2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    528名(単体) 1,087名(連結)
  • 平均年齢
    38.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    5.0年(単体)
  • 平均年収
    7,922,768円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数 (名)

プラットフォームソリューション

733

(11)

ロングタームインキュベーション

125

(24)

グローバル投資インキュベーション

42

(5)

全社(共通)

187

(13)

合計

1,087

(53)

※1  従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を(  )外数で記載しております。

※2  全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員であります。

※3  プラットフォームソリューションにおいて、従業員数が前連結会計年度に比べて88名増加しておりますが、主として、2024年1月に㈱DGコマースを連結子会社としたことによるものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与

528名

38.5歳

5年

2ヶ月

7,922,768円

 

セグメントの名称

従業員数 (名)

プラットフォームソリューション

279

ロングタームインキュベーション

40

グローバル投資インキュベーション

23

全社(共通)

186

合計

528

※1  従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は僅少であるため記載を省略しております。

※2  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

※3  全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員であります。

 

(3)労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

※1

労働者の男女の賃金の差異(%)

※1  ※2

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期労働者

19.2

67.0

68.3

58.7

※1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

※2  管理職比率など男女間に差異があることで1名当たり賃金に差が出ておりますが、賃金制度・体系において性別による処遇差はありません。

※3  提出会社は、男性労働者の育児休業取得率について「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般

当社グループは、「持続可能な社会に向けた“新しいコンテクスト”をデザインし、テクノロジーで社会実装する」ことをパーパスとして掲げております。”リアルとサイバー”、”日本と海外”、”マーケティングとテクノロジー”、”現在と未来”、といった異なる事象をコンテクストで結び、世の中の役に立つ新たなサービスを生み出すことにより、社会課題の解決に取組んでおります。また、世界中の技術進化の波を捉え、アライアンスパートナーやスタートアップ企業をはじめとしたステークホルダーと共に、未来をより良くするための新たなテクノロジーの研究開発に取組み、社会実装することを通じて、当社グループの企業価値の向上と、持続可能な社会の発展に貢献することを目指しております。

当社グループ一丸となったサステナビリティ経営の推進の為には、経営トップのコミットに加え、あらゆる事業部門および管理部門の連携が必要不可欠であるとの考えのもと、当連結会計年度には、社長執行役員を最高責任者とし、グループ横断的な観点により選任した人員で構成される「サステナビリティ委員会」を新たに設置しました。

当委員会において、当社グループにおけるサステナビリティ経営は、パーパスに基づくと改めて定義し、当社取締役会における協議のうえ、パーパスと同一の内容をサステナビリティ方針として位置付けることとしました。また、当社グループ及びステークホルダーの双方における様々な社会課題に関する影響について、機会とリスクの観点から総合的に分析し、優先的に取組む事項をマテリアリティ(重要課題)として特定しました。マテリアリティを軸に、社会と当社グループが共に持続的に成長発展し、より一層の企業価値向上を目指すサステナビリティ経営を推進してまいります。

 

① ガバナンス

当社グループでは、サステナビリティ経営の取組み強化を目的として、サステナビリティ委員会を設置しております。当委員会の最高責任者は社長執行役員、委員長はコーポレート本部長とし、グループ横断的な観点から各事業部門長および管理部門長またはそれに準ずる人員で構成することにより、委員会の実効性を確保しております。また、事務局としてサステナビリティ経営推進室を設置しており、同室が関連部署と連携しながら、グループ全体のサステナビリティに関する各種取組みを推進しております。サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関わる方針の制定や改変、特定したマテリアリティに対する取組みの推進や進捗管理、気候変動に関する取組み等を行い、業務執行取締役及び執行役員等で構成される経営会議での諮問・答申を経て、取締役会にて定期的に報告しております。(開催頻度:年間2回以上)

 

② リスク管理

当社グループでは、リスクマネジメント体制の強化を目的として、リスクマネジメント委員会を設置しております。当委員会の最高責任者は社長執行役員、委員長はコーポレート本部長とし、事務局としてリスクマネジメント室を設置することにより、実効性を確保しております。これらの体制により、全社的なリスク管理を強化し、発生し得るリスクの想定、重大性の評価、リスク管理フローの策定及びモニタリング等のサイクルを確立し、実行しております。(開催頻度:年間2回以上)

サステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会は相互連携し、経営会議及び取締役会による審議結果は、経営戦略やリスク管理、リスク評価に反映する体制としております。

 

サステナビリティマネジメント体制は以下のとおりであります。

 

 

③ 戦略

ⅰ.マテリアリティ特定プロセス

当社グループでは、当連結会計年度において、以下のプロセスを経てマテリアリティを特定しました。

GRI(Global Reporting Initiative)やSASB(Sustainability Accounting Standards Board、サステナビリティ会計基準審議会)等の国際的なフレームワーク等を活用しながら社会課題の把握を起点とし、当社グループにおける事業機会・リスクの分析を行った上で、社内外のさまざまなステークホルダーとの対話を通じ、重要課題の整理・抽出を行いました。特定したマテリアリティは、サステナビリティ委員会にて協議し、取締役会での審議・承認を経て最終決定しました。

 

ⅱ.当社グループのマテリアリティ

 

なおマテリアリティは、当社グループを取り巻く社会・環境の変化に応じて適切に変更していくものと認識しており、適宜見直しを行うこととしております。

 

④ 指標・目標

マテリアリティに対するアクションプラン、指標及び目標(KPI)の設定、進捗確認等の実効性のある取組みが肝要であると捉えております。今後それぞれのマテリアリティに対する目標を設定し、推進してまいります。

 

(2)気候変動への対応(TCFDの枠組みに基づく提言)

①  ガバナンス

当社グループでは、気候変動への対応等のサステナビリティに関する方針や進捗、取組み内容を、サステナビリティ委員会を通じ、経営会議での諮問・答申を経て取締役会にて報告しております。取締役会では、当社グループの気候変動対応を含むサステナビリティの取組みについて、当委員会の最高責任者である社長執行役員を通じて監督しております。

 

②  リスク管理

当社グループが留意すべき気候変動に係るリスクについては、TCFD提言に沿って定期的に評価と特定を行っております。また、気候変動におけるリスクは、サステナビリティ経営推進室とリスクマネジメント室が相互に連携し、把握・管理する体制を整えております。

 

③  戦略

当社グループでは、TCFDが推奨するシナリオ分析の手法に基づき「1.5/2℃シナリオ」と「4℃シナリオ」の2つのシナリオに沿って2050年までの社会の変化を考察し、気候変動が当社事業に及ぼし得る機会とリスクを抽出しました。

 

ⅰ.機会に対する認識

・決済事業においては、環境負荷の低いキャッシュレス化及びペーパーレス化を実現する決済サービスへの需要の増加等

・マーケティング事業においては、最新テクノロジーによる環境意識が高い消費者向け広告の需要増加等

・投資事業においては、“Earthshotファンド”を活用した脱炭素を促進するスタートアップ企業への投資育成の拡大等

 

ⅱ.リスクに対する認識

・移行リスク

- カーボンプライシングの導入により、データセンター及びオフィス等における電力費用の増加

- 政府により高い省エネ目標が掲げられる場合には、省エネ設備の導入等による対応費用の増加、他

・物理的リスク

- データセンター及びオフィス建物等が被災した場合、建造物の破壊、通信障害等による機能低下が事業活動に影響を及ぼし、収益減少や修繕費用等が増加

- 慢性的な気温上昇が続く場合、オフィス及びデータセンター等の運営費の増加、他

 

④  指標と目標

現時点で温室効果ガス排出量の削減目標を策定しておりませんが、今後検討してまいります。詳細については、当社ウェブサイトを参照ください。https://www.garage.co.jp/ja/sustainability/data/

 

(3)人的資本の取組

当社グループの特有かつ専門性の高い業務を遂行・実施するため、多様な従業員が能力を最大限に発揮することが、当社グループの持続的な成長と社会への価値提供につながると認識しております。

当社グループのパーパスを実現するためには、様々なバックグランドを持つ従業員が協働する事に加え、従業員と企業の関係性を強化する事が重要であると考えのもと、会社が個人(従業員)に約束すること、会社が個人に求めたいことを記した「人財マネジメントポリシー」(下図参照)を当事業年度に定め、理想となる組織像の実現に向けた組織開発と人財開発を推進しております。

本ポリシーに基づき、当社グループが目指す組織の実現に向けて、従業員一人ひとりがそれぞれの持ち味を発揮しながら活躍・成長していける土台を作るため、当事業年度より人事制度改定に着手し、2024年4月に施行するとともに賃金水準を引き上げました。これは優秀な人財の獲得、育成、活躍が当社グループの成長戦略上、重要な要素と位置づけ、人的資本への適切な投資、意欲的で優秀な人財の確保へ向けて実施したものであります。

人財確保の観点では上記に加え、事業の成長戦略に不可欠な人財を積極的に採用するため、多様なスキルや経験を有するキャリア採用を中核に添え、M&Aや事業提携等の幅広い手法を用いて人財の確保を行っております。また、未来を切り拓く人財を育成すべく、従業員のキャリア意向を起点として、仕事を通じた能力開発を推進しております。

今後も多様な人財が活躍する仕組みづくりを推進し、当社グループの事業成長の加速と、事業を通じた持続可能な社会への貢献を目指してまいります。

 

<人財マネジメントポリシー>

 

①  人的資本

ⅰ.人財育成方針

当社グループの事業成長には、無形資産である「人財」が必要不可欠と考えております。特に事業を創造しテクノロジーで具現化できる人財、専門知識を有するエキスパート人財など、多様な人財ポートフォリオを構築していく必要があると認識しております。また、当社グループは創業以来「ファーストペンギン・スピリット」をValueとし、現状に満足せずリスクのあることにも勇気と強い意志をもって真っ先に挑戦してまいりました。常識にとらわれない発想と柔軟性をもち、主体的な成長を促進できるよう施策を講じております。

その一環として改定後の人事制度では、従来からのマネジメントコースに加え、エキスパートコースをキャリアの選択肢として新設し、あらゆる職種で専門知識を有するエキスパート人財が活躍できる環境を構築しております。従業員一人ひとりがそれぞれの持ち味を発揮しながら成長できるよう、従業員のキャリア自律を上司が支援する仕組みを導入し、キャリア支援施策を強化することで、従業員の成長を加速してまいります。

未来を切り拓く人財を育成することを通じて当社グループの事業成長の加速と、事業を通じた持続可能な社会への貢献を目指してまいります。

 

ⅱ.育成や教育機会

当社グループは、全従業員に対するパーパス浸透やプライバシーやインターネットセキュリティに関する基礎的な研修に加え、スキル開発や新しいアビリティ取得のための教育や研修プログラムを設けております。

また、従業員がキャリアの方向性を自ら決めて、主体的な自己成長を目指せるよう、キャリアの棚卸と目標設定を行うキャリアワークショップや人事評価者向けにはメンバーのキャリア自律の支援に繋がるキャリア支援研修を実施しており、今後も新たなプログラムの追加を予定しております。

昨今では、会社と個人の関係、管理職とメンバーの関係を強化するために、心理的安全性をベースとしたマネジメント力強化プログラムの開発と運用にも力を入れております。具体的には管理職を対象に360度サーベイやエンゲージメントサーベイの結果をもとに今後の組織運営に役立てるための研修に加え、組織マネジメントに活用できるスキルアップ研修プログラムも自社独自で制作し、運用しております。

その他にも会社や事業を横断した人事異動を行うことで、当社グループの全体視点での事業推進に努めております。具体的には、次世代リーダー育成のための主体的なチャレンジの機会創出を目的とした社内公募制度「Raise Your Hand」や、重要事業と新たな成長機会を求める人財のマッチング型異動制度「Career Shift」の異動プログラムを展開しております。

当社グループでは今後も多様な強みを持つ人財を受け入れ、育成、登用することで、当社の創造性をより高め、成長を継続させることを目指してまいります。

 

ⅲ.ダイバーシティ関連

当社グループでは、変化が激しく多様な事業推進を実現するため、設立当初より性別や国籍、職歴等の要素に関係なく、能力や実績を重視した人財登用を実施しております。様々な文化や価値観、スキルを持つ人財を採用し、活躍できる場や機会を提供していくことで、多様性を醸成しております。その結果、全体におけるキャリア採用の構成比率は92.0%に及びます。

また女性従業員比率は37.9%となり、今後も積極的に女性の活躍促進を行い、職場環境の改善や制度構築に努めてまいります。当社では、女性の活躍を測る指標として、管理職比率に加え管理職志向率も当事業年度より取得しております。当事業年度における女性の管理職志向率は32.4%でしたが、今後の向上に向けて主に管理職手前の職階にある従業員を対象に意欲醸成のコミュニケーションを強化してまいります。今後女性の活躍促進においては、育児休業中の従業員に対する支援、男性育児休業取得を含む様々な課題解決に向けた具体的な施策を全従業員に向けて取り組んでまいります。

当社グループの事業はグローバルに展開しており、外国籍従業員(構成比9.5%)のみならず、バイリンガル人財は17.9%、外国育ち・留学経験を持ち合わせている人財も10.2%所属しております。国境を越え、地球規模での新しいテクノロジー実装のため、海外ベンチャーへの投資に加え、国内においても地方創生や地域コミュニティ活性化による、ステークホルダーとの対話や関係性を強化しております。

当社グループのパーパスを実現するためには、グループ会社間やセグメント間における多様な従業員同士の協働が引き続き重要と考え、より一層グループ内コミュニケーションの充実にも努めてまいります。

 

②  社内環境整備方針

当社グループは、働きやすい環境づくりの一環として、リモートワーク制度やフレックス勤務制度を継続し、従業員それぞれの生活やライフスタイルに合わせた働き方を選択できる環境づくりを行っております。仕事を通したQOL(Quality of life)の実現の観点においては、勤怠管理システムによる労働時間の管理や、360度サーベイやエンゲージメントサーベイ等のデータによるモニタリングと対策を行い、事故発生の防止や未病に努めております。同時に、福利厚生の充実に加え、働く子育て世代への支援として、ベビーシッター制度や法定よりも長い中学校就学の始期までの短時間勤務制度を導入しております。

組織コンディションを把握し、課題解決に繋げるため、管理職を対象とした360度サーベイを通して上司、同僚、部下のコンディション可視化や、エンゲージメントサーベイを通して従業員の仕事内容、職場環境、会社へのエンゲージメント状況を定期的にモニタリングし、結果をもとに改善アクションのための研修や組織長向けのワークショップを実施するなど、より良い組織作りに活かしております。

従業員と会社の関係性を強化するために、当社が掲げる「人財マネジメントポリシー」の具体的な取組みの一環として、希望した従業員を対象に当社グループを横断した従業員コミュニケーション創出を行うシャッフルランチ施策「DG Lunch Meetup」を導入しました。当事業年度の「DG Lunch Meetup」では、200名弱の従業員が希望者として参加し、セグメント横断で構成されたグループで月4回の頻度で実施しました。実施後の満足度調査では平均4.5/5.0を記録し、社内コミュニケーションの活性化に確実に繋がっているため、今後も安定的で継続的な施策として取組んでまいります。

今後も社会環境や従業員のライフステージの変化に柔軟に対応できる制度設計を行い、当社グループ事業目標達成の原動力となる従業員が、最高のパフォーマンスを発揮できる環境整備に努めてまいります。

 

③  各種データ

当社グループでは、上記において記載した人財の多様性の確保を含む人財育成方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

 

<グループ会社※1の実績と目標値>

 

2023年3月31日時点

2024年3月31日時点

2028年3月31日時点

実績

実績

目標

従業員数(連結会社)

955人

1,087人

1,500人

エンゲージメント指数
(トータルエンゲージメント)

※2

3.8

3.8

4.0

管理職のうち女性比率

17.2%

16.5%

30.0%

男性の育児休暇取得率

16.7%

28.6%

80.0%

※1 連結の大部分を占めるのは国内連結会社(1,021名)であるため、上表の従業員数を除く実績および目標値は国内連結会社での開示としております。なお、エンゲージメント指数に関しては調査実施時点の国内連結会社を対象としております。

※2 トータルエンゲージメントとは、企業を構成する「仕事・職場・会社」の概念に紐づけ、これら3つへのエンゲージメントの合計として解釈したものであります。満点を5.0とし、4.0が「非常に高い」と判断される指標になります。組織調査の実施は外部ベンダーに委託しております。

 

④  リスク管理

人的資本に関するリスク管理については、全社のリスク管理に統合されているため、詳細は「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。