人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数9,989名(単体) 29,419名(連結)
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平均年齢36.0歳(単体)
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平均勤続年数6.3年(単体)
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平均年収8,508,495円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、使用人兼務取締役、派遣社員及びアルバイトを含んでいません。
2 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない開発部門、管理部門及びシェアードサービス事業に属する従業員数です。
(2) 提出会社の状況
2025年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、使用人兼務取締役、他社への出向者、派遣社員及びアルバイトを含んでいません。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない開発部門及び管理部門の従業員数です。
(3) 労働組合の状況
当社に労働組合は結成されていませんが、連結子会社の一部に労働組合が結成されています。
なお、労使関係は良好で、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1 当連結会計年度における実績を記載しています。なお、楽天銀行(株)、楽天生命保険(株)及び楽天損害保険(株)については事業年度が4月1日~翌3月31日のため、一部指標の算出時点が当社と異なります。具体的には以下のとおりです。
・管理職に占める女性労働者の割合:楽天銀行(株)は同社の直近の事業年度末時点、楽天生命保険(株)及び楽天損害保険(株)は直近の事業年度の3月1日時点
・男性労働者の育児休業等取得率:楽天銀行(株)は同社の直近の事業年度末時点
・労働者の男女の賃金の差異:楽天銀行(株)、楽天生命保険(株)及び楽天損害保険(株)の直近の事業年度末時点
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した実績を記載しています。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出した実績を記載しています。
4 「(*)」については、育児目的休暇の取得者を分子に含みます。
5 「(**)」について、女性活躍推進法に基づく雇用管理区分別の育児休業等取得率は以下のとおりです。
なお、楽天銀行(株)の総合職(無期)における男性労働者の育児休業等取得率が100%を超過しているのは、当該年度に育児休業等を取得した者の中に、前年度に配偶者が出産し、その後に育児休業等を開始した者が含まれるためです。これにより、取得率が100%を超える場合があります。
6 男女賃金差異については、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を示しています。
7 「(***)」については、対象となる従業員がいないことを示しています。
8 適用する人事処遇制度において性別による差異はありません。
9 各社の数値は原籍で算出していますが、楽天カード(株)については就業人員で算出しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1. サステナビリティ全般
当社グループは「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というミッションに基づき、これまで歩んできました。楽天エコシステムが深化する中で、私たちを取り巻く社会環境は、気候変動や生物多様性の喪失といった地球規模の課題に加え、人権問題、格差拡大、そしてAIをはじめとするデジタル技術がもたらす新たな倫理的課題等、かつてないスピードで変化しています。このような状況において、より高度化する社会課題の解決と持続可能な社会の実現のために、イノベーションの創出に挑むという姿勢は変わりません。サステナビリティ戦略の遂行は、展開する事業の持続的な発展を支えるだけでなく、当社グループのミッションを体現するものでもあります。
(1) ガバナンス
サステナビリティのガバナンスを強化し、各重点分野に関する取組の実施を統括することを目的に、国内外の経営陣で構成される「楽天グループサステナビリティ委員会」を2021年に設立しました。執行役員兼取締役であるグループ COO(Group Chief Operating Officer)を委員長とし、年2回の頻度で開催しています。グループサステナビリティ委員会では当社グループにとっての重要課題に対し、ステークホルダーの期待やベストプラクティスの共有、戦略や目標設定、イニシアチブへの参画等について、経営レベルの意思決定を行います。また、環境、人権、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンは長期的かつ組織横断的な議論が必要な課題であることを踏まえ、それぞれに特化した分科会を設置し、グループサステナビリティ委員会へ活動状況を報告しています。
サステナビリティ推進部は、経営レベルでの意思決定及び方針に基づき、全社的なサステナビリティ戦略の企画・推進に加え、各事業部門におけるサステナビリティの取組状況を横断的に把握・評価し、継続的な改善を促す役割も担っています。これにより、企業価値の持続的な向上を目指しています。具体的には、国際的なイニシアチブの把握及び参画方針の検討、サステナビリティに関する国内外の法規制遵守の体制構築、並びにESGデータの網羅性・正確性の確保をリードし、各事業部門における責任あるサステナビリティ関連活動を支援しています。
監督体制としては、取締役会が本社のサステナビリティ推進部やグループサステナビリティ委員会から重要事項に関する提案を受け、これを審議するほか、定期的な活動報告を受けることでサステナビリティの推進状況を確認しています。また、これらの内容は、社内の主要な経営層で構成されるコーポレート経営会議にも適宜報告されています。
全社的に明確なコミットメントやアクションが必要なESG課題については、グループ方針として、「グループサステナビリティインストラクション」を定めています。また、取組の進捗状況を、当社ウェブサイト、統合報告書、株主総会等の媒体を通じて定期的に報告しています。
(2) リスク管理
当社グループは急速に変わるリスク環境に適応するため、組織全体に影響するあらゆるリスクを統合的に把握し、管理する全社リスクマネジメント手法である統合的リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management、以下「ERM」)に取り組んでいます。サステナビリティに関するリスクは、気候変動、人権、サプライチェーン、情報セキュリティ等多岐にわたりますが、当社グループはサステナビリティに関するリスクもERMに則って、リスクの特定・評価、重要性に応じた対応策の策定と実行、その結果のモニタリングに取り組んでいます。
(3) 戦略
サステナビリティは当社グループのミッションの実現と今後の発展を支える柱の一つです。70を超えるサービスを提供する当社全体での取組を、より効果的なものにするためには、多岐にわたる課題の中から重要課題(マテリアリティ)を特定することが重要です。当社は、サステナビリティを推進していく上で不可欠な「事業基盤」と、優先的に取り組む3つの重点分野「従業員と共に成長」、「持続可能なプラットフォームとサービスの提供」、「グローバルな課題への取組」を重要課題として特定しています。サステナビリティ推進部は、重要課題の特定とサステナビリティリスク管理の双方に加えて、サステナビリティ戦略が確実に運用されるよう取り組んでいます。グループサステナビリティ委員会が取締役会の承認のもとに設定した、重点分野の長期的な目標設定に沿って、グループ一丸となって活動を進めています。
さらに、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)やCSRD(EU企業サステナビリティ報告指令)等新たなサステナビリティ開示基準の理解・対応への準備も進めており、今後のESG情報開示の方針を定める指針にもなっています。
・重点分野におけるリスク及び機会
当社は、重要課題に対応するためのESG課題やビジョンの特定プロセスにおいて、リスク及び機会を以下のように整理しています。
1.従業員とともに成長
多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織基盤は競争力の源泉である一方、エンゲージメント低下や人材流出は事業継続のリスクとなります。これらのリスクを低減し、従業員の成長機会を最大化することは、多様な視点からのイノベーション創出を促し、持続的な企業価値向上に繋がります。
2.持続可能なプラットフォームとサービスの提供
サプライチェーンにおける環境・人権問題、コンプライアンス違反に加え、近年急速に進化する生成AIの誤用や不適切なコンテンツ提供は、ブランド毀損や法的責任といった重大なリスクを伴います。一方で、バリューチェーン全体における責任ある対応と倫理的かつ安全な事業運営は、顧客からの信頼を強化し、楽天エコシステムへのエンゲージメント向上を含む事業成長へと結びつきます。
3.グローバルな課題への取組
気候変動や環境課題への不十分な対応や予測不能な危機への不備は、社会的評価の低下、売上機会の喪失といったリスクをもたらします。しかし、ステークホルダーとの協働による環境課題解決、リスク管理体制の構築、そしてイノベーションを通じた社会課題解決は、新たな事業機会の創出、レピュテーション向上を通じた顧客ロイヤリティの獲得に寄与し、持続可能な社会づくりに貢献します。
(4) 重点分野における指標と目標
重点分野には、今後数年間にわたって特に注力していくべき課題を含んでいます。これらの課題は、社会の変革を担う当社グループのビジョンや役割をより明確にし、実施すべき取組を決定するための組織横断的な議論の焦点となるものです。当社では、各ESG課題に対するビジョンと具体的な目標を設定し、達成のために取組を進めています。
「従業員とともに成長」
* 対象は楽天グループ株式会社
「持続可能なプラットフォームとサービスの提供」
*1 自己評価アンケートの回答結果や取引状況等から当社サプライチェーンにとって重大な影響を与える可能性が排除できないと分析されるサプライヤー
*2 優先度の高い点については、2025年内に100%達成を目指す
「グローバルな課題への取組」
*1 2024年実績を記載。2025年実績は毎年6月頃にコーポレートページに掲載のESGデータブックにおいて更新予定
*2 本目標は、国連グローバル・コンパクト、CDP(気候変動対策等に取り組む国際NGO)、WRI(世界資源研究所)及びWWF(世界自然保護基金)が共同で設立した国際的気候変動イニシアチブの「SBTi (Science Based Targets initiative)」によって、科学的根拠に基づいているとしてSBT認定を取得済み
2. 重要なサステナビリティ項目
マテリアリティの各重点分野と事業基盤より、課題への取組を紹介します。
(1) 従業員と共に成長(人的資本)
当社グループは従業員を大切にし、一人ひとりが自分らしく働ける制度や環境づくりを推進しています。「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というミッションの実現に向けて、優秀な人材の採用、キャリアアップや成長の後押し、多様な従業員にとって働きやすい職場づくり等、全ての従業員がいきいきと活躍できるよう取り組んでいます。
① ガバナンス
当社グループは、グローバルに事業を展開するイノベーション企業として、多様な人材がその能力を最大限に発揮することが持続的成長の源泉であるとの考えのもと、その強化・活用に向けたガバナンス体制を整えています。従業員と共に成長する組織基盤の構築のため、当社グループでは、グループCOOを委員長とする「人材開発委員会」を設置しています。本委員会は、人的資本の重要性を認識し、採用、育成、評価、報酬といった主要な人事課題に加え、コンプライアンスに関する重要議題や具体的な施策について年2回、協議を行っています。これらの議論を通じて決定された重要事項は、必要に応じて代表取締役会長兼社長及び取締役会に報告され、経営戦略との連動を図りながら、グループ全体の人的資本戦略を推進しています。
② リスク管理
人的資本に関するリスクもERMに則って、リスクの特定・評価、重要性に応じた対応策の策定と実行、その結果のモニタリングに取り組んでいます。人的資本に関するリスクは、「3 事業等のリスク 3 事業運営全般リスク (7) 無形資産に関するリスク ③ 人的資源に関するリスク」をご参照ください。
③ 戦略
基本的な考え方
「グローバル イノベーション カンパニー」として、新しい業界や地域で事業を拡大していく中、事業目標の達成に必要となる優秀な人材を確保することは極めて重要な課題です。当社グループでは「勝てる人材、勝てるチームを作る」という人事の基本目標を掲げ、「採用」、「育成」、「定着」の3つの柱を軸とした強い組織基盤の構築を進めています。この目標を推進するため、グローバルで多様な人材の確保、体系的な人材育成の強化、公正な評価制度や柔軟なワークスタイル等によるエンゲージメント向上に取り組んでいます。また、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(Diversity 多様性、Equity 公平性、Inclusion 包括性)の推進、健康・ウェルネスの充実を通じ、従業員が能力を最大限に発揮できる組織基盤の整備を進め、継続的な組織力とイノベーション創出力の強化につなげています。さらに、当社グループの在り方を明確にすると同時に、全ての従業員が理解し実行する価値観・行動指針「楽天主義」に基づき、従業員が挑戦を通じて成長できる文化を醸成しています。
1) 人材マネジメント
当社グループの持続的な成長と競争力の源泉は、多様な才能が最大限に能力を発揮できる組織環境にあります。この組織環境を構築すべく、人事の基本目標を支える「採用」、「育成」、「定着」の各フェーズにおいて以下の施策に取り組んでいます。
・採用
求職者との相互理解の促進が優秀な人材の採用への鍵と捉え、オンラインとオフラインを融合したコミュニケーションの機会を大切にしています。当社グループの採用ウェブページでは勤務する日常をイメージできるよう事業活動や職場環境、キャリア開発に関する従業員のインタビューを掲載しています。また、当社グループの様々な仕事や企業文化を体感できる「インターンシッププログラム」や、求職中のポジションにマッチする知人や友人を従業員から紹介・推薦する「社員紹介プログラム」を実施しています。また、ビジネス職、エンジニア職のインターンシップのコンテンツ強化や、就活生向けの「Rakuten Career Conference」も毎年開催しており、2025年は2,051人が参加しました。
加えて、イノベーション創出をミッションの中核とする当社にとって、テクノロジー分野における専門人材の確保は極めて重要です。グローバルに開発拠点を展開し、優秀なエンジニアと研究者の採用体制を確立しています。
・育成
当社グループは、一人ひとりの力が最大限発揮される「学び続ける組織(Learning Organization)」となることを目指しています。技術スキルやビジネススキル、特に重要性が増している生成AI活用等多岐にわたるスキルの習得を通じて、従業員のキャリア開発を後押しします。2025年には、スキル開発を強化するため、従業員のキャリア志向や関心スキルに応じてAIが研修を推奨する仕組みを導入しました。研修コンテンツをよりいっそう拡充するとともに、従業員が自ら成長を追求できる環境整備にも注力しています。また、現場でのコミュニケーションを促進し、組織としての成果を最大化するため、チームメンバーとマネージャーが1対1で行う1on1ミーティングも定期的に実施しています。チームメンバーとマネージャー間の信頼関係の向上だけでなく、相互のフィードバックを通じてお互いが学びを得られる機会として、例年アンケート結果が90%以上の満足度を維持する効果的な仕組みとなっています。
研修制度の一例
・定着
近年、多様なキャリアの選択肢が増えたことや、働き方改革等の社会的変化に伴い、個人の労働観が大きく変化しています。このような中で、従業員が一つの組織で長くキャリアを築きたいと感じるかどうかには、様々な要因が影響しています。当社グループでは、従業員の満足度を高め、キャリアアップを奨励するために、公平で適切な報酬と福利厚生、柔軟なワークスタイル、快適かつ魅力的・健康的な職場を整備しています。また、新卒入社社員に対しては、入社後3年までのフォローアップ研修の内容や時期を見直すことで、楽天でのキャリア形成及び人材の定着を図っています。様々な取組の結果、当社の従業員のエンゲージメント度は80ptとなっています。
2) ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(Diversity, Equity and Inclusion)
当社は、より多くの人々がイノベーションの恩恵を受けることができるよう、あらゆる場面で多様な人々のニーズや視点を考慮に入れる「インクルーシブ」なアプローチが重要だと考えています。また、当社が定める人権方針に基づき、人種・国籍・性別・婚姻歴・子女の有無・宗教や政治思想・年齢・障がいの有無・性的指向・性自認等にかかわらず、全ての人に機会を提供する文化を醸成しています。世界中の従業員一人ひとりの多様な個性と価値観を尊重し、誰もが能力を最大限に発揮できる環境づくりにも努めています。また、グローバル展開を進める中、社内公用語を英語にし、世界中の優秀な人材の採用・登用が更に加速したことで、世界を舞台にしたビジネス展開の原動力となっています。
従業員一人ひとりの違いに配慮し、適切な職場環境を整えることも重要です。子育て世代に対しては、産休前後セミナー、ベビーシッター割引券の導入のほか、ワーキングペアレンツネットワーク構築の支援も行っています。女性の活躍支援としては、卵子凍結支援の実施のほかに、2025年は「国際女性デー」に合わせて女性のキャリアセッション、ワークライフバランス、女性の健康課題についてのセミナー、啓蒙イベントを開催しました。さらに、復職後の支援としては、搾乳室や社内託児所を設置しています。文化や宗教等異なるニーズを持つ従業員には、ハラルメニューの提供及び祈禱室を設置し、障がいの有無にかかわらず快適に働けるようユニバーサルデザインを取り入れたオフィス環境を整備しています。
* データ範囲:従業員の国籍数は当社グループ。障がい者雇用率は、楽天グループ(株)、楽天コミュニケーションズ(株)、楽天モバイル(株)、楽天シンフォニー(株)、楽天カスタマーサービス(株)、楽天ソシオビジネス(株)及び楽天トータルソリューションズ(株)。その他は当社。データ抽出時期:楽天におけるダイバーシティに関するデータは2025年12月31日時点のもの。障がい者雇用率のみ2026年1月1日時点のもの。
従業員の多様性を最大限に生かすためには、全ての従業員が企業文化の根底にある価値観を理解し、共有することが必要不可欠です。当社ではグループの価値観・行動指針である「楽天主義」を理解し実践できるよう、全従業員を対象とする「楽天主義ワークショップ」を開催しています。
3) 健康・ウェルネス
安全で健やかな職場環境を醸成することは、従業員の身を守るだけでなく、仕事に対する満足度を高め、優秀な人材の獲得・定着につながるため、従業員の心身の健康の増進や、健康的に働き続けられる組織風土づくりを目指しています。「ウェルビーイングサーベイ(調査)」を定期的に実施しており、従業員の心身の健康状態や課題を把握した上で、ウェルネス推進活動の効果測定をしています。これまでの調査結果から、個人のウェルビーイングにおいて、メンタルウェルネスが大きな影響をもつことが確認されています。従業員のメンタルヘルスケア向上を目的に、従業員がメンタルヘルスの観点での不安等を相談できる専門窓口として公認心理師(メンタルサポーター)を配置しています。また、新卒入社社員向けのメンタルヘルス研修や職場内での円滑なコミュニケーション方法、自己認知の歪みについて学ぶセミナー、自己理解を深めるためのワークショップ等を開催し、従業員一人ひとりが心身ともに健やかで前向きに働ける環境の構築を図っています。
④ 指標及び目標
当社はサステナビリティ戦略における重点分野の一つに「従業員と共に成長」を設定し、人的資本に関して人材マネジメント、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン、健康・ウェルネスの観点から長期的な目標を設けています。指標及び目標と2025年の実績は以下のとおりです。
* 対象は楽天グループ株式会社
(2) 持続可能なプラットフォームとサービスの提供(持続可能な生産と消費)
当社グループは持続可能なプラットフォームとサービスを提供するため、サプライヤーとともにサプライチェーンにおけるネガティブなインパクトを低減させる仕組みが重要だと考えています。以下では、持続可能な社会の実現に向けた、当社グループのサステナブル調達活動についてご紹介します。
① ガバナンス
当社グループはサプライヤーとサステナビリティに関する共通の認識を深めるために、法令・社会規範の遵守、汚職・賄賂等の禁止、公平・公正な取引の推進、環境への配慮等について「楽天グループサステナブル調達インストラクション(以下、サステナブル調達インストラクション)」及び「楽天グループサステナブル調達行動規範(以下、サステナブル調達行動規範)」を規定しています。また、重要なサプライヤーとして特定したサプライヤーにはこれらの遵守をお願いしています。さらに、質問票を通じたサプライヤーへの実態調査とモニタリングによって実際の取組を確認しているほか、相談窓口として「サプライヤーホットライン」を設置し、サステナブル調達インストラクション及びサステナブル調達行動規範に対する違反又はその恐れがある行為を把握できる体制を構築しています。
また、国内外の経営陣で構成されるグループ横断的なサステナビリティ委員会下の「人権分科会」では、サステナブル調達活動について報告・議論し、サステナビリティ委員会へもこれらの取組を定期的に報告しています。
② リスク管理
当社グループは前述のとおり、サステナブル調達インストラクション及びサステナブル調達行動規範の遵守を重要サプライヤーにお願いしています。
しかしながら、サプライヤーと当社グループとの業務の中での故意又は過失による法令違反、不正行為、人権侵害等が発生する可能性を完全には排除できないため、万が一これらの事態が発生した場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、サプライヤーは当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、上述のような事象により当該サプライヤーの信頼性や企業イメージに悪影響が出た場合に、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
このため、自己評価アンケートを通じたサプライヤーへの実態調査とモニタリングによるサステナブル調達活動に取り組んでいます。
③ 戦略
当社グループのサービスや商品に携わるサプライヤーは多岐にわたりますが、以下を重要サプライヤーとして定め、段階的な働きかけをしています。そのうち(i)当社ロゴや公式キャラクターを使用した製品のサプライヤー並びに当社グループにとって戦略的に重要な事業のサプライヤー (ii)一定の金額以上の取引実績を有するサプライヤー (iii)環境・社会・倫理面のリスクが高い産業に携わるサプライヤー(例:紛争鉱物や社会的保護・対策が不十分な国に関わる産業・事業)を「重要サプライヤー」と定義し、これらに対して段階的なエンゲージメントを実施しています。
1) サステナブル調達の方針の浸透
サステナブル調達インストラクション及びサステナブル調達行動規範の周知と理解促進のため、重要サプライヤーを対象としたオンライン説明会を開催し、これらの方針の遵守並びに誓約書への署名をお願いしています。また、調達側である当社グループの従業員に対しても前述のサステナブル調達活動に関するEラーニング研修を実施しています。
2) サプライヤー調査とモニタリング
サプライチェーンにおける問題発生の未然防止及び課題の把握と解決を進めるため、定期的にサプライヤーへ自己評価アンケートを送り、必要に応じて監査を実施する等の調査やモニタリングを行っています。さらに、調査の結果を受け、当社グループがサプライヤーに期待する改善アクションの提示を含めたフィードバックを提供しています。
④ 指標及び目標
当社グループはサステナブル調達の方針の周知とサプライチェーンにおける課題把握を重要と考え、以下を指標としています。
* 自己評価アンケートの回答結果や取引状況等から当社サプライチェーンにとって重大な影響を与える可能性が排除できないと分析されるサプライヤー
(3) グローバルな課題への取組(気候変動)
気候変動は世界中の人々や当社グループの事業に影響を及ぼす、今日の社会において最も差し迫った課題の一つです。グローバル企業としての責任を果たし、当社グループのミッションを達成するため、パリ協定に沿って気候変動への取組を行っています。事業活動における温室効果ガス排出量の削減はもちろん、テクノロジーとイノベーションを活かし環境に配慮したサービスの提供を通して、ステークホルダーと環境課題に対する認識を共有し、環境保全と改善につながる選択が自然にできる未来の実現を目指します。
また、当社グループは気候変動対策を含む、環境保全の推進に向けた方針・体制整備等の基本指針となる「環境ポリシー」を定めています。当該ポリシーには気候変動対策のほか、資源管理に向けた取組や生物多様性に関する基本方針、組織体制について定めています。
(注) 環境ポリシーを含む当社グループの取組は当社ウェブサイトもご参照ください。
https://corp.rakuten.co.jp/sustainability/library/
以降はTCFDフレームワークに準拠して記載しています。
① ガバナンス
気候変動に関する課題はグループCOOがマネジメントしており、グループサステナビリティ委員会のもとに、環境分科会を設置し、四半期ごとに会議を開催しています。また、気候変動対策を含むグループ全体のサステナビリティ推進の専任部署として、サステナビリティ推進部を設置しています。環境分科会及びサステナビリティ推進部は、様々な関連チーム・組織・国際的イニシアチブと綿密に連携し、楽天の全事業部門に対して自組織が環境に与える影響に責任を持つよう働きかけています。
② リスク管理
気候変動に関するリスクの識別・評価は、サステナビリティ推進部が行っています。リスク管理は、「1. サステナビリティ全般 (2) リスク管理」をご参照ください。
③ 戦略
当社グループは、気候変動に関連する移行リスク(脱炭素社会への移行に関連したリスク)、物理リスク(気候変動の物理的影響に関連したリスク)、機会を特定するため、楽天グループ全体を対象にシナリオ分析を実施しました。
設定したシナリオと参照資料
TCFD提言に基づくリスクと機会の分類
1.5℃シナリオ
4℃シナリオ
時間軸と影響度に関する定義
④ 指標及び目標
2024年11月以降の温室効果ガス排出量の削減目標は以下のとおり定めています。本目標は、国際的気候変動イニシアチブの「SBTi (Science Based Targets initiative)」によって、パリ協定の目標に合致する科学的根拠に基づいているとして、SBT認定を取得しています。
(注) 当社グループの気候変動に関する指標及び目標は当社ウェブサイトもご参照ください。
https://corp.rakuten.co.jp/sustainability/climate/
スコープごとの目標(SBT目標)
なお、楽天グループ株式会社単体では、2021年より事業活動に使用する電力において再生可能エネルギーの導入率100%*2を達成しており、今後も継続していきます。各指標の実績は、毎年6月頃にコーポレートページに掲載のESGデータブックにおいて更新する予定です。
*1 GHGプロトコルに沿い算出した排出量が対象。Scope 3 Category 15を除いて目標を設定。
*2 各社状況に応じ、電力の再エネ属性を証明する「FIT非化石証書」を利用し、実質100%再生可能エネルギー達成。
(4) 事業基盤(情報セキュリティとプライバシー)
当社グループは、サステナビリティ戦略を支える事業基盤のうち、情報セキュリティとプライバシーの確保を経営上の最重要課題の一つに位置づけています。情報セキュリティについては、お客様の個人情報をはじめとする各種情報と、ソフトウエア等の情報システムからなる情報資産を適切に保護・管理し、その安全性の継続的な維持・向上に努めています。また、プライバシーは、テクノロジーの利用、イノベーションの促進、ステークホルダーの信頼獲得等、持続可能な「楽天エコシステム」の構築に欠かせない重要な要素であり、単なるコンプライアンス上の問題に限りません。全てのお客様に安心してサービスをご利用いただけるよう、当社グループはプライバシー対策の実施、強化、徹底に努めます。
① ガバナンス
ファンクションCISOを委員長とするグループ情報セキュリティ&プライバシー委員会を毎月開催し、情報セキュリティ及びプライバシーの要求事項等に準拠した体制を整えています。本委員会での主な協議事項は、経営会議や取締役会への報告及び、各グループ会社、事業部門へと展開されます。
情報セキュリティに関しては、リージョナルCISO、カンパニーCISO、グループ各社のCISOで構成されるCISOコミュニティを設け、グループ横断での情報セキュリティに関する議論や情報共有を行っています。
また、当社グループ内のプライバシーの状況を監督、モニタリングする専門の職位として、グローバルプライバシーマネージャーを任命しています。グローバルプライバシーマネージャーは、リージョナルプライバシーオフィサーや各社で任命されたローカルプライバシーオフィサーと連携することにより、強固なプライバシーネットワークを構築し、当社グループに適用されるコンプライアンスの遵守状況とリスクの有無をモニタリングしています。
② リスク管理
当社グループは、大切なユーザーの個人情報をはじめとする各種情報と、ソフトウエア等の情報システムからなる情報資産を適切に保護、管理し、情報セキュリティの維持と継続的な向上に努めています。
1) 個人情報に関するリスク
当社グループは、『楽天市場』に代表される、当社グループが日本国内において提供する一般ユーザー向けのサービスの利用にあたり、ユーザーに「楽天ID」を付与し、当社グループがそのデータを保有して、多岐にわたる事業展開をしています。当社グループは、「楽天ID」をユーザーの氏名及び住所と結びつけられた個人情報として取り扱っており、当社グループの各種ハードウエア、ソフトウエア等の情報システムからなる情報資産とともに、事業展開をする上で不可欠な資産であると認識しています。したがって、当社グループでは、全てのユーザーが安心して当社グループのサービスを利用できることを最優先とし、情報セキュリティ体制及び個人情報の保護の観点から、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を確立するとともに、各種国際基準や展開する該当国の個人情報に関する各種法令への準拠を徹底しています。
各国の個人情報管理に関する法令、グローバルなデータの移管に関する法令、情報セキュリティに関する法令等、プライバシー関連法令等はますます複雑化しています。これらに適時適切に対応できず、当該法令等に違反した場合には、行政機関による制裁金・課徴金、業務停止命令等を受ける場合があるほか、レピュテーションリスクの発生、訴訟等を含む紛争に発展する可能性があります。
上記リスクが顕在化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反、補償費用の発生等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、プライバシー関連法令及び企業の自主的な規制強化への対応が円滑かつ適切に行えない場合には、当社グループのデータ活用ビジネス及び収益に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクの発生を回避するため、当社グループでは前述の取組に加え、社内規程の整備、プライバシー関連法令の周知及び社内教育を実施しています。また、連絡や相談のための体制を確立することで、違反リスクの早期発見等に努めるとともに、関係部署とプライバシー担当部門が緊密な連携を図ることで、法令等の内容を情報セキュリティシステム及び業務運営に迅速かつ的確に適用するように努めています。
2) サイバーセキュリティに関するリスク
当社グループのサービスの多くは、インターネットを通じて提供されています。サービス利用のために提供しているネットワーク若しくはコンピュータシステム上のハードウエア又はソフトウエアの不具合や欠陥、コンピュータウイルス、フィッシングメール、ランサムウェア等、外部からの不正な手段による当社グループのコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為等により、情報システムの可用性又は情報の機密性及び完全性を確保できず、サービスの不正利用、重要なデータの消失及び不正取得等が発生する可能性があります。
これらのリスク発生の回避又は低減のため、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種対応策を講じていますが、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招くのみならず、損害賠償請求等がなされる可能性のほか、監督官庁から行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3) 営業秘密等の情報漏洩に関するリスク
当社グループは、役職員や業務委託先等の業務遂行上の不備、アクセス権等の悪用等により、当社グループにおける営業秘密等の情報が漏洩するリスクがあります。それにより漏洩した営業秘密等が外部の第三者に悪用、又は競合他社に利用された場合には、当社グループの収益機会が喪失する可能性があります。リスクの発生の回避又は低減のため、役職員や業務委託先等への教育、啓発活動を行うほか、管理体制を定め、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的な各種対策を講じています。しかしながら、営業秘密等の情報漏洩リスクが顕在化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招くのみならず、損害賠償請求等がなされる可能性のほか、監督官庁から行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 戦略
1) 情報セキュリティ
情報セキュリティ確保のため、以下の5つの方針を設け取り組んでいます。
1. 情報セキュリティ体制の構築
2. 情報資産の適切な管理
3. 情報セキュリティ確保のための規定等の策定
4. 法令・規範の遵守
5. 継続的な改善
・国際基準への準拠
情報セキュリティマネジメントの国際規格であるISO/IEC 27001に基づく社内規程を定め、当社及びグループ会社に適用し、情報セキュリティの維持に努めています。現在、ISO/IEC 27001認証の適用範囲は、当社グループ全体で37社、全従業員が対象となり、継続的な拡大を目指しています。また、クレジットカードを含むペイメントカードを取り扱うビジネスにおいては、カード会員データのセキュリティに関する国際標準であるPCI DSS (Payment Card Industry Data Security Standard)への準拠を徹底しています。
・情報セキュリティ教育
当社グループでは、役員や正社員にとどまらず、契約社員、派遣社員、パートナ―スタッフ、業務委託者、アルバイトを含む全従業員を対象に、入社時及び入社以降年1回の間隔で情報セキュリティ教育を実施しています。受講者は、この研修の中で実際に発生したインシデントの事例等を交えて情報セキュリティの重要性への理解を深め、社内規程の遵守を宣誓します。
従業員向けの情報セキュリティ教育に加え、当社グループでは複数のチャネルにより教育を行っています。毎週の全社朝会では、定期的及び時宜に応じた短いプレゼンテーションを行っています。楽天グループのイントラネットポータルへの掲載のほか、社内のデジタルサイネージでは、各グループ会社、事業、コミュニティ等に対して情報の配信を行っています。なお、ソーシャルエンジニアリングアラート等、緊急の周知が必要な件については、これらの各種チャネルを使い、周知を徹底しています。
・サイバーセキュリティの強化
セキュリティオペレーションセンター(SOC:Security Operations Center)やセキュリティ対策専門のチーム(Rakuten-CERT)の体制を整えてインシデントに備えているほか、サービス開発者へのセキュリティ教育、ソフトウエア開発プロセスへのセキュリティレビュー及び脆弱性検査と、開発プロセスの段階ごとにセキュリティに関する確認を組み込むことで、脆弱性を排したサービス開発体制を構築しています。また、セキュリティ事故を防ぐために、日常のサービス運用において、不正アクセスの監視、脆弱性の調査・対応等のセキュリティオペレーションを実施しています。さらに、安全なサービス開発を各部署で監督する「セキュリティチャンピオン」制度をグローバルに展開し、セキュリティレビューの徹底や知見の共有に取り組んでいます。
2) プライバシー
国内外のプライバシー法の遵守に加え、独自の運用基準を設けることで、法令要件を上回るプライバシー保護対策に取り組んでいます。全てのお客様に安心して楽天のサービスをご利用いただけるよう、「教育」、「透明性」、「信頼」に重点を置いています。
・国内関連法への準拠
日本国内で展開するビジネスにおいて、個人情報保護法等の関係法令及び管轄官庁が定める法制度・ガイドラインへの準拠状況を定期的に確認・モニタリングしています。加えて、一部のグループ会社は、日本工業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」に適合し、個人情報について適切な保護措置を講じる体制を整備している事業者として、外部機関から認定され、プライバシーマークの付与を受けています。
・拘束的企業準則(BCR)の導入
当社グループはGDPR(General Data Protection Regulation)に準拠することを目的として、楽天グループは内部のプライバシー行動規範である拘束的企業準則(Binding Corporate Rules:BCR)を導入し、欧州のデータ保護当局から正式な承認を得ています。BCRに準じたデータの取扱いをすることによって、当社グループ全体で個人のプライバシーとデータの保護に取り組んでいます。
・ユーザーへの透明性の向上
当社グループのプライバシーへの取組や、関連情報を紹介する「プライバシーセンター」ページでは、グループ各社の個人情報保護方針、プライバシー保護やテクノロジーの理解に役立つ情報をお届けすることで、お客様自身にプライバシーについて考えていただく機会を提供しています。
・プライバシー教育
プライバシーの重要性を全従業員の共通意識として浸透させるために、プライバシー教育・啓発の専門チームを設け、グループの全従業員を対象とした年次の研修や入社時の研修に加え、国際的なデータ・プライバシーの日に合わせた啓発イベントを開催しています。さらに、ポスターやインフォグラフィック、月間のプライバシー関連ニュースをダイジェストで発信する「The Privacy Times」等、様々なチャネルを通じてプライバシーの重要性を社内に向けて発信しています。
④ 指標及び目標
情報セキュリティとプライバシーに関する戦略を踏まえ、お客様が安心してサービスを利用できるような認証取得とサービスを提供する従業員への教育を重要と捉え、以下の指標の維持・改善を図っていきます。