2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社の事業上のリスク要因となる可能性がある事項としては、以下のものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

IT技術への対応

 当社の提供するサービス(アプリケーション)は、一定のハードウェア・OS等での稼動を前提に構築しております。それらの変更に対応して必要なアプリケーションの改編を常時行いながらサービスを行っております。このためハードメーカー、データベース、OS、ネットワークベンダー等と技術動向の情報収集を行い、当社サービスとしての一貫性を保ちつつ、当社サービスの開発を行っております。今後ともIT技術の大幅な変更に対して、従来通り対応していく方針ですが、これらの取組みへの投資額の増大、サービス提供時期の遅延等の発生する可能性があります。

 

システムの不具合の発生

 当社の提供するアプリケーションに関して、100%不具合が発生しないというサービスを続けることは、現実的には出来ません。品質管理担当チームを設置し日頃から社内教育をはじめ、開発会社との協力関係を含め検収作業の精度を高めるべく努めております。それでも発生するのが不具合ですので、お客様サービス上、損害賠償の可能性、当社の作業費用増大に関するリスクがあります。尚、現在まで当社の業績に重大な影響を与える事象の発生はございません。

 

顧客の大半を金融機関が占めている状況

①業務変更・制度変更による影響

 当社のXNETサービスは、これまで金融機関を中心に行っており、新商品導入や制度変更に関しては従来よりビジネスの基本と捉え、過去においてこれらの開発等でサービス・インが遅れるといったことはありません。当社のシステム構造からも当面問題はないように事業をしておりますが、未来永劫リスクがないと言えるものではありません。

 

②同業他社間の再編

 当社の顧客も国内並びにグローバル競争にさらされており、国内にとどまらず海外をも含めて金融機関間の合併等再編が行われた場合、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

フルサービス化に伴うリスク

 フルサービス化に伴い、当社がサーバーを保有し、これをお客様が使うパターンが増加しています。資産運用のフルサービスに関してサーバーの設置場所を東京都品川区としております。この地区において大規模災害が発生した場合には使用不能となり、サービスが停止する可能性があります。ただし、サーバーを一ヶ所に設置し二重化していないことは、顧客との契約書に明記しています。また、顧客が望む場合バックアップセンターのサービスも実現しています。その他のサーバーは長野県長野市に設置していますが、同様なリスクがあります。また、データ等のバックアップテープは別の場所への保存等の対策を講じております。

 

人財の確保について

 当社の提供するサービスに関して、サービスの継続さらに今後サービスの質を向上するためにも優秀な人財の確保が必須条件となっています。ソフトウエアの分野においては、人財が最も重要な経営資源と云えます。当社は従来より通年採用により人財を確保してまいりましたが、競合他社や他業界の雇用動向による影響は排除できません。そのため、人財確保難からサービス提供の遅延等が発生するリスクがあります。

 

知的財産権によるリスク

 当社が開発するアプリケーションや、その他提供するサービスにおいては、特許権や著作権等の知的財産権の確保が重要であるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っています。しかしながら、世界各国の法的制度の違い等により知的財産権に関する問題が全く起こりえないという保証はありません。

 したがって、当社において知的財産権に関する問題が発生した場合には、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

情報セキュリティのリスク

 当社は情報セキュリティポリシーを定め、社員教育の徹底をはじめ、パソコンのセキュリティ管理等情報の取扱いには細心の注意を払っております。

 このような取組みにもかかわらず情報漏洩が発生した場合、当社の業績の影響並びに当社への信頼を失う可能性があります。

事業継続のリスク

 東日本大震災が発生したことを受けて、危機管理体制の見直しを行い、大規模な災害が発生した場合に備えて、事業継続プランを作成し、訓練も行っています。しかしながら、一企業のコントロールをも上回る事象が発生した場合、顧客と合意しているサービスを維持することが困難となり、結果として業績に影響を受ける可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、安定的な経営基盤の確保と株主利益の向上を重要な経営政策と考えており、今後も積極的に株主還元をしていく方針です。

 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 当事業年度の配当につきましては、期末配当15円(年間配当30円)を実施する予定であります。この結果、当事業年度の配当性向は33.4%となります。

 当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨及び「剰余金の配当を、取締役会の決議によって定めることができる。」旨を定款に定めております。

 

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年10月30日

123

15

取締役会決議

2024年6月26日

123

15

定時株主総会決議