人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,402名(単体) 4,413名(連結)
-
平均年齢40.1歳(単体)
-
平均勤続年数10.8年(単体)
-
平均年収11,229,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年12月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
金融ソリューション |
857 |
(404) |
ビジネスソリューション |
495 |
(273) |
製造ソリューション |
733 |
(324) |
コミュニケーションIT |
1,306 |
(530) |
報告セグメント計 |
3,391 |
(1,531) |
全社(共通) |
1,022 |
(104) |
合計 |
4,413 |
(1,635) |
(注)1. 従業員数は、就業人員について記載しております。
2. 臨時従業員(人材会社からの派遣社員)は、年間の平均人員を()内に外数で記載しております。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門等に所属しているものであります。
4.従業員数が前連結会計年度末に比べ761人増加しておりますが、主に連結子会社の新規取得および採用の増加によるものであります。
(2)提出会社の状況
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|
|
2024年12月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
2,402 |
40.1 |
10.8 |
11,229 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
金融ソリューション |
367 |
(238) |
ビジネスソリューション |
360 |
(240) |
製造ソリューション |
449 |
(243) |
コミュニケーションIT |
500 |
(337) |
報告セグメント計 |
1,676 |
(1,058) |
全社(共通) |
726 |
(71) |
合計 |
2,402 |
(1,129) |
(注)1. 従業員数は、就業人員について記載しております。
2. 臨時従業員(人材会社からの派遣社員)は、年間の平均人員を()内に外数で記載しております。
3. 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門等に所属しているものであります。
(3)労働組合の状況
提出会社においては、労働組合は結成されておりませんが、「労使委員会」を設け、労使間のコミュニケーションを図っており、労使関係は円満に推移しております。
なお、連結子会社においても労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度 |
|||||
管理職に占める 女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1、4 |
|||
育児休業等取得率 (注)2 |
育児休業等+ 育児目的休暇取得率 (注)3 |
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
|
6.0 |
64.2 |
92.5 |
74.8 |
76.0 |
40.8 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、当社の賃金制度における男女の取り扱いの差はなく、階層別の人員構成の差によるものであります。正規雇用労働者とパート・有期労働者における差につきましても、同様に階層別の人員構成の差によるものであります。
② 連結子会社
当事業年度 |
||||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1、4 |
|||
育児休業等取得率 (注)2 |
育児休業等+ 育児目的休暇取得率 (注)3 |
全労働者 |
うち 正規雇用 労働者 |
うち パート・ 有期労働者 |
||
株式会社電通総研IT |
6.1 |
75.0 |
100.0 |
86.8 |
86.6 |
90.1 |
株式会社電通総研セキュアソリューション |
7.2 |
50.0 |
81.8 |
78.5 |
77.2 |
90.6 |
株式会社ミツエーリンクス |
8.8 |
66.7 |
66.7 |
69.1 |
70.2 |
89.1 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、当社の賃金制度における男女の取り扱いの差はなく、階層別の人員構成の差によるものであります。正規雇用労働者とパート・有期労働者における差につきましても、同様に階層別の人員構成の差によるものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般
当社グループは、以下のサステナビリティ方針のもと、サステナブルな社会の実現に貢献する経営を推進しております。
サステナビリティ方針
当社グループは、「誠実を旨とし、テクノロジーの可能性を切り拓く挑戦者として、顧客、生活者、社会の進化と共存に寄与する。」と定めた企業理念のもと、テクノロジーの活用・実装を通して、サステナブルな社会の実現を目指します。
・豊かな地球環境の保全と、人々が幸福感をもって暮らせるサステナブルな社会づくりに貢献します。 ・人権と多様性を尊重し、健康に配慮した働きやすい環境を整備します。 ・当社グループ全体を包含する、透明性の高いガバナンス体制を構築します。
活動の範囲と指針 ・当社グループが関わるバリューチェーン全体を活動の範囲とします。 ・すべてのステークホルダーに対して、適切な情報公開と責任ある対話を行います。 ・当社グループすべての従業員へ教育を行い、エンゲージメントの向上を促し、活動の浸透を図ります。 ・取締役会の適切な監督のもと、継続的改善活動を通して強固なサステナビリティ推進体制を構築します。
|
① ガバナンス
サステナビリティに関する取り組みを総合的に推進することを目的に、代表取締役社長を議長とし、経営会議メンバーおよび監査等委員である常勤社外取締役で構成する「サステナビリティ推進会議」を設置しております。本会議は、傘下の委員会や関連する部署と連携して、サステナビリティに関する活動方針や重要事項の決定・モニタリング、全社的なリスク管理に関する活動計画の承認・モニタリング等を実施し、その内容を取締役会に報告しております。
開催頻度は原則年3回、必要に応じ追加開催しており、これまでの活動状況は以下のとおりです。
開催実績 |
2022年:計4回、2023年:計3回、2024年:計3回、2025年:計2回 |
主な議題 |
年間活動計画と進捗報告、重要課題(マテリアリティ)の特定・一部見直しとモニタリング、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示、エンゲージメント調査の結果報告、最重要リスクの特定とモニタリング、傘下の委員会の活動報告等 |
② 戦略
当社グループはサステナビリティ方針のもと、中期経営計画「X Innovation 2024」における重点施策の1つとして「サステナビリティ推進」を掲げ、ステークホルダーと当社グループの双方にとって特に重要であり優先的に取り組むべき事項として、「人」「テクノロジー」「ガバナンス」に関する3つの重点テーマと関連する11の重要課題を2022年9月に特定いたしました。当社グループは、重要課題に対して実効性のある活動を進め、サステナブルな社会づくりに引き続き貢献してまいります。
<2022年9月~2024年12月の重要課題>
重要課題の特定プロセスは以下のとおりです。
1.課題要素の抽出
SDGs等のイニシアチブ、GRIスタンダードやSASBスタンダード等の国際的なガイドライン、FTSEやMSCIをはじめとするESG評価機関等が求める事項を参照・分析し、40項目の課題要素を抽出しております。
2.課題要素の重要度評価
上記1.で抽出した課題要素について、「ステークホルダー」と「当社グループ」の2つの視点から重要度の評価を実施しております。(当社グループの視点については、「社会や環境が自社グループに与える影響」や「自社グループが社会や環境に与える影響」を考慮し、機会とリスクの両面から評価しております。)
<2022年9月~2024年12月の重要課題特定プロセス>
3.内容の整理と妥当性の確認
上記2.で抽出した重要度が高い課題要素に対して、企業理念、長期経営ビジョン、中期経営計画、電通グループの取り組み等との関連性も踏まえて内容を整理するとともに、KPIや目標等を検討しております。また、外部有識者にも意見を仰ぎ、妥当性を確認しております。
4.重要課題の特定
サステナビリティ推進会議での決議を経て、重要課題を特定しております。
なお、2025年1月には新中期経営計画「社会進化実装 2027」に合わせて、重要課題の一部を見直し、以下のとおり更新しております。
<2025年1月以降の重要課題>
③ リスク管理
取締役会の監督のもと、「サステナビリティ推進会議」が主体となり、事業活動にあたり想定される全社的なリスクの識別と評価、最重要リスクの抽出、リスク所管部署や責任者の決定、リスク対応計画の策定指示、対策実行状況のモニタリングを実施しております。リスク管理の詳細は「3.事業等のリスク」をご参照ください。
④ 指標及び目標
特定した重要課題ごとにKPIと目標を設定し、サステナビリティ推進会議および取締役会で取り組みの進捗を確認しております。2022年9月に設定した重要課題に関するKPIと目標および実績については以下のとおりです。
重要課題 (注)1 |
KPI |
目標 |
達成 時期 |
対象 範囲 (注)2 |
当連結 会計年度 実績 |
人的資本の強化 |
人員数 |
連結人員数4,200名超 |
2024年 |
連結 |
4,413名 |
ダイバーシティ・ エクイティ& インクルージョン(DE&I)の推進 |
女性管理職比率 |
8% |
2026年 |
単体 |
6.0% |
女性採用比率 |
20%以上 (直近3事業年度平均) |
毎年 |
単体 |
22.3% |
|
ワークスタイル トランスフォー メーションの推進 |
定期健康診断受診率 |
100% |
毎年 |
単体 |
99.8% (注)3 |
エンゲージメントスコア |
「働きがいのある会社」調査のスコア向上 |
毎年 |
単体 |
肯定的回答割合 71% |
|
社会・環境課題の 解決への貢献 |
テクノロジー投資 |
3か年累計投資額170億円 |
2024年 |
連結 |
39億円 (3か年累計108億円) |
コーポレート ガバナンスの強化 |
取締役会の実効性評価 |
実効性の確保・向上 |
毎年 |
連結 |
実効性は 確保されていると評価 |
倫理コンプライアンスの徹底と人権の尊重 |
重大な法令違反件数 |
0件 |
毎年 |
連結 |
3件 (注)4 |
倫理コンプライアンス関連(ハラスメント含む)の 研修(eラーニング)受講率 |
100% |
毎年 |
国内G |
98.5% (注)5 |
|
品質の向上 |
レビューボード(RB) 実施率 |
100%(1億円以上の 提案) |
毎年 |
単体 |
100% |
情報セキュリティ 管理の強化 |
全社セキュリティ教育/ 訓練等の年間実施回数 |
6回/年(2か月に 1回) |
毎年 |
単体 |
6回/年 |
重大な顧客案件関連情報 および個人情報の漏えい 事故件数 |
0件 |
毎年 |
国内G |
0件 |
(注)1.重要課題のうち「オープンイノベーションによる新規事業の創出」「技術実装力の発揮」および「適切なリスクマネジメントの実践」については、KPIは設定せず、毎年の活動実績を別途公表しております。
2.各項目のカバー範囲は以下のとおりです。
単体:当社単体、国内G:国内連結子会社、連結:国内外連結子会社
3.4月1日から3月31日までの1年間を集計期間としているため、2023年4月1日から2024年3月31日までの実績を記載しております。
4.当社および国内グループ会社従業員の懲戒事案となります。
5.当連結会計年度の実績は集計中のため、前連結会計年度の実績を記載しております。
なお、2025年1月の重要課題の一部見直しに伴い、新たに設定したKPIと目標は以下のとおりです。
重要課題 (注)1 |
KPI |
目標 |
達成 時期 |
対象 範囲 (注)2 |
人的資本の強化 |
人員数 |
6,000名 |
2027年 |
連結 |
1人あたり営業利益 |
525万円 |
2027年 |
連結 |
|
1人あたり教育費 |
200千円 |
2027年 |
単体 |
|
エンゲージメントスコア |
「働きがいのある会社」調査のスコア70%以上継続 |
毎年 |
単体 |
|
プレゼンティーイズム損失割合(注)3 |
12% |
2027年 |
単体 |
|
アブセンティーイズム損失日数(注)4、5 |
4.0日以内 |
毎年 |
単体 |
|
DEIの推進 |
女性管理職比率 |
16.5% |
2030年 |
単体 |
女性採用比率 |
30% |
毎年 |
単体 |
|
障がい者の定着率 |
1年経過90%以上 |
毎年 |
国内G1 |
|
社会・環境課題の 解決への貢献 |
地域創生関連売上高 |
50億円 |
2027年 |
単体 |
新規事業の創出 |
R&D投資 |
3か年累計投資額150億円 |
2027年 |
連結 |
技術実装力の発揮 |
高度デジタルPJリード人材(仮称) |
(検討中) |
||
コーポレート ガバナンスの強化 |
取締役会の実効性評価 |
実効性の確保・向上 |
毎年 |
連結 |
倫理コンプライアンスの徹底と人権の尊重 |
重大なコンプライアンス違反件数 |
0件 |
毎年 |
連結 |
倫理コンプライアンス関連(ハラスメント含む)の研修受講率 |
100% |
毎年 |
国内G2 |
|
重要サプライヤーに対する調達アンケートの回答率 |
100% |
毎年 |
単体 |
|
情報セキュリティ 管理の強化 |
情報セキュリティ順守に関する研修受講率 |
100% |
毎年 |
単体 |
重大な顧客案件関連情報および個人情報の漏えい事故件数 |
0件 |
毎年 |
国内G2 |
(注)1.重要課題のうち「適切なリスクマネジメントの実践」については、KPIは設定せず、毎年の活動実績を別途公表しております。
2.各項目のカバー範囲は以下のとおりです。
単体:当社単体、国内G1:株式会社エステックと株式会社ミツエーリンクスを除く国内連結子会社、国内G2:国内連結子会社、連結:国内外連結子会社
3.プレゼンティーイズムとは、健康問題が理由で生産性が低下している状態を指します。
4.アブセンティーイズムとは、健康問題による仕事の欠勤(病欠)を指します。
5.損失日数とは、勤務継続中の従業員のうち、体調不良による休暇取得状況を指します。
(2)気候変動
気候変動への対応については、TCFDフレームワークに準拠して記載しております。
① ガバナンス
当社は、「(1) サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載のとおり、「サステナビリティ推進会議」傘下の「エコ・プログラム推進委員会」にて、環境負荷の低減や環境保全に寄与する取り組みを推進するとともに、TCFD提言に基づく情報開示を進めております。
② 戦略
当社グループは、気候変動への対応を中長期的な企業価値に影響を与える重要な課題と認識しており、2つのシナリオ(1.5℃シナリオと4℃シナリオ)を設定し、2030年と2050年を基準年として気候変動関連の機会とリスクの分析および評価を行いました。なお、シナリオ設定にあたりインパクトを試算する際のパラメーターは、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、国際エネルギー機関(IEA)の情報を参考に1.5℃シナリオ、4℃シナリオを使用しております。
その結果、どちらのシナリオにおいても移行リスク(低炭素社会へ移行した際に想定されるリスク)および物理的リスク(気候変動による物理的変化に関するリスク)が当社の財務等に与える影響は極めて小さいと想定される一方、1.5℃シナリオを前提とした場合には、ソリューションの提供機会拡大など、当社にとって収益拡大の機会増加が見込まれることから、当社グループの事業活動は持続可能であり、レジリエンス(強靭性)があると評価しております。
■機会への主な対応
当社グループは、気候変動対策に関連するビジネス機会において、電通グループ各社や企業・団体と連携し、脱炭素化・サーキュラーエコノミーの実現やサステナビリティ経営を支援するソリューションの新規開発および提供など、積極的に取り組んでおります。また当社は、2023年から「GXリーグ」に参画し、グリーン市場創造のためのルールづくり等に取り組んでおります。
■リスクの低減に向けた主な対応
気候変動リスクによる財務的影響は、当社グループにおいては限定的であると分析しておりますが、さらにリスクを低減すべく、環境マネジメントシステムに関する国際規格である「ISO14001」に沿った確実な運用に加え、再生可能エネルギー比率の向上やカーボン・クレジット等の活用を通して、CO₂排出量の削減を図ります。
CO₂排出量による財務影響の1つとして、政府の環境規制強化に伴う炭素税の導入によるものが考えられます。当社のCO₂排出量が2021年度と同等の場合の1.5℃シナリオおよび4℃シナリオにおける、2030年および2050年の炭素税導入による影響額試算は下図のとおりです。
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理の詳細は「3.事業等のリスク (3)主要なリスク ②その他重要リスク へ.気候変動に関するリスク」をご参照ください。
④ 指標及び目標
当社は、気候変動における機会とリスクの測定および管理に用いる指標をCO₂排出量とし、当社グループのCO₂排出量(Scope1+2)について、2030年度にカーボンニュートラルとする目標を設定しております。これまでの当社単体のCO₂排出量の推移は下図のとおりです。
(3)人的資本
① ガバナンス
イ.重要課題に対するモニタリング
当社グループは、さまざまな専門性を持つ人材の存在を競争力の源泉と捉え、「(1) サステナビリティ全般 ②戦略」に記載のとおり、「多様なプロフェッショナルの創出と活躍」を重点テーマの1つに掲げております。このテーマに紐づく重要課題として「人的資本の強化」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進」「ワークスタイルトランスフォーメーションの推進」の3つを特定しており、これらの対応状況については、サステナビリティ推進会議および取締役会でモニタリングしております。
ロ.推進体制
人材戦略本部のもと、人的資本のさらなる強化を進めております。全社的な人事関連施策は、各本部・事業部長をメンバーとする組織人事委員会で検討しており、そのうち重要な施策については経営会議で決定しております。なお、施策の立案にあたっては、労使委員会と衛生委員会における従業員との積極的な対話や全従業員を対象に実施しているエンゲージメント調査等を通じて、労働環境の整備を含むさまざまな課題の把握に努めております。
② 戦略
イ.人的資本の強化
当社グループは、積極的な採用や教育制度の拡充、人事制度・報酬制度の充実等、人的資本へのさまざまな投資と人材育成を進めております。2024年1月には、基本給と新卒社員の初任給の引き上げ、コンサルティング本部設置を契機としたコンサルタント職の新設、子育て支援の拡充等、人事制度の改定を実施しております。同年7月に、当社として初となる「Human Capital Report 2024」を公開したほか、同年9月には、人的資本に関する情報開示の国際的なガイドライン「ISO30414」の認証を取得いたしました。本認証取得は国内情報・通信業界では3社目、グローバルにおいては22社目の取得となります。
■人材育成
(1)人材育成方針:一人ひとりが“X Innovator”
当社の人材育成は、従業員一人ひとりが自由度と裁量権を大きく持ち、プロフェッショナルとして自らのアイデアを組織との関わりの中で実現できることを重視しております。この観点に立ち、当社の人材育成は、従業員の自律的な成長と人間魅力の向上を促すことに加え、成果を創出する組織の醸成にも並行して取り組むことを方針としております。
顧客や市場から認められ、高く評価される「プロフェッショナル人材」を輩出すべく、当社は従業員の持つ専門性を高め、拡げる支援だけでなく、その従業員が持つ「人間魅力」そのものを高める支援にも注力してまいります。加えて、すべての従業員がX Innovatorとなるために、一人ひとりはもとより、組織、チーム、プロジェクトとして当社の行動指針「AHEAD~先駆けとなる~」にふさわしい行動をとることを促進いたします。この行動を通して、自己革新を続け、イノベーションを実現し続けることが、当社における「成長」であり、一人では成し得ない大きな成果を生み出すことにつながると当社は考えております。
(2)人材育成施策
人材育成方針に基づき以下のような施策を実施しております。
・スキルや専門領域に対応した幅広い教育プログラムの提供と学習コンテンツの継続的な拡充を図っております。当連結会計年度の延べ受講者数は2021年以降4年間で約3.4倍となっております。
・キャリア形成支援のために一人ひとりの自律的な活動を促すワークショップを実施しております。当連結会計年度からは世代別にコンテンツを整備し、従業員のライフ&キャリアプランニングを支援しております。
・自由でフラットに話し合えるオープンな企業文化の中で、多様性を生かし、個人では達成し得ない成果を創出する組織力と組織文化の醸成を目的とした施策の推進に取り組んでおります。具体的には、上司や同僚との1対1の対話の全社展開・浸透、キャリア入社者の組織適応促進のためのオンボーディングプログラムの展開、組織成果を創出するマネジメント能力向上を狙いとした新任管理職研修の実施等の施策を行っております。
・2022年に「ピープルアナリティクスプロジェクト」を部門横断で立ち上げ、人的資本に関する各種データの見える化とその活用に取り組んでおります。2023年には、管理職向けのHRデータ活用ツールとしてダッシュボードを開発し、HRデータの月次提供を開始いたしました。
■採用
長期経営ビジョンの実現に向けて、多様なプロフェッショナルを獲得するために、採用に特化した専任部署を設け、積極的な採用を進めております。その結果、就職・転職関連の優良企業ランキングで高評価を獲得する等、採用市場での存在感が高まり、当連結会計年度末までの3年間で新卒採用者309名、キャリア採用者373名、計682名が当社に入社しております。
ロ.ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進
新たな価値の創造と持続的な成長には、多様な人材がいきいきと働き協調することが不可欠であります。当社グループは、人種、宗教、国籍、性別、性自認および性的指向、年齢、学歴、障がいの有無等にかかわらず、当社グループで働くすべての人々が自分らしく働き、持てる能力を発揮して活躍できるよう、DE&Iを推進しております。
■女性活躍の推進
女性管理職比率の向上に向け、女子学生向け採用施策の継続実施や女性従業員向けキャリア形成支援ワークショップの実施等、管理職候補となる母集団の形成促進やキャリア形成支援に取り組んでおります。
■障がい者雇用
当社および「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社である株式会社電通総研ブライトは連携して、障がいのある従業員がいきいきと働くことができる就労機会の創出に努めており、マッサージルームの運営や各種事務サポート体制の構築、ハーブ栽培やコーヒー焙煎事業等を行っております。
ハ.ワークスタイルトランスフォーメーションの推進
■環境整備方針
当社グループは、サステナビリティ方針で掲げている「人権と多様性を尊重し、健康に配慮した働きやすい環境の整備」の実現に向け、従業員一人ひとりがライフステージに応じた柔軟な働き方を選択し、能力を最大限発揮できる環境づくりを目指しております。
■働きやすい環境づくり
当社では、環境整備方針に基づき、以下のような施策を実施しております。
・従業員が仕事と育児・介護等を両立できるよう、育児・介護休業制度を含む休暇制度について法定を上回る水準で設定しております。
・柔軟で生産性の高い働き方を支援するため、フレックスタイム制および裁量労働制を導入しております。また、すべての従業員を対象にテレワーク勤務制度とインフラ環境の整備を進め、自宅や出張先、サテライトオフィス等からの業務を可能としているほか、旅行先でテレワーク勤務が行える国内休暇型ワーケーション制度を新設し、従業員の柔軟な働き方を支援しております。
一方、人材の育成、当社の文化や強みの継承、新しいアイデアの創発という点で、対面でのコミュニケーションも重要と認識しております。当社は今後も、出社とテレワークそれぞれの特徴を生かしたハイブリッドワークを推進してまいります。
■健康経営
当社は、当連結会計年度に新たに制定した健康経営宣言に基づき、従業員が最大限に能力を発揮できるよう、心身ともに健全かつ健康であることをサポートする施策に取り組んでおります。全社の健康経営を推進する健康管理室は、人事部や労働安全衛生法に基づき設置している「衛生委員会」と連携して、従業員の勤務状況や職場環境等について把握し、改善策を講じております。疾病の予防につながる取り組みにも一層注力することで、従業員とその家族の健康保持・増進の向上に努め、健康経営をさらに推進してまいります。
<推進体制図>
③ リスク管理
人的資本に関するリスク管理の詳細は「3.事業等のリスク (3)主要なリスク ①最重要リスク ロ.人材確保・育成、労務管理に関するリスク」をご参照ください。
④ 指標及び目標
「(1)サステナビリティ全般 ④指標及び目標」に掲げている表のうち、「人的資本の強化」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進」「ワークスタイルトランスフォーメーションの推進」をご参照ください。
(4)人権の尊重
① ガバナンス
当社は、「(1) サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載の「サステナビリティ推進会議」において、人権に関する活動方針の策定や進捗の確認等を行っております。
② 戦略
人権の尊重は、企業活動においてすべてのことに優先すべき重要な事項と認識しております。当社グループは、「国際人権章典」や国連「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際規範の考えを取り入れた「電通グループ人権方針」のもと、人権尊重の取り組みを推進しております。また、「電通グループ行動憲章」や当社グループの行動規範である「私たちの行動宣言」においても、従業員に限らず、顧客やビジネスパートナー等すべての人々との関わりにおいて相互に尊重することの重要性を明記し、一人ひとりが日々の業務において実践することを求めております。
③ リスク管理
■人権デュー・ディリジェンス
当社は、当連結会計年度から、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」が求める人権デュー・ディリジェンスに取り組んでおります。デュー・ディリジェンスの第一段階である人権リスクの特定・評価においては、世界的なリスク調査・分析機関であるVerisk Maplecroft社の人権リスクデータをもとに、当社グループの主力事業であるシステムインテグレーションに関連する人権課題について、サプライチェーン全体を俯瞰して、事業プロセス別・国別の机上調査と社内インタビューを実施しました。その結果、潜在的な人権リスクとして下図に記載の項目を特定しております。今後は、ビジネスパートナーに対する調査の実施や人権リスクを防止・軽減するための対応策の検討・実行、モニタリング等を通じて、PDCAサイクルによる継続的な活動を進めてまいります。
<特定した潜在的な人権リスク>
■サプライチェーン・マネジメント
サステナブルな社会の実現に向けた責任ある企業行動として、ビジネスパートナー各社に当社グループとともに取り組んでいただきたい事項をまとめた「電通総研グループ 調達ガイドライン」を当連結会計年度に制定しました。本ガイドラインは、当社グループの「サステナビリティ方針」や「調達方針」に加え、レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)の行動規範や一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の「責任ある企業行動ガイドライン」等を踏まえて策定したものであり、労働時間の遵守、ハラスメント・差別の禁止や強制労働・児童労働の禁止等、人権の尊重についても明記しております。今後は、ビジネスパートナー各社に対して本ガイドラインの浸透を図るとともに、本ガイドラインの遵守状況を確認するアンケート調査を実施し、取り組み状況や課題の把握に努めてまいります。
■救済窓口の設置
当社グループで働くすべての人が利用可能な内部通報制度「倫理ヘルプライン」を設置しているほか、社外が運営し、無料、匿名、機密で、すべての適切な言語で利用できるSpeakUp@dentsuポータルの提供を通じて、業務遂行の過程における人権上の問題を早期に発見し、是正できる仕組みを構築しております。
④ 指標及び目標
「(1)サステナビリティ全般 ④指標及び目標」に掲げている表のうち、「倫理コンプライアンスの徹底と人権の尊重」をご参照ください。