 競争力の源泉

当社グループの競争力の源泉は「人財」です。重要な財産である人材の「材」は「財」であると認識しており、中期経営計画2026の7つの成長戦略の1つに人的資本経営戦略を掲げております。この人的資本経営戦略においては、「経営戦略の実現に向けて、多様な人財が活躍する人財ポートフォリオを構築し、個人の力・組織の力を最大化して価値を創出する」を戦略方針とし、人的資本価値の最大化による価値創出を目指しております。

 


なお、当社グループにおいて、戦略方針等のもと、具体的な取り組みが行われているものの、当社グループに属する全ての会社において同じ取り組みが行われているわけではなく、企業規模による違いや当社グループに加わって間もない会社もあるため、当社グループとしての記載が困難なものがあります。このため、以下の各取り組みについては、当社グループにおける主要な事業を営む当社のものを記載しております。

 

 

ロ 人財育成

各顧客業界で、競争環境・マクロ環境が変化する中、最適なIT技術を駆使してビジネスモデルを進化させ、持続可能な競争力を確保することが求められています。多様化・複雑化が進む顧客の期待要求に十分に応えるために、従来の「顧客のIT基盤整備」の水準から提供価値を拡大し、顧客の成長をIT軸からサポートするポジションへ進化するべく、高難度かつ上流業務を担える人財の強化を目指しております。

 


 

a.ITプロフェッショナルの育成

自己の実力を最大限に発揮するために、「資質」「人間力」「技術力」「仕事力」の4つの力が重要であると考えています。この4つの力が高い状態であるほど、より大きな成果を生み出すことができます。当社の人財育成では、もともと備わっている「資質」に加え、「人間力」「技術力」を磨き、これらの力を成果に結びつける「仕事力」を高め、市場で活躍するITプロフェッショナルを育成しております。

 

b.DX推進人財及び高度専門人財の育成

ビジネスにおける課題とデジタル技術を結び付けて、「業務効率化」「顧客課題解決」「新サービス開発」を担い、ビジネスをお客様と共創し得る『DX推進人財』を育成するとともに、職種別に有するべき高度な専門スキルを身に付け、当社グループの事業の成長に大きく貢献する『高度専門人財』の育成を目指し、人財ポートフォリオの作成に取り組みました。

 

c.次世代人財育成

当社グループが持続的に発展していくためには、これからを創造、牽引できる人財の育成が重要であると考えています。当社では、2022年から「次世代マネジメント育成プログラム」により、毎年管理職候補者を選抜し、バックキャスト(思考)を用いたこれからの在りたい姿を描きながら、自身の強み・弱みを踏まえたキャリアの設定、マネジメントとしてのマインドや考え方を学び、優秀な人財の発掘と育成を継続しております。

 

d.キャリア開発支援

個人が自律的・主体的にキャリア開発に取り組み、持続的に成長することによって新たな価値を創造し続け、それが企業の成長、ひいては社会貢献にも繋がるとともに、個人の成長を支えるという循環を生み出します。個人の成長あっての企業の成長という考えのもと、一人ひとりが自らのキャリア形成に取り組めるよう、キャリアデザインシートの活用やキャリア相談窓口、クレスコアカデミア(企業内大学)を通じて、社員をサポートしております。今後はタレントマネジメントを活用し、さらに社員の成長を後押しします。

 

e.人財獲得

IT投資に関わる需要の増加に伴い、開発に従事する人財不足は否めず、人財の獲得と開発体制の強化は継続的な課題となっております。優秀な人財を確保するため、当社は、人的資本経営戦略に沿った、積極的な新卒採用、キャリア採用を推進するとともに、ダイバーシティ採用(外国人、障がい者や「これだけは負けない」という国内・国外で秀でた実績・経験を持つ人材の採用)によって多様な人財獲得についても強化しております。また、就職活動中の学生をターゲットに魅力的な企業イメージを持ってもらうため、OB/OGによる学校訪問、企業説明会や採用広告でのブランディングにも力を入れています。

 

ハ 社内環境整備方針

当社グループは多様な属性・専門性・経験・価値観を持つ個人を尊重し、一人ひとりがその能力を最大限に発揮することにより、新たな価値を創造できると考えております。このため、多様な人財が活躍できる環境を整備するとともに、お互いを認め、高め合う職場を実現するため様々な取り組みを進めております。

 

a.エンゲージメント

エンゲージメント(会社と社員の関係性)を可視化して、それをもとに対話していくことで会社と社員の想い描くビジョンを重ね、Win-Winの関係性を築くことを目指し、2021年よりエンゲージメントサーベイを実施しています。会社と社員、社員同士が相互に共感・協力していくことができるよう、会社と社員/社員同士の対話機会の創出や対話力の強化による共感・協力できるチームづくりを進め、公表しましたエンゲージメントスコア「70」の2026年度の達成を目指してまいります。

 

b.健康経営

当社では「健康経営宣言」を掲げ、社員が健康で安心して、やりがいを持って働くことができる職場を実現するため、健康保持・増進に取り組んでおります。健康経営推進体制を整備し、健康リテラシー向上の研修やウォーキングイベントの開催、健康増進手当の導入等により、非喫煙者率や高ストレス者率等の改善につながり、2024年3月には「健康経営優良法人認定制度」に基づく「健康経営優良法人2024(ホワイト500)」に認定され、2025年3月にもこれを継続いたしました。心身ともに健康で仕事と生活の両方を充実させ、イキイキとした職場環境を整えてまいります。

なお、当社の健康経営の推進目的と体制、主な取り組みにつきましては、当社ウェブサイトに掲載されている統合報告書にてご確認ください。

 

c.ダイバーシティ&インクルージョン

多様性を受け入れ、活かすことは、企業が変化する市場環境や技術構造の中で競争優位性を築くために必要不可欠です。当社グループは、個人の「違い」を尊重し、職務に関係のない性別、年齢、国籍等の属性を考慮せず、個人の成果や能力、貢献度に応じた評価を基本としております。その中で女性の活躍を支援し、女性管理職比率の増加にも注力するほか、外国人や障がい者も積極的に採用し、活躍できるよう取り組んでおります。LGBTに対する取り組みについてもパートナーシップ制度を導入しております。また、「男性育休100%宣言」に賛同する等、男性の育児休業取得にも積極的に取り組み、性別を問わず仕事と育児の両立を支援しています。

 

d.人財活用

新卒社員が現場に定着し着実に成長できるよう、指導員制度とメンター制度を設けております。指導員は職場の先輩が担当し、1年間のOJTを通して、業務上で必要な技術、知識、マインドを指導しています。メンターは2年間、他部門の社員が担当し、直接の業務から離れた立場でのアドバイスを行っています。メンター制度についてはキャリア入社者にも適用し、早期に職場に慣れるよう支援しています。また、配置については、経営戦略と社員の能力・適性をマッチングさせた戦略的な配置と社員が自ら希望する部門へ異動を申し出ることができる社内公募・FA制度を実施し、最適かつモチベーション向上に寄与する配置を行っております。

 

 

e.人事制度

社員と当社のさらなる成長のために、個々の専門性や強みを追求できるよう職務・職責を7等級・16職種に分類し、複線型のキャリアパスを歩めるようにしています。担当する職務・職責と成果創出に応じたメリハリのある処遇を実現し、より高いレベルで「実力」を発揮することを促す人事制度としています。また、給与、報酬については市場の動向も踏まえながら、4年連続でベースアップを実施し、人財への投資も積極的に行っております。

 

② 指標及び目標

人財の多様性の確保を含む人財の育成及び社内環境整備に関する指標につき、当社グループにおいては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われております。但し、一部の指標については、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループとしての記載が困難なものがあります。このため、次の指標に関する目標及び実績のうち、「年間研修時間40時間到達率」及び「エンゲージメントスコア」については、当社グループにおける主要な事業を営む当社のものを記載しております。

 

指標

目標(2026年度)

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合(注1)

13.0%

10.5%

男性労働者の育児休業取得率(注2)

75.0%

77.5%

年次有給休暇取得率

80.0%

72.4%

年間研修時間40時間到達率(注3)

70.0%

41.2%

エンゲージメントスコア(注4)

70.0点

65.8点

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下、「女性活躍推進法」といいます。)の規定に基づき算出しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

3.就業時間中に研修、セミナー、eラーニング、勉強会等に参加した時間を集計し、年間40時間に到達した社員の割合を算出しております。

4.㈱アトラエが提供するエンゲージメントサーベイ「Wevox」によりエンゲージメントスコアを算出しております。

 

(3) 気候変動対応

気候変動は、現在及び将来世代が豊かな生活文化を実現することに対する大きなリスクとなっております。当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献するため、気候変動への対応の必要性を認識しております。

 

2023年度に、TCFD提言に従い、現行シナリオ(4℃シナリオ)及び移行シナリオ(2℃未満シナリオ)に基づく分析を行い、2050年までの中長期的なリスク・機会の項目を抽出しました。分析に当たっては、以下2つのシナリオの世界観を気候変動ドライバーごとに整理しました。

 

4℃シナリオ

気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオ。物理リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定されている。

1.5℃シナリオ

気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、世界の平均気温を産業革命期以前と比較して1.5~2℃未満に抑えることを目指したシナリオ。 1.5℃目標達成に向けた気候変動対策の推進により、各種規制が強化、市場・消費者の環境意識も高まり、移行リスクが顕在化する。

 

 

2050年までを想定したシナリオ分析を実施した結果、当社における気候変動関連リスクの影響は、影響度大のものはなく、大多数が影響度中から小であると判明いたしました。ITサービスやデジタルソリューションの提供を主とする当社グループの事業特性上、気候変動リスクによる財務インパクトは当社グループにとっては限定的であり、リスク削減のための喫緊の対応等は特段必要無いものと考えております。但し、今後も引き続き気候変動に関連する情報収集に努め、状況の著しい変化が想定される場合には、シナリオ分析の再実施により改めてリスクと機会を特定し、必要に応じ対応策の策定・推進に努めてまいります。

他方、気候変動関連の機会についても、影響度大のものは認められませんでしたが、気候変動関連のお客様ニーズにお応えすることで売上を伸ばす機会項目が複数認められ、環境負荷低減への貢献を通じて当社グループが成長できると考えております。

 

主な事業リスクと機会

リスクと機会

内容

影響度

移行リスク

低炭素化クラウド

サービスの拡大

環境配慮型サービスの開発・提供ができない場合、自社サービスの需要が減少する

GHG削減対応、

気候関連情報開示不足

投資家からのレピュテーションが低下し、資金調達コストが増加する。顧客からのレピュテーションが低下し、需要が減少する

物理リスク

自然災害の激甚化

災害が増えることで、IT投資が手控えされる

機会

再生可能エネルギーの普及

エネルギーマネジメントシステムの構築需要が増加する

低炭素市場サービスの開発

データセンター運営企業と協働した低炭素クラウドサービスの提供により需要が拡大する

顧客のIT需要増大

EV市場の拡大や物流業界の効率化、脱炭素への取り組み強化など、業界問わずIT需要が拡大する

気候変動への緩和策の強化

脱炭素の取組みを訴求することでステークホルダーからの評価が上がり、株価が上昇する

 

シナリオ分析から得られた「リスクと機会」を出発点とし、環境負荷の低減と事業活動の効率性の向上のため以下の活動に取り組んでおります。

 

①ガバナンス

2025年度から部門横断の「サステナビリティ事務局」を立ち上げることを決定しました。当社の5つのマテリアリティの1つ「ITを通じた地球環境への貢献」についても、必要に応じ関連する本部がその解決に向けた施策を立て、サステナビリティ事務局が進捗をモニタリングする体制を運営してまいります。

 

②戦略

前述のとおり、2050年までを想定したシナリオ分析の結果から、当社における気候変動関連リスクの影響は、影響度大のものはなく、大多数が影響度中から小であると判明したことから、当社グループの事業特性上、気候変動リスクによる財務インパクトは当社グループにとっては限定的であり、リスク削減のための喫緊の対応等は特段の必要性を認めません。ただし、ネットゼロを目指すにあたり、炭素税の導入、エネルギー価格変動などの影響を考慮した取り組みは不可避であろうことから、シナリオ分析の再実施を視野に入れ、実施後は対応の検討を行い、情報開示の充実化を目指してまいります。

 

③リスク管理

ITサービスやデジタルソリューションの提供を主とする当社グループの事業特性上、気候変動リスクによる財務インパクトは当社グループにとっては限定的であり、リスク削減のための喫緊の対応等は特段必要ないものと考えております。

 

④指標及び目標

また、上記施策以外にも、環境負荷の低減活動に常時取り組んでおります。

当社グループの事業における最大のネガティブインパクト(CO2削減や環境への影響)は、電力の消費量やコピー等の紙の使用量であるため、日常的に省電力や節電やペーパーレスに取り組んでおります。これらの取り組みは、システム開発におけるエネルギー利用の効率化やコストダウンにも繋がります。

 

■GHG排出量

当社グループ各社におけるオフィス、事業等に係る電力コストから、温室効果ガスの排出量を算出、計測しております。なお、当社の本社ビルにおいては、再生可能エネルギー(電力)の購入による温室効果ガス削減への取り組みを行い、環境負荷軽減に努めております。

今後、「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」の実現に寄与すべく、更なるCO2削減にむけた具体的な目標、取り組みを検討してまいります。

なお、2022年度の当社実績、2023年度及び2024年度の当社グループにおけるScope別Co2排出量は下記のとおりです。

 

項目

2022年度実績(t-CO2)

2023年度実績(t-CO2)

2024年度実績(t-CO2)

Scope1(注1)

0

0

0

Scope2(注2)

194.97

486.51

502.56

Scope3(注3)

3,380.15

4,880.38

 

(注)1.事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)に係るもの。

2.他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出に係るもの。

3.Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)に係るもの。