2024年2月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,120名(単体) 2,326名(連結)
  • 平均年齢
    33.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    5.6年(単体)
  • 平均年収
    4,547,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年2月29日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

クリエイティブ分野(日本)

1,462

(1,308)

クリエイティブ分野(韓国)

28

(15)

医療分野

350

(8)

会計・法曹分野

121

(11)

その他

365

(328)

合計

2,326

(1,670)

(注)1  従業員数は就業人員数であり、(外書)は、臨時従業員数の年間平均雇用人員であります。

2  近年の業容拡大に伴う業績と人員数の関係性の観点から、当連結会計年度より臨時従業員数の集計対象の見直しを行っております。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2024年2月29日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,120

(1,150)

33.5

5.6

4,547

(注)1  従業員数は就業人員数であり、(外書)は、臨時従業員数の年間平均雇用人員であります。

2  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3  当社の従業員は、全てクリエイティブ分野(日本)のセグメントに属しております。

4  近年の業容拡大に伴う業績と人員数の関係性の観点から、当連結会計年度より臨時従業員数の集計対象の見直しを行っております。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係については概ね良好であります。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

2024年2月29日現在

名称

(注)1

男性労働者の育児休業等の取得率(%)

(注)2

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)3

労働者の男女の賃金差異(注)4

全従業員

正社員

パート・有期社員

(注)5

株式会社クリーク・アンド・リバー社

15.4

24.1

79.6

69.3

88.2

株式会社メディカル・プリンシプル社

36.4

19.1

68.8

69.5

159.8

株式会社リーディング・エッジ社

33.3

25.0

89.9

86.0

153.3

ジャスネットコミュニケーションズ株式会社

40.0

23.8

80.0

78.4

94.4

株式会社インター・ベル

55.6

82.5

83.1

87.7

株式会社シオンステージ

95.2

95.2

98.6

株式会社ウイング

33.3

88.9

88.9

(注)1  表中には公表義務がある会社のみ記載しております。「-」は集計対象となる従業員がいないことを示しております。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき、育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものであります。

4  女性活躍推進法に基づき、男性の平均年収に対する女性の平均年収の割合を算出しております。集計対象について、派遣事業を行っている当社グループ各社については、雇用されている派遣スタッフを含んでおります。

5  パート・有期社員が数名単位であり、個人の職種・勤務時間の差異が賃金格差に直接反映されております。

6  当社グループでは、採用・評価・登用等に関して、性別を含めた属性によらない公平な処遇を行っております。正社員の賃金格差について各社に共通する要因は、短時間勤務制度の利用者の女性比率が高いこと、管理職に占める男性比率が高いことが挙げられます。グループ全体で男性の育児休業等の利用促進や女性管理職比率の適正な引き上げに取り組み、さらなる処遇の公平化をはかってまいります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

<サステナビリティ基本方針>

当社グループの統括理念「人の能力は、無限の可能性を秘めています。私たちは、その能力を最大限に引き出し、人と社会の幸せのために貢献します。」に基づく当社グループの使命「すべてのステークホルダーへの価値提供」の実現に向けて、様々な社会課題の解決や地球環境の保全について、プロフェッショナルを軸とした事業活動を当社グループ一丸となって取り組むことにより、社会全体の永続的な発展及び当社グループの永続的な成長の両立を目指してまいります。

 

(1)サステナビリティ共通

①  ガバナンス

サステナビリティ基本方針に基づき、当社グループのサステナビリティに関する議論を集約し、実行の質・スピードをさらに高めることを目的としたサステナビリティ委員会を設置しております。代表取締役を委員長とし、常勤取締役、執行役員により構成し、当社グループのサステナビリティに関する課題を審議し、取締役会に提案・報告しております。本委員会の推進委員は経営企画部、総務部、人事部、専門職人事部及び委員長が指名するメンバーが担うものとし、事務局は経営企画部が担っております。なお、サステナビリティ委員会は、当社の内部規程「サステナビリティ委員会規程」に基づく委員会としての位置づけであり、当社及び連結対象子会社を対象範囲としております。

 

 

②  戦略

当社グループでは、経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク・機会に対処するため、持続的成長に不可欠なマテリアリティ(重要課題)を特定しております。マテリアリティ取り組みのスローガンとして、「プロフェッショナルとともに事業を創造することにより、豊かな社会を創る」を掲げ、持続的な成長と企業価値の向上に向けた、対処すべき課題と位置付けております。マテリアリティは中期経営計画における基本戦略、サステナビリティ課題を包括し、中・長期の時間軸で取り組んでおります。

 

 

 

③  リスク管理

当社グループでは、サステナビリティの取り組みを遂行するにあたり、サステナビリティ委員会において、気候変動や人権などを含めたサステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・評価・管理を行っております。また、必要に応じてリスクマネジメント委員会と連携し、体制の整備とモニタリングを通じた改善施策の協議、担当部門への指示を行っております。

 

④  指標及び目標

当社グループは、中・長期の時間軸で取り組んでいるマテリアリティのテーマごとにサステナビリティ及び人的資本、気候変動に関するKPIを設定し、定期的に進捗を確認しマテリアリティ達成に向けた活動を実行しております。

マテリアリティ

重要方針

KPIカテゴリ

取り組み/目標

達成期限

実績・進捗状況・トピック

(2024年2月期)

対象範囲

様々なプロフェッショナルが活躍できる機会と環境を創出

プロフェッショナル50分野構想の進展

事業領域や分野の拡大

プロフェッショナル8領域50分野を目指し、当社グループの拡大

長期目標

子会社設立・グループ化:3社

当社グループ

社会の変化に対応できる教育の提供

教育の提供

プロフェッショナルネットワークに向けたセミナー等の提供(200件/年間)

継続

375件/年間

当社

プロフェッショナルネットワークによる新規ビジネスの創出

プロフェッショナルの能力を活かす新たな価値の創造

新規ビジネス

グループ資産を活かした商品・サービス・プロジェクトの展開(2件/年間)

継続

3件/年間

当社グループ

グローバル展開

グローバル展開

海外におけるプロフェッショナルネットワークと販路の拡大

長期目標

モントリオール支社(カナダ)の開設

当社グループ

地方創生

地方創生

地方創生に関わるプロデュース案件に取り組む

継続

福島県大熊町で複合施設、FUN EAT MAKERS in Okuma 建築開始(コネクトアラウンド)

当社グループ

 

 

マテリアリティ

重要方針

KPIカテゴリ

取り組み/目標

達成期限

実績・進捗状況・トピック

(2024年2月期)

対象範囲

プロフェッショナルの叡智を活用した環境への取り組み

脱炭素社会への実現

気候変動(CO2排出量)

2030年、Scope1・2

40%削減(2020年度比)

※スコープ2

2020年度実績:603t-CO2

2030年

当社グループの多くが入居するオフィスにて、2023年1月より、100%再生可能エネルギー電力への切替えを実施したことにより目標達成

当社

循環型社会の実現

資源循環

廃棄物のリサイクル率の促進(全リサイクル率:80%)

2025年

74%

当社

多様な人材の育成と働く環境の整備

経営人材の創出

経営人材の創出

グループ会社の非常勤取締役を通じた企業運営を実地で学ぶ機会

継続

当社の職制   12名就任

当社

ダイバーシティ&インクルージョン

ダイバーシティ&インクルージョン

役職者に占める女性割合30%以上を目指す

2026年

24.1%

当社

障がい者雇用率:法定雇用率以上を維持

継続

2.35%

当社

健康経営

健康経営

従業員健康診断受診率100%達成

継続

受診率97.1%

当社

専門職が力を発揮するための教育

教育

専門職社員向けとした研修・発表・情報共有の機会を提供

(4回/年間)

継続

4回/年間

当社

 

 

マテリアリティ

重要方針

KPIカテゴリ

取り組み/目標

達成期限

実績・進捗状況・トピック

(2024年2月期)

対象範囲

責任ある企業と経営基盤の確立

コーポレート・ガバナンスの強化

中期経営計画

中期経営計画の達成(2026年2月期:売上605億円/営業利益56.5億円/営業利益率9.3%)

2026年

2024年2月期:売上497億円、営業利益41億円、営業利益率8.2%

当社グループ

取締役会への参加率(100%)

継続

98%

当社

取締役会の実効性評価(1回実施/年間)

継続

1回/年間

当社

法令遵守/社会的規範

コンプライアンス

重大不祥事/法令違反ゼロ

継続

0件

当社

情報セキュリティ/プライバシー保護

情報セキュリティ

情報セキュリティ/個人情報保護研修(各1回/年)

継続

研修各1回を

実施

当社

 

 

(2)気候変動

<環境方針>

当社グループは、グループ統括理念である「人の能力は、無限の可能性を秘めています。私たちはその能力を最大限に引き出し、人と社会の幸せのために貢献します。」に基づき、事業活動で生じる環境負荷の低減に向けた取り組みを行うとともに、持続可能な社会の実現に向けた責務を果たすための指針として、環境方針を以下のとおり定めております。

 

・事業活動を通じた環境問題への貢献

事業活動を通じ、地球環境問題解決への貢献に努めます。

 

・環境負荷低減活動の取り組み

持続可能な社会を実現するため、事業活動による環境への影響を正しく認識・評価しながら環境に配慮した活動を行うとともに、省エネルギー・省資源、廃棄物削減等についても積極的に推進し、環境負荷低減活動に取り組みます。

 

・環境コンプライアンス遵守

環境関連法規、条例等の規制、環境に関する国内外の法令・規制等を遵守します。また、事業活動における環境への影響を考慮し、誠意を持った行動に努めます。

 

・多様で豊かな生態系の保全と再生

当社グループは、事業活動における生態系に及ぼす影響に配慮し、生物多様性の保全と再生の取り組みを推進します。

 

・環境教育と啓発活動

当社グループは本方針を全役職員に周知徹底するとともに、環境教育や啓発活動を通じて一人ひとりが環境に対して意識的に行動するための基盤を醸成します。

 

・情報開示とコミュニケーション

本方針の内容、当社グループの環境保全活動について、ステークホルダーへの情報開示と積極的なコミュニケーションにより、相互理解と協力関係の強化に努めます。

<環境マネジメントシステム>

当社グループは、「環境方針」に基づき、事業活動で生じる環境負荷の低減、生態系の保全と再生の推進に向けた取り組みを効果的に実施するため、当社グループ独自の環境マネジメントシステム(EMS)を構築し、PDCAによる継続的な改善に取り組んでおります。

※当社グループでISO14001等の環境マネジメントシステムの認証を受けている事業所はありません。

 

 

<気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応>

当社グループは、気候変動問題をサステナビリティ経営上の最重要課題であると捉えるとともに、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しております。そのような状況下、当社は、2021年10月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関等からなるTCFDコンソーシアムに加入いたしました。当社はTCFD提言を気候変動対応の適切さを検証し、組織内外に開示するためのガイドラインとして活用し、TCFDによる提言(4つの開示推奨項目である「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」)に基づき、気候関連のリスクと事業機会について分析を進め、事業戦略への影響を把握し対策を検討するとともに、質と量の情報開示の充実に取り組んでまいります。

 

①  ガバナンス

(イ)気候関連のリスクと機会に対する取締役会の監督体制

当社グループでは、気候変動問題を含めた環境方針および関連する重要事項について、取締役会で審議・決議しています。取締役会では、気候変動に関するリスクと機会について少なくとも年1回以上サステナビリティ委員会より報告を受け、課題への取り組みを確認、監督しております。

 

(ロ)気候関連のリスクと機会の評価と管理における経営陣の役割

サステナビリティ委員会は、代表取締役が委員長を担い、常勤取締役、執行役員によって構成されております。サステナビリティ委員会は、年に2回以上、気候変動問題を含めたサステナビリティ経営をグループ全社で横断的に協議・推進します。気候変動に関する協議、決定事項については、少なくとも年に1回取締役会への報告を行っております。

 

②  戦略

(イ)気候関連のリスクと機会

当社グループでは、「プロフェッショナルとともに事業を創造することにより、豊かな社会を創る」ことを目標に、経営の最重要マテリアリティである、「プロフェッショナルの叡智を活用した環境への取り組み」に向け、当社グループの事業活動について、気候変動がもたらす、リスクと機会を抽出いたしました。

 

a  リスク項目

TCFD類型による移行リスクと物理リスクに対して、気候変動がもたらす当社グループへの大きなリスク影響は受けない旨の判断をいたしました。ただし、将来的な省エネ規制を見据えた、省エネ対応を推進すること、気候変動に対する世評の高まりに適切な対応をしていくこと、気候変動を要因とする自然災害発生時の対応計画の策定を進めてまいります。

区分

想定される事象

当社へのリスク

対策

現在の規制

1.カーボンプライシングメカニズム

2.排出量報告義務の強化

3.既存の製品およびサービスに対す

る命令および規制

事業形態及び現時点での法規制を勘案し、サステナビリティ委員会では、現在の規制に関する当社への影響は小さい旨の判断をいたしました。

新たな規制

1.カーボンプライシングメカニズム

2.排出量報告義務の強化

3.既存の製品およびサービスに対す

る命令および規制

炭素税導入による税負担増と再エネシフトによる電力コストの増

・将来的な省エネ規制を

見据えて、省エネ対応を推進

法的リスク

訴訟リスク

プロフェッショナル・エージェンシーが当社の中心事業であり、気候変動に影響を及ぼす製品等の開発、製造、販売を行っていないことから、サステナビリティ委員会では訴訟リスクは少ないと判断いたしました。

 

 

区分

想定される事象

当社へのリスク

対策

技術リスク

1.既存の製品・サービスを排出量の

少ないものに置換

2.新技術への投資失敗

3.低排出技術への移行

プロフェッショナル・エージェンシーが当社の中心事業であり、気候変動に影響を及ぼす製品等の開発、製造、販売を行っていないことから、サステナビリティ委員会では低炭素やエネルギー効率に関わる技術リスクは少ないと判断いたしました。

市場リスク

1.変化する顧客行動

2.市場動向の不確実性

3.原材料のコスト増

1.2.プロフェッショナル、クライアントの環境志向が高まってきており、環境に優しいものを選択するというリスク

3.電力市場の価格に関してのリスク

・気候変動に対する世評

の高まりに適切な対応

評判リスク

1.消費者の嗜好の移り変わり

2.セクターの非難

3.ステークホルダーの懸念または否

定的なステークホルダーからの

フィードバック

世の中全体がサステナビリティ(気候変動)に対して意識が向く中、対応が進んでいない企業と認識をされた場合、求人側募集のリスク

・気候変動に対する世評

の高まりに適切な対応

緊急性の物理リスク

1.台風や洪水などの異常気象の重大

性と頻度の上昇

2.山火事の可能性と重大性の上昇

1.当社の事業所立地場所の状況等から、事業所の浸水等のリスクは低いと考えられますが、一方で、台風や洪水により事業所・公共機関・従業員が影響を受け業務遂行に支障をきたした場合は、中~大規模のリスクが考えられます。また保険料の上昇による当社へコスト増加の影響が考えられます。

2.当社のオフィス立地場所から、関連するリスクへの影響はない旨の判断をいたしました。

・災害発生時の対応計画

の策定

慢性の物理リスク

1.降水パターンの変化や気象パター

ンの極端な変動

2.平均気温上昇

3.海面上昇

平均気温の上昇、酷暑日の増加による電力需要のひっ迫に伴う空調費用の上昇リスクが考えられます。また、地球温暖化が原因となる異常気象に伴う災害リスクは中~大規模リスクが考えられます。

・省エネ施策の実施

・災害発生時の対応計画

策定、浸水対策

・災害発生時のBCP対応計

画策定

 

 

b  機会項目

気候変動の解決を目指す新たな市場が創出され、政府・自治体、企業などの団体が今までの枠組みを超える協業プロジェクトが増えると考えられます。『プロフェッショナルを軸とした事業活動を通じて、多くの社会課題や環境課題を解決していく』当社グループが目指す事業活動に基づき、戦略を抽出しております。

区分

想定される事象

機会を取り込む戦略

資源の効率性/エネルギー源

省エネ・再生可能エネルギー技術の普及

・省エネ・再生可能エネルギー産業のマー

ケット拡大に伴い、携わる研究職を中心

としたプロフェッショナル人材の活躍

市場/サービス

・気候変動の解決を目的とする新たな

分野の創出

・脱炭素社会に向けた政府、地方自治

体、民間企業との共創機会の増加

・医療、建築、Quality of Lifeなど、サ

ステナビリティに関連する分野の人材市

場のマーケット拡大

・気候変動に関わる新たな事業分野に参入

することによる収益の増加

・自治体・企業との協業を通じた収益機会

の獲得

・当社グループが出資する環境課題解決を

テーマに掲げるスタートアップ企業の価

値向上

 

(ロ)気候変動に関するシナリオの策定

当社グループの事業活動に甚大な影響を及ぼす可能性がある主要リスクについて、「2℃以下シナリオを含む、様々な気候変動関連シナリオに基づく検討」を行うため、IPCCやIEA等のシナリオを参考に、TCFDが推奨する典型的な気候関連リスクと機会を参考に分析いたしました。 今後、サステナビリティ委員会が中心となり、より定量的な財務影響と目標、進捗管理を行い、全社的な活動を構築、推進してまいります。

 

シナリオ分析範囲:売上比率、気候変動への関係性等を軸に選定

項目

シナリオ分析対象範囲

地域

海外を含む全エリア

事業範囲

全事業

企業範囲

連結子会社

 

想定シナリオ:パリ協定の目標である「1.5℃」とCO2排出量削減が不十分な「4℃」のシナリオを想定

1.5℃シナリオ

・気候変動対応の厳しい法規制施行による事業運営コストの増加

・エネルギーコストの高騰に伴う、事業運営コストの増加

・社会の環境意識の高まりによる新たなマーケットの獲得

・脱炭素DX支援、CSV経営、CSVプロモーション需要の拡大

4℃シナリオ

・気候変動を理由とした従業員、プロフェッショナルの健康リスクの上昇

・自然災害の多発による事業所の被災と災害からの復旧コストの増大

・急激なエネルギーコストの高騰に伴う、事業運営コストの増加

・気候変動に伴う新たなニーズ、マーケットの拡大とビジネスの獲得

 

参照した主な気候変動に関するシナリオ群

・IEA, NZE2050

IEAによる「World Energy Outlook 2020」にて示されたシナリオの1つ。パリ協定の目標を上回る1.5℃シナ

リオにあたり、2050年以前に排出量ゼロを目指すシナリオ。

 

・IPCC, RCP8.5

IPCCによる「第5次評価報告書」にて示されたシナリオの1つ。高位参照シナリオで、2100年における温室

効果ガス排出量の最大排出量に相当するシナリオ。

 

・公益財団法人地球環境産業技術研究機構、2050年カーボンニュートラルのシナリオ分析(中間報告)

2050年カーボンニュートラル実現のためのエネルギー供給目標などが記載されている政府資料。

 

③  リスク管理

(イ)気候変動のリスクと機会を特定し評価する仕組み

サステナビリティ委員会では気候関連に係るリスクについて、社内の関係部署とグループ会社の情報をもとにリスクと機会を特定し、評価を行っております。評価を行った上、影響度が大きい事項に関しては取り組みを実行計画に落とし込み、議論しながら実行計画の進捗確認、管理を行い、最終的に取締役会へ報告いたします。

 

(ロ)気候変動のリスクを管理する仕組み

サステナビリティ委員会で特定した気候変動リスクについては、取締役会へ報告・提言を行っております。取締役会は、気候変動に関するリスク管理の状況と対応について報告を受け、監督を行っております。

 

(ハ)総合的リスク管理の仕組み

サステナビリティ委員会で特定した、影響度が大きい気候変動リスクについては、リスクマネジメント委員会、執行役員会と連携をはかり、全社リスクに統合しております。必要に応じ、リスクマネジメント委員会で全社対応するリスク項目として、リスク対策を議論・策定し、リスク管理を実行いたします。

 

 

④  指標と目標

(イ)気候関連のリスクと機会の管理に用いる指標

当社グループでは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、温室効果ガス排出量を指標として定めております。また、当社グループの事業形態は、製品等の開発、製造などを行う自社設備を保有していないため、自社で再生可能エネルギー導入を進めることは容易ではありませんが、あらゆる角度から検討し、Scope2の排出量の削減目標を立ててまいります。

 

(ロ)温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)

2020年度から、当社の温室効果ガス排出量の算定に取り組んでおります。当社の2020年2月期のScope2の排出量は、603t-CO2となり、2020年を基点に2030年までにScope1+Scope2を40%削減とすることを目指しております。今後、温室効果ガスの排出量算定の範囲を連結対象の当社グループに広げ、順次Scope3の排出量を含む削減目標の設定を検討してまいります。

 

(ハ)気候関連リスク・機会の管理に用いる目標および実績

気候変動をはじめとする環境問題は世界で大きな共通のテーマとして掲げられており、当社グループはこのテーマの課題解決を行うことが、大きな変革とチャンスにつながると考えております。当社グループでは、2021年に持続可能な社会の実現に向けた活動指針として、「サステナビリティ基本方針」を新たに策定するとともに、重点的に取り組むべき「マテリアリティ(重要課題)」を特定いたしました。特定した5項目のマテアリティ(重要課題)のうち、「プロフェッショナルの叡智を活用した環境への取り組み」では、重要方針として、「脱炭素社会への実現」、「循環型社会の実現」、「自然共生社会の実現」を目指しております。当社グループの事業運営に伴う温室効果ガスの削減目標の設定とともに、同グループがネットワークするプロフェッショナルの知見を活かした気候関連リスクに対処するための目標設定を検討してまいります。

 

(3)人的資本・多様性

<当社グループ人的資本経営の考え方>

当社グループは、人材こそが最大の資産との考え方のもと、多様な人材が自らの可能性を最大限に引き出せるよう、人材育成投資をはじめとした、社内環境整備を推進しております。「経営資産は人」「戦略は人」すべての原資は人と考え、その能力を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげてまいります。また、当社グループがネットワークしている各産業界のプロフェッショナル人材についても、能力を最大限に発揮できるための機会の提供や環境整備を行い、産業界の発展に貢献してまいります。

 

<人的資本経営推進方針>

・企業理念の理解と浸透度の高い組織の構築

・様々なプロフェッショナルが活躍できる機会と環境の創出

・プロフェッショナルネットワークによる新規ビジネスの創出

 

<解決すべき課題(目指すべき姿)>

・企業理念と行動規範、カルチャーの醸成

・企業理念を具現化するためのリーダーの育成と経営人材の創出

・プロフェッショナルの育成による、産業界への優秀な人材の輩出

・プロフェッショナルの融合による、新サービスや商品、仕組みの提案

・C&Rクリエイティブスタジオのメタバース化やグローバル展開

 

①  人的資本経営の取り組み(戦略)

(イ)企業文化の定着

企業理念、企業の存在意義や持続的な企業価値の向上につながる当社グループのカルチャー醸成のために、経営者、経営幹部が参加する会議だけでなく、社員が集まる全社ミーティング等でも経営目標や実績を共有しています。このような理念に基づいた教育や研修方針で、プロフェッショナルの真のパートナーとなるべく、カルチャーと共に社員の経営マインドや事業創成マインドを醸成しております。

 

(ロ)経営戦略と人材戦略の連動

経営人材の育成として、当社グループ会社の非常勤取締役に当社の本部長、部長クラスから選抜したメンバーを任命しています。企業経営を実地で学ぶ機会の創出によって経営視点での経験を積み、社員の自己成長を企業の成長へとつなげております。

 

(ハ)リスキル・学び直し

a  プロフェッショナルである専門職の先輩社員が後輩に対し、業務に必要な知識やスキルを実践しながら

伝承する「OJT(On The Job Training)」の充実や研修機会を提供することで、一人ひとりに合わせたきめ

細かな成長を促進しております。

 

b  当社グループがネットワークしているプロフェッショナルが自分の能力を研鑽して高められるように、

登録者であれば無償で受講できるセミナーを年間100回以上開催しております。また、業界未経験者が実践

的な講義を経てクリエイターとして就職できる無償の講座(C&Rクリエイティブアカデミー)を開講するな

ど、様々な分野で潜在能力を活かすための人材育成や環境整備の支援を行い、産業界の発展に貢献しており

ます。

 

(ニ)知と経験のダイバーシティ&インクルージョン

a  多様な個人の掛け合わせで、クリエイティブ領域での新しい価値を創造することを目的とした「C&Rクリ

エイティブスタジオ」では、国籍や人種、性別に関わらず、経験者が経験の浅い人材を育成しながら高品質

のコンテンツを制作しています。ゲーム、映像、Web、XR、建築など様々な分野のクリエイティブを有機的

に融合しながら、個人のクリエイティブ能力を高める手助けとなっております。

 

b  プロフェッショナルである専門職が自分の経験や知識を定期的に別のプロフェッショナルや社員に教示

するミーティングやリーダー研修を定期的に開催し、アイデアの共有とネットワークの強化、それらの掛

け合わせによってイノベーションや個人の成長と共に組織の成長へと結び付けております。

 

(ホ)従業員エンゲージメント

a  社員の仕事に対するモチベーションや状態を把握するために、パルスサーベイを行っております。現在は

社員の4割程度の試験的運用ですが、PDCAを繰り返した上で調査項目の精査や運用方法の確立などを行

い、全社員への運用に向けた準備を進めております。

 

b  業績の成果だけでなく当社グループの理念に沿った行動をしている優秀な社員を評価・表彰する仕組みを

構築しております。毎期の人事評価項目で、理念やコンプライアンス順守の状況と成長指標であるコンピテ

ンシーを重視し、評価会議で確認を行っているほか、年2回、業績以外を重要指標とした社長賞特別表彰を

行っております。

 

②  人権方針

当社グループは、グループ統括理念である「人の能力は、無限の可能性を秘めています。私たちは、その能力を最大限に引き出し、人と社会の幸せのために貢献します。」に基づき、事業活動に関わるすべての人々の人権・個人の尊厳を尊重します。また、「世界人権宣言」「国連ビジネスと人権に関する指導原則」といった国際原則に従った人権尊重の取り組みを推進し、個々の個性や能力を最大限発揮できる労働環境を整える積極的な取り組みを行っております。

 

・人権尊重
当社グループの全役職員は、企業活動において個人の多様な価値観を認め、人権を尊重し多様性を積極的に活かすことを心掛け、持続可能な社会の発展に貢献します。

 

・対象範囲
本方針は、当社グループのすべての役職員を対象としています。またグループの事業活動に関わる全てのステークホルダーにおいて、本方針を理解いただき、人権侵害されないことを目指します。

 

・ハラスメント防止
性別、年齢、社会的地位、障がいの有無、思想、信条、宗教、人種・民族・出身・性自認、性的指向・疾病などによるあらゆる差別及びハラスメントを許容しません。

 

・強制労働・児童労働の禁止
あらゆる形態の強制労働や人身取引、児童労働を禁じ、人権を侵害する労働慣行の是正や根絶に取り組みます。

 

・福利厚生
賃金、労働時間、超過勤務時間及び福利厚生に関する適用法の遵守に取り組みます。また、法令遵守に留まらない過剰な労働時間の削減に取り組みます。

 

・従業員の健康の維持
健全な職場環境を提供すると共に、安全・衛生に関する法令、規制、規定を遵守し、健康リスクへの適切な対応の維持に取り組みます。

 

・個人情報の取り扱い
個人情報保護法など、関連法令及び個人情報保護基本方針「プライバシーポリシー」に従い、個人のプライバシー侵害をいたしません。また、顧客企業、ユーザー、ビジネスパートナー、従業員をはじめとした、事業に関わる全ての皆さまの個人情報の管理に十分注意し、業務上必要な目的以外に利用しません。

 

・人権尊重に向けた取り組み・体制
人権侵害の発生を防ぐための適切な対応窓口を設けることで、実効性のある対策の仕組みづくりを行います。当社グループの全役職員は、内部通報制度を利用し人権に関する相談や通報ができます。また、一般に公開されたコーポレートサイトの問い合わせ窓口には、あらゆるステークホルダーから人権に関する相談ができます。人権方針の推進は、最高経営責任者を含むサステナビリティ委員会によって所管され、全役職員や外部ステークホルダーに対し浸透を進め、人権啓発活動の積極的な推進をはかります。

③  人材育成

当社グループは、グループ統括理念である「人の能力は、無限の可能性を秘めています。私たちは、その能力を最大限に引き出し、人と社会の幸せのために貢献します。」に基づき、この理念を具現化できる人材を育成することを基本方針としています。当社グループでは、人材こそが最大の資産という考え方のもと、多様な働き方の多様な人材が数多く活躍しており、多様な人材が、自らの無限の可能性を、自律的に最大限引き出せるよう、人材育成投資をはじめとした、社内環境整備を推進してまいります。

 

・人材育成体系

人材育成体制は、組織開発と人材開発の両軸で体系化しています。

 

・組織開発

理念の浸透、多様な働き方におけるエンゲージメントの向上、ハラスメント研修による多様性の確保に向けた

社内環境の整備、多様な人材の多様な働き方におけるキャリア開発に取り組んでいます。

 

・人材開発

集合研修(Off-JT)、OJT、自己啓発により、総合職、専門職それぞれに多様な人材育成に取り組んでおりま

す。

 

・集合研修(Off-JT)

階層別研修として、総合職、専門職の階層別に「役割軸」の研修プログラムを展開しています。

職能別研修として、専門職ナレッジシェアミーティングと専門技術研修を開催しています。

職能別研修として、労働関連法規に関する知識研修を展開しています。

課題別研修として、事業組織単位で、ワークプレイスラーニングを展開しています。

 

・OJT

多様なキャリア開発支援を目的とした、経験学習モデル理論に基づく1on1ミーティングリーダー研修を展開

しています。

多様なキャリア開発支援を目的として、専門職キャリアマップを作成し、専門職のキャリアパスの見える化を

はかっています。

 

・自己啓発

自己啓発支援制度により、多様なキャリア開発につながる学習支援をしています。

 

 

④  健康経営の推進

<当社グループ健康宣言>

可能性を最大化する健康づくり

当社グループの統括理念である「人の能力は、無限の可能性を秘めています。私たちは、その能力を最大限に引き出し、人と社会の幸せのために貢献します。」を達成するために、私たちは、社員一人ひとりの健康に配慮することで、大きな成果が生み出されると考えております。

独自の健康保険組合を設立運営するほか、社員の健康支援のための専門部署を設置し、随時連絡可能な健康相談を行うことをベースに、併せて社員が自由に参加できるスポーツなどの部活動の促進、強力な感染症の流行に対応するための対策本部の設置など、社員の健康をはかってまいります。

私たちは、健康基盤を強固にし、一人ひとりの可能性を育てることで人と社会の幸せのために貢献してまいります。

 

<当社グループの目指す健康経営基本方針>

・社員自らが自身の健康状態を把握し必要なアクションを選択、自ら実行していくことを目指します。

・自ら実行していくために、必要な知識の習得・アクションの機会を提供していきます。

 

<健康経営の推進体制>

代表取締役を最高責任者に位置付け、産業医や健康保険組合と連携しながら、全社で健康経営を推進してまいり

ます。

 

〇健康経営戦略マップ

健康経営が目指すもの、「基盤」「施策」「課題」「目指す姿」の相関を健康経営戦略マップとしてまとめ、心

身ともに健康で元気に働くことができる職場環境の実現に向けての活動を可視化しております。

 

 

<健康経営優良法人2024に認定>

 

当社は、2024年3月11日、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に2年連続で認定されました。

また、当社グループでは、医療分野の株式会社メディカル・プリンシプル社及び株式会社コミュニティ・メディカル・イノベーションが「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に、障がい者雇用特例子会社である株式会社One Leaf Cloverが「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」に認定されました。

当社グループは現在、「可能性を最大化する健康づくり」の健康宣言のもと、独自の健康保険組合の設立運営や健康施策の推進、教育・コミュニケーションの活性化など、様々な取り組みを実施しております。今後も、社員の健康の維持・増進に対する取り組みと組織的な健康づくり、また、社員自らが実行していくために必要な知識の習得やアクションの機会を提供することなどを通じて、健康経営の取り組みを積極的に推進してまいります。