事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
クラウド&ライセンス | 223,030 | 84.6 | 85,673 | 93.0 | 38.4 |
ハードウェア・システムズ | 15,590 | 5.9 | 569 | 0.6 | 3.6 |
サービス | 24,890 | 9.4 | 5,844 | 6.3 | 23.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、米国オラクル・コーポレーションを実質的な親会社とし、同社を中心とする企業集団に属しております。当企業集団は世界各地で、クラウド・コンピューティングを含むITシステムの構築・運用に利用されるデータベース、ミドルウェアおよびアプリケーション等のソフトウェア、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器等のハードウェアの販売と、これらの製品をインターネットなどのネットワークを通じて提供するクラウドサービス、当社製品の導入や利用を支援する各種サービスの提供を行っております。
当社は、親会社であるオラクル・コーポレーションの知的財産権の保有・管理を行っているオラクル・インターナショナル・コーポレーションと販売代理店契約を結んでおります。また、オラクル・コーポレーションの子会社で、オラクル・コーポレーションによる買収製品(ソフトウェアおよびハードウェア)およびクラウドサービスの日本におけるライセンス許諾権・製品販売権を保有している日本オラクルインフォメーションシステムズ合同会社と販売代理店契約を結んでおります。
これらの契約に基づき、当社はオラクル・コーポレーションより日本市場向けに製品の供給を受け、その対価として当該製品の売上高に対する一定割合をロイヤルティとしてオラクル・インターナショナル・コーポレーションに支払っております。また、当該買収製品およびクラウドサービスについては日本オラクルインフォメーションシステムズ合同会社から供給を受け、その対価(売上高に対する一定割合のロイヤルティまたは製品仕入代金)を支払っております。
また、オラクル・コーポレーションが開発した製品の国内市場における販売と、これらに付随する関連サービスの提供を主たる業務としているため、当社独自の研究開発活動は行っておりません。
〔事業系統図〕
各事業の内容および売上高構成比率は、次のとおりであります。
(注) 構成比は単位未満を四捨五入して表示しております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1) 業績
当事業年度(以下、「当期」)における当社の属する国内の情報サービス産業においては、システム更新需要のほか、企業が収集するあらゆるデジタルデータを活用した業務効率化、人的資本をはじめとするサステナビリティ経営の実現に向けたIT環境整備、エンドユーザーとの接点強化など企業成長、競争力強化を目的とするIT投資が底堅く推移しております。
このような環境下において、当社は広範で統合されたクラウドサービス、最高水準のセキュリティ、パフォーマンス、効率性を備えたエンタープライズ向けのAIなど新しいテクノロジーの活用によって顧客企業のイノベーションの実現とビジネス変革、成長を強力に支援することへの価値訴求を継続してまいりました。
このような取り組みの結果、売上高263,510百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益86,832百万円(前年同期比8.8%増)、経常利益87,454百万円(前年同期比8.9%増)、当期純利益60,725百万円(前年同期比9.2%増)となり、通期としては売上高、営業利益、経常利益および当期純利益ともに過去最高を達成いたしました。
市場展開方針(2025年5月期)
ミッション・ステートメント
当社は、お客様企業の基幹システムのクラウド移行と積極的なデータ活用によるビジネス成長を支援することにより、さらなる企業成長を目指しております。また人々が新たな方法でデータを理解し、本質を見極め、無限の可能性を解き放てるよう支援していくことをミッションとしております。
我々自身が進化を続け、そしてお客様の進化を正しくナビゲートしていくことが、世の中を正しい方向に導く一歩となり、いずれ社会や人類への貢献に繋がると考えております。
当社の強み
「Be a TRUSTED TECHNOLOGY ADVISOR」を掲げ、お客様企業の基幹システムのクラウド移行と積極的なデータ活用によるビジネス成長を支援することにより、さらなる企業成長を目指しております。テクノロジー企業であるオラクルが自社のテクノロジーを用いて実践したビジネスプロセスの近代化、デジタル化の成果をお客様企業へ導入することで、データ・ドリブンなデジタル・トランスフォーメーションを支援してまいります。
当社はシステムを構築するために必要なプラットフォーム製品、業務アプリケーション、ハードウェアまでを、クラウド、オンプレミスいずれの環境においても展開可能な総合的製品ポートフォリオを有しております。特にソフトウェア・ライセンス製品は、長年、高度なセキュリティ、可用性と高速処理性能が求められるミッションクリティカル領域で広く採用されております。事業の中核であるOracle Cloudは、このソフトウェア・ライセンスと同じ設計思想、同じ技術で構築しており、オラクルのソフトウェア・ライセンスで構築したオンプレミス・システムとオラクルクラウドとの連携、双方向の移行を可能とすることを強みとしております。
各セグメント別の営業の概況は次のとおりであります。
[クラウド&ライセンス]
売上高は223,030百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は85,673百万円(前年同期比7.6%増)となりました。内訳につきましては、クラウドサービス&ライセンスサポートの売上高は174,400百万円(前年同期比10.5%増)、クラウドライセンス&オンプレミスライセンスの売上高は48,630百万円(前年同期比2.8%増)、となりました。
当セグメントは企業等のIT基盤に利用される、データベース管理ソフトウェア、各種ミドルウェア、ERP等の業務アプリケーションソフトウェアのソフトウェア・ライセンスを販売する「クラウドライセンス&オンプレミスライセンス」とライセンスを利用されているお客様に更新版等のアップデートや技術サポートを提供する「ライセンスサポート」、これらのソフトウェアやハードウェアのリソースを、インターネットを通じてサービス提供する「クラウドサービス」から構成されます。
クラウド&ライセンスについては、市場展開方針により、当社製品・サービスの価値訴求を積極的に展開してまいりました。
ライセンスビジネスにおいては、レガシー・システムからの脱却とシステム標準化・オープン化の動きが活発化しております。またコスト削減のためだけではなく、デジタル改革をする柔軟なIT基盤への刷新、ビジネスを成長させていくためのIT投資需要は引き続き堅調です。
また、パートナー企業様とのアライアンス強化を積極的に推進し、クラウドパートナーとの協業強化を進め、中堅中小企業向けの需要創出にも注力してまいりました。
クラウドサービスにおいては、クラウドシフトをさらに加速させるため、既存のお客様向けに“Oracle Fusion Cloud Applications”へのアップグレード(オンプレミスからクラウドへのリフト&シフト)に一層注力するとともに、新規顧客の獲得にも積極的に取り組んでまいりました。
“Oracle Cloud Infrastructure (OCI)”については、パフォーマンスやセキュリティ、費用対効果を重視されるお客様からの引合いは引き続き強く、東京および大阪データセンターの利用量は順調に増加しております。
OCIは、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP - Information system Security Management and Assessment Program)に適合したクラウドサービスとして登録されております。
さらにOCIは、2022年10月「デジタル庁におけるガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」に決定いたしました。政府機関、地方自治体等のデジタル化の推進に伴う、中長期的な需要創出および基盤構築への寄与を目指します。
政府・自治体向けOCIに関する情報提供webサイトを開設しておりますのでご参照ください。
https://www.oracle.com/jp/cloud/government/
中堅中小企業向けCloud ERPのNetSuiteにおいても、組織再編を進めクラウドサービスを導入する企業の需要を取り込み堅調に推移いたしました。
ライセンスサポートは、高い契約更新率を維持しており、オンプレミスライセンスの販売に伴う新規保守契約も高水準を堅持しております。
[ハードウェア・システムズ]
売上高は15,590百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益は569百万円(前年同期比17.6%減)となりました。
当セグメントは、サーバー、ストレージ、エンジニアド・システム、ネットワーク機器等のハードウェアの販売およびそれらのオペレーティングシステム(OS)や関連ソフトウェアを提供する「ハードウェア・システムズ・プロダクト」、ハードウェア製品の技術サポート、修理、メンテナンスの提供およびOS等関連ソフトウェアの更新版等の提供を行う「ハードウェア・システムズ・サポート」から構成されます。
ハードウェア・システムズにつきましては、2025年1月に“Oracle Exadata”プラットフォームの最新世代となる“Oracle Exadata X11M”の提供を開始いたしました。
最新世代のAMD EPYC™プロセッサ向けに最適化された“Oracle Exadata X11M”は、前世代と同じ価格のままで、AI、分析、オンライン・トランザクション処理(OLTP)のパフォーマンスを大幅に向上させます。インテリジェントな電力管理と、ミッション・クリティカルなワークロードをより少ないシステムで高速に実行する機能により、エネルギー効率とサステナビリティの目標達成を支援します。
“Oracle Exadata X11M”のパフォーマンスはストレージ・ボトルネックを排除し、アナリティクス、IoT、不正検出、高頻度取引など、最も過酷なワークロード全体でパフォーマンスを大幅に向上させます。AIではベクトル検索の大幅な高速化、トランザクション処理ではIOPSの大幅な高速化とレイテンシの短縮、分析ではデータスキャンとクエリ処理能力の大幅な高速化が実現しています。
[サービス]
売上高は24,890百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益は5,844百万円(前年同期比22.7%増)となりました。
当セグメントは、当社製品の導入支援を行う「コンサルティングサービス」、予防保守サービスやお客様のIT環境の包括的な運用管理サービスを提供する「アドバンストカスタマーサービス」から構成されております。
サービスにつきましては、コンサルティングサービスにおいて、オンプレミス環境からOCI (IaaS/PaaS)環境への基盤移行、ERPクラウドを始めとするApplication Cloud (SaaS)との連携案件など、当社の総合的な製品サービス・ポートフォリオを活かした複合型案件が堅調に推移しております。
<報告セグメント別売上高の状況>
(注) 金額は単位未満を切捨て、構成比ならびに対前年同期比は単位未満を四捨五入で表示しております。
(2) キャッシュ・フロー
当期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、66,599百万円(前年同期比13,744百万円減)となりました。これは主に、税引前当期純利益(87,457百万円)の計上、前渡金の減少(1,428百万円)、およびその他の流動負債の増加(1,893百万円)によるキャッシュ・インがある一方で、法人税等の納付(26,453百万円)、売上債権の増加(1,371百万円)等によるキャッシュ・アウトがあった結果によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1,956百万円(前年同期比70,432百万円減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、89,964百万円(前年同期比69,274百万円増)となりました。これは主に、期末配当金として1株当たり674円(特別配当500円を含む)の配当金の支払いによるものです。
以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物は前事業年度末と比べ、25,287百万円減少し、66,616百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、売上原価によっております。
(2) 受注状況
当社の事業はオラクル・コーポレーションの開発した製品の販売およびそれに付随する関連サービスの提供が主体であり、個別受注生産という概念に該当する業務の金額に重要性がないため、記載を省略しております。
(3) 販売状況
(注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
本項における将来に関する記載は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績の分析
イ 売上高
全社売上高は263,510百万円(前年同期比7.8%増)となりました。セグメント別の売上の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。
ロ 営業利益および経常利益
当社製品・サービスの価値訴求を積極的に展開したことにより、クラウド&ライセンスセグメントが好調に推移したため、全社として営業利益は86,832百万円(前年同期比8.8%増)となりました。
売上原価は、142,123百万円(前年同期比8.5%増)となりました。クラウド&ライセンスセグメントにおいてロイヤルティおよび業務委託費が増加し、サービスセグメントにおいては、人件費が増加しました。一方、ハードウェア・システムズセグメントにおいては、当期仕入高が減少しました。
販売費及び一般管理費は業務委託費及び広告宣伝費等が増加した結果34,555百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
営業外損益622百万円の収益(純額)を計上した結果、経常利益は87,454百万円(前年同期比8.9%増)となりました。
ハ 当期純利益
特別利益として新株予約権戻入益(2百万円)及び法人税等(26,731百万円)を計上した結果、当期純利益は60,725百万円(前年同期比9.2%増)となりました。
ニ 1株当たり当期純利益(EPS)
上記の結果、1株当たり当期純利益(EPS)は39.82円増加し、473.98円(前年同期比9.2%増)となりました。
②財政状態の分析
当事業年度末における総資産は316,403百万円(前期末比23,755百万円減)となりました。
(資産の部)
当事業年度末における流動資産は、203,861百万円(前期末比85,031百万円増)となりました。当事業年度末における固定資産は、112,542百万円(前期末比108,787百万円減)となりました。これは主に、親会社であるオラクル・ジャパン・ホールディング・インクに対する2021年2月より5年間を貸付期間とする関係会社貸付金の固定資産から流動資産への振替(110,000百万円)によるものです。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比で4,358百万円増加し、152,722百万円となりました。これは主に、買掛金が前事業年度末比で767百万円増加し、13,386百万円となったこと等によるものです。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末比で28,114百万円減少し、163,681百万円となりました。これは主に、ストック・オプションの行使による資本金、資本剰余金の各々の増加(49百万円)、当期純利益の計上(60,725百万円)および期末配当金として1株当たり674円(特別配当500円を含む)を支払ったこと(86,460百万円)による利益剰余金の減少(25,734百万円)によるものです。この結果、自己資本比率は51.7%(前期末比4.7ポイントダウン)となりました。
なお、当社では、経営の意思決定上、資産及び負債を各セグメントに配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社における資金の使途の主な内容としましては、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用並びに各種税金の納付等であります。売上原価の内訳は、主に「クラウド&ライセンス」に係るロイヤルティ、原価部門における労務費及び業務委託費、「ハードウェア・システムズ」セグメントにおける仕入原価であります。その他の資金の使途の主な内容としましては、クラウド事業に関連する設備投資、各種税金の納付、配当金の支払となっております。これらの資金需要は、営業キャッシュ・フローから生じる自己資金によって賄っております。
当社の資金管理・運用については、当社が定める資金管理・運用規程(オラクル・コーポレーションが定めるglobal policy)に則り、高い安全性と適切な流動性の確保を図っております。
また、当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載しております。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社においては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表等は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。この財務諸表等の作成にあたっては、期末日における資産および負債、会計期間における収益および費用に影響を与えるような仮定や見積りを必要とします。過去の経験および状況下において妥当と考えられた見積りであっても、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。