事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
-
セグメント別売上構成
-
セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
プラットフォームソリューション | 24,679 | 67.4 | 6,787 | 68.1 | 27.5 |
ロングタームインキュベーション | 5,981 | 16.3 | 1,810 | 18.2 | 30.3 |
グローバル投資インキュベーション | 5,979 | 16.3 | 1,372 | 13.8 | 22.9 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当社(㈱デジタルガレージ)、子会社24社及び持分法適用会社14社により構成されております。
当社グループの主要事業は、次のとおりであります。
プラットフォームソリューション |
:クレジットカード決済をはじめ、QRコード決済、コンビニ決済などのあらゆる電子決済手段を提供する総合決済プラットフォームを展開する決済事業と、インターネットとリアルを融合した総合的なデジタルマーケティングによる集客強化や、決済プラットフォームに蓄積される膨大な情報を活用した新たなデータマーケティングの開発などを行うマーケティング事業 |
ロングタームインキュベーション |
:各産業のDX化及びキャッシュレス化を目的としたSaaS型プロダクト、暗号資産をはじめとしたフィンテック及び金融関連事業、並びに次世代メディア開発等の中長期的かつ継続的な事業利益創出を目的とした新規事業等 |
グローバル投資インキュベーション |
:スタートアップ企業等への投資・育成を中心とした事業戦略支援型の投資インキュベーション事業 |
なお、上記の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおりであります。
(1)主な関係会社とセグメントの名称及び主な事業内容
セグメントの名称 |
会社名 |
当社との関係 |
主な事業内容 |
プラットフォーム ソリューション |
㈱デジタルガレージ マーケティングテクノロジー カンパニー |
当社事業 カンパニー |
Online to Offline戦略、Webマーケティングによる広告 |
㈱DGフィナンシャルテクノロジー |
連結子会社 |
Eコマース及び対面店舗向け電子決済ソリューションの提供 |
|
ナビプラス㈱ |
連結子会社 |
Eコマース向けマーケティングツール等の提供 |
|
㈱スクデット |
連結子会社 |
不正検知・防止ソリューション及びマーケティングソリューションの提供 |
|
DG FutureTech India Private Limited |
連結子会社 |
マネージドサービス(システム運用支援、システム保守)、システムソリューションサービスの提供 |
|
㈱DGコマース |
連結子会社 |
ECサイト構築とシステム運用サポートを軸としたソリューションの開発及び提供 |
|
㈱イーコンテクスト |
連結子会社 |
コンビニ決済・銀行決済等の決済手段及び送金サービスの提供 |
|
econtext Asia Limited |
連結子会社 |
アジア向け決済プラットフォームの展開及びアジアEC関連企業への投資 |
|
㈱DGコミュニケーションズ |
連結子会社 |
不動産広告代理事業 |
|
ANA Digital Gate㈱ |
持分法 適用会社 |
店舗向けスマートフォン決済、決済端末、マイレージ加盟店開拓など、フィンテックを活用した法人向け決済ソリューションの提供 |
|
㈱SCORE |
持分法 適用会社 |
後払い決済サービス及び決済データを活用した各種金融事業 |
|
TDペイメント㈱ |
持分法 適用会社 |
POSシステム向けマルチ決済ソリューション の提供 |
|
㈱サイバー・バズ |
持分法 適用会社 |
インフルエンサーを主軸としたソーシャルメディアマーケティング事業 |
セグメントの名称 |
会社名 |
当社との関係 |
主な事業内容 |
ロングターム インキュベーション |
㈱BI.Garage |
連結子会社 |
Web広告技術の開発と販売 |
㈱アカデミー・デュ・ヴァン |
連結子会社 |
ワインスクールの運営及び卸売事業 |
|
㈱Crypto Garage |
連結子会社 |
ブロックチェーンを活用した金融サービス等の事業 |
|
㈱ブレインスキャンテクノロジーズ |
連結子会社 |
運転事業者向け脳MRI斡旋事業 |
|
㈱エンゲージメントゲートウェイ |
連結子会社 |
スマートEC事業の企画・開発及び運営 |
|
㈱カカクコム |
持分法 適用会社 |
「価格.com」、「食べログ」等のメディアの企画運営、各種プラットフォームの提供 |
|
㈱PitPa ※ |
持分法 適用会社 |
ポッドキャストマーケティング事業、オウンドポッドキャスト制作支援事業及びweb3を活用したカスタマーエンゲージメント事業 |
|
グローバル投資 インキュベーション |
㈱DGベンチャーズ |
連結子会社 |
スタートアップ企業等への投資・育成 |
Digital Garage US, Inc. |
連結子会社 |
米国インキュベーションセンターの運営、グローバル戦略のヘッドクォーター |
|
Digital Garage Development LLC |
連結子会社 |
投資不動産の所有・賃貸等 |
|
㈱DK Gate |
連結子会社 |
コンテンツビジネスへの戦略投資等 |
|
㈱D2 Garage |
連結子会社 |
北海道地域での有望なスタートアップ企業への投資育成事業等 |
|
㈱DGインキュベーション |
連結子会社 |
投資事業有限責任組合の管理運営 |
|
Open Network Lab・ESG1号 投資事業有限責任組合 |
連結子会社 |
ESG分野に関連するスタートアップ企業への 投資 |
|
㈱DG Daiwa Ventures |
持分法 適用会社 |
投資事業有限責任組合の管理運営 |
|
DG Lab 1号投資事業有限責任組合 |
持分法 適用会社 |
研究開発組織「DG Lab」と連携した、次世代技術を有するスタートアップ企業への投資 |
|
DG Lab FundⅡ E.L.P.Cayman |
持分法 適用会社 |
||
㈱DG Daiwa Ventures 3号 |
持分法 適用会社 |
投資事業有限責任組合の管理運営 |
|
DGDV Fund Ⅲ E.L.P.Cayman |
持分法 適用会社 |
次世代技術を有するベンチャー企業やジョイントベンチャー等への投資 |
|
DGりそなベンチャーズ1号 投資事業有限責任組合 |
持分法 適用会社 |
次世代金融等のスタートアップ企業への投資 |
※ ㈱PitPaは、2024年4月1日付で㈱DOUへ名称変更しております。
(2)企業集団の事業系統図
※1 当社は事業持ち株会社として、当社グループ全体の戦略策定・実行の他、各関係会社に対し、業務受託契約に基づく経営管理業務及びマーケティングテクノロジーカンパニーにおいてマーケティング事業を行っております。
※2 ㈱カカクコムは、東京証券取引所プライム市場に株式を上場しております。
※3 ㈱サイバー・バズは、東京証券取引所グロース市場に株式を上場しております。
※4 ㈱エンゲージメントゲートウェイは、2023年7月に設立により連結子会社となっております。
※5 ㈱DG Daiwa Ventures 3号は、2023年7月に設立により持分法適用会社となっております。
※6 DGDV Fund Ⅲ E.L.P. Caymanは、2023年11月に出資により持分法適用会社となっております。
※7 ㈱DGコマースは、2024年1月に株式取得により連結子会社となっております。
※8 DGりそなベンチャーズ1号投資事業有限責任組合は、2024年3月に出資により持分法適用会社となっております。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
ⅰ.財政状態
当連結会計年度末におきましては、主に現金及び現金同等物が減少した一方、決済事業等に係る営業債権及びその他の債権や持分法で会計処理されている投資が増加した結果、資産合計は231,431百万円となり、決済事業等に係る営業債務及びその他の債務が減少した一方、社債及び借入金(流動負債及び非流動負債)が増加した結果、負債合計は139,293百万円となりました。
また、自己株式が取得により増加した一方、資本業務提携契約を締結した㈱りそなホールディングスを処分先とする自己株式処分により減少したほか、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加した結果、資本合計は92,138百万円となりました。
ⅱ.経営成績
当連結会計年度におきましては、当社グループの事業基盤であるプラットフォームソリューションにおいて、決済事業が非物販領域を中心に取扱高が増加する等、安定的に事業拡大したほか、ロングタームインキュベーションにおいて、㈱カカクコムの業績が堅調に推移したことにより、持分法による投資利益が前期を上回りました。また、前連結会計年度に計上した投資先の公正価値評価損からの反動もありました。これらの結果、収益は37,853百万円、税引前利益は6,298百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,806百万円と増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におきましては、主に税引前利益を計上した一方、営業債権及びその他の債権が増加し、営業債務及びその他の債務が減少した結果、営業活動によるキャッシュ・フローは11,032百万円の使用となりました。
投資活動としましては、主に投資有価証券の売却による収入があった一方、持分法で会計処理されている投資の取得、無形資産の取得による支出の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは8,763百万円の使用となりました。
財務活動としましては、主に社債の償還による支出があった一方、長期借入れによる収入、短期借入金の純増による収入の結果、財務活動によるキャッシュ・フローは15,931百万円の獲得となりました。
これらにより当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、49,571百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ.生産実績
当社グループの事業は、提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから、記載を省略しております。
ⅱ.受注実績
当社グループの提供する主要なサービスは、受注から売上までの期間が短期間であり、期中の受注高と販売実績がほぼ対応するため、記載を省略しております。
ⅲ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前期比(%) |
|
プラットフォームソリューション |
(百万円) |
24,472 |
103.1 |
ロングタームインキュベーション |
(百万円) |
5,898 |
76.7 |
グローバル投資インキュベーション |
(百万円) |
5,877 |
- |
調整額 |
(百万円) |
1,607 |
271.4 |
合計 |
(百万円) |
37,853 |
125.9 |
※1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
※2 調整額は、セグメントに配分していない主に本社機能から生ずる金融収益等の全社収益であります。
※3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
前期比 |
||
増減額 |
増減率 (%) |
||||
|
流動資産 |
144,776 |
152,094 |
7,318 |
5.1 |
非流動資産 |
71,498 |
79,337 |
7,838 |
11.0 |
|
資産合計 |
216,275 |
231,431 |
15,156 |
7.0 |
|
|
流動負債 |
94,780 |
104,401 |
9,621 |
10.2 |
非流動負債 |
39,522 |
34,892 |
△4,630 |
△11.7 |
|
負債合計 |
134,303 |
139,293 |
4,991 |
3.7 |
|
資本合計 |
81,972 |
92,138 |
10,166 |
12.4 |
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて15,156百万円増加し、231,431百万円となりました。この主な要因は、現金及び現金同等物が3,764百万円減少した一方、決済事業等に係る営業債権及びその他の債権が9,389百万円、持分法で会計処理されている投資が8,044百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて4,991百万円増加し、139,293百万円となりました。この主な要因は、決済事業等に係る営業債務及びその他の債務が6,308百万円減少した一方、社債及び借入金(流動負債及び非流動負債)が14,637百万円増加したことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて10,166百万円増加し、92,138百万円となりました。この主な要因は、自己株式が取得により5,000百万円増加した一方、資本業務提携契約を締結した㈱りそなホールディングスを処分先とする自己株式処分により10,181百万円減少したほか、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により5,806百万円増加したことによるものであります。
なお、セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはなっておりません。
ⅱ.経営成績
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前期比 |
|
増減額 |
増減率 (%) |
|||
収益 |
30,070 |
37,853 |
7,783 |
25.9 |
税引前利益(△損失) |
△13,881 |
6,298 |
20,179 |
- |
当期利益(△損失) |
△9,315 |
5,551 |
14,866 |
- |
親会社の所有者に帰属する 当期利益(△損失) |
△9,051 |
5,806 |
14,857 |
- |
当期包括利益 |
△9,539 |
6,187 |
15,726 |
- |
当連結会計年度の経営成績につきましては、収益は37,853百万円(前期比7,783百万円増、同25.9%増)、税引前利益は6,298百万円(前期は13,881百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,806百万円(前期は9,051百万円の損失)となりました。
当連結会計年度は、当社グループの事業基盤であるプラットフォームソリューションにおいて、決済事業が非物販領域を中心に取扱高が増加する等、安定的に事業拡大したほか、ロングタームインキュベーションにおいて、㈱カカクコムの業績が堅調に推移したことにより、持分法による投資利益が前期を上回りました。また、前期に計上した投資先の公正価値評価損からの反動により、連結業績は大幅な増益となりました。グローバル投資インキュベーションにおいては、保有する有価証券の売却が進むなど、中期経営計画における施策が進捗しました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、2024年3月期を初年度とする新たな中期経営計画の発表に伴い、当連結会計年度より事業セグメントの区分を変更しております。前連結会計年度の数値につきましても、新たな事業セグメント区分に組み替えた数値を記載しております。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前期比 |
||
増減額 |
増減率 (%) |
||||
プラットフォーム ソリューション |
収益 |
23,742 |
24,472 |
730 |
3.1 |
税引前利益 |
6,405 |
6,787 |
382 |
6.0 |
|
ロングターム インキュベーション |
収益 |
7,687 |
5,898 |
△1,789 |
△23.3 |
税引前利益 |
3,813 |
1,810 |
△2,003 |
△52.5 |
|
グローバル投資 インキュベーション |
収益 |
△1,950 |
5,877 |
7,827 |
- |
税引前利益 |
△11,833 |
1,372 |
13,205 |
- |
|
調整額 |
収益 |
592 |
1,607 |
1,015 |
171.4 |
税引前利益 |
△12,266 |
△3,672 |
8,594 |
- |
|
合計 |
収益 |
30,070 |
37,853 |
7,783 |
25.9 |
税引前利益 |
△13,881 |
6,298 |
20,179 |
- |
〔プラットフォームソリューション〕
プラットフォームソリューションでは、Eコマース(EC)及び対面店舗等のBtoC商取引に必要不可欠なクレジットカード決済をはじめ、QRコード決済、コンビニ決済等のあらゆる電子決済手段を提供する決済プラットフォーム及びインターネットとリアルを融合した総合的なデジタルマーケティングを展開しております。マーケティングを活用した小売事業者等への集客による決済機会の拡大、決済プラットフォームにより蓄積される膨大な消費者購買情報を活用した新たなデータマーケティングの開発等、当社グループのコアアセットである決済プラットフォームを軸とした事業基盤の拡大及び持続的な収益成長に向けて取り組んでおります。
当連結会計年度は、決済事業において、旅行、外食関連をはじめとした非物販領域において決済取扱高が伸長したほか、アライアンス戦略による加盟店開拓が順調に進捗し、対面決済領域における総合小売店の取扱いが積み上がったこと等から、決済取扱高は6.2兆円(前期比18.0%増)、税引前利益は同15.6%増となりました。マーケティング事業においては、決済との事業連携強化を企図した事業体制への移行を進めたほか、持分法適用会社において一時的な損失を計上したことから、減益となりました。
これらの結果、収益は24,472百万円(前期比730百万円増、同3.1%増)、税引前利益は6,787百万円(前期比382百万円増、同6.0%増)となりました。
〔ロングタームインキュベーション〕
ロングタームインキュベーションでは、決済プラットフォームを軸とした強固な事業基盤及び㈱カカクコムが運営する日本最大級のメディアにおいて有する顧客資産等を活用した戦略事業の開発及びインキュベーションを行っております。企業間取引(BtoB)決済領域における新たなサービスのほか、各産業のDX化を支援するプロダクト開発による事業者の業務効率化及びキャッシュレス化の促進、次世代メディアの開発、暗号資産の社会実装を目指した事業開発等を行うことにより、プラットフォームソリューションの更なる高付加価値化及び成長加速を図るとともに、中長期的に企業価値を牽引する事業の創出に取り組んでおります。
当連結会計年度は、㈱カカクコムの業績が堅調に推移したことから、持分法による投資利益が増加しました。また、不動産業界のDX化を推進するプラットフォーム「Musubell」の導入拠点数が増加したほか、BtoB決済領域における取扱高が積み上がる等、新規事業領域におけるサービス拡大が進捗しました。一方、前期に計上した関係会社株式売却益の反動によりセグメント業績は減収減益となりました。
これらの結果、収益は5,898百万円(前期比1,789百万円減、同23.3%減)、税引前利益は1,810百万円(前期比2,003百万円減、同52.5%減)となりました。
〔グローバル投資インキュベーション〕
グローバル投資インキュベーションでは、国内外のスタートアップ企業等への投資及び当社グループ内の事業との連携による投資先の育成等を行っております。創業以来、北米・日本・アジア・欧州を中心に築き上げてきた独自のディールソースである「グローバルインキュベーションストリーム」のほか、当社グループが運営する日本初のシードアクセラレータープログラム「Open Network Lab」等により世界中の有望なスタートアップ企業へリーチするとともに、当社グループ事業との連携を一層深めることにより、当社グループ及び投資先の企業価値の最大化を目指しております。
当連結会計年度は、前期に計上した投資先の公正価値評価損からの反動により大幅な増益となったほか、外国為替相場が前連結会計年度末に比べ円安傾向で推移したこと等により、外貨建営業投資有価証券を中心に公正価値評価額が増加しました。また、有価証券の売却及びファンドからの分配金等により、56億円の投資事業収入となりました。
これらの結果、収益は5,877百万円(前期比7,827百万円増)、税引前利益は1,372百万円(前期比13,205百万円増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前期比 増減額 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
13,473 |
△11,032 |
△24,505 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
1,628 |
△8,763 |
△10,391 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△5,214 |
15,931 |
21,146 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
53,335 |
49,571 |
△3,764 |
|
有利子負債(リース負債除く) |
52,703 |
67,339 |
14,637 |
|
|
短期 (1年内に償還または返済予定の 長期有利子負債は除く) |
10,630 |
27,270 |
16,640 |
長期 |
42,073 |
40,069 |
△2,003 |
ⅰ.キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、49,571百万円(前期比3,764百万円減、同7.1%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、使用した資金は11,032百万円となりました。支出の主な内訳は、営業債権及びその他の債権の増加額9,492百万円、営業債務及びその他の債務の減少額6,429百万円であり、収入の主な内訳は、税引前利益6,298百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は8,763百万円となりました。支出の主な内訳は、持分法で会計処理されている投資の取得による支出7,047百万円、無形資産の取得による支出2,216百万円であり、収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入1,683百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は15,931百万円となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入26,100百万円、短期借入金の純増額16,640百万円であり、支出の主な内訳は、社債の償還による支出25,000百万円、自己株式の取得による支出5,076百万円であります。
ⅱ.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金調達)
当社グループは、財務の健全性・安全性の維持と、事業の維持拡大に必要な資金の流動性の確保を意識した資金調達を基本方針としております。資金調達手段の多様化・安定化と、資本効率の向上を企図し、金融機関からの借入等、一部有利子負債を活用しております。また、安定的かつ機動的な資金調達を実現するために複数の金融機関との間で総額150億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当連結会計年度末における有利子負債(リース負債除く)の残高は、67,339百万円であります。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要の主なものは、各事業セグメントにおける事業資金、販売費及び一般管理費等の営業費用等のほか、決済事業における収納代行業務の一時的な立替資金によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、決済事業のシステム機能拡充・強化等によるもののほか、新規事業に係るシステム開発等の投資によるものであります。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務の健全性と資本効率の向上を両立させながら対応していく方針であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
セグメント情報
6.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。なお、報告にあたり事業セグメントの集約は行っておりません。
当社グループは、サービス別の事業カンパニー及び子会社を置き、事業カンパニー及び子会社は、取り扱うサービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
また、当連結会計年度において、2024年3月期を初年度とする新たな中期経営計画を発表したことに伴い、新たなグループ体制による収益の多層化に取り組んでいくこととし、従来のビジネスに関する業績評価、資源の配分及び管理方法等を変更いたしました。
これにより、従来のセグメント区分を変更し、「プラットフォームソリューション」、「ロングタームインキュベーション」、及び「グローバル投資インキュベーション」の3つを報告セグメントとしております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
「プラットフォームソリューション」では、Eコマース(EC)及び対面店舗等のBtoC商取引に必要不可欠なクレジットカード決済をはじめ、QRコード決済、コンビニ決済等のあらゆる電子決済手段を提供する決済プラットフォーム及びインターネットとリアルを融合した総合的なデジタルマーケティングを展開しております。
「ロングタームインキュベーション」では、決済プラットフォームを軸とした強固な事業基盤及び㈱カカクコムが運営する日本最大級のメディアにおいて有する顧客資産等を活用した戦略事業の開発及びインキュベーションを行っております。
「グローバル投資インキュベーション」では、国内外のスタートアップ企業等への投資及び当社グループ内の事業との連携による投資先の育成等を行っております。
なお、報告セグメントのサービス別詳細については、「27.売上収益」に記載のとおりであります。
(2)報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要性がある会計方針」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益(△損失)は、税引前利益(△損失)をベースとしております。
セグメント間の収益は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
|
|
報告セグメント |
|
調整額 (注)1 |
|
連結 |
||||||
|
|
プラットフォームソリューション |
|
ロングタームインキュベーション |
|
グローバル投資インキュベーション |
|
計 |
|
|
||
|
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
収益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
外部収益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
リカーリング型事業から生じる収益 |
|
23,514 |
|
1,614 |
|
- |
|
25,128 |
|
- |
|
25,128 |
その他の収益 |
|
78 |
|
2,744 |
|
421 |
|
3,244 |
|
274 |
|
3,518 |
金融収益 |
|
△14 |
|
4 |
|
192 |
|
181 |
|
318 |
|
499 |
持分法による投資 利益 |
|
164 |
|
3,325 |
|
△2,563 |
|
925 |
|
- |
|
925 |
外部収益計 |
|
23,742 |
|
7,687 |
|
△1,950 |
|
29,478 |
|
592 |
|
30,070 |
セグメント間収益 |
|
359 |
|
123 |
|
15 |
|
497 |
|
△497 |
|
- |
収益計 |
|
24,101 |
|
7,810 |
|
△1,935 |
|
29,975 |
|
95 |
|
30,070 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
セグメント利益 (△損失) |
|
6,405 |
|
3,813 |
|
△11,833 |
|
△1,615 |
|
△12,266 |
|
△13,881 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費及び償却費 |
|
2,295 |
|
257 |
|
188 |
|
2,740 |
|
892 |
|
3,632 |
金融費用 |
|
16 |
|
△23 |
|
559 |
|
552 |
|
8,014 |
|
8,567 |
減損損失 |
|
- |
|
400 |
|
- |
|
400 |
|
- |
|
400 |
(注)1.報告セグメントの利益(△損失)の金額の調整額△12,266百万円には、セグメント間取引消去△8,472百万円、各報告セグメントに配分していない全社収益10,231百万円及び全社費用△14,025百万円が含まれております。全社収益は主に本社機能から生ずる金融収益であり、全社費用は主に報告セグメントに帰属しない一般管理費及び金融費用であります。
2.セグメント間収益には、リカーリング型事業から生じる収益、その他の収益及び金融収益に関するものが含まれております。
3.セグメント利益(△損失)は、連結財務諸表の税引前利益(△損失)と調整を行っております。
4.グローバル投資インキュベーションにおけるセグメント利益(△損失)には、純額で計上した営業投資有価証券に関する損失7,926百万円が含まれております。
5.減価償却費及び償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の減価償却費であります。
6.金融費用の調整額8,014百万円は、セグメント間取引消去△574百万円、各報告セグメントに配分していない全社の支払利息及び投資有価証券に関する損益等8,588百万円であります。
7.セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはなっていないため記載しておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
報告セグメント |
|
調整額 (注)1 |
|
連結 |
||||||
|
|
プラットフォームソリューション |
|
ロングタームインキュベーション |
|
グローバル投資インキュベーション |
|
計 |
|
|
||
|
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
収益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
外部収益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
リカーリング型事業から生じる収益 |
|
24,559 |
|
2,061 |
|
- |
|
26,620 |
|
- |
|
26,620 |
営業投資有価証券に関する収益 |
|
- |
|
- |
|
4,758 |
|
4,758 |
|
- |
|
4,758 |
その他の収益 |
|
36 |
|
64 |
|
594 |
|
694 |
|
385 |
|
1,079 |
金融収益 |
|
△62 |
|
88 |
|
492 |
|
518 |
|
1,222 |
|
1,740 |
持分法による投資 利益 |
|
△61 |
|
3,685 |
|
32 |
|
3,657 |
|
- |
|
3,657 |
外部収益計 |
|
24,472 |
|
5,898 |
|
5,877 |
|
36,246 |
|
1,607 |
|
37,853 |
セグメント間収益 |
|
207 |
|
84 |
|
102 |
|
393 |
|
△393 |
|
- |
収益計 |
|
24,679 |
|
5,981 |
|
5,979 |
|
36,639 |
|
1,214 |
|
37,853 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
セグメント利益 |
|
6,787 |
|
1,810 |
|
1,372 |
|
9,970 |
|
△3,672 |
|
6,298 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費及び償却費 |
|
1,594 |
|
314 |
|
118 |
|
2,026 |
|
1,734 |
|
3,760 |
金融費用 |
|
13 |
|
6 |
|
666 |
|
685 |
|
△440 |
|
245 |
減損損失 |
|
15 |
|
71 |
|
2,287 |
|
2,373 |
|
19 |
|
2,392 |
(注)1.報告セグメントの利益の金額の調整額△3,672百万円には、セグメント間取引消去△8,141百万円、各報告セグメントに配分していない全社収益12,017百万円及び全社費用△7,547百万円が含まれております。全社収益は主に本社機能から生ずる金融収益であり、全社費用は主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2.セグメント間収益には、リカーリング型事業から生じる収益、その他の収益及び金融収益に関するものが含まれております。
3.セグメント利益は、連結財務諸表の税引前利益と調整を行っております。
4.減価償却費及び償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の減価償却費であります。
5.金融費用の調整額△440百万円は、セグメント間取引消去△695百万円、各報告セグメントに配分していない全社の支払利息等255百万円であります。
6.セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはなっていないため記載しておりません。
(3)製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスごとの外部顧客への売上収益は、注記「27.売上収益」に記載のとおりであります。
(4)地域別に関する情報
① 外部顧客への収益の地域別情報
本邦の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の大部分を占めるため、記載を省略しております。
② 非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
|
百万円 |
|
百万円 |
日本 |
25,562 |
|
25,822 |
米国 |
5,450 |
|
3,744 |
その他 |
294 |
|
323 |
合計 |
31,306 |
|
29,888 |
(注)非流動資産は、当社グループ各社の所在地を基礎としております。
(5)主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。