リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要な事業等のリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 景気変動に関するリスク
当社は、日本国内の経済動向に大きく影響を受けるため、国内外の景気動向及び為替相場の変動、税制及び法令等の改正により、当社のクライアントが事業投資やIT投資を抑制した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新たな感染症等が世界的に拡大した場合においては、当社の企業活動にも感染症拡大対策等により一定の影響が生じることになります。同様に当社のクライアントにおいても企業活動に制約が生じること等による間接的な影響により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 人材の採用及び育成に関するリスク
当社は、今後のコンサルティング事業を支える優秀なITコンサルタント及びITエンジニアの積極的な採用が重要であると認識しております。今後も、当社が迅速に事業拡大を目指していくためには、高度専門人材の獲得競争が激化しつつある近時の採用マーケット市場において、可能な限り早期に優秀なITコンサルタント及びITエンジニアの獲得が重要になってまいります。
コンサルティング事業が属する業界における人材の争奪により、優秀なコンサルタント及びITエンジニアの採用及び育成が計画どおりに進まない場合並びに優秀なコンサルタント及びITエンジニアの社外流出が生じた場合等には、競争力の低下や事業規模拡大の制約、クライアントに提供するサービスレベルの低下をもたらし、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) プロジェクトの管理等に関するリスク
当社は、コンサルティング事業が提供する業務は、仕様や業務内容がクライアントの要求に基づき定められ、プロジェクト単位で遂行しております。
プロジェクトごとの個別性が高く、クライアント要望の高度化、案件の複雑化や完成までの事業環境の変化等によって、受注時に採算性が見込まれる案件であっても、作業工数の増加により採算が確保できない可能性があり、受注時の想定以上に作業が発生する場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、プロジェクト管理が不十分で品質が低下した場合及び予想外の事態の発生により採算が悪化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 財務基盤に関するリスク
当社は、新規事業として、2020年11月にテクノロジー事業(現 コンサルティング事業)を、2022年10月にコンサルティング事業をそれぞれ創業し、事業基盤構築のための投資を継続している段階にあり、優秀なコンサルタント及びITエンジニアの採用及び育成、コンサルティング案件の積上げ並びに安定した稼働率の確保等を推進することで、黒字転換を図っております。
持続的な事業成長及び中長期的な企業価値の向上を実現するために、財務基盤の安定性及び柔軟な資金対応力の確保が不可欠であるとの認識のもと、大株主である株式会社The capitalより、当社の財務基盤の安定化及び事業推進に向けた資金面での支援の意向を示す書面を受領しております。
これにより、将来的な不確実性に備え、対応可能な支援体制を整備し、当社の財務健全性を強化しており、今後も、こうした支援体制のもと、財務基盤の安定性を一段と高めるとともに、自己資金に加え、外部からの資金調達を含む多様な資金調達手段を検討してまいります。
コンサルティング事業が想定どおりに進捗しない場合、営業損失や営業キャッシュ・フローのマイナスが継続し、さらに、想定どおりに資金調達が実現しない場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) M&A又は資本提携等に関するリスク
当社は、事業の自律的な成長に加え、M&A又は資本提携等(以下、「M&A等」という。)の手法を活用した事業成長を推進しております。
M&A等を実施する場合には、事前の精査等によって、対象企業又は事業等のリスク、収益性及び投資回収の可能性等を検討しておりますが、M&A等が実施された場合、一時費用の増加やのれん償却費の増加等が想定され、一時的に業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、何らかの理由により、当初見込んだとおりの収益及び投資回収が進まなかった場合、のれんの減損等によって当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 大株主に関するリスク
株式会社The capitalの所有株式数は、当事業年度末現在で発行済株式総数の53.76%となっております。
同社は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。
同社は、当社としても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) グロース市場上場維持基準への抵触に関するリスク
当社は、2025年3月末時点において東京証券取引所グロース市場の上場維持基準における時価総額40億円に適合しない状態となっており、上場維持基準を充たすため、業績の回復に努め、企業価値の向上を図ることにより、株価を通して株主及び投資家に評価をいただき、当該リスクを回避する等の各種取組を進めております。
しかしながら、財政状態及び経営成績並びに市場環境等により、当該状況が改善されない場合には、上場廃止となるリスクがあり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、時価総額基準の適合に向けた取り組みの詳細は、2025年6月下旬に公表予定であります。
(8) 情報セキュリティに関するリスク
当社のコンサルティング事業を運営するにあたり、クライアントの機密情報や個人情報を有することがあります。当社が取得したクライアントの機密情報や個人情報については、データへのアクセス制限を設定するほか、外部からの侵入防止措置等により、流出の防止を図っております。
クライアントの機密情報や個人情報の取扱いについては、細心の注意を払ってまいりますが、今後、外部からの不正アクセス等による不測の事態によってクライアントの機密情報や個人情報が社外に漏洩した場合には、当社に対する社会的信用に重大な影響を与え、損害賠償請求等の対応費用により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 法的規制に関するリスク
コンサルティング事業は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、「労働者派遣法」という。)及びその他関係法令の規制を受けております。
労働者の保護等を目的として労働者派遣法及びその他関係法令は改正されることがあり、当社は積極的な法令遵守のため、常に法令改正の状況を把握し、対応すべき事項を理解するよう努めております。
しかしながら、規制当局と当社の間で法令の解釈に相違がある場合や対応すべき事項への対応が遅れる等の場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 自然災害等の危機的な事象発生に関するリスク
地震、台風、火災、疫病の蔓延、テロ攻撃、その他予期せぬ災害や紛争の発生により、当社の事業の運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの災害等が発生した場合には、速やかに全社的な危機管理に努めてまいりますが、物的、人的な損害が多大である場合には当社の事業運営自体が困難となる可能性があります。
また、上記の直接的なリスクに加えて、これらの災害等に端を発する消費需要の減退及び景気後退は、コンサルティング事業における人材需要の縮小を招くことも考えられ、結果として、間接的に当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題の一つと認識しており、事業展開の拡大及び企業体質の強化に留意しつつ、利益配分を行うことを基本方針としております。当社は会社法第459条の規定に基づき、取締役会の決議によって柔軟に剰余金の配当を行うことができる旨を定めております。
また、毎年3月31日を期末配当、毎年9月30日を中間配当の基準日として、さらに、それ以外に基準日を定めて剰余金の配当が可能な旨を定款に定めております。
しかしながら、2025年3月期におきましては、当期の業績等を鑑み、誠に遺憾ではございますが、無配とさせて頂く所存でございます。